米Uber Eatsで会計を割り勘にできるように

パンデミックが(このままうまくいけば)収束し、人々が再び社交的になった今、Uber(ウーバー)はレストランデリバリーアプリの最も一般的な問題の1つである、友人間での会計の割り勘に取り組んでいる。Uber Eats(ウーバー・イーツ)は、米国のデリバリーアプリでは初めてのことだとUberが主張する新しい割り勘機能でグループ注文を再開する。グループ注文を作成したら、すべてを支払うか、ゲストに自分の分を負担してもらうかを選択するだけでいい。一部の人だけが支払う状況では役に立たないが、事後にお金を要求する手間を省くことはできるかもしれない。

また、これからはグループ注文を管理するのも簡単だ。全員が注文を提出する期限を設定し、期限内に自動チェックアウトするか、手動で購入するか、どちらかを選択できる。自動リマインダーを設定すれば、まだリクエストしていない人を促すこともできるので、優柔不断な友人も問題ない。

2013年にライドシェアの顧客が運賃を割り勘することができるようになっていたUberにとって、割り勘という概念は新しいものではない。しかし、今回の追加は歓迎すべきことであり、友人同士の夜遊びだけでなく、自宅でのカップルの利用にも役立つかもしれない。また、グループ注文がない、あるいは会社の口座からの支払いに限定しているライバル会社にもプレッシャーを与えるかもしれない。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のJon Fingas(ジョン・フィンガス)氏はEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Uber

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(文:Jon Fingas、翻訳:Yuta Kaminishi)

レストランでQRコードとスマホを使った会計できるシンプルな決済ソリューションを提供するQlub

我々のレストランやイベント会場における行動は、新型コロナウイルスの影響からこの2年間で大きく変わったが、テーブルからスマートフォンで注文できたり、クレジットカードを出さずとも支払いさえできるようになったことの大きなメリットに気づいた人も多いだろう。2020年には存在すらしていなかったフランスのスタートアップ企業であるSunday(サンデイ)は、多額の資金を調達して、人々が簡単に支払いを済ませたり会計を共有できるようにすることで、店員を解放し、レストランの回転率を高めた。

この種のトレンドには、Toast(トースト)やGoodEats(グッドイーツ)など、他にも多くのスタートアップが飛びついている。

今回、ステルスを脱したQlub(クラブ)も、同様の分野に取り組んでいるが、しかし同社は米国以外の市場に目を向けている。この消費者向けレストラン決済ソリューションを提供する会社は、ベルリンのCherry Ventures(チェリー・ベンチャーズ)とドイツのPoint Nine Capital(ポイント・ナイン・キャピタル)が共同で主導したラウンドで、1700万ドル(約19億5000万円)のシード資金を調達した。このラウンドには、STV、Raed Ventures(レード・ベンチャーズ)、Heartcore(ヒートコア)、Shorooq Partners(ショルーク・パートナーズ)、FinTech Collective(フィンテック・コレクティブ)などの他のVCや、多くの起業家から転身したエンジェル投資家たちも参加した。

Qlubは、Sundayと同様に、携帯電話でQRコードをスキャンすることによって、レストランですばやく会計を済ませることができる。アプリや登録は不要だ。顧客は友人と一緒に請求額を割り勘にして、Apple Pay、クレジットカード、あるいはBNPLと同様に分割払いで支払うこともできる。

レストランにとってのメリットは、テーブルの潜在的な回転率が上がること、店員に対するチップの可能性が高まること、そしてシンプルな支払い体験を気に入ったリピーター客が増えることだ。また、Qlubによれば、その使い勝手の良さから、Qlubを導入したレストランが、口コミサイトで高い評価を受ける傾向もあるという。もちろん、店員との接触が減るので、ウイルスの感染予防や一般公衆衛生にも有効だ。

共同創業者のEyad Alkassar(アイアド・アルカッサー)氏は、次のように述べている。「複数のフードデリバリー企業を立ち上げた経験から、私は過去20年の間に、テクノロジーの進歩によって、外食体験がいかに改善されていなかったかということに当惑しました。クレジットカードが登場してから、ほとんど何も変わっていません。新型コロナウイルス感染流行がもたらした2つのメガトレンド、すなわちレストランのQRコードとキャッシュレス決済を組み合わせ、私たちは未来の決済機能を作り上げます」。アルカッサー氏は現在、Rocket Internet Middle East(ロケット・インターネット・ミドル・イースト)の共同創業者兼マネージングディレクターを務めているが、関与を段階的に減らしている最中である。

Qlubの創業チームは、アルカッサー氏の他、Arun Sharma(アルン・シャルマ)氏、Filiberto Pavan(フィリベルト・パヴァン)氏、Gizem Bodur(ギゼム・ボドゥル)氏、Jeff Matsuda(ジェフ・マツダ)氏、Jianggan Li(ジャンガン・リー)氏、John Mady(ジョン・マディ)氏、Mahmoud Fouz(マフムード。フーズ)氏、Oscar Bedoya(オスカー・ベドヤ)氏、Ramy Omar(ラミー・オマー)氏で構成されている。このチームは、Lazadaa(ラザダ)、Namshi(ナムシ)、Snapp(スナップ)など、さまざまな企業を設立し、規模を拡大してきた。

Cherry Venturesの創業パートナーであるFilip Dames(フィリップ・デイムス)氏は、次のように述べている。「オフラインでの支払いが回転率の障害となっているレストランにとって、セルフチェックアウト・ソリューションの採用は考えるまでもないことです」。

Point NineのパートナーであるRicardo Sequerra Amram(リカルド・セクエラ・アムラン)氏は、次のように述べている。「Qlubは、キャッシュレス決済の自由度とセルフチェックアウトの利便性を求める消費者と、新型コロナウイルス流行後の世界で、固定費を圧縮し、収益を生み出す仕事にスタッフを割り当てることを一層心掛けているレストランのオーナーの双方にとって、ウィンウィンのサービスを構築しています」。

QlubはこれまでにUAE、KSA、インドでサービスを開始しているが、今後数週間から数カ月の間に他の国際市場にも拡大していく予定だ。

画像クレジット:Eyad Alkassar

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Facebook Messengerが米国で新しい割り勘機能「Split Payments」をテスト中

Facebook Messenger(メッセンジャー)は、ユーザーが同アプリを通じて請求書や費用を割り勘できるようにする新機能「Split Payments」のテストを開始すると発表した。同社は、この新機能は、Messengerを通じて財務処理を行うための「無料かつ迅速な」方法であるとしている。この新機能は、米国のユーザーを対象に来週から展開される。

Split Paymentsを使用するには、ユーザーはMessengerのグループチャットまたはPayments Hubで「Get Started」ボタンをクリックする必要がある。そこから、食事の勘定を均等に分割したり、自分を含めた、または含めないで、グループチャット内の各ユーザーの貢献額を修正することができる。また、パーソナライズされたメッセージを入力するオプションも用意されている。最後に、Facebook Payの詳細を確認するように求められる。その後、リクエストが送信され、グループチャットのスレッドで見ることができる。

同社はこの新機能について、ブログで次のように述べている。「グループでのディナーや共同の生活費、月々の家賃などで、うまく分担するのに(そして後から払ってもらうのに)苦労していた方は、これで楽になります」。

今回のSplit Paymentsの開始は、Messengerが数カ月前に個人間の支払いのためにVenmoのようなQRコードを追加した中でのことだ。QRコード機能は米国で提供開始され、Facebook(フェイスブック)の友達でなくても、誰でもFacebook Payを通じてお金を送ったりリクエストすることができる。この機能は、Messengerの設定にある「Facebook Pay」の項目からアクセスできる。

関連記事:米国でFacebook MessengerにQRコードによる個人間送金機能追加

Facebook Payは、個人間の支払いだけでなく、寄付やEC取引など、同社のアプリ全体に広がる決済システムを確立するための手段として、2019年11月に初めて登場した。

Split Paymentsは、クリエイターのEmma Chamberlain(エマ・チェンバレン)氏、Zach King(ザック・キング)氏、Bella Poarch(ベラ・ポールチ)氏、King Bach(キング・バーチ)氏がデザインした4つの新しいグループARエフェクトなど、他のいくつかのMessengerアップデートとともに導入された。また、Messenger内で送信すると音が鳴る絵文字である「Stranger Things(ストレンジャー・シングス)」のSoundmojiを新たに2つ、そして新しいチャットテーマをリリースした。Messengerは他にも最近、アルバム「Red」のリリースを記念して、新しいTaylor Swift(テイラー・スウィフト)のSoundmojiを発表している。

画像クレジット:Messenger

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

Uberがアフリカで相乗りサービスをテスト、世界的には新型コロナで類似サービス停止中

Uber(ウーバー)は、同じ方向に向かう乗客が乗車料金をシェアできる機能「Pool Chance」をケニアでテスト中で、ガーナとナイジェリアでもこの低価格サービスを展開する予定だ。ケニアのナイロビで車を予約する際にこのオプションがあるのをTechCrunchが発見した。Uberの広報担当者によると、このサービスはパイロット版(ベータ版)の一部であり、小規模なテストの結果を踏まえてより広範囲に展開する予定とのことだ。

アフリカで初めて導入されるこの新サービスは、2014年にサンフランシスコのベイエリアで開始され、その後、世界の複数の都市で導入されたUberPoolに似ている。この低価格で人気のサービスは、米国やカナダを含む多くの地域で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)規制のために一時停止したままだが、Uberは一部の市場で徐々に復活させていて、これまで展開していなかった場所にも導入しつつあるようだ。同社は、この2つのプロダクトのコンセプトは似ているものの同じではないとし、さらなる詳細は明らかにしなかった。

しかし、Uberのドライバー向けフォーラムのこちらのスレッドでは、その違いを次のように説明している。Pool Chanceは、ドライバーが他の乗客を拾えば割引料金で乗車できるチャンスがあり、そうでなければ個別に乗車した場合に支払う通常料金が課される。UberPoolは、他に誰か乗車するかどうかにかかわらず特定の相乗り料金が適用される。

Pool Chanceオプションは、ナイロビでは格安サービスのChap Chapで利用でき、ナイジェリアの人口の多い都市ラゴスとガーナの首都アクラでは、UberXカテゴリーで利用できるようになる。

Uberの東・西アフリカ地域のコミュニケーション責任者であるLorraine Ondoru(ロレーヌ・オンドル)氏は「当社は現在、新しいUberライドであるPool Chanceを試行しています。これはナイロビ(ケニア)の乗客が同じ方向に向かう他の客と乗車を共有する場合、料金を抑えることができるというものです」とTechCrunchに語った。

「新しいサービスを導入する際には、このような方法を用いて、市場が健全でバランスのとれた状態を維持するようにしています。このサービスが正式に展開される際に詳細をお伝えします」と付け加えた。

Uberは、2020年10月にウクライナのキエフでPool Chanceを導入し、そして4月にはニュージーランドのオークランドでも展開を始めた。また、2021年初めにはオーストラリアのシドニーとパースでも低価格のライドシェアサービスを導入し、その後アデレードでも開始した。

Uberはアプリ上で、Pool Chanceにより乗車料金を最大30%抑えられ、客はさらにお得に移動できるようになる、と話している。

同社はこの新サービスについて、アフリカ3カ国のドライバーに向けたメッセージの中で「手頃な価格のシェアライドは、アプリを利用する乗客が増えることを意味し、より多くの移動、ダウンタイムの減少、そしてドライバーの全体的な収益につながります」と述べた。

Uberはアフリカで、エジプト、南アフリカ、ウガンダ、タンザニア、モロッコなど8つの市場でサービスを提供している。

エストニアを拠点とする配車サービスBoltのようなライバルとの競争が激化する中、Uberは顧客の維持と新規顧客の獲得を目的とした新戦略のもと、ここ数カ月の間にアフリカ大陸全体でサービスを拡大し、新プロダクトを導入してきた。

今月初め、Uberはナイジェリアのイバダンとポートハーコートの2都市に進出し、すでにサービスを展開していた他の3都市に加えた。

また南アフリカでは、2021年9都市に事業を拡大し、UberX、UberBlack、格安サービスのUberGoとともにプレミアムサービスのUber Comfortを導入した。また、8月には、世界の他の市場ではすでに提供されていた、1カ月前から乗車予約ができる機能を追加した。

Uberがアフリカの市場で乗車料金を割り勘にするサービスを導入する計画は、同社が最近のレポートで「ライドシェアは今後3~5年の間に公共交通機関の中でますます重要な役割を果たすようになるだろう」と述べたことを受けてのものだ。

バスや鉄道は大勢の人を運ぶことができるため、今後も公共交通の中核となるが、マイクロトランジットやライドシェア、マイクロモビリティなどの手段によって補完されていくだろうと同社は付け加えた。

「ライドシェアのようにコストが変動する新しい交通手段が加わり、オンデマンドサービスが普及することで、公共交通機関の効率化と低コスト化に新たな一石が投じられることになる」と述べた。

これにより「公共交通機関のネットワークの公平性、アクセス性、回復力、柔軟性」を確保し、改善することができる、としている。

公共交通機関にサービスを提供する部門であるUber Transitと、2020年買収した交通機関向けソフトウェアを提供する会社Routematchを通じて、交通機関がより効率的に運営できるような新しいツールを提供し、ライダーもサポートするとレポートで述べている。

2015年にUber Transitを設立して以来、同社は世界各地で公共交通機関をシームレスにすることを目指したサービスを展開してきた。

2019年初めには、デンバーの乗客が旅の計画やチケット購入ができるUberアプリ内サービスを開始し、カリフォルニア州のMarin Transitとの提携では公共交通機関を動かすソフトウェアを提供した。

2020年9月には、一部の市場で「Uber and Transit」を開始し、乗客が電車やバスといった他の公共交通手段と組み合わせて配車サービスを利用できるアプリ内機能を立ち上げた。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Annie Njanja、翻訳:Nariko Mizoguchi