Microsoft(マイクロソフト)が保有するデベロッパーリポジトリーGitHubは、米国時間3月16日に独自の契約によりJavaScriptのパッケージベンダーnpmを買収した。買収額は公表されていない。
GitHubのCEOであるNat Friedman(ナット・フリードマン)氏は、この買収を発表するブログ記事で、npmはJavaScriptのコミュニティにおける大きな存在だとしている。同社はNode.js上のパッケージマネージャーであるnpm Registryやnpm CLIなどのツールを開発し提供している。Node Package Managerの頭字語がnpmになる。
「npmはJavaScriptの世界で重要な。npmのチームによるこれまで10年間の仕事と、何十万人ものオープンソースの開発者とメンテナーの貢献により、npmは130万あまりのパッケージのホームになり、それらは1カ月に750億ダウンロードされている」とフリードマン氏はいう。
オーナーが変わることによる開発者の不安を打ち消すかのようにフリードマン氏は、ユーザーはその違いに気づかないだろうと語っている。「npmの公開レジストリを毎日使っている数百万の開発者にとってnpmはいつでも使えてmいつでも無料であり続ける」と氏は記している。
彼はまた、このツールを支えているインフラをアップデートしてユーザー体験を改善し、npmのコミュニティとの関係を維持すると約束している。フリードマン氏によると、npmの技術をGitHubのプラットフォームに一体化する。すなわち「将来的にGitHubとnpmを統合して、オープンソースソフトウェアのサプライチェーンのセキュリティを改善し、GitHubのプルリクエストから、セキュリティの改良などnpmのパッケージのバージョンの変化をトレースできるようにしたい」とのことだ。
npmの創業者でCEOのIsaac Schlueter(アイザック・シュリューター)氏は同社のブログで、買収は良い方向への変化だとしている。「npmのユーザー体験が改善される素晴らしい機会だ。それによりJSデベロッパーの毎日が大小様々な面で有意義に改良されるだろう。そして私たちのツールが信頼性を増し、より便利になり、お互いに依存し合っているJavaScriptの広大なエコシステムの誰とでも結びつけるようになる」という。
もちろんそれは、無料バージョンだけの話ではない。有料顧客のコアグループもあり、フリードマン氏によると、GitHubはその人たちのサポートも継続する。
彼によると、レジストリがさらにGitHubへと統合される2020年後半には、有料顧客は自分たちのプライベートなnpmパッケージをGitHubのパッケージに変換できるようになる。
PitchBookのデータによると、2014年に創業されたnpmはこれまで、4800万ドル(約51億円)の投資前評価額により1900万ドル(約21億2000万円)近くを調達している。「スタートアップとして6年間苦労したが夢は大きかった。次の章に入った今は、その夢を実現できるチャンスだ」とシュリューター氏は書いている。
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