「ゾーンに入る」のを助けるアプリ「Centered」、仕事が30%早く終わりストレスも軽減

Centered(センタード)は、ユーザーが1日の流れを確認する手助けをし、仕事が達成できるようにカレンダーを守り、軌道修正に役立つパーソナルアシスタントを追加することができるアプリだ。このアプリでは、仕事を成し遂げるために他の人たちとバーチャルな会合をしたり、仕事に集中するように脳を働かせるための心地よいビートを流したりすることもできる。この会社はまだプロダクトを発売したばかりだが、あなたが健全に仕事に打ち込めるようにするために、390万ドル(約4億5000万円)の資金を調達した。

何かを成し遂げたり、その作業を楽しんだ人であれば、おそらく「フロー状態」(人によっては「ゾーン」と呼ぶこともある)を経験したことがあるだろう。しかし、多くのオフィス環境は、そんな状態になることができないように設定されている。仕事を終わらせるために、早朝出勤や残業、休日出勤といった馬鹿げたことをする人もいる。「朝7時に出社して、電話が鳴り始める前にオフィスで時間を過ごすのが好きだ」なんてセリフを言っている、あなたのことだ。

Centeredのアプリは、チームのメンバーがビデオフィードを介して小さなサムネイルとして表示されるバーチャルなコワーキングセッションを提供する。つまりこれは、同僚があなたの姿を見ることができれば(ただし、音や会話は聞こえない)、あなたはコードをレビューしなければならないときに、スマホをいじったり、6杯目のコーヒーを飲みに行ったりする可能性が低くなるだろうという考えに基づくものだ。また、このアプリには「フローミュージック」と呼ばれる、ゆっくりとしたテンポの環境音楽も鳴らすことができ、脳に仕事をする時間だと納得させるために役立つ。さらにパーソナルアシスタントも用意されており、同社の創業者はこれを「生産性を向上させるSiri」と表現している。

「飛行機の中でヘッドフォンをしていると、突然、気を散らすものが一切ないような感覚になることがあるでしょう? 周囲に邪魔する人がいないため、短時間に今まで書いたことがないほどたくさんの文章を書くことができたりします。これがCenteredで再現しようとしている体験です。フローセッションを開始すると、Noah(ノア)が出迎えてくれます。このボットは、あなたの作業をガイドしてくれます」と、Centeredの創業者兼CEOであるUlf Schwekendiek(ウルフ・シュエッケンディック)氏は説明する。「このアシスタントは、割り当てられた時間の半分を過ぎると知らせてくれます。あなたが気が散っていることに気づいたら、仕事に集中するよう促してくれます。親が宿題をするはずのあなたがゲームボーイに夢中になっていることに気づいて、他のことをするべきだと注意するようなものです」。

Centeredの創業者兼CEO、ウルフ・シュエッケンディック氏(画像クレジット:Centered)

Centeredは米国時間11月17日、Uncork Capital(アンコーク・キャピタル)とYes VC(イエスVC)が主導する投資ラウンドで390万ドルを調達し、JLL Spark(JLLスパーク)、Shrug Capital(シュラッグ・キャピタル)、Basement Fund(ベースメント・ファンド)、AVG Basement(AVGベースメント)、Remote First(リモート・ファースト)の他、多くのエンジェル投資家からも支援を受けたことを発表した。

「この資金調達によって、いくつかのことが可能になりました。もう、私1人ではありません。コーディングやデザインなど、すべてを業者に依頼することはなくなります」と、シュエッケンディック氏は語る。「私たちは、エンジニアリング、デザイン、コンテンツの各チームに人員を配置し始めました。より大きなコンテンツ契約を結び、より良い音楽やボイスオーバーを利用できるようになりました。しかし、本当におもしろいのは我々が持つデータです。私たちはこのデータの活用を始めたばかりです。人々がどのように働いているかを私たちは知っています。他の誰にも真似できません」。

実行中のCenteredアプリ(画像クレジット:Centered)

シュエッケンディック氏は、同社がデータを匿名で集計し、安全に取り扱っていると断言している。今回のラウンドでは、評価額は公表されていない。

「何千人もの人々が当社の製品を利用しています。初期のユーザーは、見積もっていた時間よりも平均30%早く仕事を終えられ、その結果、より幸せになり、ストレスが減ったと報告してくれました」と、シュエッケンディック氏は述べている。「トップユーザーは、Centeredを生産性向上のためのオペレーティングシステムとして1日に3〜5時間ほど使用しています。第1週目以降のユーザー維持率はほぼ100%であることもわかっています」。

画像クレジット:Centered

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

オフィス訪問:グルメサービス「Retty」の会議室名は料理、、、と思ったら違った

起業を目指す学生、事業を始めたばかりの起業家にとって、自分たちの将来像を描くことは重要なことだと思う。それと同じく、一足先にスタートを切った先輩企業たちの今の姿を見ることも参考になるかも知れない。

僕は先日、実名制グルメサービスを運営するRettyのオフィスに行ってきた。2010年11月に創業した同社のサービスは、今や月間3000万人が利用するまでに成長。2016年7月には総額11億円の資金調達も発表している。

そんな同社は、2017年7月にそれまでの五反田から麻布十番へとオフィスを移転したばかりだ。今回僕がおじゃましたRettyの新オフィスはこんな感じだった。

オフィスの全体像が分かる写真は下のフォトギャラリーに載せておくけれど、なかでも注目していただきたいのは、企業ごとの個性がでる会議室の名前だ。

会議室「タコス」改め、「9番」

Rettyの会議室の入口には、社員が撮影した料理の写真が飾ってある。

そして、それらの会議室は料理の名前がつけられている、、、と思ったら違った。正確に言えば、そういう試み自体はあったそうなのだが、結局浸透せずに実際には番号で呼んでいるのだとか。オフィスあるあるだ。

ちなみに、TechCrunch Japanを運営するOath Japanの会議室名は花の名前で統一されている。僕はただの1つも覚ていない。

  1. オフィスに入ってすぐの受付
  2. 社員の皆さんが集う共同スペース
  3. 共同スペースには大きな本棚も
  4. 本棚の裏に設けられたメイン会議室
  5. 各会議室には、社員が撮影したグルメ写真が飾られている
  6. 創業メンバーや社員たちの写真
  7. Rettyユーザーとの写真も
  8. 社内ミーティングやユーザーとの交流イベントに使われるイベントスペース

Airbnbのようにオフィスをレンタル―、ドイツのOptionspaceが正式ローンチ

ベルリン発のスタートアップOptionspaceが、”オフィススペースのAirbnb”といった感じのサービスと共に、本日正式にローンチした。

具体的なサービス内容として、オフィス用の物件を探している企業(ここにはもちろんスタートアップも含まれる)は、Optionspaceのサイトを使うことで、最短1ヶ月から家具付き/家具なしのオフィススペースを借りることができる。

既にベルリン、ミュンヘン、ハンブルグ、フランクフルトの4都市でサービスを開始しているOptionspaceだが、「今後数週間のうちに」他のドイツの都市にもサービスを展開していく予定とのこと。

「オフィススペースの賃貸契約のほとんどは、長期契約を前提にしており、柔軟性に欠けます。一方オフィスを借りる企業は、そこまで長い期間に及ぶ計画を具体的に立てられないことが多いため、長期契約は彼らにとって大きな金銭的リスクに繋がる可能性があるのです」とOptionspaceの共同ファウンダーでCEOのMoritz ten Eikelderは話す。なお彼は以前、Rocket Internet傘下の清掃代行サービスHelplingで、フィナンス部門のグローバルヘッドを務めていた。

しかしOptionspaceのマーケットプレイスには、従来のオフィス契約とは対照的に、フレキシブルな契約内容の物件しか掲載されていない。中には契約の終了日が決まっておらず、解約通知の期間が短いものもある。さらにユーザーは、物件のタイプやオフィスで働く人の数、最小敷地面積などから物件候補を絞り込めるようになっている。契約までのやりとりは基本的に全てオンラインで行われるが、必要に応じて事前に希望物件を内覧することもできる。

「物件を掲載している側の顧客にはふたつのタイプがいます。ひとつめが、オフィススペースに余りがある企業で、彼らは使っていない部屋を貸し出すことで、収益をあげることができます。そしてふたつめのタイプが物件の所有者や資産管理会社で、彼らはフレキシブルな契約内容を提示することで、通常よりも高めの値段設定で物件を貸し出すことができます」とEikelderは付け加える。

Opetionspaceのビジネスモデル自体は、そこまで目新しいものではない。一旦ユーザー間で賃貸契約が結ばれると、同社は月々の賃貸料の10%を最大12ヶ月間、貸し主から徴収するようになっている。

競合サービスについてEikelderは、「フレキシブルなオフィススペースの選択肢を見てみると、ビジネスセンターやコーワーキングスペースが私たちの主な競合サービスにあたるとわかります。しかし、私たち自身も何ヶ月間かそのような場所で仕事をしたことがありますが、完全にオフィスにとって代わるような気はしませんでした。料金が高めに設定されているということもありますが、ほとんどのビジネスセンターやコーワーキングスペースは、ある程度の社員数がいる企業のニーズを満たしきれていません」と語る。

Optionspaceの投資家には、Vito One(Viessmann Group内でシード投資を専門に行っている組織)や、シード期前の段階にある企業への投資を積極的に行っているMakers、FactoryファウンダーのUdo Scholemer、Helpling共同ファウンダーのBenediktFrankeとPhilip Huffmann、Andrew Goldstein(LMU Entrepreneurship Centerの共同ファウンダー)、Paul Bauwens-Adenauer、Patrick Adenauer博士(BAUWENS Unternehmensgruppeオーナー)が含まれている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Microsoft、従業員のシフト管理を楽にするアプリ「Project Sonoma」を検証中

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Microsoftは静かに新たなプロダクティビティアプリ「Project Sonoma」を Google PlayiTunes App Storeの両方にリリースした。一般的なオフィス勤務以外で働く人たち向けのアプリだ。つまりシフトワーカーやウェイターを始めとする常に勤務スケージュールが変動する働く人たちに向けたアプリで、同僚とのチャット機能も備えている。

MicrosoftはまだProject Sonomaに関する公式発表を行っていないし、アプリも一般には公開されていない。Microsoftはこのアプリはプライベート・プレビュー版であると伝え、テスト検証に参加したい企業に向けたウェイトリストを用意している。

コードネームのように聞こえる「Project Sonoma」という名称が、最終的にこのアプリの名前に落ち着くかどうかは分からない。チームでのチャット機能を強調していて、Slackの簡易版のような印象も受ける。しかし、このアプリの最大の目的は、従業員のコラボレーションではなく勤務スケジュールの管理だ。

アプリのメイン画面には、3つのセクションがある。My Shifts(私のシフト)、Requests(リクエスト)とMessages(メッセージ)だ。最初のセクションから従業員は勤務スケジュールを記録したり、次の勤務予定を確認したりすることができる。リクエストからは、勤務スケジュールの変更を依頼したり、他の従業員と勤務時間を交換することができる。メッセージはチームで使えるシンプルなチャット機能で、マネジメント担当者から重要な連絡を更新したり、同僚に質問をしたり、仕事仲間とチャットしたりすることができる。

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Project SonomaはMicrosoftが行った小規模な買収、あるいはアクハイアの成果なのではないかという憶測も聞かれる。Google Playを見ると、アプリのURLにおけるパッケージ名には「shiftr」の文字がある。これは、Ludek DolejskyとAdrian Deanが立ち上げたシドニーに拠点を置くアプリ「Shiftr」と同じ名前で、これも従業員のスケジュール管理を行うためのアプリだった。

彼らのウェブサイトは閉鎖され、今は空白のページに飛ぶだけだ。Shirfrはいくらかシード資金を調達し、その出資元にはSenseDocのファウンダーであるSteen Anderssonも含まれていた。彼はMicrosoftに自ら立ち上げたモバイルマーケティング会社「5th Finger AU」を売却している。それを考えると、MicrosoftがShiftrも買収していたという可能性もなくはないだろう。だが、Microsoftはそれを否定している。

スポークスパーソンには下記のように伝える。

Project Sonomaは、従業員とマネージャーがスマホから勤務シフトを確認したり、管理したりするためのアプリで、限られたグループのカスタマーと検証している段階です。テストフェーズの参加にサインアップした企業の社員はアプリをインストールして使用することができます。現在テストに参加している会社名や社数を公表する予定はありません。

私たちは常に人々の仕事を促進するソリューションの創造と構築に努めています。現段階で公表できるアプリの利用開始時期や詳細はありません。ただ、Project SonomaはMicrosoft内でゼロから開発したものであり、買収を元にしているものでないことはお伝えできます。

ブログメディアMspoweruser.comが最初にプレビュー版アプリをGoogle Playで見つけた。アプリは数日前にGoogle Playにアップデートされたが、iOS版は6月10日から公開している。

また、とても簡素なProject Sonomaのウェブサイトもあるが、アプリのテスターに応募するためのサインアップ方法とウェイトリスト参加方法以外の情報はあまり掲載していない。

本日、Microsoftは他にもソフトウェアのスケジュール管理を改良するという、このアプリと関連した動きを発表した。チャットボットGeneeの買収を経て、Officeのスケジュール機能を改良している。スケジュール管理はプロダクティビティにおいて重要なもので、それはカレンダーのインターフェイス以外で行う方法も複数あることだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

オフィス管理代行サービスのService Partner Oneが1000万ドルを調達

Service Partner One closes  10M Series A to move office management services online   TechCrunch

全くデジタル化されていない時代遅れの産業が未だに残っていることは驚きではない。スタートアップがまだまだオンラインの利便性を物やサービス提供にもたらす機会を開拓していることにも驚きはない。

ベルリンに本社を置くService Partner Oneの場合は、Webサイト、iPad、iPadアプリケーションを経由してオンライン上で様々なオフイス管理サービスの予約・管理するサービスを提供している。EQT Venturesが率い、Earlybird、Target Global、Rheingau Founders、Ringier Digital Ventures、Visto Venturesが参加したシリーズA(2016年7月6日)では1000万ドルの資金を調達した。

Service Partner Oneのアプリケーションを通して、オフィスクリーニング、フルーツ、飲料、カフェマシーン、ウォーターサーバー、オフィス用具の配達など、多様なサービスの予約が可能だ。オフィス管理に関するすべての支払いは、複数のプロバイダーが関わっているかにかかわらず単一で管理できる。それは毎月の1枚の請求書の発行も含む。

「私達はSaaS型のキュレートしたマーケットプレイスを提供します。オフィス管理者のためのオフィス運用システムを構築しています」Service Partner OneのCEOで共同創業者のSven Hock氏はそのように語る。「それぞれのカテゴリーで、私たちはオフィス用品の最良のサプライヤーを選びました」。

Service Partner Oneのアイデアは、異なるサプライヤーとやりとりする時も請求書を管理する必要がないよう契約を一本化し、オフィス管理者の仕事をより簡単、効率的なものにすることである。

「完了したことの概要を把握できます」Hock氏はそう語る。「また、清掃員との間でコミュニケーションが図れるようにつなぎます」。オフィス管理者はiPadのアプリケーションを通してサプライヤーへクリーニングの手順や直接仕事の質に対するコメントを書くことができる。

Hock氏はService Partner Oneの顧客は、わずか10人の従業員のオフィスから500人の従業員がいるオフィスまで幅広いと語る。中小中堅企業から、McKinsey&Company、Commerzbankのような大企業にまでサービスを提供している。

「私達の顧客にはSpotify、Twitter、Salesforce、世界でも規模の大きいコワーキングスペースを提供する企業の1社であるWeWorkを含みます。顧客は全てのサービスを選ぶ必要はなく、フルーツバスケットや飲料だけを選ぶこともできますし、もちろんフルパッケージを選ぶことも可能です。しかし、ほとんどの顧客は1つのサービスから使い始めます。その後しばらくして、私達のサービスはさほど高くないですし、非常に便利なので他のサービスも使う始めるようになります」Hock氏は補足した。

Service Partner Oneはこれまでにヨーロッパの6都市における500のオフィスを管理している。ドイツのベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、フランクフルト、ケルンそして最近、進出した英国のロンドンだ。Service Partner Oneのチームは70人まで成長し、本日調達した資金はヨーロッパでの更なる成長のために利用する予定だ。

原文

(翻訳:Shinya Morimoto)