中高生向けに「はじめてのAppSheet」、エクシードがGoogleのノーコードツールAppSheet用教材を11月から提供開始

中高生向けに「はじめてのAppSheet」、エクシードがGoogleのノーコードツール「AppSheet」用教材を11月から提供開始

子ども向けプログラミング教室「Tech for Elementary」(TFE)の運営などを行うエクシードは10月13日、中高校生向けにGoogleのノーコードツール「AppSheet」が楽しく学べる教材「はじめてのAppSheet」を、TFE向け教材として2021年11月より提供開始すると発表した。

TEFでは、「ひとりでも多くの子どもたちにプログラミングの機会を提供する」というミッションのもとで、映像授業をベースとしたプログラミング教室を、フランチャイズ事業として展開している。そこでは、ビジュアルプログラミング言語「Scratch」の他、その次の段階として本格的なテキスト形式のプログラミング言語を使ったアプリ開発なども教えているが、プログラミング言語へ歩を進める生徒は全体の2割前後しかいないという悩みを抱えている。

その原因としては、プログラミング言語が難しい、教えられる講師が少ない、追加の授業料を払える保護者が少ない、中学生になると勉強や部活で忙しいといったことが考えられる。そこでエクシードは、Scratchと本格的なプログラミング言語をつなぐ中間的な存在として、GoogleのAppSheetを採り入れ、ノーコードでの本格的なアプリ開発のための映像授業を開発した。

AppSeetは、GIGAスクール構想で導入されている端末のうち約40%を締めるChromeOSで利用できるスプレッドシート「Google Sheets」との親和性がよく、無料で使えるなどの点で選ばれた。本格的なアプリやインターフェイスが構築でき、テキスト形式のプログラミング言語や「情報」科目への興味につながること、さらに、将来の進学や就職にも役立つことが期待されている。

中高生向けに「はじめてのAppSheet」、エクシードがGoogleのノーコードツール「AppSheet」用教材を11月から提供開始

GIGAスクール構想で導入されている端末のOSシェアは、ChromeOSが40.1%、Windowsが30.4%、iOSが29.0%となっている。その他には、AndroidとMacOSを含む。文部科学省「GIGAスクール構想の実現に向けた端末の利活用等に関する状況(令和3年7月末時点)について(速報値)

エクシードは今回の教材提供を、「中高生という時期において、テクノロジー教育が断絶してしまうのではという危惧、危機感と、DX人材や市民開発者の早期育成を民主化することで、IT人材の量的確保に貢献できるのでは、という希望が伴ったもの」だとと話している。

児童向け探究型プログラミング教室のアルスクールが2250万円調達、プログラミング教材「アルスパーク」開発

児童向け探究型プログラミング教室のアルスクールが2250万円調達、プログラミング教材「アルスパーク」開発

探究型キッズプログラミング教室「アルスクール」を展開するアルスクールは10月4日、総額2250万円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家の日本ベンチャーキャピタル、またラッコ、ZEIN、そのほか国内企業および個人投資家。調達した資金は、教室の展開を行うアルスクール事業の拡大、プログラミング教材「アルスパーク」の開発、マーケティングおよび人材の採用に投資する。

アルスクールは、探究学習、アクティブ・ラーニングでプログラミングを学び、プログラミングスキルだけでなく様々な非認知能力を向上させる、新しい形のプログラミング教室という。児童の「おもしろい!」を大切に、少人数制でそれぞれに合わせたレッスンを提供。エンジニア、起業家、アーティスト、どんな未来にも大切な、テクノロジーを使って価値を創造するスキルを伸ばすとしている。

2018年の設立以降、自由が丘校、中野TCS校、中野校、恵比寿校、福岡西新校の5教室とオンライン校の計6校を展開し、のべ400名以上の児童が参加したという。

また同社は2021年8月、実際に児童とプログラミングを学んできた経験をもとに、児童が楽しめ、かつ教室事業を運営する方が使いやすいプログラミング教材アルスパークの提供を開始した。Scratch(スクラッチ)をベースに、徹底的に学びやすくした教材という。

 

入門ロボット「mBot」でプログラミングが学べる小中学生向け「mBotスタートガイドセット」が発売

入門ロボット「mBot」でプログラミングが学べる小中学生向け「mBotスタートガイドセット」が発売

SB C&S(旧ソフトバンク コマース&サービス)は7月12日、小学校中学校でのプログラミング教育およびSTEM教育用のMakeblock製入門ロボット「mBot」(エムボット)に、SB C&Sオリジナルのスタートガイドをセットにした「mBotスタートガイドセット」の発売を開始した。SoftBank SELECTION オンラインショップとAmazonで購入できる。SoftBank SELECTION オンラインショップでの直販価格は1万6500円(税込)。

同製品は、プログラミング学習用ロボット「mBot」(mBot V1.1-Blue Bluetooth Version)に、SB C&Sが制作した学習教材「楽しいプログラミング! mBotスタートガイド」をセットにして、プログラミングの基本からセンサーなどを使った応用的なプログラミングまで8つのレッスンが学べるというもの。また、モーターが回る仕組み、摩擦、色と光の関係など、プログラミング以外の物理的な要素も同時に学べる。

mBotは、STEM教育用機器の開発販売を行う中国深圳のスタートアップMakeblockの製品。簡単に組み立てられて、障害物回避やライントレースといったあらかじめ設定されている機能を使ってすぐに遊べる。Scratchベースの「mBlock」(エムブロック)という専用のビジュアルプログラミングソフトウェアでプログラミングでき、豊富な拡張パーツで世界を広げることもできる。

「mBotスタートガイド」で学べるレッスンは次の8つ。

  • 円を描こう(順次処理1):モーターの仕組みとプログラムの基本である順次処理を学び、mBotでいろいろな大きさの円を描くプログラミングに挑戦
  • 8を目指そう(順次処理2):摩擦について学び、mBotが8の字を描くプログラムに挑戦
  • 光と音のワンダーランド(LEDとブザー):繰り返し処理や色と光の関係、音が伝わる仕組みについて学び、パレードを行うプログラミングに挑戦
  • メッセージを伝えよう(メッセージ機能1):メッセージの機能について学び、メッセージを使って画面上のキャラクターを動かすプログラミングに挑戦
  • コントローラーで動かそう(メッセージ機能2):メッセージ機能を使い、mBotを自由に動かすコントローラーのプログラミングに挑戦
  • 目指せ! 自動運転車!(超音波センサー):音の周波数や超音波と超音波センサーの仕組みについて学び、mBotが壁にぶつからずに動き続けるプログラミングに挑戦
  • おやすみmBot(光センサー):光センサーの仕組みについて学び、明るさによって違う動きをするプログラミングに挑戦
  • 部屋の中のmBot(ライントレースセンサー):ライントレースセンサーの仕組みについて学び、黒い線の上に来たら、違う動きをするプログラミングに挑戦

「mBotスタートガイドセット」には、mBotスタートガイド、mBot組み立て用パーツ、ライントレースシート、組み立て用ドライバー、リモコン、USBケーブル、取り扱い説明書が含まれる。

関連記事
何度でも作り直して遊べる&プログラミングできる組み立て式ロボット「愉快なパチパチブロックキット」が8月5日発売
ソラコムが無料でIoTデバイスを貸し出す「自分で学べるIoT通信講座」を8月31日まで開催、専門家が答えるIoT相談会も
ROS対応協働ロボットアーム「myCobot」のラズパイ版「myCobot Pi」、商業向け「myCobot Pro」が発売開始
ソニーのIoTブロック「MESH」が教育現場の要望に応えChrome OS・Chromebookに対応
作品応募数175点、本物の「忍びの地図」など「obniz IoT コンテスト2021」最優秀賞・優秀賞を発表
Switchでプログラミングを学んでゲームを作れる、「ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング」発表
子ども向けSTEM教材開発のワンダーラボが資金調達、累計調達額3.1億円に到達
Swiftも学習可能、掃除ロボ「ルンバ」のiRobotがプログラミングロボ「Root」で教育市場参入
子ども向けのプログラマブルなロボット工作キットを多種類提供しているMakeblockがシリーズBで$30Mを調達

カテゴリー:ロボティクス
タグ:教育 / EdTech / エドテック(用語)ScratchSTEM教育(用語)ソフトバンクグループ / Softbank Group(企業)プログラミング(用語)Makeblock(企業)日本(国・地域)

中国がMITの子供向けプログラミング言語「Scratch」を国内使用を禁止

子供たちにプログラミングを教えようとする中国の熱意は、組織や学生が不可欠なツールを失うことで、新たな障害に直面している。中国は、MITメディアラボのLifelong Kindergarten Groupxによって開発されたプログラミング言語Scratchの使用を禁止したのだ。

中国のインターネットユーザーは、Scratchのウェブサイトにアクセスできなくなった。中国のインターネット検閲を監視する組織であるGreatfire.orgによると、ウェブサイトは8月20日に100%ブロックされたが、Scratchユーザーは8月14日から利用できなくなっていた。

世界中で6000万人近くの子供が、Scratchのビジュアルプログラミング言語を使ってゲームやアニメーション、物語などを作っている。これにはもちろん中国の学生も含まれている。中国は2億人の子供たちを世界に通用する技術人材に育てようとしており、同国では現在プログラミング教育のゴールドラッシュが起きている。

直近では、Scratchの登録ユーザーの5.65%、つまり300万人が中国人ユーザーだが、多くの中国の開発者がオープンソースのソフトウェアであるScratchをベースにして派生物を作っているため、実際の数字はそれ以上に大きいはずだ。

8月21日の国営報道は「Scratchのプロジェクトでは、香港、マカオ、台湾を『国』のドロップダウンリストに入れるなど『中国に関する屈辱的、捏造、誹謗中傷的なコンテンツが大量に含まれている』」と報じていた。

当該記事では「中国で情報を配信するサービスはすべて現地の規制に従わなければならない」とし、Scratchのウェブサイトとユーザーフォーラムが同国では閉鎖されたことを付け加えている。

世界各国のプログラマーを利用し、50以上の言語に対応しているScratchのエディターは、ダウンロードしてオフラインで利用できる。つまり、インストールした中国のユーザーは今のところ使い続けることはできる。この制限がソフトウェアの将来のバージョンアップデートにまでおよんで支障をきたすかどうかは不明だ。

Scratchチームからいまのところコメントは得られていない。中国でのScratchの使用禁止が恒久的であることが証明されれば、中国産の代替ソフトウェアが支持を集めることになるだろう。

「Scratchは中国では学生ユーザーに非常に広く使われています。小学生向けの多くの情報技術の教科書で使用されています。また、Scratchを使った子供たちのためのコーディング大会がたくさんあります」と語るのは、深圳に本拠を置くDream Codes Trueの最高経営責任者であるAnqi Zhou(アンキー・チュウ)氏。Dream Codes Trueは小中学生を対象としたプログラミングのスタートアップだ。

実際、公立学校でのScratchの普及は、最初に中国当局を警戒させた。8月11日に公開された記事は「Scratchのようなプラットフォームには若い中国人ユーザーが多い。それがまさにプラットフォームが自己規律を実行しなければならない理由だ。反中と分離主義者の対話の自由な流れを容認することは、中国国民の感情を害し、中国のレッドラインを越え、中国の未来世代を害することになる」と非難された。

記事の見出しには、オープンソースかつ教育的で無害なものを含む、中国政府の輸入技術に対する姿勢が記されていた。「開かれた中国では『外国人排斥』ではなく『無害化』しなければならない」と。

Scratch上の「問題のある」ユーザーが作成したコンテンツかどうかにかかわらず、中国は半導体やソースコードのホスティングさえも、ローカライズするための抜本的な努力をしてきたように、今後はより多くの中国拠点のテックプレイヤーの成長を奨励する可能性が高い。

教科書以外では、Scratchは中国全土の学習塾などにも導入されている。Scratchのオープンソースコードを基盤にしていると公言する企業もあれば、自社で作ったと主張する模造品を作っている企業もあると、この業界の数人の中国の創業者が教えてくれた。

「Scratchは子供向けプログラミングソフトウェアのベンチマークのようなものです。ほとんどの親は課外プログラムからScratchを学ぶが、これらの課外プログラムはScratchに誘導するのではなく、主催者である自分たちのウェブサービスに向ける傾向がある」と語るのは深圳拠点Tangiplayの創業者、Yi Zhang(イ・チャン)氏だ。同社は、ハードウェアを使って子供にコードを教えるスタートアップだ。

中国でのScratchの人気にもかかわらず、あらゆる規模の競合他社が登場している。その中には、5年前に誕生した深圳のCode Maoも含まれている。「Scratchよりも堅牢」と表現する独自のKitten言語を開発しているこのスタートアップは、21カ国に拠点を持ち3000万人以上のユーザーと約1万1000人の法人顧客を抱えている。インターネットの有力企業であるNetEase(ネットイース)やTencent(テンセント)も、若いプログラマー向けに独自製品を開発している。

「もしそれが永続的なものであり、主流の競技会や学校がそれを使用するのをやめれば、我々もそれを使用するのをやめることを検討するだろう」と周氏は説明した。

画像クレジット:STR/AFP via Getty Images

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

レゴは小学校高学年から中学生向けのエデュケーションSPIKEプライムを発表

米国時間4月2日にニューヨークで開かれた教育イベントで、レゴはエデュケーションSPIKEプライムを発表した。これは同社として最新のSTEAM(Science=科学、Technology=技術、Engineering=工学、Arts=美術、Mathematics=数学)教材で、教室での利用を前提に設計されたもの。具体的には小学校6年生から中学2年生(11歳から14歳)レベルを対象にしている。

このキットは、レゴブロックに、センサー、モーター、そして「プライムハブ」を組み合わせたもの。なんだか、Amazonの新サービスのような名前だが、この製品は、基本的にあらゆるSPIKEの工作で「頭脳」として機能する。

その中には、100MHzで動作するプロセッサ、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、ディスプレイが内蔵され、6つの入出力ポートを備えている。このシステムは、専用アプリをインストールしたモバイルデバイスでコントロールできる。そのアプリには、ちょうど45分で学習が完了できるようなレッスンが数本含まれている。生徒はアプリを使って学習を始めるところから、Scratchによるプログラミングまでが可能となっている。

「私たちは世界的に、小学校高学年から中学生、特に11歳から14歳まで子供たちの教育に課題があると見ています」と、レゴの教育責任者であるEsben Stærk Jørgensen氏は、この発表にともなうリリースの中で述べている。「その年齢あたりで、子供たちは学習への自信を失い始めます。Confidence Pollのデータによると、ほとんどの生徒は、何かで一度失敗したら、もう一度挑戦することはしたくない、と言っています。SPIKEプライムと、SPIKEアプリに内蔵されているレッスンにより、そうした子供たちも、さまざまな解決策を試すことによって触発され、新しいことに挑戦し、そして最終的には自信を持って学ぶことができるようになるでしょう」。

このシステムは、米国ではすでに予約が可能となっている。ただし、実際に出荷されるのは8月以降だ。

画像クレジット:LEGO

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

プログラミング学習ゲームを提供するCodeSparkが410万ドルを調達

codespark_kid_playing_mobile

ロサンゼルスのスタートアップcodeSparkがシード資金410万ドルを調達した。同社は、まだ読み書きもおぼつかない年齢の子供たちに対してもコードの書き方を教えることのできる、ウェブとモバイルのゲームを提供している。

CodeSparkのゲームは4〜9歳の子供たちのために開発され、単にSTEMの概念を教えるだけではなく、男の子と女の子が同様に関われることを目標に置いている。例えば、ゲームには女の子のキャラクターも採用され、ストーリーの中で女の子を救うといった展開は含まれていない。

共同創業者兼CEOのGrant Hosfordによれば、このエデュテックスタートアップの最初のゲームであるThe Foos Codingは、これまで201の国の400万人の子供たちによってプレイされている。ゲームの人気を高いものにしている一因は、Hosfordと共同創業者兼CPO(Chief Product Officer)のJoe Shochetが、その内容を言葉でも数字でもなく、ビジュアルなものにしていることだ。

Hosfordは「言葉を使わないアプローチは、アクセシビリティとローカライゼーションの観点から、私たちにとってとても重要です」と語った。「このゲームは翻訳せずに中国でも米国でも遊べるというだけではなく、ADHDや失読症、あるいはその他の学習上の困難や障害を持つ子供でも、クラスメートと一緒にFoosを遊ぶことができるのです」。

codeSparkはFOOSコーディングゲームです。

codeSpark.orgのFoos Codingゲーム

Kapor CapitalIdealab、PGA Advisors、Felton Group、NewGen Capital、そしてUmang Guptaを含むエンジェルたちの協力の下で、codeSparkのシードラウンドを主導した。

CodeSparkはそのゲームを公立学校、図書館、非営利団体に対して無償で公開している。個々のユーザー(多くは自分の子供に自宅でゲームをプレイさせたい親たち)は、携帯電話やタブレットのためにcodeSparkゲームを購入しダウンロードすることができる。

本日同社は、codeSpark Academy with the Foosという名前のプレミアムサブスクリプションサービスを開始した。これは有償ユーザーに対して、継続的に新しいゲームとコンテンツを配信するものだ。このプレミアムサービスは、iOSおよびAndroidデバイスで利用可能だ。

codeSpark Academy with the Foosは、基本的にはThe Foos Codingの拡張版であり、子供たちにデザインやプログラムを促すパズルやエクササイズ、そして自作のゲームをシェアさせたり、他の子供がプラットフォーム上で作った作品を「リミックス」する機能などが含まれている。

Hosfordによれば、子供たちは「Foos Studio」を利用して既に700万のゲームを作成したということだ。

FOOSスタジオ

Foos Studio

Idealabの創業者Bill Grossは、高度な数学や読みのスキルを身につける前の子供たちにプログラミングを教えるユニークなアプローチが気に入って、codeSparkを応援しているのだと語った。

「まだこれからのことですが、コードは私たちの身の回りのもの全てに埋め込まれるようになります。私たちは米国や世界中に、その原理を理解するより多くの人びと必要としています。ループや、変数、そして順次実行などを理解できる人たちです。もし職業がコーディングでなくても、こうしたことは皆にとって大切なことになります」とGrossは語った。

現在Grossは、世界初のスタートアップインキュベーター Idealabの創設者として最もよく知られているが、かつてはKnowledge Adventureという教育ソフトウェア会社を立ち上げた経験を持っている。Knowledge Adventureは1996年に950万ドルでCendantによって買収されている。ということで彼はエデュテックマーケットの素人ではないのだ。

「当時の私は、子供たちにスキルアンドドリルで演習漬けにする代わりに、子供たちが学びと恋に落ちることを助けたいと願っていました。それ以来私は、インターネット、タブレット、個別化、適用学習といったものが提供する全ての能力を使って、そうしたことを行うことを夢見てきたのです」とGross。

Hosfordは、codeSparkは獲得したシード資金を、新しいカリキュラムの開発、国際的なユーザーベースの構築、一流のアカデミック研究者の行う第三者研究との協力によるゲームの効果の検証などに使っていくと話した。

いつの日か、codeSparkがコーディングの基礎を超えたカリキュラムを提供できる可能性を、Hosfordは見つめている。起業家精神が関心のある領域だ、と彼は話した。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

パワーパフガールズはScratch言語を利用して子どもたちに楽しくプログラミングを教える

2016-06-08-powerpuff_girls

スーパーパワーを持った幼稚園の女の子の3人組が世界を救うために毎週戦わねねばならないとしたらおもちゃ箱にありったけたのツールが必要になるだろう。さいわいテレビの世界では救うべきターゲットにこと欠かない。しかし今年のパワーパフガールズにはひとひねり加えられている。

たとえば、青い目で金髪のツインテールのバブルスは、今回のエピソードでも引き続きプログラミングを習っている。番組を製作しているCartoon NetworkがSTEM教育〔サイエンス、テクノロジー、教育、数学の頭文字〕を支持しており、この番組を通じて子どもたちを早期にプログラミングに親しませようとしているためだ。

Cartoon Networkのプレジデント、Christina MillerはTechCrunchの取材に次のように答えた。「われわれは以前からこのシリーズでバブルスの性格が重要な役割を果たすことになるエピソードを製作するつもりでいた。今シーズンの最初から見ている視聴者はバブルスが優秀なプログラマーだと気づいただろうが、今週のエピソードは『バイラル・スパイラル』といい、2話シリーズ2話の1作目だ。子供たちはベッドに入る前の時間でバブルスがプログラミングの能力によって世界を救うところを見ることができる」と語った。

パワーパフガールズの最新エピソードは木曜日に、東部時間、太平洋時間でそれぞれ午後6:30に独占放映される。同時にMITメディアラボのLifelong Kindergarten GroupとCartoon Networkは共同でMake it Fly〔それを飛ばそう〕というプログラムをスタートさせる。これは教育用プログラミング言語として人気の高いScratchを使ってパワーパフガールズのキャラクターたちに空を飛ばせるゲームを作らせようとするものだ。

Millerは次のように述べた。

子どもたちの創造性を伸ばすために、Cartoon Networkは知的所有権を放棄して素材を無償で提供する。子どもたちは選択しコントロールすることが好きだ。無償提供によって安心して使ってもらえる環境が提供できる。子どもたちはコーディングのための素材やチュートリアルを無料で使えるようになる。Scratchによるプログラミングのために子どもたちが自由に利用できる一連の素材を提供していく。Scratchを使ってどんなゲームが作られるのか楽しみだ。

maxresdefault-1

パワーパフガールズはScratch言語のイニシアチブに参加する番組としてCartoon Networkでは2番目のものだ。このチャンネルでは人気のウェブコミックをベースにしたぼくらベアーズ(We Bare Bears) シリーズが Scratchイニシアチブに参加した最初の番組だった。Millerによれば「われわれがScratchチームと協力するようになった最初のプロジェクトで、知的所有権のあるキャラクターを無料で提供し、子どもたちがScratchで自由にプログラムを作れるようにした。すぐにプログラムの数は1万を超えた。これにはアニメの歩くループから小さなゲームまであらゆる種類のプロジェクトが含まれる」という。

どちらの番組についても、ScratchでコーディングするためのチュートリアルはCartoon Networkの次のページから入手できる。 www.cartoonnetwork.com/Scratch

〔日本版〕Cartoon Networkの素材、チュートリアルは現在のところ日本では上のリンクからはダウンロードできない。著作権の関係のようだが、Scratchはわが国でもポピュラーな教育用プログラミング言語になっているのでなるべく早く利用できるようになることが望まれる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

“結果を楽しめる”プログラミング教育でないとだめ、Scratch由来のTickleがKickstarterに登場

子どもたちにプログラミングを教えると称するゲームやパズルは、今やとても多い。しかしその中でも、Tickleは傑出している。今KickstarterしているこのiPadアプリは、UCバークリー校コンピュータ科学の教授、Mike Chenの作だ。

Tickleは、子どもたちにプログラミングの基礎を教えるための言語としてかねてから有名なScratchを使用している。Tickle(くすぐる)という名前も、Scratch(ひっかく)にあやかっている。このアプリでは子どもたちはまず、部品的なコードブロックを組み立ててキャラクターを動かすことをおぼえる。

その次は既存の人気ゲームの自己流バージョンを作り、その後実際にApp Storeで売れるオリジナルのゲームを作る。また、スマート電球のPhilips Hueやドローン(無人機)AR.Droneなど、すでに実際にあるもののプログラミングを勉強する。

Kickstarterの締め切りまであと20日という今日(米国時間8/19)の段階で、Tickleは目標の3万ドルの1/3を集めている。Chenによるとアプリのベータのリリースは9月の予定で、Kickstarterで125ドル以上を支援した人はそれにアクセスできる。資金の募集は、開発費用を回収してアプリそのものはApp Storeで無料アプリとしてリリースするためだ。

Chenが言うには、大学で人に教えるという立場から、これまでのプログラミング教育の方法に不満だった。そしてそこから、Tickleというアプリが生まれた。

“大学では初等コンピュータ科学を教えているが、今のプログラミング教育に用いられている方法は要するにおもしろくない”、と彼は語る。“そこで、プログラミングを楽しいものにしたい、と考えた。そのためにはApp Storeで人気のあるゲームを利用するレッスンがよいだろう。Tickleは’Flappy Bird’や’Angry Bird’などのゲームもサポートしている。プログラミングを勉強するという視点でこれらのゲームを見ていくと、確かに子どもたちも積極的な関心を持つね”。

Tickleは、そのほかのプログラミング教育アプリと違って、インタフェイスはカラフルだし、ゲームのキャラクターを利用する。そして子どもたちのモチベーションをキープするために、一つのプログラミングの概念(例: 条件分岐)をおぼえると、それを使ったプログラムを彼らに実際に作らせる。

Chenは語る: “私がやりたかったのは、‘それで何ができるのか’というプログラミングの実用性を子どもたちに体験させ、子どもたちの関心を維持持続させることだ。実際に動く例を見せて、次は子どもたち自身にそれを作らせる。実際にゲームを作れるようになるまでの、段階的なレッスンがある。子どもたちは、自力でゲームを作れたらそれをApp Storeにパブリッシュできる。このように完全に実践的なところが、これまでのプログラミング学習アプリとの最大の違いだ”。

Tickleには、Scratchを使ってより高度なプログラミングの概念を教える部分もある。

Chen曰く、“Scratchはかなり複雑な言語で、大学のコンピュータ科学で教えるようなコンセプトもたくさん含まれている。オブジェクト指向プログラミングとか、パブリッシュ-サブスクライブパターン、並列処理など。だからこの言語を勉強すると、より高度なゲームも作れるようになる”。

このアプリはAirPlayを統合し、投射された画像上にタッチポイント(今子どもたちがiPadの画面のどこに触れているか)を表示する。それを見て親や教師は、子どもが今やってることを理解できる。

Tickleについて詳しく知りたい人は、Kickstarterのページを訪ねてみよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


子どものためのプログラミング言語Scratchがブラウザから使えるようになった

うちの3人の子はみな技術に強い方だが、でも残念なことにまだScratchを経験していない。Scratchとは、MIT Media Lab(メディアラボ)のLifelong Kindergarten Group(生涯幼稚園グループ)が作った、オブジェクト指向のすばらしいプログラミング言語だ。でもプログラミング入門のためのこの優れた言語がこれからは、完全にブラウザ上で使えるようになったから、うちの子たちの初体験も近いかもしれない。

Scratch言語のWebインタフェイスはこのページからだ〔日本語あり〕。新バージョンではWebカメラを使った対話もできるし、スプライトも作れる。ベクタ方式のグラフィクスもできるから、画像の精度も良い。もちろん自分でプログラムを書いたり、あとからそれを拡張することもできる。

このWeb上のインタフェイスは以前のデスクトップ版と似ているが、ややシンプルになり、自分のプログラムを自分のコンピュータに保存できるだけでなく、どこかにアップロードすることもできる。オブジェクトを“バックパック”に入れておいて、次に作るプログラムで再利用することもできるから、同じスプライトや背景を新しいゲームでも使える。あらゆることが、ブラウザ上でスムーズにできる。このページでいきなり初めてもよいし、あるいはScratchで作ったScratch 2.0の紹介アニメをまず見てもよい。

この言語とプログラミング環境は年少から年長まであらゆる年齢層の子どもたちに向いているし、キーボードのタイピングやMicrosoft Officeの使い方が中心だった従来のコンピュータ教育よりも、ずっとずっとベターだ。将来の子どもたちをオフィスの囚人(cubicle drone)にしたくない人は、ぜひお試しを。

〔参考書籍。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))