Facebookから不快な友達リクエスト防止ツール――いじめ、ハラスメント防止に努力中

Facebookその他のソーシャルメディアではいじめやハラスメントが常に問題となってきた。ある種のハラスメントの被害を局限するためにFacebookでは望まない友達リクエストやメッセージが表示されないようにするツールを実装する。

Facebookの Global Head of Safety、Antigone Davisは「誰かをブロックしてもすぐその相手が身元を変えて別のアカウントから嫌がらせを受けた、という話を繰り返し聞いている。こうした望ましくない出会いを防止する一助として、Facebookではフェイクないし不適切な身元を排除するテクノロジーをベースにしたツールを開発している」と書いている。

ハラスメントをしてくる相手をブロックしたとしよう。その相手はすぐに身元を変えて新しいアカウントを作り、再びつきまとってくるかもしれない。しかしFacebookの新しいツールはこうした事態を防止する。Facebookはこうした場合でも相手の身元を見抜き、友達リクエストやメッセージ送信をブロックできる。このテクノロジーはIPアドレスなど多数の「シグナル」を総合してあるアカウントが真正な身元を用いておらず、別のアカウントと同一のユーザーが開設したものだと判定する。…新たに設置されたアカウントと会話するためには、最初のユーザー側が明示的にコンタクトを行う必要がある。

Facebookはまた特定のメッセージを無視する機能を設置した。指定されたメッセージは以降、通知ボタンに表示されず、自動的にフィルターされて「フィルターされたメッセージ」のフォルダに入れられる。

「フィルターされたメッセージ」に保管されたメッセージは送信者にメッセージを開いたことを知られずに内容を読むことができる。現在この機能は1対1のメッセージで有効だがFacebookのブログによれば、近くグループメッセージにも拡張されるという。

Facebookによれば、多くの分野の専門家と協力してユーザーの安全を守るためのさまざまな機能の提供に努めているという。ブログ記事でDavisはFacebookはNational Network to End Domestic Violenceと協力しており、多くのジャーナリストからハラスメントについて詳しい情報を集めていると述べている。

今月に入ってFacebookはハラスメントやいじめに対処する部内規則を明らかにした。またこうしたハラスメントやいじめの報告を受けた場合に取られる調査や対処に関するプロセスも発表した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

女性が嫌がらせや差別に立ち向かうようになった理由

この夏シリコンバレーでもちきりの話題:UberSoFiのCEOが、性差別や嫌がらせを内部告発されて辞任に追い込まれた。著名なベンチャーキャピタリストたちが女性に訴えられて職を失った。たとえば500 StartupsのDave McClureは、自社に就職を希望したSarah Kunstに対する不適切な対応を告発された。

職場での嫌がらせは新しい話ではないが、今はかつてないほど話題にのぼっている。こうした女性たちに声を上げさせたものは何だろうか。

TechCrunch Disruptのステージに上がったKunsは、ほかの女性たちが自身の体験を話すのを見て勇気づけられたと言った。「Elen Pao やSusan Fowler等の女性が話すのを見て、すべきことはこれだと気づきました」。当初彼女は、問題を個別に話したが問題は解決しなかったと言う。

Prodayのファウンダー・CEOになったKunstは、こうした問題を議論することが受け入れられていない職場が多すぎると言う。「もしあなたがマネージャーで…いじめや差別を受けたという問題を申し出る人が一人もいなかったら、社内にオープンなコミュニケーションの雰囲気を作っていない」とKunstは言う。つまり、そういう問題はいたるところで起きていてありふれていることを示唆している。

パネルにはGoogleの元幹部で現在DropboxやTwitterなどの会社で幹部にアドバイスを与えているKim Scottも参加した。Scottは “Radical Candor” という本を書いている。そして、Insight Venture PartnersのマネージングディレクターでParity Partnersでも取締役を務めるHilary Gosherも加わった。

「二度と仕事につけない、と女性が言われている限り、進言すれば生活があやうくなる」とScottは言う。「早く問題にすることが重要だと教えている。大げさにしないことで、後で大爆発が起きるのを防げる。」

Gosherは、「人は強制されなければ変わろうとしない」と信じている。彼女は、Uberの劇的な状況は、他のリーダーに対する警告と捉えるべきだと言う。「Uberを始めとするいくつかの取締役会は、事態が決定的になるまで何カ月も見て見ぬふりをしてきた」。

会話は主としてソリューションを中心に進められ、職場を改善して誰にとってもオープンな場所にするために、男性と女性に何ができるかに集中した。

上のビデオで討論の全編を見られる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleのSundar Pichai、女性差別発言に関する社内ミーティングを中止。オンライン嫌がらせを懸念

GoogleのCEO Sundar Pichaiは、今や元社員となったエンジニア、James Damoreの男女差別に関する発言について、今日の午後全社ミーティングを行う予定だった。しかし開始直前、Pichaiはミーティングを中止したことを社員にメールで伝えた。 Recodeが報じた

ミーティングの場で発言し質問をすると、ネット上で嫌がらせを受けるのではないかと、一部の社員が恐怖を感じているためだ。

「いつものように率直でオープンな話し合いによって、一つになって前進できることを望んでいた。しかし、今日の午後社内の書き込みが外部に漏れ、一部のウェブサイトでGoogle社員の名前が載った。一部の社員から、ミーティングで質問すると嫌がらせを受けるのではないかと心配する申し出があった」とPichaiが社員宛てのメールに書いた。

Pichaiは数日前に休暇を切り上げ、問題のメモが起こしたトラブルに対応した。Pichaiは休暇から戻って以来多くの社員と、そのメモおよびDamoreの解雇について話してきた、と今日の社員宛てメールに書いた。

「大多数のみなさんは我々の決定を大いに支持してくれている。少数の人たちは、われわれがもっと行動すべきだと思っている。そして、社内で自由に発言できないことを心配する人たちもいる。みんなの声と意見はすべて重要だ…そして私はそれを聞きたい。

今日ミーティングが行われることはないが、近々Google社員が集まって、先週起きた出来事について自由に語ることができそうだ。Pichaiのメモの全文はRecodeで読める

Megan Rose Dickeyとは、Signal経由415-419-9355で安全に連絡できる。メールのPGP公開鍵は:2FA7 6E54 4652 781A B365 BE2E FBD7 9C5F 3DAE 56BD

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterの卵アイコン廃止は、迷惑ツイート削減には役立たず?!

ツイッターの世界に嫌がらせ(ないし迷惑)ツイートがあるのは誰もが知っての通りだ。迷惑ツイートを行う利用者を一時的ないし永久に追放するような対策もとられてはいるが、どうも効果を示していない様子。

そうした中でTwitterは、少々的外れに見える対策をとるにいたった。すなわち、これまでの卵アイコンを放棄してみようと考えたのだ。

TLNRなブログ記事によれば、Twitterを利用し始めたばかりの人に割り当てていた卵アイコンを、上半身のシルエットを描いたユニセックスなアイコンに変更することにしたとのこと(訳注:ブログ記事の投稿日付は3月31日)。

Twitterでは2010年以来、新たなアカウントでは卵アイコンが表示されるようにしていた。いまではこの卵アイコンはすっかりTwitterブランドの一部として認知されるまでになっている。熱心なTwitter利用者ならずとも、Twitterの卵アイコンは知っているという人も多い。CNNなどで政治家やセレブのツイートを映すとき、画面には卵アイコンが表示されることも多い。

今回の変更についてTwitterはいろいろな理由を挙げて説明している。個性のない一般的なアイコンを使えば、利用者が独自のプロフィール画像をアップロードしたくなるのではないかというのは、確かに一理あるところかもしれない。

ただ、迷惑ツーとの解消のため、というのはどうだろうか。

迷惑ツーとをする人の多くが卵アイコンであることは事実かもしれない。「ネガティブな振る舞いをする人と卵アイコンには関連があるように見える」と、Twitterは考えているようなのだ。

しかしそれは事実だろうか。

おそらくは、卵アイコンから発せられた迷惑ツイートが、新しいアイコンから発せられるようになるに過ぎないように思われる。デフォルトアイコンの変更は、傷を覆い隠す絆創膏のようなものに過ぎず、結局のところ迷惑ツイートを減らすようなことにはならないと思われる。

どのようなアイコンが用いられているにせよ、迷惑ツイートは迷惑ツイートで、そして卵アイコン以外からの迷惑ツイートも多数存在しているのだ。

Twitterは、役に立たない「対策」のために、自らが生み出した独自のキャラクター(卵アイコン)を葬り去ることになってしまうわけだ。@リプライいいね導入のときと同様に、小手先のことにこだわっているように見えなくもない。

問題は卵アイコンではないのだ。より根本的で実効的な解決策を講じるべきだと思われる。

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(翻訳:Maeda, H

“Elephant in the valley” の調査でわかった「IT業界で女性が直面する問題」

io-elephant

Ellen Pao対Kleiner Perkins Caufield and Byersの裁判における会話に端を発し、調査集団の“Elephant in the Valley”は、IT業界の女性200人以上 ― 全員が10年以上の経験を持ち大多数(91%)がサンフランシスコ・ベイエリア在住 ― を対象に、この業界で働くことがどういうものかを聞いた。

「私たちは、多くの女性が職場で同じような経験をしているの一方で、多くの男性が、職場で女性が直面する問題に気付くことなく驚くだけだということに気付いた」と、共同執筆者のTrae Vassallo、Ellen Levy、Michele Madansky、Hillary Mickell、Bennett Porter、Monica Leas、およびJulie Oberweisが調査サイトに書いている。「膨大な情報格差を解消するために、私たちはデータと体験談を集めることにした」。

調査の焦点はフィードバック、昇進、受入れ体制、無意識の偏見、母の立場、ハラスメント、および安全に当てられた。ウェブサイトでは、調査結果の他、IT業界の女性が投稿した匿名の体験談も読むことができる。特に憂慮すべきデータは性的嫌がらせに関するものだった。調査対象者の60%が、迷惑な性的要求を受けたことがあると答え、3人に1人は職場環境が原因で個人の安全に脅威を感じている。

「ある男性VCから、花やプレゼント、さらにはミックステープまでが数ヵ月に渡って贈られた」と一人の女性は書いている。「別の出資社CEOは「私が歩くところを見る」ためにドアで私を先に行かせたが、上司は笑って済ますよう私に言った。他のVCは既婚女性が好きだからと言って私の手を持った。(私は既婚者)」

他に目立ったデータを以下に挙げる。

  • 47%の女性が、メモ取りや食事の注文等、男性が頼まれないような低レベルの仕事を依頼されたことがある。
  • 66%の女性が、性別が理由で重要な交流イベントから除外されたと感じている。
  • 75%の女性が、インタビューで家庭生活、未既婚、子供等について聞かれた。

家族への影響について、ある女性はインタビュワーから仕事をする時間があるかと尋ねられ、それは「小さな子供のいるママだから」という理由からだった。別の女性は、「将来君が仕事を辞めて子供を作らないという保証はあるのか?」と聞かれたと書いた。

是非、Elephant in the Valleyのサイトで他の体験談も読まれたい。またRe/Codeのポッドキャストでは共同執筆者のうち、VassalloとMadanskyのインタビューを聞くことができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook