ボーイングが州の在宅命令に従い中型ジェット機787の生産を中断

米国時間4月6日の発表によると、Boeing(ボーイング)は知事の在宅命令に従って南カリフォルニア工場におけるボーイング787の生産工程をすべて中断し、実質的に同社の商用航空機の製造を完全に休止する。

休業は4月8日の第2シフトの終わりに始まる。

ボーイング787担当の同社副社長Brad Zaback(ブラッド・ザバック)氏は「我々のチームメイトの健康と安全を守り、州全体のウイルスの拡大と、我々のグローバルなサプライチェーンの信頼性に対するその影響、ひいてはそれらが787の事業にもたらす影響を評価することは、我々の責務である」。

ボーイングはすでに、シアトル地域の工場を閉鎖している。米国時間4月5日に同社は、ワシントン州のピュージェットサウンド地域とモーゼズレイクの工場における今後の生産も次の発表があるまで中断すると発表している。それらの閉鎖はワシントン州における新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散と、それによるサプライチェーンの不安定化が原因だ。

787の生産再開の日程は発表されていないし、同社のその他のオペレーションに関するガイダンスもない。

Boeing South Carolina(BSC)の社員でリモートワークが可能な者は、それを継続する。それができない者は10日間の有給休暇になる。同社によると、それは規定の倍の期間という。閉鎖がさらに続くようなら、従業員は有給休暇の継続または、退社による緊急時失業保険のどちらかを選ぶことになる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ボーイングはNASAのStarlinerミッションの再実行に備えて約447億円を確保

ボーイングは米国時間の1月29日、第4四半期の業績を発表した。その中には、Commercial Crew(商業乗員輸送)ミッションを再度実行する場合の費用をまかなうための4億1000万ドル(約447億円)の留保が含まれていた。昨年の12月のミッションが計画通りに遂行できなかったことを受け、NASAがもう1度無人打ち上げが必要だと判断した場合に対応するためだ。

この税引前の費用は、その四半期の全体的な営業利益の0.5%の減少に相当するとされる。ボーイングは、この資金を実際に支出するかどうかは、NASAの決断しだいだとしている。つまり、実際に宇宙飛行士が搭乗して飛行する前に、Commercial Crewに関する契約条件を満たすため、ボーイングはやり直しの飛行を実施する必要があるとNASAが判断するかどうかにかかっているわけだ。

「NASA​​は、もう1回無人打ち上げが必要かどうかを判断するため、2019年12月のミッション中に受信したデータを評価している」と、ボーイングの四半期報告書には記されている。

前回の打ち上げでは、完全に自動でISS(国際宇宙ステーション)にドッキングする予定だったがが、搭載されたミッションタイマーの誤作動によって、Starliner(スターライナー)カプセルは予期せず過剰な燃料を燃焼させ、最終的にISSへ計画通り到着することができなかった。やむなく、NASAとボーイングはカプセルを早期に着陸させることにして、ドッキングのデモを除く他のテストを完了させた。

Ars Technicaの最近の記事によれば、NASAはそのミッション中に、スラスターの性能についても懸念を抱いていたという。しかし、NASAもボーイングも、これまでのところ、実際に乗員をStarlinerに乗せる前に、もう1回の無人飛行が必要かどうかを判断するのは時期尚早だと言い続けてきた。

Commercial Crewプログラムへの参加者でもあるSpaceXは、昨年3月に「Demo-1」と呼ばれる無人のISSドッキングミッションを遂行した。自動ドッキングも、宇宙船を地球に帰還させることも計画通りに成功した。SpaceXも、昨年の静止噴射テストの際に、Crew Dragonが破壊されるなど、それなりに失敗を経験してきたが、今月初めに飛行中の中止テストが成功したことで、重要な乗員飛行のデモの前に必要となるすべての材料を揃えることができたようだ。乗員飛行は、早ければこの春にも実現したいとしている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ポルシェとボーイングは高級電動飛行車を共同開発へ

電動の垂直離着陸機(eVTOL)の業界は競争が激化している。多くの企業が、業界に旋風を巻き起こすことができそうなパートナーを探している。そのためには、一般向けの商用の空の旅の実現に向けて、技術的、および規制に関するハードルを克服しなければならない。そして今、自動車メーカーのポルシェ(Porsche)は、ボーイング(Boeing)との新たなパートナーシップを確立して、この分野に殴り込みをかけようとしている。両社は、「高級」eVTOLのコンセプトを共同で開発するための新たな覚書を締結した。

この新しいパートナーシップでは、都市の空中モビリティの時代において、「高級」であることが、どのような形の製品として実を結ぶのかを探求する。まずは、航空機の設計から、実際に飛行可能なプロトタイプの開発とテストまでを協力して遂行する。さらに、高級な航空サービスの潜在的な市場が、どんなものになるのかを研究する。

皮肉なことに、近い将来においては、空中モビリティのサービスは、コスト、アクセス性、利用方法、どれをとっても「高級」なものにならざるを得ないと思われる。すでにUberや、他の会社は、短距離用のコミューターヘリのサービスを導入して、混雑した空港のハブ間を接続している。こうしたサービスのコストを見れば、それが都市間や空港間を結ぶ大量輸送手段の代わりになるものではないことは明白だ。

それでも、今回のポルシェとボーイングの提携は、空中モビリティが、価格、サービスのレベル、アクセス性などの点で、将来広がりを見せることに期待したものだろう。特にポルシェは、都市の航空輸送が2025年ごろから急激に増加する、という自社のコンサルティンググループによる調査結果を拠り所としている。それが、今回の提携を後押ししたのは間違いない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ボーイングのQ2決算は737 Max墜落事故で5000億円損失

ボーイング737 Maxの大失態は、同社の評判に暗い影を落としただけでなく、財政的にも大きな打撃を与えている。

シアトル拠点の航空機メーカーは、737 Max機の度重なる墜落事故のために、税引き後49億ドルという莫大な損失を計上したと 発表した。ボーイングはこの負債について「737 Max墜落に関連する顧客への補償やその結果起きた遅延などによる」と言っている。

ボーイングは第2四半期決算を来週報告する予定だ。同社の株価は米国時間7月18日にこの発表があった後の時間外取引で2%高だった。

「当社は今も737 Maxの安全な航行を取り戻すことに集中している」とボーイングCEO Dennis Muilenburg氏が声明で語った。「今はボーイングにとって歴史的な瞬間。われわれの飛行機を利用する乗客や乗務員の安全は当社にとってなによりも重要だ。MAXの墜落事故は大きな逆風であり、今四半期にもたらした財務的影響は、現在の課題を示すとともに、将来の財務リスクへの対応に役立つだろう」

1株当り8.74ドルという損失が、202.7億ドルに達すると予想される同社のQ2売上から得られる利益を吹き飛ばしてしまうことは間違いない。

この膨大な負担もまだ始まりに過ぎないかもしれない。将来の売上や会社の評判に与える事故の影響や、悲惨な事故を繰り返さないための検証がまだまだ続く。

現在ボーイングは、737 Maxの規制当局による承認を2019年第4四半期と見込んでいるが、事故の影響はさらに続くだろうと認識している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ボーイングが737Max墜落事故の遺族らに総額100億円超を支援

ボーイングは、同社の旅客機であるボーイング737Maxの事故で犠牲になった乗客の遺族らに対して、総額1億ドル(約108億円)の支援金を贈ることを発表した。この初期支援活動は、346人を死に至らせた同社の過失に対する同社の償いのおそらくごく一部にすぎない。

同社は声明文で、見舞金は「家族や関係者のニーズにこたえ、教育や困窮、生活費などの支援になる」ことを期待していると語った。

「亡くなった方々命はいつまでも私たちの心に重くのしかかっています。乗客のご家族や大切な人たちには心からお悔やみを申し上げるとともに、このお見舞いが少しでもお役に立てることを願っています」とCEO・プレジデントのDennis Muilenburg(デニース・ミュレンバーグ)氏が声明で語った。

事故の詳細は今も調査中だが、ミュレンバーグ氏はすでに責任を認めており、「どちらの事故においても、Maneuvering Characteristics Augmentation System(MCAS)と呼ばれる失速防止奇行が、誤動作した」ことを表明している。

この問題に加えて、機体の制御を突然奪われた際の操縦士の訓練がなされていなかった。ただし、操縦士らはMCASの誤動作にできる限りの対応をしたと報じられている。これらの事故以来ボーイングは、安全、訓練、規制に関して手を抜いていた疑いをかけられている。墜落の主な原因は粗悪なプログラムにあると言われている。

この初期支払いは自主的に行われた。航空機メーカーがこれだけの金額を裁判の結果を待たずに被害者に支払うのは極めて異例だ。ボーイング、エアバスなどの会社が、保険その他の形で賠償支払いしことはもちろんあるが、一般には訴訟によって強制されたあとだ。ときには、企業が遺族に現金を渡すことで訴訟を回避することもあるが、公表されないことが多い。

訴訟も現在進行中であり、それぞれの事故について数十の家族が裁判を起こしている。裁判がもたらす賠償額は予想もつかないが、命が失われ、ボーイングの間違いが直接の原因であることから、同社はさらに数億ドル規模の支払いを命じられる可能性がある。

これらの墜落事故に関する訴訟は多くの注目を集めることになるだろう。これだけの規模の悲劇が、たとえ部分的にせよ、ソフトウェアによってもたらされたからだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

人間が操縦する飛行機に随行するボーイングのWingmanドローン

オーストラリアには1つ以上の意味で明日が来ている。もちろん、まずは現地はもう27日だということ(元記事は米国時間26日に公開された)だが、それ以外の明日も来ている。戦闘機と一緒に飛行するAI自動操縦ジェット機を開発中なのだ。どうして私たちはそれを思いつかなかったのだろう?それはボーイングオーストラリアの共同プロジェクトである。だがおそらく米国の業者に製造委託を行うはずだ、そうなれば情報を得ることはできる。知り合いもいることだし。

現在開発中で2020年に初飛行を予定しているその航空機は、軍の任務で飛行するパイロットの忠実な僚機となることを目指している。その名前、「Loyal Wingman」(忠実な僚機)から、それがどのようなものかは想像できるだろう。正式名称は「Boeing Airpower Teaming System」なので、その頭字語はBATSとなる。だが実際にはコウモリ(Bats)のようには見えないので、この略称が流行ることはないだろう。

本質的には、これらは他の飛行機に随行し、編隊で飛行して防御能力を提供するドローンなのだ。これは軍事力を強化するものであり、空軍により多くの投資を重点的に行う他国ほど、十分な数のパイロットや主力機(すなわち最新型戦闘機)を揃えられない政府にとって重要な意味をもつ。

ボーイングインターナショナルの社長であるMarc Allen氏は、声明の中で、この飛行機の国際展開の側面を、(当然のことながら)次のように強調している。

この航空機はボーイングにとって歴史に残る試みです。それは米国外で開発されているだけでなく、私たちのグローバルなお客さまが、ご自身の国特有の要求を満たすために、ローカルなコンテンツを統合することができるようにも設計されているのです。Boeing Airpower Teaming Systemは防衛機能の側面に変革的をもたらします。そしてオーストラリアが主導する当社のお客さまたちは、ハイテク労働力を含む、国家を強化する能力と共に、私たちのプログラムの強力なパートナーとなるのです。

言い換えれば、米国外で投資を行うことで、ポートフォリオを少々多様化させることができて嬉しいということだ。

本日(豪州時間2月27日)、フルサイズのモックアップがオーストラリア国立航空ショーでお披露目された。

かっこいい。

Loyal Wingmanの長さは38フィート(11.6メートル)で、航続距離は2300マイル(3701キロメートル)である。それは自律操縦で飛ぶことになるが、もちろん遠隔操縦をすることも可能だ、そして様々なセンサーパッケージや、その他の装備を搭載することができる。とはいえ私は、これらが空中戦に参加するとは思わない。それらは、例えば研究用や貨物用の航空機では実施が困難な、偵察と監視の使命を、支援し実施することを目的としている。

とにかく、軍事の世界での単独調査ドローンの人気を考えれば、この種の「追加の目」機能には大いに意味があり、避けられないもののように思える。ボーイングのアプローチが世界各国の政府で採用されるものになるかどうかは、もちろん出来栄えにかかっているので、Wingmanが実際に飛行を始める2020年には再びこの話題を取り上げたいと考えている。

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(翻訳:sako)

商用ロケットStarliner乗組員の宇宙服をボーイングがお披露目

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商用宇宙産業は、新しいロケットやそれらに関連する機材の開発では、偉大な仕事を成し遂げている。しかし宇宙服に関しては選択肢があまり存在していなかった。これまでは。ボーイングはそのStarliner機に搭乗する宇宙飛行士が着用する宇宙服を公開した。既存のものに比べて、大いなる改良が施されているもののように見える。

元宇宙飛行士で現在はボーイングのStarliner Crew and Mission Systemsを率いるChris Fergusonは、昨日(米国時間25日)カメラの前でその宇宙服を披露した

これは船外活動を行うためのものではなく、宇宙飛行士が打ち上げ段階から宇宙ステーションへ到着するまで、あるいはその逆の場合に着用されるものだ。それでも気密性と、極端な温度、高真空、宇宙放射線だけに限らないその他の「極限」状況への耐性は必要とされる。しかし、間違いなく、1990年代以降NASAが作っている、明るいオレンジ色のAdvanced Crew Escape Suitsには改善の余地があったのだ。

「私たちは宇宙服をシンプルなものにしました」とFergusonはボーイングのビデオの中で述べている。「これまで宇宙飛行士たちは、太い首のリングを有する比較的かさばる重いスーツを着ていました。しかしこの年月の間に、私たちはそのリングは不要であることがわかりました」。

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NASAの宇宙服が30ポンド(約13.6キロ)あるのに対して「ボーイングブルー」スーツの重量は12ポンド(約5.4キロ)であり、よりコンパクトでかつ多くの機能を有している。内部はより涼しく、より柔軟で、通信機器はヘルメットに埋められていて、大きな金属の首のリングは存在していない。その代わりにヘルメットはジッパーで装着され、使っていない時には、フードのように後ろに垂れ下がるようになっている。

リーボックによってデザインされた靴は、ブーツと言うよりも大きなソフトランニングシューズのようだ、そして手袋には21世紀に於いて最も重要な機能が備わっている:タッチスクリーンを操作できるのだ。

ボーイング社は、2018年にはそのStarliner CST-100ロケットに最初の商用乗組員を搭乗させる予定だが、その際にはこの宇宙服が着用されることになる。

ということで、目下の疑問は、SpaceXは果たして更にクールな宇宙服でボーイングを巻き返すのだろうかということだ。その答は程なく分かることだろう。なにしろSpaceXはボーイングがスポットライトを独占し続けることを許さない連中だからだ。

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(翻訳:Sako)