Facebook、ロシアの米選挙介入について「悪いことは起きる」と回答

Facebookは米国大統領選挙に影響を与えた同サービスの責任、特に「フェイクニュース」とロシアが購入した広告について攻撃の的になっている。

水曜日(米国時間10/18)、ラグナビーチで開催されたWSJ D.Liveでこれについて質問されたFacebookのVP David Marcusは、はじめに同ソーシャルメディアが世界に与えたプラスの影響について延々と語って話をそらし、「毎月20億人が使うプラットフォームを運用していれば…ときには悪いことも起きる」と締めくくった。

MarcusはFacebookが「議会の特別委員会と協力して」米国政治に関するロシアによる同サービスの利用状況を調査したと語った。「起きたことが再び起きないようにシステムを作る」ことが会社の優先課題だとMacsusは言った。

MarcusはFacebook Messenger プラットフォームの責任者として、「少数の」ロシア関連事象がMessengerサービス上で起きたことを認めたが詳細は語らなかった。

今後は「広告をレビューする人員を数千人雇用し、世界中の注目される選挙に関わる活動をすべて検査する」と同氏は語った。

Marcusは、「完全というものは存在しない」が「われわれの計画が正しいことには絶対的確信がある」と付け加えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook チャットボット経由の支払サポートへ―Messenger Platform v1.2発表

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TechCrunch Disrupt SF 2016カンファレンスに登壇したFacebook Messengerの責任者、David Marcusが大きな発表をした。FacebookはこれまでMessengerボットの機能の最大の穴だとされていた部分を埋めた。ユーザーを他のサービスに送り出すことなく、Messengerボットは内部で支払処理が可能になるという。

デベロッパーは商品購入が可能なボットの開発において、ユーザーがすでにFacebook本体ないしMessengerに登録してあったのクレジットカード情報をその場で利用できるようになる。Messengerでのこうしたボット開発は限定的なベータテスト中だが、デベロッパーはFacebookに参加を申し込むことができる。

Marcusは4月にスタートしたこのプログラムに3万4000のデベロッパーが参加し、3万のボットが開発されたことを明らかにした。5月にはデベロッパーが1万、7月には開発されたボットの数が1万1000だった。

Messengerを利用した支払を助けるため、Marcusによれば、FacebookはStripe、PayPal、Braintree、Visa、MasterCard、American Expressを始め、支払サービス業界における主要なプレイヤーすべてと協力して作業中だという。

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Disrutpでの壇上インタビューでMarcusはMessengerのユーザーが10億人に達したと述べた。もっともこれにはFacebookのメインのアプリからMessengerを独立させ、ユーザーにこのアプリのインストールを強制した効果があるかもしれない。またMarcusとCEOのマーク・ザッカーバーグが親密な関係にあることも影響しているだろう。200ヶ国で利用されるようになったチャットボットだが、リリース当初にはつまづきもあった。

FacebookがチャットボットののプラットフォームとしてMessengerに賭けていることを証明するために、Marcusはあらゆる種類のニュースフィード広告がチャットボットを利用でき、ユーザーはボットを友達と共有できるようになることを発表した。またまたボットを経由するやり取りがすべて文字列である必要はない。デベロッパーは自らのウェブサイトのページをチャットボットのインターフェイスに組み込むことができる。たとえば、フライト情報を表示してスクロールさせる、各種のメディアのコンテンツを見る、あるいはチャットのウィンドウを離れずに簡単なゲームをプレイすることもできる。

これらはすべての機能は今日(米国時間9/12)ローンチされたMessenger platform v1.2に含まれている。Marcusによれば「スレッド内でデベロッパーはユーザーの身元情報が利用できるだけでなく、取引、UI、ネイティブ機能を備えたボタンなどのインターフェイスを作成することができる。われわれはこうした能力をすべてMessengerのプラットフォーム上で関連付けた」という。

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またMarcusによれば、Messengerは非常に高速にWebViewをプリフェッチすることができる。これはここ数ヶ月で行われた一般ユーザーの目に触れない部分でのパフォーマンス改善の一つだ。これによりモバイルアプリの起動時間を始めとして多数の遅延が大きく低減された。

こうしたことはすべてFacebook Messengerがボットのプラットフォームとして当初の約束を果たすために必要だったという。Marcusはチャットボット・プラットフォームがスタートした当初は実際の機能が約束に追いついていない部分があったことを認めた。

「問題はあまりにも〔Messengerチャットボットの〕評判が先行しすぎたことだろう。あっという間にそうなってしまった。スタート時点でわれわれが提供したのは基本的な機能であり、これは日々利用されている従来のアプリを全面的に置き換えるレベルまで機能もインターフェイスも成熟していなかった」とMarcusは認めた。

またデベロッパー向け公開から一般ユーザー向けの本番スタートまでに十分な時間がなく、デベロッパーはチャットボットを成熟させる時間もリソースも不足気味だった。当初のユーザーの多くは従来のモバイルアプリやブラウザ内サービスと比べて、新しいボットはさして優れていない(それどころかはるかに劣る場合も多々ある)と感じた。

私はMarcusにデベロッパーがチャットボットの機能などの技術的詳細を教えられてから本番公開までにどれほどの余裕があったのか尋ねた。.「2、3週間」というのがその返事だった。「それは高品質なボットを開発するのに十分な時間だったと思うか?」とさらに尋ねられてMarcusは「たぶん〔時間は〕足りなかっただろう」と認めた。

しかしMarcusはMessengerボットのようなプラットフォームをリリースする際の困難を説明した。「実際そう簡単ではない。 時間がかかる。F8カンファレンスでわれわれが望んだのはデベロッパーが自身で独自のボットを開発するにせよサードパーティーのための開発を行うにせよ、3万4000人のデベロッパーすべてをプラットフォームに参加させることだった」。

その結果一部のボット―ニュース提供に目的を絞ったボットなど―は出来栄えがよかった。しかし他の分野のボットには完璧な体験の提供に遠い状態となった。

しかしWwebViewと支払機能の追加で、たとえばフライトとホテル予約のHipmunkの使い方は大きく変わるかもしれない。ユーザーはMessengerボット内で目的に合致したフライトを探しし、チケットやホテルを予約し、それらの支払を済ませるだけでなく、旅行日程を作成することもできるようになるだろう。

新機能の追加と同時に、デベロッパーはボット開発にあたっての基準を受け取ることになる。Marcusによれば、FacebookはデベロッパーがMessengerプラットフォームを利用して優れたユーザー体験を得るためのガイドラインも提供するという。


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

FacebookアカウントなしでもMessengerが使えるようになった―普遍サービス実現への重要な一歩

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FacebookはこのSNSが嫌いな人々にもMessengerは使ってもらいたいと考えている。そこでFacebookはFacebookアカウントなしでMessengerにアカウントが作れるようにした。ユーザーはサインアップにあたってフルネーム、電話番号を入力するだけでよい。新しいサインアップはアメリカ、カナダ、ペルー、ベネズエラでは今日から利用できる。他地域にも順次拡大される。

Facebookは2012年にインドその他の地域でアカウントなしでのMessengerの利用をAndroid版アプリとしてテストしたことがあった。しかしこのテストは数ヶ月で終了した。私の取材に対してMessengerの責任者、David Marcusは「2年前のわれわれは〔モバイル化の〕過渡期だった。現在われわれはまだMessengerを使っていない少数の人々、いわば『ラスト・ワン・マイル』の層をMessengerに取り込む試みができるようになった。われわれはFacebookを使いたくない、あるいは事情によってFacebookが使えない人々にもMessengerを提供することにした」と語った。

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初めてMessengerを使おうとすると「Facebookでログイン」に並んで「Messengerにサインアップ」というボタンが表示される。Messengerでサインアップする際に、電話番号を入力すると、Facebookは他のMessengerの連絡先を検索し、その電話番号を登録しているユーザーをリストアップする。これが「FacebookアカウントなしのMessengerユーザー」にとってのソーシャルグラフとなる。

Marcusはこの新しい方針は中国に再進出するための布石ではないと強く否定した。中国政権はFacebookの所有する全IPアドレスをブロックしているので、Facebookアカウントの有無にかかわらず、Messengerも検閲にひっかかることは確実だという。

Messengerはどこへ向かう?

最近、Facebookはユーザー間の支払機能新しい位置情報共有専用ウェブ・アプリVOIPビデオ通話、画像や音声のメッセージをやりとりするためのアプリのプラットフォームMessengerゲームなどMessengerの機能を立て続けに拡張している。

Marcusは「Messengerの次のビッグ・プロジェクトはエンタープライズ向けのMessenger For Businessの開発だ」と語った。これはさまざまなバーティカル〔業種〕 に対応したシステムとなり、たとえば、オンライン通販会社は、手間がかかって効率の悪い電話やメールの代わりにMessengerを利用して顧客サポートができるようになるという。またMessengerのプラットフォームを利用してサードパーティーがアプリを開発する環境の整備にも力を入れていく。

成長、成長、成長

こうした努力の背後にあるのは何としても急成長を維持しなければならないという事情だ。

月間ユーザー7億人というMessengerはすでに巨大なサービスだが、SMS市場を制するためには全世界にあまねく普及する普遍的サービスとなることが必要だ。つまり「自分の知り合いは全員がMessengerを使っている」という状況を一刻も早く作り出さねばならない。そうなればユーザーはオンライン生活のすべてをFacebook圏内で済ませ、わざわざ外へ出ていくことがなくなる。

今回のMessengerだけでサインアップできるという方針は、Facebookの普及がすでに飽和点に近づいたアメリカやイギリスのような市場で、なんらかの理由でFacebookを使うのを止めてしまったり、もともと加わりたくないと考えていた人々をFacebook圏内に呼び戻すのが狙いだ。

一方でFacebookがまだ普及の途上にある多くの地域では無料SMSが急速に人気を高めている。そこでこうした市場ではMessengerは「Facebook.入門」の役割を期待される。

「こうした市場で〔普及を持続させるには〕FacebookのアカウントがないユーザーにもMessengerは使ってもらうようにすることが必須だ。われわれはFacebookプラットフォームに文字通り全員が参加するまで努力を止めない。友人、知人のすべてが参加すればプラットフォームのユーザー体験は比較にならないほどアップする」とMarcusは説明した。

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F8カンファレンスでプレゼンするMessengerの責任者、David Marcus

Marcusは「一部の人々はイデオロギー的理由などからわれわれに否定的だ」とFacebookを嫌う人々がいることも率直に認めた。もっともFacebookの過去についてMarcusに直接の責任はない。Marcusは昨年、PayPalのプレジデントだったときにMessengerの責任者にスカウトされた。Marcusの指揮の下でユーザーは2億人から7億人へと驚くべき急成長を遂げた。

MessengerはFacebookにとって「ドアの隙間に突っ込んだつま先」のようなものだ。Messengerのユーザーは連絡相手のFacebookプロフィールやその写真を見ることができる。好奇心を刺激され、やがてFacebookにサインアップしようと考えるユーザーも多く出るだろう。FacebookはMessengerで収益化を図っておらず、広告は本体のニュースフィードにしか表示されないから、Facebookユーザーが増えることは売上のアップに直結する。

要約すれば、Facebookは「Facebookやニュースフィードを嫌うユーザーがいてもチャットするのが嫌いなユーザーはいない」と考えてMessengerのサインアップを独立させたのだろう。おそらくは賢明な判断だ。.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+