ディズニーのエンジニアが歯車と棒だけで動物の動きが驚くほど自然に再現できるデザイン・ソフトを開発

歯車で人形を動かす技術は何世紀も前から存在するが、ある種、秘密の職人芸として伝えられてきた。人間や動物そっくりに動作するメカニカルな仕掛けをデザインすることは難しいが、歯車と連接棒だけでそれを実現するとなるといっそうハードルは高くなる。

機械仕掛で動く人間や動物の人形のファン向けにディズニーのエンジニアのチームが驚くべきシステムを開発した。このソフトウェアでデザインすれば3Dプリンターと金属棒だけで自然な動きをする人形が作れる。その動きは昔のチェス人形などとは比べ物にならない。

このデザイン・ソフトウェアを利用すると作成しようとする人形のサイズに合わせてさまざまな歯車の組み合わせが選択できる。その結果、放物線、楕円その他、一見まったくランダムに思えるような多様な曲線運動が実現する。デザイン・チームによれば

デザイナーは動かそうとする部本のデザインを入力し、続いていくつかの点を指定して、それぞれのの大まかな動作曲線を描く。ソフトウェアはデータベースからその動作を実現するもっとも近い歯車と連接棒の組み合わせを提示する。デザイナーはその後シミュレーション機能を用いて修正を加え、所望の動きを正確に実現するメカニズムを完成することができる。

コンピュータ上でデザインが完成すれば、後で回転の途中で部品が衝突して動きがつかえたりすることはない。データにもとづいて3Dプリンタで人形の各部や歯車などを出力する。つまりソフトウェアがデータベースに蓄積しているさまざまな動作のパターンを利用して、新しい人形とその動きを容易にデザインすることができるわけだ。チューリッヒとボストンのDisney Research、チューリッヒ工科大学、MITのコンピュータ科学と人工知能ラボがこのプロジェクトで協力した。このシステムは柔軟な素材を用いればクラゲのようなぐにゃぐにゃした生き物の動きを再現するのにも用いることができる。

3Ders

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Dash Robotics、高速走行虫型ロボットを開発。Arduino互換標準DIYモデルの価格は65ドル

Dash Roboticsが、クラウドファンディングを利用して、ロボット愛好家のためのプロダクトを世に出そうとしている。素材、デザイン、および製造過程に工夫を凝らし、最先端の技術を安価で提供しようとするものだ。このロボットはスマートフォンでコントロールでき、虫のように駆けまわる。発送時はごく薄いパッケージにおさめられ、購入者が「オリガミ」風に組み立てるようになっている。

このDashはバークレーで博士課程に学ぶNick Kohut、Paul Birkmeyer、Andrew Gillies、およびKevin Petersonの手になるものだ。彼らはMillisystems Labにて小型ロボットの研究を行った。そして実験のためのプロトタイプモデルを、迅速かつ安価に組み上げる手法を編み出したのだった。そしてできたモデルを人に見せてみると、多くの人が心の底から驚き(どのようなものなのかは、下に掲載したビデオを見てみて欲しい)、満々の購入意欲を示したそうだ。

「Dashはなかなか魅力的に仕上がっているようです。子供たちに渡すと、親が引き離すまで何時間も遊んでいるのです」とKohutは言う。商品の完成度だけでなく、他にも欲しがられる理由があると主張する。「Dashは非常な低価格で提供されます。『安価』なロボットといえば、150ドル程度のものを指すことが多いようです。しかしDashの価格はキット価格で65ドルしかしないのです。従来の『安価』の半値以下です。製造工程を工夫したこともあり、安価な素材を活用することができるようになっているのです。また実際の動物の形状を取り入れることで、安価でありながらも、自然に学んだ最適パフォーマンスを実現することもできたわけです。

Dashは、一番安価なアルファタイプが、キット価格で40ドルで提供される(真っ直ぐ走る程度で、他に大した機能はない)。操縦可能で拡張性をもたせたベータタイプが65ドル、そしてファウンダーによって組み立てを行ったモデルが100ドルとなっている。KohutによるといずれもArduino互換で、ソフトウェア的に改造ができる(hackable)ようになっているとのこと。すなわちDashにやらせることの限界は、購入者のイマジネーションに依存しているということだ。ロボットは秒速5フィートで走り、また一度の充電で1マイル以上を走行することができる。

Dash Roboticsは、この昆虫型ロボットに続いて他にもさまざまなタイプを出していくつもりなのだそうだ。アクセサリー類も含めて、幅広い主力製品群を用意したいとKohutは述べている。

「博士課程での研究途上で、ロボットに羽や尻尾、あるいはヤモリ風の足を装着したりしてきました」と、Kohutは言う。「たとえばDashにヤモリ風の足をつけることができたら、それも非常にクールだと思うのです。走り回るだけでなく、壁も登れるようになるわけです。また、ロボット同士が会話できるような機能も登載したいと考えています。これにより、ロボットが集団行動をするなどの可能性が広がってくるでしょう。レースをしたり戦わせたり等、協力して何かをやらせることも、あるいは競わせることもできるようになるわけです」。

長期的には、「趣味」のレベルに留まらない発展も考えているようだ。小さくて軽く、そしてさまざまな足場に対応しつつコストをおさえることができれば、たとえばレスキュー用途などにも使えるようになるとKohutは考えているそうだ。1000体ものDashロボットが群れをなして、倒壊したビルを動きまわり、呼吸により排出される二酸化炭素を検知することにより、被災者を見つけ出すなどということができるようになるのかもしれない。あるいは地雷除去なども用途として考えられそうだ。

Dash Roboticsは、自らをAdafruitなどの属する、メーカーコミュニティーの一員として位置づけている。今回Dashが利用しているクラウドファンディングのための仕組みであるDragon Innovationもその一画を担うものであるとのこと。メーカーおよび、そのメーカーによるプロジェクトを専門的に対象とするクラウドファンディングサービスを提供している。尚Dashは、製品を大規模生産にもっていくべく、従来風の投資にも関心をもっているとのこと。また、UC Berkeley発のハードウェアアクセラレーターであるThe Foundry @ CITRISの支援も受けている。

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(翻訳:Maeda, H)


ドアの下から高速でカサカサと這いこんでくるロボットが3Dプリンタで製作された(ビデオあり)

「夜中に寝室に忍び込んできて目玉から涙を吸い取っていく恐怖のロボット」シリーズの最新作をお届けしよう。STAR.V3というロボットの部品の主要部分は3Dプリンタで出力されたもので、非常に小さく、非常に平たくて、非常に高速だ。ドアの下の隙間をくぐれるように自分自身をさらに平たくすることもできる。

「涙を吸い取る」のはまだ先のことになりそうだが、このロボットを開発したのは超小型の生体模倣システムを研究するカリフォルニア大学バークレー校のBiomimetic Millisystemsラボだ。チームはこの新型の這うロボットをSprawl Tuned Autonomous〔這うことに特化した自律的ロボット〕の頭文字を取ってSTARと命名した。

David Zarrouk、Andrew Pullin、Nick Kohut、Ronald Fearingのチームはこのロボットの動作部品を3Dプリンタで出力できるシンプルで頑丈なものにデザインした。

STARは滑らかな床ではことに高速で走行でき、毎秒5.2m(20k/m弱)にも達する。

チームはこのロボットを救難・捜索などの現場で簡単に修理できるシステムにしようと試みている。部品の多くはどんな3Dプリンタでも出力jできるので輸送中、作業中に部品が破損しても簡単に交換できるわけだ。ここにさらに詳しい記事がある。片目を開いて寝ていればこのロボットがベッドに這い上がってくるのを見つけることができるかもしれない。

RoboticsTrends

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地球に戻れない火星探査機キュリオシティが自分のために誕生日ソングを歌う

この記事は、Mars Curiosity Roverの誕生日祝いとしてはちょっと遅い。彼が赤い惑星に上陸したのは1年前の8月5日だった。ここでは遅れの埋め合わせとして、Florence Tanの話をビデオでご紹介しよう。彼女はこの無人機の船上にある化学実験室の室長だ。このビデオでは、同機にコマンドを送って、彼に自力で”Happy Birthday”を歌わせた経緯を説明している。

それは、今週のネット上のビデオの中でもっとも奇跡的な作品であると同時に、ある意味ではもっとも悲しい。この火星探査機は、化学装置の中で土壌のサンプルを動かすために使う振動板を使って、歌っている。その歌声は、リズムは間延びしていておかしいけど、音程は合っている。

これもまた、人類の偉業、かもしれない。人類のもっとも先進的な技術の結晶である火星探査機が、荒涼とした火星の大平原で120年前のフォークソングを歌っているのだ。このかわいいロボットはたぶん地球に帰還することはなく、完全な孤独状態で見事な実験を行っている。でも、いちばん驚異的なのは、地球から送られてきたコマンドに応えて、自分を祝う歌を歌っていることだ。要するに、そのときわれわれ地球上の人間も、インターネット的な意味では、小さな探査機と一緒に火星にいて、そしてそのことこそがまさに、彼への最大の誕生日プレゼントだったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ついにテディ・ベアと友達になれる日がやってきた!

今回紹介するKickstarterプロジェクトは、80年代後半および90年代に育った子供たちの夢を実現するものだ。名前をSupertoy Teddyというぬいぐるみのクマだ。Teddy Ruxpinのように話すことができる。ただ、Supertoy Teddyは「返事」をすることができるのだ。カセットテープを内蔵して、いくつかのセリフを順番通りに話すだけではないのだ。AI並の会話能力を持つロボットであり、製造もウェールズのロボットカンパニーだ。

このSupertoy Teddy、出自も怪しからぬものだ。Supertoy Roboticsの共同クリエイターであるAshley ConlanおよびKarsten Flüggeは、Jeannie Rabbotというプロダクトも送り出している。こちらはSiri風のNuanceの技術を一部用いたバーチャルアシスタントで、iPhone、Mac、Androidなどの上で動作する。Teddyは、このJeannieから陽気な性格を受け継いでいる。そして人の感情を判断したり、その上で自律的に会話を組み立てたりする能力を持っているのだ。

Supertoy Teddyは、会話に応じたり、質問に答えたりするのに、スマートフォンとリモートサーバーの資源を活用するようになっている。iPhoneおよびAndroid上にインストールする、無料のアプリケーションを通じてさまざまな処理を行うようになっているのだ。クマの側には動作用デバイスと接続するために、スマートフォンを格納するためのスペースが用意されている。これまでに3バージョンのプロトタイプを作成しているのだそうだ。最新版は商用に耐えるものと判断され、Kickstarterでのキャンペーンがうまくいけば、12月の出荷開始を予定している。

ちなみにクマの口は動く。手足なども動くようにと考えてもいるようだ。また対話相手を把握して、相手に応じて自らの振る舞いを変えることもできる。すなわち、大人たちはクマにTedのような「仲間」意識を求めることもあり得るわけで、また子供たちはカワイイぬいぐるみとして接することができるわけだ。尚、実用的な機能ももっている。たとえば天気を知らせることができるし、目覚まし時計としての利用も可能だ。また眠るときに「お話」をしてくれたり、音楽を奏でてくれたりもする。電話やメールも、このクマ経由で行うことができる。

おどろくべきことに、このクマは30種類もの言語を操ることもできる。将来的には利用する言語に応じて声を変えたりすることもできるようになるかもしれないとのこと。ちなみに感情によって声のトーンを変える機能は既に実装されている。この機能により、クマが実際の「おともだち」のようにも感じられる。Kickstarterにて投資しようとする人は42ポンド(だいたい62米ドル)で1体入手することができる。

80年代は、ロボダッチ(ロボットのともだち)としてはTeddy Ruxpinが理想の存在だった。しかし、現代技術にサポートされたSupertoy Teddyこそ、あの頃の夢を実現してくれるものとなりそうだ。また、全年代を対象としたデザインで、少々年をとってしまったRuxpin世代であっても、このSupertoy Teddyを楽しむことができそうだ。大人になった人々も、クマに投資して、若いころの夢を味わうことができるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)


若きマッドサイエンティスト、シルビアが水彩画ロボットでKickstarterに登場

12歳の「メーカー」、Super Awesome Sylvia(彼女はスーパーイケてる)は、水彩画ロボット、WaterColorBotを作るために5万ドルを集めようとしている。パソコンのお絵描きソフトでデザインしたものならほぼ何でも描くことができる。なぜ、ふつうに筆と絵具と手で描かないのか、というのは愚問だ ― これは、ロボティック水彩プロッターなのだ。何か?

SylviaはEvil Mad Scientist Laboratoriesと協力してこのキットを開発中で、275ドルのプレッジを出せば、昔ながらのプロッターのように動くWaterColorBotが手に入る。完成は間近でEMSLはこう書いている。

キットを組み立てるためには、小と中のプラスドライバーと先の尖ったハサミが必要だ。小学校低学年以下の子供たちは大人と一緒に作って始めるのがよい。

このシステムは、SVG形式のベクターベースのファイルを「筆で描く」ので、サイズ変更の容易な絵を用意する必要がある。しかし、おばあちゃんへの手紙や、飼いネコの美しいベクトルグラフィックを量産するには何の問題もない。

via BoingBoing

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(翻訳:Nob Takahashi)


家猫型四足歩行ロボットのCheetah-Cub。同サイズレベル最速の歩行性能を実現

電気羊が牧草地を歩き、そして本物のような鳴き声をあげるというような時代には、まだ少々距離があるようだ。しかしロボット工学の研究者たちは、ずっと四足歩行の生き物たちから学び続けている。動物から工学的治験を得ようとするバイオロボティクスという分野だ。研究機関のひとつにスイス大学(Swiss University)発のÉcole Polytechnique Federale De Lausanneがある。ここには欧州委員会も資金を提供している。この研究機関から、このたびCheetah-Cubが発表された。ここで実現したのは、ペットの猫程度の大きさの四足歩行ロボットだ。

Cheetah-Cubという名前が示す通り(直訳すればチーターの赤ちゃん)、ネコ科の動物の動きを工学的に再現しようとしている。腱はストリング(紐)状のもので代替し、脚部に埋め込まれたアクチュエータが、筋肉の働きを再現する。おかげでロボットは猫のように走り、しかも研究者のAlex Sproewitzが言うところによると、このサイズ(30kg未満)としては最速の動きを見せるのだという。実物を見ると、第一印象としてはBoston DynamicのBig Dogを小型にして、ちょっと(ほんの少し)可愛らしくしたものという印象をうけるかもしれない。もちろんBigDogの方が速いが、Cheetah-Cubの足の長さはわずか15cmだ。これで最高速度は自身の大きさ7つ分程度となる秒速1.42mを記録するのだから大したものだ。

Cheetah-Cubの研究では、まず高速歩行の実現を意図してきた。その方向で本体のデザインも決定したのだが、但しそれだけではなく、凸凹の地面でも歩けるようにするということが考慮されている。Sproewitz曰く、BigDogにも見られる「立ち続ける」能力を備えたのだとのこと。足を使って移動するロボットに、凸凹面への対応力を備えるのはメカトロニクス的設計面でも、制御面でも非常に難しいことなのだそうだ。急ぎ足で動く動作テストの様子をみると、やや不気味な感じもする。しかしどうやらロボットが人間より速く走り回る世界というのが、すぐに訪れることはないようだ。

「それにしてもちょっと不気味だ」と感じている人には朗報だが、このCheetah-Cubがすぐに商品化される可能性もなさそうだ。このプロジェクトはあくまでも研究が主目的のものだ。こうした動物型ロボットの反映のためには、バイオメカニクス、神経工学などを巻き込んだ学際的研究を積み重ねていく必要があるのだろう。

歩行型ロボットの開発には、生物学的な研究も必要となってくるのだろうか。Sproewitz曰く、こうしたロボット研究にも「bio-inspired」のものと、「bio-mimicking」なものがあるのだとのこと。Cheetah-Cubは前者になるのだそうだ。Cheetah-Cubの前足は3つの部分から構成されているが、これは猫の形態をそのまま模倣したものではなく、「bio-inspired」という方向から実現したものであるとのことだ。「まず実際の足を参考にして折りたたみ式の3部構造を採用することとし、そしてそこに工学的な要素をいろいろと付け加えていって動作するようにしていったのです」とのこと。

実際のものを参考にしながら、そこに機能面での追加を行なっていくという方式は移動制御(locomotion control)面でも採られたアプローチであるとのことだ。「ロボットに登載した中枢パターン発生器(central pattern generator:CPG)は、動物に存在するものの簡易版というようなものです。完全なもの(脊髄など)を実装しようとするのは現実的な目標たり得ません。生物の中枢神経系はあまりに多機能であり、非常に複雑な情報ネットワークなのです」。このようにSproewitzは述べている。「研究者の全活動期間を費やして、ようやく神経系のごく一部について何かがわかるというのが現在の研究レベルであるのです」。

「私たちの採用した中枢パターン発生器は非常にシンプルなものです。実際の動物に存在する移動制御関連神経系ネットワークというのは非常に複雑なものであろうと考えられます。但し、ヤツメウナギやサンショウウオなどの、単純な脊椎動物時代から、人間にいたるまで引き継がれているものもあると思うのです。実際、Biorobでもヤツメウナギやサンショウウオロボットの研究成果として、今回のCheetah-Cubが生まれてきたのです」。

[Image: Biorobotics Laboratory, EPFL]

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(翻訳:Maeda, H)


宙返りもできる小さなクアッドコプター、Microdrone 2.0登場

ExtremeFliersでVernon Kerswellに会えたのはラッキーだった。まだ学生のような容貌をしているのだが、「飛行物体」(ExtremeFlier)に並々ならぬパッションを持つ人物だ。彼が直近に生み出したのはMicrodrone 2.0なるプロダクトだ。野球ボールサイズの無人飛行物体(ドローン)にインテリジェンスを持たせている。

このMicrodroneにはIRセンサーが組み込まれており、6軸ジャイロとの組み合わせで、飛行姿勢を常に安定的に保つことができるようになっている。Vernonによるプレゼンテーションも、とても熱く、そして面白いものだ。大量生産に必要なパーツを探しに中国まで出向いたことを話しながら、ドローンをいろいろと操作してみせてくれた。

スタートアップの売り込みというのはかくあるべしという典型的な姿を見せてもらえたのかもしれない。自身がプロダクトに夢中であることをとてもよく示してくれていた。リリースは5月くらいで価格は100ドル程度を予定しているとのこと。狭い家ではあるが、ぜひともこのドローンを飛ばしてみたくてしょうがない気持ちになってしまった。

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(翻訳:Maeda, H)


Adafruit Industriesの本社工場でLimor FriedとAdabotに会う

本誌がMakersシリーズを始めて以来ずっと、Adafruit Industriesをぜひ取材したいと思っていた。Limor Friedが経営しているニューヨークマンハッタンのすばらしいエレクトロニクスショップ(shop, 工房)だ。彼女は自分の会社をMITの学生寮で興し、クールな電子工作キットを友人たちに売っていた。そして徐々に、Arduino基板用のいろんなアドオンなど、ホビイストのための多様な製品を作るようになった。今では電子工作のハウツー本や、ケース類も作っている。今、製品の点数(品目数)は1302で、毎日約600の注文がある。

年商は1500万ドル。VCからの支援はいっさいない。Fried(愛称Ladyada)の一人舞台だ。

本誌はマンハッタンのソーホー地区にある彼女の新しい社屋…倉庫兼デザインセンター兼工場を訪れた。ここで彼女とそのチームが、見事なガジェットを作っているのだ。同社はまた、Circuit Playgroundという楽しいiPhone/iPadアプリで*、子どもたちにSTEM(science, technology, engineering, mathematics)のおもしろさを伝えようとしている。〔*: Android用も制作中。Android上の類似アプリ。〕

今回の訪問では、同社のミニ組み立てラインや、自家製のCRMシステムなどを見学した。そしてもっとも重要な、同社のマスコットAdabotにも会えた。

ビデオシリーズTechCrunch Makersには、クールな「物」を作っている人たちが出演している。ぜひ自分も出たい、という方はメールをください!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


二機のクァドコプターが逆立ちした振り子を正確にキャッチボールする妙技

ぼぐはBuzzFeedのようなタイトルは嫌いだけど、でもこのビデオを見たら大げさな言葉を使いたくなる。みんな、クァドコプター(四回転翼ヘリ)のおもしろさは知ってるよね…編隊飛行をするし、障害物は迂回する、互いに対話さえする。でもこのビデオのデモは、思いっきりぶっ飛んでる。二機が編隊飛行をしながら、逆(さか)さにした振り子をジャグラーの両手のように、投げたり受けたりする。バランスが崩れたり、落としたりはしない。名人芸だ。

チューリッヒ工科大学のFlying Machine Arenaが作ったこのビデオは、Voltron以来久しぶりの、ロボット同士の協力ぶりを見せてくれる。Dario Brescianiniによるこのプロジェクトは、大量の数学を駆使するようだ。

この妙技を実現するために、Darioと彼の指導教官Markus Hehnと Raffaello D’Andrea は、まず2Dの数学モデルを作った。そのモデルの目的はクァドコプターが振り子を投げるためにする動きを、理解することだった。つまり、振り子がクァドコプターから放り出されてから空中を浮遊するまでに、何が必要か?

このプロジェクトでは、クァドコプターが、飛行する小さなヘリポートみたいになる。ただし離陸着陸するのはヘリではなく、重りが棒の上端に付いている振り子だ。そして離陸着陸の動作…振り子をキャッチボールする動作…とそのコントロールは、完全にクァドコプター側がやる。そのために必要な力とその方向を、正確に計算しなければならない。物を投げることと、投げられた物の運動ベクトルを正確に計算して受け取ること。この技術ならロボット同士が、障害物越しに物を受け渡すことも可能だ。

詳しい説明はここにある。単純に、マジックを楽しむだけでもよいけど。

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この日本製の拡張現実ロボットはまるで生きてるホログラム

このビデオを見ると、頭がおかしくなるかもしれないから、気をつけて。ここで紹介されているU-Tsu-Shi-O-Miと呼ばれるシステムは“仮想アシスタント”の一種だが、物理的な実体は全身緑色のヒト型ロボットだ。ユーザは仮想現実(バーチャルリアリティー)の映るゴーグルを身につけてこのロボットを対話的に操作するから、ロボットのちょっと不気味な姿を見ることはない。仮想画面中でユーザは、たとえば“美しいお嬢さん”の、体に触れたり、握手したりするのだ。

日本のDifferent Dimension Inc.が作ったこのロボットは、MMDAgentと呼ばれるプログラムを動かしてユーザと対話する。最初のプロトタイプは、パジャマを着た大きな仮面のようだったが、今の形は上半身があり、顔も小顔だ。受注生産で、お値段は5000ドル。

今のシステムは拡張現実のヘッドセット(ゴーグル)と、相当高性能なコンピュータが必要だ。でも全体はとてもコンパクトにできているから、拡張現実眼鏡をした状態でロボットと対話するのは、それほど難しくない。AR眼鏡をしてないふつうの第三者が、人間と小さな緑色のロボットが対話している様子を見ると、気持ち悪いかもしれないけど、もしもClarkeがこの技術とマジックを見たら、何と言っただろうか?

出典: Gizmag〔日本語サイトのリンクがこの記事にあります。〕

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最新のロボット触手は夢に出てきそうな気味の悪さ

地下室で密かにロボット触手を製造している科学者たちには掟がある。ロボット触手のことは語ってはならない。ところがこの掟が破られてしまった。Matthew Borgattiなるロボット・デザイナーが3Dプリンターから出てきたような本物そっくりの触手を開発し、ビデオを公開した。このロボット触手はArduinoボードを搭載し、ミニ・エアコンプレッサーを動力として悪夢のように不気味にうねる。

触手の外皮はシリコンゴム製で柔らかく、3個のソレノイドがバルブを開閉して内部に空気を送り込む。Borgatti はこのロボット・システムのソースコードも公開した。望めば誰でもこのロボットのインタフェースが開発できる。

私はイタリア料理に入っているイカは人並みに好きだが―これを見た後ではいささか気味が悪くなりそうだ。

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フランスのアーチストが自作ロボットのパーツを無料で配布

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フランスのアーチストGael Langevinが、あなたにロボットをあげたいそうだ。それは彼が作ったヒト型ロボットの各部分の3Dプリンタファイルで、それらを利用すると、誰もが自作ロボットを比較的簡単に作れる。あなただけのお手伝いさんまたは愛人を作るために、そのほかに必要なものは、ABS樹脂とArduinoのボードいくつかとモーターいくつかだ。

今現在Thingiverseで入手できるのは手の部分だけだが、今後数か月でそのほかの部分も順次リリースしていく。彼のビルドログがここにある。ロボットは完全にオープンソースで、図面もすべてダウンロードできる。どの部分もご自分の3Dプリンタでプリントできるはずだが、Makerbotでは無理かな、と思う大きいのもある。

このロボット自体は、なんだか皮膚がおかしいSonny from I, Robotみたいで、ちょっと気持ち悪いが、でも家庭の3Dプリンタでロボットが作れることは画期的だ。3Dプリンタ観が、大きく変わってしまう。完成時には、Gaelのおかげで世界のロボットマニアがぐんと増えていることだろう。それも、すばらしいことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))