Birdがニューヨークで電動車いす用アタッチメントをテスト

共有型マイクロモビリティ企業であるBird(バード)は、障がい者がアクセスできるモビリティを増やすために、車いす用バッテリー駆動アタッチメントの試験的導入を限定的に開始する。

この新しい「adaptive program(アダプティブ・プログラム)」は、この夏に拡張されるニューヨーク市ブロンクスのeスクーター試験走行の一部となる。試験地域の個人はこのプログラムに申し込むことができ、参加資格があれば、Birdのチームが直接アタッチメントを届け、セットアップと使用方法を教える。

「セットアップは、Birdの技術者により30分から1時間かかります。最初に取り付けた後は、デバイスは数秒で車いすにラッチオン / オフするはずです」と、Birdの広報担当者はいう。

このプログラムは、Birdが、障がい者がアクセシブルなクルマを探して予約し、支払うことができるようにしたScootaround(スクータアラウンド)というオンデマンドのアクセシブルモビリティプログラムを拡大した数カ月後に登場した。

競合のLime(ライム)は、Lime Able(ライム・エイブル)という同様のアクセシビリティプログラムを行っており、Limeが障がい者や標準的なスクーターでは自信がない人に、3輪スクーターや座席付きスクーターなどの適応型車両を宅配(24時間レンタル)している。

Birdによると、同社の車いす用アタッチメントは、350ワットのモーター、軽量で取り外し可能なリチウムイオンバッテリー、前進と後退の別々のスロットルを備えており、利用者が時速12マイルまで進むことができる。同社は、このアタッチメントが、ライダーの傾斜地の移動や市街地の長距離移動をより容易にするという。

「Birdのadaptive programは、すでに私がより速く移動し、より多くのことを達成するのに役立っています」と、最初のプログラム参加者の1人であるブロンクス在住のEduardo Hernandez(エドゥアルド・ヘルナンデス)氏は声明の中で述べている。「新しいスピードは最高です。スーパーマーケットやその他の用事が非常に楽になりましたし、通常であれば非常に疲れる上り坂でも、信じられないほど役に立っています」。

多くの車いすは保険で賄われているため、このようなアタッチメントが保証を無効にするか、保険の規定に反するかどうかは不明で、Birdはこの件に関する説明に回答しなかった。しかし、Birdは、同社がニューヨーク市交通局、ニューヨーク市長室障がい者課、地元のニューヨーク市障がい者支援団体と協力して、参加者を探していることを明らかにした。

このサービスは現在、ブロンクス区の参加者に無料で提供されている。

画像クレジット:Bird

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Yuta Kaminishi)

マイクロモビリティシェア大手Birdの日本展開に向け、国内プラットフォームパートナーのBRJが4億円調達

電動キックスクーターシェアリングサービス「Bird」(バード)の日本展開を予定しているBRJが10月28日、4億円の資金調達を実施したことを発表した。調達した資金は、運営メンバーの確保と車体数の拡充、そしてさらなるテクノロジー検証の強化に投資する。

Birdは、Bird Ridesが世界250以上の都市で提供している、電動キックスクーターによるマイクロモビリティサービス。「特定エリアでの最大速度制限」「走行可能エリア外での自動停止機能」「車体に複数のセンサー搭載でのデータ連携」「車両不備検知機能」「自動緊急ブレーキ機能」などを備えており安全・安心で快適な利用が可能という。今回の資金調達は、これら安全・安心を最優先とした、移動課題解決の将来性を評価され実現した。

2020年12月に発足したBRJは、Bird Ridesとライセンス契約を締結している日本のプラットフォームパートナー企業。Birdで利用されている「機体」「テクノロジー」「運営ノウハウ」「戦略支援」の提供を受け日本でのマイクロモビリティーサービス展開を予定している。これにより地域住民の移動課題を解決し、人々の生活向上を目指す。

Birdスクーターが危険な歩道走行を正確に検知し、ゆっくり停止させる新機能を発表

共有型マイクロモビリティを運営するBird(バード)は、スクーターのADAS(先進運転支援システム)化に乗り出した。Birdは、3年間の研究を経て、スクーターの歩道走行を検知し、ゆっくりと停止させることができる新技術を発表した。

この新技術は、現在、ミルウォーキーとサンディエゴで数百台のスクーターに搭載して試験的に運用されており、2022年初頭にはマドリッド、さらに数カ月後には世界の他の都市にも導入される予定だ。Birdのチーフ・ビークル・オフィサーであるScott Rushforth(スコット・ラッシュフォース)氏は、すべての新車にこの技術が搭載されることになり、現在から2022年初めにかけて「数万台から数十万台」の歩道検知機能付き車両が製造ラインから出荷されるだろうと述べている。

この新機能は、世界中の都市で最も不愉快で危険な、共有型マイクロモビリティの問題を解決するために設計されたもので、無線半導体や高精度測位モジュールを製造するスイスのu-blox(ユーブロックス)との提携により実現した。Birdによると、両社は共同でu-bloxのZED-F9Rモジュールの独自バージョンを開発し、特に共有型マイクロモビリティ業界のニーズに合わせて調整が施されたという。

ラッシュフォース氏はTechCrunchの取材に対し「このモジュールはGPSセンサーからの入力情報を用います。またデュアルバンドのGPSセンサーを使用しているため、GPSの中でも最も優れた性能を誇ります。その上に加えたのがRTKと呼ばれるシステムで、これはリアルタイムキネマティクス(real-time kinematics)の略です。さらにその上に、センサーフュージョンを用いたシステムを追加しました。このシステムは、車輪の移動距離やスクーターが傾いている角度など、車両自体からのデータだけでなく、これらすべてのデータを取得し、GPSの位置情報と融合させることで、GPS信号がうまく機能しない場合でも、車両の位置を極めて正確に把握することができるのです」と語っている。

歩道を走っているライダーは、モバイルアプリケーションと新しい16ビットのカラーディスプレイを介して、違反行為を音声と映像で警告されることとなり、その後スクーターはスロットルを外してスムーズに停止する仕様だ。

Birdは、2019年からさまざまな歩道検知技術を検討してきたというが、それは決してBirdだけではなかった。マイクロモビリティのライダーアシスタンスシステムの世界では、2つのグループがあるようだ。1つ目のグループは、超精密な測位とセンサーフュージョンに頼って、悪質な乗車行動を検出し、それをリアルタイムで修正する技術に頼るグループだ。Superpedestrian(スーパーペデストリアン)は最近Navmatic(ナブマティック)を買収し、同社の代表的なソフトウェアを同様の方法で活用している。

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もう一方のグループでは、Spin(スピン)Voi(ボイ)、そして最近ではHelbiz(ヘルビズ)などが、Drover AI(ドローバーAI)やLuna(ルナ)などのスタートアップと協力して、歩道や自転車レーン、歩行者などを検知するカメラを搭載している。

コンピュータビジョン企業は、位置情報を利用したスクーターのADASは、都市の峡谷や地下駐車場のようなGPSのない場所では役に立たないとしばしば主張してきたが、ラッシュフォース氏はその主張に反対している。同氏によると、u-bloxのモジュールは進化したデッドレコニング(推測航法)機能を搭載しているという。これは、基本的には以前にとらえた位置を使用して移動体の現在の位置を計算するプロセスだ。GPSが出発点となる可能性が高いため、車両が衛星の受信を完全に失った場合でも、他のセンサーに頼って、どの方向にどれだけ進んだかを判断することができる。

Birdによると、このモジュールは、車輪の速度、加速度、空間的な方向性、運動学などのデータを処理し、それらを融合することで「恐ろしいほど正確な」位置情報とセンチメートルレベルのマッピングを導き出すそうだ。これらの情報は、車両の回路基板を経由して、同社独自のOSであるBird OSに送られ、Bird OSがデータをどう扱うかを判断する。

これにより、Birdの車両は、市が定めたエリア内に正確に留まることができるだけでなく、高い位置精度を持つことで、関連するさまざまな他の機能にも対応することができる。

「もし、このような追加技術なしで、GPSだけでエリアにいると、駐車場の外にいるのに、車両はその中にいると認識してしまうかもしれません。だからこそ、このように高い精度が得られれば、駐車場での体験が確実に向上するはずです」とラッシュフォース氏はいう。

また、マイクロモビリティ企業の最大のコストの1つであるオペレーションも、車両の位置を正確に把握することで、ゴミ箱の後ろに隠れているかもしれない車両を探す時間や、GPSでは北西に位置しているのに実際には南西の角に位置しているかもしれない車両を探す時間を削減することができ、大きなメリットを得ることができるだろう。

「車両の位置を正確に把握することで、我々のビジネス全体が測定可能な形で改善されると言っても過言ではありません」とラッシュフォース氏は語る。

Birdによると、カメラを使ったものやウルトラワイドバンド(無線技術の一種で、短距離・広帯域の無線通信を行う)など、いくつかのソリューションも検討したが、拡張性の点でこのソリューションが最適であると判断したという。

ラッシュフォース氏は「これで、あまり訓練をしなくても済むソリューションができました。バックエンド側で歩道の位置データを表示するだけで、すぐに拡張することができ、1台あたり10~12ドル(約1100〜1300円)程度の追加費用で済みます」。と語る。

一方、カメラを使ったソリューションでは、ハードウェアとサービスのコストが車両1台あたり約200ドル(約2万2000円)になり、時間の経過とともに1台あたり80ドル(約9000円)まで落とせる可能性はあるが、利益を上げる方法をまだ見いだせていないビジネスにとっては、かなりの金額だ。

「もし私が未来を読める水晶玉を持っているとしたら、今後24カ月の間に誰もがこの方法を真似するだろうというと思いますよ。費用対効果を考えれば、これしかありませんから」とラッシュフォード氏は語っている。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Akihito Mizukoshi)

マイクロモビリティシェア大手Birdが約25万円の一般向け電動アシスト自転車を発売

電動マイクロモビリティのシェアリングサービスを提供するBird(バード)は、新たにコンシューマー向けのeバイク(電動アシスト自転車)を発表した。これは、同社がシェアモデルではなく、個人向けの車両を販売する初めての試みだ。

この自転車の名称は、2021年6月にリリースしたばかりのシェア方式電動アシスト自転車と同じ「Bird Bike(バードバイク)」。シェアモデルと同様に自社で設計しているが、製造パートナーは明らかにしていない。数量限定で、Stealth Black(ステルスブラック)とGravity Gray(グラビティグレー)の2色を用意し、米国時間8月19日から2299ドル(約25万2000円)で販売している。Birdは、この電動アシスト自転車の初期オーダーをどの市場から納品するかは明らかにしていないが、2021年の秋には米国各地の小売店で広く販売したいと考えているという。

関連記事:Birdがシェア用電動自転車をローンチ、シェア事業者向けアプリも公開

電動自転車市場は、2026年までに680億ドル(約7兆5000億円)近くに達すると予想されているのに対し、バイクシェア市場は同年までに138億ドル(約1兆5000億円)程度にとどまると予想されていることから、Birdの発表はそうした財政的な理由によるものと考えられる。2021年5月に提出されたSPAC書類では、収益が大幅に悪化し、その結果、純損失を計上していたため、同社はマイクロモビリティの有名企業としての地位を活用し、事業内容を多様化することで収益性の向上を図ろうとしているようだ。

バード社のS-4 SEC提出書類によると、この新しい電動アシスト自転車はBirdの事業の約10%を占める消費者向け製品ポートフォリオの一部となっているが、同社はなぜ消費者向け事業を立ち上げることにしたのかという説明を求めるリクエストには答えなかった。とはいえ、Birdが手を広げようとするのは今回が初めてではない。2019年に、Birdはeスクーターの月額制サブスクリプションサービスを発表したが、それが軌道に乗ることはなかった。

Birdの創業者兼CEOであるTravis VanderZanden(トラヴィス・ヴァンダーザンデン)氏は声明の中でこう語った。「交通手段の未来はオール電化です。Birdの消費者向け製品とシェア製品を電動アシスト自転車だけでなくeスクーターも含めて拡大することで、5マイル(約8km)以下の年間数十億回の移動のために、当社は環境に優しい交通手段への革命をリードするユニークな立場にあります。今回の新しい電動アシスト自転車によって、当社が今日シェアードサービスを提供するために提携している300都市を超え、人々がマイクロEVを受け入れる機会を増やしていきます。当社の電動アシスト自転車は安全性と耐久性に優れ、スタイリッシュな美しさと高度な技術を備えており、渋滞の原因となるガソリン車に代わる楽しい乗り物を提供します」。

VanMoof X3と同程度の価格のBirdの電動アシスト自転車は、LGセルを採用した12.8Ahのバッテリーを搭載し、最大50マイル(約80km)の航続距離を実現しているという。ステップスルーとステップオーバー両方のアルミ合金フレームから選べ、Kenda社製の耐パンクタイヤを採用している。ペダルアシストは時速20マイル(約32km)まで可能で、厄介な坂道にはサムスロットルが用意されている。ハンドル下の液晶パネルには、速度、距離、バッテリー残量が表示され、BirdアプリとのBluetooth接続により、LEDライトの点灯・消灯、バッテリー残量、走行距離の確認が可能だ。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Aya Nakazato)

Birdがシェア用電動自転車をローンチ、シェア事業者向けアプリも公開

Bird(バード)は、世界の250以上の都市で展開しているeキックスクーター(電動キックスクーター)に加えて、シェア用電動自転車(電動アシスト自転車)を導入することを発表した。また、シェアマイクロモビリティを提供するBirdは、地域のシェア自転車や電気モペットのプロバイダーたちや交通機関のアプリが、Birdのアプリを統合することができる「Smart Bikeshare」(スマートバイクシェア)という名のプラットフォームを同時に立ち上げた。

Birdの創業者でCEOであるTravis VanderZanden(トラヴィス・ヴァンダーザンデン)氏は声明の中で「シェアeキックスクーターは、世界で1億5000万回のゼロエミッション移動を提供し、シェアマイクロモビリティを都市における環境にやさしい交通手段の中心へと押し上げました」という。「私たちは、都市と移動者の間で急速に高まっている、持続可能な交通手段への要求に応えるため、シェア方式のBird Bike(バードバイク)とSmart Bikeshareのプラットフォームを立ち上げました。私たちが拡大したい市場では年間50億回の移動が予想されています」。

今回の発表は、Birdがバッテリーが改善された新型キックスクーター「Bird Three」(バード・スリー)を発表してからわずか1カ月後のことだ。同社の広報担当者によると、マイクロモビリティの巨人であるBirdの電動自転車は、最初の市場の1つとして2021年後半にオハイオ州クリーブランドで展開される予定だ。Birdの声明によると、この電動自転車は2021年、北米、イタリア、スペイン、ドイツ、アイルランド、フランスの一部の都市で利用可能になる予定だ。Birdは、ローンチする電動自転車の台数や具体的なローンチ日程については言及していない。

またBirdは、この電動自転車が同社で設計・製造されているのかどうか、または設計・製造されていない場合には、どのメーカーと協力しているかについても回答をしていない。

Bird Bikeは、75ポンド(約35kg)のフレームにステップスルーデザインを採用していて、20%の勾配のある坂道でも登ることができるという。前カゴ、大きな空気式タイヤ、そしてBirdの乗り物に必要なジオフェンシング(地域限定機能)や診断機能が搭載されている。

Bird Bikeは、Birdの最初の自転車ではない。2019年の夏には、同社はBird Cruiser(バードクルーザーを発表した)。これは自転車とモペットを掛け合わせた、2人乗りの電動自転車だ。しかし同社の広報担当者は、パンデミックが発生した2020年、この試験的な試みを中止することにしたと語っている。

すでにBirdの自転車シェアプラットフォームは、イタリアのeモペット会社「Zig Zag」との間で協業が始まっていて、Birdのアプリ内では、Zig Zagの車両と一緒に表示される。Birdは、世界中の他のマイクロモビリティ企業と協力していきたいと考えており、たとえば米国内ではNorth American Bikeshare Association(北米バイクシェア協会)などの団体と交渉を進めているという。

だがBirdは、Birdのアプリで予約された場合に、現地オペレーターの利益の一部を受け取るかどうかについての質問には答えなかった。

同社の発表によると、Birdのバイクシェア・プラットフォームにより、同社は「地域のシェア自転車やeモペットのプロバイダーと統合した最初のキックスクーター事業者」となる。またBirdは現在のところ、サードパーティのeキックスクータープロバイダーを自社アプリに統合する予定はないということだ。

Birdが地域のeキックスクーター事業者と提携せず、電動自転車や電動モペット事業者とプラットフォームを共有するならば、実際に複数事業を立ち上げるという苦労をすることなく、複数事業の存在感を示すことができるだろう。少なくとも、これらのコラボレーションにより、Birdは、乗り手ががどこでどのようにさまざまな車両を利用しているかをよりよく把握することができる。これは、Birdが投資すべき新たなモビリティ形態を決定するのに役立つだけでなく、特にヨーロッパにおけるBirdの拡大計画にも役立つだろう。

Birdは、これが同社のバイクシェア・プラットフォーム戦略の一環であるかどうかには答えていない。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Bird電動キックスクーター電動自転車

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(文: Rebecca Bellan、翻訳:sako)

スクーターシェアのBirdが欧州での拡張計画に約160億円を注入、拠点数を倍に

マイクロモビリティシェアリングのスタートアップBird(バード)が、2021年50以上の都市での立ち上げを含め、欧州の拡張計画に1億5000万ドル(約160億円)を投資すると述べた。この動きにより、この地域での拠点数が2倍になるという。

この成長計画はすでに進行中であり、Birdは最近、同社のスクーターをノルウェーのベルゲン、スペインのタラゴナ、イタリアのパレルモに持ち込んだ。

Birdは、欧州での拡大は地理的な拡大以上のものになると強調した。同社は、すでに進出している50近い都市で展開している乗り物にスクーターを追加すると述べた。発表の一環で他にもいくつか約束をした。その中には新しいモビリティ製品の導入計画や安全イニシアチブ「乗り物の次世代のリサイクルとセカンドライフアプリケーション」、エクイティプログラムへの投資「地域全体でのパートナーシップの確保」などが含まれる。

こうした新しいモビリティ製品や、安全性やリサイクルに関するイニシアチブの今後ははっきりしない。Birdの広報担当者は、それらがこの地域での新しい乗り物であり「輸送手段」になるだろうと語った。同社は「パートナーシップを確保する」ということの意味について詳細を明らかにしなかった。このフレーズは、Bird Platformと呼ばれるフランチャイズプログラムの延長や、地方自治体や事業者との他の種類の取り決めを意味しているのかもしれない。2018年11月に最初に導入されたBird Platformの下、同社は独立オペレーターに利用料金の一定割合を渡して、スクーターの管理を任せている。

Birdは、その計画に先週発表した補助金付きライドパスのようなプログラムが含まれると述べた。

同社は、社内人材からRenaud Fages(ルノー・ファッジ)氏をオペレーション責任者に、Brendan O’Driscoll(ブレンダン・オドリスコール)氏を製品のグローバル責任者にそれぞれ昇進させ、取り組みを主導させる。

Birdがこの拡張をどう賄うかは、同社の計画と同じくらい興味深い。広報担当者はTechCrunchに、さまざまなイニシアチブに資金を供給するために「既存のリソース」を使用していると語った。しかし、パンデミック、Circの買収、既存のフリート(乗り物)を維持しながら新しい都市での操業を開始する試みにより資金が枯渇した(2020年6月、BirdはCircが運営していた中東の複数の都市でスクーターシェアリングを停止した)。同社が最後に公にした資金調達の発表は1年以上前だった。同社は2019年9月にシリーズDラウンドで2億7500万ドル(約300億円)を調達した。その後、同ラウンドは3億5000万ドル(約380億円)に拡大されている。

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The Informationは、Birdが新しい資金へのアクセスに近づいたと報じている。The Informationは1月に、既存の投資家であるSequoia CapitalとValor Equity Partnersがリードして、Birdが1億ドル超(約110億円)をコンバーチブルデットで調達する契約を締結しているところだと報じた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Bird投資

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi