作物/農地のスペクトル画像から適切な営農診断をするCeres Imagingが$25Mを調達

アグテック(agtech, 農業+テクノロジー)のスタートアップCeres Imagingは、コンピュータービジョンとスペクトル画像(spectral imaging, 分光イメージング)を利用して、作物に関するインサイトを農家に届ける。同社はこのほど、 Insight Venture Partnersが率い、Romulus Capitalが参加する投資ラウンドにより2500万ドルを調達した。同社の調達総額は、これで3500万ドルになる。

この前のシリーズAの資金調達以来同社は、対象作物をこれまでのブドウ園や果樹園から、大豆や小麦のような列状作物にも広げてきた。これらの作物は単位面積あたりの利益は低いが、同社の業容をスケールアップし、大規模な問題に挑戦する機会を与える。

Ceres ImagingのCEO Ashwin Madgavkarは、こう声明している: “われわれの画像技術により農家は、気候変動や人手不足、市場の低迷などの問題に前向きに対応できるようになる”。

上空からの画像で作況分析を提供するスタートアップは多いが、Ceres Imagingはドローンには固執せず、むしろ同社独自開発の機器を搭載した、人が操縦する航空機を利用して、自動化ではなく手作業的に画像データを集める。

そのようにして撮った画像データは、人間の肉眼に見える像からはほど遠い。それらのスペクトルデータを分析して、作物の水分や栄養分の状態が分かる。そのデータは被害の早期警報にもなり、アメリカとオーストラリアの顧客に、必要な肥料や灌水、農薬などの情報を提供する。

画像クレジット: @SelimAzad

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ソフトウェアテスティングの自動化ツール「Tricentis」がInsight Venturesから1億6500万ドルを調達

Portrait of girl lighted with green numbers

企業の開発チーム向けにソフトウェアテスティングの自動化ツールを提供するTricentisは本日、Insight Venture Partnersから大量の資金を調達した ― 正確にいえば、1億6500万ドルだ。同時に、Insightのマネージング・ディレクターであるMike TriplettがTricentisの取締役に就任することも明らかになった。

従来のソフトウェア開発の現場では、プロダクトを市場に送り出すまでに数カ月もの時間がかかっていた。ソフトウェア・テスティングを行うためには、フロントエンドのインターフェイスからバックエンドのコネクターにいたるまで、プログラムの隅々をテストするためのスクリプトを書かなければならない。しかし、ソフトウェアの中身が変更されると過去のスクリプトをそのまま利用することはできず、多大な時間をかけ、マニュアルで修復作業を行う必要がある。

今よりも物事がゆっくりと進んでいた過去の時代は、それで上手く行っていた。しかし、これまでよりも頻繁にプログラムのアップデートが行なわれるようになり、それに適した素早いソリューションが必要とされている。そこでTricentsの出番だ。

Tricentis CEOのSandeep Johriは、同社のサービスについてこう説明する。「私たちが行うのは、GUIとAPIの両方を対象にしたアプリケーションのスキャンです。それによって、コードの内容をネイティブに解釈していきます。私たちはそのアプリケーションがビジネスの文脈でどのように機能するかを解釈し、理解して、テスティングの土台を構築していきます。その後、.NET、HTML、Javaなど、想定されるものすべてに対してテストを行います」。プログラムがアップデートされたら、再度スキャンをし直すだけでいい。

Insightはこのアプローチに目をつけた。従来のウォーターフォール式のソフトウェア開発手法から、モダンなアジャイル式へとシフトしつつある企業のソフトウェア開発現場。そこで生まれる大きな問題を解決するのがTricentisだ。

Tricentisに似た機能を提供するオープンソース・ツールはすでに存在しており、そのようなツールを利用する企業も多い。それについてJohriは、Tricentisが顧客として抱えるのは複雑な環境下にさらされている企業がほとんどであり、そのような環境においては、Tricentisのオートメーション化のスピードにかなうツールは他にないと語る。

Johriに取材してみた限りでは、彼はTricentisのバリュエーションを公開するつもりはないし、それについて心配をしているようにも見えない。Insightという単独投資家を持てたことに幸せを感じるとJohriは語る。さらに彼は、「ユニコーン」と呼ばれるような過大評価された企業は、従業員や投資家に対してそれに見合う価値を現実化できていないのではないかと話す。

Tricentisは2007年にオーストラリアで創業した。現在は主に、ドイツ、スイス、オーストリアなどドイツ語圏の国でツールを提供している。同社は、その6年後の2013年にシリーズAで700万ドルを調達し、本格的なビジネス拡大を決断した。

同社はこれまでに400社の顧客を獲得しており、現在260人の従業員を抱えている。Tricentisの開発チームは今もオーストラリアに拠点を置いている。1億6500万円を手にした同社は今後、営業およびマーケティングチームの強化を図るようだ。Tricentsはこれまでバーンレートを低く抑えてきたとJohriは話す。彼は、今後もそれを変えないようにしたいと話しているが、戦略的買収のチャンスは探し続けていくという。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

学童向けと企業内学習向けの教育テクノロジ企業InstructureがIPO直後に8%上げる好調ぶり

c5c6b12eda24466c9f7d611720854af7-compressor

ユタ州の教育テクノロジ企業Instructureが金曜日(米国時間11/13)に、ニューヨーク証券取引所に上場した。16ドルでスタートした株価は、午後の早い時間に8%上がった。

Instructureはまだ利益が出ていないが、K-12用と企業内の学習用に教育ソフトウェアを提供している。Blackboardのコンペティタである同社は、そのプロダクトのユーザが世界25か国1000万人いるという。

CEO Josh Coatesによると、今は教育テクノロジに“大きなルネッサンス”が起きている。これまでは教育へのテクノロジの導入が、とても不十分だった、これからは違う、と彼は言う。

Instructureの学童向けCanvasソフトウェアは、Blackboard以外にも、Desire2LearnやMoodleなどと競合する。同社の社内教育サービスBridgeは、Cornerstone OnDemandやSaba Software、SumTotal Systemsなどと競合する。

2008年に創業されたInstructureはこれまで、OpenView Venture Partners、Epic Ventures、Bessemer Venture Partners、およびInsight Venture Partnersなどから計8000万ドルを調達している。IPO前の最大株主はOpenView(22.5%)とEpic(21.8%)だった。

ユタ州のテクノロジコミュニティそのものが、最近はルネッサンスを迎えている。ほかにも、PluralsightやQualtricsがもうすぐIPOしそうだ。

Coateは語る、“ユタのエコシステムは今ものすごく伸びているね。上場寸前のような元気な企業が5社以上はいるよ”。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Dockerが早くもシリーズDで$95Mを調達…エンタプライズ需要への対応に備える

docker-google

2年前にコンテナ人気に火をつけた張本人であるDockerが今日、シリーズDで9500万ドルを調達したことを発表した。このラウンドをリードしたのはInsight Venture Partners、新たな投資家としてはCoatue、Goldman Sachs、Northern Trust、既存の投資家ではBenchmark、Greylock Partners、Sequoia Capital、Trinity Ventures、それにAME Cloud Venturesが参加した。

Dockerのエンタプライズマーケティング担当VP David Messinaによると、このラウンドには数社の金融企業が参加しているのが、おもしろい。スタートアップへの投資にはあまりない現象だが、今ではあらゆる種類の企業や団体のデベロッパチームがDockerをサポートするようになり、彼らがDockerを重要なプラットホームと見なしていることの表れだ、とMessinaは言う。

たとえばGoldman Sachsのグローバルなテクノロジ部門を率いるDon Duetは、今日の声明文の中でこう言っている: “弊社の技術者たちがDockerのオープンソースプラットホームを発見して使い始めたとき、彼らはたちまち、それがアプリケーションに提供するポータビリティに感銘した。それに開明されて弊社は、Dockerの技術をベースとするアプリケーションの、パッケージングとシッピングと実行のための標準化されたインフラストラクチャへと向かっていった”。

Messinaは、それほど緊急に資金が必要だったわけではない、と強調した。むしろ彼によると、同社はシリーズBの資金の多くがまだ手つかずだ。しかしDockerのチームは、必要に応じていつでもスケールアップできるために、今の勢いに乗って資金を確保しておこう、という決定をした。

現在Dockerは、市場開拓に大きな投資をしているが、それと同時に、プラットホームの能力をネットワーキングやセキュリティ、ストレージツールなどの方面にも拡充するための、技術面への投資も怠ってはいない。その一つの例としてMessinaは、ソフトウェア定義ネットワーキング(SDN)のSocketPlaneの買収を挙げた。Dockerはまた、社員も急速に増やしている。今現在の約120名は、1年前の4倍近い。

Messinaがもうひとつ強調するのは、このラウンドが今後のエンタプライズ対応のためであることだ。彼が挙げた最近のEnterprise Technology Reportの調査は、685社のCIOを対象とし、彼らのDockerへの投資意思は、6年間続けてきたこの調査の全対象アイテム中でも、記録的に高かった。Messinaはまた、今Docker Hubのベータに参加している企業の約50%がFortune 100企業だ、と述べた。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa