家庭内音楽ストリーミングLANスピーカーのSonosが音楽業界の変化に適応するため社員をレイオフ

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今鳴らしている音楽を家中のどの部屋でも聞ける、というWiFi/EthernetスピーカーLANを主製品とするSonosが、CEOのブログ記事によると、音楽業界の変化に対応して有料ストリーミングサービスと音声コントロールにその業態を絞り込むために、社員をレイオフする、と言っている。

CEOのJohn MacFarlaneらがSonosを創業したのは2002年だったが、今日のブログ記事によると、“将来的には有料ストリーミングと音声コントロールが音楽産業で重要な役割を担うと思われるので、今後の数十年間、それらの分野のイノベーションに注力して、持続可能で利益の出る企業経営に専念したい。とくにこれまでの数週間が、Sonosの全員にとって厳しかった。われわれは結束の固い仲間だから、別れを言うことはきわめて苦痛だ。でも、この変化を敢行することはSonosの未来にとって正しい、と私には分かっている”、ということなのだ。

Sonosが作っているのはワイヤレスのサウンドシステムで、それをApple Music, Spotify, SoundCloudなどメジャーな音楽ストリーミングサービスにアクセスするアプリに接続する。Sonosの製品は、複数のスピーカーを接続でき、簡単に使えるので人気になった。しかし今やワイヤレスのホームオーディオは、SamsungGoogleなどの大手テクノロジー企業との競合に直面している。

MacFarlaneはブログ記事で、こう述べている: “Sonosは今、ストリーミング音楽が、現在と未来において消費の支配的な形式である、という自分たちの長年の確信に、倍賭けしようとしている”。しかしそれに加えて彼は、Amazon Echoのような音声コントロール製品をますます多くの消費者が採用していくから、それもまた同社の将来において重要な役割を持つ、と言っている。

“Alexa/Echoは音声コントロールの力を家庭で見せつけた最初のプロダクトだ。それが消費者間で人気になることによって、業界全体のイノベーションが加速される。今日目新しいものが、明日はスタンダードになる”、とMacFarlaneは書いている。“これに関してもSonosは長期的な視点を持ち、音声対応の音楽体験を家庭に持ち込む最良の方法を開拓する。音声は、我が社にとって大きなチャンスなので、それを素晴らしい方法で市場化するために投資をしていく”、のだそうだ。

レイオフの詳細を問い合わせると、こんなメールが来た:

“多くの高成長企業がそうであるように、Sonosもその労働力人口を絶えず評価して、われわれを次の大きな成長に導くことのできる技能と才能の確保に努めている。

ストリーミングへの遷移が加速している今は、我が社の機会もかつてなかったほどに大きい。我が社は今、家庭へすばらしい“音楽はでっかい音で聴こう(listen-out-loud)”体験を継続的にお届けできるための、絶好の位置につけている。そして、未来においても”。

…だとさ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Chromecast AudioとAndroid TVの新たなハードウェアパートナーをGoogleが発表

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Android TVのことは、とっくに忘れてしまっていても、誰にも咎められないだろう。でも不運だったGoogle TVの、Androidベースの後継プロジェクトは、発表から一年後の今でも健在だ。Googleは今日(米国時間1/6)、Android TVのさらに新しいハードウェアパートナー複数社を発表し、またChromecastのオーディオのみバージョンChromecast Audioを採用するパートナー(スピーカーのメーカー)も発表した。

これからは、Arcelik, Vestel, RCA, Hisense, TCL, Bang & Olufsenなどのテレビ受像機がAndroid TV対応になる。GoogleはインドネシアのケーブルとブロードバンドプロバイダLinknetと、Android TV対応のためのセットトップボックスの提供で折衝中だ。これまでAndroid TVが見られるのは、SonyとSharpとPhilipsのテレビだけだった。

Chromecast Audioは、SonyとLGが最初に飛びついた。今ではB&O Play, Harman Kardon, Onkyo, Philips, Pioneer, Raumfeldのスピーカーが仲間に加わっている。またFrontier SiliconStreamUnlimitedは、ハードウェアメーカーがChromecast対応機器を簡単に作れるためのソフトウェアとハードウェアを提供している。

これらのChromecast Audio対応スピーカーはいずれ、Chromecast Audioのマルチルームシンクをサポートするだろう。複数の部屋にそれぞれスピーカーがあって、それらを一斉にChromecast Audioに同期させたい(一斉に鳴らしたい)人には、この機能が不可欠だ。

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CES 2016

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Appleストアに1990ドルでDevialet Phantom登場―インプロージョン・スピーカーは恐るべきHi-Fi

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Devialet Phantomスピーカーはきわめて音質が良く強力で、デザインも美しい。そこで全米トップ14箇所のAppleストアがこのスピーカーを販売することになった。750ワット、99dBというモンスター、Phantomは1990ドル、さらにパワフルな 3000ワット、105dbのPhantom Silverは2390となる。

raveのレビューによればスピーカーの内部には1フィート(30センチ )の仕切壁が仕込まれて内破(インプロージョン)が起こるのを防いでいる。これが小さなボディーからものすごい低音とシャープな高音を産み出すという。Phantomが販売されるAppleスアでは2本ないし4本のスピーカーがデモ用に用意され、iPhoneに接続されているので、消費者は自分で実際に音を聞くことができる。

Devialet Phantom Apple Gif

Devialetはフランスのオーディオ機器メーカーで、そのプロダクト・マネージャーのRomain Salzmanは私の取材に対して、「現在のAppleストアでの特約販売は短期的なものだ。来年はあらゆる場所で比較にならないほど多様なプロジェクトがスタートする。ミラクルだ」と語った。Devialetのオーディオ・テクノロジーはコンピューターだけでなく、デジタルテレビ、自動車にも組み込み可能だという。

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Phantomと兄貴分のPhantom Silverには149ドルのリモコン、329ドルのDialogと呼ばれるアダプターが付随する。アダプターは最大24個のPhantomsを接続できる(実際にそうしたら周囲の壁が吹き飛ばされてしまうだろうが)。当初の販売はニューヨークの2店舗、ロサンゼルスの2店舗に加えて、サンフランシスコ、パロアルト、ポートランド、シカゴ、ダラス、マイアミ、ワシントンD.C.のAppleストアが予定されている。Devialetから直接購入もできるが価格はAppleストアと同一だ。

Devialet Phantom Remote and Dialog

Devialet Phantom Remote and Dialog bridge (from left)

Phantomは昨年発表され、即座にオーディオ・マニアの絶賛を集めた。 このスピーカーは「壁」を振動させることにより、1.2トンの圧力を生じることができ、これは同サイズのスピーカーの20倍の圧力だという。 サウンドは無指向性でどんな大きな部屋にもフィットする。ワイレス接続なので複数の音楽ソースを簡単に切り替えることができる。

このスピーカーの開発にDevialetは10年の期間と2500万ドルの研究コストをかけた。同社は 77件の特許(うち 37件はサウンドそのものに関連)を取得している。われわれのJohn Biggsによるハンズオン・レビューを下に貼った。

「われわれの長年の夢はPhantomをいち早く世界中に販売できるパートナーを見つけることだった。Appleがそういうパートナーであるよう希望している」とSalzmanは言う。スピーカーは白とシルバーを基調にした曲線的デザインでAppleのプロダクトとよく調和する。

Devialet Phantom Prices

Appleストアで販売されるスピーカーは 200ドルから500ドルが中心でメーカーはBeats、 Bose、Marshall、Harmon Kardon、Ultimate Earsなどだ。 これに比べるとPhantomははるかに高価だが、おそらくショップ全体を美しい音楽で満たすのだろう。

〔日本版〕下のビデオでDevialetのサブウーファーの作動を観察できる。Phantomシリーズのスピーカーの日本のAppleストアでの販売計画は不明だが、フランスのDevialetのサイトから購入可能のようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

直径1フィートの球体から信じれない超低音を出すフランスDevialetのThe Phantomスピーカー

でっかい低音を鳴らしたければでっかいサブウーファーが要る。この説は正しいか? 正しくない。フランスのオーディオメーカーDevialet(デヴィアレ)が発明した画期的なフルレンジスピーカーThe Phantomは、長さ1フィートぐらいの球形で、アンプ内蔵、オーディオファンなら、 2000ドルぐらいで買えるスピーカーの中では最高の音、と思うだろう。

2000ドルは高いし、しかも1基のお値段だ。でも、Sonosの5.1システムも、スピーカーセットとアンプでこれぐらいだ。

The PoliceのStingがこれを聴いたとき、こう言ったそうだ: “みんな、ぼくの音楽はこれで聴いてほしい”。ヒップホップのプロデューサーRick Rubinは、その深い低音がすごい、と言っている。Appleが買収したBeats Musicの元CEO David Hymanは、“小さくてきれいなデザインだが、音は驚異的だ。私が知ってるかぎりでは、これと肩を並べられる製品はほかにない。ありえないことが実際に起きた、という感じだ”、と言っている。

 

Devialetは総合オーディオメーカーとして77の特許を持ち、2010年に発売したアンプはその音とデザインで37の賞を受賞した。2014年には3500台を売り、1500万ドルを稼いだそうだ。フルレンジパワドースピーカーは今回が初めてだが、そこには美と科学と感動が濃密に入り交じっている。

The Phantomの音が美しいのは、ADH(Analog-Degital Hybrid)と呼ばれる技術のおかげだ。それはリッチで自然な原音に近いアナログの音と、デジタルのパワーおよびコンパクトさを結びつけている。アナログアンプのバカでかさを避けると同時に、小さな体から透明でクリアな音を響かせる。ボリュームを最大まで上げても、クリアな音は変わらない。

また、もうひとつの、”Heart Bass Implosion”と呼ばれる技術により、大きなサブウーファーに負けない低音を出す。スピーカーのドームのドライバが横方向についていて、密閉筐体の中は真空、それにより大音量の音を出すことができる。

 

Devialetによると、そのためThe Phantomは“市場に出回っている同口径のウーファーの中ではもっとも強力で、かつ筐体のサイズはそれらの1/6、重量も1/6だ”、という。ドライバが左右対称に置かれているので振動を相殺し、がたつきはない。

下のビデオで、The Phantomの内部の動きがよく分かる。一般市販品は、このような分解はできない。

ぼく自身はThe Phantomをまだ実際に聴いていないが、同社の過去の製品に対するTelegraphや複数のオーディオ雑誌の高い評価と、うるさいオーディオファンである知人のお墨付きから、このスピーカーの威力が感じられてくる。

合衆国には扱い店が約50あり〔日本〕、その一部で1月から発売される。予約は明日(米国時間12/23)からここで受け付けている。スタンダードバージョンが1999ドル、より強力なSilver Phantomは2390ドルだ。

Devialetの技術者たちは、いかにもフランスのオーディオ技術者/科学者らしい自信に満ちた口調で、“物理学の法則を変えることはできないが、それらを極限まで追い詰めると、とても大きなものが得られる”、と言っている。

〔日本代理店: ステラ 東京都板橋区中丸町51-10〕
〔翻訳協力: オーディオスクエアトレッサ横浜店、黒澤さん。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


美しいスピーカー、HiddenRadio 2は美しい音を生む(Kickstarter募集中)

HiddenRadioは、クラウドファンディング最初の成功例の一つだ。初期モデルは2012年にKickstarterで100万ドル近くを集め、多くのファンを集めた。製作者のJohn Van Den NieuwenhuizenとVitor Santa Mariaは、完璧な周波数特性と十分な低音を生み出す小さなBluetoothスピーカーを、非常にクールなデザイン美学で作り上げた。彼らが大きくなって帰ってきた。

HiddenRadio 2は、2人組の最新作で、資金調達に向けて準備が進んでいる。新モデルは驚くほどリッチなサウンドを、スープ缶ほどの大きさの箱から送り出す。しかし、スープ缶とは異なり、このHiddenRadioは外観もすばらしく、その落ち着いたスタイリングとタッチ式トップとシンプルなセットアップは、あの新Mac Proを彷彿させる。

先週私はVan Den Nieuwenhuizenと話す機会を得て、新しいHiddenRadioをほぼ空っぽのバーで試聴した。彼はJamboxなど他の人気スピーカーシステムと比べてみせ、私はまさしく感動した。あまり大きな音は出せなかったが、HiddenRadio 2のプレゼンスとすばらしい低音を確かに聴くことができた。

2人は新機能もいくつか追加し、ポート位置は大きく改善され、119ドルのHidenRadioと接続してステレオペアを作る機能も付いた。ライバルの中にこの機能を持つものはない。ノイズキャンセル付マイクを内蔵しておりスピーカーフォンにもなることはオマケにすぎない。

デザインは非常に魅力的だ。外殻はクロムメッキが施され、タッチ式のトップは、指のスピンで音量をコントロールしたり、タップで音楽をオン・オフしたりできる。1回タップするとスピーカーグリルの蓋が持ち上がって準備が整う。

このような量産家電がKickstarterに登場することは実にすばらしい。本格的なギーク作品 ― PebbleウォッチやUdooボードは驚くほどの人気だ ― は成功する傾向にあるが、スピーカー分野となると一気に興味がしぼむ。しかし、高度なデザインと低価格のHiddenRadioのような製品を見ると、新しい方向も見えてくる。例えば、SonyやSamsungが自社製品をクラウドファンディングに出すことを、私は心から望んでいる。多くの関心を呼ぶことは間違いなく、大きく成功する可能性がある。

昔から言われているように、人は夢を見ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook