Nokia買収によりWindows Phoneスマートフォンの93.5%が‘Microsoft製’になる

遅れと小さなトラブルを経験した、Microsoftの72億ドルのNokia買収劇は、金曜日にその終幕を迎える。その幕引きに伴い、MicrosoftはWindows PhoneのデファクトのOEMになり、そのプラットホームの一員であるスマートフォンの相当な部分を製造販売していくことになる。

Nokiaの資産は今後、Microsoft Mobileと呼ばれる。

今年の4月に関するAdDuplexのデータによると、Nokia製のWindows Phoneハンドセットはそのグローバル市場の約93.5%を占める。つまり今週末にMicrosoftがあの会社のハードウェア資産を手中にすると、実質的にその全市場を所有することになる。

下図がその比率だ:

Microsoftは今、世界中のOEMパートナーたちに求愛して、そのモバイルプロジェクトに取り上げてもらおうとしている。これまですでに、Nokiaのスマートフォンビジネスに大金を投じたMicrosoftは、今度は多くの他社に対してうまく振る舞わなければならない。

Windows Phoneはラテンアメリカとヨーロッパでシェアを拡大してきたが、合衆国市場への参入ぶりは、まだごく限られている。

画像: FLICKR/Vernon Chan; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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ノキア、Lumia 520の好調を背景にWindows Phone全体でも90%の市場シェア

あとしばらくすれば、ノキアのハードウェア部門はMicrosoft傘下となる。しかしそうなる以前の現在でも、このフィンランド発メーカーのノキアは、Windows Phoneマーケットでの主導的立場に立っている。AdDuplexの記事によれば、ノキアはWindows Phone市場にて90%のシェアを獲得しているのだそうだ。

つまりは10台のうち9台のWindows Phoneがノキア製だということになる。さらにシェアは月ごとに拡大しているようなので、今では90%以上ということになっていそうだ。あるいは既に「Windows Phoneはノキア製」という状況になっているのかもしれない。

尚、現在市場に出ているWindows Phoneのうち、75%以上がWindows Phone 8のものなのだそうだ。Microsoftは昨年、MicrosoftはWindows Phone 7.xの利用台数が3倍に成長するだけの台数を出荷し、これらは現在でも利用されている。もちろんWindows Phone 7.xからWindows Phone 8に買い替えた人もいるだろうが、しかしそれでもWindows Phone全体の中で4分の3を占めるまでにWindows Phone 8利用者が増加したことを意味する。

売れ筋はローエンドモデルのLumia 520だ。この1ヵ月でシェアを3.3%伸ばしている。同一ファミリーになる521もWidows Phone中3.4%のシェアを獲得してトップ10に入ってきている。最新のLumia 525は間もなくリストに登場してくることだろう。

Lumia 520がこれだけ大きなシェアを獲得しWindows Phone(およびNokiaSoft)の屋台骨を支えるまでになっているのは、ベトナム市場の影響が大きい。ベトナムのWindows Phone市場では、57%を520が占めているのだ。スマートフォンの中でも低価格なところが支持されて、大きな数を売り上げているわけだ(訳注:ちなみにアメリカでの520の割合は7.2%、ドイツでは9.9%、インドでは43.4%となっている)。

ノキアのポジションが高くなっているのは、低価格のLumia 520およびそのシリーズで、新興国における市場シェアを大きく獲得していることによる。もちろんMicrosoftとしてはここで満足するわけにはいかない。Windows Phone 7.xは過去のデバイスとなりつつある。そうした中、アメリカ市場においても充分に戦えるデバイスを必要としており、そして前世界に置いて確たる地歩を築きたい考えだ。この点で、2013年の第4四半期にて、Wondiws Phoneが1000万台の販売台数を獲得できるかどうかが大いに注目に値する。これを達成できなければ、Windows Phoneの成長に暗い影を感じざるを得ないということになりそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


ノキア、北米で大躍進。Q3の端末出荷台数は前年比367%増

Nokiaの最新業績報告によると、同社はついに北米地区で、Windows Phoneベースのスマートフォン、Lumiaの市場を軌道に乗せた。これは、プラットフォーム自身にとっても、Nokiaの端末事業を70億ドル以上で買収するMicrosoftにとっても朗報だ。

Nokiaの北米における端末台数は、2013年第2四半期の50万台から、第3四半期には140万台へと増えた。第1四半期は40万台、1年前の第3四半期は30万だった。同地域における四半期当たりの出荷台数を1四半期で3倍近くに伸ばしたことには、驚くほかない。

Nokiaによると、「北米における連続成長は、当社のスマート・デバイス事業の売上増が主な要因」だという。つまり、売上増の大部分はスマートフォンによるものだ。そして、米国内のモバイル市場がカナダよりはるかに大きいことを踏まえると、殆どの販売は国境の南側で起きたと考えられる。

つまりNokiaは、第3四半期に前期よりはるかに多くのWindows Phone端末を売ったことになる。ざっと見積って、米国内で100万台以上のLumiaを売ったと考えていいだろう。

以下がそのグラフだ。

Nokia Lumiaシリーズのスマートフォンは、2011年11月に発売された。同社の第4四半期中にあたる。この期に同社は「世界で100万台以上のLumia」を販売したことを後に明らかにした。

続く2012年第1四半期、Nokiaは販売台数を公表しなかった。2012年第2四半期には、世界で400万台売ったと報告した。ここからは、Nokiaが控え目ながら順調にLumiaシリーズの売上を伸ばしていたと見ることができる。

しかし、2012年第3四半期、販売台数は290万台に落ち込み、同社にとって非常に苦しい時期を迎えた。Nokiaは「Lumiaの新製品群によるすばらしいイノベーションが次に来ることを公表した」ことが原因だと指摘した。

それ以来、Lumiaの販売は期毎に伸び続け、2012年3Qの440万台から、直近の2013年3Qには880万台へと増えた。以下のグラフで全貌がわかる。

つまり、世界市場での成長は順調で、次の第4四半期には、初めてWindows Phone端末の販売台数を1000万の大台に乗せられるかもしれない。しかし北米市場については、同社の苦戦を認めなくてはならない。グローバル事業が拡大を続ける中、北米は停滞している。

しかし、ローエンドのLumia 520(および521)とハイエンドのLumia 1020に加え、Windows Phone 8のソフトウェア改善によって、少なくとも米国での成長に必要なカギは解かれたようだ。

これは重要だ。もしNokiaがこの市場で失敗すると、通信会社の支援が打ち切られる危険もある。この種のものはひとたび失うと、再び獲得することは難しい。すなわち、好調な第3四半期は、米国市場におけるNokiaが長期的に存続できることを暗示しているとも言える。

NokiaのWindows Phone戦略は、長年批判の的となり、見込みがない、運がない、不誠実、高価だと言われ続けてきた。MicrosoftのWindows Phone戦略も同様にやり玉に上げられてきた。今や両者がタッグを組み、非難の的が一点に集中するので時間の節約だ。冗談はさておき、Nokia ― Windows Phone OEMの事実上の標準 ― は、数四半期前と同じ台数を出荷できることを証明した。しかし、北米の問題は消えていない。Microsoftは自身のプラットフォームを自国の市場で売ることかできるのか? 長年のつらい歩みを経て、答えはもうすぐはっきりするだろう。

では次の目標は何か。Lumiaの北米売上を伸ばし続けること。もしNokiaが、この地域で例えば200万台第4四半期に販売できれば、ゲームとして成立するだろう。

データはすべてNokiaによる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


BlackBerryを救う方法

編集者注記: この記事の筆者Andrew Auernheimerまたの名Weevは、ハッカーで、AT&TのiPadの顧客向け情報サービスをハックして懲役41か月を宣告された。6月以降彼は、本誌TechCrunchに、これ以外にも二つのエッセイを刑務所から送ってきた。それらは、”The Tiger And The Cicada“と”State Machinery For State Machines“だ。

ぼくの最初のスマートフォンはNokia Communicatorだ。なんでもできそうなC++の開発キットが魅力だった。iPhoneが出ても乗り換えなかった。 コードを動かすためにはApp Storeに登録しなければならないという義務は、誰もが自由にコンピュータを使えるべしという理想に対する、図太い宣戦布告と思われた。その後ぼくはNokiaと別れてAndroidを持った。ぼくの道徳観からすると、選択肢はそれしかなかった。

多くのハッカーが、Richard Stallmanのイデオロギーを信奉している。たしかに、フリーなソフトウェアを使うことは、道徳的には優れている(フリーには、ソフトウェアのソースコードを見られること、すべてのユーザがそれを改変して配布できること、が含まれる)。Appleのプラットホームがいくら優秀でも、自由の価値には替えられない。Androidはフリーではないが、フリーソフトウェアの成分が多い。だから今のところは、もっともフリーだ。

BlackBerryの命は風前の灯だが、自由という名の炎の洗礼を受ける気があるなら、まだ望みはある。

Stallman自身は携帯を持とうとしない。どれもフリーソフトウェアでないし、政府が出入りする裏口(バックドア)があるからだ。彼の、理念への修行僧のような献身は立派だが、良き収入と良き性生活のためにはモバイルデバイスが欠かせないと知った者にとっては、非現実的だ。ぼくたちはEmacs教の教会から次第に足が遠くなり、真の自由の代わりに、ほとんど自由なプラットホームで我慢するのだ。

ぼくはAndroidの、ごたついたUI/UXと、Googleの監視国家の肥大を憎む。そう感じている人はとても多いが、でもBlackBerryなら全員がハッピーになれるかもしれない。BlackBerryは、ある一つの、革命的行為を実行するだけでよい。それは、モバイルのユーザとデベロッパを牢獄から解放することだ。すべてのソースコードをGPLv3準拠で公開する。すべてのハードウェア成分のスペックを公開し、コミュニティの誰もが自分独自のデバイスを、NSAや企業のバックドアなしで作れるようにする。毎四半期のBlackBerryの決算報告には、コミュニティからの感謝と忠誠の言葉が必ず載るようにする。

BlackBerryの命は風前の灯だが、自由という名の炎の洗礼を受ける気があるなら、まだ望みはある。もう、こうなったら、怖いもの・失うものは何もないのだから、今土壇場のBlackBerryは、モバイルの業界全体と世界の政府をディスラプトするための、度胸を持てるだろう。

[画像: Flickr / Brian Gautreau]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


マイクロソフトがノキアの携帯電話事業を買うしかなかった理由

MicrosoftがNokiaの重要資産を買収したというニュースは、驚きではあったが、実はそうではないかもしれない。MicrosoftにNokiaを買うしか選択肢がなかった根本的理由は単純だ。NokiaのWindows Phoneプラットフォームの支配力が大きくなりすぎ、Microsoftはモバイル事業の制御を失うわけにはいかなかった。

なぜ、このような状況にいたったのか? MicrosoftはNokiaに、Windows Phoneを好きなように改造できる特権を与え、時と共にNokiaは最大のWindows Phoneメーカーになった。そして、事実上〈唯一の〉Windows Phoneハードウェア会社になった。これがMicrosoftのWindows Phoneを変更する権利に問題を生じさせる結果となった。もしNokiaが唯一意味のあるWindows Phone OEMであり、OSの変更もできるのであれば、Microsoftは自らのプラットフォームに対して殆ど制御が及ばないことになる。もちろん開発ツールは作っているが、ユーザー体験をコントロールすることができないなら、本当の意味で自社のモバイルOSをコントロールしていることにはならない。

これは受け入れ難かった。Microsoftは、今後も他のハードウェアメーカーがWindows Phone端末を作るのに協力したいと言っている。そしてHTCは居残るかもしれないが、Microsoftが自らの市場を独占している今、外部からの関心も限られてくるだろう。

Microsoftはそれに何十億ドルもの現金を注ぎ込み、はっきり言ってNokiaが損を出すのと共に赤字部門であり続ける可能性は高く、購入した資産がキャッシュフローをプラスにするとは考えにくい。しかし、これでMicrosoftは、制御を失うどころか、かつてない形で自らのプラットフォームを制御できるようになった。これはWindowsでは、Surfaceプロジェクトで支配を高めたにもかかわらず起きなかったことだ。

Microsoftはついこの間まで、自社のソフトウェア製品の供給経路として働くハードウェアメーカーに依存している会社だった。Surfaceは、そんな過去に対する初めての一撃だった。Nokiaの買収は、完全なる離脱だ。Windows Phoneは、もし過去の傾向が続けば、2013年第4四半期に1000万ユニットを出荷可能だろう。そして今それがMicrosoft端末になる(実際の契約は2014年にならないと締結されないが、ここでは実質的な話をしている)。

これでプラットフォーム戦争の定義が明確になった。Apple、Google、およびMicrosoftがモバイルソフトウェア、ハードウェアを内部で制御し、自社独自のサービスをモバイルユーザーに提供できる。モバイルは将来の鍵となるプラットフォームだ。このためテクノロジー業界の企業は2つの勢力に分類できる。自らのモバイルプラットフォームを持つ側と、他人のプラットフォームの上を歩かなくてはならない側だ。

ちなみにYahooは、後者もうまく行くはずであるという賭けだ。Microsoftの意見は違うようだ。

トップ画像提供:Vernon Chan

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(翻訳:Nob Takahashi)


MicrosoftのNokia買収に市場は冷ややかな反応―時価総額から166億ドルが消える

MicrosoftがNokiaの携帯電話事業と知的財産を買収するというニュースに対して、株式市場の反応を否定的だった。営業時間内取引でMicrosoftの株は6%下げた。

現時点で時価総額は166億ドルの減少だ。投資家はNokia買収に強い拒絶反応を示したことになる。ちなみに現CEOのスティーブ・バルマーが退任の予定を明らかにしたときのMicrosoftの時価総額の増加は180億ドルだった。つまりMicrosoftの株主はバルマーの退任を好感したのと同じ程度にNokiaの買収を嫌っていることになる。

MicrosoftはなぜNokiaを買収しなければならなかったのか? Nokiaは事実上Windows Phoneの唯一のメーカーだからだ。Windows Phoneでのシェアが90%にも上っているNokiaがMicrosoftから独立した存在であるのは、ユーザーインタフェースの統一性を守る上その他で、あまりにも危険だったということだろう。.

72億ドル払ってMicrosoftはハードウェアを含めたモバイル・プラットフォームのハードウェアの完全な支配権を得たわけだが、なぜ投資家にはこの決定が嫌われたのだろう? 

アメリカ国内の資金ではなく、税金対策のために海外にストックしてあるキャッシュが使えるので、実はMicrosoftにとってこの買収はまったく財政的負担にはならない。しかし一方でNokiaがこのところ赤字を垂れ流しているのも事実だ。Microsoftが買収したあとも収支が急に改善する見込みは薄い。

しかし市場の反応が否定的なのは、必ずしも財政面だけを考えてのことではないだろう。投資家はNokiaの現CEOでMicrosoft出身のスティーブン・エロップがMicrosoftの次期CEOに座ることを恐れたのだと私は思う。事前の拒絶反応だ。

画像:D.Begley

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マイクロソフト、ノキアのデバイス・サービス部門を買収

Microsoftは米国時間9月2日夜、「Nokiaのデバイスおよびサービス事業すべて」を買収すると共に、Nokiaの特許をライセンスし、Nokiaのマッピングサービスを使用すると発表した。

取引総額は現金54.4億ユーロで、これは71.7億米ドルに相当する。デバイスおよびサービス事業の買収には、うち37.9億ユーロがあてられ、特許ライセンス契約は残りの16.5億ドルに相当する。

NokiaとMicrosoftは、去る2011年に提携関係を結んでいるが、今回は両社にとってはるかに重大な協業となることは間違いない。

また、契約の一環としてNokiaのCEO Stephen Elopは、同社の社長兼CEOを退き、Microsoftで「Nokiaデバイスおよびサービス担当執行副社長」の新役職に就任する。Elopは、近々空席となるMicrosoft指揮官の筆頭候補者と噂されていることから、これは未来のMicrosoftの経営リーダーを暗示する強いシグナルかもしれない。

同ニュースを発表するプレスリリースで、Microsoft CEOのSteve Ballmerは次のように語った。

これは未来への大胆な一歩だ ― 両社の従業員、株主、および消費者すべてにとってウィン・ウィンだ。すばらしいチームが一体となることによって、Microsoftの携帯電話のシェアと利益を加速し、Microsoftおよびデバイスとサービスのファミリー全体にわたって機会が増加する。Nokiaは、携帯電話のあらゆる価格帯における革新と強さに加え、ハードウェアデザイン、エンジニアリング、サプライチェーンおよび生産管理、さらにはハードウェアの販売、マーケティングおよび流通といった重要分野の優れた能力と人材をもたらしてくれる」

これは、われわれの知るNokiaの終りを意味しているように見えるが、現時点では同社は何らかの独立組織として前進しようと計画しているようだ ― ただし全く異なる戦略で。Nokiaの取締役会会長で、Elop退任後の暫定CEOを務めるRisto Siilasmaaは、リリースの中でこう引用されている。「これは重要な再発明の瞬間であり、わが社の財務的強みを生かし、次の章を構築していく・・・本契約は多くのNokia社員に対して、モバイル分野で成功するための戦略と財源を持つ会社の一員として将来の機会を与えるものだ」。

これは大きな影響を与える可能性のあるニュースであり、今後も本誌は追加情報、分析と共に続報する予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Windows Phone、中南米モバイル市場で第2位に躍進。Nokia – Microsoftの関係を実証

Microsoftは、IDCの最新データによると、Windows Phoneは中南米で2番目に多く利用されているモバイルプラットフォームである、と発表した。これを二次市場における小さな勝利にすぎないと無視することは簡単だが、このニュースは、インストールベースを成長させて出荷台数の成長を加速させる、というWindows Phoneの戦略を検証するものだ。

Microsoftは明らかにこの銀メダルを誇りとして、データを報告すると共に「1年間で、このオペレーティングシステムは4位から2位に上った・・・前四半期から12%成長した」と語った。

これには要素が2つある。Microsoftは数を稼ぐことに必死で、低価格端末は新興市場で好調である。そして、Windows Phoneの全世界市場における総シェアは低いが、少なくとも一つの半球では活路を見出した。

Windows Phoneが中南米で第2位になったというニュースは、最近のNokia Lumia 520端末販売の急成長を踏まえれば驚きではない。この低価格機は、たちまちWindows Phoneで最人気の端末になり、元のタイトル保持者たちを脅かしながら上昇速度を落としていない。

中南米におけるWindows Phone市場シェアの急変は、過去数ヶ月間のLumia 520の急成長と強い相関がある。AdDuplexのデータによると、この間に同端末の出荷台数が加速した。さほど頭をひねらなくても、Lumia 520の販売が中南米市場シェア拡大を後押ししたと推論することは難しくない。

Microsoftもそう言っている。「中南米では20ヵ国以上で、Nokia Lumia 520などの低価格スマートフォンをはじめ、さまざまなWindows Phone端末を利用できる」。Microsoftは、長期にわたる高価でどこか垢抜けしないモバイルへの取り組みが、ようやく陽の目を見ただけでなく、その賭けの背後にある戦略が正しかったことを示唆している。

Nokiaは最台のOEMパートナーとして、Microsoftに自身だけでは作ることも育てることもできなかった二次市場参入の道を与えた。そしてその二次市場がWindows Phoneの数を支えているようだ。

Microsoftは、Lumia 520から華美なLumia 1020端末まで、あらゆる市場に参入したいと考えている。しかし、同社が長らく求めてきた成長は、今のところ途上国の低価格端末から生まれているようだ。

トップ画像提供:Vernon Chan

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(翻訳:Nob Takahashi)


この分ではクリスマスまでにWindows PhoneのシェアはNokiaが独占する?

お断り:この記事のタイトルは誇張されている。しかしそれほど誇張されているわけではない。そこにMicrosoftにとっての問題がある。

AdDuplexグループが発表した今月のレポートによると、Windows Phoneの置かれている状況は7月とほぼ同様のようだ。Lumia 520は他のWindows Phoneを圧倒、HTCが後退した後、Nokiaは急速にWindows Phoneのデファクト標準になりつつある。

Nokiaのシェアは7月には85%だったが、8月には86.9%にアップしている。1ヶ月で約2%ポイント増加したわけだ。この分ではもともと小さいWindows Phoneのシェアのほとんど全部をNokiaが獲得するのも遠くないだろう。

またAdDuplexによれば、最新フラグシップモデルのLumia 1020はその直前にリリースされたLumia 928より売れているという。つまりNokiaのセールスは実際、増加していると推定してよい。Nokiaが今後数ヶ月このペースで売上を伸ばすのも不可能とはいえないだろう。エントリーモデルとしてはLumia 520が成長を続けているし、Lumia 1020はアメリカで100ドル値下げするなどマーケティング努力を強めている。

Nokia以外のWindows Phoneのメーカーは? HTCが辛うじて残っている。HTCのシェアは7月の11.5%から8月には9.8%に下落した。これはちょうどNokiaの増分と見合いになる。HTCのシェアが「無視出来るレベル」になるのはいつだろう? 5%を切ったときか? 今の傾向のままだとそれは3ヶ月先ということになる。つまりクリスマス前だ。.

Windows Phoneの出荷量は増えている。第4四半期にはおそらく1000万台が出荷されるだろう。しかしながら、なにかドラマティックな事態が起きないかぎり、この四半期のうちにWindows Phoneは事実上Nokia Lumiaファミリーに独占されることになりそうだ。

Windows Phoneにとって良いことか、悪いことか? 販売数が伸びるのはMicrosoftにとってネコにマタタビのように魅惑的だろう。しかしプラットフォームのサポートが縮小するというのは危険なことだ。Windows Phoneの運命は以前にもましてNokiaが握ることになった。Microsoftのモバイル事業はNokiaと運命共同体になっている。Windows Phoneというきわめて重要で、きわめて金のかかる事業がそういう状態になることはMicrosoftにとって居心地の悪い事態だ。

「MicrosoftはNokiaを買収すべきだ」という主張は、数多くのメーカーが争ってWindows Phoneを作ろうとしていた時期には意味をなさなかった 。しかしそんな時代はとうに過ぎ去った。今やNokiaが優れたプロダクトを作るのに失敗すればWindows Phone全体が崩壊しかねないという状況だ。いやはや。

画像:Vernon Chan

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MicrosoftはNokia買収の一歩手前まで行っていた(WSJ報道)

MicrosoftとNokiaはここ数年かなり親密で、フィンランド企業がスマートフォンのOSにWindows Phoneを選んだことを発表をした時点で、多くの人々がこれを買収の前兆だろうと憶測した。そして、Wall Street Journalによると、実際その方向に話は進んでいたようだが、その後交渉は決裂した。

WSJによると、交渉は今月に入るまで行われれていたが、もはや復活が不可能な段階まで関係は破綻しているという。つまり、MicrokiaもNokrosoftも当分ないという意味だ。それまでの交渉は非常に順調だったが、両社が直面する財務的問題のために結局物別れに終った。

Microsoftが求愛をやめたと記事は伝えている。Nokiaは苦戦を続けており、Windows Phone計画も同社の継続的損失を建て直すには至らなかった。Nokiaは前四半期にアナリスト予測に届かず、経常損失も出したが、1年前よりはずっと小さかった。しかし、同社の端末売上は前期、前年同期いずれからも減少していた。

基本的にMicrosoftとNokiaの交際期間は長かったため、Microsoftにはこの結婚が両者いずれにも幸運をもたらさないであろうことを知る十分な時間があった。実際、ここ数年のNokiaの業績とモバイルプラットフォームとしてのWindows Phoneの実態を知る者にとっては、合併が検討されていたことも、それが破談になったことも、どちらも驚くに値しないだろう。

残るはMicrosoftがスマートフォンで次に何をするかだ。果たしてSurface方式に自社独自のプロジェクトを立ち上げて活生化させるのか、それともモバイルOSに火をつけてくれそうなNokia以外の誰かを見つけるのだろうか。

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(翻訳:Nob Takahashi)


サムスン、2012年のスマートフォン出荷台数は2億1300万台。Appleとノキアの合算を上回る

apple-samsungスマートフォン界での覇権をめぐって、サムスンとAppleの戦いはますます激化している。しかし最新のStrategy Analyticsによる統計データによれば、サムスンが30%のマーケットシェアを獲得し、Appleに対するリードを広げつつあるのだそうだ。

レポートによるとサムスンは2012年に2億1300万台のスマートフォンを出荷したのだそうだ。これは単一メーカーによる年間スマートフォン出荷台数の記録になるのだとのこと。サムスンの前の記録保持者はNokiaで、2010年の1億10万台という記録だった。

サムスンはハイエンド(Galaxy S IIIやGalaxy Note II)からローエンド(Galaxy Y等)までを広く手がけており、それもあって市場に受け入れられているようだ。2012年に関していえば、サムスンはAppleとノキアの販売台数を合算したよりも多くのスマートフォンを売り上げたことになる。

iPhone 5のパーツ発注件数が減少したのは、需要が見込めないからではないか等のに関わらず、Appleの方も順調な成長を続けている。全世界で1億3580万台のスマートフォンを売り上げているのだ。シェアにすると19%ということになる。但し出荷台数の年間増加率は46%を記録したのだが、実のところ2011年の統計でもAppleのマーケットシェアは19%となっていた。

ちなみにサムスンとAppleは、両者で全世界スマートフォンの半分程度にあたる台数を出荷したことになる。

ノキアも必死の努力で3位のポジションを確保した。2012年は3500万台のスマートフォンを出荷している。しかしマーケットシェアで言えば前年の16%から5%に落ち込んでしまっている。Microsoftとの連携あ、Lumiaシリーズの爆発を期待しているところだ。

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(翻訳:Maeda, H)

Kantarレポート:スマートフォンの世界的人気はAndroid(サムスン)。但しアメリカと日本ではiPhoneが絶好調

androidrobotAndroidスマートフォンが、昨年末ホリデーシーズンの覇者となった。Android搭載機種の中でもサムスンが絶好調だ。但し、アメリカおよび日本ではiPhoneがトップということになったらしい。この統計を出しているのはKantar Worldpanel Comtechだ。WPPの一部門で、12週間毎に携帯電話の販売統計を出している。また、MicrosoftのWindows Phone OSは、アメリカおよび中国という巨大市場で苦戦が続いているようだ。ヨーロッパでは普及に向けた多少の兆しも見られるようだが、未だにほとんどのところで一桁パーセントの普及に留まっている。

スマートフォン利用率は各国で増加傾向にあり、従来型フィーチャーフォンを上回りそうになっている場所も増えてきている。Kantarによると、スマートフォンの普及率で言うと調査対象国の中でイギリスが最も高く、61%にのぼるのだそうだ。2番手につけているのはオーストラリアで54%、3位がフランスで46%となっている。以下、次のように続く:イタリアとスペインが双方45%、アメリカが42%、中国が39%、ドイツが38%、そして日本が24%(日本では携帯電話の普及率が高く、スマートフォン以前からずっと使っているという人が多いのだろう)。

各地で好調なスマートフォン市場だが、ここを引っ張るのはAndroidだ。12月23日までの12週間におけるスマートフォン売り上げを見ると、さらにリードは広げそうな様子だ。たとえばスペインでは販売されたスマートフォン中、なんと87%がAndroid端末となっている。また拡大しつつある中国でも4分の3近く(72%)がAndroidという状況になっている(その他のデータは末尾に掲載しておいた)。

Androidの中で見ると、首位のブランドはサムスンだ。Kantar Worldpanelのグローバルコンシューマーインサイト部門のディレクターであるDominic SunneboがTechCrunchに話してくれたところによると、ヨーロッパの5大市場(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、そしてスペイン)における全携帯電話中でサムスンデバイスが占める割合は43%にのぼるのだそうだ。ちなみにアメリカでは27%、オーストラリアでは32%、そして中国都市部では23%だとのこと。但し日本ではこれが6%にまで落ち込む。9つの市場を合算すると、サムスンの販売台数シェアは27%になるのだそうだ。

Appleの強さが光っているマーケットもある。たとえばアメリカ市場もそのひとつだ。iPhone 5が好調で、iOSがスマートフォン全体の中で51.2%を占める。これは昨年比で6.3%伸びている。また日本はiPhoneとAndroidのギャップが最も大きな市場と言えそうだ。iPhone率は66%で、Androidは32%となっている(日本については昨年途中からデータを取り始めたばかりで、過去のデータと比較することはできない)。

ところでKantarは、Androidも飽和点に近づきつつあると分析している。「飽和点」という言葉には2つの意味があるだろう。つまりひとつはスマートフォン全体にわたっての飽和状態だ。フィーチャーフォンからスマートフォンに買い換える需要は一段落し、これからは購入者が減っていくだろうというもの(メーカー全体にとって悪いニュースだ)。また、Androidに対する「飽き」のようなものを意味するものでもあるだろう。たとえば新しいもの好きな消費者などは「次のターゲット」を探して動き出すこともあるとのこと(シェア拡大を狙っているMicrosoftはこれに賭けたいところだろう)。

但し、Kantarの分析では前者の意味が強いようだ。Sunnebo曰く「2012年末の統計では、スマートフォンに用いられるOSの中で、Androidが勝利していました。しかしこの1年での利用者増加率は確実に落ち込んできています。初めてスマートフォンを購入するという人が減ってきているのです」とのこと。

Windows Phoneについてはどうだろうか。ヨーロッパでそれなりの人気を獲得しているのは、現地におけるノキアのブランド力によるところが大きいのだろう。イタリアでは未だにSymbianユーザーがかなりの数にのぼる。昨年末時点のスマートフォン販売台数のうち、20%をSymbian OS搭載機が占めていた。前年比で5%減少はしたものの、まだこの割合を保っているのだ。そしてノキアが大好きだという人が、自然とLumiaに移行しつつあるということもあるのだろう。ハイスペック機と普及機の双方を用意したのも成功だったようだ。ノキアにとってみれば、もっとはやくSymbianから移行すべきだったということになるのかもしれない。そうすればもう少し多くの利用者を獲得できた可能性もありそうだ。

但し、そうは言ってもヨーロッパの主要マーケット全体で見ると、Windows Phoneの占める割合は5.4%に過ぎない。

さらにMicrosoft(およびノキア)は2大市場における結果が全く出ていないのも心配な点だ。Sunnebo曰く、アメリカと中国においては「全く芽が出ていない状態だ」とのこと。アメリカにおけるWindows Phoneの販売割合は2.6%で、中国(ここでも一時Symbianがトップの人気を集めたことがある)では1%にも満たないようだ。「2013年もMicrosoftは苦戦を続けることになりそうです」とのこと。

Kantarは、スマートフォン率が61%に達したイギリス市場についての詳細もレポートしている。メーカー比較ではサムスンがAppleを僅差でリードしているとのこと。販売数中、サムスンが35%を占め、Appleが32%となっているのだそうだ。ちなみにノキアについては「状況が変わりつつあるようです」とのこと。Windows PhoneとSymbianをあわせても6.2%となっているのだ。昨年同時期には50%以上を占めていたのだった。またRIMも在庫がなかなか売れない苦しみを味わっている。RIM好きもBB10を待っているという状況もあるだろう。しかしBlackBerryの率は、わずか6.4%に留まっている。

kantar worldpanel comtech

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(翻訳:Maeda, H)