Shutterstockに画像エディタ登場―有料ダウンロード前にストック写真を加工できる

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ストック写真のサイト、Shutterstockが誕生したのは2003年だが、やっと21世紀にふさわしいアップデートが発表された。今やShutterstockには画像エディタが内蔵されている。ソーシャルメディアやウェブページにこのサイトのストック写真を利用する場合、フィルターを適用したりその場で文字やイラストを追加できるようになった。

編集ツール自体はテキスト、画像の追加、フィルターなどが主な機能で、比較的初歩的だが、使って楽しい。これまでShutterstockのユーザーは必要な写真を有料でダウンロードした後、別アプリで編集しなければならないことに困惑していた。そこでこの画像エディタは簡単に使えることを最優先している。これでストック写真の使い道はかなり広がるだろう。

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プロダクト責任者のCatherine Ulrichは次のように述べている。

われわれの画像の利用にあたってユーザーはもっと多様なツール機能を必要としているという声を聞いた。ダウンロード後、多くのユーザーは画像のトリミングやリサイズ、フィルターの適用のために別途画像処理をソフトを利用している。つまりShutterstockの外で加工しなければならない。Shutterstock Editorを使えば、画像の利用過程を効率化できるだけでなく、操作自体も直感的に簡単にできるようになる。デザイナーではないユーザーにも基本的なデザイン技術が自由が利用できる。われわれは外部エディターという障壁を取り除いた。サイトのエディタを利用すればユーザーは写真を購入する前に適切な処理を試みることができる。

Shutterstockはストック写真を手軽に利用したスモールビジネスのオーナーに人気があるサイトだ。今回追加された画像エディターには複数のテンプレートやテーマに加えてFacebook、Instagram、Twitter用のトリミング機能が含まれる。ユーザーはPhotoshopのような高価で使い方の難しい画像編集ソフトを使わずに、サイト内で必要な加工が簡単に行える。しかも有料でダウンロードする前に出来栄えが確認できる。現在のところShuterstock Editorの機能は限られているが、こうしたウェブベースのツールの常として、今後改良されていくだろう。

〔日本版〕Shutterstockの料金プランはこちら(日本語)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

デジタル素材のマーケットプレイスを展開するピクスタがマザーズ上場へ

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ピクスタのコーポレートロゴ。PIXTA会員のクリエーターがデザインした

写真や動画などデジタル素材のオンラインマーケットプレイス「PIXTA」を提供するピクスタは8月10日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場を申請し承認された。上場予定日は9月14日で、証券コードは3416。

ピクスタでは上場にともなって、18万株を公募し、27万7900株を売り出す。ピクスタ代表取締役の古俣大介氏が5万株、取締役の遠藤健治氏が3万株、同じく取締役の内田広太郎氏が1万3000株、Globis Fund III,L.P.が9万8500株、Globis Fund III(B),L.P.が2万7700株、SocialEntrepreneur投資事業有限責任組合が5万3000株、関西インキュベーション投資事業有限責任組合が5700株をそれぞれ放出する。オーバーアロットメントによる売り出しは6万8400株。

公募・売り出し価格の仮条件の決定は8月26日、ブックビルディング期間は8月27日~9月2日。価格の決定日は9月3日。主幹事証券会社は野村證券となっている。

同社の2013年12月期の売上高は7億8232万円、経常利益は4645万円の赤字、純利益は4698万円の赤字。2014年12月期の売上高は10億6876万円、経常利益は9844万円、純利益は9053万円となっている。

ピクスタは2005年8月の設立(当初の社名は「オンボード」)。2006年よりPIXTAを展開してきた。

PIXTAはプロ・アマチュアのクリエーターがPIXTA上に素材を投稿して販売。代金の一部をPIXTAが手数料として徴収し、クリエーターに報酬を支払うというもの。当初は写真に限定してサービスを展開していたが、現在ではイラストや動画など様々なデジタル素材を購入できる。2014年度の数字では、素材点数が983万点、単品販売の月間購入者数の累計は17万人、平均月間単価は5979円となっている。また2014年からは定額制販売も開始しており、2015年度第2四半期時点の契約件数は435件となっている。

アジアを中心にした海外展開も進めており、2013年には英語版サイト(7月)と中国語版サイト(12月)を開設。同年11月にはシンガポールに現地法人、2015年7月には台湾支店をそれぞれ立ち上げている。

EyeEmの写真発見アルゴリズムは”何が良い写真か”を学習中

ストック写真(stock photography)といえば、お祭りとか恋人とか々々々々、一般的な題名が付いている平凡な写真の中に、わざとらしい笑顔の人びとが写っているのを、思い出す人が多いだろう。

Getty Imagesから厳選した写真を集めている写真共有サービスEyeEmは、プロの写真と、アマチュアがスマホなどで取るに日常的な写真の、境界をなくそうとしている。今のスマホは、カメラも、そしてものすごく多様な写真共有の方法も、もはやバカに出来ないほどのレベルだ。

EyeEmもストック画像サービスの一つであり、それを収益源にしなければならないから、優秀なアーチストを揃える必要がある。そこで同社は世界を舞台にした写真展示会をオンラインで開催して、人びとに同サービス上の秀作を見せると同時に、FoursquareやHuffington Postとパートナーして、モバイル上におけるプロたちの作品の露出度を高めようとしている。

そして今や、画像の在庫の数が増えすぎてしまった同社は、良い作品を目立たせることを、サーバ上のアルゴリズムでやろうとしている。その開発には、8月に同社が買収したSight.ioの技術が利用されている。CTOのRamzi Rizkによると、その機械学習アルゴリズムは、写真にいちいちタグ付けをしなくても、何が写っているかを見分ける。

このサイトの検索機能を使うと、その成果の一端を見ることができる。たとえば“背景が黒の花”(flowers on black background)で検索すると、そういう写真を山のようにたくさん見せてくれるが、それ的なタグが付いているのは全体の半分にも満たない。こういう機械学習のアルゴリズムは、Googleも、猫が写っているYouTubeビデオをシステムに見つけさせるために使ったことがある。だから、EyeEmが初めて、というわけではない。

アルゴリズムの、物を識別する機能は毎日々々の学習の積み重ねによってますます有能になりつつあるが、EyeEmが今考えているのは、 “良い写真や美しい写真を見分けるアルゴリズム”を作ることだ。Rizkによると、そのアルゴリズムが検討する要素は、何にピントが合い何がぼけているか、写真の上中下や左中右などにそれぞれ何が写っているか、などだ。“美しさ”の方は、数十項目から成る美しさの要素のランク付けをして、ランクの得点の高い写真を、美しい、と判定する。

その得点システムはまだ未完成で、ユーザのエンゲージメント(クラウドソーシング)も利用している。結果は、まだなんとなくおかしい。“女性”(woman)で検索すると、もっとも美しい女性の写真の一つとして、ニッキー・ミナージュの”Anaconda”のカバー写真みたいなポーズをした女性の巨大な写真が、出てきた。

しかしいずれにしてもEyeEmは、ユーザのために写真を選ぶという作業のかなりの部分を、アルゴリズム化しようとしている。そのアルゴリズムが今後磨かれていけば、優秀なプロの写真家がますます信頼し頼りにする写真サービスサイトになるだろう。良い写真が、まさに良い写真として、ユーザに紹介されるのだから。

そしてさらに長期的には、今のようにHuffington PostやGetty Imagesなどに依存することなく、まったく独立のオリジナルな、しかも人気絶大の、ストック写真マーケットプレースになれるかもしれない。今ベータ中のEyeEm Marketは、ユーザが指定した語句にマッチする写真を選ぶだけでなく、ユーザがまさにお金を払いたくなる写真を、見せてくれるようになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))