Adobe LightroomがMac App Storeにサブスクで登場

プロ用の写真編集ツールであるLightroom(ライトルーム)が、Mac App Storeで入手できるようになった。Adobe(アドビ)の主要なアプリとしては、模様替えしたMac App Store上で最初のものとなる。Mac App Store上のAdobe製アプリには、より手軽に使えるPhotoshop Elementsもあるが、プロ用アプリとしては今のところLightroomが唯一のものだ。

Photoshop Elementsには、70ドル(日本では8400円)という最初に1回だけ支払う買取価格が設定されているのに対し、Lightroomは同社製品の近年の傾向を反映して、サブスクリプションモデルを採用した。月額の料金は10ドル(日本では1100円。年払いでは1万2800円)となっている。Apple(アップル)も、Lightroomの登場を歓迎しているようで、現在Mac App Storeのホームページのトップで紹介している。

Appleは、デベロッパーが開発したアプリを、Appleが用意したチャンネル、つまりApp Storeを介して供給する仕組みを用意してきた。それも、現在押し進めているコンテンツ中心のアプローチにつながっている。しかしMac用のApp Storeについては、iOSデバイス用のApp Storeに比べて、それを徹底するのが難しかった。これまでのmacOSは、いろいろな意味で独自の環境を維持してきたからだ。とはいえ、Project Catalystの登場によって、複数のプラットフォーム上で動作するアプリを開発することも、デベロッパーにとってかなり簡単なものになるはずだ。

Lightroomも、Microsoft(マイクロソフト)のOffice 365など、Mac App Store上の大物アプリの仲間入りを果たした。ちなみにOffice 365も、同様にサブスクリプションとして課金するシステムを採用している。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Apple、Mac App StoreにとうとうOffice 365を追加、サブスクリプション可能に

世界中で期せずして起きた拍手が聞こえるだろうか? 今日(米国時間1/24)、AppleはMac App StoreにMicrosoftのOffice 365を追加した。パッケージにはWord、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNoteが含まれる。

Appleのワールドワイド・デベロッパー・リレーションズのシニア・ディレクター、Shaan Prudenは「昨年われわれがApp Storeをリニューアルした際、アプリ内で課金を行うサブスクリプション・ベースのソフトウェアの登録を可能にする改革を行った」と述べた。サブスクリプションでの利用を基本とするOffice 365がMac App Storeに登録できないことがAppleとMicrosoftの協力関係を前進させる上で大きな障害となっていた。

「リニューアルではMicrosoftとの協力関係を念頭に置いた。 Office 365をMac App Storeから利用できるようにするためにサブスクリプションのサポートが必須だった」という。

MicrosoftのOffice 365担当コーポーレート・バイスプレジデントのJared Spataroは「MicrosoftはOffice 365を一連のソフトウェアをバンドルしたサブスクリプション・パッケージとして販売している。ユーザーが個別アプリのダウンロードとインストールをおこなう必要をなくし、プラットフォームによらず同一のユーザー体験を提供したいからだ」と説明している。

Mac上のPowerPoint: Apple

Spataroはまた「これまでMacユーザーはMicrosoft、またはサードパーティーのリテラーのサイトを訪問してOffice 365のサブスクリプション・パッケージを入手することができた。しかし今日のAppleの発表は365を含むサブスクリプション・アプリがMacの環境に一体化して組み込まれたことを意味する。これによりmacOSの標準的作法によってインストールもアップデートも行われることになった」とメリットを強調している。【略】

アメリカでのサブスクリプションのホーム版の価格は個人が年額69ドル、ファミリーが99ドルだ。ファミリー版の場合は同一家族のメンバーが最大6人まで利用できる。メンバーはそれぞれ1TBのストレージが利用可能だ。さらに365に加入した場合、Windows、MacのパソコンからiOS、Androidまで多数のデバイスで同一のユーザー体験が提供される。つまりどのプラットフォームでもファイルや設定が同一となる。

企業も法人向けOfficeバンドルをApp Storeで入手できる。IT管理者はApple Business Managerを使って全社のデバイスにアプリを配布することが可能だ。インストールが完了すれば、ホーム版同様、ユーザーはどのプラットフォーム、デバイスでも同一のユーザー体験が得られる。

Mac上のMicrosoft OneNote:Apple

従来からAppleとMicrosoftの関係は複雑だった。過去30年に渡って両社は競争と協力の双方を繰り返してきた。AppleもMicrosoftも詳細、ことに金銭的取り決めの内容は語りたがらないが、Appleのプラットフォームにおけるサブスクリプション収入の標準的分配割合では、初年度はAppleがホスティング手数料として30%、アプリ販売者が70%を得る。次年度以降の比率は15/85となる。

Appleによれば、Office 365は今後24時間以内に世界各地で利用可能になるという。この日を長く待っていたユーザーはあと1日くらいは喜んで待つだろう。

(日本版)Mac App StoreプレビューにはまだOffice 365は登録されていないもよう。365の提供方式は国によって多少異なる。こちらはMicrosoftの日本サイト

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

App Storeでようやく、開発者がレビューに応答できるようになる

app-store-purge-hero

Appleがようやく、開発者たちに対してApp StoreとMac App Store上でのカスタマーレビューに応答する方法を提供しようとしている。この機能はAndroidの開発者コミュニティではとっくに提供されていたものだが、Apple開発者コミュニティでは悩みの種だった。iOSの10.3ベータ版に付随した開発者ドキュメントによれば、このバージョンの出荷以降、開発者たちはApp Storeに投稿されたものに公に返信する機能に加えて、新しいやりかたでレビューを求めることができるようになる。

Appleの評価とレビューシステムは時代遅れだと感じられていて、開発者と利用者の双方のフラストレーションの源となっていた。ある顧客が否定的なレビューを投稿した際に、開発者はその(しばしば不当なこともある)批判に対して、App Storeという公の場で応答することができなかった。例えば顧客が機能を誤解している可能性があったり、後のリリースでは修正済みのバグについて訴えている場合もある。

Screen Shot 2016-08-25 at 1.53.58 PM

公の場所で迅速に状況を説明することができれば、他の潜在的顧客がそのアプリを試してみようと思う気持ちを後押しできるかもしれない。

更には、こうした公の場所でのコメント記録は、積極的にアプリケーションをサポートしたり、ユーザーからのフィードバックを考慮したりする開発者かどうかを、顧客が判断するための手掛かりとして役立つ。これはアプリが、ダウンロードまたは価格に見合う価値があるかを判断するための材料にもなる。特に昨年後半に沢山の古いアプリケーションをAppleがApp Storeから削除しなければならなかったエコシステムでは重要なことだ。

これは、新リリースにおける開発者の視点から見た最も歓迎すべき変化の1つだが、これで終わりではない。

火口-レビュー - ナグスクリーン

これに関連してAppleは、iOS10.3では新しいレビュー収集方法を提供すると述べている。新しいAPIが導入されて、開発者はユーザーがアプリを利用している最中に、評価またはレビューを依頼することができるようになる。これまでのようにApp Storeに利用者がリダイレクトされることはない。現在のアプリケーションに現れる煩わしい画面を時間はかかるが減らして行くだろう、中には起動する度にほぼ毎回アプリを評価するように迫るものもある。

好意的な評価はアプリのランクを上位に保ち、ダウンロードを促進する。これが開発者にとって関心が高くなる理由だ。しかし利用者にとっては、アプリを評価しなければならないことは、面白くない経験だった。しばしばアプリの利用途中で中断され、App Storeへの移動を依頼される、そしてそこではAppleのアカウントに入って、星を付け、レビュー文章を入力しなければならない。

新しいAPIを使えば、開発者はアプリのレビューを利用者に促すタイミングを決定することができる。そして利用者はあまり手間をかけずに評価を済ませることができるようになる。

The LoopでのJim Dalrympleの記事によれば、開発者は1年に3度まで利用者にレビューを促すことが可能で、顧客が1度レビューを残した後はもうレビューを促されることはないということだ。さらに、記事では、iOSの設定からアプリのレビューを促す通知をオフに切り替えることもできると述べられている。

今回のベータ版の中で、アプリの評価以外で開発者が関心を持つ主要な機能として、新しいファイスシステムAPFSの導入が挙げられる。これはSierra 10.12ベータで最初に導入されたものだ。HFS+を置き換えることを目指すAPFSは、SSDに最適化され、64bitのファイルIDを持ち、強力な暗号を提供し、ハードディスクの空きスペースの管理の効率化が行われ、レイテンシが向上し、その他にも多くの特徴を持つ。

消費者向けにも、新しいiOSは多くの変更を含んでいる。例えば「AirPodsを探す」オプション、クリケットのスコア、HomeKitの改良、アプリへのSiriのさらなる統合、 その他の改良点が含まれる。

iOS 10.3ベータが一般に正式リリースされるまでには、あと1、2ヶ月かかると思われる。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Apple、アプリが動かなくなるMac App Store問題を認め詳細を説明

ctmm_68ucaaul3t

Appleは今日(米国時間11/18)、先週Mac App Storeで起きたMacの一部デスクトップアプリが動作しなくなる問題について公式見解を発表した。問題のアプリを実行しようとしてエラーメッセージを受けたユーザーは、コンピューターを再起動し、Mac App Storeから再認証を受けなければならなかった。本誌が既に報じた通り、問題は当初疑われたセキュリティー認証の失効によるものだけではなく、新しい認証方式への移行に際して、そこに実装されている強力な暗号方式に一部のデベロッパーが対応していなかったためだった。

Appleは予想された通り、Mac App Storeデベロッパーに向けて謝罪と詳細説明のメールを送った。

メール中Appleは、古い認証の失効を予測して9月に新たな認証を発行したと言った。古い認証はSHA-1というハッシュアルゴリズムを使用していたが、新しい認証はSHA-2にアップグレードされていた。OpenSSLは2005年にSHA-2への対応を始めたため、Appleはこの移行が問題になるとは考えていなかった。

メール文には、Appleがデベロッパーを微妙に辱める「一部のアプリは〈非常に〉古いバージョンのOpenSSLを使用したレシート認証コードを動かしていた」(強調は本誌)という表現まであり、続けてこの問題のため木曜日(米国時間11/12)にSHA-1に戻さなくてはならなかったとことを指摘している。

またメールには、キャッシュ問題のために、新しい認証が有効になった際、Mac App Storeのエンドユーザーは再起動とストアでの再認証によって、システム上の失効した情報を削除する必要があることも伝えている。実際のこれは別の問題だ ― Mac App Storeのアプリが停止した直後には明らかにされていなかった。現在Appleは、このキャッシュ問題にはMac OS Xのアップデートを通じて対応すると言っている。

さらにAppleは、AppleCareチームがこの問題に対する最新のトラブル対策情報を入手していることを伝え、デベロッパーには、レビューを迅速に進めるために、レシート認証プログラミングガイドへの準拠を確認してからアプリを再申請するよう依頼した。

2つの問題は、単一組織が管理する集中型アプリケーション配布方式の弱点を浮き彫りにした。Apple側の問題や変更が、エンドユーザーのコンピューターにインストール済みのアプリに影響を与える単一障害点となってしまった。大局的には旧認証方式に戻すことで比較的早く復旧した小さな問題ではあるが、同時に、AppleがMacアプリのデベロッパーコミュニティーに公の場で話す方法、例えば公式Twitterアカウントを持っていない、という事実を表面化させる結果となった。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook