Google、Android版Chromeのオフライン機能を強化――ダウンロードと読み込みが簡単に

Googleは昨年12月、Chrome for Androidにダウンロード機能を追加した。これにより、ユーザーはウェブページ、楽曲、ビデオなどをローカル・デバイスにダウンロードし、オフラインでアクセスできるようになった。今日(米国時間5/8)、GoogleはAndroid版Chromeのオフライン機能を強化したバージョンをリリースした。これによりファイルの保存、オフラインでの読み込みが簡単になり、また保存したファイルの検索も容易になった。

Chrome for Androidでウェブページをダウンロードするには画面の右上端からメニューを開き、上部の保存アイコン(「ブックマークする」の青い星型アイコンの右側)をタップする。続いてこの同じメニューのドロップダウンリストから「ダウンロード」を選択すると内容を表示させることができる。

新しいバージョンではコンテンツをセーブする機能がこれ以外にも追加されて簡単になった。そのひとつは保存したいURLを長押しすることだ。これは新しいタブを開くために長押しするのと同じ要領だ。すると「リンク先をダウンロードする」オプションがポップアップ表示される。ユーザーは「シークレットモード」でタブを開くこともできる。Googleによれば「長押し」は「新しいタブ」オプションで表示される「おすすめ」ページのアイコンでも有効だ。長押しすると「新しいタブで開く」、「シークレットタブで開く」、「リンクをダウンロード」、「削除」というメニューが表示される。

「新しいタブ」ページにはすでダウンロードした記事も表示される。このアイコンには「ダウンロードずみ」の青のチェックマークが付く。

このアップデートでChromeはInstapaperやPocketのようなサービスに近い使い勝手になった。これらのサービスはダウンロードずみコンテンツのリストを表示してオフラインで読み込むのを簡単にする。ときおりオフラインに保存する程度の使い方ならChromeの新機能は十分専用サービスの代りになりそうだ。またページをブックマークする代わりにダウンロードして後で読むといった使い方もできる。

ブラウザ自体に内臓された機能なのでChromeのオフライン・セーブ機能はカジュアル・ユーザーの間でも広く使われそうだ。ヘビー・ユーザー以外はスタンドアローンのオフライン保存アプリをあまり利用していない。

Googleは「ダウンロードして後で読む」機能は無線網の電波が届かない場所に行く場合や今月のデータプランを使い果たしてしまった場合などことに有効だ」と指摘している。

もう一つの機能強化は、ダウンロード・ボタンがさらに多くの場面で表示されるようになったことだ。たとえばダウンロードずみ記事をオフラインで読んでいるときに機能しないリンクに行き当たることがある。このとき画面下部に「後でダウンロード」という青いマークが表示される。このアイコンをタップするとChromeは次にオンラインになったときにURL先のコンテンツを自動的にダウンロードする。

GoogleによればChromeユーザーは毎週4500万ページをダウンロードしているという。つまりオフラインでコンテンツを読む需要はそれなりにあるということだ。

ここで紹介した新機能はすでにChrome on Android最新版に実装されている

〔日本版〕Chrome for Androidで「新しいタブ」を開き、「おすすめ」アイコンを長押しして「リンクをダウンロード」を含んだオプションがポップアップすれば最新版になっている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleマップ、オフラインのナビと検索を一般公開―プロダクト責任者の説明でじっくり試してみた

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読者が地下駐車場で車に乗り込んだとしよう。これから地理不案内の場所に出かけねばならないのだがGoogleマップにアクセスできない。地下駐車場にはWi-Fがきていないのだ。これまでなら車を外に出してスマートフォンが電波をつかむのを待ったところだ。

しかしもうその必要はない。今日(米国時間11/10)のアップデートで、Googleマップのナビと検索がオフラインでも使えるようになる。当初はAndroid版がサポートされるが、近くiOS版も提供される。この機能が5月に開催された Google I/Oでデモされたものだが、最高に便利だ。この機能が一般公開されるのはたいへんありがたい。

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私はGoogleマップのオフライン機能について、先週、プロダクト・マネージャーのAmanda Bishopに話を聞くことができた。Bishopによると、オフライン機能の公開に特に力を入れたのは、途上国で特に接続が遅くデータ通信が高価であることに対処するためだったという。なんといっても世界の人口の60%にはまだインターネット接続の恩恵が届いていない状態だ。アメリカでさえ僻地の道路を走っているとインターネットがないか、接続がひどく遅くなるデッドスポットにでくわすのだから困ったものだ。

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Bishopは非常に印象的なデモを見せてくれた。ユーザーはダウンロードしてオフラインで利用したい地域を指定する。当然ながらダウンロードしたデータでナビを実行する場合、リアルタイムの交通状況などは分からない。しかし従来のデータに基づく平均速度や公共交通機関の乗り換え情報などは利用できる。そのため目的地への推定到着時間は表示される。

データのダウンロードは巧妙だ。通常のナビや目的地検索に使う場合、マップの情報のほとんどは必要ない。そもそもサンノゼ方面に行きたいのにイースト・ベイ〔サンフランシスコ湾の東側地域〕の情報をダウンロードしても意味がない。ダウンロードした地図は必要ならユーザーがカスタマイズできる。

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Bishopのデモによると、新しいマップはシームレスにオフラインとオフラインを往復できる点が特長だ。走行中に電波を見失っても Android版Googleマップは他のオンライン・マップのようにそのままフリーズせず、自動的にオフライン・モードに切り替わる。Bishopによるとこれを実現するのはGoogleにとっても非常に難しかったという。ユーザーはオンラインであるかオフラインであるか気にせずにナビを続け、途中で立ち寄る必要のある場所を検索したりできる。

考えてみると、こうしたオンライン・オフライン自動切り替え機能はGoogleが開発している自動走行車にとって必須の機能だ。道路を走行中になんらかの理由で電波をつかめなくなっても自動車は安全に目的地まで走れなければならない。Googleマップのオフライン機能はわれわれ人間のドライバーにとっても便利だが、自動走行車にとってはそれ以上の重要性がありそうだ。

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オフライン・モードになるとGoogleマップは車の上に大きなシートが降ってきて電波を邪魔していることを教えてくれる…というのは冗談だが、ともかくユーザーに対して現在オフラインであることを知らせる控えめな注意が表示される。

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電波を発見すればただちにオンライン・モードに戻る。

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オフラインになったときGoogleマップは目的地までのいちばん常識的なルートをダウンロードするようユーザーに促す。そこでBishopに「自分が普段使っているルートや何度か通ったことがあるルートをダウンロードできるようにできないだろうか?」と尋ねてみた。なんといってもGoogleはわれわれが許可すれば、これまでに使われたルートは全部知ることができるはずだ。Bishopは「ダウンロード地域をユーザーが選択できるようにするのは次の課題として検討する」と答えた。

マップが常識的ルートをダウンロードするのは、おそらくGoogleがユーザーのデータ通信契約の状況を知らないからだろう。データ通信量に上限がある場合、マップをダウンロードしようとしてその上限まで使い果たしてしまうのは明らかに得策ではない。

Bishopは「オフライン機能のサポートでGoogleマップのユーザー体験は劇的に改善されたはず」と説明した。これはまったく正しい。私は先日ベルリンに出張したときに、オフラインのマップでナビを利用し、ホテル、オフィス、デモ会場などの場所を確認した。コーヒーショップも検索した。これらの情報を出発前にすべてダウンロードしていったことで、おそらく数百ドルのデータ通信量の節約になったはずだ。なぜ知っているかといえば、その前の出張では実際にその額を支払わねばならなかったからだ。私の懐にこの出費は非常に痛かった。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

アメリカ人の15%がインターネットに接続せず。アメリカ人の5%が曰く「自分には関係ない」

アメリカ人の5%が、可愛い猫たちや、楽しげなハッシュタグに全く興味がないのだそうだ。「インターネットなんて自分には全く関係ない」と述べているらしい。最新のPewレポートに掲載されている内容だ。今回のレポートは、インターネットにアクセスしない層についての分析を行っているものだ。

理由を問わずに見てみると、アメリカ人の15%がインターネットに繋がることなく生活を送っている。接続していないと回答した人の答えた理由として多かったのは「時間の無駄」というものだった。また、一部に「デジタルデバイド」のせいでアクセスできないのだとする人もいた。曰く、費用がかかりすぎるというものや、接続のための手段がないというもの、そして難しすぎるというものなどもあった。繋がっていない人の回答した主な理由については、以下のグラフにまとまっている。

ちなみに、繋がっていない人の半分ほど(49%)ほどが高齢者(Medicare対象者)となっている。

また、インターネットに繋がっていない高齢者のうち44%が他の人(孫娘など)に、ネット上での用事を頼んだことがあると回答している。

この辺りまでは、もしかすると読者の方々の「想定の範囲内」だったかもしれない。では、インターネットに繋いでいる人の3%が、未だに「ピーヒョロロー」というモデム音を発しているということについてはどうだろうか。「インターネットを使っている」と回答する人のうちのそこそこの数の人は、未だにダイアルアップで接続しているのだ。

レポートはこちらで公開されている。

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(翻訳:Maeda, H)