都内から成田空港まで一律4000円弱、NearMeの相乗りシャトルバスが運行開始

タクシー相乗りアプリ「nearMe.」(ニアミー)を提供するNearMeは8月27日、東京都区内から成田空港までの相乗りシャトルバスサービスを開始した。乗車地は、新宿区、渋谷区、世田谷区、港区、台東区、墨田区、千代田区、中央区、文京区にあるホテルに限られるが、料金は成田空港までの距離に関係なく一律3980円となる。

同社がiOSとAndoridに提供中のnearMe.は、目的地が同じ方向の利用者を専用のスマートフォンアプリでマッチングして相乗りを実現するサービス。nearMe.を使った場合、通常のタクシー料金よりも20〜40%安くなるのが特徴だ。

複数の利用者が降車時にタクシー料金をその都度支払う相乗りは法律では認めらていないが、nearMe.では最終目的地に向かう利用者のみがタクシー料金を払うため、タクシー会社側からは単一の運送契約となるため合法だ。途中下車の利用者はアプリ上で最終目的地に向かう利用者に対してタクシー料金を清算できる。

同社は、利用者同士をマッチングしたあとに、複数人をピックアップしてそれぞれの降車地までの最適ルートを算出する独自の技術を有しており、本日からスタートした成田空港までの相乗りシャトルバスにはこの技術が生かされている。

相乗りシャトルバスサービスは日本語、英語の2カ国語対応で、今後は5カ国対応を進めるとのこと。シャトルバスを頼むには、乗車地のホテルを指定後、成田空港から搭乗する飛行機の便名を入力すればいい。成田空港ではもちろん、第1、第2、第3ターミナルのいずれかの場所で降車できる。シャトルバスの定員は9名。

都内から成田空港までの定額タクシーは、1.6万〜2.3万円。成田空港に近い都区内東部からの乗車が安く、成田空港から遠く北西部からの乗車は高くなる。NearMeの相乗りシャトルは、乗車地が都内9区に限られるが、料金は一律3980円と定額タクシーの4分の1以下の料金で利用できるのが強みだ。

朝夕のラッシュの時間帯に空港へ電車で移動するのは非常に疲れる。荷物が多いとなおさらで、時間に余裕があればリムジンバスやタクシーを利用するのが快適だ。しかし、リムジンバスはかなりの余裕を持たせて運行するため、空港に到着するのが電車に比べてどうしても遅くなる。定時運行のため、搭乗する便によっては空港ロビーで長時間待つ必要も出てくる。前述のようにタクシーは料金が非常に高額になるため、経費精算できないと利用しづらい。相乗りシャトルバスは、電車とリムジンバスの間を埋める効率的な移動手段として注目のサービスだ。

ラスベガスの公道上で、自動運転電気シャトルバスが試験運行中

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ラスベガスよ、トランスポーテーション好きの記者ならおまえを見限ることなんてできやしない。CESは車の祭典のようだったし、そして今や公道上で自動運転の完全電気シャトルバスの試験運行を始めたのだから 。このシャトルは、シャトルメーカーのNavya、運行会社のKeolis、そしてラスベガス市の間のパートナーシップの産物である。本日(米国時間1月11日)から一般利用者の乗車が可能になった。まさに普通の車や人の通行に入り交じりながら、市の象徴であるFremont Streetと、Las Vegas BoulevardそしてEighth Streetの間を結ぶ運行が行われている。

運行は1月11日から20日の間行われる。運行に使われるのは、事前に米国内ミシガン大学のMCity自動運転テスト施設で試験を受けたNavyaのARMAシャトルバスだ。なおこのシャトルは2015年からフランスで運用されているものだ。この試験運行は、市の中心部に自動運転車とコネクテッドカーの試験を行う指定地域を作ろうとしているラスベガス市の、幅広い取り組みの一部である。ラスベガスはまた、ダウンタウンエリア全体に接続交通信号機(connecting traffic lights)を配置するなど、接続基盤にも大きな投資を行っている。

自由に移動する自動運転車に比べて考慮する変数が少ないため、事前に決められたルートを走るシャトルは、自動運転技術を展開する企業にとっては比較的低リスクの分野だ。例えば、広範囲のルートをマップして、接続された基盤を持つことができることも良い点である。私たちが個人所有の自動運転車を公道上で目にするよりも早く、このシャトルの類の自動運転技術の普及が進む可能性が高いだろう。

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(翻訳:Sako)

シャトルバスのシェアリング・プラットフォーム「GoOpti」が約4900万ドルを調達

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GoOptiが提供するサービスは「シャトルバス版のUber(またはUberPool)」とでも呼べるだろうか。このサービスでは、ヨーロッパの郊外に住む人とシャトルバスをつなぎ、空港に近い都市部への交通手段を提供している。その際、規模の経済を利用してユーザーが必要なときにシャトルバスを用意できるようにしている。

「私たちのプラットフォームを利用すれば、需要サイドと供給サイドが抱える問題をそれぞれ解決することができます」と語るのは、GoOptiの共同創業者兼CEOのMarko Gučekだ。「需要サイドが抱える問題とは、郊外に住む人々は空港にアクセスすることが難しく、たとえローカルの空港があったとしても、直行便の数が少ないせいで航空券の値段が高くなりがちだということです」。

この問題への解決策とはもちろん、大きな空港のある都市まで移動することだろう。だが、そこまで行くのにも1時間から3時間程の時間がかかってしまう。大半の人は車で移動しようとするだろうが、それでは「高いガソリン代や高速道路の通行料、空港での駐車料金を払わなければならず、それに長いフライトの後の運転は危険」だという。空港まで友達に送ってもらうこともできるが、そうすると合計2回往復することになるので、2倍のコストがかかってしまう。

その代わりに、GoOptiでは空港に向かうユーザーをまとめ、その時に利用可能なシャトルバスを利用するように促している。価格は利用時によってバラバラだ。同システムには需要を予測するアルゴリズムが組み込まれている。こうすることで、GoOptiはユーザーに安価で環境に優しい交通手段を提供しているのだ。また、このビジネスは環境が悪化するシャトルバスの運営会社側にもメリットがある。

「出張者やグループ旅行者向けに、ミニバスやバンで空港まで送迎するサービスがあります。しかし、業界の変化によって、そのようなビジネスが減ってしまったり、逆に競争が激しくなっているといった問題があります」とGučekは説明する。

それに加えて、多くのシャトルバス運営会社ではマネージャが同時にドライバーでもあるという問題がある。それでは長時間の労働は避けられないし、24時間体制で顧客の対応をするのは不可能だ。しかも、収入が得られる保障はない。

「彼らが私たちの革新的なビジネスモデルに参加することで、私たちの顧客にリーチすることができるだけでなく、快適なマネジメントツールや統合されたサポートセンターを活用することもできます。熱心なビジネスオーナーであれば収入も保障されます。簡単に言えば、両サイドの人々をつなぎ合わせることで彼らが持つストレスを解消し、両者を満足させることができるのです」。

このミッションを達成するため、同社は新しく4400万ユーロ(約4900万ドル)の資金調達を完了したと発表した。そのうちの1500万ユーロはEUからの助成金であり、残りの金額はシリーズAでEBRD、Point Nine、RTAから調達した資金だ。

現在、同社のサービスはスロベニア、クロアチア、イタリア、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、スロバキアで利用可能だ。同社は今回調達した資金によって利用可能地域の拡大を目指すと話している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

自動運転シャトルバスの仏Navyaが3400万ドルを調達、バリュエーションは2億ドル超との噂

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自動運転車といえば、自家用車の発展に関する話が中心となるが、実はシャトルバスのようなカテゴリーでも大きな進化が起きている。

最新のニュースによれば、ドライバーレスのシャトルバスを製造するフランスのスタートアップ・Navyaが、人員・テクノロジー・営業力を増強するために3400万ドル(3000万ユーロ)を調達した。公共交通運営企業のKeolisおよび自動車パーツを製造するValeoグループという2社の戦略的投資家のほか、カタールの投資会社Group8も今回のラウンドに参加した。

Navyaはバリュエーションを公開していないが、Funderbeamのレポートによれば、本ラウンド後の額は2億2200万ドルに達するという。これまでにNavyaは、仏投資会社のGravitationやCapDecisif、Robolution Capital(ロボット関連企業専門の投資ファンド)から450万ドル(410万ユーロ)を調達していた。

Navyaは10年かけてフラッグシップ機・Armaの開発を行い、2015年10月にようやく同製品はローンチされた。Armaは完全電動・無人で、最大15人の乗客を乗せて最高時速45km(時速28マイル)で走行することができる。既に政府の交通プロジェクトのもとでArmaはリヨン市内の路上を走行しており、その他にも名前の明かされていない戦略的契約が複数結ばれている。さらにNavyaは、Group8とのパートナーシップを通じて、中東向けにもArmaを製造していく予定だ。

地方行政機関や、A地点からB地点に移動するのに交通手段が必要になるほど大きな敷地を有する企業のニーズを満たし、Navyaは今年中に30台の自動運転車を顧客のもとへ届けようとしている。

これが実現すれば、Navyaは自動運転シャトルバス市場で躍進を遂げるであろう一方、他のプレイヤーも同じゴールにむけて動きを加速させている。

今年の夏、Local Motors製のミニバスOlliにWatsonが採用され、IBMは自動運転車の世界にはじめてその足を踏み入れた。メルセデス・ベンツ製の自動運転バスも、12マイルを走りきってマイルストーンを達成した。ロシアの検索サービス大手で、最近はモバイルや機械学習分野へのリポジショニングを図っているYandexでさえ、シャトルバスの開発を行っている。

どうやら競争の激化をひとつの理由としてNavyaは資金調達を行ったようだ。しかも普通の投資ではなく、同社の成長を支えてくれるような戦略的パートナーからの投資だ。

「徐々に競争が激化している市場で成長を持続させるため、戦略的提携という道を選びました。今回の提携を通じて大手交通会社のリソースを利用することで、コストを抑えて競争力を保つことができると同時に、私たちの自動運転ソリューションであるNavya Armaを、効率的に世界各地へ流通させることができます」とNavya社長のChristophe Sapetは声明の中で語った。

「販売台数が一定のラインを越えれば、インテリジェントな自動運転車を整備したいと考えている街や企業が支払うコストが下がり、Navyaの成長スピードが上がります」

今回のラウンドに参加した投資家の中には、自動運転の分野で実績を持つ企業も含まれている。

Keolisは地方自治体と契約して交通システムの建設を行っているが、今後は同じ顧客からもっと持続可能で効率的な移動手段を求める声が挙がるだろう。そしてValeoは製造面だけでなく、実用面でもKeolisをサポートすることができる。というのも同社は、最近カリフォルニアでの自動運転車テストの許可を得たところなのだ。

こちらのビデオで実際にArmaが動く様子を見ることができる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter