駐車場シェアの「akippa」がSOMPOとタッグで20万拠点や共同保険の実現目指す、累計調達額は約35億円に

駐車場シェアリングサービス「akippa」を展開するakippaは10月3日、SOMPOホールディングスおよび損害保険ジャパン⽇本興亜と提携し、「シェアリングは、安⼼の時代へ。」をテーマに共同で事業を推進していくことを明かした。

今回SOMPOからは第三者割当増資による資金調達も実施。具体的な調達額は非公開とされているが、累計調達額が約35億円であること(2018年5月の調達時で約24億円)や関係者の話も踏まえると約10億円の調達とみられる。

なおSOMPOは出資と既存株主からの譲渡によりakippaの株式を約33.4%取得。同社を持分法適用会社としている。

代理店網の活用による駐車場開拓と共同保険の開発目指す

akippaはこれまでも何度か紹介しているように、駐車場に関するシェアリングエコノミーサービスだ。

月極駐車場や個人宅の車庫、空き地、商業施設などの空きスペースをネット予約に対応した駐車スペースとして簡単に貸し借りできるのが特徴。借り手となるユーザーはアプリ上から15分単位で駐車場を事前に確保できるため、当日現地でコインパーキングが見つからず途方に暮れることもなくなる。キャッシュレス対応なので現地での現金決済も不要だ。

2018年5月には住友商事や日本郵政キャピタルなど7社から8.1億円を調達。この調達は保有スペースをakkipaで貸し出したり、タッグを組んで各エリアでakippaの展開をしたりなど、事業上の連携も見据えたものだった。

そこから事業がさらに加速したこともあり2019年9月時点で駐車場拠点数は累計3万拠点、会員数も150万人を突破。akippa代表取締役社長の金谷元気氏の話では「今年になってブレイクスルーを迎え、サービスとして月次の損益分岐点を超えてきている」という。

akippa側の視点で見た今回の資本業務提携の主な目的は「損保ジャパン⽇本興亜の保有する保険代理店網を活用した駐車場開拓」と「駐車場での自動車リスクに特化した専用保険の共同開発」だ。

これまでもakippaでは代理店制度を通じて約100社とタッグを組みながら駐車場の開拓を進めてきた。提携先の損保ジャパン⽇本興亜は全国に約5万店の保険代理店を保有。しかも自動車保険を扱っているため駐車場スペースを持つ個人との密接な繋がりがあり、akippaとも相性がいい。代理店側にとっても高齢者の免許返納などにより車を手放す人もいる中で、保険以外の収益源獲得を見込める。

金谷氏によるとまずは5万店の中の100店舗から連携を始め、順々にネットワークを拡大することを目標に取り組んでいくそうだ。

並行して駐車場での自動車リスクに特化した専用保険の共同開発も検討していく計画。近年国内でもシェアリングエコノミーサービスが普及し、その認知度や利用率は高まっているものの、利用者・提供者双方が「事故やトラブル時の対応を不安に感じている」という課題もある。

駐車場シェアリングに関しては「(既存の自動車保険など)借り手側の保険はある程度充実しているものの、駐車場を保有するオーナー側の保険は整っていない」(金谷氏)状況。この環境が整えばより多くのユーザーに安心して使ってもらえるようになるという考えから、特にオーナー側の保険の共同商品を検討していきたいという。

「いわゆる『10x』の思想で今よりも10倍規模までサービスを拡大していくために必要なことを考えると、駐車場を開拓するためにより多くの代理店パートナーの協力が不可欠であり、もっと誰でも気軽にオーナーになれるための保険のような仕組みも重要なピースになる。今回の提携を通じてその取り組みを加速させていきたい」(金谷氏)

タッグを組むSOMPOホールディングスはDeNAとの合弁会社を通じて個人間カーシェアの「Anyca」やマイカーリース「SOMPOで乗ーる」を展開するなど、近年はMaas領域での事業にも力を入れている。

akippaでは約5万店のリアルな保険代理店網と約1300万件の自動車保険データを有するSOMPOホールディングスとの協業を通じて事業を拡大しながら、2022年末までに累計会員数1000万⼈、累計駐⾞場拠点数20万拠点の実現を⽬指していく。

チェーンゲート式空き駐車場もシェアできるakippaの新サービス

駐車場予約アプリ「akippa」(あきっぱ)を運営するakippaは、マンションや月極駐車場などに設置されているチェーンゲート式駐車場に対応したことを発表した。


アートと共同開発した、Bluetoothまたはテンキーでゲートを自動で開閉できる機器「シェアゲート」を使うことで実現する。同機器は、アートが開発した管理システム「ALLIGATE」(アリゲイト)連動しており、鍵や利用履歴などを一元管理できる。シェアゲートの施工・保守はアートが担当する。なお、無人ゲート式駐車場には対応済みだ。

2019年内の導入であれば初期費用は無料

akippaは、月極駐車場や個人宅の車庫、空き地、商業施設などで契約されていない空きスペースを、15分単位でネット予約して駐車できる、誰でも簡単に駐車場をシェア可能にするサービス。予約駐車場サービス、駐車場シェアサービスでは現在業界1位となる駐車場拠点数を確保しており、2018年11月現在で会員数は100万人を突破している。

チェーンゲート式駐車場

チェーンゲート式駐車場とは、無断侵入を防ぐために入り口がチェーンに仕切られている駐車場のこと。通常は、マンションに住んでいる人、もしくは月極駐車場の契約者でないとチェーンを操作して入り口を開けられないが、「シェアゲート」を使うことでakippaの利用者が一時的に操作可能になるわけだ。

マンションの管理組合や月極駐車場の運営元との協議は必要になるが、通勤に自動車を使っている場合は日中は空いている駐車場を貸し出せるのはもちろん、都市部を中心に問題になっているマンション内の空き駐車場を有効活用することもできる。

すでに大阪市にある24時間営業の「西長堀パーキング」 (大阪府大阪市西区新町4丁目10-13)は、2018年12月28日から「シェアゲート」を導入し、akippaのサービスに対応している。

akippaに対応した西長堀パーキング

駐車場予約アプリ「akkipa」、他ユーザーよりも早く予約可能な有料会員プラン開始

駐車場予約アプリ「akippa(あきっぱ)」を運営するakippaは11月30日、会員向けサービスとして、駐車場を通常ユーザーよりも1〜3時間早く予約できる新サービス「先行予約オプション」を開始すると発表した。

akippaは、ユーザー間で駐車場を貸し借りするシェアリングエコノミー型のサービスだ。使っていない自宅駐車場やちょっとした空き地など、遊休スペースを保有する個人や事業所は、そのスペースを駐車場として貸し出すことで収益を得ることができる。一方、駐車場を探しているユーザーは、アプリから自分の目的地に近い駐車場を検索して15分単位で予約することが可能だ。

TechCrunch Japanが2018年11月に取材したところによれば、akippaの無料会員数はサービスリリースから約4年半で100万人を超えた。サービスに掲載されている駐車場の数も順調に増え、全国24000箇所となった。akippaは駐車場料金の50%を手数料として受け取り、残りの50%は遊休スペースオーナーの取り分となる。

今回発表した先行予約オプションでは、1ヶ月プラン、3ヶ月プラン、6ヶ月プラン、12ヶ月プランの4種類を用意。それぞれ月額換算で300円の値段設定となっている。このプランに申し込むと、1ヶ月プランのユーザーは通常ユーザーよりも1時間早く、3ヶ月以上のプランに申し込んだユーザーは通常より3時間早く予約できるようになる。

akippaによれば、スポーツの試合やアーティストのコンサートなどの周辺では需要が極端に高くなり、駐車場がすぐに満車になってしまうという。そういったシチュエーションでは便利なオプションとなる。

ただ、一見するとakippaが新しいマネタイズ手段として月額課金を初めたかのように思うニュースだけれど、実はそうじゃない。akippaによれば、この課金プランはマネタイズのための施策ではないと話す。

その証拠に、akippaは先行予約オプションに加入するユーザーに対し、プランの月額換算料金である300円以上のクーポンを渡す。だから、ユーザーは実質無料で利用でき、akippaの実入りもない。akippaは「休日やイベントの際など、限られたシチュエーションだけ使うユーザーも多い」と話し、そういったユーザーに先行予約というメリットを提供してプランに加入してもらい、彼らにクーポンも渡すことで日常的な利用も促したい構えだ。

駐車場シェア「akippa」が100万会員突破、エンジニア0人の営業会社からスタート

駐車場のシェアリングサービス「akippa」を運営するakippaは11月9日、同サービスの会員数が100万人を突破したことを明らかにした。合わせて会員数の推移やユーザーの属性、人気の駐車場などのデータをまとめたインフォグラフィックも公開している。

akippaは駐車場を貸し借りできるシェアリングエコノミー型のサービスだ。遊休スペースを保有する個人や事業所は、そのスペースを駐車場として貸し出すことで収益を得られる。一方の駐車場を探しているユーザーは、アプリから駐車スペースを検索し15分単位で予約することが可能。

事前に予約・決済する仕組みなので当日駐車場を探してさまようことも、いちいち財布を取り出して支払う手間もない。

akippaは両者を繋ぐプラットフォームという位置付けだ。駐車料金の50%が貸し手の報酬となり、残りがakippaの収益となる。サービスのリリースは2014年の4月。約4年半で会員数が100万人を超えた。

特に直近の約1年間で会員数が急激に伸びているけれど、代表取締役CEO金谷元気氏によると何か特別な施策をやったというよりは「これまで積み上げてきたものがようやく実った」という方が正しいようだ。

特にakippaのようなプラットフォームの場合は、そもそもユーザーが借りたいと思う駐車場が集まらないことには成り立たない。そこでakippaでは積極的に法人とタッグを組み地道に駐車場を増やしてきた。並行して貸し手ユーザーが自発的に登録した駐車場も少しずつ追加され、借り手にとっての選択肢が広がっていったことが大きい。

もちろんアプリ自体の使い勝手が改善されたこと、検索エンジンで「エリア名 駐車場」「スポット名 駐車場」などのワードで検索した時に上位表示されるようになったことなども影響するだろう。

金谷氏自身はひとつの転機として、開発体制が整い出した2016年ごろをあげる。

もともとakippaはギャラクシーエージェンシーという社名で2009年にスタートした会社だ。金谷氏を含め営業を得意とするメンバーしかいなかったため「akippaをスタートしたタイミングでは社員の95%が営業、残りの5%がバックオフィス担当者。開発メンバーは業務委託で仕事を依頼していたエンジニア1人だけだった」という。

2015年には社名をakippaに変更し、駐車場シェアサービスにフォーカスし始めてからは開発体制を強化。現在は15名の開発メンバーがいるそうだけど、ここ2年ほどでグッと会員数が増えた背景には、そのような組織体制の変化も関わっているようだ。

目下の課題はユーザーのニーズに応えられる数の駐車場を確保すること。現在akippaには2万4000拠点以上が登録されているが、それでも5月の資金調達時にも紹介した通り、ユーザーの需要に対して供給が追いついていない。

打開策としてゲート式駐車場をakippaに対応できるようにするIoT端末「シェアゲート」を開発。同業者にあたるシードと提携するなど、他社との連携にも取り組む。直近では奈良県生駒市と連携協定を締結したほか、トヨタと西日本鉄道が実施するマルチモーダルモビリティサービス「my route」の実証実験にも参画している。

今後も自治体や同じ業界を含めた他社と積極的にタッグを組みながら、サービスの成長を目指す計画。また満車で予約ができず困っているユーザーへのソリューションとして、プレミアムプランの提供も検討していくという。

akippa代表取締役CEOの金谷元気氏

駐車場シェアの「akippa」と「Smart Parking」が強気の事業提携ーー“パーキング3.0の時代へ”

左から、akippa代表取締役CEO金谷元気氏、シード代表取締役の吉川幸孝氏

総務省による「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」(平成30年)によると、日本人のシェアリングサービス利用経験は1位が駐車場、2位がライドシェアと民泊。駐車場シェアリングは日本のシェアリングを牽引していると言って良いだろう。

そんな中、駐車場予約アプリ「akippa」を運営するakippaと駐車場シェアリングサービス「Smart Parking」などを展開するシードは9月13日、駐車場シェアビジネスの拡大・進化を目指し事業提携したと発表した。

ソフトバンクやNTTドコモなど大手企業による駐車場シェア事業への参入も活発になってきているが、協業を発表したばかりの両社は「そこまで脅威に感じていない」と説明するなど、とても強気だ。

当日、都内で開催された会見でシード代表取締役の吉川幸孝氏は「まだまだ市場ができあがっていないので、市場を作っていくことを優先するべき」と説明。大手が参入することにより駐車場シェアリングがより一般層にも普及するため、むしろ大手の参入を歓迎していると話した。一方、akippa代表取締役CEO金谷元気氏は「現在15社ほど参入しているが、akippaはユーザーのシェア50%を獲得している」と述べ、同社の市場での強さを強調した。「楽天もリクルートも既に(市場から)撤退している」(金谷氏)

2009年2月設立のakippaは契約のない月極駐車場やマンションの駐車場などさまざまなスペースを15分単位・1日単位で預託できるアプリakippaを運営。会員数は2018年9月の時点で90万人、年内には100万人の到達を目指している。駐車場数は2018年9月の時点で2万3000拠点、業界トップの数を誇っている。

2002年4月設立のシードが運営するSmart Parkingは駐車場シェアリングシステムで、駐車場オーナーと使いたいユーザーをマッチングするサービスだ。空き駐車スペースにシードが提供するIoT端末搭載のカラーコーン「ビーコーン」を設置することで、ノーコストで時間貸し駐車場として収益を得ることが可能。ユーザーはアプリをダウンロードすることで駐車場の検索・入出庫・清算の全てをスマホで完結できる。同社は全国の5万件以上のコインパーキングを検索でき、AIが最適な位置・料金の駐車場をランキング形式で提案してくれる「パーキングライブラリ」も運営している。

今回の事業提携を期に両社は4つの取り組みを進めていくと説明した。

まず1つ目がSmart Parkingの駐車場のakippaへの掲載。Smart Parkingの駐車場の一部をakippa上に掲載し予約制を導入する。

2つ目がシードのビーコーンのakippaへのOEM提供。これによりakippaの駐車場でもSmart Parkingの駐車場体験ができるようになる。

3つ目がパーキングライブラリからakippaへの送客。akippaは新規ユーザーの獲得を見込め、シードは予約制駐車場の掲載が増えることでアプリユーザーの選択肢を増やし、利便性を高めることができる。

最後に4つ目が相互代理店として駐車場オーナーの異なるニーズに対応すること。営業先の駐車場が自社のサービスにマッチしない場合、相互にオーナーを紹介しあう。

提携スケジュールは以下の通りだ。

金谷氏は当日の会見で「時間貸し駐車場業界の変貌」に関しても説明してくれた。1971年にパーキングメーターが道路上に設置され時間貸し駐車場という概念が日本に生まれた頃を「パーキング1.0」、90年代にコインパーキング登場した頃を「パーキング2.0」、そして2010年代後半からの駐車場シェアリングの時代を「パーキング3.0」と位置付けていた。今回の業務提携により、日本での「パーキング3.0」時代が更に拡大・進化することを期待したい。

駐車場シェアを超えたモビリティプラットフォーム目指す「akippa」、住商らから8.1億円を調達

駐車場シェアリングサービス「akippa」を運営するakippaは5月22日、既存株主の住友商事など7社を引受先とした第三者割当増資により、総額で8.1億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回の調達は既存事業の拡大とともに、同社が今後見据えるMaaS(Mobility-as-a-Service)を軸としたモビリティプラットフォームの構築に向けたもの。調達先7社および各社との業務連携の内容は以下の通りだ。

  • 住友商事 : 2016年9月に業務提携、2017年にakippaへ出資。モビリティ部門と連携しカーシェアの駐車スペースやEVの充電スポットなど、中長期的にakippaの駐車場を活用。海外展開のサポートも
  • 日本郵政キャピタル : 郵便局等の駐車場や遊休地の貸し出しを検討
  • JR東日本スタートアップ : 2018年3月より保有する駐車場をakippaで貸し出し開始。今後もJR東日本沿線の駐車場をakippaを通じて提供、鉄道と2次交通とのシームレスな連携へ
  • ニッポンレンタカーサービス : 2018年内を目標にID連携を進めレンタカーと駐車場をセットで予約できる仕組みを目指すほか、カーシェアステーションとしてakippaの駐車場を活用
  • FFGベンチャービジネスパートナーズ : 九州エリアでのakippaの展開支援
  • 中部日本放送 : 東海エリアでのakippaの展開支援とグループの各種事業との連携
  • 千島土地 :大阪中心に関西エリアでのakippaの展開支援

なおakippaはこれまでに約16億円を調達していて、今回のラウンドで累計の調達額は約24億円となる。

会員数70万人、累積の駐車場拠点数も2万箇所を突破

akippaは2014年4月にリリースされた、駐車場のシェアサービスだ。貸し手側は空いている駐車場を貸し出すことで駐車料金の50%を収入として得られる点が大きなメリット。導入時に精算機や車止めなど初期投資が不要で、時間帯や日数も柔軟に選択できる。

一方の借り手はアプリから15分単位で駐車場を予約することが可能だ。もともとが空きスペースなので料金がリーズナブルなことに加え、事前予約制・キャッシュレス方式を採用(クレジットカードもしくは携帯料金と合算で支払う)。当日現地でコインパーキングの空きが見つからず焦ることもないし、支払いの手間もない。

akippa代表取締役社長の金谷元気氏によると、2018年4月時点で会員数は70万人以上、累積の駐車場拠点数も2万箇所を超えているという。特に1年で倍以上になったという拠点数については、個人のものだけでなく大手企業が提供する駐車場が増加傾向にある。

1月には東京都内のタクシー会社の車庫を貸し出す実証実験も実施するなど、幅広い業界との繋がりを強化。またコインパーキングやSUUMO月極駐車場を提供するリクルートなど、同業他者との連携も積極的に行ってきた。

「前回のラウンド(2017年5月)以降はとにかく駐車場を増やすことにフォーカスしてきた。それまでは需要に対して供給が全く追いついていない状況で、キャンセル待ちが多発するスペースも少なくない。駐車場がなくて困っている人が確実にいるのに、その課題を解消しきれていなかった」(金谷氏)

そこで明確な供給不足の打開策としてakippaが着手したのが、これまで導入が難しかったゲート式駐車場の開拓だ。ゲート式駐車場はコインパーキングや商業施設などでよく見かける、入り口で駐車券を取り、出口で清算するタイプの駐車場のこと。

akippaでは先日、このゲート式駐車場をakippaに対応できるようにするIoT端末「シェアゲート」を発表した。ゲート式駐車場でも事前予約・スマホ決済ができるようになるということなのだけど、これが同社にとって大きな意味を持つのだという。

「akippaに登録されている拠点数は順調に伸びてきているものの、拠点あたりの台数は5台くらいの所が多くすぐに埋まってしまう。一方のゲート式の駐車場は通常の駐車場と比べて規模が違う。200〜300台規模の駐車スペースを持つ拠点も珍しくなく、ニーズのあるエリアで開拓できた場合のインパクトが大きい。今後はシェアゲートを通じて1施設あたりの駐車台数を増やしていくことにも取り組む」(金谷氏)

金谷氏いわく、ARPU(アープ / ユーザー1人あたりの平均売上高)を増やす1番の方法は駐車場を増やすこと。特に東京ドームなど「予約ニーズの多い場所に、いかにたくさんの駐車スペースを持っているか」が重要だという。

引き続き多方面での連携も進めながら、2020年に拠点数を10万箇所まで増やすことが目標。シェアゲートについても2019年末までに1000箇所での導入を目指すという。

駐車場シェアに留まらない、モビリティプラットフォーム構築へ

ここからは少しだけその先の話をしてみたい。冒頭でも触れたように、akippaが見据えているのはMaaSを軸としたモビリティプラットフォームだ。これは駐車場や車といった移動に関連するツールを「モノ」としてではなく「サービス」として提供するということ。カーシェアや駐車場シェアがまさにその一例だ。

「akippaが考えるMaaSの第1フェーズは、車を持っていなくてもカーシェアと駐車場シェアを使って家から目的地まで快適に移動できるもの。ここではカーシェアを提供するプロバイダーのサービスに加えて、自社でC2Cのカーシェアをやることも視野に入れつつ、一連のサービスがakippaIDで予約決済できるようにする」(金谷氏)

金谷氏によると70万人のakippa会員のうち約50万人が車を保有しているそう。ただし約8割の時間は車を使わず持て余しているとのことで、その時間を使って残りの20万人にC2Cで車を貸し出すというモデルが成り立つと考えているようだ。

とはいえ、それだけではプラットフォームとしては車が足りないので、プロバイダーのサービスもakippaから利用できるようにする。その第一弾が調達先である日本レンタカーであり、今後の住友商事だ(住友商事は2018年4月に北米のカーシェア事業者Turoに出資。日本を含むアジアでサービス展開を進めていく方針を明らかにしている)。

もちろん車だけでなく駐車場も各地で必要になる。この点についても「日本でたくさん土地を持っているJR東日本や日本郵政と連携をとっていきたい」(金谷氏)とのこと。今回の資金調達は金谷氏が何度も言及していたが、足元の駐車場シェア事業の拡大だけでなく、その先にあるモビリティプラットフォームを見据えたものになっている。

「2020年までは駐車場シェアを中心に事業を成長させていく方針。そこから徐々にMaaSの第1フェーズに取り組む。最終的にはカーシェアの車が自動運転車に変わり、akippaで呼び出すと現地まで迎えに来る。そして目的地で人を降ろした後は車だけが駐車場兼充電spotにいく、という世界観を実現したい。akippaは困りごと解決屋。2030年に世界最大のモビリティプラットフォーマーになるということをビジョンに、モビリティに関する課題を解決していきたい」(金谷氏)

駐車場シェアリングサービス「akippa」運営が約4900万円の資金調達——関西圏の地元企業支援ファンドから

駐車場シェアリングサービス「akippa(アキッパ)」を展開するakippa(2015年にギャラクシーエージェンシーより社名を変更)は5月22日、池田泉州銀行阪急電鉄南海電気鉄道が共同で設立した「SI創業応援ファンド投資事業有限責任組合」から916万円の資金調達を実施したことを発表した。同ファンドは関西圏において、創業期の地元企業を支援する目的で設立されたファンド。

また日本経済新聞が報じたところによると、このほか池田泉州銀行と地域経済活性化支援機構などが組むファンドから4057万円の資金調達を実施しており、合計4973万円の資金を調達したことになる。

同社は2016年1月にグロービス・キャピタル・パートナーズトリドール朝日放送ディー・エヌ・エーを引受先とした総額約6億円の資金調達を実施している。今回の調達はそれにつづく形になる。

保有する駐車場の数は約1万カ所に

akippaは京都、大阪、神戸、東京を中心に全国の空いている月極駐車場や個人駐車場を15分単位(以前は1日単位だった)で利用できる駐車場シェアリングサービス。昨年の資金調達のタイミングでは、保有する駐車場の数は4410拠点だったが、この1年でさまざまな企業と提携することで拠点数を拡大。現在、約1万カ所以上(2017年3月現在)に増えており、業界1位の数字になっている。

駐車場シェアリングのakippaが6億円の資金調達——拠点数で業界第3位に、今後は時間貸しの試験運用も

 

akippa代表取締役社長の金谷元気氏

akippa代表取締役社長の金谷元気氏

駐車場のシェアリングサービス「akippa」を運営するakippa(2015年にギャラクシーエージェンシーより社名を変更)は1月29日、グロービス・キャピタル・パートナーズ(1月に発表された5号ファンドの1号案件)、トリドール(2015年4月設立の投資子会社「TDインベストメント」からの出資)、朝日放送(2015年12月に発表された投資子会社「ABCドリームベンチャーズ」のファンドの第1号案件)、ディー・エヌ・エー(追加出資)の4社を引受先とした総額約6億円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。調達した資金をもとに人材の採用を加速するほか、PRや駐車場獲得のための施策を進める。

2014年に大阪でサービスをスタートしたakippa。個人や法人が所有する駐車場の遊休スペースと、一時的に駐車場を探しているユーザーをマッチング。1日単位で駐車場をレンタルできるサービスだ。駐車場の所有者には、駐車料金の60%が入る仕組みとなっている。

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現在akippaが持つ駐車場は4410拠点。これは業界第1位のタイムズ(約1万5000拠点)、第2位の三井のリパーク(約1万拠点)に次ぐ数字になっている。akippaでは現在月に600拠点のペースで新規開拓を進めており、2017年内にも業界ナンバーワンの拠点数を目指す。駐車場のシェアは旅館業法などの絡む宿泊施設のシェアリングとは異なり、貸し主にとっても参加に心理的なハードルが低いのだとか。

東急電鉄や住友不動産、三菱地所、大阪市など、法人や自治体からの貸し出しも増えている。法人貸し出しは1社で大きく拠点数を増やせるためakippaにとってもメリットが大きいようだ。

拠点数の拡大に伴って売上高も増加している。具体的な金額は明らかにされなかったが、売上高は前年同月比で20倍以上になっている。予約のニーズが高いのは、スタジアムやイベント会場周辺や都心部など。具体的には東京の山手線圏内、大阪市内、名古屋はナゴヤドーム周辺などは稼働率が高い(40〜50%)。

当初は想定していなかった法人ニーズも見えてきた。例えばコンビニエンスストアなどは店舗ごとに1日7回程度配送トラックが訪れるわけだが、駐車場のない店舗では、そのトラックの路上駐車が問題になっていた。そういった課題を解決するため、akippaを利用しているのだという。現在大手コンビニ3社中2社がakippaを利用。今回出資したトリドールが運営する飲食店「丸亀製麺」なども、ロードサイド店舗の従業員用駐車スペースの確保のためにakippaを利用しているという。ただしあくまでもakippaは「遊休スペースのシェア・マッチング」を目的としたサービスであり、法人に特化して「駐車場獲得代行を目指しているわけでない」(akippa代表取締役社長の金谷元気氏)としている。

akippaが人材採用やPR、駐車場確保と並行して進めるのが、駐車場の時間貸しだ。これまで1日利用だったところを1〜3時間程度の短時間で貸し出すことで、回転率の向上を狙う。「1日3回転程度できるように、4月から試験運用を行う。駐車場は利用時間の超過なども起こるので、まずはオペレーションを作っていく」(金谷氏)

シェアリングエコノミーの本質はコミュニティにあり–TechCrunchイベントで識者が語る

「シェアリングエコノミー」と呼ばれるタイプのビジネスが、シリコンバレーを起点に世界中で成長中だ。ゆるやかな信頼をベースに、今余っているモノや人、リソースを今必要としている人に提供する事業の総称で、余っている部屋を貸し出す宿泊サービス「Airbnb」やカーシェアリングサービスの「Zipcar」などが代表例だ。

この波は、いま日本にも及んでいる。Airbnbや、タクシー・ハイヤーの配車サービス「Uber」が日本に上陸してサービスを開始したほか、遊休設備を生かして安価なオンライン印刷サービスを提供する「ラクスル」、駐車場を貸したい人と借りたい人をマッチングする「akippa」のように、  日本発のシェアリングエコノミー型サービスも生まれてきた。

2月19日にリクルートホールディングスが手がける東京・渋谷の会員制スペース「TECH LAB PAAK」で開催された「TechCrunch School Vol.6」では、そのシェアリングエコノミーに注目。「日本でも成長をはじめたシェアリングエコノミー」というテーマのもと、Uber Japan執行役員社長の高橋正巳氏、ラクスル代表取締役の松本恭攝氏、akippa代表取締役社長の金谷元気氏の3人に、それぞれが手がけるシェアリングエコノミー型ビジネスについて聞いた

むしろ規則の中でしっかりやりたい——Uber Japan

米国等での報道も含めて、TechCrunchでもおなじみのUber。スマートフォンからたった2タップするだけで、オンデマンドでハイヤーやタクシーを配車してくれるサービスで、「全世界54カ国、282都市強でサービスを提供しているが、毎週変わっているくらいのスピードで成長している」と高橋氏は言う。最近も22億ドルという規模の資金調達に成功したばかりだ。

日本市場で正式にハイヤーの配車サービスを開始したのは2014年3月で、8月からはタクシーも呼べるようになった。
「日本市場への参入構想は初期の頃からあった。電車や地下鉄、バスなどいろいろな選択肢がある中で、どれだけ需要があるのか、どうサービスを提供するのか検討した上でローンチしてみたが、いざローンチすると、ロンドンやロサンゼルスといった大都市に比べ2〜3倍の需要があった。特に東京は、高品質なサービスへの感度が高い」(高橋氏)。

一方で、既存の枠組との整合性には苦労した面もあるそうだ。現在Uber Japanは、「“超オンデマンド”な旅行代理店という考え方もできる」(高橋氏)ことから旅行業者の登録をして事業を展開している。世界54カ国の中で旅行業として登録しているのは「日本だけ」だそうだ。「われわれのビジネスは5年前、10年前には考えられなかったもの。一方で、それにまつわる法律や規則ができたのは何十年も前。そうした既存の規則や枠組みの中に、われわれのビジネスをどう当てはめていくかが難しい。この問題は日本のみならず、いろんなところで起きている」と高橋氏。「よく、『Uberは好き勝手にやっている』と言われているけれど、全然違う。われわれの会社のスタンスとしては、きちんと規則の中でやりたいと考えている」という。

高橋氏は、この状況を、インターネットオークションサイトが生まれたころになぞらえる。「インターネットオークションサイトが生まれた当時、ちゃんと落札者がお金を払ってくれるかなどいろいろな不安があったけれど、使ってみると便利なことも分かってきた。そこで、『どうしたら安心して使ってもらえるようになるか』という議論が始まり、いろいろな規則ができてきた。Uberについても同じように、どうやったら安心して使ってもらえるかという議論がアメリカで先行して始まっている」(同氏)。

泥臭いところに踏み込んでサービスを拡大—ラクスル

つい先日、総額40億円の資金調達が報じられたラクスルは、需要と供給がマッチングしにくい「印刷」にフォーカスしたサービスを提供している。印刷設備の非稼働時間と、ネットで全国から集めた受注とを適切にマッチングさせることで、安価な印刷を実現しているラクスル。元々は価格比較サイトから始まったが、「クオリティをコントロールする」ために、印刷生産性、効率向上のための手だてにも踏み込んでいるそうだ。

松本氏によると、「スマホから2タップ」のUberとは異なり、「ラクスルは、スマホに一応対応はしているもののウェブがベースで、90%強の注文がウェブから」なのだという。デザインという要素が密接に絡んでくるためにスマホでは十分なUXを提供するのが難しいという理由に加え、「われわれの顧客はほとんどが中小企業だが、中小企業の購買活動がスマホにシフトしているかというと、まだしていない。むしろ最近ネット化が始まったところで、スマホ化は5年先じゃないか」(松本氏)。

ネットとリアルをつなぐ上で、非常に泥臭い苦労もしてきたという。「印刷会社とのコミュニケーションでは、新しいことを始めようとしたときに理解を得づらいところがある。経済合理性で考えれば絶対に利益が出ると分かっているような枠組みを提供しても、『これまでやってこなかったし……』で片付けられることもあった」(松本氏)。ただ中には、強い変革意識を持った経営者がいて、思いに共感してくれることで関係を形作れるケースもあった。

今回調達した資金は、マーケティングや海外事業展開といった方向への投資はもちろんだが、「Uber X(海外で展開するUberのサービス。個人が所有する車に他のユーザーを乗せるというもの)のように、ユーザーに全く異なる体験、インターフェイスを提供できるサービスを開発していく」ことに加えて、「紙を共同購買したり、物流の交渉をまとめて行ったり、資材や物流など効率化を図ることで生産性が上がる部分のファイナンシャルなサポートにも取り組む」そうだ。

営業の会社からインターネットの会社へ—akippa

akippaは、法人や個人が所有する空き駐車スペースを登録しておくと、その周辺で駐車したい人が検索し、希望する時間に使用できるというサービスだ。シェアリングエコノミーを体現しているかのようなサービスだが、金谷氏によると「会社を立ち上げて6年になるが、そのうち5年は営業の会社だった」のだそうだ。

転機が訪れたのは2013年6月のことだったという。「毎月目標の売り上げを決めて、ホームページを作って営業して……とやっていたが、そのうち『これをいつまで続けるんだろう、何のために会社をやっているんだろう』と考えた」(金谷氏)。そこで、電気やガス、水道といった「なくてはならぬもの」を作ろうと、会社のメンバー全員で、今悩んでいること、困っていることを書き出してディスカッションしていた中に、駐車場の問題があったという。

早速このサービスをネットで展開しようと作り始め、とあるイベントで発表したところ、「家の空きスペースを貸すサービスなら『Airbnb』があるよ、と教えてもらった。それまでAirbnb自体知らなかった」そうだ。

その後、順調にサービスが成長してきたことから、思い切って社名もそれまでのギャラクシーエージェンシーからakippaに変更し、営業だけでなくエンジニアの数も増やした。「これでやっとインターネットの企業になれたかな、と感じる。今は営業もスーツを着ていない」(金谷氏)。

ただ、そのマインドを変えていくのが大変だったそうだ。「もともと営業の会社なので、営業担当のマインドを変えることが大変でした。赤字でも、ユーザー数を増やし、サービスを伸ばしていくためだからいいんだ、と言っても『売り上げゼロなんですけど、いいんですか?』と不安を抱かれることもありました」(金谷氏)。サービスを伸ばすために最初はお金を取らずにユーザーを増やす、そしてユーザー数が伸びれば売り上げも増えてくるというアイデアを、Gunosyなどを引き合いに出しながら説明して説得したそうだ。

シェアリングエコノミーはコミュニティか、ただのバズワードか

最後にモデレーターのTechCrunch Japanの岩本有平が「そもそもシェアリングエコノミーとは何か?」と問いかけた。

金谷氏は「昔からやってきたことをスマートフォンでつなぎ合わせたことだと思う」と語る。「akippaも、『隣の人に空いている駐車場を貸す』という昔からやってきたことをスマートフォンでやっているだけ」。そういう意味では、ライバルは、Airbnbなんかではなく、リアルに空きスペースを駐車場としてサービスを展開している「タイムズ」や「三井のリパーク」になるという。

松本氏は、「AIやビッグデータと同じバズワードの1つなんじゃないか」とした上で、「使われていないアセットをユーティライズしたということ以上に、スマートフォンやPCとつながって、ユーザー経験そのものが変わったことに大きな意味があるのではないか。この部分を生かすことでビジネスを伸ばすことができるのでは」と語る。

これらに対して高橋氏は、「ひとことで言うとコミュニティだ」とする。「共有という概念は、コミュニティがあってはじめて成り立つ。そのとき重要になるのはクオリティ。安心して共有してもらえるか、透明性が高いかということが問われてくる。Uberではフィードバックシステムを導入して、今まで乗った人の評価が全部見えるようにしているが、そこまでやって初めて安心感あるコミュニティが生まれると思う」とした。


TechCrunch School第6回は2月19日開催-テーマは「シェアリングエコノミー」

今回の会場となる東京・渋谷の「TECH LAB PAAK」

2014年1月から不定期開催しているイベント「TechCrunch School」。これまで学生の起業、スタートアップのマーケティング、大企業からのスピンアウト、IoTなどのテーマでセッションを繰り広げてきた。前回の開催が2014年9月末だったので、少し間が空いてしまったが、2月19日午後7時から第6回を開催する。参加は無料。本日よりこちらで参加登録を受け付けている。

今回のテーマは「日本でも成長をはじめたシェアリングエコノミー」。モノやリソースを共有したり交換したりすることで成り立つ、共有型経済を指すシェアリングエコノミー。米国で立ち上がった配車サービスのUberや宿泊サービスのAirbnb、カーシェアリングサービスのZipcarなどが代表的なサービスとして挙げられることが多い。UberやAirbnbはすでに日本にも上陸してサービスを展開している。

一方で日本のスタートアップを見ても、印刷所の空きリソースをシェアして低価格で印刷を行うラクスルや駐車場をシェアするakippa、空きスペースをシェアするスペースマーケット、家事代行のAny+Timesなど、続々とサービスが生まれている状況だ。

ただ日本と米国では個人のライフスタイルや価値観、さらにはビジネスのルールなども違ったりする。シェアリングエコノミー関連サービスは続々登場しているが、はたして日本どういった成長を見せるのか。日本でサービスを展開するプレーヤーに聞いてみたい。

Uber Japan、ラクスル、akippaが登壇

イベントに登壇してくれるのはUber Japan執行役員社長の高橋正巳氏、ラクスル代表取締役の松本恭攝氏、akippa(2015年2月にギャラクシーエージェンシーから社名変更、サービス名も「あきっぱ!」から「akippa」に変更している)代表取締役社長の金谷元気氏の3人。オフラインイベントということもあり、ここだけ話もいろいろしてもらえると思う。

Uber Japanは米国サンフランシスコでスタートしたUberの日本法人。Uberはスマートフォンアプリ1つでタクシー・ハイヤーを配車してくれるサービスだ。米国では合計4.9億ドル超の型資金調達自動運転タクシーの研究といった取り組みが発表される一方、破壊的なイノベーションの代償かいくつかの課題も抱えるに至っている。日本ではサービス開始から約1年となるが、Uber Japanの高橋氏にはこれまでの手応えや日米でのサービスの差などについて聞いてみたい。

印刷の価格比較サービスとしてスタートしたラクスル。同社では現在、ユーザーの注文に応じてネットワーク化した印刷会社から最適な会社を選択、その印刷機の非稼働時間に印刷をすることで、安価に高品質な印刷物を提供している。ラクスルの松本氏には、サービス提供の経緯から印刷会社をネットワーク化するための仕組みやその苦労、さらには以前から語っている海外展開などについて聞いてみたい。

akippaは、駐車場を貸したい人と借りたい人をマッチングするサービス。あらかじめ駐車場を貸したい人が駐車場の情報や空き時間を登録しておけば、駐車場を検索して予約した上で、希望する時間に使用できるというもの。また、バレーパーキング(海外のホテルなどで駐車係にキーを渡すと、車を所定の駐車場に保管してくれ、また車が必要なときは車を持ってきてくれるサービス)を実現する「akippa plus」も展開している。akippaの金谷氏にもやはりサービス提供の経緯、そしてその手応えなどを聞いてみたいと思っている。

今回の会場は東京・渋谷の「TECH LAB PAAK」

なおこれまでのTechCrunch SchoolはTechCrunchのオフィスがある東京・末広町の3331 Arts Chiyodaで開催していたが、今回はリクルートホールディングスが東京・渋谷に開設したばかりの会員制スペース「TECH LAB PAAK」にて開催する。

こちらのTECH LAB PAAK、会員制であれば座席からWi-Fi、ドリンクまですべての設備を無料で利用できる。ただし会員になれるのは、「スペースを通じてみずからの持つスキルを深めたり、情報共有したりしたい」「技術やアルゴリズムの研究・開発に取り組んでおり、コラボレーションして発展させたい」といった思いを持つ個人やチームのみで、同社が定期的に開催する審査に通過する必要がある。リクルートホールディングスいわく「本気でテクノロジーで世界をよくしたいと思っている」「イノベーションを起こすスキルをもちながら、リソースが不足している」という人の応募を待っているとのこと。当日はそのあたりの話もRecruit Institute of Technology戦略統括室 室長の麻生要一氏から聞ける予定だ。

TechCrunch School #6
「日本でも成長をはじめたシェアリングエコノミー」
【開催日時】 2月19日(木) 18時半開場、19時開始
【会場】 東京・渋谷 TECH LAB PAAK地図
【定員】 80名程度
【参加費】 無料
【参加資格】 起業を志す、もしくはスタートアップに興味のある大〜中小企業の社員および、学生の方。スタートアップへの参画を希望する人材と出会いたいスタートアップの起業家、CxO、人事担当者
【ハッシュタグ】#tcschool
【主催】 AOLオンラインジャパン
【内容】
19:00〜19:05 TechCrunch Japan 挨拶
19:05〜20:05 パネルセッション「日本でも成長をはじめたシェアリングエコノミー」
パネリスト
髙橋正巳氏(Uber Japan 執行役員社長)
松本恭攝氏(ラクスル代表取締役)
金谷元気氏(akippa代表取締役)※2015年2月よりギャラクシーエージェンシーから社名変更
モデレーター
岩本有平(TechCrunch Japan編集記者)
20:05〜20:30 講演セッション「リクルートが考えるオープンイノベーションとその取り組みについて」
麻生要一氏(Recruit Institute of Technology戦略統括室 室長)
20:30〜22:00 懇親会(アルコール、軽食も出ます)
【申し込み】イベントページから事前登録必須
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp