MotionalとViaが自動運転車による無料の配車サービスをラスベガスで開始

Aptiv(アプティブ)と現代自動車(ヒョンデ)の合弁事業として、自動運転車技術の商用化を目指すMotional(モーショナル)は、オンデマンド交通サービスを手がけるテック企業のViaと共同で、ラスベガスで新たなロボットタクシーサービスを開始した。

2020年10月に初めて提携を発表した両社は、ラスベガスのダウンタウンで一般市民に自動運転車の無料乗車を提供する。この自動運転車には、安全のために人間のオペレーターも同乗することになっている。

このサービスは2021年前半に開始される予定だったが、新型コロナウイルス感染流行による不安から、両社は開始時期を延期していた。MotionalとViaは当初、オンデマンドの相乗りロボタクシーという青写真を開発し、これらの車両が公共交通機関にどのように統合できるかを学ぶ計画だった。両社はその後、相乗りサービスの計画を破棄し、代わりに個人向けの乗車サービスの提供のみを行う予定であることを、Motionalは認めた。

この新サービスは、MotionalがLyft(リフト)との既存の提携関係を延長し、2023年までにラスベガスで商用ドライバーレス配車プログラムを開始する計画を発表してから、わずか数カ月で実現したものだ。MotionalとLyftは、2022年の後半までに運転手なしの無料乗車サービスを開始することを目指しており、一般市民はLyftのアプリを通じて、電気自動車「Hyundai IONIQ 5(ヒョンデ・アイオニック5)」をベースにしたMotionalのロボタクシーを予約できるようになる。

MotionalとViaは、当初は無料で自動運転車の乗車サービスを提供するという、Cruise(クルーズ)やWaymo(ウェイモ)と似たアプローチを取っている。ただし、Motionalは、少なくとも法的には、ネバダ州で乗車に課金することを妨げられているわけではない。

ネバダ州は、現在CruiseとWaymoが商用化を目指しているカリフォルニア州に比べて、自動運転車の公道走行に関する規制がはるかに少ない。例えば、ネバダ州では自動運転車のテストや運行において、人間の安全オペレーターが乗車するか否かということを区別していない。また同州の法律は、自動運転車を配達や配車サービスとして提供することについては何も言及していない。ネバダ州自動車局の広報担当者によれば、このことは「できない」とする規制がない以上、法的には企業が商用自動運転車サービスに課金することが可能であることを意味するという。しかし、この広報担当者は、現在新しい法律が起草されていることにも言及した。

Motionalによると、同社はラスベガスで既存のLyftの運転手付きサービスで行っているように、運賃を請求できる許可を得ていると言っているが、その許可が自動運転車に関連したものなのか、それとも市内でタクシーサービスを運営するために同社に与えられたものなのかについては、詳しく述べていない。

現段階では、MotionalとViaはサービスの宣伝と自社の学習目的のために無料の乗車サービスを提供することで、乗客からフィードバックを収集し、両社の技術を組み合わせてどのように機能するかを研究することができると、Motionalの広報担当者であるAbby O’Malley(アビー・オマリー)氏は語っている。この広報担当者は、両社が商用サービスの運営を目指しているかどうかや、またその時期については明言せず「Motionalは、この試験運用から学び、将来的にViaとのパートナーシップを拡大することを楽しみにしています」とだけ述べた。

画像クレジット:Motional/Via

米国時間2月24日より、乗客はViaアプリを使って、Motionalの自動運転技術を搭載した「BMW 5シリーズ」のロボットタクシー1台を予約できるようになる。これは、Motionalが現在のLyftのサービスで使用している車両と同じものだが、オマリー氏によると、両サービスで使用する車両群は区別されており、Chrysler Pacificas(クライスラー・パシフィカ)もまだテストに使っているとのこと。

Viaのサービス提供時間は、月曜日から金曜日の午前9時から午後5時まで。乗客は、Viaアプリで強調表示されるRTCボンネビルトランジットセンター、ラスベガス市役所、コンテナパーク、ラスベガス芸術地区、クラーク郡政府センターなど、ダウンタウンの特定のポイントで乗車および降車できると、Motionalは述べている。

Motionalによると、このロボットタクシーサービスでは、Viaのインテリジェントな予約、ルーティング、ソフトウェアアプリケーション技術を活用することで、Motionalの自動運転ロボットタクシーとその車両管理、そして車内での乗客体験に役立てているという。

「車両は、乗客からの送迎の要求に基づき、(運用設計領域の中で)その時点で最も効率的なルートを採択します」と、オマリー氏はTechCrunchに語った。「バスが取るような固定ルートではありません」。

Motionalは、Viaと一緒にラスベガスで運行している車両フリートの規模を明らかにしなかったが、オマリー氏によれば、両社は需要を綿密に観察し、将来的にサービスを拡大するための基盤を持つようになる予定だという。

画像クレジット:Motional

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

​​現代自とAptivの自律運転合弁会社Motionalが「Hyundai IONIQ 5」電動ロボタクシーを公開

Motional(モーショナル)は米国時間8月31日、同社が計画しているロボタクシーの最初の画像を公開した。Hyundai(現代自動車、ヒョンデ)の電気自動車「IONIQ 5 SUV(アイオニック・5)」をベースにした車両は、MotionalがLyft(リフト)アプリを通じて、2023年から顧客に利用してもらいたいと考えているドライバーレス配車サービスの目玉となるものだ。

現代自動車により組み立てられるこの専用車両には、Motionalの自律走行技術が搭載されており、LiDAR、レーダー、カメラなど30以上のセンサーが車室内外のいたるところに見られる。そのセンシングシステムは360度の視界を確保し、300メートル先まで見通すことができるとMotionalは説明している。

自動運転車の商業化を目的とするAptiv(アプティブ)と現代自動車の40億ドル(約4400億円)規模の合弁事業として生まれた同社は、意図的に数多くのセンサーを入れて披露していると、会長兼CEOのKarl Iagnemma(カール・イアグンマ)氏は最近のインタビューで語っている。

「多くの競合他社は、このセンサー群を隠そうとして、大きなプラスチックケーシングの中に隠そうとしています」とイアグンマ氏はTechCrunchに語った。「ですが実際のところ、センサーを隠すことはできません。センサーはクルマの重要な部分であり、テクノロジーの重要な部分でもあります。ですから当社の戦略は、センサーを好ましいものととらえ、車両のデザイン言語を適応させて、統合されたセンサー群のデザインに反映させることでした」。

Motionalは、最初のドライバーレスロボタクシーサービスをどこで立ち上げるか発表していない。ボストン、ラスベガス、ロサンゼルス、ピッツバーグなど、同社が現在テストを行っている都市のいずれかでサービスを開始すると思われる。

関連記事:2023年から米国主要都市でロボタクシー展開へ、MotionalとLyftが提携

画像クレジット:Motional

Motionalのロボタクシーのベースとなるのは、2021年2月に発表されたEV「Hyundai IONIQ 5」で、2021年後半には市販モデルの発売が予定されている。一般消費者向けバージョンには、Motionalの自律走行技術は搭載されない。Motionalは、他のAV開発企業とは異なり、最初のロボタクシーにシャトルバスデザインや大型バンを選択しなかった。

同社が調査したところ、タクシーや配車サービスの利用者の大半は2人以下の乗客であるとわかったという。IONIQ 5は、Motionalのユースケースに適したサイズの車両だとイアグンマ氏は付け加えた。

IONIQ 5は、Electric Global Modular Platform(E-GMP)と呼ばれる同社の電気自動車専用プラットフォームを初採用したモデルだ。市販仕様とロボタクシー用の両方に、800ボルトの電気システムを搭載している。この高電圧システムは、一般的な400ボルトと同等の電力をより少ない電流で供給することが可能だ。800ボルトシステムは、ポルシェ初の量産電気自動車であるTaycan(タイカン)でデビューしたが、より軽く、より効率的で、充電時間を短縮できる。

この高速充電は、Motionalのロボタクシーサービスにとって重要なメリットとなるだろう。

画像クレジット:Motional

IONIQ 5のロボタクシーバージョンは現代自動車で組み立てられるが、これは注目すべきディテールだとイアグンマ氏はいう。

「この車両は、写真でご覧になったとおりの外観で組立ラインから出荷されます」と同氏はいう。「これは、ベース車両を別のラインに移動させ、部品を外して再統合したり、(センサーなどを)後付けするというようなシナリオではありません」。

ロボタクシーの内部にはディスプレイが設置されており、それを使い乗客は乗車中にロボタクシーに追加の停車を指示するなど、車両との対話が可能だという。

このロボタクシーには、人間が運転する従来の車両と同様に、ステアリングホイールなどの機能が備わっている。なお、乗客が運転席に座ることは許されない。

関連記事:自動運転Motional CEOが示唆する物流業界の自律的な未来
画像クレジット:Motional

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

自動運転Motional CEOが示唆する物流業界の自律的な未来

Aptiv(アプティブ)とHyundai(現代自動車)の40億ドル(約4379億円)規模の合弁会社であるMotional(モーショナル)が、自動運転トラックや物流への関与の可能性を探っていることを、同社のCEOが米国時間6月9日開催されたTechCrunch’s 2021 Mobility Eventのライブセッションで語った。

TechCrunchのトランスポーテーション担当編集者であるKirsten Korosec(カーステン・コロセック)が司会を行うパネルで、Motionalのビジネスモデルをトラック輸送に拡大する意図について質問されたKarl Iagnemma(カール・インヤマ)氏は「もちろん、同じコア技術が複数のユースケースに適用できることがすばらしいことなのです」という。「それは似ています。同じではありませんが、似ているのです。そのため、他のユースケースも積極的に検討しているところです。この分野では、さらなる活動を行う予定です。今日は特に発表することはありませんが、この先たくさん出てきますよ」。

もちろんMotionalは、たとえばロボットタクシーモデルのように、人間を運ぶための自動運転という難しい技術的問題を解決することが、最大の経済的チャンスになると考えているのだが、インヤマ氏は、人間を運ぶ場合でも小包を運ぶ場合でも、自動運転の核心には知覚、計画、意思決定、ローカリゼーションといった同じ難しい問題が横たわっていると認識している。

関連記事:2023年から米国主要都市でロボタクシー展開へ、MotionalとLyftが提携

配送・物流モデルの何が最も魅力的なのかという問に対して、インヤマ氏は「現在開発中のものに、技術的な観点から最も近い位置にある優れたビジネスチャンスを探しているのです」と答えた。「本当に、それに尽きると思っています。こうした異なるユースケースは、場合によって、その周りにあるビジネスケースが大きく異なるため、機会も大きく異なるのです。そのことは、社内での順位付けにも役立っています。何がおもしろいチャンスなのでしょう?そしてまた、現在の技術開発の道筋に沿う形で、言ってみれば最小の労力増加で最大の機会増加につながるようにしようとしているのです。それが、Motional社内での戦略指針のようなものです」。

セッションのもう1人のパネリストだった自動運転車企業Aurora(オーロラ)の共同創業者でCEOのChris Urmson(クリス・アームソン)氏は、配車サービスや乗客輸送業における自動運転技術は、長期的には変革をもたらすビジネスであると同時に、トラック輸送を凌駕するビジネスになると認めている。Auroraは現在、ロボットタクシーではなく、貨物輸送アプリケーションに注力している。理由はいくつか挙げられるが、今すぐにでもスケールアップできるからというのもその1つだ。

関連記事:Uberが自動運転部門Uber ATGを売却、購入したAuroraの企業価値は1兆円超え

「ロボットタクシー市場は発展に時間がかかりますが、貨物・トラック輸送の市場はすでに存在しています」とアームソン氏はいう。

両パネリストとも、自動運転の世界には「安直に手に入る果実」は存在しないという点で一致している。自動運転車全体の課題を解決することは難しいが、都市の道路網の変動を考慮する必要のないトラック輸送であれば、もう少し簡単に解決できるのではないかとアームソン氏は主張する。高速道路はほぼ均一な性質を持っているため、そこを走行するための自動運転システムを構築することはより容易なのだ。

「ですから、運用が規定された設計領域で技術を成功させるという最初の難関を突破できれば、技術の拡大から運用の拡大へと展開が進んでいきます」とアームソン氏はいう。「それは、従来のビジネスのようなものにより近いものに見えます。このように、事業と運営の規模を拡大し、収益源を確保しておくことで、そのコア技術を応用して配車ビジネスに参入し、その分野でも刺激的なビジネスを構築することができる余裕が生まれると考えています」。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Motional自動運転物流Auroraロボタクシー

画像クレジット:Motional

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:sako)

ヒュンダイの電気自動車IONIQ 5がMotionalとLyft初のロボタクシーに

Motionalは同社の自動運転技術を現代自動車の新型完全電動SUVに統合し、Motional初のロボタクシーを開発する。2023年初頭には一部の市場の顧客かLyftアプリを介してこの完全電動・完全自動運転タクシーを予約できるようになる。

2021年2月に公開され、2021年後半に一般発売が予定されているHyundai IONIQ 5は、Motionalの無人運転システムに完全に統合される。LiDAR、レーダー、カメラなど、レベル4の自動運転機能に必要なハードウェアとソフトウェアが装備され、車両のセンシングシステムは360度の視界を提供し、300メートル先まで見通すことができる。このレベルの無人運転技術は、人間が運転を引き継ぐ必要がなくなることを意味する。

Motionalの広報担当者によると、車内の居住空間は民生用モデルと同様だが、ロボタクシーの運転に必要な機能が追加されているという。同社は車両にハンドルが搭載されているかどうかは明らかにしておらず、またロボタクシーの画像も公開していない。

MotionalのIONIQ 5ロボットタクシーはすでに公道とクローズドコースでテストを開始しており、Lyftのプラットフォームに導入される前に、さらに何カ月ものテストと実世界での経験を経なければならない。Motionalはロボットタクシーが人間のドライバーよりも安全であると確信した時点でテストを完了するとしている。

MotionalはAptivと現代自動車が40億ドル(約4400億円)を投じて設立したジョイントベンチャーで、2020年12月にLyftとの提携を発表し、その計画にLyftが主に関与することを示した。Motionalは最近、ラスベガスの公道で無人運転技術のテストを開始したとも発表している。現代自動車のIONIQ 5はMotionalが公道で無人運転を行う2番目のプラットフォームだ。

関連記事:2023年から米国主要都市でロボタクシー展開へ、MotionalとLyftが提携

カテゴリー:モビリティ
タグ:MotionalLyftHyundaiロボタクシー

画像クレジット:Hyundai

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:塚本直樹 / Twitter

MotionalとLyftが提携し2023年から米国主要都市でロボタクシー展開へ

自動運転車の商業化を目的とするAptiv(アプティブ)とHyundai(現代自動車)の40億ドル(約4140億円)の合弁企業であるMotional(モーショナル)は、Lyft(リフト)の配車ネットワークを使って完全ドライバーレスのロボタクシーサービスを2023年に米国の主要都市で立ち上げる計画だ。

Motionalが、ロボタクシーサービスの立ち上げ時期を具体的に示したのは初めて。LyftはラスベガスでMotionalのパートナーだったが、LyftがMotionalの商業化計画で主要パートナーとなると言及があったのも初めてのことだ。

今回の発表に先立ってネバダ州は2020年11月に、Motionalに完全ドライバーレスつまり運転席に誰も乗っていない車両の公道テストを許可していた。

MotionalとLyftが提携して3年になる。この提携は当初、2018年CESテックショー期間中にLyftのネットワークの自動運転車両で乗車を提供するという、1週間ほどの試験プログラムとして始まった。

MotionalとLyftの提携は、現代自動車との合弁会社設立よりも前に結ばれた。当時、MotionalはAptiv Autonomous Mobility Groupとして知られていた。常に人間のセーフティードライバーが乗り込んで展開されてきた実験は期間が延長され、現在も続いている。このプログラムでは2020年2月時点で、Aptiv(現在のMotional)の自動運転車両を使って10万回超の有料の乗車があった。

乗車回数が増えるにつれ、Aptivのラスベガスでの投資は拡大した。同社は2018年12月、自動運転車両を収容し、ソフトウェアとハードウェアシステムのR&D、認証、マッピングを専門とするエンジニアリングチームを置くために、13万平方フィート(約1万2000平方メートル)のテクニカルセンターをラスベガスに開所した。

Motionalは米国時間12月16日の発表について、提携の「飛躍的進歩」と表現する。ロボタクシーサービスは現代自動車の車両プラットフォームをベースにした次世代の車両を使用する。完全ドライバーレス走行、リモートでの車両アシストのために車両にはセンサーやコンピューター、ソフトウェアが搭載される。現在BMW 5シリーズとChrysler Pacifica Hybridミニバンを使用しているMotionalは、車両が「かなり」増えるだろうと話した。

ロボタクシーサービスをどの都市で展開するか、展開する車両の規模など詳細は明らかにしなかった。Motionalはボストン、ラスベガス、ピッツバーグでテストを行っている。Lyftとのロボタクシーサービス提携が初期に立ち上げられた都市以外でも展開される、とMotionalは明言した。ただし、Lyftが唯一のパートナーではない。2020年初め、Motionalはオンデマンドシャトル企業のVia(ビア)と2021年上半期に米国の都市で一般向けにシェアリングロボタクシーサービスを立ち上げることで契約を結んだ。目的はオンデマンドのシェアリングロボタクシーの青写真を描き、こうしたドライバーレスの車両が大量輸送機関に統合できるかを確かめることにある、と両社は述べた。

「この提携は、ドライバーレステクノロジーにおける我々のグローバルリーダーシップの証となります。我々は交通機関イノベーションの最先端にいて、ロボタクシーを研究から道路へと動かしています」とMotionalの会長でCEOのKarl Iagnemma(カール・イアグンマ)氏は声明文で述べた。「目的は安全で信頼できる、そしてアクセスしやすいドライバーレスの車両を作るだけでなく、そうした車両を大規模に展開することにあります。これを実行するためにLyftと提携します」。

カテゴリー:モビリティ
タグ:MotionalLyftロボタクシー自動運転

画像クレジット:Motional

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

ヒュンダイとAptiveの合弁会社がドライバーレス自動運転車両のテスト許可をネバダ州で取得

Aptive(アプティブ)とHyndai(ヒュンダイ)が自動運転車の商業化を目的に計40億ドル(約4165億円)を投資して設立した合弁会社Motional(モーショナル)は、完全無人の自動運転車両を公道で走らせる準備をしている。ネバダ州から走行許可を取得した。

同社の会長でCEOのKarl Iagnemma(カール・イアグンマ)氏は米国時間11月17日、安全ドライバーが乗り込まない自動運転車両のテストをネバダ州が許可した、とブログへの投稿で発表した。

といっても、そうした車両が明日からラスベガスの通りを走るわけではない。自身のAVスタートアップであるnuTonomy(ヌートノミー)が2017年にAptivによって買収されたイアグンマ氏はその後Motionalに移ったが、Motionalが今後数カ月を同氏がいうところの「自ら課した厳しいテストと評価の期間」の完了に費やすと話した。目下進行中のテストと評価の期間には、公道・私道での自動運転車両のパフォーマンス・安全の研究が含まれる。そうしたタイムラインに基づくと、ドライバーレス車両の公道でのテストは2021年初めに始まりそうだ。

イアグンマ氏はまた、Motionalが「世界で最も尊敬されている安全評価者」の1人と協業していることも明らかにした。その人物の名前は明かさなかったが、安全と評価の進展度合いについての詳細が数週間内に発表されるとTechCrunchに語った。

Motionalはラスベガスを多少は知っている。Aptiv Autonomous Mobility GroupとしてMotionalは、バックアップドライバーが運転席に乗り込んだ自動走行車両のテストをラスベガスで数年間行った。同社は2018年1月、CES期間中にロボタクシーサービスをテストするためにLyft(リフト)と1週間のプログラムを展開した。ドライバーが乗り込んでの一時的な実験は延長され、現在も展開されている。2020年2月時点で、LyftアプリのためのAptivの自動運転車両で10万回超の有料の乗車があった。

Aptivのラスベガスでの投資は乗車数が増えるにつれ拡大した。同社は2018年12月に自動運転車両、そしてソフトウェアとハードウェアのシステムのR&Dと認証、マッピングを行うエンジニアチームを収容するため、13万平方フィート(12万平方メートル)のテクニカルセンターを同市に開所した。

イアグンマ氏によると、完全ドライバーレスのテストは、ラスベガスにおけるLyftネットワーク上での同社の自動運転車両の展開とは別となる。

Motionalと命名されたヒュンダイとの合弁会社が、ラスベガスそしてピッツバーグなど米国内の他都市、そしてシンガポールや韓国など海外でも取り組みを進めている。目的は、左側走行や右側走行、炎天下、大雨、高速道路、街中の通り、環状交差点、制御されていない交差点などさまざまな国の道路環境でナビゲートできるAVテクノロジーを構築することだ、とイアグンマ氏は話す。

不明なのは、こうしたドライバーレスの車両がどこで展開され、いつ一般利用が可能になるのかということだ。もしMotionalが、ドライバーレスのサービスをフェニックスエリアで広く展開し始めたWaymo(ウェイモ)に続くのであれば、プロセスはゆっくりしたものになり、テストは数カ月続くことになりそうだ。

もう1つわからないのは、Motionalがドライバーレスのサービスを展開するのにLyftや他の企業と提携するかどうかだ。2020年10月、MotionalとオンデマンドシャトルのVia(ヴィア)は一般向けの共有ロボタクシーサービスを2021年上半期に米国の都市で立ち上げる計画を発表した。両社はその際、オンデマンド共有ロボタクシーサービスの「青写真」を描き、こうした車両がどのように大量輸送に組み込まれるかを理解することが目的だと述べた。Viaとの提携はまずセーフティドライバーが乗り込んだ車両で始まる。

提携とサービスについての詳細は乏しい。MotionalとViaはサービス展開都市を特定せず、 サービスを展開する地理的範囲、使用される車両の台数やタイプも明らかにしなかった。ただ、サービスはMotionalがすでに展開している米国の都市の1つで立ち上げられると述べた。つまりボストン、ピッツバーグ、ラスベガス、サンタモニカのいずれかになると考えられる。

関連記事:Via、現代自動車、Aptivが米国でロボタクシーサービスを2021年上半期に展開

カテゴリー:モビリティ
タグ:MotionalAptivヒュンダイ自動運転

画像クレジット:Motional

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

Via、現代自動車、Aptivが米国でロボタクシーサービスを2021年上半期に展開

Hyundai(ヒュンダイ、現代自動車)とAptiv(アプティブ)の合弁企業Motional(モーショナル)と、オンデマンドシャトルスタートアップのVia(ビア)は2021年上半期に米国の都市の公道でロボタクシーサービスを展開する計画だ。オンデマンドシェアリングロボタクシーの「青写真」を描き、こうしたドライバーレスの車両をどれくらい大量輸送機関に統合できるかを調べるのが目的だ、と各社は話した。

今回の提携とサービスについて、詳しいことはまだわかっていない。詳細は後日明らかにすると語り、サービスを展開する都市、サービスの対象となる地理的範囲、使用される車両の台数やタイプについての情報はなかった。明らかにしたのは、Motionalがすでに事業を展開している米国の都市の1つでサービスを立ち上げる予定で、ボストン、ピッツバーグ、ラスベガス、サンタモニカから絞り込むということだ。

画像クレジット:Via

提携によりMotionalの自動走行車両は、Viaのプラットフォームにコネクトする。Viaのプラットフォームは予約、ルート案内、乗客と車両の割り当て、身元確認、顧客エクスペリエンス、車両管理などに対応する。今回の提携は、MotionalがラスベガスでLyft(リフト)と結んでいるものと似ている。

提供しようとしているロボタクシーはまだ「ドライバーレス」サービスではない。すべての自動走行車両の運転席にはセーフティオペレーターが乗り込む。しかし、商業展開の開始を目指していると周知した上で、MotionalとViaはサービス提供でユーザーに料金を請求できる。ユーザーは一般市民に提供されているViaのプラットフォーム経由でロボタクシーサービスを利用できる。このプラットフォームでは、Waymoのアーリーライダープログラムで採用されているプラクティスと同様、ユーザーがあらかじめ審査されたり、秘密保持契約にサインしなければならないということはない。

トランジットネットワークの一環であるオンデマンドのシェアリングロボタクシーサービスの商業展開に向けてはハードルだらけだ。車両はオンデマンドで、最適なルートを選択し、複数の乗客とシェアされるものでなければならない、とMotionalとViaはいう。新型コロナウイルスのパンデミックが事態をさらに複雑なものにしているが、ただチャンスでもあるとMotional社長兼CEOのKarl Iagnemma(カール・イアグネマ)氏は指摘する。

「新型コロナが交通機関についてのとらえ方や消費者需要をよりフレキシブルにし、またさまざまなオプションをともなものへと変えているという特殊な時期にこのパートナーシップは結ばれた」とイアグネマ氏は発表文で述べた。同氏は、調査対象となった米国人の70%が新型コロナ感染リスクが交通手段の選択に影響を与えてると答え、5人に1人がパンデミック以前よりも自動運転に関心がある、とするMotionalが最近行った調査(Medium投稿)に言及した。

ViaとMotionalは、パーテーション、マスクのような個人防護具、頻繁な消毒、車両利用者の健康と安全を確保するための接触追跡など幾重もの安全策を講じてサービスが提供されると述べた。

自動走行車両を配車するためにプラットフォームをどのように使うことができるか、Viaはすでにテストとデモンストレーションを行った経験がある。2019年10月にVia、現代自動車、中国AV企業のPony.aiはカリフォルニア州アーバインでBotRideサービスを提供すべく提携した。このサービスでは、Pony.aiの自動運転システムとViaの配車サービスプラットフォームを活用した現代自動車の電動自動走行車Konaクロスオーバーを展開した。またViaはNavyaとAurrigoとともに、豪州ニューサウスウェールズ州での「BusBot」AVサービスでデモンストレーションも行った。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Via現代自動車AptivMotional自動運転

画像クレジット:Motional

原文へ

(翻訳:Mizoguchi