未払い請求書への対応を自動化するYayPayが$5.3Mを調達、新たに入金予報機能を導入

本誌TechCrunchのStartup Battlefieldに出てから2年になるYayPayが、530万ドルをQED Investors, Birchmere, Fifth Third Capital, それに500 Fintech Fund, Aspect Ventures, Gaingels, Techstars, Zelkovaなどから調達した。

YayPayは会社の経理部の仕事を最適化する。とりわけ、これまではあまりにも多くの中小企業が、未払い請求の催促をめぐって大量の時間を浪費していた。YayPayはそういう請求書の追跡を自動化し、状態のチェックや、リマインダー(この場合“督促状”)の送付を行う。

最近同社は、キャッシュフローの予報機能を導入した。YayPayは過去の請求〜支払い状況を見て、今の請求の支払日を予言する。そうやって入金の期日が分かれば、会社の銀行口座の近未来の残高も予測できる。

このサービスは既存のERPとの統合もでき、またチームでコラボレーションしながら利用できるから、今だれが何をやってるか分かり、放置されていた顧客にも対応できる。

また、このサービスの管理コンソール上で過去の請求書を調べ、履歴データを作れる。これまでYayPayが処理した請求書は15万あまり、それは1億ドル以上の売掛金(受取勘定)に相当する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

建設企業の請求決済事務をオンライン化して中小下請け孫請けの苦境を救うNet30

建築業界の請求と決済の処理は、今や破綻している。実際に払ってもらえるまで70日ぐらいかかるので、建設業者の多くは運転資本が枯渇する。そこで、Y Combinatorで育ったNet30は、その問題を解決しようと志(こころざ)した。

このプラットホームの上で建設企業は請求書を処理し、下請け企業などの銀行口座にオンラインで支払いを行う。これにより、今でも紙を使っていることの多い事務処理がデジタル化される(今はまだ、請求書をFAXで送り、支払いは小切手が普通郵便で送られてくるパターンも少なくない)。実はNet30のファウンダーは、実際に建設企業でプロジェクトマネージャーをやっていたCasey BellとAnthony Cirinelliで、元々は決済を早めるためのプラットホームとしてNet30を作った。

しかし実際に建設業者たちの話を聞いてみると、建設業界の請求決済問題には改善すべき点がたくさんあることが分かってきた。問題は非常に深刻であり、決済の遅れが建設企業の倒産の原因になることも多いのだ。

“すごく大きな問題だし、しかも業界全体に血液を送る心臓の部分だ。それなのに、請求と決済の業務を簡素化することに、誰も取り組まなかった”、とBellは語る。

建設のプロジェクトは通常、数十社もの下請け〜孫請けが関わり、各社が請求書を発行する。しかし個々の請求書は、複数の文書の束であることが多い。そこには、完了した仕事の詳しい科目分類や、署名入りの法的文書、コンプライアンス関連の文書などがある。そこに日付の間違いなど誤記がひとつでもあると、決済が遅れたりする。

建設業者が操業を続けるためにはキャッシュフローが必要だから、ちょっとした遅れが悪夢を招くこともある。Net30はひとつのプロジェクトに関わる企業をすべて集めて、すべての請求書が最初から確実に正しい、という状態を作り出す。そして下請け孫請けの透明性を高める。

建設業界の既存の請求事務ソフトウェアには、昨年Oracleが買収したTexturaなどがあるが、それなどはエンタープライズ級の企業が対象で、請求決済事務の現代化を誰よりも必要としている、膨大な数の中小建設企業のニーズに対応していない、とBellは語る。

中小建設企業向けのスタートアップとしては、青写真アプリのPlanGridや、コンプライアンス関連のソフトウェアを作るUpCodesなどがあり、とくに後者は、Y Combinatorの今のバッチの同窓生だ

“一般的に建設業界は、ディスラプト(破壊的改革)が非常に後れている業界だし、テクノロジーの採用も遅い。でも最近では、ソフトウェアの実装と利用がそんなに難しくないことを、彼らは理解し始めている”、とBellは述べる。“これらのソリューションを利用すれば、建設業界はもっと先進的で生産性の高い産業になるはずだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

テクノロジーの利用による効率化が遅れている大企業の財務や法務にコラボレーションを持ち込むClauseMatch

ClauseMatchのCEO Evgeny Likhodedは、契約交渉というものがどんなものだったか、よくおぼえている。彼がMorgan StanleyやGazpromにいたときは、各種金融製品や商品取引をめぐって契約や合意を交渉するチームに配属されていた。

エンタープライズの多くの部分でテクノロジーが進化したが、Likhodedによると、財務や法務、保険関連などコンプライアンスが厳しい部門では、圧倒的にMicrosoft Wordに依存して文書の作成や編集を行い、それらの変更や承認を行う部署への配布には、圧倒的にメールが使われていた。

“大企業の、とくに法務の連中の仕事は、そこに何らかの文書が絡んでくるといつでも、何人かの利害関係者たちが意見を述べ、変更を加え、その文書を承認していた。文書を10か20の部署に送ると、それぞれ異なる10通が返ってきて、それらをすべて原本に取り入れなければならない”、とLikhodedは往時を語る。

関連部署が増えるとさらに複雑になる。80から100名ぐらいからの入力や承認が必要になると、Likhodedによれば、人びとは原始的な変更追跡とバージョンコントロールのフォームとしてスプレッドシートを作った。そして多くの場合、監督部門は文書の作成過程を理解するために監査証跡〔完全詳細な変更・編集履歴〕を見たがるので、問題はさらにややこしくなった。

これらすべてを踏まえてLikhodedは、ClauseMatchの構築に取り組んだ。財務や法務関連のチームがリアルタイムでコラボレーションしながら文書を作成編集し、変更を記録追跡し、承認のシルシを付け、そしてサインをもらうソフトウェアだ。

単純にすべてのアップデートをインデクシングして、すべての文書に完全な監査証跡が備わるようにする。文書がどう変化・進化してきたかよく分かり、誰がいつどこをどう変えたかも分かるから、機密情報も管理しやすい。

2016年の初めにソフトローンチしたClauseMatchは、バークレーズ(Barclays)に採用されて、同社のポリシー管理の合理化に貢献している。概念実証の段階で採用した数社は、近く完全なデプロイメントへ移行する予定だ。

その結果ClauseMatchは、Speedinvestがリードするラウンドで160万ドルのシード資金を獲得でき、それには既存の投資家SparkLabs Global VenturesとTechstars、元Thomson ReutersのCEO Tom Glocer、元SunGardのCEO Cristobal Condeらが参加した。

新たに資金を得たClauseMatchは、すでに成長しているチームをさらに大きくしたいと考えている。社員数は、1年前の6名から20名に増えた。今後はプロダクトチームを増員するとともに、営業とマーケティングを本格的に展開したい意向だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

大企業のあちこちに転がっている無駄なSaaS契約を掃除するMeta SaaSが$1.5Mを調達

Meta SaaSは、プロダクトの断捨離を手伝ってくれるプロダクトだ。CardlifeCleanshelfなどと同じく、Meta SaaSはユーザー(人や企業)のSaaS契約をすべて調べて、実際に使っているものと、さらに重要なこととして、使ってないものを教えてくれる。

Arlo GilbertとScott Hertelが作ったこのプロダクトは、Mark Cubanがリードし、Barracuda Networks, Capital Factory, Deep Space Ventures, BazaarvoiceのBrett Hurtらが参加したラウンドで150万ドルを調達した。Gilbertはかつて、iOS用の初めてのVoIPプラットホームを作り、HertelはDellのeコマース部門にいた。

同社は今、RetailMeNotをはじめ6社の顧客、計10000名の社員をサポートしている。そして同社が調べることのできるSaaSは、数百万にものぼる。

“うちの顧客は中から大ぐらいの企業が多い。そんな企業は、SaaSのライセンス管理が、大きな経費節減につながるからね。中には、毎年数百万ドルを溝(どぶ)に捨てている企業もある。最近の新しい競合他社は、小企業をターゲットにしてるところが多いけどね”、とHertelは語る。“ほかの競合他社はOktaなどのサードパーティからデータをもらってるところが多い。だからログインを調べるだけだし、ひとつのプラットホームに限定される”。

Gilbertが同社を創ったのは、自分自身がSaaSに無駄金を使いすぎていることに、気づいたからだ。

“2012年にiCallを売って、オフィスをたたもうとしたとき、Salesforce CRMのライセンスが40あることが分かった。社員が20人以上いたことは、ないのにね”、と彼は言う。

このプロダクトは“幽霊IT”を管理する。誰かが買って、忘れてしまったITツールのことだ。売って忘れられることは、SaaSのプロバイダーにとっては好都合だが、企業にとってはおそろしい。Meta SaaSは大企業にSaaSの断捨離サービスを提供する、初めてのプロバイダーのひとつだ。

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売掛金管理のYayPayは機械学習を利用して向こう二か月のクライアントごとの入金日を予測する

大きなクライアントをたくさん抱えている会社では、今後の入金〜口座残高を細かく正確に予測することが難しい。そこでYayPayは、未入金の請求に関する‘天気予報’を提供する。それをもとに、大きなプロジェクトの着手の是非を判断できるだろう。

YayPayは本誌主催のDisrupt Londonでローンチした。同社は企業の売掛金管理を助け、どこにどれだけの未入金があるかが、すぐに分かるようにする。常時大量のクライアントを抱えている企業なら、発行した請求書の個々のステータスが簡単に‘現状不明’になってしまう。YayPayはそれを防ぐ。

YayPayは、彼らの支払いを早めることを目指して、そこに至るための多くのステップを自動化する。既存の主なERPソリューションと統合し、チームによるコラボレーションもサポートしている。過去のデータ(履歴データ)も見られる。

今日(米国時間5/12)のアップデートでは、すべてのクライアントのデータを総合して、全体的な状況を理解できるようになった。たとえば、期限が××月××日までの請求を全部見たい、とか。各クライアントが実際に払うであろう日にちも予測するが、それには予言の確度がパーセンテージで表される。

そしてYayPayは、向こう8週間の入金キャッシュフローをグラフで見せる。またそれらを、個別のクライアントごとに見ることもできる。

同サービスは、顧客の支払い習慣や行動を機械学習で記憶し、それをもとに支払日を予測する。売掛金を複数の部署で分割して管理している場合でも、人間の当てずっぽうに頼らずに、実際の支払い…確実部分と不確実部分…に集中できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))