ヒューマノイド型ロボAtlasが床運動のルーティーンをこなす

Boston Dynamics(ボストンダイナミクス)は、手持ちのロボットを鍛え直してきた。2足歩行のヒューマノイド型ロボAtlas(アトラス)に、体操の床運動のルーティーンを教え込んだのだ。前転からの逆立ち、側転やジャンプツイストまで、驚くほどエレガントな動きを見せる。このようなレベルのアスリート魂(ロボットが「アスリート魂」を持てるかどうかは別として)は、見ているだけで感動的だ。なにしろ体重が330ポンド(約150kg)もあるロボットなのだ。2013年に初めてプロトタイプが開発されたときには、「やっと歩ける」程度の動きしかできなかった。

このルーティーンでAtlasが見せる動きは、信じられないほど人間的なもの。人間を超えた動きさえ感じられる。特に、最初の前転の前にカメのような姿勢を取るところはどうだろう。Atlasがパルクールのスキルを披露したのは今回が初めてではない。しかしBoston Dynamicsによれば、現在では、このような運動をプログラミングするプロセスを簡略化するための、新たなテクニックを採用しているという。細かな動きの記述を、実際の動作に自動的に変換するもので、新たに開発した最適化のアルゴリズムも適用している。それにより、ロボットは自分の可動範囲の制限を考慮した上で、目的の動作を実現できる。

その結果、以前よりもはるかに素早く、新しいルーティーンを作成できるようになった。だいたい8割程度は、狙った通りのルーティーンを完成させることができるという。これは人間の体操選手と比べても、非常に高い確率だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ブロックを積み上げた飛び石の上を自分の判断で歩くロボ

ロボットを歩かせるためのプログラミングは、平らに整地された地面の上だけでも十分に難しい。しかしフロリダにあるIHMC(Institute for Human and Machine Cognition=人間と機械の認知研究所)は、二足歩行ロボットに、起伏に富んだ地形の上を確実に歩かせるという高度な課題に取り組んでいる。同研究所は、この分野における研究成果を2016年からデモしてきた。その最新のビデオ(Engadgetによる)によって、進化を確認できる。

この新しいビデオには、Boston DynamicsのAtlasと、NASAが開発したValkyrieというクールな名前のヒューマノイドロボットを使って、IHMCの自律型歩行立案プログラムが動作する様子が収められている。ロボットは、建築用ブロックを積み重ねて作った飛び石や、細い経路の上を歩いていく。足を運べる場所の選択肢が限られているので、かなり難度の高い歩行となる。

IHMCの方式では、基本的にロボットにスタートとゴールの2つの地点を指定するだけで、高度な歩行動作が可能となっている。それらの間をつなぐ足の運びは、1歩ずつすべての可能性を探って決められる。1歩ごとにコストを評価して、最終的に最善の経路を通ってゴールに到達できるようにするのだ。現在のハードウェア上では、このような判断も比較的高速に処理できる。

こうしたロボットは、環境の変化や経路上の障害物などにもすばやく対応できる。それもIHMCの成果だ。さらに、両足を1本の直線を踏むように動かす綱渡り的な歩行も可能となっている。もちろん、実際にロープの上の歩くわけではなく、直線状に狭く並べたブロックの上を歩くのだが。

やるべきことはまだ残っている。IHMCのチームによれば、狭く並べたブロック上の歩行の成功率は、まだ約50%だという。しかし、起伏のある地形上での歩行は、上記のロボットとソフトウェアの組み合わせで、それよりずっと高い90%の成功率を達成している。そして、平らな地面での歩行は、ほとんど完璧な状態となっている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Boston Dynamicsのロボットのパルクールを見よう――2足歩行ロボットが段差を軽々ジャンプ

5年前にBoston Dynamicsから2足歩行ロボット、Petmanが登場したとき、安全のために頑丈なケージで囲んでおくこと が必要だっった。2年前のAtlasは平地を歩くときでもテザリングワイヤーが接続してあった

ところが、最新のロボットは人間でも苦労するような障害物でも難なく飛び越え、駆け上がってしまう。

今朝(米国時間10/11)、Boston DynamicsはAtlasの最新のデモを撮影したビデオを公開した。

Atlasは小走りにやって来るとまず丸太を飛び越える。続いて40センチの段差を3度続けてジャンプして1メートル20センチの高さの台に上る。

人間サイズの重いロボットに2足歩行をさせることができる会社は少ない。そのロボットにパルクールをさせるとなれば途方もない難事業だ。Atlasは踏み切ってジャンプするときに重心を巧みに移動させて勢いを維持し、顔面制動したりする気配もみせず、滑らかに次のジャンプに続けていく。これは非常に高度な制御技術だ。

真後ろから写したビデオを見ると、箱は横にずらせて設置してあり、ジャンプの際にAtlasは前だけでなく横にも移動しなければならない。9秒以降のスローモーション動画を見るとよくわかるが、Atlasは腰と脚を微妙に曲げてこれを達成している(Boston Dynamicsが以前公表した数字によるとAtlasの体重は80キロだ)。

以前は「おやおや、ロボットが人間みたいに走ろうとしている」と笑っていたのが、今は「私にはあんなことはとても無理だ」に変わってきた。

さてBoston Dynamicsが次に目指しているのはどんなことだろう? われわれは数ヶ月前にバークレーで開催したロボティクスに関するイベントで、Boston Dynamicsのファウンダー、Marc Raibertにインタビューしていろいろ聞いた。その模様は下のビデオで見られる。


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滑川海彦@Facebook Google+

最新世代のAtlasヒューマノイドロボットはとてつもなくすごい

またまた、山のように大量の回路基板を見るのかい?だって?

まあまあお待ちくだされ、このビデオは1分20秒以降が見どころだ。

そこで小突き回されているロボットは、最新世代のAtlasだ。この、行き過ぎてるほど高度なヒューマノイドロボットを作ったのは、オーナーがGoogleであるBoston Dynamicsだ。

(ところで、気分を悪くしないでいただきたい。Atlasが手に持っている荷物を叩き落としたり、最後には倒れるほどぶちのめしているのは、その自己補正システムをテストするためだ。押したり突いたりすればするほど、彼は強くなる。まるでKarate Kidみたいだが、でも人間ではなくてコンピュータだ。)

このバージョンのAtlasが動いているところを見るのは、これが初めてだ。しかもこいつは、前世代に比べると大進歩だ。前のは330ポンドの肥満児だったが、今回は180ポンドぐらいだ。これでもまだ、彼の下敷きにはなりたくないが、人間の体重に近づいてきたとは言える。ふつうの人間だけど、肉ではなく金属でできてる、なんてね。身長は数インチ減って5フィート9インチだ(前は6フィート)けど、体には大量のセンサーを詰め込んでいる(LIDAR, ステレオカメラなど)。電源や体の支持のための、外付け装置は要らない。

Atlasは箱を持ち上げ、ドアを開け、固めてない雪の上を歩く。楽しんで見ていただきたいが、中にはこれを見て、夜眠れなくなる人(AI恐怖症の人)がいるかもしれない。このビデオでAtlasがやることは、五体満足な人間であるぼくがやると、何度も前に倒れてしまいそうな動作ばかりだ。

そして、ホッケーのスティックでAtlasをいじめている人に言いたい。Atlasはお前の顔を永久に覚えてるぞ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Boston Dynamicの人型AIロボットAtlasが家を片付ける様子をご覧あれ

ひさびさにBoston Dynamicsの人工知能ロボット、Atlasのビデオだ。先ごろGoogleが買収したスタートアップの人型ロボットが二足歩行しつつ家の片付けをするようすをご覧いただきたい。Atlasは歩行できるだけでなく、走ることもできる。、しかも(実はキャリブレーション動作の一環だというが)重量物を運搬するなど家で日常要求されるような作業をひとわたりこなしてみせる。

このビデオではIHMC RoboticsのチームがAtlasにテストとしてキャリブレーション動作をさせている。エンジニアはAtlasの動作を研究し、どこをどのように改良すればよいのかを考える。たとえばAtlasがAIを利用して腕を伸ばしてボトルをつかむとき、その動作をさらに効率化する方法を開発する。その他、さらに高度な課題をAtlasに教え、Atlasの反応を観察する。これによって実際に効率よく高度な動作をさせる方法を研究するわけだ。

「ロボットの操縦者には非常に高いレベルの忍耐力と独創性が必要だ。ロボットがこれまで遭遇したことのない状況で特定の動作をさせようとすれば、その動作を実行できる方法をできるかぎりたくさん考え出す必要がある。それによってどのような動作がロボットにとってもっとも効率的かが分かってくる。ATLASがタスクを実行するとき、人間ならこうするであろうというやり方と全く異なる動作が適切である場合が多い」とSpectrumのロボット操縦者、John Carffは言う。

残念ながら読者はAtlasに家の仕事をさせるわけにはいかないだろう。そのためにはAtlasは高価過ぎる。しかし見てのとおり、ご主人様のためにロボットは箒で床を掃いたり埃を払ったりできる。Atlasは営々として人間のための作業を実行しているが、映画ではないが、ある日それと気づかないでわわれの頭脳はクモ型ロボットのバッテリーの代用品にされているかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、買収したAtlas広告プラットフォームを再ローンチ―マルチデバイス、オフラインのセールスもモニタ

ニューヨークで開催中のAdvertising WeekカンファレンスでFacebookはAtlas広告プラットフォームの新しいバージョンを発表する。Facebookによればこのプラットフォームはマルチデバイス上で広告の効果のモニタを画期的なレベルに進めるサービスだという。

昨年、Facebookは広告ネットワークのAtlasをMicrosoftから買収したThe InformationThe Wall Street JournalはAtlasの再ローン地を予測し、FacebookがGoogleに挑戦する努力の一環だとしていた。

Facebookの公式ブログによれば、Atlasには新しいユーザー・インタフェースが与えられただけでなく、コードも全面的に書き変えられている。

中でも重要な点は、Atlasプラットフォームにクロス・デバイス能力が与えられたことだろう。ユーザーの広告に対する反応をトラッキングする際、クッキーに頼るには限界があることについて、ブログ記事は「クッキーはモバイル・デバイスでは役に立たない。またでもグラフィックなターゲティングを行う上でも正確さに欠ける。その結果、消費者がモバイル、デスクトップ、あるいはそれ以外の媒体を通じてどのように広告に反応したかをモニタすることが困難になっていた」と指摘している。

Facebookは新しいアプローチを「人ベースのマーケティング」と呼んでいる。広告主は消費者の行動をそれぞれの個人として複数のプラットフォーム上で追跡できる。つまり、あるユーザーが、スマートフォンで広告を見てからノートパソコンからその商品を買ったなどという情報をAtlasは広告主に提供できるようだ。ブログ記事は具体的な機能については詳細を明かしていないが、Wall Street Journalの記事によると、Atlasは広告に対する反応を、単にFacebook上だけでなくサードパーティーのウエブサイトやアプリ内でもそのユーザーのアカウントに関連づけることができるという。

Facebookによれば、オンライン広告の表示回数とオフラインでのセールスを関連づけることもできるという。これはFacebookがパートナーを募って開発進めてきた分野だ。

またFacebookは「検索、ソーシャル、クリエーティブ・マネジメント、ウェブサイト・パブリッシャーの各部門にわたって有力なパートナーと緊密に提携している」としている。興味あることに、パートナーにはInstagramが含まれている。言うまでもなくInstagramはFacebookの子会社だが、このブログ記事ではウェブ・パブリッシャーとしてパートナー扱いをしており、InstagramはAtlasを「表示回数とその効果の測定の両面で利用している」ということだ。今後はFacebookグループ以外のパブリッシャーも参加してくる。

広告主の獲得に関しては、Facebookは有力なデジタル広告代理店のOmnicomと提携している。OmnicomのクライアントでAtlasプラットフォームに最初に参加したのはPepsiとIntelだ。

トップ画像: Flickr/Maria Elena、 下の画像: Facebook

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+