これまで1年あまり、公開でアルファとベータをやってきたVivaldiブラウザーが今日(米国時間4/5)、1.0のリリースにこぎつけた。
Vivaldiは、Operaの協同ファウンダーで元CEOのJon von Tetzchnerが立ち上げ、パワーユーザーのためのブラウザーである、と誇示している。一部のユーザーとvon Tetzchnerと彼のチームは、そのほかのブラウザーベンダはパワーユーザーを無視している、と信じている。
Vivaldiの、パワーユーザーのための機能は、たとえば、キーボードショートカットをユーザーがカスタマイズできる、コマンドライン的なインタフェイスを使える、マウスジェスチャーをサポートしている、タブのスタックを作れるなどなど多様なカスタマイズ機能だ。たとえば、タブをウィンドウの下や右に置く、といった細かいこともできる。HTMLのレンダリングにはGoogleのBlinkエンジンを使用し、Chromeのエクステンションも使える。
最後の二回のリリースでチームは細部の磨き上げに注力し、1.0まであと一歩、という段階に達した。von Tetzchnerによると、チームは今、このブラウザーが安定に達し、機能も完全、1.0のリリースに十分耐える、と感じている。
ベータに関してvon Tetzchnerは、“反応はきわめて良好だった”、と言っている。“自分たちがやってきたことを、多くの人たちが気に入ってくれて、確かに人びとが求めているものを提供できる、と確信できたことは、最高にすばらしい”。
しかし彼の告白によると、最初のうちは、新しいブラウザーの方向性や、その構築に必要なツール、ライブラリなどについて方針が明確でなかった、という。
Vivaldiは今や1.0だけれども、von Tetzchnerは、あと二〜三の機能をすぐにでも加えたい、と考えている。たとえば、最初の約束にはメールクライアントの統合があった。Operaも、最初はそうだった。しかし結局、1.0には間に合わない、と決断した。von Tetzchner曰く、“メールクライアントは簡単に作れるものではない”、しかしこれからは、もっと多くの技術者をそっちに回せるそうだ。
ブックマークのシンクや設定、エクステンションもまだない。これらはすでにロードマップに載っており、これも予定にあるVivaldiのモバイルバージョンを出すころには、重要性を増すだろう。
ただし、内蔵機能にしてほしくないもののひとつが、広告ブロッカーだ。von Tetzchnerによると、それは複雑な問題だが、Operaの昔の仲間たちがそれを今実験していることは驚きだ、という。
まだVivaldiを試したことのない人にとっては、今がその絶好の機会だろう。ぼくの経験から言っても、今のVivaldiはそのほかのメジャーなブラウザー並に安定しているし、使い慣れれば、クイックコマンドやタブのスタッキングのような他にない機能をありがたく感じる。