今日のMicrosoft Windows 10イベントのハイライト

今日(米国時間1/21)はWindowsデイだった。シアトルの本社キャンパスだ開催されたプレスイベントでMicrosoftははWindows 10関連の情報を大量に公開した。最大の驚きはWindows 10へのアップグレードが1年間無料とされたこととHoloLensという拡張現実ヘッドセットとそのソフトウェア、Windows Holographicの発表だった。その他にも多数の重要な発表があったので、9点を以下にまとめておこう。

1. Windows 10のベータテスターは170万人

Windows 10は現在テクニカル・プレビュー版が公開されているが、そのベータテスターは170万人に上るという。ベータテスターの数として多いが、製品版のユーザーが10億人になることを考えるとおドルクにはあたらない。

2. Windows 10へのアップデートは1年間無料

喜べ! Windows 10は無料だ! Windows 7、8.1、Windows Phone 8.1のユーザーがWindows 10へアップグレードする場合、リリース後1年間は無料。おそらく次の次のWindows(11?)以降もリリース後1年は無料になるのだろう。

3. モバイル版Windows 10はデスクトップ版と同期、通話とメッセージでSkypeを統合

スマートフォンとタブレットもWindows 10になる。モバイル版の情報はまだ少ないが、ルック&フィールはWindows 8.1にごく近いものになるようだ。通話、メッセージともSkypeが統合されて利用できるようになる。

4. モバイル版Windows 10には無料でOfficeアプリがバンドル

タッチ操作に最適化されたWord、Excel、PowerPointがWindows Phone(スマートフォン、タブレット)に標準搭載される。

5. Windows 10のXboxアプリはゲームをソーシャル化する

Windows 10でXboxアプリを動作させることにより、Microsoftはゲームのクロスプラットフォーム化を進める。ある意味ではFacebookのような存在になるが、赤ん坊の写真ではなくゲーム・プレイのプラットフォームとなる。

6. Windows 10にはまったく新しいブラウザ、Spartanが搭載される

Windows 10にはIEに並んでまったく新しいSpartanブラウザが搭載される。パフォーマンスとUIが大きく向上し、PDFのマークアップなど新機能が数多く追加される。

7. Xbox OneゲームがWindows 10パソコンにストリーミングされる

Windows 10ではストリーミングによってパソコンや大型タブレット上でXbox Oneのゲームがプレイできる。PS4のリモートプレイと似ているが、Windows 10が作動するすべてのパソコンでプレイできるので実用性はより大きい。

8. Microsoft、Windows上の拡張現実プラットフォーム、Windows Holographicを発表

目の前の現実世界の上にリアルな3DI映像を重ねて表示する拡張現実が提供される。Microsoftはこれに「ホログラム」というブランド名を与えて一般ユーザーへのイメージの浸透を狙っている。NASAと協力して火星探査機をこの拡張現実で操作する計画も発表された。

9. Microsoft HoloLens

MicrosoftはWindows Holographicを表示する独自のヘッドセット、HoloLensを発表した。われわれのWilhelm記者は大いに感銘を受けた。透明なスクリーンにリアルな3Dオブジェクトの映像が重ねて表示され、ユーザーはジェスチャーなどさまざまな方法でこのバーチャル・オブジェクトを操作できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


NASAとマイクロソフト、ホロレンズを使って火星での遠隔作業を可能に


MicrosoftとNASAが協力して、赤い惑星での遠隔作業を現実にしようとしている。新たに発表されたHoloLensヘッドセットとそれをサポートするWindows Holographicテクノロジーを使用する。このプラットフォームはOnSightと呼ばれ、カリフォルニア州パサディナにあるNASAのジェット推進研究所(JPL)で開発されている。火星探査機キュリオシティーをテレプレゼンス・ロボットのように使い、科学者が比較的快適な地球で作業することを可能にする。

キュリオシティーから送られたデータを使って、OnSightのソフトウェアが火星表面の3Dシミュレーションを行い、科学者はバーチャル環境を物理空間に投影するHoloLensのおかげで、直接調べることができる。その後科学者はキュリオシティーの操作対象を一人称視点から確かめ、今後探査機の作業計画を練ったり、予想される結果のシミュレーションを見たりするることができる。

Microsoftがヘッドセットで使用しているHoloLensとホログラフィック・コンピューティングは、火星の地形を3Dで送ってくるだけではない。画面上に、距離、センサーデータの値、その他補促情報を重ね合わせることによって、使用者が他の端末へ調べに行かなくても、キュリオシティー視点のまで作業を続けることができる。

OnSightは、JPLのロボット制御による宇宙船および探査装置に関する、現在進行中の研究の一環であり、これは人間が現地に出向く前に、火星へのロボット計画がもっと見られるかもしれないことを意味している。キュリオシティーのOnSightテクノロジーを利用した作戦は、年内にスタートする予定であり、2020年火星探査ミッションには、HoloLensおよびMicrosoftのクレイジーな拡張現実イノベーションが入るだろう、とNASAは言っている。

私は小説『火星の人』をまさに読み終えたところなので、これを言わずに記事は終れない。もしHoloLensとOnSightがあの近未来フィクションに存在していれば、マーク・ワトニーの救出にさぞかし役立ったことだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Microsoft、現実世界に重ねて3D映像をホログラム的に表示するヘッドセット、HoloLensを発表

今日(米国時間1/21)、Microsoftはシアトルの本社キャンパスでWindows 10イベントを開催し、Windows 7、8からWindows 10へのアップグレードは無料となると発表したが、同時にWindows 10に新たに追加されたホログラム機能についても時間を割いて詳しく説明した。この中で現実世界とホログラムのバーチャル世界を融合させるヘッドセットを開発していることが発表された。

このヘッドセットはHoloLensと呼ばれ、Microsoftによれば「Windows 10とおおよそ同時期にリリースされる」ということだ。HoloLensヘッドセットはワイヤレスでコンピューターやスマートフォンとペアリングしなくても単独で機能する。ヘッドセットはCPU、GPUに加えて、ホログラフィー処理に特化した独自のHPU(ホログラフィック・プロセッシング・ユニット)を備える。 外観は下の写真のとおりだ。

HoloLenはGoogleのGlassやOculus Rift、またMagic Leapのミステリアスなハードウェア、Sulon Cortexなどとライバル関係になるプロダクトといえるだろう。HoloLensはOculus Riftなどとは異なり、Google Glassと同じく外界が透視できるタイプだ。Sulonも外界にホログラムを重ねて表示するタイプだが、バイザーは完全遮蔽で外界映像はバイザーの上部のカメラから供給される。MicrosoftのテクノロジーはGlassのように直接外界を見ることができ、Sulonのように高度な3Dグラフィックスが重ねて表示されるという「いいとこどり」だ。これによってユーザーのVR体験の現実感は大きく高まりそうだ。

HoloLensヘッドセットはWindows 10のホログラム能力に依存するということだが、デバイスもWindows 10のホログラムもまだ直接テストする機会がない。テストできたらアップデートする。

いずれにせよ、Microsoftが独自のハードウェア開発に一段と力を入れてきたことは確かだ。ただし、プレゼン後の質疑応答によれば、希望するサードパーティーには独自ブランドで製造をライセンスするという。

デモの中でMicrosoftのOS担当執行副社長、Terry Myerson自身がホログラムになり、シェークスピアのハムレットのデンマーク王の亡霊よろしく「私はホログラムだぞ」と宣言した。

HoloLensの最初のユースケースは対話的リモート・プレゼンスだというが、エンジニアリング、サイエンス、デザインなどの分野での研究、開発に巨大な可能性があることはもちろんだ。さらに一般に普及するかどうかはユーザー体験の質が決め手になるだろう。Google Glassも含め、拡張現実はユーザー体験という入り口でつまづきを繰り返している。しかしHoloLensはこの点でこれまでの試みよりも質が高そうで、普及にも期待が持てる。

MicrosoftのCEO、サティヤ・ナデラはHoloLensを使ってNASAのマーズ・ローバー探査機を一人称視点で操縦するという例を重要なユースケースの例として挙げた。それはたしかにすごい経験になるだろう。さいわい、われわれはこの後、HoloLensの実機をテストするチャンスがあるという。SFがついに現実になるのを体験できそうだ。

それにしてもMinecraftがHoloLensのようなデバイスを開発するとは!

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+