アマゾン、バークシャー・ハサウェイ、JPモルガンのヘルスケア合弁事業が正式に終了

やや漠然としているが、注目度が高く多額の資金を得られる可能性のあるジョイントベンチャーが終焉を迎えようとしている。CNBCの報道によると、Amazon(アマゾン)Berkshire Hathaway(バークシャー・ハサウェイ)、JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)の3社で設立されたジョイントベンチャーであるHavenは設立から3年が経過した現在、「解散」されようとしているという。主な理由の1つは、各パートナーがそれぞれのヘルスケアの課題に対して明らかに非常に異なる独自の戦略的アプローチを追求していたことであり、そもそもこの合弁事業はあまり 「共同」 ではなかったことだ。

Havenの広報担当者はCNBCに提供した声明の中で、プライマリケアへのアクセスの改善や従業員が把握しやすい保険給付パッケージなど、長年のパートナーシップから得られたいくつかの良い結果を強調した。一方アマゾンは、ワシントン州の施設の従業員のための社内ヘルスケアプログラムであるAmazon Careプログラム(未訳記事)で、独自に多くの成果を挙げた。

Amazon Careには、バーチャルと対面でのプライマリーケアの受診と処方箋の発行が含まれる。同社はこのサービスを他の事業にも拡大することを検討していると報じられており、これは当初のHaven JVと非常によく似た目的で、サービスを実際のビジネスにすることを目指していることがうかがえる。

正直にいうと、このジョイントベンチャーの設立に関する最初の発表では詳細があまり明らかにされておらず、非常に裕福な人々がクラブでキャビアや北極の氷から蒸留されたミネラルウォーターなどを飲みながら過ごしたカジュアルな午後に、共通の問題について話し合ったときに生まれるものの1つのようだったので、それが実践的なものにならなかったことは驚くに値しない。

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画像クレジット:IIIerlok_Xolms

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Amazon、JPモルガン、バークシャー・ハサウェイがヘルスケアへ――当面社員向けの福利厚生サービス

企業が非常にビッグになると従業員の医療でさえ既存の健康保険企業を頼る必要を感じなくなるらしい。すくなくともAmazon、Berkshire Hathaway、JPMorgan Chaseはそう考えたようだ。3社は共同して従業員のための新しいまったく独立の健康保険を立ち上げることにした。この会社は3社の従業員と家族向けにあらゆる医療とヘルスケアを提供していくという。

Wall Street Journalによれば、新企業設立の目的は社員の福利厚生の増進であり、「〔一般の保険会社と異なり〕利益追求の必要がないため長期的計画に基づいたサービスが提供できる」ことが特長だという。社員のヘルスケアにおいて損益計算書に利益を計上することを主たる目的とする外部の営利企業によるサービスを利用する必要を一切なくすくのが3社の最終的な目的だ。

新企業の設立を発表した声明で、Amazonのファウンダー、ジェフ・ベゾスは、「〔パートナーの3社は〕ヘルスケア市場に参入して自らサービスを提供することの困難さを十分認識している。最終的に、経済システムにおけるヘルスケアの負担を軽減し、従業員と家族に優れたサービスを提供することによってこの努力が報われるものとしたい」と述べた。

Berkshire HathawayのCEO、ウォーレン・バフェットはこれに加えて「ヘルスケアのコストの際限ない膨張はアメリカ経済に対して貪欲な寄生虫のような影響を与えている」と述べ、JPMorgan ChaseのCEO、ジェイミー・ダイモンも「アメリカにおけるわれわれの従業員と家族に優れたヘルスケア・サービスを提供し、ひいてはアメリカ全体に利益を与えたい」と付け加えた。

現在のところ新会社については、こうした理念と目的以外に詳しいことは分かっていない。しかしパートナーの3社は新会社設立にきわめて真剣だ。プレスリリースによれば、まだ「準備の初期段階」だというが、各社のトップを含む暫定経営陣が発表されている。近く長期的視野に立った組織が発足し、新本社も開設されるはずだ。

新会社の目的は、当然ながら、ヘルスケア・システムに最新のテクノロジーを導入することでサービスの質を向上させながら大幅にコストを下げるところにある。しかしダイモンのコメントにもあるように、もしこの新しいヘルスケア・システムが順調に機能すると見極めがついた場合には、3社連合は従業員と家族だけでなく、さらに広い範囲にサービスを拡大する意図があるかもしれない。

画像:JASON REDMOND/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitter株式、今年の高値をつける――JPMorganの格付け変更で好調

2017年も押し詰まったところでTwitterの株価に明るさが望が戻ってきた。もっとも今回の株高は投資家の側にややオプティミズムもあるかもしれない。いずれにせよ今日(米国時間12/18)、Twitterには2つの重要な動きがあった。

まず、TwitterはTwitterにおけるいじめやヘイトスピーチの投稿を禁止するルールを実施に移すと発表した。これは年来指摘されてきた(特に昨年から目立った問題となっている)。しかし株価の急上昇につながったのはむしろ2つ目の動き、つまりウォールストリートの有力企業、JP MorganがTwitterのレーティングをアップしたことだろう。株価の維持に苦闘しているTwitterにとってウォールストリートからの追い風は何にも増して必要な要素だ。

Twitterの株価は今朝10%近くジャンプした。時価総額に換算すれば数十億ドルのアップだ。こうなると、同様にユーザー数が頭打ちでウォールストリートにビジネスモデルを納得させることに苦闘しているソーシャル(あるいはコミュニケーション)メディア、Snapが射程範囲に入ってくる。下はTwitterの値動きだ。

この後現状のまま推移するなら、 Twitterの株価は上場後30%プラスで年を終えることができそうだ。TwitterはFacebookに比べて低調なユーザー数の拡大といじめやヘイトスピーチ問題をめぐってウォールストリートを納得させるのに苦労してきた。Snapも投資家に対してユーザー数の伸び悩みという同じ弱みを抱えている。株価の上昇は直接に利益をもたらす。ストックオプションの価値がアップするため社員や採用を希望する相手に対して有利な報酬を提供できる。また「経営の根本的な刷新」を叫ぶ「もの言う株主」を遠ざけるにも役立つ。

Twitterのような上場株式の場合、値動きは荒っぽいものになりがちだ。四半期決算の発表や有力な証券会社のレーティングの変更などなどは大幅な株価の上下の原因となり得る。Twitterはこの1年かなり大きな値動きをみせてきたが、結局のところ楽観的な方向で年末を迎えることができそうだ。Twitterのビジネスは本質的にMAU(月間ユニークユーザー数)に左右される。しかしTwitterは株式市場から好意的な評価を引き出すべくストーリーを売り込むことにやっきなっていた。

今朝の時点でSnapの時価総額は195億ドルであり、182億ドルのwitterとはほとんど差がない。Twitterのプロダクトのアップデートは小刻みなものが多い。最近のメジャーアップデートといえば最大文字数をアルファベット文字圏で140文字から280文字に倍増させたことくらいだ―この変更もまたハラスメント問題の解決に逆行するという非難を浴びた。こうした問題に対処すべく、Twitterでは(今朝発表された変更も含めて)、広汎な利用規約の改正を行っている。

画像: Yana Paskova/Bloomberg/Getty Images

〔日本版〕NASDAQによれば、JPmorgan ChaseはTwitterの格付けをholdからoverweightに変更した。JPmorgan Chaseではアナリストの分析結果をbuy(買い)、overweight(強含み)、hold(中立)、underweight(弱含み)、sell(売り)の5段階で表示している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+