Facebookが親しい人とだけつながれるApple Watchアプリを試験展開

Facebook(フェイスブック)内のR&Dグループが米国時間4月14日、Apple Watchを通じて仲の良い友達とつながれる新しいアプリを発表した。このアプリはKit(Keep in Touch)という名称で、QRコードそしてFacebookがすでに展開しているMessengerサービスと一緒に使用する。

App Storeにある説明によると、使うにはまずApple WatchのQRコードを最初にスキャンするか、fb.com/devicesでアクセスコードを入力する。そして、Kitを使ってつながりたい人をMessengerの連絡先から選ぶ。

するとワンタップであらゆる種類のメッセージを送ることができるようになる。音声録音、絵文字、位置情報共有、走り書き、そして口述メモなども含まれる。Apple WatchからiMessageを使うのに似ている。しかしこれらのメッセージはSMSやiMessageではなくFacebookのMessengerサービス上で送信される。

新しいアプリではまた、通知を受け取ったり、送られてきたメッセージを読んだりすることもできる。

アプリの目的はユーザーがスマホを手にしなくても人とつながれるようにすること、とApp Storeの説明にはある。

FacebookのMessengerは既にApple Watchをサポートしているが、Kitは親友や家族といったかなり親しい人とつながることにフォーカスしている。そのため、小さなスクリーン上でメッセージを読んだり返信したりするApple WatchのMessengerとは異なるユーザーインターフェースや体験になる。

Kitは、FacebookのR&D部門であるNPE Teamが手がけた最新のアプリだ。NPE Teamは新しいアプリのコンセプトをテストしており、これまでにミームクリエイターのWhale、会話アプリのBump、音楽アプリのAux、ビデオアプリのHobbi、そして最新のものではカップル向けのアプリTunedなど、さまざまな新しいソーシャルアプリを生み出してきた。しかしユーザーを引きつけられないアプリはすぐに停止するとFacebookが以前語っていたように、それらのアプリの中で今日まで残っているのはわずかしかない。

これまでにNPE Teamが手がけた新しいソーシャル体験ができるアプリはFacebookの既存のプロダクトとつながっていなかった。KitはMessengerとつながっている。Messengerの10億を超えるユーザーにアピールするものであり、さらなるオーディエンスを取り込むことになるかもしれない。加えてKitは、新型コロナウイルス(COVID-19)により、人々が公共スペースにいるときや手袋をはめているときにスマホを触らないようにしている現在、極めて役立つものであると証明できるかもしれない。Kitではスマホを使わなくても親友や家族からの大事なメッセージに答えることができる。

Kitはまた、NPE TeamがApple Watchで展開する初のアプリという点でも特筆すべきものだ。

Facebookは通常NPE Teamの実験についてコメントせず、利用可能になったことを発表する。

Apptopiaのデータによると、Kitはまだ新しくApp Storeランキングに入っていない。現時点ではカナダでしか利用できないようだ。

無料でダウンロードできるiOSアプリだが、Apple Watchでのみ使える。

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(翻訳:Mizoguchi

Shopifyの仮想ショップアシスタントKitが完全無料化、どのお店でも各種スキルを利用できる

誰でもネットショップを開けるサービスShopifyが、昨年買収した仮想アシスタントKitを全会員無料にし、その機能を、同社の‘誰もが商店主になれる’サービスの基本部分にした。それまで有料だったサービスが無料になることによって、そのカバー範囲が広がり、またShopifyのユーザーのためにできること…Kitの‘スキル’…も多様化するだろう。

Kitは、Shopify上の商店主たちのための“仮想社員”だ、と言われる。彼(彼女?)はご主人のお店に接続し、Facebookなどいろんなところにいる顧客に対応して、お店の内向きと外向き両方の雑務やマーケティングの管理を取り扱う。この仮想アシスタントにはスキルのライブラリがあり、在庫管理や、Facebook上の広告の動的調整、新しい顧客にメールを送る、ご主人のお店のさまざまな側面について報告をする、などのスキルがすでにある。そしてこれらのコントロールはすべて、Facebook MessengerやTelegram、SMSなどの対話的なインタフェイスから行える。

Shopifyによると、Kitはすでに広く採用されていて、これまでに800%増加した。またFacebookの広告からの来店は、Kitがある場合とない場合で5倍の差がある。無料になったからには、もっと多くのお店に採用してほしい、と同社は願っている。

Kitの協同ファウンダーMichael Perryによると、“ShopifyがKitに目をつけて買収しようとしたとき、われわれの眼前にあった実におもしろい課題は、‘誰かがお店を開くのを助けるのはよいけど、そこの最初の社員を5分以内に確保するにはどうするか?’だった”。彼の言うには、無料にしたのもShopifyの本来のミッションにKitが貢献できるためだ。“これはきわめて、ミッション意識に駆られての意思決定だ。われわれにも、Kitを単独で売り物にする気はまったくない”。

むしろKitが目を向けるのは、スキルのマーケットプレースSkillsで、そこを収益源にしたい。しかしその中心的な機能は無料にして、誰もが使えるようにする。現時点でスキルは20あるが、2018年にはスキルライブラリの拡大が同社の最大の課題の一つになる、とPerryは語った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))