テック企業ではSlackやChatworkをはじめとした社内向けコミュニケーションツールの話題が盛んだが、これらのツールの利便性を非テック企業にも提供しようとしているのがOneteamだ。同社は5月15日、サイバーエージェント・ベンチャーズを引受先とした6000万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。
同社が開発するのは、非ITテック企業向けのコミュニケーションプラットフォーム「Oneteam」。チャット機能に加えて、企業や組織の一人一人が自己紹介ページを持って自分の趣味や志望動機、職歴情報を登録できるほか、電話番号や社員番号などの連絡先を調べることができる。スマートフォンアプリとウェブでの提供を予定している。コンセプトは「手のひらにチームを持ち歩く」とのことで、代表取締役の佐々木陽氏いわく、機能的には「GithubとSlackを組み合わせたようなツール」だという。
サービスは現在開発中で、2015年夏に正式リリースの予定。ただしプロフィールや連絡先共有など一部の機能については、6月上旬から「Profile Book」の名称でベータ版として提供していく。すでにベトナム、フィリピン、インドネシア、タイの人材会社や旅行代理店など複数企業(それも100〜300人規模とそれなりに大きな組織も含まれているそう)が導入を予定しているとのことだ。同社では初年度100社1万アカウントの導入を目指すとしている。
「Slackのようにフローの情報は常に座席にいるエンジニア企業には向いているが、外出する営業マンや経営者は最適情報にたどり着くまでがストレスになる。一方で電子メールはやりとりを重ねるうちにタイトルと本文の不一致、過剰なCCによる当事者意識の低下なども起こる。イシューベースでチャットコミュニケーションが出来る状態でないといけないと考えた」—佐々木氏はサービス開発の経緯をこう語る。
日常的に使う仕組み、プッシュとUIへのこだわり
メールや他のコミュニケーションツールより“使える”サービスとのことだが、この手の非テック企業向けツールで気になるのは「どうやってそのツールを日常的に使うようになるか」という点だ。僕は導入企業数なんかより、DAUのような日々の利用度合いのほうが気になる。
Oneteamでは、スマートフォンのプッシュ通知(さらに未読の場合の再通知も)で未読を解消するほか、誰でも分かりやすいユーザーインターフェースを心がけているのだそう。「UIでは『見慣れないもの』を排除することが必要だと思っている。また、今後は利用のシーンや事例をコンテンツとして拡充していくことが重要だと思っている。ベータ版を提供することで、実際の利用シーンと効果を検証したいと考えている」(佐々木氏)