Snapchatがソーシャルメディアをその日限りのものにする前、Facebookは永遠のものにしていた。2011年、「タイムライン」によるプロフィール画面のデザイン変更とキーワード検索によって、みんなの過去が解放され、人生の最高の瞬間について投稿することが促進された。それは、Snapchatが生まれるきっかけにもなった。CEO Evan Spiegelは同社のIPOアナウンスメントで、「創造性は永続性の恐怖に抑圧されている」と言った。
いまFacebookは、24時間で消えていたストーリーの履歴を解放するオプションを用意して、中道を見つけようとしている。Facebookは、近々ストーリーハイライトのテストを開始するとTechCrunchに伝えた。Instagramのストーラーハイライトと同じく、期限切れの写真やビデオの中から気に入ったものを選んで、タイトルをつけてコレクションにまとめたり、プロフィールページのカバー画像にしたりできる。
この変更によって、Facebookストーリーは、真似した元のSnapchat Storiesとの違いがさらに大きくなる。人気の高いコンテンツが少なくなっている今、潜在的広告ビューが捨てられている。1日あたり1.5億人いるストーリーのアクティブユーザーにとってもソーシャルメディアのストリーにかけてきた時間が賢い投資となる。特別な瞬間に割り込んでスマホカメラで切り取った作品が自己表現とコミュニティーのつながりにもたらす利益は1日以上続くべきだ。
Facebookのストーリーハイライトを最初に見つけたのは、TechCrunchのタレコミ人>で、AndroidアプリのAPKファイルから未公開機能のスクリーンショットを作るスペシャリストのJane Manchun Wongだ。TechCrunchが同機能についてFacebook広報に問い合わせたところ、以下の声明が寄せられた:「ユーザーから、自分にとって重要なストーリーをハイライトして保存したいという要望が寄せられている。近々われわれはFacebookでもハイライト機能をテストする。ストーリーを作者のプロフィールページに残すことで、記憶を通じて自分が誰であるかを表現しやすくすると考えている」
これらのハイライトはプロフィールページの水平スクロールバー上に現れ、ストーリーと同じく何人が読んだかを見ることができる。ハイライトはデフォルトでは友達に公開されているが、特定の相手や全体に公開することもできる。後者は視聴者を増やしたい著名人や、自分のアイデンティティーはありきたりの自撮り写真やプロフィール写真よりもストーリーのクリエイティブツールが作る世界で書いた文章を通じて見せる方が、良い、と考える人たちにとっては便利だろう。
Facebookは、ハイライト機能への準備段階として、5月にストーリー・アーカイブを公開した。これはストーリーを自分のプロフィールに自動的にバックアップする機能で、端末に保存してスペースを使う必要がない。 このアーカイブは、使い終わったストーリーを選んでハイライトで見せるためのベースになる。全体では、ユーザーがバカバカしいその場限りのコンテンツを「永続性」を恐れることなく、チャンスのために作れるようになる。Facebookストーリーにスタンプやお絵かきやキャプションやARをつけるのに時間をかけようとする人たちも、これからは無駄にならない
FacebookがSnapchatからストーリーを盗んだと批判する人は多いが、その繰り返される改訂と革新は両社のバージョンが明確に分化していることを意味している。Snapchatは、アーカイブスタイルのMomoriesを2016年7月に公開しているものの、ハイライト風の機能は欠落している。アプリをティーンの現象にした中心機能のStoriesを強化するのではなく、Snapchatは、マップ、ゲーム、検索、プロフェッショナルな発見コンテンツ、そしてあきれるほど不必要なデザイン変更に注力した。
Facebookのアプリファミリーは、Snapchat Storiesの停滞や、Snapchatの国際市場への非対応に乗じてシェアを伸ばしてきた。Facebookは使えるものはなんでもコピーする傍ら、InstagramのSuperzoomやFocusポートレートモード、ライセンス済サウンドトラックの追加など、新機能も次々と開発している。この記事を書いている間にも、わたしみFacebookストーリーのBlurというオプションを発見した。動く物体に夢を見ているようなモヤをかける機能。私の顔でやってみた例がこちら。
あくなき新機能の追加と性能の向上が実を結んだ。今やInstagramストーリーには4億人のデイリーユーザーがいる。、WhatsAppが4.5億人、Facebookが1.5億人だ。一方Snapchatはアプリ全体でも1.91億人だ。Instagram CEO Kevin Systromも認めているように、「功績はすべてSnapchatのもの」と言える。それでも、SnapchatはStoriesやAR puppy以来メガヒットを飛ばしていない。同社がソーシャル化の新しい方法を追求する姿勢には敬意を表するが、ビジネス戦略としては必ずしも適切ではない。
当初ストーリー戦争は、機能のコピーと新市場の開拓がすべてだった。Instagram、そして今Facebookは、刹那性をオプションとすることで、戦いの第2フェーズを示唆している。1日たったら消えてしまうコンテンツを配信するという中心的アイデアは、一般化してきた。今や問題はストーリーを発明したのが誰かではなく、誰が完成させるかだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )