スニーカーカルチャーの主役「GOAT」が100億円超の新規ラウンドで約1845億円の驚異の評価額を叩き出す

この場合、お金はスニーカーだ。

ストリートで評価を得、若者の間で文化的にクールな通貨となった、収集可能なスニーカー(Kicks)やキットを再販するためのオンラインおよびリテール事業を手掛けるGOATは、新たな資金調達で1億ドル(約105億円)を調達し、企業価値は途方もない17億5000万ドル(約1845億円)となった。

ロサンゼルスに拠点を置くGOATにとって、今回の資金調達は大きな数字であり、大きな日でもある。しかし、生まれて間もないスニーカーやストリートウェアの市場はもはや巨大市場になっており、調査会社のCowenの最近のレポートによると、2030年までに世界の売上高が300億ドル(約3兆1600億円)に達する可能性があるという。ちなみにCowenは、資金調達について最初に報じたThe Wall Street Journalが引用した調査会社だ(The Wall Street Journal記事)。

少なくとも同社によると、最近のGOATはスニーカー以外のものも扱っているという。2015年にサービスを開始後、隣接するカテゴリに拡大し、現在のEコマースの大流行での最大の小売業者の1つとなった。

GOATの共同創業者兼最高経営責任者のEddy Lu(エディー・ルー)氏は声明で「私たちの使命は、世界の優れた製品を過去、現在、未来から1つにまとめ、文化とスタイルの観点から最高のエンドツーエンドの顧客体験を提供することです」と語る。

ルー氏のデロリアンへのアクセスや未来に戻る能力はさておき、

同社は新世代の買い物客のための商業的試金石となるためにいくつかの重要なマイルストーンを達成した。

同社は、VCのAccelやUpfront Ventures、および靴の小売大手であるFoot Lockerから2億ドル(約210億円)を調達し、Alexander McQueen(アレキサンダー マックイーン)、NIKE(ナイキ)などのブランドも同社のプラットフォーム上で製品を直接販売している。

ちなみに、高級品やライフスタイル商品の再販方法を人々に提供したことで10億ドルの評価額を得たのは同社だけではない。同社の最大のライバルであるStockXも昨年末の1億1000万ドル(約116億円)のラウンドで10億ドルのバリュエーションを獲得している(未訳記事)。

なお声明によると、GOATは今回の新たなラウンドの資金調達を研究開発の倍増と国際的な事業拡大のために使う予定だという。

D1 Capital Partnersの創設者であるDan Sundheim(ダン・サンドハイム)氏は「GOATをスニーカー業界のトッププレイヤーに押し上げた印象的な成功を目の当たりにし、彼らの規律ある運営アプローチと差別化された価値提案に引かれました」と語る。「GOATはコアビジネスを成長させ、新たなカテゴリーへと拡大し続けているため、次世代のグローバルEコマースプラットフォームの中で最も優れたポジションを持つ企業の1つとして急速に台頭しています」と締めくくった。

画像クレジット:Focus on Sport / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

本当にバイブが感じられるスニーカー

音楽を足の裏で感じるような体験をすることがあるが、これがまさにそれ。DropLabs(ドロップラブス)の新しいEP10スニーカーを紹介しよう。そう、今言ったとおり。スニーカーの話だ。

Brock Seiler(ブロック・セイラー)という男性の投資を受け、Beats by Dreの前CEOであるSusan Paley(スーザン・ペイリー)氏が率いるドロップラブスは、音楽、映画、その他の音声を、自分が履いている靴と同期させることで、オーディオを別次元に引き上げようとしている。

それは、セイラー氏が音楽業界にいたころ、あるバンドのレコーディングでスタジオの調整室に立っていたときに始まった。彼は、床のある特定の場所に立つと、演奏されていた曲のビートや低音が、細かく足に伝わってくるのを感じた。そして、すべての音楽でこの感覚を味わいたいと思った。それはまるで、ステージそのもののエネルギーを感じとれるような気分だった。

その後、ペイリー氏がドロップラブスのCEOに就任し、EP01が生まれた。EP01は、ほぼあらゆる音声に同期するためのBluetoothとスピーカー品質のトランスデューサーと電源を内蔵した、ちょっと大ぶりなスニーカーだ。映画を見たり、音楽を聴いたり、ビデオゲームをプレイすると、スニーカーはその音声を感知して、完璧に同期した振動を足の裏に伝える。「ジュラシックワールド」に出てくるティラノザウルスの雷のような足音の場合は、振動はマックスになり強烈に伝わってくる。「レッド・デッド・リデンプションII」で街の中をひたひた歩き回る人たちの足音は、軽く抑えた感じの振動になる。

しかも、振動でなんとなく方向もわかる。右側から聞こえる音に対しては、右の足が振動する。左も同じだ。特にビデオゲームでは、これが非常に効果的に感じられる。

事実、ペイリー氏は市場参入のための大きな好機としてゲームに注目している。音声、特に方向がよくわかる音声は、ハイレベルな戦いを要求されるゲーマーにとっては生命線となる。eスポーツの人気の高まりにより、「ゲーマーのためのX」という触れ込みで商品を売り込むブランドが増えてきた。今やエナジードリンクだけの話ではない。さまざまなゲームで、より高い没入体験を提供できるドロップラブスは、ゲーマーに売り込む機会だけでなく、競争上の潜在的な優位性も手にしている。

ペイリー氏がTechCrunchに話してくれたところによると、人の脳は3つ以上の感覚を同時に受けると、高いレベルで機能するという。聞いて見て同時に何かを感じると、情報処理の段階でスイッチが入るのだ。

そうした理由からペイリー氏は、最初のデモグラフィックとして、ゲーマーを大きな潜在的ターゲットに据えた。特に著名なストリーマーやゲーム界のインフルエンサーだ。現在ドロップラブスは、米国中の研究者や大学に靴を提供し、何に役立つかを研究してもらっている。研究者たちと会ったあと、ペイリー氏は、エンターテインメントを超えて、医療分野にも利用できるという確信を得た。

私は、この靴を試す機会をもらい、先週末、少し遊んでみた。レビュー記事のために、詳しい感想は取っておこうと思うが、言うまでもなく感動した。

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だが、EP01の目の前には難関がある。ひとつは、500ドルという高い価格設定だ。ガジェットにしてはかなり高額であるため、たいていの人間は買うかどうかを試してみてから決めたくなるだろう。

「新しいカテゴリーの新しい製品を生み出すときは、かならず、消費者に行動習慣の変更を求めることになります」とペイリー氏。「そして、とくにこれは、非常に直感的なものです。情緒的な体験において、どのように直感的にコミュニケートするか?口で話すこともできますが、この靴を履いた人には、まったく別の方法があります」。

EP01はまた、ファッションやパーソナルスタイルによって定美される分野にも、その居場所を見つけなければならない。靴は、履いている人を物語る。今のところEP01は、形は1種類で、色もひとつだけ(黒)だ。さまざまな電子機器が組み込まれていることを考えると、靴にしては最大限に万人向けになっていると言えるが、ルックスを変えて楽しみたい消費者に十分な選択肢を与えるものではない。

もちろん、ドロップラブスはまだ学習フェーズの底辺にいるため、バージョン2の試行に向けて、これから初代スニーカーから多くの情報を吸い上げることになる。EP01は現在予約受付中。ドロップラブスでは、ポップアップショップや、興味のある人が実際に体験できる場所を展開してゆく予定だ。

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(翻訳:金井哲夫)

スニーカーの巨大マーケットプレイス「StockX」の鑑定プロセスと今後の戦略

Joshua Luber(ジョシュア・ルーバー)氏は、企業評価額10億ドル(約1080億円)のスニーカー帝国「StockX」の共同創業者だ。これは「本物を適正な価格で売り買いできる」ことがセールスポイントのスニーカーのマーケットプレイスとして急成長したが、ルーバー氏によればまだ「ほんの入口にたどり着いたに過ぎない」という。

消費者自身も売り手になってブランド商品を取引できるマーケットプレイスはこのところ急成長している。StockXも最近5番目のカテゴリーとしてコレクター向けアイテムを集めた「コレクティブル」を追加した。「いわば、eBayの進化した姿で、株式市場に似た仕組みでアイテムの価格を決定する。StockXの核心は、適正な市場価格の発見だ」と同氏は言う。

我々(Burns, Cao)は、StockXの1400平方mにもおよぶデトロイトの鑑定センターを訪れ、鑑定プロセスを見ると同時にLuber氏からも話を聞くことができた。

以下は、Matt Burns(マット・バーンズ)記者のインタビュー概要だ、

Matt Burns(MB):StockXの本質は何か?

Josh Luber(JL):我々はeBayの進化形態で、売り手と買い手を結びつけてマーケットプレイスを作ることだ。ただし我々は株式市場が株価を決定するメカニズムを参考にして、スニーカーであれ他のアイテムであれ、適切な市場価格を発見する。

MB:この施設では何が行われているのか?

JL:売り手が発送したスニーカーやカジュアル衣料はまずここに来る。ここでは検品と鑑定が行われる。朝届いた商品はその日のうちに処理される。

MB:鑑定には特別な資格が必要?

JL:理論的には誰でもできるようになる。しかし毎日たとえばスニーカーばかり何百足も鑑定するわけだから、やはりその商品に対する愛着がないと難しい。

スニーカー鑑定部門責任者(SAC):まず箱をチェックする。次に書類がそろっているか確認する。スニーカーを箱から取り出して正しい一足になっていることをチェックする。左ばかり2つとか左右ばらばらとかでないことを確かめる。スニーカーの外観を360°観察し、続いて細部をチェックする。

MB:特に注目する部分は?

SAC:スニーカーのモデルによっていろいろだがステッチはしっかり見る。最後ににおいを嗅いでみる。売り手によってはタバコやペットの臭いが残っていることがある。納得がいったら鑑定済みのタグを取り付ける。

MB:ニセモノだったらどうするのか?

SAC:売り手はニセモノだと知らずに売りに出すことが多い。「これはニセモノだ」という鑑定結果をつけて売り手に送り返している。

MB:StockXの今後の戦略は?

JL:1つはユーザーの拡大だ。いままで中古品を売り買いすることを考えなかった層にもStockXを拡大したい。もうひとつカテゴリーの拡大だ。既存のカテゴリーに出品されている中にレアもの、限定アイテムなどがよく含まれていた。そこで自然の成り行きとしてコレクティブルというカテゴリーを新設した。スター・ウォーズやGIジョーのおもちゃなど有望だ。

MB:スニーカー帝国を運営するようになってもやはり個人的にスニーカーが好きか?

JL:実は好きだ。気づいてみると(StockXをスタートしたときすでに著名なスニーカーのコレクターだったが)、さらにたくさんスニーカーを買っている。

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滑川海彦@Facebook

ニューバランスが新しいスニーカーに3Dプリント部品を採用

3Dプリントがプロトタイピングから製品製造への移行を行う過程で、スニーカーというのは極めて効果的な手段だった。特にCarbon(カーボン)は、アディダスとの提携で、少量のFuturecraft 4Dシューズのプリントアウトを始め、ここ数年でかなり規模を拡大して成功を収めている。

そして2017年に発表されたニューバランスとFormlabs(フォームラブ)のコラボが、ついに2種類の新しいスニーカーを生み出した。しかもアディダスのものよりもかなり安価に。今回登場した靴は、3Dプリンティングの提唱者たちによってずっと支持されてきた、極端なカスタマイズの約束を果たしているわけではない。しかしそれらは、3Dプリント技術のユニークな特性を、リーズナブルな価格で大衆的なマーケットに供給しようとするものだ。

Image of New Balance team with Formlabs 3D printers

今回のコラボレーションの中心はTripleCellシリーズで、堅固なクッションサポートを備えながら、標準的な射出成形よりもやや(10%)軽いかかとを作ることができた。このかかと部分はFormlabs独自のRebound Resin(弾性レジン)を使ったラティス(格子)構造でプリントされている。同社によれば、これは従来の熱可塑性樹脂と同じくらい耐久性があるということだ。

FormlabsのCPOであるデビッド・ラカトス(David Lakatos)氏は技術について以下のように語っている

3Dプリントは企業が製造にアプローチする際の手段を変革しています。今回の発表で、ニューバランス社は(消費者の近くで製造を行う)ローカライズ製造の先駆けとなります。プロトタイピングと製品製造の両方で、金型への依存を排除し、直接プリントすることで、チームの開発と生産のサイクルが数ヶ月から数時間にシフトします。私たちはデザインサイクルが消費者の気まぐれで回っていく世界に向かっています。その最前線にニューバランス社と共に立つことができることに興奮しています。

990 Sportはすでに、ニューバランスのサイトで185ドルで入手可能だ。スニーカーの前方にTripleCellを使用するFuel Cell Echoは、9月に175ドルで発売される。990は米国製で、エコーも米国内で組み立てられる。

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(翻訳:sako)

Nike、自動紐締めスニーカーの低価格版を来年発売へ

流行に敏感な人と怠け者にはグッドニュースだ——Nikeが自動紐締めスニーカーを再び販売する。そして今度はずっと安い。とはいえ350ドルはほとんどの人が靴一足に払うよりも大金だが、前モデルの希望小売価格720ドルの半分以下だ。

詳細はほとんどわかっていない。CEO Mark Parkerは決算会見の中でこのニュースに触れ、「新年にわれわれはバスケットボール用アダプティブ・パフォーマンス・プラットフォームを350ドルの価格で発売する。これは完璧なフィットを追求したスマートシューズで、当社が製品のデジタル変革を進めるうえでの大きな一歩だ」

新製品がオリジナルのHyperAdaptとどう違うのか、まだわからない。それでもNikeは、価格を下げることは明確な目標であり、単なる新奇な製品から脱皮しようとしている。2016年私がテストしたとき、幹部の一人は「これはコンセプトカー」だと言った。2019年にはいよいよフル生産の準備が整うのかもしれない。それでも、350ドルは大衆向けの価格帯ではないが、バック・トゥ・ザ・フューチャーのマーティー・マクフライの長年叶わなかった夢をメインストリームに押し上げる力になるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Adidasが新たな3DプリントスニーカーFuturecraft 4Dを発表

Adidasが最新の3Dプリントスニーカー、Futurecraft 4Dを先週木曜日に公開した。先日発表された3Dプリント・ランニングシューズは、製品というよりもコンセプトモデルに近かったが、Futurecraft 4Dでは様々な部分が大幅に改良されている。

さらに今回発表されたスニーカーは大量生産にも向いており、Adidasはまず今年の秋に5000足を販売した後、2018年中に生産数を10万足以上までスケールアップする予定だ。価格はまだ発表されていないが、おそらく最初の5000足は限定モデルのような価格水準になるだろう。なお、同社初の3Dプリントスニーカーの小売価格は333ドルだったが、中古品にはその何倍もの値段がついている。

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AdidasはFuturecraft 4Dの設計にあたって、以前TechCrunchでも紹介した、シリコンバレーに拠点を置く3Dプリント企業のCarbonとタッグを組んだ。Sequoia Capital、GV、Yuri Milnerなどから、2億ドル以上を調達している同社は、3Dプリント技術を様々な分野における大規模生産の手段のひとつとして普及させようとしている。

プロトタイプ製作だけに使える目新しい技術と考えられがちな3Dプリント技術が、実際の製造現場で使われるようになるためのカギが、スピードだ。そして製造スピードこそCarbonの強みなのだ。

Digital Light Synthesis(デジタルライト合成)と呼ばれる手法を使い、同社の3Dプリンターは既存のものと比べて10倍以上の速さで”印刷物”を作ることができる。何が違うかというと、Carbonの3Dプリンターは、これまでの3Dプリンターのように上から素材のレイヤーを重ねていく積層造形法ではなく、印刷面から上に向かって連続的にプリントしていく手法をとっているのだ。

さらに素材に液体樹脂を使うことで、従来の3Dプリンターと比べて、より柔軟性のある製品を作ることができる。

Carbonのマシンには、印刷面の下部にデジタルライトが搭載されており、液体樹脂にライトが照射されることで固まるようになっている。そのため、印刷物(この場合はスニーカーのミッドソール)は、印刷面から上に引っ張り上げられるような感じで成形される。

下の画像を見れば、その様子がわかるだろう。

なお、印刷物は印刷面に触れることはないので、印刷されたものがマシンの表面にくっついてしまうこともない。というのも、印刷面はデジタルライトと酸素を透過し、印刷面と印刷物の間には極めて薄い空気の層が作られるようになっているのだ。

完成したミッドソールは、その後従来の製造方法で作られたアッパーに取り付けられる。

製造工程はご覧の通り複雑だが、AdidasはCarbonの技術を利用することで、3Dプリント物を大量生産できるようになる。これこそ、Adidasの狙いなのだ。

同社にとってのメリットはスピード以外にもある。Adidasは3Dプリント技術を使うことで、フォーム素材では不可能だった機能向上につながるデザインの改善をすることができるのだ。

では、エンドユーザーにはどんなメリットがあるのだろうか?

アスリートが最高のパフォーマンスを発揮するためには、つま先やかかとは他の箇所に比べて固くなければいけないなど、ミッドソールの各箇所に応じて密度を変化させる必要があることをAdidasは理解している。従来のスニーカーの素材・製造方法でこれを実現するためには、密度の異なるさまざまなフォーム素材を貼り合わせてひとつのミッドソールを作らなければならない。

しかしCarbonの3Dプリンターであれば、ミッドソールの格子構造の配列を変更するたけで、各箇所をより固くしたり、より柔らかくしたりできる。

つまり、ミッドソールの格子構造が変われば密度や履き心地が変わってくるのだ。例えば下の画像のミッドソールを見てみると、全体を通して密度が変化しているのがわかる。

こうして作られたスニーカーの履き心地は素晴らしく、弾力がありながらもしっかりとしている。まさにAdidasが作ろうとしていたスニーカーだ。そして各スニーカーは、3Dプリンターを使って作られているため、個々のスニーカーの弾力性を上げたり、安定性を上げたりしたい際には、ファイルに少し変更を加えるだけでいい。

Adidasにとっての第一ステップは大量生産でありながらも、最終的に同社は、好みに合わせてカスタマイズされたミッドソールを使った3Dプリントスニーカーを、誰でも購入できるようにしようとしている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

StockXが600万ドルを調達―、株式市場のようなスニーカーのマーケットプレイス

COPENHAGEN, DENMARK - FEBRUARY 01: Ida Camilla Pedersen wearing Yeezy Sply 350 sneaker at the Copenhagen Fashion Week Autumn/Winter 17 on February 1, 2017 in Copenhagen, Denmark. (Photo by Christian Vierig/Getty Images)

スニーカーのマーケットプレイスを運営しているStockXが、Mark WahlbergやScooter Braun、Waleといった著名投資家が参加したラウンドで600万ドルを調達したと発表した。なお、以前のラウンドには、EminemやSV Angel、Detroit Venture Partnersらが参加していた。

スニーカーの中古市場はこれまでにないほど盛り上がっている。この分野を牽引しているGOATは、モバイル限定のマーケットプレイスを運営しており、ここ半年で3000万ドルを調達したほか、150万人のユーザー数を誇っている。オンラインと店舗の両方でスニーカーを委託販売しているStadium Goodsも、最近460万ドルの資金を調達したばかりだ。

しかし、StockXの仕組みには競合他社とは少し違った点がある。彼らは自分たちのことを「モノの株式市場」と呼んでおり、本物の株式市場のように「売値/買値」のメカニズムを利用して、売り主と買い主を結びつけているのだ。

例えば、買い主がある靴に650ドルの買値をつけたとして、売り主はその靴を680ドルで売ろうとしている場合、最終的に両社の希望価格がマッチした段階で、実際の取引が行われるようになっている。

このモデルの主な利点は取引の透明性だ。買い主は自分の希望価格にあとどのくらいの金額を足せば、売値を満たすことができるのかハッキリとわかり、売り主も自分が売ろうとしている靴を、どのくらいの価格であれば買いたいと考えている人がいるのかリアルタイムで把握できる。

さらに売値/買値モデルによって、他のユーザーと競り合いたくない人は、そのときの売値もしくは買値で即座にスニーカーを売買することもできる。

またStockXは、このリアルタイムの価格情報を利用して、バーチャル「ポートフォリオ」を作るサービスも提供している。ユーザーが自分の持っている靴をリストアップすると、それぞれの市場価格がリアルタイムで反映されるので、ユーザーはコレクションの合計価格(≒時価総額)をトラックすることができる。

品質管理に関しては、競合他社と同じようにStockXも鑑定プロセスを設けている。そのため、売り主はまず商品をStockXに送り、そこでスニーカーが本物だと認定された後に、買い主のもとへ商品が送られるようになっている。

StockXは今回調達した資金を使って、スニーカービジネスを拡大する以外にも、別のコレクター品を扱っていこうとしている、と共同ファウンダー兼CEOのJosh Luberは説明し、具体的に時計とハンドバッグをその候補に挙げていた。中古市場の規模が大きく、鑑定プロセスが必要になりそうなものであれば、StockXはどんな商品でも扱っていくのかもしれない。

新たな商品群以外にも、StockXはアメリカ国外に住む人が同社のプラットフォーム上で商品を販売できるように準備を進めていくと話している。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

GOATが新たに2500万ドルを調達ー成長を続けるスニーカー専用マーケットプレイス

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コレクター向けスニーカーの中古市場は引き続き成長を続けており、主要投資家もスニーカーヘッズ(熱狂的なスニーカーファン)向けサービスへの投資を加速させている。このトレンドにのって、ロサンゼルス発のGOATが新たに2500万ドルを調達した。Accel Partnersがリードインベスターとなった今回のラウンドで調達した資金は、人員の増強と流通網の拡大に充てられる予定だ。

GOATは、コレクター向けスニーカーの売買ができる、モバイル限定のマーケットプレイスだ。これまでにあったマーケットプレイスとは違い、GOATはユーザーにYeezyの偽物を掴ませないよう、商品の鑑定に特に力を入れている。さらに同社は、ユーザーのもとにボロボロのジョーダンが届いてしまわないよう、スニーカーの状態もしっかりとチェックしている。

GOATは昨年8月に、Matrix PartnersUpfront VenturesWebb Investment Networkなどから500万ドルを調達したばかりだ。しかし目覚ましいスピードで成長している同社には、投資を希望する企業からの問合せが後を絶たない。

今回GOATがAccelからの出資を受け入れた理由のひとつは、AccelがこれまでにもEC企業を大きく成長させてきた実績を持っているということだった。そしてもうひとつの理由が、パートナーのRyan Sweeney自身もスニーカーヘッドで、GOATのビジネスを本質的に理解しているということだ。

これまでにBraintreeやGroupon、Lightspeed、VSCOといった企業に出資し、おびただしい数の靴を持っているSweeneyは、今後GOATの取締役を務める予定だ。

しかしCEOのEddy Lu自身が「昨年の春に調達した500万ドルにもほとんど手をつけていません」と言っている通り、ここで大事な問いは、誰が出資したかというよりも、なぜ今なのかということだろう。それについてLuは、前回の資金調達以後ユーザー数が150万人へと増加し、取引総額(GMV)も当時の10倍に増えたと話す。

その結果、GOATは人員不足に陥り、現在カルバーシティに抱える3つの倉庫ではオペレーションが追いつかなくなってしまったのだ。

「もともとは2500平方フィートの倉庫からスタートして、昨年の中旬にスペースが足りなくなりました」とLuは話す。それからGOATは、道を挟んで向かい側にあった4000平方フィートの倉庫を追加し、その後さらに近くの7000平方フィートの倉庫が追加された。今回の調達資金を使って、GOATは再び全ての在庫を一か所におけるようなスペースをみつけたいと考えている。

もっと重要なのが商品の配達までのスピードで、GOATは東海岸に新しく流通センターを設置し、オペレーションを加速させようとしている。現在のところ、全ての商品の鑑定はロサンゼルスの拠点で行われているため、例えばニューヨークシティにいる売り主や買い主には余計な時間がかかってしまう。しかし「将来的にはどの地域へも2日で配送を完了させたい」とLuは話す。

さらにGOATは、2017年中にモバイルアプリのアップデートも行おうとしており、売り主がもっと簡単に商品をアップできるような仕組みを検討している。「GOATのようなマーケットプレイスでは、商品の流動性がカギになってきます」とLuは言う。つまり同社は売り主側の仕組みを改良することで、買い主が探しているスニーカーがいつでもみつかるような環境をつくろうとしているのだ。

GOAT以外にも、スニーカー市場に目を付け、最近資金調達を行ったスタートアップがいる。ニューヨークに拠点を置くStaduim Goodsだ。同社もオンラインでスニーカーを販売しており、最近Forerunner VenturesやThe Chernin Group、Mark Cubanから460万ドルを調達していた。しかしLuは、Stadium GoodsのことをGOATのサービスを補完するような存在だと考えている。

Luによれば、GOATはマーケットプレイス型のサービスにフォーカスしている一方、Stadium Goodsはオムニチャンネルのアプローチをとっており、実店舗やオンラインでの販売にに加えて、GOATのようなマーケットプレイスを通じての販売も行っているのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Stadium Goodsが460万ドルを調達、コレクター向けアパレル商品の販売を拡大

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Stadium Goodsが2015年にニューヨークのソーホー地区にオープンした店舗は、本物のコレクター向けスニーカーやストリートウェアを求める男性にウケそうな、Appleストア風委託販売店という雰囲気を持っていた。

ローンチから間もなく、Stadium Goodsは”本物と認証済み”のスニーカーを扱うオンラインブランドへと進化を遂げ、アメリカのeBayから中国のT-mallや自社のオンラインマーケットプレイスまで、世界中にその名を広めている。同社はさらに、GOATのような新進気鋭のスニーカー専門マーケットプレイスにも在庫を供給している。

共同ファウンダーのJed StillerとJohn McPhetersが、小売店舗を素晴らしいオンラインストアに進化させていくというのはある意味予測できたことだ。StillerはStadium Goods設立前、2014年にGrouponに買収されたSwarm Mobileという小売分析企業に投資していた。またMcPhetersは、以前ビンテージ風スニーカーを扱う人気ショップFlight Clubのビジネス開発担当ディレクターを務めていた

ふたりの才能が融合して生まれたStaduim Goodsは、次のアマゾンになるべく、この度460万ドルの資金調達を行った。Forerunner VenturesがリードインベスターとなったこのシリーズAには、The Chernin GroupやStadium Goodsのアドバイザーを務めるMark Cubanのほかにも、匿名希望の投資家が参加した。

Dollar Shave ClubやGlossier、Bonobosといった企業にも投資しているForerunner VenturesのファウンダーであるKirsten Greenによれば、投資家はStadium Goodsを単なるファッションのマーケットプレイスとしては見ていない。同社は例えば、小売向けのSaaSを開発・販売する企業へと成長する可能性も持っているのだ。しかしこの点に関しては深掘りしないでおこう。リセール市場自体の規模もバカにすることはできない。

Dun & Bradstreet傘下のFirst ResearchとNational Association of Resale Professionalsのデータによると、アンティークショップや慈善団体が経営する店舗を除いたリセール市場の年間売上は、アメリカだけで94億2000万ドルに達する。新品と中古のフットウェア市場を合わせて考えると、その市場規模はさらに大きくなる。NPD Groupの調査によれば、2015年のアメリカにおける新品のスポーツ用フットウェア市場の規模は172億ドルだったのだ。

「小売業界は今大きな変化のときを迎えていて、新たなリーダーが生まれたり既存のブランドが生まれ変わったりする可能性があります。Stadium Goodsのユニークな点は、世界中でスニーカーの売り主・買い主とのコネクションをもっているため、フットウェアのエコシステムで何が起きているかを知り尽くしているということです」とGreenは話す。

さらに彼女は、共同ファウンダーであるふたりの専門性のおかげで、Stadium Goodsがフットウェア販売で優位に立っていると考えている。「熱狂的なファンがいる分野では、顧客側・販売側のどちらの視点で考えても、信用に値する本物の人間が必要になってきます」

Stillerは今回の調達資金が、人員増強やマーケティング、広告キャンペーンのほか、新たな店舗やコレクター向けフットウェア・アパレルの認証や受け入れを行う施設の建設にあてられることになると話す。新しい店舗の場所については明らかになっていないが、スニーカーを探している人はニューヨークの店舗かStadiumGoods.comを訪れれば、45ドルのNike Dunk Low プレミアム SB QSから2万3000ドルのEminem Air Jordan 4レトロまでさまざまなスニーカーを購入することができる。

編集者注:記載されている価格は誤りではなく、2万3000ドルもするスニーカーは実在する。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter