韓国大手NAVER、可能性に満ちた日本と韓国の大手eコマース販売業者の成長を加速するNew Vesselに投資

eMarketerの推定によれば、2021年の日本のeコマース市場は1440億ドル(約16兆5600億円)、韓国は1210億ドル(約13兆円9200億円)だ。市場規模の大きさにもかかわらず、両国のeコマースアグリゲーターの数は、より市場規模が小さい他の国よりも少ないと、韓国のeコマースアグリゲーターであるNew Vessel(ニューベッセル)は述べている。

同社は現地時間2月15日、韓国と日本での市場獲得をにらみ、非公開のシードラウンドで資金を調達したと発表した。韓国のインターネット大手NAVER(ネイバー)、CKD Venture Capital、Wooshin Venture Investmentが共同でラウンドをリードし、Lighthouse Combined InvestmentとS&C Networksが参加した。

New VesselのCEO、Jaebin Lee(イ・ジェビン)氏はTechCrunchに対し、新たな資金は韓国と日本でのeコマースブランドの買収と、ブランド管理、マーケティング、サプライチェーン管理の専門家の追加採用に充てると語った。同社は現在、年間売上高が少なくとも100万ドル(約1億1500万円)、利益率が15〜30%のブランドを求めており、買収案件の規模は100万〜200万ドル(約1億1500万〜2億3000万円)になるだろうと同氏は付け加えた。同社は2022年上半期に買収を完了した後、6月にシリーズA資金を調達する予定だと同氏は指摘した。

画像クレジット:eMarketer(スクリーンショット).

New Vesselは、弁護士や投資家として10年以上のM&A経験を持つイ氏と、日本のEC「楽天」や韓国のEC「Coupang(クーパン)」で活躍したKyuyong Lee(イ・キュヨン)氏が2021年9月に創業した企業だ。

ここ数年、共同創業者の2人は、ThrasioやPerchなどグローバルなアグリゲーター大手の成長を目の当たりにしてきた。だが、韓国と日本におけるeコマース市場は世界でもトップクラスにあるにもかかわらず、eコマースアグリゲーター業界はまだ始まったばかりであることに気づいた。このことは、両国を拠点とするアグリゲーターにとって大きな可能性だとイ氏は話す。

「単に時間の問題です。韓国と日本のeコマースアグリゲーター市場は、未開拓の可能性に満ちています」と同氏はいう。

New Vesselは、韓国と日本の大手eコマースの販売業者の成長を加速するために彼らと提携し、実績に裏打ちされた最適化戦略と売上拡大戦術を提供するという。同社が目指すのは、米国拠点の販売業者が韓国と日本で事業を拡大するのを支援することと、逆に、韓国と日本のブランドが米国市場へ参入できるようにすることだとイ氏は述べた。同社は最近、米国と韓国に拠点を置く携帯電話アクセサリーメーカー、Spigen(シュピゲン)と戦略的提携関係を結び、オペレーションにおける強みをさらに高めた。

「韓国のオンラインブランド販売業者の大半は、自分のブランドを売り込むことが可能であることさえ認識していません。ブランドオーナーとの提携により、すばらしい製品を手頃な価格で市場に広げ、販売者だけでなく消費者全体にも価値を提供できると信じています」。

一方、グローバルなeコマースアグリゲーターのThrasioは、日本のeコマースブランドを買収するため、2021年3月に日本に事務所を設立し、アジアに進出している。

画像クレジット:Blue Planet Studio / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

韓国NAVER Zがメタバースクリエイター向けの約115億円ファンドを設立

韓国のインターネット複合企業NAVER Group(ネイバーグループ)は、若いユーザーをターゲットにした最もホットなインターネットトレンドに乗り続けている。メッセージサービス大手のLINE人気の自撮りアプリSnowを手がけたのも同社だ。そして今、RobloxやEpic Gamesなどの大手ゲーム会社で話題になっているメタバースという最新のコンセプトに向かっている。

3DアバターアプリZepetoを運営するNAVERの子会社であるNAVER Zは、クリエイターがスマートフォン、PC、VR機器向けに2Dおよび3Dコンテンツを開発できるプラットフォームUnityを搭載した新開発のプラグインを宣伝するため、今後数カ月内に1億ドル(約115億円)のファンドを設立する。

リリースから4年となるZepetoは、エンターテインメント、ゲーム、ソーシャルネットワーキングを融合させた体験を提供している。ユーザーは、自撮りした写真を3Dアバターに変換したり、デジタル空間をデザインしたり、他のユーザーと交流したりすることができる。NAVER Zの最高戦略責任者であるRudy Lee(ルディ・リー)氏はTechCrunchに、Zepetoの月間アクティブユーザー数は2020年5月の1000万人から1月時点で2000万人に増加したと語った。

同アプリの登録ユーザーは1年半前からほぼ倍増して2億9000万人となり「ワールド」という、Robloxの「エクスペリエンス」に相当するユーザー生成型の仮想空間での平均セッション時間は30分だという。

Zepetoは世界中にユーザーを抱えているが、特に韓国と中国の10代から20代前半の女性に人気がある。ターゲット層を考えれば、GucciRalph Laurenなどのデザイナーブランドや、BlackpinkやSelena Gomezといったセレブが、Zepetoを使って自社ブランドのデジタル体験を構築しているのは当然だろう。現実の世界ではほとんどの人にとって法外に高価なデザイナーズアクセサリーが、Zepetoの仮想世界では突然手ごろな値段になる。

1億ドルのクリエイターファンドは、Zepetoがサポートする「メタバース」体験を多様にすることを可能にする。NAVER Zは、Zepeto上で3D体験を生成するUnityプラグインを使用する有望なスタジオに出資する予定だ。また、プラグインを使用するZepetoの非常に有望なクリエイターには、再生、訪問、アクティブユーザーなどのパフォーマンス指標に基づいて、現金報酬を提供する。

この取り組みは、ソフトバンクビジョンファンド IIが主導し、Mirae Asset、大手のKポップタレント事務所、およびその他の投資会社が参加した、Naver Zの2021年の1億9000万ドル(約219億円)という大型のシリーズBラウンドのおかげだ。

多くのバーチャルエンターテインメントプラットフォームと同様、Zepetoは収益化をアイテム販売に頼っている。2018年の立ち上げ以来、20億個のアイテムを販売し、2020年半ばの販売数は6億個だった。売上最多のクリエイターの2021年の粗利益は50万ドル(約5800万円)だった。

画像クレジット:Zepeto

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

LINEがオンラインストア作成サービス「MySmartStore」の先行リリース開始、2022年春に本格提供

LINEがオンラインストア作成サービス「MySmartStore」の先行リリース開始、2022年春に本格提供

LINEは10月21日、オンラインストア作成サービス「MySmartStore」について、2022年春の本格提供開始および先行リリース開始を発表した。10月21日現在では、LINE FRIENDS公式 MySmartStore店横濱馬油商店などが公開されている。

同サービスは、NAVER Corporation(NAVER)が韓国で展開している「NAVER SmartStore」を日本向けにローカライズしたものという。提供主体はNAVERであり、LINEはNAVERから業務委託を受け、同サービスの営業やマーケティングなどの事業運営を行う。

NAVERの知見を活かしたMySmartStoreは、豊富なデザインレイアウトと多様な編集機能を備えており、各デバイスに応じたオンラインストアを作成できるという。

LINEがオンラインストア作成サービス「MySmartStore」の先行リリース開始、2022年春に本格提供

またストアごとに、業務委託先パートナーであるLINEのLINE公式アカウントと連携可能。LINE公式アカウントを通じたクーポン訴求などの販促をはじめ、顧客からの問い合わせもLINE上でチャット形式で行える。

LINEがオンラインストア作成サービス「MySmartStore」の先行リリース開始、2022年春に本格提供

さらに、売れ筋商品など販売戦略に役立つ分析データもストアの管理画面から確認できるほか、サイトへの流入経路や主な顧客層を確認できる機能も今後搭載予定。ストアの開設や運営、集客サポートから顧客管理まで、ワンストップで提供する。

コロナ禍により、新たにEコマースへの参入や、販路を広げるために複数サービスの利用を始めた事業者も増加する傾向にあるものの、ECサイトの構築から集客・顧客管理などを個々のサービスで管理することは、事業者側の負担増につながる。そこで、事業者の負担を軽減すべく、これらを一括して管理・運営できるオンラインストア作成サービスとして、MySmartStoreを提供するという。

LINEの論文6本が世界最大規模の音声処理関連国際学会「INTERSPEECH 2021」で採択

LINEの論文6本が世界最大規模の音声処理関連国際学会「INTERSPEECH 2021」で採択

LINEは8月30日、世界最大規模の音声処理に関する国際会議「INTERSPEECH 2021」において、国内トップクラスとなる6本の論文が採択されたことを発表した。これらの論文は、8月30日より9月3日にかけてオンライン開催される「INTERSPEECH 2021」で発表される。

INTERSPEECHは、International Speech Communication Association(ISCA)が主催する国際会議で、2021年は22回目の開催となる。約2000件の投稿から約1000件の論文が採択されている。

採択されたのは、高速な音声認識を実現する手法として注目されている非自己回帰型音声認識の性能向上に関するもの、音声の適切な位置に無音区間(ポーズ)を挿入することで合成音声の品質を向上させる句境界予測の研究に関するもの、NAVERと共同で進めているParallel WaveGAN(PWG)をより高品質にするための取り組みとなるMulti-band harmonic-plus-noise PWGの研究に関するものなどとなっている。

LINEは、AI事業を戦略事業の1と位置付け、NAVERとの連携も行いながら、AI関連サービスや新機能の創出を支える技術の基礎研究に力を入れているという。データ基礎開発、データ分析、機械学習、AI技術開発、基礎研究の各チームが事業や担当領域を超えて連携し、研究、開発、事業化のサイクルのスピードアップを目指しているとのことだ。

「INTERSPEECH 2021」に採択された6本の論文は以下のとおり。

  • Relaxing the Conditional Independence Assumption of CTC-based ASR by Conditioning on Intermediate Predictions」(中間予測の条件付けによるCTCベースの自動音声認識における条件付き独立性仮定の緩和)。Jumon Nozaki、Tatsuya Komatsu
  • 「Acoustic Event Detection with Classifier Chains」(分類子チェーンによる音響イベントの検出)。T.Komatsu、S.Watanabe、K.Miyazaki、T.Hayashi
  • Phrase break prediction with bidirectional encoder representations in Japanese text-to-speech synthesis」(日本語の文章読み上げ合成における双方向エンコード表現を使用した句境界予測)。Kosuke Futamata、Byeongseon Park、Ryuichi Yamamoto、Kentaro Tachibana
  • 「High-fidelity Parallel WaveGAN with Multi-band Harmonic-plus-Noise Model」(マルチバンド高調波ノイズモデルを使用した高忠実度並行WaveGAN)。Min-Jae Hwang、Ryuichi Yamamoto、Eunwoo Song、Jae-Min Kim
  • 「Efficient and Stable Adversarial Learning Using Unpaired Data for Unsupervised Multichannel Speech Separation」(教師なしマルチチャンネル音声分離のための対応のないデータを用いた効率的で安定的な敵対的学習)。Yu Nakagome、Masahito Togami、Tetsuji Ogawa、Tetsunori Kobayashi
  • 「Sound Source Localization with Majorization Minimization」(メジャー化最小化による音源定位)。Masahito Togami、Robin Scheibler

LINEがデータガバナンスに関する現状認識を発表、海外保管のトークデータを完全国内移転へ

LINEがデータガバナンスに関する現状認識を発表、海外保管のトークデータを完全国内移転へLINEは本日(3月23日)に記者会見を開き、今後のデータガバナンスについて説明しました。現時点で日本ユーザーの個人情報に対する中国からのアクセスを完全遮断しているほか、海外で保管しているトークデータの完全国内移転を順次実施します。

LINE側は現状の課題認識について、個人情報にアクセスできる業務を中国拠点に委託していた点、また、トーク上の画像や動画を韓国のサーバーで保管していた点、そして、それらに関してプライバシーポリシーで国名を明示していなかった点を挙げました。なお、本件で個人情報の流出は発生していないといいます。

LINEがデータガバナンスに関する現状認識を発表、海外保管のトークデータを完全国内移転へ

その上で、今後の信頼回復に向けて『安心安全な2つの国内化』を掲げます。

1つ目は、中国拠点に委託していた日本ユーザーの個人情報にアクセスする業務を終了し、中国から個人情報へのアクセスを完全遮断します。なお、中国拠点でアクセスできたユーザーのメッセージは、LINEユーザーがメッセージの内容等を「通報」ボタンで通報したメッセージに限られ、中国拠点ではこれが利用規約違反の対象となるかを確認するなどの業務を行っていました。

LINEがデータガバナンスに関する現状認識を発表、海外保管のトークデータを完全国内移転へ

2つ目は、日本ユーザーに関するトークデータの完全国内移転を掲げ、韓国のデータセンターに保管しているトーク内の画像・動画・ファイルデータの国内移転を2021年6月までに完了させます。また、タイムラインのデータは公式アカウントに関しては2022年6月、一般ユーザー向けは段階的に移転します。

LINEがデータガバナンスに関する現状認識を発表、海外保管のトークデータを完全国内移転へLINEがデータガバナンスに関する現状認識を発表、海外保管のトークデータを完全国内移転へこのほか「2つの透明性強化」を掲げ、プライバシーポリシーでデータの移転先の国名を3月29日に明示します。さらに、有識者による特別検証委員会を実施し、この第1回は本日(3月23日)に開催したほか、国際的外部認証「CBPR認証」の取得申請を行い、米国「NIST」が定める世界トップレベルのセキュリティ基準への準拠をめざします。

自治体向けも『2つの国内化』

政府自治体向けの公式アカウントについても『2つの国内化』を掲げます。具体的には、政府・自治体向けのLINE公式アカウントのデータアクセスを国内のみに制限。さらに、データ保管場所も2021年8月までに国内移転します。加えて、自治体向けの新型コロナワクチン予約システムは現状完全国内化したうえで開始します。

LINEがデータガバナンスに関する現状認識を発表、海外保管のトークデータを完全国内移転へ

LINEの出澤剛社長は同問題について『ユーザー様の感覚で見て、なにかおかしい、気持ち悪い。そこに対して気を回すことを怠っていた』と述べ謝罪しました。

なお、個人情報保護法では個人情報を国外で保管する場合、ユーザーの同意を得ることを義務付けています。LINEはこれまで「パーソナルデータを第三国に移転することがある」とセキュリティポリシーで明記したことを強調し、個人情報保護法に抵触しないと説明していました。

一方、今回の会見では『個人情報保護委員会に報告を出している段階ですので、我々が(適法性)を判断するというよりは、情報をしっかり報告するのが先だと思います』と述べ、法令に違反していたかの言及は避けました。

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:NAVER(企業・サービス)PayPayYahoo! Japan(企業・サービス)LINE(企業・サービス)日本(国・地域)

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

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Zホールディングス(ZHD)LINEは3月1日、戦略方針説明会を開催し、経営統合の完了を発表した。

今回の統合によりZHDグループは、国内で200超のサービスを提供し、国内総利用者数は3億超、国内総クライアント数は約1500万、自治体との総連携案件数は3000超となり、グループ従業員約2万3000人(エンジニア6200人)を擁する国内最大規模のインターネットサービス企業グループとなった。また、統合により「情報」「決済」「コミュニケーション」という3つの起点を持つ企業グループにもなったとしている。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

ZHDグループは、中核企業のひとつであるヤフー(Yahoo! JAPAN)およびLINEを中心とした「検索・ポータル」「広告」「メッセンジャー」を「根幹領域」として引き続き推進する。また特に社会課題が大きく、インターネットによりその解決が見込める領域として「コマース」「ローカル・バーティカル」「Fintech」「社会」の4つを「集中領域」と定め取り組んでいく。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

さらに、それら領域にデータやAI技術を掛け合わせることで、シナジーを強固に創出するとともにユーザーの日常生活、企業活動、そして社会自体をアップデートするとしている。AIを中心に各事業を成長させるため、5年間で5000億円の投資を計画、5年間で5000人のAI活用に携わる国内外エンジニアの増員を行う。

「コマース」では、「ソーシャルコマース」「Xショッピング」、事業者向け「Smart Store Project」展開

代表取締役Co-CEO(共同最高経営責任者)の出澤剛氏が、コマース領域において既存サービスの強化および新たに価値を提供するものとして挙げたものが、「ソーシャルコマース」と「実店舗連携『X(クロス)ショッピング』」。

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ソーシャルコマースでは、コミュニケーションアプリ「LINE」などを活用したサービス「ソーシャルギフト」を新たに提供する。LINEアプリ上でギフトを送付できる「LINEギフト」において、将来的に「Yahoo!ショッピング」などと連携し、より多くの商品を選べるようにし贈り物ができるようにしていくという。

またLINE上で友だちに購入を呼びかけ一定人数で安く購入できるようになる「共同購入」も提供する。

インフルエンサーなどによる商品紹介の動画を見ながら、同じ動画を見ている人と交流しながら、「ライブコマース」も用意。LINEアプリのライブ配信機能を活用するとしていた。

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出澤氏は、オンライン店舗と実店舗の商品データを連携させる「X(クロス)ショッピング」も触れた。

同サービスは、商品の配送方法についてユーザーに最適な購入手段を選べるようにしたもの。中長期的には、オンラインに加え実店舗においても、サービス利用状況や誕生日などに合わせて商品価格が連動する仕組み(ダイナミックプライシング)によりお得に購入できる「My Price構想」も検討するとしていた。ユーザー向けロイヤリティプログラムの統合も予定しているそうだ。

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また事業者に対しては、トータルECソリューション「Smart Store Project」を2021年上半期に提供開始する予定。NAVERでの知見を活かしており、自社ECサイトの構築・運営、分析、さらには接客・送客などのプラットフォーム連携が可能になるという。

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中長期的には、実店舗、自社ECサイト、「Yahoo!ショッピング」などのモール型EC、集客用の各種SNSサイトやLINE公式アカウントなどをひとつの画面上で一括して管理・運営ができる仕組みを構築してゆく。事業者は煩雑な管理や運営から開放され、商品買い付けや開発など本来の業務に時間を割けるようになるとしていた。

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代表取締役Co-CEO(共同最高経営責任者)の出澤剛氏は、「2020年代前半には圧倒的に支持されるサービス、つまりEC物販領域で国内No1になる」と明言

飲食予約や旅行予約などの「ローカル・バーティカル」

飲食や旅行などのローカル・バーティカルでは、日本の実態に合う形で企業のDXを支援。

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「Yahoo!ロコ」「一休.comレストラン」、LINEアプリで新たなローンチ予定の飲食店探しメディア「LINE PLACE」などの複数のサービスを介した予約・送客に加え、AIを徹底的に活用することで、ユーザーとのマッチング精度の向上を目指し、企業DXを支援する。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

また、フードデリバリー「出前館」では、デリバリーに進出したい企業を支援。出前館は、直近の加盟店舗数が5万5000を突破し、取扱高は昨年対比58%増、人口カバー率34%となったという。この実績を活かして国内最大規模のデリバリーインフラを構築し、加盟店舗数10万を目指すとしていた。

さらに、出前館の配送をZHDグループの他サービスにも利用することを検討し、グループ全体の利便性向上にもつなげるそうだ。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

広告においては「Yahoo! JAPAN」「LINE」「PayPay」が連携することで、事業者向けに新たなマーケティングソリューションを提供。

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例えば、「Yahoo! JAPAN」「LINE」のメディア上などで広告を配信し集客、特定の商品を購入した者にのみ、改めてクーポンを届け再購入を促すなど、効率的かつ継続的にアプローチ可能にするという。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

これにより、企業にとっては無駄がなく効果の高いマーケティングが可能となり、また、ユーザーごとに最適化したノイズの少ない情報を送付できるようになる。

Fintechでは「借りる」「増やす」「備える」など最適な金融商品を提案する「シナリオ金融」を拡充

Fintechからは、表取締役社長Co-CEO(共同最高経営責任者)の川邊健太郎氏が登壇。

同社は「買う」「予約する」「支払う」といったユーザーの行動に合わせて、ローンなどの「借りる」、投資商品などの「増やす」、保険などの「備える」といった、ニーズに沿う最適な金融商品を提案する「シナリオ金融」を拡充するという。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

また、シナリオ金融において連携する金融機関は、自社グループにとらわれないマルチパートナー戦略を採用するとした。例えばジャパンネット銀行においては三井フィナンシャルグループ、LINE Bank設立準備会社はみずほフィナンシャルグループと進めるといった形だ。

このほか、旅行・宿泊予約の際に「旅行キャンセル保険」、手持ちのお金が足りないなどの場合は個人向けローン「LINE Pocket Money」、資産運用向けにPayPayボーナスの「ボーナス運用」などの提案を行っていく。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

さらにPayPayとLINE Payは、2022年4月に「PayPay」に統合すべく協議を開始したという。LINEウォレットからのPayPay利用を可能にする。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

2021年4月下旬以降、LINE PayがPayPayのQRコード読み取りに対応する。全国300万カ所以上(2021年2月24日時点)のPayPay加盟店のうち、ユーザースキャン方式(MPM)加盟店において「LINE Pay」で支払いが可能になる。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

「行政DX」「防災」「ヘルスケア」の3分野を柱とする「社会」事業

社会事業では、「行政DX」「防災」「ヘルスケア」の3分野を柱とし、官民連携を活かした日本のDX、ひいては社会課題の解決に取り組む。

行政DXでは、LINEアプリを活用した新型コロナウイルスのワクチン接種予約システムを全国約200自治体で導入見込みである点を挙げた。自治体のLINE公式アカウントを通じて会場や日時などの予約・変更を行えるなど、LINEアプリ上で完結できるという。またLINEの音声対応サービスにより電話対応を自動化することで、コールセンターのリソース不足をはじめ、電話がつながりにくい、予約を取りにくいといった不便を解消する。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

このほか引っ越しを例に挙げて、自治体と協力しオンラインでも様々な行政手続きを完了できるよう尽力するとした。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

2021年中にYahoo! JAPANのサービスやLINE上において、網羅的でわかりやすい行政手続きの情報の拡充と、内閣府の「マイナポータル」と連携した行政手続きのオンライン申請サービスを開始する。児童手当や介護といった手続きから順次拡充を目指す。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

防災領域では、平時における生活エリアの危険度チェック、災害警戒時のパーソナルタイムライン、災害発生時の避難案内、復旧・復興時の支援マッチングなど、防災にまつわる様々なステージにおいて、ユーザーごとに最適な情報を提供する。

LINEおよびYahoo! JAPANは、これまでも情報発信や寄付の募集など、インターネットを活用する形で様々な活動を行ってきており、テクノロジーにより支援をさらに強化できるとみているという。

平時の場合は、ハザードマップやARを用いて自宅付近の浸水状況など災害リスクを可視化。ユーザーが災害時に取るべき行動を想定しておけるようにする。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

災害警戒時には、自分が避難すべきか判断しにくい場合があるため、洪水など災害発生を予測し、避難タイミングなど命を守るための情報をリアルタイムで発信するという。将来的には、安全に避難ができるナビゲーションの開発にも着手したいとしていた。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

災害発生時は、今すぐどのような行動を取るべきかという情報を発信。これまでは市区町村単位で情報を発信していたものの、市区町村内の現在位置により伝えるべき危機や必要な情報が違うことから、今この瞬間どこに避難すべきか、何をすればいいかを発信するという。さらに、位置情報から救助を要請できるようにもしていく。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

復旧・復興の場面では、物資・ボランティアのマッチング支援、その後の生活に必要な支援策に関する情報の発信を行う。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

ヘルスケア領域では、LINEヘルスケアが提供する「LINEドクター」を起点に、オンライン診療に加えて、オンラインでの服薬指導から薬の配送までのサービスを新たに展開する。決済なども含めスマホひとつで行えるようにすることで、遠隔医療のサービスをより便利で身近なものにするという。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

2021年度中にオンラインの服薬指導を開始するとともに、「LINEドクター」は国内No.1の提供数を目指す。医療業界のDXにも貢献したいとしていた。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

キーテクノロジーの「AI」に5年間で5000億円を投資、5年間で5000人のエンジニアを増員

また、集中領域を成功させるキーテクノロジーとしては、「AI」を挙げた。ZHDグループが目指すパーソナライズされたサービスは、リアルタイムかつバラエティに富むビッグデータとAIを掛け合わせるからこそ実現できるとしていた。

ZHDグループはすべてのサービスにAIを実装し、新たな価値の創造を推進していくという。AIを中心に各事業を成長させるため、5年間で5000億円の投資を計画するとともに、5年間で5000人のAIの活用に携わる国内外のエンジニアの増員するとした。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

グローバルでの展開としては、すでにLINEのサービス利用が多い台湾、タイ、インドネシアを起点とし、日本での成功事例を展開する。また海外での成功事例を日本市場へ展開していくことも視野に入れる。ソフトバンクやNAVERなどのノウハウ、ネットワークを存分に活かし、海外展開を図っていくとした。

ZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組むZホールディングスとLINEが戦略方針説明会、AIに5年間で5000億円投資し4つの集中領域に取り組む

データの取り扱い

データの取り扱いに際しては「わかりやすい説明」「国内法に基づく運用」「有識者による助言・評価」「プライバシー&セキュリティファースト」という4つのポイントを重視していく。Yahoo! JAPANとLINEとのデータ連携にあたっては、同意取得を前提に、徹底的にわかりやすい説明に努めるほか、各種の国際基準に準拠し安全安心の確保に努めるとしていた。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Zホールディングス(企業)ソフトバンク / SoftBank(企業)NAVER(企業・サービス)Yahoo! Japan(製品・サービス)ヤフー(企業)LINE(企業・サービス)日本(国・地域)

LINEがヤフー統合に向け「Aホールディングス」に商号変更

LINEがヤフー統合に向け「Aホールディングス」に商号変更

ソフトバンク株式会社(以後ソフトバンク)とNAVERは、ヤフージャパンなどを手掛けるZホールディングス(以後ZHD)とLINEの経営統合を実現するための取引の一環として、LINEをソフトバンクの連結子会社にすると発表しました。また、本日(2月24日)開催した臨時株主総会において、LINEの商号を2月28日よりAホールディングス株式会社(以後AHD)に変更することを決議しました。

AHDは戦略的持株会社として、経営統合後の新生ZHDの株式を65.3%保有します。また、ZHDとLINEは対等の立場で経営統合することから、AHDの親会社であるソフトバンクとNAVERは、AHDの株式を50%ずつ保有し、AHDはソフトバンクの連結子会社となります。

AHDの役員体制については、現在LINEの取締役を務める黄仁埈氏に加え、ソフトバンクの経営陣から宮内謙氏および藤原和彦氏が、NAVERの経営陣から李海珍氏が、それぞれ3月1日付けでAHDの常勤取締役に就任します。このうち、李海珍氏および宮内謙氏は3月2日付けでAHDの代表取締役に就任します。また、社外取締役として、現在JSRの取締役会長で、半導体をはじめとしたテクノロジー領域やグローバルの事業展開に明るい小柴満信氏が就任します。

新商号となるAHDのAには、下記3つの両社経営陣の思いを込めたといいます。

  • 「A-to-Z」の英語表現の意味の通り、グループ全体でシナジーを創出すること
  • 今後、グループ全体でAIを活用した事業領域に注力していくこと
  • まずはアジア(Asia)へ向けた事業展開を志向し、将来はグローバルへ事業を展開していくこと

プレスリリースでは『今後、ソフトバンクとNAVERの両社は、このAHDを通じて、本経営統合後の新生ZHDグループの事業成長をサポートするとともに、両社グループのそれぞれの事業領域における強みを生かしたシナジーを追求してグループの事業基盤と競争力を高め、グローバルレベルで勝ち抜ける企業グループ体制の構築を目指していきます』とコメントしています。

【LINE・ヤフー統合会見】きっかけは米中IT巨人への危機感。ヤフーのラブコールから統合実現

Engadget日本版より転載)

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韓国NAVERがユーザーがオリジナル作品を10億本以上公開するストーリープラットフォームWhattpadを買収

トロントを拠点として14年の歴史を持つWattpad(ワットパッド)は、VCの支援を受けたソーシャルストーリープラットフォームで、さまざまな分野に進出している。そのWattpadがこのたび韓国のコングロマリットであるNAVER(ネイバー)に6億ドル(約622億6000万円)の現金と株式による取引で、買収されようとしている。

NAVERは、少なくともWattpadの事業の一部を、2004年に立ち上げて2014年に米国に進出した出版プラットフォームWebtoon(ウェブトゥーン)に組み込むことを計画している。Webtoonはユーザーが作成した何千本ものマンガを掲載するプラットフォームで読者の数も多い。NAVERによれば、Webtoonは2020年8月の時点で、月平均6700万人以上のユーザーを数えている。

普通に眺めれば、この取引には意味があるように見える。韓国のPulse News(パルス・ニュース)によれば、そのウェブ漫画のなかには、より広い地域の読者を獲得し、映画にも進出しているものもあるという(記事の最後に挙げたのは「The Secret of Angel』という人気シリーズの予告編だ)。

同様に、もともと電子書籍アプリとしてスタートしたWattpadは、ユーザーがオリジナルの作品を公開し、毎月9000万人以上が作品を読むために訪れる人気の高いプラットフォームへと進化してきた(実際、先週Vergeに掲載された記事によれば、Wattpadは何年もかけて10億本以上のストーリーを掲載し、ユーザーは延べで月に220億分かけて、それらの物語を読んでいるということだ)。

NetflixやAppleをはじめとして、インドネシアのライドシェア大手のGoJekが2019年に立ち上げたGoPlayのようなプラットフォームまでもが、フレッシュなコンテンツを必要としていることを受けて、Webtoonと同様にWattpadもストリーミングメディアに力を入れてきた。(Wattpad Studiosに加えて、Wattpadは2019年に書籍出版部門を立ち上げた)。

WebtoonのCEOであるJun Koo Kim(キム・ジュンク)氏は、プレスリリースの中で、今回の提携は「世界をリードするマルチメディアエンターテインメント企業になるための大きな一歩」であると述べている。

一方、NAVERのSeong-Sook Han(ハン・ソンソク)CEOは、Wattpadの共同創業者であるAllen Lau(アレン・ラウ)氏とIvan Yuen(イワン・ユエン)氏が、買収後も引き続き彼らが築いてきた会社を率いると別のリリースで述べている(NAVERの子会社は東京で開発された人気メッセージングアプリのLINEを運営している)。

今回の買収がWattpadの投資家にとって良い話だったのかどうかについてだが、まあまあであったように思える(それぞれの投資条件を知らなければ、しっかり見定めることは難しいが)。

Wattpaidは長年にわたってアジア、米国、カナダの投資家たちから1億1780万ドル(約122億2000万円)を調達してきたが、直近のラウンドではTencent Holdings、BDC、Globe TelecomのKickstart Ventures、Peterson Group、Canso、Raine Venturesから5100万ドル(約52億9000万円)を調達した。

Pitchbookによれば、2018年に発表されたその最後の取引によって、同社の事後評価額は3億9800万ドル(約412億9000万円)となった。

 

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タグ:NAVERWhattpad買収韓国メディア

画像クレジット:Wattpad

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(翻訳:sako)