宇宙開発スタートアップのFireflyがあSatlantisと衛星群打ち上げミッションを契約

宇宙開発スタートアップのFirefly Aerospace(ファイアフライ・エアロスペース)は、地球観測と衛星運用のリモートセンシングペイロードメーカーであるSatlantis(サトランティス)と、新たな契約を結んだ。FireflyはSatlantisの小型衛星群を打ち上げる予定で、これは低軌道から地球の高解像度、あるいはマルチスペクトル画像を提供する。

Fireflyは同社初の「Alpha」ロケットと、宇宙船の開発とテストを進めている。同社は今年中にAlphaの初打ち上げを実施する予定で、米国時間2月4日にSatlantisとの間で結ばれた契約によれば2022年の打ち上げが予定されている。

Alfaは2段式ロケットで、機体には炭素複合材が使用されている。全長は約95フィート(約29m)で、約2200ポンド(約1トン)を低軌道に打ち上げられる。Rocket Lab(ロケット・ラボ)と同様にFireflyの目標は、相乗りミッションの予約に頼るのではなく、専用の打ち上げを行うための手頃な価格の選択肢を小型衛星の顧客へと提供することだが、実際にはそれ以上のペイロードも提供できる。

Fireflyは2020年初めに垂直状態でのエンジンの燃焼試験を実施したばかりだが、最初のテストに続く1月末の発射台でのテストは、出火により失敗した。同社は出火は燃料漏れによるものだと発表し、Alphaの改良を進めている。FireflyでCEOを務めるTom Markusic(トム・マルクシック)氏はKVUEに対し、この事故は今年半ばまでにロケットの初打ち上げを実施するという目標には影響しないと述べた。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Amazon Fire Phoneの”Firefly”は、リアル世界で見たものを識別(そして購入)するしくみ

Amazonは、今日(米国時間6/18)発表したFire Phoneに、Fireflyという機能を導入した。主としてこれは、リアル世界で見た物を識別する ― そして、もちろん、買う ― ためのしくみだ。Fireflyは、ユーザーがスマートフォンのカメラを向けた先にある、電話番号、映画、本、ゲーム、CD、食品等を識別する。

この機能は、新スマートフォンの鍵を握るものであり、本体側面には専用ボタンさえ設けられている。この端末が、Amazonエコシステムに客を呼び、常連オンラインショッパーへと変えるために存在していることを示す、典型的な例だ。

Fireflyボタンは、端末に内蔵された「即席満足感」スイッチとでも言えよう。

壇上のデモで、Amazon CEO Jeff Bezosは、Fireflyで書籍、CD、その他商品のバーコードをスキャンするところを見せた。Shazam風の音楽認識機構もついている。Fireflyは、聞いている楽曲を識別する他、番組の音を聞いて、そのシーンをAmazonで見ることまでできる。巧妙な手口だ。もちろんユーサーは、曲や番組や映画をAmazonで買うよう、誘導される。

Fireflyは “Flow” に似ている

FireflyはFlowに似ている。FlowはAmazonの視覚認識テクノロジーで、まず単体モバイルアプリとして提供され、最近では、Amazonのネイティブアプリにも組み込まれている機能だ。

FlowはAmazonの検索および広告の子会社であるA9が運用しており、2年以上前にスタートした。Flowは、商品のパッケージ、ロゴ、アートワーク等の視覚特性を利用して識別する。

Amazonの説明を見る限り、FireflyがFlowの拡張であることは明らかだが、明確には書かれていない(同社が名前を変えた理由は不明だが、”Firefly”[ホタル]という名前の方が確かにクールだ)

Fireflyは、アートも認識して対応するWikipedia項目を表示する。これは、AppleのSiriやGoogle Nowがまだ出来ていないことだ。

発売時点で、Fireflyは1億種類の商品を識別できるとBezosは言った。これには映画とテレビ番組24万5000本、テレビのライブチャンネル160局、3500万楽曲、および商品7000万種類が含まれる。

Firefly機能が、購入できるものを探す〈だけ〉のためでないことは、知っておくべきだが、主要目標であることは間違いない。

舞台裏で使われている技術には “semantic boosting” と呼ばれるものもあり、これはコンテキストに応じてテキストを識別し理解する高度な方法のもったいぶった名称だ。文字認識によって電話番号を識別し、その番号が存在するかどうかを判断する。デモでは、パイショップの看板を撮影して、その店に電話をするところを見せた。

同機能は、看板、ポスター、雑誌、名刺などに利用可能で、そこからメールを送ったり、連絡先に追加したり、URLをタイプすることなくウェブサイトに行くことなどができる。

デベロッパーにとってのFirefly

デベロッパーもFireflyを利用できる。これによって、機能はさらに有望になる。

デベロッパーは、SDKを使って、Fireflyの全機能を利用できる。健康に注力する会社、MyFitnessPalは、既にこの機能を利用して、カメラに写った食べ物の栄養情報を識別するアプリを作っている。現在ユーザーは、手動で入力するか検索結果の中から食べ物を探さなくてはならない。Fireflyによって、MyFitnessPalのフードダイアリーは「完全自動」になる。

SDKでは、テキスト、音声、画像の認識機能、コンテンツデーテベース、およびカスタムアクションがサポートされており、デベロッパーはFireflyをそれぞれのニーズに合わせて作り変えることができる。

別の例では、Vivinoがワインのボトルをスキャンして情報を得るアプリを公開予定だ。iHeartRadiとStubHubも早期導入している。

Flowの機能には、受け狙い的な部分も見られたが ― つまるところ検索クエリをタイプするのは〈さほど〉面倒ではない ― Flowを(Firefly経由で)デベロッパーに広く開放することによって、新たなアプリカテゴリーが ― 少なくとも今は ― Amazonのプラットフォームのみに生まれた。

Googleも過去に視覚認識テクノロジーを実験したことはあるが(“Google Goggles”を覚えているだろうか)、同社の主要目標にはならなかった。一方、Amazonがこの機能を追及することは理にかなっている。同社にとって商品識別は、購入プロセスの第一歩であり、単なるスマホの珍機能ではない。

Firefly SDKは、今日公開されるとBezosは語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook