プライバシー重視のモバイルブラウザー「Firefox Focus」アップデート、新ロゴ、ショートカット機能などなど追加

Mozillaは、プライバシーを重視したモバイルブラウザー「Firefox Focus」をアップデートし、外観やショートカットを一新するとともに、プライバシーコントロールを強化した。Firefox Focusは2016年に初めて登場し、基本的にデフォルトでプライベートブラウジングモードを提供する。このブラウザーは、ニューカラー、新しいロゴ、ダークテーマを採用している。また、Mozillaは、ユーザーが頻繁に訪れるサイトにすばやくアクセスできるように、新しいショートカット機能を追加した。

最新のアップデートには、個々のトラッカーの有効 / 無効をすばやく切り替えられるシールドアイコン(盾型アイコン)がある。また、現在、グローバルにブロックしているトラッカーの数がわかるカウンターがある。Mozillaによると、これらによりユーザーは、自分がトラック(追跡)されているか気にせずに検索をすばやく完了できる。

Cybersecurity Awareness Monthの一環としてMozillaは、Android上のFirefoxに新しい機能を加えた。アプリのアカウントをこれから作るユーザーは、新しいパスワードを直接ブラウザーに保存可能で、モバイルとデスクトップの両方で、アカウントに簡単にログインできるようになる。

またブラウザーに保存したパスワードを自動入力して、そのアカウントにログインできる。Firefoxのアカウントを作ったユーザーは、すべてのパスワードをデスクトップとモバイルデバイスの両方で同期できる。さらにパスワードなどを使わずにユーザーの顔や指紋でアカウントのロックを解くこともできる。

Mozillaの発表によると、Firefoxは年内にWindowsのMicrosoft Storeで入手できるようになるという。Microsoftが、ストアにおけるサードパーティー製ブラウザーの制限を緩めたからだ。

「Firefoxのような独立したブラウザーを含む企業やアプリケーションに対して、Microsoft Storeがよりオープンになったというニュースを歓迎します。より健全なインターネットとは、人々が多様なブラウザーやブラウザエンジンから選択する機会を持つことだと考えています」とMozillaは声明で述べている。

画像クレジット:Mozilla

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

プライバシー重視のBraveブラウザで利用できる非トラッキングのビデオ会議ツールが一般公開

Braveは、社名と同じ「Brave」という名前のトラッキングをしないブラウザで知られるスタートアップだ。同社が提供するトラッキングをしないビデオ会議のアドオンがベータの段階を終了した。誰でもBraveブラウザからすぐにビデオ通話を開始することができる。

Brave Talkというこのツールは、2020年5月からベータテストが実施されていた。同社がTechCrunchに語ったところによると、ベータテスト期間中のDAU(デイリー・アクティブ・ユーザー)、つまりBraveブラウザのテストバージョンから参加したアーリーアダプターと開発者は1万4000人ほどだったという。

このBrave Talkが一般に公開された。Braveは「プライバシーを重視した」ビデオ会議としてインターネットユーザーにアピールしている。

同社は一般公開を発表するブログ記事の中で「Zoomなど多くのビデオ会議プロバイダーは、通話やメタデータ、画像をモニターしており、こうしたデータの記録はユーザーの同意なしに販売されたり共有されたりすることがあります」と書いている。

ブログ記事はさらに「Brave Talkの通話では複数レイヤーの暗号化を有効にできるので、盗み聞きしようする人がいても聞くことはできず、我々のサーバーにメタデータは保存されません。したがって、ユーザーの同意なく通話、画像、アクティビティが記録されたり共有されたりすることはまったくありません」と続く。

Brave Talkのプレミアム機能(グループ通話や通話の録画など)は月額7ドル(約770円)で利用できる。ただし1対1の通話は無料で無制限だ(AndroidとiOSのBraveアプリは今のところプレミアムにのみ対応しているが「数週間のうちに」無料版も利用できるようになる予定となっている)。

ビデオ通話はBraveブラウザから開始する必要があるが、招待される側は「モダンブラウザ」(Chrome、Firefox、Safari、Edge、Operaなど)ならどれでも参加できる。

Braveは非トラッキングの認証情報であることをZoomなどの主力ビデオ会議ソフトウェアとは異なる利点として売り込んでいるが、Brave Talkは(今のところはまだ)エンド・ツー・エンド暗号化に対応していないことには注意が必要だ。

Braveによれば、Brave Talkは8×8が手がけるオープンソースのビデオ会議プラットフォームであるJitsi as a Serviceを利用している。これはWebRTCオープンソーステクノロジーでブラウザに直接HDビデオを埋め込めるようにするものだ。

暗号化に関しては、設定で複数のレイヤーを有効にできるという。Braveは、Brave Talkの無料版でもプレミアム版でも「Videobridge暗号化」で現時点では最も強力なレベルで暗号化されると説明している。

同社の共同創業者でCEOのBrendan Eich(ブレンダン・アイク)氏は「この設定により、ビデオとオーディオのストリームが参加者によって生成されるキーを使って暗号化され、Videobridgeサーバーで盗み聞きが防止されます。Videobridge暗号化は『Security Options』から有効にできます」と述べている。

同氏はさらにTechCrunchに対し次のように述べた。「『エンド・ツー・エンド暗号化』という言葉がまぎらわしく大げさであると判断したため、Brave Talkではこの設定を『Videobridge暗号化』としました。ビデオ会議に参加する際に、エンド・ツー・エンド暗号化の通話はプライバシーとセキュリティの1つの側面でしかありません。暗号化を利用していても、『大手』のビデオツールの大半は、会話の参加者や開始時刻と継続時間など多くの情報に関して積極的にデータを集め保管しています」。

「Brave Talkが採用している匿名の資格情報システムにより、我々は利用者や会話の相手を知ることはできず、複数のセッションにわたって関連づけることもできません。Brave Talkはユーザーを追跡しない、プライバシー・バイ・デフォルトのツールです」とアイク氏はいう。

Videobridge暗号化とエンド・ツー・エンド暗号化の違いを明確にするために、同氏はTechCrunchに対しさらに次のように述べた。「Videobridge暗号化はオーディオとビデオをBrave、8×8、パッシブに盗み聞きしようとする人のいずれからも暗号化された状態にしていますが、我々が『Videobridge暗号化』と呼び『エンド・ツー・エンド暗号化』と呼ばない理由は、我々と8×8が協力し、会議の参加者を自動で認証してアクティブな攻撃者に対してさらに堅牢にしようとしているからです。この開発が完了すれば、自信を持って完全なエンド・ツー・エンド暗号化と言えるようになります。Zoomでは参加者がセキュリティコードを声に出して読み上げ、エンド・ツー・エンド暗号化されていることを確認しますが、こうしたプラットフォームに対して我々の圧倒的なアドバンテージになります」。

Brave Talk(以前はBrave Togetherと呼ばれていた)を試すには、通話を開始するためにまずBraveブラウザをダウンロードする必要がある。前述の通り、通話を受ける側はBraveでなくてかまわない。

アイク氏によれば、Braveの非トラッキング製品全体でMAUは3600万人を最近超えたという。これには検索エンジンとFirewall+VPNが含まれる。

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画像クレジット:Brave

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Kaori Koyama)

新ブラウザQikfoxはオンライン詐欺から消費者を守り、インターネットコンテンツの民主化を目指す

Qikfoxはただのブラウザではない。消費者をオンライン詐欺の蔓延から守るだけでなく、コンテンツの公開を民主化して、多くの人に届けるという使命がある。

Qikfoxはすでに、長年のベンチャー投資家であるTim Draper(ティム・ドレイパー)氏からシード資金を調達しており、今週のTechCrunch Startup Alleyに出場した。ブラウザのエクステンション(拡張機能)でスタートした同社は、独自の検索エンジンやウイルス撃退機能、そして「世界で初めて」の分散化IDシステムを持つ完全に羽根の生えそろったプレミアムブラウザに変身した。

Qikfoxの創業者でCEOのTarun Gaur(タルン・ガウル)氏は、「開発した動機は、インターネットブラウザが消費者に提供しているものを自分たちで管理していないからです。インターネットブラウザは40億ものウェブページをホストしていますが、インターネットはこのようなコンテンツの洪水を想定していませんでした」と語る。

「デベロッパーやプライバシーにフォーカスしたインターネットブラウザもありますが、まず安全性とセキュリティを解決しなければ、プライバシーを解決することはできません」。

Qikfoxのアイデアは、テクノロジーに詳しいガウル氏の母親が、Googleの偽広告をクリックしてオンライン詐欺の被害に遭ったことから生まれました。Qikfoxは、人口が多いベビーブーム世代が同じ被害に遭わないように、オンラインビジネスが正当なものであるかどうかを確認する78種類のシグナルを採用している。

「私たちのブラウザは、これらのウェブサイトを識別し、アクセスできないようにブロックします。これにより消費者が詐欺に遭うことはほとんどありません」とガウル氏はいう。

Qikfoxが搭載するウイルス撃退システムはブラウザをスキャンして保護するだけでなく、ユーザーのシステム全体を監視する。ガウル氏によると、Qikfoxは今日の市場で最も安全なブラウザだ。「ベンチマークによると、プライバシーとセキュリティの面で競合他社を圧倒しています」という。

ガウル氏は以前、モバイルとクラウドファーストのターンキーソフトウェアのコンサルティング企業Tringappsを創業した。しかし彼は、そこに安住しなかった。彼は現在、Amazonのようなeコマースのウェブサイトで偽造品を検出する高度な機能を開発している。また長期的には、Qikfoxを完全なオペレーティングシステムにする計画もある。

しかし、彼の究極の使命は、ゼロコードのコンテンツ公開と普遍的に発見可能なハンドルを使うことで、ウェブをより参加的で民主的なものにすることだ。

「分散インターネットを作る試みはたくさんありましたが、すべて失敗しました。技術がなかったからではなく、スパムをどうやってコントロールするか、誰にもわらなかったからです。そこで私たちが開発したのは、IPFS(InterPlanetary File System)をもっと革新的にしたような技術で、それは今日のIPFSや分散インターネット技術にできることを、はるかに超えています。例えばドメインネームというシステムはまったく必要ありません」とガウル氏はいう。

ガウル氏は、技術者でない一般消費者がデジタル経済に参加するために、Smart Stacksというものを開発した。それは、ゼロコード(コーディング不要)のコンテンツ発行プラットフォームで、コンテンツを普遍的に発見可能にする。「Googleが現在、クラウドでやってることを分散化で置き換えるようなものを作りたい」とガウル氏はいう。

Qikfoxの使用料は年間180ドル(約1万9800円)で、今のところ北米地区で招待制のみで提供されているが、すでに4000あまりのサブスクリプションがあるという。ガウル氏によると、今後3カ月で英国とヨーロッパにもこのブラウザを紹介したいという。

画像クレジット:Qikfox

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(文:Carly Page、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Chromeベータ版はよりパワフルな新しいタブページ、ウェブのハイライト、検索の変更を実験的に実施

Googleは米国時間9月1日、Chromeベータ版ブラウザの新バージョンを発表し、ユーザーインターフェースとデザインにいくつかの重要な変更を行った。新しいタブページでは、従来のお気に入りのウェブサイトへのショートカットだけではなく、過去のウェブ検索履歴を表示するカードが追加される。その他の変更点としては、検索結果のナビゲーションがより簡単になり、ウェブ上の引用文をハイライトして共有することができるようになる。

新しいタブページのアップデートは、Chromeベータ版ユーザーが最初に気づく変更点の1つとなるだろう。

このデザイン変更の背景にあるアイデアは、レシピやショッピングなどで利用していたサイトを思い出すために閲覧履歴を調べる必要なく、過去のウェブでのアクティビティにすばやく戻るということだ。また、Googleドライブの最近使ったドキュメントのリストにもすばやく戻ることも可能で、Googleのサービスとのクロスプロモーションにもなる。

画像クレジット:Google

ページには、単なるリンクではなく、Googleが「カード」と呼ぶものが表示され、例えば、最近訪れたレシピサイトでアイデアを探していたり、編集を終えなければならないGoogleドキュメントがあったり、ショッピングカートに入れたままになっている小売業者のウェブサイトにアクセスしたりすることができる。後者は、Googleがオンラインショッピングへの投資を拡大していることに関連している。Googleはすでに、商品リストを無料にしたり、Shopifyといったeコマースプラットフォームと提携したりすることで、この分野でのマーケットシェアを拡大しようとしている。

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Googleは、Amazonの広告ビジネスが急成長していることに懸念を抱いている。同社の「その他」カテゴリーの大部分を占めている広告事業は、第2四半期に前年同期比87%増の79億ドル(約8687億6000万円)を売り上げた。今回の変更は、Chromeの新しいタブを利用して、ショッピングを活性化させ、ユーザーの取引が完了することを期待してのものだ。

もう1つの変更は、ウェブでのリサーチをより簡単にすることを目的としている。Googleによると、ユーザーがプラットフォーム上で何かを検索する際、答えを見つけるために複数のウェブページに移動することがよくあるという。Android版Chromeで、アドレスバーの下に検索結果の残りの部分を表示する行を追加することで「戻る」ボタンをタップすることなく他のウェブページに移動できるようにしている。

画像クレジット:Google

Android版Chromeベータ版にも搭載された「quote cards(引用カード)」のテストも予定されており、ウェブサイトに上のテキストを使って、ソーシャル共有のための定型化された画像を作成することができる。ウェブサイトのテキストをスクリーンショットで残すことは、すでに一般的になっており、特にニュース記事の重要なポイントをTwitterやFacebook、Instagramといったプラットフォームのフォロワーと共有したい人にとって便利な機能だ。この新機能では、テキストを長押ししてハイライトした後「共有」をタップし、メニューから「カードを作成」をタップしてテンプレートを選ぶことができる。

すべての機能は、Chromeベータ版ブラウザの一部だ。実験を有効にするには、ブラウザのアドレスバーに「chrome://flags」と入力するか、実験ビーカーアイコンをクリックし、フラグを有効にする。これらの実験に関連するフラグは、#ntp-modulesフラグ(新しいタブページ)、#continuous-search(検索結果の変更)、#webnotes-stylizeフラグ(引用カード)だ。

これらの実験は、必ずしもChromeの機能として広く展開されるわけではない。その代わりにGoogleは新デザインのアイデアに関する大規模なユーザーフィードバックを集めており、一般公開前に機能を微調整できるようになっている。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ウェブデザイン変更後のツイッターはアクセシビリティが不十分と専門家は指摘

米国時間8月12日、Twitterはウェブサイトとアプリのデザインを大幅に変更した。この変更は1月の新しいフォントの導入に続くもので、同社は今回の更新を「プラットフォームのアクセシビリティを向上させる」ためのものとしているが、アクセシビリティの専門家によると、これらの変更は的外れだという。

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最もわかりやすい変更点は、ツイートがTwitter独自の書体である「Chirp」で表示されるようになったことと、背景と文字のコントラストがより強調されたことだ。不要な仕切り線がなくなり、インターフェースもすっきりとした。弱視のユーザーにとって、コントラストの高いデザインではウェブサイトがより見やすくなるが、現在のコントラストレベルは高すぎて、負担になるユーザーもいる。プラットフォームのコントラストレベルは、障害者が利用しやすいウェブサイトの推奨事項を定めたウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(Web Content Accessibility Guidelines、WCAG)の最低基準をはるかに超えている。しかし、ウェブアクセシビリティは一律ではない。高コントラストのディスプレイを必要とするユーザーもいる一方で、慢性的な偏頭痛に悩むユーザーにはもっとマイルドな表示が必要かもしれない。失読症の人は、コントラストの低いテキストの方が速く読めるという研究結果もある。

デザインリサーチャーであり、The Disabled Listの創設メンバーでもあるAlex Haagaard(アレックス・ハーガード)氏は次のように話す。「アップデート後のTwitterで、すぐに目が痛くなり、30分後には緊張性の頭痛に襲われました」「慢性的な苦痛がいくつもあるので、苦痛を悪化させるようなものを使うことはできません。痛みがますますひどくなるからです」。

2020年まで、Twitterのアクセシビリティチームはボランティアベースで、同社の社員が既存の仕事に加えてアクセシビリティのプロジェクトを担当していた(TechCrunchの記事を参照のこと)。アクセシビリティを考慮しない音声ツイート機能のリリースから数カ月後の9月、Twitterは社内に2つのアクセシビリティ専門チームを導入した。しかし、専門家は、新機能を検討する際には、最初から障害者をデザインの決定に関与させることが必要だと強調する。

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「Twitterは、この状況を変えるために、アクセシビリティや障害者の視点を設計プロセスにもっと取り入れると言っていましたが、今回の結果を見ると十分な仕事をしていないようです」とハーガード氏。「研究や構想の段階で障害者コミュニティのメンバーをコンサルタントとして関与させ、全体を把握できるようにすれば、テストの際にもはや手遅れであるような根本的な問題が生じるのを防ぐことができます」。

TwitterはTechCrunchの取材に対し「プロセスの最初から全体を通じて、障害のある人のフィードバックを取り入れてきました。人によって好みやニーズが異なるため、今後もフィードバックを集めてプラットフォームがより使いやすいものになるように改善していきます。集まったフィードバックを参考に、私たちは取り組みを続けます」と述べる。

Twitterのアクセシビリティチームは、アップデート後にユーザーから報告された眼精疲労や偏頭痛などの問題を認識している。現地時間8月13日午後、同社は、ユーザーからのフィードバックを受けて、すべてのボタンのコントラストを変更し、「目に優しい」デザインに変更したとツイートした。

Adobeのインクルーシブデザイン担当であるMatt May(マット・メイ)氏は次のように話す。「デザインの作成者の発表と同時にアクセシビリティ団体がそれについて発言するのは良いことです。両者が協力していることを意味するからです。重要なのは、常に目を凝らし、枠組みから外れてしまっているグループを見つけ、システムの別の部分で彼らを取り込むことです」。

メイ氏は、このような派手な(目に優しくない)アップデートは必ず反発を招くと指摘するが、その一方で「Twitterは通常は目立たない重要なアクセシビリティの向上を行っている」と話す。例えばTwitterは最近、ユーザーが動画にSRTファイルをアップロードして字幕を追加できるようにした。また、Twitter Spacesはライブキャプションをサポートしたが、Clubhouseのような競合他社はまだこの基本的なアクセシビリティ機能を備えていない。

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これまでユーザーが利用しやすいようにカスタマイズ機能を提供してきたTwitterが、なぜ(今回のコントラストの高いディスプレイや新しいデフォルト書体の導入に)カスタマイズ機能を追加しなかったのかは疑問だ。現在、ユーザーはデフォルトのライトモード、ダークモード、ブラックモードを切り替えたり、デフォルトのフォントサイズを変えたり、ボタンやハイパーリンクの色をパープル、オレンジ、ピンクなどに変更したりすることができる。現地時間8月12日のアップデート以前にも、ユーザーはTwitterのアクセシビリティパネルでより高いコントラストのモードを有効にすることができた。しかし、コントラストを下げたり、フォントを変更したりすることはできず、専門家はこれをデザイン上の欠陥であると指摘する。初の独自書体「Chirp」では、「感情を伝えやすくする」ことを目指していたが、ユーザーは「Chirp」以前に使用されていた「Helvetica」よりも読みにくいと報告している。

マサチューセッツ工科大学の研究者であり、WCAG基準の編集者、World Wide Web Consortium(ワールドワイド・ウェブコンソーシアム)のアクセシビリティ教育およびアウトリーチリーダーでもあるShawn Lawton Henry(ショーン・ロートン・ヘンリー)氏は「ウェブサイトは、ユーザーがフォントやコントラストレベルなどを切り替えられるカスタマイズオプションを備える必要がある」という。現在のWCAGの推奨事項にはこの件は含まれていないが、同氏は「今後のガイドラインの更新では、このようなオプションの設定が推奨されるようになる」と話す。

「主な問題は、デフォルトのコントラストがWCAG基準を満たし、ユーザーがそれを変更できるようにすることです。難しいことではありませんよね?」「デフォルトのフォントがあったとしても、それをカスタマイズできるようにする必要があります。(デフォルトのフォントが)一般的に最も読みやすいフォントであったとしても、個人差があります。変更できるようにすることが重要です」とヘンリー氏。

Twitterの広報担当者は、書体やコントラストレベルを変更するオプションに関する質問に対し「今すぐ共有できる具体的な計画はありませんが、私たちは常に使いやすさを向上させる方法を検討し、フィードバックに耳を傾けています」と回答する。

ハーガード氏は「Twitterがこの件をアクセシビリティの問題として捉えていることは残念ですが、これがブランドアイデンティティの確立につながることは明らかです」と話す。

CSS(スタイルシート)を使ってウェブサイトの設定を変更するユーザーもいるが、ヘンリー氏がWorld Wide Web Consortiumのために行った調査では、ウェブブラウザや電子書籍リーダーでは、ユーザーが設定をもっと簡単にカスタマイズできる機能を提供すべきと報告されている。CSSを書けるほどテクノロジーに精通しているユーザーは限られるし、アプリごとのアクセシビリティ設定を切り替える方が簡単なのだ。前例もある。Discordは6月、アクセシビリティの設定に彩度のスライダーを追加した。

「ウェブのメリットは、紙ではないこと、そしてそれを変えることができる、ということです」(ヘンリ画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Dragonfly)

アップルが不評だったSafariの変更点をiOS 15 beta 6で修正、再びアドレスバーの上部表示も可能に

Apple(アップル)は、次期iOS 15でモバイル版「Safari(サファリ)」のデザインを変更し、アドレスバーを画面の下部に移して、ページのコンテンツの上に重ねる(フローティングさせる)としていたが、物議を醸したこの決定から、ゆっくりと後戻りしつつあるようだ。このデザイン変更は、片手でSafariの操作がしやすいようにすることを主な目的としていたものの、実際にはこれによって以前より使いにくくなったという批判を受けていた。今回リリースされた最新のベータ版であるiOS 15 beta 6では、アップルはユーザーからのフィードバックや不満に応え、ページコンテンツの下にタブバーを表示するようにデザインを修正。このアップデートが気に入っていた人にも、標準的な体験を提供することになった。さらに重要なのは、アップルが画面下のタブバーをユーザーに強制しなくなったことだろう。

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最新リリース版では、アドレスバーを以前のようにページの上部に表示するオプションが追加されたのだ。今回のアップデートが気に入らなかったユーザーは、これで「普通」に戻すことができる。

タブバーの変更前と変更後(画像クレジット:スクリーンショット)

フローティングしたタブバーに対する大きな不満は、ウェブページによってはクリックしたいボタンやリンクがこのタブバーに遮られてしまうため、ほとんど使えなくなってしまう場合があることだった(タブバーに遮られた箇所をクリックするためには、いちいちタブバーを下にスワイプしなければならなかった。これでは最適なデザインとはとてもいえない)。

iOS 15のSafariでは下のバーのせいでチェックアウトボタンが押せないので、テイクアウトの注文ができない日が続いている。

あのブルスケッタを食べさせてくれないなんて、ありがとうSafari

フェデリコ・ヴィティッチ

iOS 15 beta 6では、これらの問題が解決されている。基本的に、タブバーの外観は以前のように、つまり画面の上部に設置されていた頃と同じように、見慣れたボタンが並んでいる。タブバーがウェブサイトのコンテンツを遮ることもなくなった。

ベータ版をテストした人からは、リロードボタンやリーダーモードなどのよく使う機能を、3つのドットで表示された「その他」メニューの下に隠すというアップルの独自の判断が、Safariを以前よりも使いにくくしているという指摘もあった。iOS 15 beta 4では、この問題を解決するために、リロードボタンと共有ボタンを復活させ、リーダーモードが利用可能な場合は表示されるように修正した。しかし、それでもボタンは小さく、以前よりもタップしにくかった。

新たに変更されたタブバーと、それが画面の上下に関わらず、普通に戻ったことは、この問題に関するユーザーの不満が妥当であると、アップルが事実上認めたことになる。また、これはベータテストの本来の目的である、新しいアイデアを試して、うまくいかなかった点は修正するということのデモンストレーションでもある。

この修正とは別に、beta 6ではタブバーをページの最上部に戻すこともできるようになった。そちらの方が好みであれば「設定」→「Safari」で、デフォルトの「タブバー」と、アドレスバーを画面上部に配置する「シングルタブ」のいずれかを選択できるようになった(ただし後者を選択すると、タブバーでは可能だった、開いているタブをスワイプして切り替える機能が失われる)。

アップルがデフォルト設定の代替となる選択肢を用意するのはよくあることだ。例えばMacのトラックパッドでは、ジェスチャーやクリックがどのように機能するかをユーザーが設定できるようになっているし、かつて物議を醸した「自然な」スクロール方向のオプションをオフにすることもできる。しかし、アドレスバーを最上部に戻すオプションが追加されたことは、iPhoneで最も頻繁に使用されるアプリケーションの1つであるSafariの使い方を学び直したくないと考えるユーザーが相当数いると、認めたということである。もし、そのようなユーザーにこの変更を強要すれば、彼らは代わりに他のブラウザを使うようになるかもしれない。

アップルは通常、iOSソフトウェアの最新版を秋にリリースするため、一般公開に先立って行われるSafariの変更は、今回のアップデートが最後になるかもしれない。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSiOS 15ベータ版ブラウザSafariアプリ

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

プライバシー重視ブラウザ「Brave」、非追跡型検索エンジンのベータ版をリリース

プライバシー重視のブラウザBraveは、数カ月間独自の検索エンジンのテスト(予約リストに登録されている[ブラウザ名がBraveだけに]勇敢な早期採用者による新興の代替インターネット検索ブラウザの品質検査)を行ってきたが、今回、Brave Searchというツールのグローバルベータ版のリリースを発表した。

Braveの非追跡型検索エンジン(独自のインデックス上に構築されており、Google検索のような監視テック製品に代わるプライバシー重視をうたっている)に興味のあるユーザーは、Braveのデスクトップ版およびモバイル版のブラウザを介して入手できる。他のブラウザでsearch.brave.comにアクセスしても入手できる。つまり、Braveブラウザに乗り換えなくても、Braveの検索エンジンを使用できる。

Brave SearchはBraveブラウザのユーザーが選択できる複数の検索オプション(Google検索エンジンを含む)の1つとして提供されているが、Braveによると、2021年後半にはBraveブラウザのデフォルトの検索エンジンにする予定だという。

3月の記事に書いたとおり、BraveはCliqz(欧州の非追跡型検索ブラウザで2020年5月に閉鎖された)に在籍していた開発者と同社のテクノロジーを買収によって取得し、彼らが開発していたTailcatと呼ばれるテクノロジーを基盤として、Brave独自の検索エンジンを作り上げた。

現在ベータのBrave Searchは、現時点で、10万人を超える早期リリース版ユーザーによってテストされたという。同社はこのマーケティング動画を作成し、Brave SearchをGoogle検索エンジンとChromeの組み合わせの代替オプションとして使用できる「すべてを含むパッケージ」であるとうたっている。

Braveの月間アクティブユーザー数は、(3月時点では2500万人だったが)最近3200万人を超えた。これには、同社のフラグシップ製品であるプライバシー重視のブラウザだけでなく、ニュースリーダー(Brave News)やFirewall+VPNサービスなど広範な製品スイートのユーザーも含まれる。

Braveは、プライバシーを重視するユーザーのコミュニティにリーチしたいと考えている企業向けに、プライバシー保護型のBrave Adsも提供している。

監視べースのビジネスモデルに対する一般市民の認識が高まるにつれ、プライバシー重視の消費者テックが何年にも渡ってその勢いを増し続けている。特定のプライバシー重視製品に注力してビジネス展開をはじめ、完全な製品スイート(ブラウザ、検索エンジン、電子メールなど)を形成するに至った企業も少なくない。こうした企業では、すべての製品を非追跡型という1つのカテゴリに属するものとして提供している。

Brave以外にも、DuckDuckGo(ダックダックゴー)は、非追跡型検索エンジンだけでなく、トラッカーブロッカーや受信箱プロテクターツールといった製品を提供しており、全体で7000万人~1億人のユーザーを獲得したと思われる。また、Proton(プロトン)はE2E暗号化メールサービスProtonMailだけでなく、クラウドカレンダーやファイルストレージ、VPNといったサービスも提供している。プロトンは最近、全世界で5000万人を超えるユーザーを獲得した。

もちろん、Apple(アップル)も例外ではない。AppleはGoogleと競合するテック大手でアドテック複合企業でもあり、ユーザーに高品質のプライバシーを約束することでハードウェアと各種サービスの売上を伸ばしている(アップルによると、2021年始めの時点で、iOSのユーザーは全世界で10億人を超えており、Apple製デバイスの台数は16億5000万台以上に達しているという)。

要するに、消費者向けプライバシーテクノロジー市場は成長しているということだ。

それでも、そのAppleでさえGoogle検索との競争は避けている。これは、Googleという巨大検索企業からユーザーを横取りしようと試みることがあまりに大きな挑戦であることを示しているのだろう(とはいえ、Appleは、Google検索エンジンのiOS端末への事前ロードを許可する代わりにGoogleから巨額の支払いを引き出している。これによってAppleは巨額の収益を得ているものの、自ら唱えている広範なプライバシー重視、ユーザー重視の約束と矛盾しており、問題を複雑にしている)。

対照的にDuckDuckGoは長年、非追跡型検索の第一線に位置しており、2014年以降黒字化を実現している。同社はもちろんAppleのような巨額の利益を出しているわけではないが、投資家がプライバシー重視検索の成長に目をつける中、最近、例外的に巨額の外部資金を調達している。

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商業的な情報詮索プログラムから人個人情報を保護するという市民の欲求が拡大しているその他の兆候として、Facebook所有のWhatsAppに代わるエンド・ツー・エンド暗号化アプリの急増がある。例えばSignalは、2021年前半、広告大手であるFacebookがWhatsAppのサービス利用規約の一方的な変更を発表した後、ダンロード数が急増した。

本格的なユーザープライバシーの約束に期待を寄せる思い入れの強いユーザーのコミュニティを構築してきた有望な企業は、プライバシーへの関心が高まるたびにその波に乗る絶好の位置につけているといえる。さらには、消費者向け製品スイートを抱き合わせ販売することで、個々の製品の有用性を高めることもできる。Braveが検索に手を出す絶好のタイミングだと確信したのもそのためだ。

BraveのCEO兼共同創業者Brendan Eich(ブレンダン・アイク)氏は、今回の発表のコメントで次のように語っている。「Brave Searchは業界で最もプライバシーを重視した、なおかつ独立系の検索エンジンであり、ユーザーがテック大手の代替エンジンに求めるコントロールと信頼をもたらします。ユーザーを追跡しプロファイルを作成する古い検索エンジンや、その後に登場した独自のインデックスを持たない、古いエンジンの外観を変えただけのような検索エンジンと違って、Brave Searchはコミュニティの力を活用したインデックスで関連性の高い結果を出す新しい方法を提供すると同時に、プライバシーも保証します。数百万という人たちが監視型経済を信頼できなくなり、自身のデータを自身で管理できるソリューションを積極的に探している中、Brave Searchは今市場にある明らかな空白を埋めることができます」。

Braveは、同社の検索エンジンにライバル企業(小規模のライバルも含む)との差別化を図る機能が多数用意されていることを売りにしている。その1つが独自の検索インデックスであり、このおかげで他の検索プロバイダーに依存しないエンジンとなっている。

独自の検索インデックスがなぜそれほど重要になるのだろうか。この質問をBraveの検索最高責任者Josep M. Pujol(ジョセフ・M・プホール)氏にぶつけてみた。「検閲とバイアスが組み込まれる動機は、故意であれ、無意識であれ(こちらのほうが対処は困難ですが)たくさんあります。検索と人々がウエブにアクセスする方法の問題は、それがモノカルチャーである(ごく少数の企業に席巻されている)点です。誰もが、この状態は非常に効率的であると同時に非常に危険であることを認識しています。モノカルチャーでは、一度病害が発生するとすべての作物が駄目になる可能性があります。現在のこの状況は障害に対する耐性がなく、ユーザーでさえそのことに気づき始めています。我々にはもっと選択肢が必要です。これは、GoogleやBingを置き換えるという意味ではなく、それらの代替案を提示するという意味です。選択肢が増えれば自由度が上がり、抑制と均衡を備えた本当の競争を回復できます。

「選択肢は独立性があって初めて可能となります。というのは、もし当社が独自の検索インデックスを持っていなかったら、当社のエンジンはGoogleやBingの上に一枚皮を被せただけのものになり、ユーザーの問い合わせに対する結果もほとんど、あるいはまったく変わりません。某検索エンジンのように独自の検索インデックスを持たないエンジンを提供すると、一見選択肢が増えたように見えますが、中身は大手2社と何ら変わらないのです。コストはかかりますが、独自の検索インデックスを構築することによってのみ、真の選択肢を提供できます。そして、それはBrave Searchユーザーに限らずすべてのユーザーに利益をもたらします」。

ただし、現時点では、Braveは他の検索プロバイダーの機能に依存している部分があることを指摘しておきたい。これは、特定のクエリーや画像検索などの領域で(Braveによると、例えばMicrosoft所有のBingの結果を利用しているという)、十分に関連性の高い検索結果が得られるようにするためだ。

また、検索結果の改善と精緻化にコミュニティからの匿名のコントリビューションも利用しており、検索インデックスに関して広範な透明性という謳い文句に沿った製品にしようとしている(検索インデックスでは、結果にバイアスを生じさせる秘密の手法やアルゴリズムを使用しないという。これを実現するために、まもなくコミュニティによってキュレーションされるオープンなランキングモデルを提供して多様性を確保し、アルゴリズムによるバイアスとあからさまな検閲を防ぐという)。

透明性を上げるもう1つの手段として、Braveは、ユーザーの問い合わせが独自インデックスによって処理された割合を報告するとしており、これを「業界初の検索独立性指標」と称して宣伝している。つまり、同社独自の検索インデックスだけで得た結果の割合を表示するというものだ。

「当社はユーザープロファイルを構築しないため、この指標はユーザーのブラウザを使用してプライバシーを重視して作成されます」とBraveはプレスリリースに記している。「ユーザーはこの集計指標をチェックすることで検索結果の独立性を確認し、検索結果の作成に当社独自のインデックスが使用された程度を知ることができます。あるいは、当社独自のインデックスがまだ構築中であるためにロングテール結果の作成にサードパーティのインデックスが使用されたかどうかも確認できます」。

また同社は、Brave Searchは「通常、大半の問い合わせに答えることができ、それは高い独立性指標に反映されている」ことも付け加えた。とはいえ、たとえば画像検索を実行すると、独立性指標が頭打ちになるのがわかる(ただしBraveは、これによってユーザーの追跡が行われることはないことを確認している)。

透明性はBraveにとって重要な原則であり、 Brave Searchによるすべての検索を対象にグローバルな独立性指標も開発する予定で、これを公開することで当社が完全な独立性に向けて進んでいることを示すつもりです」。

Braveの検索結果に表示される「独立性指標」の例(画像クレジット:Brave)

収益化に関しては、まもなく、広告なしの有償バージョンと広告付きの無償バージョン(「完全な匿名」検索は保証される)の両バージョンを提供する予定だという。ただし、早期ベータ版では広告スイッチをオフにする予定はないと明言している。

「広告なしの有料検索と広告付きの無料検索の両方に各種オプションを提供する予定です」と同氏はいう。「それができたら、Braveのユーザー広告ですでに行っているように、BATで広告収入をユーザーと共有するプライバシー重視の広告を検索にも持ち込みたいと思っています」。

Brave Search検索エンジンは使用するがBraveブラウザーは使用しないユーザーには、コンテキスト広告が表示される。

「BraveブラウザーによるBrave Searchでは、オプトイン広告における強力なプライバシー保護を保証するのが標準であり、当社の支持するブランド価値です」とプホール氏は付け加え、検索のユーザーとブラウザのユーザーは同じタイプの広告ターゲティングの対象となる可能性が高いことを確認した。

まもなくリリースされる広告なしバージョンの検索エンジンの価格設定について同氏は次のように答えた。「リリース日と価格については未定ですが、広告なしの検索はお求めやすい価格にする予定です。検索と情報へのアクセスはすべての人が公正な条件で利用できる必要があると当社は考えているからです」。

最近、欧州で興味深い展開があり、Googleは、反トラスト規制当局からの圧力を受けて、Androidプラットフォームの域内ユーザーに表示される選択画面における「載りたけりゃ金を払え」式のオークションモデルを見限って、多くのライバル企業と自社ブランドのGoogle検索が掲載されたリストからデフォルトの検索エンジンを選択できるようにすることに同意した。この動きによって欧州のAndroidユーザーが選択できる代替検索エンジンの数は増えるはずだ。そうなれば、Googleの検索市場シェアが少しずつ減少する可能性がある。

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Braveは以前、Googleの有償オークション形式には参加しないと語っていたが、新しいモデルが「本当に無料で参加できる」なら、今後参加する可能性はあるという。

「Googleが参加無料にするというのは、たくさんの前例があることを考えるとにわかには信じがたいのですが、このモデルが本当に参加無料で、各種契約や機密保持契約を交わす必要もないのなら、参加する可能性はあります」と同氏はいう。「結局、Brave Searchは使いたいすべての人にオープンな製品です。どのプラットフォームでもBrave Searchを選択できるよう積極的に取り組んでいきたいと考えています」。

「欧州各国にはローカライズ済みの各種ブラウザがすでに存在しているため、見込みのあるユーザーにリーチできるすべてのメディアでクラス最高のプライバシーをマーケティングすることで、Braveブラウザのシェア拡大のみに頼らず、Brave Searchの市場シェア拡大を図っていきたいと考えています」と同氏は付け加えた。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Braveウェブブラウザプライバシーベータ版検索エンジン

画像クレジット:Westend61 / Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

Instagramがデスクトップブラウザから投稿できる機能をテスト中

モバイルプロダクトだけに何年も注力してきたのちに、Instagram(インスタグラム)はようやくユーザーがコンピューターから投稿できるようにすることを検討している。多くのTwitterユーザーが、テスト機能が米国時間6月24日に使えるようになったことを指摘し、InstagramはTechCrunchにテストを展開していることを認めた。

「多くの人がコンピューターからInstagramにアクセスしていることに気づいています」とInstagramの広報担当は述べた。「そのエクスペリエンスを向上させるために、当社はデスクトップブラウザからInstagram上でフィード投稿ができる機能をテストしています」。

なぜ、今なのか。明らかにパンデミックの間にスマートフォンからではなくコンピューターからInstagramを利用する人が増えた。

テストが使えるかどうかをチェックするには、ブラウザでInstagramにいき、新しい「プラス」のアイコンが右上のアイコントレイにあるかどうかを確認する。テストはすべての人に提供されているわけではなく、またメインフィードへの投稿が作成できるだけだ。

新しいテストはInstagramのデスクトップに関する最新の動きだ。Instagramは2017年にウェブでStoriesを閲覧できるようにし、2020年後半にデスクトップにダイレクトメッセージ機能を加えた

「Instagramデスクトップウェブのエクスペリエンスがネイティブアプリの使用を減らすという証拠は見つかっていません」とInstagramのデータサイエンティストはウェブメッセージ機能の立ち上げ時に述べた。

「実際はまったく逆です。どちらのインターフェースも使うユーザーは、どちらかのインターフェースだけを使うユーザーよりも、それぞれのインターフェースでより多くの時間を費やします」。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:InstagramパソコンウェブブラウザSNS

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

Vivaldi 4.0がメール・カレンダー・RSSフィード機能を引っ提げてリリース

Chromiumベースのブラウザの中でも特に関心を集めていたVivaldi(ヴィヴァルディ)。プライバシー重視のパッケージで、パワーユーザーのために構築されたツールであること、ざっくばらんな性格で有名なOperaの元CEOであるJon von Tetzchner(ヨン・フォン・テッツナー)氏が共同設立者かつCEOであるという血筋がその理由だ。現地時間6月9日、Vivaldiチームは、Vivaldiブラウザのバージョン4.0を発表した。その中には、メール、カレンダー、RSSクライアントのベータ版をはじめ、プライバシーに配慮したLingvanex(リングヴァネックス)エンジンの翻訳サービス「Vivaldi Translate(Vivaldi翻訳)」の提供開始などが含まれる。

Vivaldiは以前からウェブメールサービスを提供しているため、メールクライアントとしてのVivaldiは新しい会社ではない。しかし、ブラウザに組み込まれたオフラインのメールクライアントやカレンダークライアントは、これらの組み込み機能がほぼ標準であったNetscape NavigatorやOperaのような初期の時代のブラウザに戻ったような感じがする。フォン・テッツナー氏は、多くのブラウザベンダーはユーザーを特定の方向(自社のウェブメールクライアントなど)に誘導するためにこれらの組み込み機能を廃止した、と主張する。

フォン・テッツナー氏は次のように話す。「私たちは、『ビジネスモデルが私たちの行動を決めるのではなく、ユーザーが何を求めているのかに焦点を当てよう 』と考えました。(内蔵のメールクライアントには)大きな価値があると考えています。私たちのほとんどは電子メールを使用します。メールを頻繁に使う人も、あまり使わない人もいますが、基本的に誰もが1つ以上のメールアカウントを持っています」「だからこそ、優れたメールクライアントを提供したいと考えました。Operaにこのような機能の多くがあったのはご存じのとおりですが、存在しない機能もありました。VivaldiはOperaのギャップを埋め、さらに多くのことを達成しています。(たとえば)Operaにはカレンダークライアント機能はありませんでした」。

画像クレジット:Vivaldi

Vivaldiメールとカレンダーに関する多くの決定は、Vivaldiチームの趣向に基づいて行われたようだ。例えばVivaldiのメールクライアントでは、Outlookのような通常のフォルダ構造ではなく、フィルタリングシステムによってメッセージを複数のビューに表示することができる。Vivaldiはユーザーによるカスタマイズを重視しているので、従来型の水平表示とワイド表示から自分が使いやすい方を選択することができる。切り替えボタンでメーリングリストやカスタムフォルダにあるメールをデフォルトのビューから除外して、見たいメッセージをコントロールできるのも良い機能だ。また、未開封のメールと未読メールを区別して表示してくれる点も良い。

VivaldiのCEOヨン・フォン・テッツナー氏(画像クレジット:Vivaldi)

IMAPとPOPプロトコルをサポートするほぼすべてのメールプロバイダに対応しているのは予想通りだが、Gmailにも対応する。

新しいビルトインカレンダーも、GoogleカレンダーやiCloudなど、標準的なカレンダープロバイダのほとんどをサポートしている。デザイン上の工夫としては、イベントごとに1~2行表示するのではなく、そのイベントのすべてのデータがカレンダーに表示される。フォン・テッツナー氏自身の好みだそうだ。

「これまでとは違うやり方をしているとは思います。ユーザーの反応を注視していきます」「私がカレンダーに求めていたことの1つは、すべてのコンテンツを見られるようにすることでした。現在一般的なカレンダーでは、テキストを表示するスペースはグリッドの大きさで制限されます。でも、そうする必要はありません。グリッドの大きさが揃っている方が見栄えがしますが、機能的には、テキストがより多く表示される方が使いやすいのです」とフォン・テッツナー氏。

フォン・テッツナー氏は、ユーザーをGoogleやMicrosoftから引き抜きたいのは当然だが、代わりの機能を提供するだけでは十分ではなく、もっと優れた機能を提供しなければならないと考えていると話す。

画像クレジット:Vivaldi

RSSリーダーはまだ基本的な段階で、たとえばフィードのリストをインポート / エクスポートする機能は提供されていない。ここでのアイデアは、エコーチャンバー化(「反響室」のような狭いコミュニティでのコミュニケーションを繰り返すことによって、特定の信念が増幅または強化されてしまう状況)を防ぎ、ユーザーごとにカスタマイズされたニュースの配信を行うニュースリーダーを避けることにある。全体的にフィードリーダーは非常にうまく実装されていて、ローカルのフィードリーダーに必要な機能をほぼすべて提供している。ネットサーフィン中はブラウザがRSSフィードを識別し、URLバーにハイライト表示するので、新しいフィードの購読はとても簡単だ。また、YouTubeをフィード(チャンネル)ごとに購読することもできる(YouTubeではあまり強調されていないが、すべてのYouTubeチャンネルはフィードとして提供されている)。

フォン・テッツナー氏は「フィードでは、(データ)収集を避けることも重要です」と話す。「今のニュースサービスは、ユーザーにより関連性の高いニュースを配信すると理屈をこねながら、あなたが何を読んだかを見て、あなたのプロフィールを構築しています。しかし、私の意見では、ユーザーが特定のチャンネルを購読しているという情報だけで十分だと思っています。私たちが目指しているのは、ユーザーが自分の読んでいるものや購読しているものをコントロールできるようにすることであり、ユーザーの習慣や好みを知ることではありません。私たちには関係のないことです」。

これらはすべて、広告に振り回されないビジネスモデルというVivaldiの基本理念に帰結する。「ユーザーのデータを集める必要も興味もありません」とフォン・テッツナー氏は語る(ただし、ユーザー数や大まかな所在地など、基本的な集計データは集めている)。実際、彼は、ユーザーに関して詳細な遠隔測定を行っても、平々凡々なユーザー製品が仕上がるだけだという信念を持っている。

新しい翻訳機能もその一環で、データはVivaldiのサーバーでホストされ、いずれのサードパーティーサービスとも共有されない。Vivaldi翻訳はLingvanexテクノロジーを使用しているが、それを自社のサーバーでホストしている。結果はかなり良好で、おおむねGoogle翻訳と同等のレベルだ(微妙な差があることもあり、その場合、Google翻訳の方がより正確な翻訳を返すことが多い)。

Vivaldiの新しいオンボーディングフローでは、ユーザーが3つのデフォルトレイアウトから選択できる。ChromeやEdgeのような使用感だけを求めるユーザーのための基本的な「ベーシック」、パネルやステータスバーのようなブラウザの高度な機能を使いたいユーザー向けの「ノーマル」、すべてのツールを使ってみたいユーザーのための「アドバンス」だ。ブラウザに求める要件がユーザーごとに異なることを尊重する機能で、パワーユーザーではないユーザーにVivaldiの導入を促すことにもつながるかもしれない。「アドバンス」ではVivaldi の新しいメール、フィードリーダー、カレンダーの機能がデフォルトで有効になっている。

今のところVivaldiでは利益が出ていない。プリインストールされたブックマークや、検索エンジンとのパートナーシップから多少の収益を得ているが、フォン・テッツナー氏は、Vivaldiが持続可能な企業になるためには、ユーザー数をもう少し増やす必要があると話す。彼はこの考えに満足しているようで、ユーザー1人当たりの収益が比較的低いことにも納得している。「私たちには経験があり、成功したこともあります。当社のような会社の成長には時間がかかります」「私たちが構築しているものをユーザーが気に入ってくれることを願っています。多分気に入ってもらえていると思います。そしてゆっくりと、支払いに必要なだけのユーザーを獲得し、さらに発展させていきたいと考えています」。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Vivaldiウェブブラウザ

画像クレジット:Vivaldi

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Dragonfly)

マイクロソフトのブラウザ「Edge」は起動が速くなりタブがスリープする機能も搭載する

米国時間5月25日、毎年恒例のBuildカンファレンスでMicrosoftはEdgeブラウザのバージョン91に搭載される新機能を紹介した。2021年のBuildは驚くような発表(開発者のベロシティ!)があまりなく、それはEdgeの新機能も同様だが、ユーザーにとっては生活の質が上がる良いアップグレードだ。MicrosoftはEdgeをオープンに開発しているため、Edgeのロードマップに注目している人にとってはすでに知っている機能のように感じられるかもしれない。実際、筆者はEdge 90で新機能の大半をすでに見ていた気がする。

新機能の1つは、Edgeがほぼ瞬間的に起動するStartup Boostだ。Microsoftはかなり単純な方法でこれを実現している。Windowsマシンを起動するたびに単純にEdgeのコアのプロセスの一部をロードしているので、Edgeを起動するときには処理する作業があまりないのだ。Windows 10の起動時間にはあまり影響を与えないはずなので、おそらくトレードオフの価値はあるだろう。しかし筆者はここ数年、誰かがブラウザの起動時間について不平をいうのを聞いた記憶はない。

もう1つの新機能は「スリーピングタブ」で、名前から期待するとおりのものだ。タブをスリープさせるので、不要なメモリやCPUサイクルを消費しなくなる。

Microsoftは2020年12月にこの機能をテストしていることを初めて公表した。その時点でEdgeチームは、スリープしているタブはスリープしていないタブと比べてCPUの使用が平均で37%少ないため、メモリ使用量が32%減りバッテリー駆動時間も伸びると述べていた。

ベースのテクノロジーの多くをEdgeと共有しているGoogleのChromeブラウザも、リソースの使用を制限するツールを提供していることを付記しておく。例えば、現在の主なブラウザのほとんどが備えている機能で、Googleが「タブフリージング」と呼んでいるものなどだ。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:MicrosoftMicrosoft Build 2021Microsoft Edgeブラウザ

画像クレジット:Olga Gimaeva / EyeEm / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)