マイクロソフトがEdge Zones for Azureを発表

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月31日、Azure Edge Zonesのローンチを発表した。Azure Edge Zonesは、Azureユーザーがアプリケーションを同社のEdgeロケーションに持ってくることができるというサービスで、主な狙いはリアルタイムで低レイテンシーの5Gアプリケーションを可能にすることにある。同社はまた、AT&Tをはじめとするキャリア向けのEdge Zonesをプレビューで発表したが、これらのゾーンをキャリアのデータセンター内の5Gネットワークに直接接続するためのものだ。そしてまたAzureは、Azure Stack Edgeと組み合わせてプライベートな5G/LTEネットワークを展開している顧客向けに、Private Edge Zonesも取得している。

最初のパートナーとなるキャリアはAT&Tだが、今後はRogers、SK Telecom、Telstra、Vodafoneなども加わる。そして2020年夏の終わりにLA、マイアミ、ニューヨークを、2021年に向けて10以上の都市でスタンドアローンのAzure Edge Zonesを立ち上げる。

発表声明では次のように述べられている。「これまでの数十年間は主にキャリアと通信事業者は、互いに接続する方法を開拓し、電話や携帯電話の基盤を築いてきた。しかしクラウドと5Gの登場によって、コンピュート(計算機処理)のようなクラウドサービスとAIを高帯域幅と超低レイテンシーを組み合わせることで新たな可能性が生まれてきた。マイクロソトフは企業やデベロッパーが構築する没入型アプリケーションに5Gをもたらすために活性化する彼らをパートナーする」。

この聞いたことがあるように感じられるは、数週間前にGoogleがAnthos for TelecomとGlobal Mobile Edge Cloudをローンチしたときにも述べた構想だからだ。アプリケーションをクラウドのEdgeに持ち込んで5Gと通信事業者に供するという形は、両社ともに似ているようだが、マイクロソフトは、パートナーのエコシステムと提供域の地理的大きさの両方で自分の方がより包括的だと主張している。しかしいずれにしても5Gはすべての大手クラウドプロバイダーにとってトレンドであり、乗り遅れたくないバスだ。マイクロソフトが5Gクラウドの専門企業Affirmed Networksを買収したのも、その市場参入努力の一環となる。

各種バージョンの詳細についていうなら、Edge ZoneはもっぱらIoTとAIのワークロードに焦点を当てているが、マイクロソフトによればその中においてEdge Zones with Carriersは低レイテンシーのオンラインゲームやリモートミーティング、イベントそしてスマートインフラに重きを置いているという。キャリアのプライベートネットワークとAzure Stack Edgeを組み合わせたPrivate Edge Zonesは、少数の巨大エンタープライズ企業だけが関心を向ける、高価格で複雑なシステムだろう。

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マイクロソフトが5Gの専門企業Affirmed Networksを買収

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトが5Gの専門企業Affirmed Networksを買収

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月26日、Affirmed Networks(アファームド・ネットワークス)を買収したことを発表した。Affirmed Networksは通信事業者に、完全に仮想化されたクラウドネイティブのネットワーキングソリューションを提供している。

特に5GとエッジコンピューティングにフォーカスしているAffirmed Networksは、通信事業に食い込むことを狙っている大手クラウドプロバイダーにとって理想の買収ターゲットだ。Crunchbaseによると、Affirmed Networksはこれまで1億5500万ドル(約168億円)を調達しており、その100社あまりのエンタープライズ顧客の中にはAT&TやOrange、Vodafone、Telus、Turkcell、STCなどが名を連ねる。

マイクロソフトのAzure Networking部門で企業担当副社長を務めているYousef Khalidi(ユーセフ・ハリディ)氏は 「さまざまな業界でテクノロジートランスフォーメーションが進んでおり、5Gを前進させるためにもソフトウェアが重要な役割を発揮するだろう。それにより、スピードとコストとセキュリティの面で数段進歩したネットワーキングソリューションを提供できるはずだ。イノベーションとコラボレーションによる新しい市場を作り、顧客を共有して、ネットワーキングとエッジコンピューティングのニーズに奉仕していく大きな機会が、既存企業と新興企業の両方に対して開けている」とコメントしている。

Affirmed Networksの顧客ベースは、マイクロソフトに通信業界へのさらなるエントリーポイントを与える。これまで通信企業は自分のデータセンターを作り、そこに高価で専用のハードウェアとソフトウェアを詰め込むことが多かった。しかし現在の仮想化技術の進歩と普及により、大手クラウドプラットホームは、それらと同じ能力と信頼性を低費用で提供できるようになっている。そして当然ながら、5Gのような新しい技術が開く新しい市場は、クラウドという新しい技術にとっても前進の機会だ。

Googleも最近、Anthos for TelecomとGlobal Mobile Edge Cloudでこの方向へ進もうとしている。数カ月後にはすべての大手クラウドプロバイダーが、一時的にではなく継続的にこの市場を追っているだろう。

ちょっと変な動きかもしれないが、3月25日にAffirmed Networksはようやく、新CEOで社長のAnand Krishnamurthy(アナンド・クリシュナムマーシー)氏を発表した。買収を発表する数時間前に役員の異動を発表する企業は珍しい。

そのときの発表には、本日のニュースを匂わせるものは何もなく、新CEOを発表するプレスリリースのお決まりの言葉だけだった。その中でクリシュナムマーシー氏は 「前CEOのハッサン氏のビジョンと、この困難な旅路で会社を正しく歩ませてくれた献身に感謝する。そして現在は未来の大きな成功が約束されている。我々の業界の素晴らしいトランスフォーメーションを継続的に推進していくべきときにあたって、Affirmed Networksを率いていけることは、私の名誉である」。

TechCrunchの問い合わせに対してAffirmed Networksのスポークスパーソンは 「この買収は、これまで決められていたことの継続の一環である。従って、いかなる特定のイベントとも無関係である」と説明した。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa