銃がある限り銃設計図はなくせない

銃規制とはあらゆる銃の規制である。先進諸国におけるこのトートロジーに交渉の余地はない。もしこの国に銃が存在するなら、銃の設計図は存在し得る。そして私はほぼあらゆる武器の厳正な規制に強く賛成する立場をとるが、Defense Distributedのピストル「リベレイター」の設計図を禁止する動きは受け入れ難い。銃は存在する、よってその設計図も、存在すべきである。

はっきりさせておくが、私は、Cody Wilsonの発想は自由主義論者のたわごとだと思っている。彼がリベレイター ― ナチを脅かすためにドイツ占領地域に空中投下された簡易な銃の名前 ― という名称を採用した好戦的態度は、戦没者の記憶を冒涜するものだ。未知の力を持つ敵に対する最後の武装闘争には、平和主義者でさえ価値を見出すだろう。しかし、自由のない人々の苦闘と、銃商人がスムーズに取引きする権利との間にある決定的な違いを理解している銃支持論者はいない。

そしてそれが、これらのばかばかしい設計図を私が擁護し続ける理由だ。かつてのアナーキストクックブックと同じく、リベレイターは陰謀論と不当な怒りに満ち著しく自己認識に欠けた妄想の産物である。クックブックの著者で19歳のウィリアム・パウエルは、彼の「論文」をベトナム戦争への抗議として書いた。彼は自らの命 ― そして他の無数の感じやすい十代の命 ― を賭けて、笑ってしまうような急造武器の概要を公開するほどの強い気持ちを抱いた。しかし、彼が出版、製造する権利は決して脅かされるべきではない。彼の目的は本物だったが標的が誤っていた。同じことはWilsonにも言える。

3Dプリンティングは重要な新産業分野だ。BASICがビットをいじるのを簡単にしたのと同じように、それはプラスチックをいじるのを簡単にする。私には将来子供がプラスチック製ナイフやおもちゃの手榴弾など危険が潜む物体をいくらでもデザインしてプリントする状況を予見できる。これが探究というものだ。極端に走ることによって本質を理解する。

ある夏の日々を思い出す。たぶん私が11か12の時で、友達とふたりで裏庭にあった古いガラスのドアを見つけた。ふたりは午後いっぱいかけてガラスを割り「ナイフ」を作った。実際には、自分を傷つけることなく手に持てる破片を見つけることだった。ナイフにはホークアイとかサムライとか名前を付け、私が「スパイ任務」に使っていた布張りのブリーフケースにしまった。後に両親は私たちが庭で割れたガラスで遊んでいるところを見つけた。私は自宅謹慎させられた。ふたりともクラブハウスにも行けなくなった。リベレイターも同じだ。愚か者はガラス窓を見てそこにナイフを見る。賢い心は同じドアを見て温室の入口に使おうとするだろう。あのドアに有用な利用法を見出せなかったことが、私たちを愚か者にしたのだ。

われわれは3Dプリンティングを恐れることもできる。しかし、たとえあらゆるデジタルファイルを禁止しても、誰かが危険な何かを作り、そこに自由というレッテルを貼るだろう。最終的にわれわれは、知能と思いやりだけに抑制さられた混沌に住むことになる。人間の特性のうち、後者が勝利することは私の一生の願いであり、だから私はいじくり回すことの価値を理解している。Wilsonが自らの “No Takedown” [分解禁止]ルールを無視したそのスピードは、この少年がいかに厳格で頑強な自由の闘士であるかを示すものだ。しかし私は、恐怖心につけこみ大げさに物を言うカルチャーよりも、時に見当違いであっても、活気あるアイディアの市場の方がずっといい。Wilsonの銃をダウンロードしてプリントするのは愚か者だけだ。しかし、われわれのロッカーやクローゼットに銃があり続ける限り、それを行うのは愚か者の権利だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


押し出し成形でなく光硬化ポリマーを使うハイテク3DプリンタForm One–見事な設計だ

Formlabsの天才少年たち、David CranorとMaxim LobovskyとNatan Linderがポストしたビデオには、3DプリンタForm Oneが詳しく紹介されている。それは、最近登場した3Dプリンタの中でも、いちばん良くできた製品ではないだろうか。Form Oneは一種のステレオリソグラフィー技術を使って、オブジェクトを“逆さに”プリントする。素材は光で硬化するポリマーを使う。プリントされたオブジェクトはプラスチック液の槽から現れるが、その様子はThe Matrixで、濡れた繭からNeoが転がり出てくる様子を思わせる。

Formlabsでは最初の15台をテストし、これからの数週間でKickstarterの支援者たちに送る。初心者ユーザのためのサポートフォーラムも立ち上げた。こんな新しい技術には、ぜひ欲しいサービスだ。

今ベータのユーザたちがForm Oneをテストして、その情報をFormlabsが集めている。

彼らのおかげでFormのチームは問題を迅速に把握でき、早めにそれらに対応できる。そのデータはソフトウェアとハードウェアのテストのためにきわめて貴重であり、また今後の何千人というユーザのための、指導ドキュメントを作るためにも欠かせない。

同社は昨年の8月にKickstarterでの資金募集に成功し、これまでの数か月間はそのページで、ハイテクの結晶とも言えるForm Oneの、プロトタイプを見せていた。どうやら、本番製品の完成も近いようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


3Dプリンタで製作できるLiberatorピストルについてまず知っておくべき事実

3Dプリンタで出力されたLiberatorというピストルは実際に発射可能であることが分かった。そこで3D兵器、自家製兵器について基本的な事項をここで確認しておこうと思う。

本当に作動するのか? イェス。少なくとも1発は本体を損傷させずに発射できたようだ。上のビデオでは1発しか発射されていないが、ForbesのAndy Greenbergは何回か発射したところを見たという。

これは本物のピストルといってよいのか?  ノー。これはピストルというよりいわゆるジップガンだ。ジップガンというのは鉄パイプ、釘、輪ゴムなどで組み立てられた即席、手製の火器を言う。大怪我したり死んだりする危険が十分あるのにスリルを求めてこんなもの作るガキども(その中には作り方を見せてくれた私の父も含まれる)は、弾を鉄パイプに詰め、輪ゴムに取り付けたクギを用意する。輪ゴムをひっぱって離し、雷管を叩いて発射を試みるわけだ。ビデオのLiberatorも似たような仕組で、スプリングで釘を雷管に打ち付ける。

この銃の銃身にはいちおう溝が刻まれているが命中精度はごく低いだろう。ごく小型の380口径の弾頭を使う。もちろん人を殺せるが、威力は低い。

誰でもプリントできるのか? イェス。3Dプリント用のファイルをダウンロードすればよい。あとは3Dプリンタだけあればよい。

オリジナルの製造者は高精度のStratasys Dimension SST 3Dプリンタを利用しているが、Makerbotでも出力可能なはずだ。

しかし私は手持ちのReplicatorで出力して試してみようとは思わない。そこまで無謀ではない。私は3Dプリンタ・メーカー各社に問い合わせてみたが、どこも火器への応用に関してはノーコメントだった。誰も安全は保証しないということだ。しかし家庭用プリンタで出力可能なことは間違いない。

合法的なのか? いちおうはイェス(だが、私は弁護士ではない)。火器の製造に当たってはFederal Firearms Licenseを取得しなければならない。この銃を製造するには「破壊的装置および破壊的装置のための弾薬、徹甲弾薬の製造者」のライセンスが必要だ。このライセンスは誰でも申請できる。ただしこれまではライセンスの取得が困難というよりもむしろ火器製造のための工具が高価なためにあえて自家製の火器を作ろうとする人間が少なかった。それがStratasysの高性能プリンタでも8000ドル、無謀なら2000ドルの家庭用プリンタでも製造可能になったという点が問題となる。

また金属探知機による探知が不可能な火器の製造を禁止する法律(1988年)に適合させるよう、この銃には金属部品が組みこまれている。

というわけでこの銃を合法的に製造することは可能だ。

こうした火器の製造を止めることはできるか? できないだろう。

次にどうなる? 冷笑的な連中の議論が喧しくなるだろう。あるものは「すぐに3Dガンによる殺人が起きる」と主張するだろう。そして3Dプリンティング全体が恐ろしいものだとみなされるようになる、あれやこれやの規制と取締が必要だと言うだろう。銃規制推進派、反対派はそれぞれに過激な議論を繰り広げるだろう。

ここでは感情的な極論を排した冷静でバランスの取れたアプローチがぜひとも必要だ。

冷静な議論をするものは、今回のLiberatorガンそれ自体は実用的な火器というよりコンセプトを実証したモデルに過ぎないと見るだろう。3Dプリンティング・テクノロジーはあらゆる製造業のあり方を一変させつつある。したがって火器製造にも影響が及ぶというのは論理的必然だ。銃の自家製造は今に始まったことではない。アメリカでは昔から行われてきた。ただし3Dプリンティングは今後それを以前よりかなり容易にすることになる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


3Dプリンタで製作できるLiberatorピストルについてまず知っておくべき事実

3Dプリンタで出力されたLiberatorというピストルは実際に発射可能であることが分かった。そこで3D兵器、自家製兵器について基本的な事項をここで確認しておこうと思う。

本当に作動するのか? イェス。少なくとも1発は本体を損傷させずに発射できたようだ。上のビデオでは1発しか発射されていないが、ForbesのAndy Greenbergは何回か発射したところを見たという。

これは本物のピストルといってよいのか?  ノー。これはピストルというよりいわゆるジップガンだ。ジップガンというのは鉄パイプ、釘、輪ゴムなどで組み立てられた即席、手製の火器を言う。大怪我したり死んだりする危険が十分あるのにスリルを求めてこんなもの作るガキども(その中には作り方を見せてくれた私の父も含まれる)は、弾を鉄パイプに詰め、輪ゴムに取り付けたクギを用意する。輪ゴムをひっぱって離し、雷管を叩いて発射を試みるわけだ。ビデオのLiberatorも似たような仕組で、スプリングで釘を雷管に打ち付ける。

この銃の銃身にはいちおう溝が刻まれているが命中精度はごく低いだろう。ごく小型の380口径の弾頭を使う。もちろん人を殺せるが、威力は低い。

誰でもプリントできるのか? イェス。3Dプリント用のファイルをダウンロードすればよい。あとは3Dプリンタだけあればよい。

オリジナルの製造者は高精度のStratasys Dimension SST 3Dプリンタを利用しているが、Makerbotでも出力可能なはずだ。

しかし私は手持ちのReplicatorで出力して試してみようとは思わない。そこまで無謀ではない。私は3Dプリンタ・メーカー各社に問い合わせてみたが、どこも火器への応用に関してはノーコメントだった。誰も安全は保証しないということだ。しかし家庭用プリンタで出力可能なことは間違いない。

合法的なのか? いちおうはイェス(だが、私は弁護士ではない)。火器の製造に当たってはFederal Firearms Licenseを取得しなければならない。この銃を製造するには「破壊的装置および破壊的装置のための弾薬、徹甲弾薬の製造者」のライセンスが必要だ。このライセンスは誰でも申請できる。ただしこれまではライセンスの取得が困難というよりもむしろ火器製造のための工具が高価なためにあえて自家製の火器を作ろうとする人間が少なかった。それがStratasysの高性能プリンタでも8000ドル、無謀なら2000ドルの家庭用プリンタでも製造可能になったという点が問題となる。

また金属探知機による探知が不可能な火器の製造を禁止する法律(1988年)に適合させるよう、この銃には金属部品が組みこまれている。

というわけでこの銃を合法的に製造することは可能だ。

こうした火器の製造を止めることはできるか? できないだろう。

次にどうなる? 冷笑的な連中の議論が喧しくなるだろう。あるものは「すぐに3Dガンによる殺人が起きる」と主張するだろう。そして3Dプリンティング全体が恐ろしいものだとみなされるようになる、あれやこれやの規制と取締が必要だと言うだろう。銃規制推進派、反対派はそれぞれに過激な議論を繰り広げるだろう。

ここでは感情的な極論を排した冷静でバランスの取れたアプローチがぜひとも必要だ。

冷静な議論をするものは、今回のLiberatorガンそれ自体は実用的な火器というよりコンセプトを実証したモデルに過ぎないと見るだろう。3Dプリンティング・テクノロジーはあらゆる製造業のあり方を一変させつつある。したがって火器製造にも影響が及ぶというのは論理的必然だ。銃の自家製造は今に始まったことではない。アメリカでは昔から行われてきた。ただし3Dプリンティングは今後それを以前よりかなり容易にすることになる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


企業用3Dプリンタが2016年には2000ドルを切るという調査報告,しかし低価格化だけで採用動機は育たない

3Dプリントはまだ幼児期だが、今や誰もが言うように、その将来性は大きい。家庭でも企業でも3Dプリントが使われるようになり、新しい時代が切り開かれるだろう。それと共に、価格も下がる。そこで調査会社のGartnerの予言では、企業が使うような3Dプリンタ(ブルックリンのヒッピーたちが作ったのではないやつ)のお値段は2016年に2000ドルを切るという。

この調査報告は、3Dテクノロジの採用と進歩が今後も続くことによって、価格が下がる、と想定している。それは今や、誰にでも言えそうなことだが、なにしろそれは、歓迎すべき未来からのささやき声だ。

3Dプリントの今の費用では、使えるのはお金持ちのホビイストや経営順調な中小企業ぐらいだ。たとえば世の中のお父さんたちは、子どもと一緒にゲームのピースをプリントすることができない。またプロ用の3Dプリンタも、今の平均的な中小企業が古ぼけたHP OfficeJetの横のスペースを与えられるほどに安くはない。

しかし報告書はさらに続けて、新しいテクノロジはつねに、“ニッチの採用から広範な受容へと移行していく。プリンタの低価格化と、それによって実現する経費や時間の節約、能力の拡大、スピードの向上などがそれに拍車をかける”、と書いている。

Gartnerの調査部長 Pete Basiliereは、“企業は製品技術の進歩を絶えずチェックして、自社に有利に採用できるタイミングを他社にさきがけていち早くつかむ必要がある”、と声明文の中で言っている。“3Dプリントは人びとの能力を高めるルールであり、すでに途上国の生活や生産に貢献し、災害の罹災地を助け、製造〜物作りの民主化を促進している”。

現状では、3Dプリンタを導入できる中小企業でも、その利用価値に気づいていないところが多いだろう。3Dプリントはしかし、新しい使い方の多産およびそれらの普及とともに伸びていく。3Dプリントを経営に活かす知識が普及していないから、中小企業の多くにまだそのニーズがないのだ。

だから、現時点では低価格化だけが3Dプリントの普及の鍵ではない。一種の、エコシステムが必要だ。たとえば、プロ級のデザイナーがデザインを一般消費者や企業に売るマーケットプレースも必要だ。Thingiverseのようなものがあるだけでは、不十分だ。また、3Dプリント関連の地域の商業者や修理ショップも必要だ。低価格化によって小学校の教室などに入っていくことも必要だが、その前にやはり、知識と情報の広まりにより、多くの人に欲求やあこがれが芽生えることが先決だ。そして、それが未来を作っていく。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


3Dプリントをしてくれる/作品を売ってくれるShapewaysがデベロッパポータルとAPIを立ち上げ

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“3Dプリント屋さん”のShapewaysは、2012年に名を上げた。つまり昨年はLux Capitalが率いるラウンドによりシリーズBで620万ドルを獲得し、ニューヨーク市に隣接するロングアイランド市に本格的な工場を建てた。そして今同社は、デザインや実際のプリントに伴う面倒な細部を、より容易にすることを目指している。

まず、デベロッパたちの心をかき立てて多様なデザインアプリケーションを作ってもらいたい。そしてそれらを、Shapewaysのプリントサービスや販売発送サービスにつなげたい。そのために同社は今日(米国時間3/7)、3Dプリントに関心があるデベロッパのためのポータルとRESTによるAPIをローンチした。

Shapewaysは要するに、3Dプリント工房と消費者向けのマーケットプレースを合わせたような会社だ。自分で3Dプリントできない/したくないアーチストやデザイナーは、自分の作品の設計ファイルをShapewaysにアップロードしてプリントしてもらい、それを送ってもらって楽しむ。しかし、自分の作品を売りたいと思っている人はShapewaysの上にオンラインショップを作って、そこにいろんな作品を並べ、売れるのを待つ。

APIは最近アップデートしたShapewaysのサービスに対応していて、設計をアップロードするときにもっと細かい指定ができるし、また素材や仕上げの指定に対する料金がリアルタイムで分かる。しかしAPIリリースの主な目的は、言うまでもなく、創造の手段としてのアプリケーションを作ってもらうことだ。

“今ではアプリケーションはShapewaysの主役の一つ”、と同社のElisa Richardsonは言う。したがって今後は、アプリケーションの見せ方を工夫していく、と。

APIの正式公開は今朝だったが、これまでShapewaysは数名のデベロッパに協力してもらって非公開ベータをやっていた。そこから生まれたアプリケーションが、なかなかにくい。たとえばMixeeMeと名付けたアプリケーションは、ユーザがMii的なアバターをデザインして、それをShapewaysでプリントしてもらえる。そしてTinkerCadというアプリケーションは、ブラウザ内で使う3Dオブジェクトのデザインツールで、完成したデザインのプリントを発注することもAPIを呼び出して行う。

APIとそれを利用したいろんなアプリケーションの魅力で、Shapewaysは3Dプリントを世の中のメジャーに押し上げたいと願っている。そのためには、消費者から見たShapewaysの顔を、良くしなければならない。そのため今は、マーケットプレースと製造プラットホームの化粧直しに専念している。また外見の美化と並行して、売り手に対する待遇だが、それはShapewaysでは前から良かったということだ。

Shapewaysのブログには、今その上に約8000のショップがあり、彼らは昨年50万ドル近い利益を稼いだ、と書かれている。CEOのPeter Weijmarshausenが最近Forbes誌に語っているところによると、来年はShapewaysの上に初の百万長者が現れるだろう、という。とはいえ、Shapewaysにも競合他社はいる。Cubifyは3Dプリンタを売ると同時にそれらのユーザの作品も売っている。またAzavyなども、3Dプリントを今後の新たな商材にしようとしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

さあ陶芸を始めよう―デザインした器が3Dプリントされて木箱に入って届く

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Let’s Create! PotteryはiOSとAndroid向けのとても面白いゲームだ。ユーザーはバーチャル陶芸が楽しめる。私もこのゲームで陶器のコレクションを作ったが、これが本物になればいいのにと何度も思ったものだ。

それが3Dプリント・テクノロジーのおかげで本当にできるようになった。

ゲーム中ではこれまでと同じように壺などを作って彩色することができる。

作品が仕上がると、「プリント」という新しいオプションが現れる。このページに行くとフランスの3Dプリントの専門会社、Sculpteoに注文を出すことができる。

小サイズの壺(高さ5センチくらい)なら14ドル(6ドルの送料込み)だ。大きなサイズになると値段もそれなりに高価になる。中サイズ(10センチ)だと30ドル、大サイズ(15センチ)だと100ドル前後だ。

Let’s Create! PotteryがTechCrunchに見本を送ってくれたが、3Dプリントの壺はかわいらしい木箱に入っていた。蓋を開けると干し草がパッキンとして詰めてあった。洒落ている。

3Dプリントはもうすぐ、家全体自動車まで作るようになるということだが、なんといっても小さいものを作るのが得意なのだということを思い出させるサービスではある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

銃製造集団のDefense Distributed、AR-15用600連射可能の部品を3Dプリント

鉄砲工のCody Wilsonを中心とするグループ、Defense Distributedは、自動小銃AR-15に3Dプリントで作ったロアレシーバーを装着し、600発以上連射するところを映したビデオを公開した。3Dプリント部品の世界では稀な出来事だ。この部品はAR Lower V5と呼ばれ、600発の連射をほぼ完璧にこなし、Wilsonに言わせると「弾丸がなくなったのでテストを止めたが、このロアレシーバーなら1000発以上は楽に射てる」そうだ。

AR-15はモジュール式の銃で、Wilsonらはこれを3Dプリンターを使って改造、最終的には複製しようとしている。鉄砲工らは何十年も前から銃の部品を作っており、これは決して新しい話ではない。しかし、3Dプリンターの普及により銃製造者がデザインしモデルを共有することが容易になった今、銃の3Dプリンティングは急増しつつある。

このレシーバーは今すぐDEFCADでダウンロード可能。そこは鉄砲工たちが自分のデザインを共有する「社会不適応物体の宝庫」だ。

Ars TechnicaがWilsonをインタビューした

「私は現状を回避して中抜きすることを信じている。そのための組織を作ることが出来ると思っている。Bitcoinがが金融機構を回避できるのと同じように。これは、賛否両論を引き起こす政治的に重要な何か作ることもできるという意味だ。単なる派手なクッキー型ではなくもっと重要なものを。そのためにはそうした管理体系の一部を完全に迂回することが必要だが、そのために出来ることは益々少なくなっている。もやはそれは正当な答えではない」と彼は言った。

「メッセージは、われわれのやっていることの中にある。この銃をダウンロードせよ」と付け加えた。

これは3Dプリント銃か?ノー。これは、50万ドルはする軍仕様のフライス盤がなくても本物の銃を作れる未来を予言しているのだろうか?イエス。そして、これが銃器の歴史で非常に興味深い時代の始まりであることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)

ついに車(自動車)も3Dプリントで作れる

[筆者: Michael Seo]
urbee

3Dプリントが本格的な普及期を迎え、ほとんどありとあらゆるものをプリントできるようになった。

3Dプリントで作れる物のリストに、もうすぐ車(自動車)が加わる。

Wired誌の記事によると、それはUrbee 2という名前のハイブリッド三輪自動車で、すべてのボディパーツを3Dプリンタで作る。大衆価格の3DプリンタMakerbotForm 1が、われわれの物作りの概念を変えたように、Urbeeは自動車製造のやり方を変えようとしている。

Urbeeを考案したのは、Jim Korと彼の会社Kor Ecologicの連中だ。この会社は3Dプリントで未来の車を作ることだけがミッションである。同社のWebサイトにその壮大なヴィジョンの詳しい説明があるが、以下にその要旨をまとめてみた。

“燃費の最大化を目指す。製造過程、運転、そして廃車リサイクルのすべての段階で環境汚染を最小化する。できるかぎり、地域や国内で入手可能な素材だけを使用する”。

すなわちKorのねらいは、未来の車の軽量化、高エネルギー効率化、そして製造の簡易化だ。

Urbeeの製造工程はすべて、世界初の3Dプリント・オートバイを作ったRedEyeで行われる。Korによると、3Dプリントの良いところは、鋼板では不可能な、特殊なデザインも可能なことだ。複数の部品をあとで組み立てるのではなく、3Dプリンタは単一ボディの全体を一度に作る。だから製造がとっても簡単だ。各モデルのファイルをプリンタにアップロードして2500時間(105日)待つと、必要なプラスチックパーツがすべて完成する。

そう、世界初の3Dプリント・カーは、車体がプラスチック製だ。

路上運転をしても完全に安全だ、とKorは断言する。“レースカー並に安全だ、と社内では言っている”、と彼はWired誌に語っている。“ル・マンの検査に合格することを、目指している”。なお、言うまでもなく、エンジン、駆動部品、シャシーなどはプラスチックの3Dプリントではない。ふつうに、鋼鉄製だ。

グッドラック!、Urbee。形は超大型のマウスみたいだが、3年前に比べると、ずいぶん進歩したよ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

自分で3Dプリンタを持ってない人をMakeXYZのコミュニティが助ける

Screen Shot 2013-02-25 at 2.55.02 PM

仕事のない3Dプリンタは、クリエイティブな人間にとって縁起が悪い。そこでMakeXYZ.comが助っ人になる。このサービスは、ユーザの近くにある3Dプリンタを見つけて、その…3Dプリンタを持ってない…ユーザが抱えるプリントジョブをリクエストする。大昔のリモートバッチジョブみたいに、ユーザがMakeXYZ傘下のメーカーにコンタクトするだけで、目的のアイテムをプリントしてくれる。

プログラマのChad MassoとNathan Toneがこのサイトを開いたのは今年だが、でもすでに、かなりの数の、暇な3Dプリンタが‘会員’になっている。会社があるのは比較的田舎(?)のオースチンだが、すでに利益が出ている。

彼らのWebサイトには、こう書かれている:

私たちは、人と人を結びつけることによって、お近くのメーカーたちやプリントショップで、3Dプリントをしてもらえるようにします。検索はzipコード〔アメリカの郵便番号〕で行います。見つけたらそこへファイルをアップロードし、色や素材などを指定します。プリント結果は、あなたへ送られるか、またはあなたが訪れるまで取り置かれます。高品質な3Dプリントを、早くゲットできます。

“まだ立ち上げから1か月半だけど、550台のプリンタが登録している。売上や受注量は、公表していない”、とToneは語る。“地元でプリントすると、とても安上がりだ。専門の3Dプリントサービスに頼む場合に比べると、うち経由でやれば費用は半分、納期は1/3だ。モデルを作った人とコミュニケーションもできる。匿名のファクトリーよりも、コミュニティの方が断然いいね”。

プリントの費用はモデルの表面積で決まるが、だいたい15ドルぐらいだ。単価は、1立方センチで約25セントだが、もっと高く設定してもよい。MakeXYZが価格の5%を取る。これは、3Dプリントの市場を大衆化し活発にするための、良い方法だと思う。プリンタそのものがまだ高いだけに、普及のためにはこれぐらいの工夫は必要だ。

Screen Shot 2013-02-25 at 2.30.49 PM

Toneによると、このサービスを思いついたのは、フックの付いた軽いスイッチカバーを作りたかったときだ。“ぼくは3Dプリンタを持っていなかったので、CADのファイルをニューヨークのプリントサービスに送った。料金が高くて、しかも品物の到着まで1か月以上もかかった。あまりにもかったるい経験だったので、よし、自分でやんなきゃだめだ!と痛感した。まず、ぼくが住んでるマンションには、Makerbotを持ってる人が一人いた。…。”。

“地域的なプリントサービスは、コミュニティが何よりも重要だ。それにニューヨークの専門ショップに頼むよりは安いし、しかも納期が早いのだ”、とToneは言った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

3Dプリントと3Dモデリングが利益を生む産業として成り立つか: CGTraderに努力の一端を見る

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3Dプリントと3Dモデリングが世の中の主流に入ってくるにつれて、その市場には小さな選手たちが続々と現れ、また資金の調達も活発化してきた。ここでは、CGTraderというスタートアップを取りあげよう。ここは最初、3Dデザイナーと3Dアーチストたちのマーケットプレースとしてスタートし、最近ではリトアニアのPractica Capitalから20万ユーロ近くを調達した。ファウンダはMarius Kalytis、会社はリトアニアの首都ヴィリニュスにある。

モデルの多くはビデオゲームのクリエイターや、そのほかの3Dマニア向けの、ものすごく細部に凝ったオブジェクトだ。しかし3Dモデルはオブジェクトを限定しないから、CGTraderは、ほとんどどんな仮想オブジェクトでも売るつもりでいる。

3Dモデル産業の大きな問題は、デザイナーやアーチストの印税率が、けたたましく低いことだ。モデルの作者は売上の40〜60%しかもらえないことが多く、もっと欲しければ排他的な契約に縛られる(一般販売ができない)。だから3Dモデルをインターネットで売ることは、デザイナーにとって魅力がなく、そこで業界の成長ものろくなる。しかしKalytisは曰く、CGTraderはフェアで、作者フレンドリーなマーケットプレースだ。

同社の取り分は一律6%、そして作者はこのプラットホームを、カスタマサポートやQ&Aなどの場としても利用できる。

“資金はこのマーケットプレースの技術的な面の充実とコミュニティの構築に使いたい。またデザイナーのための流通チャネルの拡大も重要だ。3Dプリントも、その対象市場になるだろう”、とKalytisは語る。馬の3Dモデルはささやかでも、でもそれだって、3Dプリントが将来利益を生んでいく、あらゆる多様を包括した市場を作るための、積み石の一つだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Autodesk、iPadアプリ、123D Creatureを公開―誰でも3Dでモンスターをデザイン、彩色して、3D出力できる

私はモンスターと3Dプリントが大好きだ。そこでAutodeskの新しいiOSアプリ、123D Creatureに大いに興味をそそられた。これは3Dモデリングのビギナー向けのツールで、バーチャル粘土を画面上でつまんだり、ひっぱったり、回転させたりして自由にかわいい(それとも恐ろしげな)モンスターをデザインすることができる。

このアプリは無料だ(Autodeskはこれまでにも無料の3Dをシリーズで発表している)。 AutodeskはMaya、3ds maxなどの非常に高価で高機能な3Dソリューションを販売している。しかし123Dなら3Dモデリングにまったく経験のない初心者でも3Dオブジェクトをバーチャル空間でデザインして彩色できる。しかもそのファイルをエクスポートして3Dプリンタで出力することができ、3Dプリンタを持っていなくてもアプリ内から3Dプリント出力を発注することができる。

一般に3Dモデリングは難しいと思われているので、Autodeskが若い初心者層に自社のツールを無料で使わせ、将来もっと高価で利益の上がるアプリの販売への地ならしをしようというのは賢い戦略だろう。

さて、では本当に誰でも簡単に3Dモデリングができるのか? まずまず簡単だといってよい。

私は今日、短時間このアプリを試した。トンガリ頭の緑色の人形をデザインして手持ちのMakerbotで出力してみた(上の写真)。残念ながら腕の出力には失敗してしまったが、脚と頭はうまくいった。もちろん私は3Dアーティストではない。それでも、かわいい人形をデザインしてすぐに3Dプリンタで現実のものとして成形できたのはたいへん愉快な経験だった。

初心者が3Dデザインとはどんなものか手軽に体験するのによいだけでなく、作成したファイルをシームレスに3Dプリンタに送り込める点、3Dプリンタのオーナーたちにもうれしいアプリだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook

欧州宇宙機関が3Dプリントで月の土から月面基地を作る方法を研究

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ビルなどの建物を完全に3Dプリントだけで作る、という話がにぎわっているが、その種の野望はいつまでも地上だけにとどまってはいない。Phys.orgの記事によると、欧州宇宙機関(European Space Agency, ESA)とそのパートナーであるロンドンの設計事務所 Foster + Partnersが、生命維持能力のある月面基地を3Dプリントで作れないか、という研究に着手した。

もちろん、月塵だけでは建築素材にならないだろうから、研究者たちはその月面基地の耐久性を高める方法を模索している。月塵の代わりに実験では、酸化マグネシウムとその結合安定剤として塩を用いる。また月面上へ直接、押し出し成型を行う実験は、真空の中で行っている。

F+Pによる初期の概念設計では、荷重耐性の高い大きなドームを作り、その中をセル状(細胞状)の構造にすることによって、住民を環境中の放射能と流星塵から保護する。探究すべき実用上の問題が、まだすべて分かっているわけではないが、プリント工程そのものは、少なくとも地球上ではうまくいくようだ。

イギリスで3DプリンタのメーカーMonoliteを創業したEnrico Diniは、“弊社の現在のプリンタは押出能力が毎時2メートル、次世代機は毎時3.5メートルになる”、と言っている。彼によると、建物全体が完成するまでに要する時間は約1週間だ。月面上ではどうなるか、それはまだ未知数だが。

とはいえ、月そのものを使って月面基地を作るという考えは、一見途方もないようだが、同様のアイデアは実は前からある。たとえば80〜90年代に構想されたMars Direct計画は、同様の考え方に基づいて長期的な火星探検のための燃料を管理しようとする。そのやり方は、まず無人宇宙船を火星へ送り、船内の原子炉を使って火星の大気中の水素を‘加工’し、メタンと酸素を作る。のちに打ち上げる有人宇宙船が、帰還用の燃料としてそれを使う。宇宙旅行にとっては重量が最大の制約要因だから、居住環境を着地点にある素材だけで作れるなら、かなり楽に、ハワイ諸島やアラスカなみの永続的な飛び地を、はるか遠くの宇宙空間に作れるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

フランスのアーチストが自作ロボットのパーツを無料で配布

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フランスのアーチストGael Langevinが、あなたにロボットをあげたいそうだ。それは彼が作ったヒト型ロボットの各部分の3Dプリンタファイルで、それらを利用すると、誰もが自作ロボットを比較的簡単に作れる。あなただけのお手伝いさんまたは愛人を作るために、そのほかに必要なものは、ABS樹脂とArduinoのボードいくつかとモーターいくつかだ。

今現在Thingiverseで入手できるのは手の部分だけだが、今後数か月でそのほかの部分も順次リリースしていく。彼のビルドログがここにある。ロボットは完全にオープンソースで、図面もすべてダウンロードできる。どの部分もご自分の3Dプリンタでプリントできるはずだが、Makerbotでは無理かな、と思う大きいのもある。

このロボット自体は、なんだか皮膚がおかしいSonny from I, Robotみたいで、ちょっと気持ち悪いが、でも家庭の3Dプリンタでロボットが作れることは画期的だ。3Dプリンタ観が、大きく変わってしまう。完成時には、Gaelのおかげで世界のロボットマニアがぐんと増えていることだろう。それも、すばらしいことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))