SNSは民主主義を守らなければならない、たとえ相手が大統領でも

「郵便投票に関する事実を見る」というなんでもない青いラベルから始まった。

先月、ドナルド・トランプ米大統領は、郵便による投票は不正を招くという事実無根の主張を繰り返しツイートした。これに対してTwitter(ツイッター)は、「市民の清廉性」と新型コロナウイルス関連の誤情報に関するポリシーに従ってファクトチェックを行い、主張が間違っていることを示すラベルを添付した。すると、トランプ大統領はソーシャルメディア企業を閉鎖に追い込むと脅しをかけてきた

これに続き同社は、警察官による暴行に関する大統領のツイートのひとつに対して、暴力を美化していることを根拠に、閲覧前に警告文を表示してツイートを隠す措置(The Guardian記事)を採った。すると大統領は、法的強制力がほとんどない大統領令を発して(Vox記事)ソーシャルメディア企業を黙らせようとした。米国時間6月8日、Facebook(フェイスブック)もこの喧嘩に巻き込まれ、同社の従業員はトランプ大統領の投稿に対する会社の無作為に抗議してバーチャルストライキを実施した。

トランプ大統領によるソーシャルメディアへの投稿は、しかし、主に米国内の黒人コミュニティーを標的とした有権者抑圧(The Guardian記事)や抗議者への暴力(Smithsonian Magazine記事)といった長く忌まわしい歴史の中の、つい最近の一要素に過ぎない。総合するに先週の出来事は、ソーシャルメディアがこうした民主主義への攻撃の最前線になったという厳然たる事実を、そしてデジタル偽情報への対処には、やるべきことがまだ山積みであることを浮き彫りにした。

暴力を美化するとの理由で大統領のツイートを非表示にしたTwitterの判断は、大きな注目を集めた。問題のツイートに含まれていた「略奪が始まれば銃撃が始まる」という一文は、そもそも1960年代に黒人が多く住む地域での攻撃的で差別的な警備方針で知られたマイアミの警察署長が言い出した言葉(NPR記事)を元にしている。しかし、抗議活動の参加者は「プロが統率している」とか「ANTIFAが率いる無政府主義者たち」といったトランプ大統領のツイートは、略奪や暴動はANTIFA(アンティファ、米国の反ファシズム運動)の活動家が組織しているという噂を広めることになったのだが、Twitterはどちらの投稿にもラベルを付けたり、非表示にしたり、削除したりはしなかった。同様の投稿がなされたFacebookも一切関与しないことを決めた。

同じく、Twitterがトランプ大統領の「不正投票」の偽情報にラベルを添付したことは、新たな進展だ。先週の火曜日に投稿されたツイートは、Twitterがトランプ大統領の発言にファクトチェックを行った最初のものとなった。もっとも、トランプ大統領はそのずっと以前から似たような主張を繰り返しているのだが。

ちょうど1週間前、ミシガン州とネバダ州の州務長官が郵便投票の範囲を広げようと違法な不正行為を働いたとの偽情報をツイート(NewYork Times記事)し、各州に補助金を削減すると脅しをかけた。大統領はまた「郵便による投票は『大量の不正と悪用』を、そして『偉大なる共和党の終わり』を招く」とFacebookに投稿した。郵便による投票と不正との間に関係性がなく、郵便投票がどちらかの政党に有利に働いたという証拠も一切ない(NewYork Times記事)にも関わらずだ。これに関しては、TwitterもFacebookも行動を起こさなかった。

新型コロナウイルスのパンデミックの最中に、郵便投票の信用を落とそうとデジタル偽情報を流すトランプ大統領の意図は、主に彼の選挙キャンペーンにおける投票者抑圧の歴史に関連している。2016年の大統領選挙に向けた準備期間中、トランプ大統領の選挙事務所のある上級幹部が「3つの大掛かりな投票者抑圧作戦が進行中だ」と口頭で漏らした(Bloomberg記事)ことがある。その一環として、同選挙事務所はFacebookの「ダークポスト」を利用した。特定のユーザーにしか表示されない投稿だ。

主に黒人の有権者をターゲットに選挙当日は家に留まるよう働きかけた。不気味なことに、これはソーシャルメディアを使ったロシアの選挙妨害工作(Brennan Center記事)と同調していた)。2020年の大統領選挙に向けて、トランプ陣営と共和党は、郵便投票を制限する大規模なキャンペーンを計画して(Washington Post記事)いる。政治的プロセスへの信用の低下を目的に不正投票に関する偽情報を流しているのは、この戦略の一部だ。

TwitterとFacebookの暴力と市民参加に関するポリシーは、少なくともソーシャルメディア上でのこれらの問題への対処にいくぶんか近づいてはいる。どのプラットフォームも、暴力の美化や奨励を禁じている(TwitterのGlorification of violence policy)。そして双方プラットフォームで(Forbes記事)では、いつ、どこで、どのように投票するかに関する間違った情報を含むコミュニケーションも、投票を妨害する有償広告も禁じている。

ところが、こうしたポリシーはこれまで公平に適用されてこなかった。どちらの企業も、これまで大統領の投稿内容の審査をしたことがなかった。特にFacebookは政治家の投稿を明示的にファクトチェックから除外したことで批判を浴びている。トランプ大統領の最近の危険な投稿に何も手を打たないことは、Facebookのポリシーが流動的である証拠だ。それが6月8日のストを招き、公民権活動のリーダーたちの非難を浴びる結果(Axios記事)となった。

TwitterもFacebookも、市民参加と暴力に関するポリシーは、デジタル偽情報の影響に対する一般からの圧倒的な抗議に応える形で導入している。たとえ合衆国大統領であっても、そこから免除される者がいてはならない。Twitterはこれを踏まえ、大統領の危険なツイートをファクトチェックし非表示するという小さな一歩を踏み出した。だが将来的には、TwitterもFacebookも、それぞれのポリシーの適用に一貫性を確保していく必要がある。たとえ、権力者に適用する場合においてもだ。

【編集部注】この記事は3人の著者の共著だ。Margaret Sessa-Hawkins(マーガレット・セッサ=ホーキンス)は、MapLight筆者であり、インターネット上の不正な政治的メッセージの影響を追求するジャーナリスト。Ann M. Ravel(アン・M・ラベル)はMapLightデジタル偽装プロジェクトのディレクターであり、連邦選挙管理委員元会議長。Hamsini Sridharan(ハムシニ・スリダラン)はMapLightプロジェクト・ディレクター。

画像クレジット:Blake Callahan / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

Twitterが脊髄反射リツイートに警告を発する機能をテスト中

Twitter(ツイッター)がテストしている「情報に基づく議論を促進する」ための新機能は、ユーザーがリツイートする前にツイートを読むことを勧める。これは同プラットフォーム上での「健全な会話」を喚起するために、ユーザーがシェアしようとする内容を理解するための時間を設けるテストだと同社は説明している。

情報に基づく議論を促進するために、まだTwitterで開いていないリンクをリツイートしようとしたときは、まず開くようにお願いすることがあります

この実験的なプロンプトは、ユーザーがリンクをクリックせずにシェアするのを禁止するものではなく、リンク先を読むことを勧め、クリックできるようするだけだ。限定公開のテスト機能は現在米国のAndroidユーザーにのみが使える。

Twitterなどのソーシャルメディアでは、対立を生む陰謀論や誤解を招く主張であふれかえっているが、ユーザーを引き裂くのは誤情報だけではない。両極化はソーシャルメディアに織り込み済みの機能であり、既存の偏見を助長するコンテンツをシェアするにはワンクリックだけでいい。今回のテスト機能で、Twitterはユーザーに一息ついて考える時間を与えることで、プロセスを鈍化する方法を探っている。

去る5月にTwitterは、害を与える可能性のあるツイートを発信しようとするユーザーに警告を与えるプロンプトのテストを始めた。過去に有害の通報が多かった内容に似ているコンテンツをアルゴリズムで判別するしくみだ。Facebookも昨年同様の機能をテストし、有効な結果がでたことを報告している。

狙いは、ユーザーに強制するのではなく、異なる選択肢を選ぶ機会を与えることで、非生産的、あるいは積極的に有害な行動の改善に役立つだろう、というものだ。Twitterの新しいテスト機能では、ユーザーにひと息つかせ、シェアしようとしているリンク先のコンテンツを読むことを促している。こうしたリンクが有害な主張や陰謀論が満載だったときに何が起きるかは、まだわからないがソーシャルネットワークで無意識にリツイートボタンを叩くのではなく、落ち着いた行動を勧めることは、間違いなくよさそうに思える。

関連記事:Twitterが「有害な」リプライを送信前に修正を促すプロンプトをテスト中

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

共和党議員がソーシャルメディアによるコンテンツの編集、警告の免責を認める通信品位法230条の見直しを要求

2020年5月29日に米大統領は「REVOKE 230!(230条を廃止せよ!)」とシンプルにツイートした。メッセージはすべて大文字で、おまけに感嘆符が付いていた。直接の関係はないにしても、このメッセージは、以前の大統領命令をフォローしているようだ。その大統領令は、Communications Decency Act(通信品位法)230条によるコンテンツプロバイダーの保護を、剥離しようとしている。

米国時間6月9日、4名の共和党上院議員がFCC(連邦通信委員会)に公開書簡で、Ajit Pai(アジート・パイ)委員長に対してこの法の下でソーシャルメディアサイトに認められている「特別の地位」を法に照らして検査するよう求めている。書簡の筆者はMarco Rubio(マルコ・ルビオ)氏、Kelly Loeffler(ケリー・レフラー)氏、Kevin Cramer(ケビン・クレイマー)氏、Josh Hawley(ジョシュ・ホーリー)氏の4名となる。以下は書簡の一部だ。

現在のソーシャルメディア企業は、一定の編集行為やプロモーション行為に関わるようになっている。パブリッシャーと同じく彼らはユーザーコンテンツを収益化し、編集し、ときには論評もしている。そのため現在、230条を改めて見直し、「誠意」と呼ばれる曖昧な基準を具体的なガイドラインと方向性で解釈すべきときである。加えて法廷は、230条の条文が、企業(プロバイダー企業、プラットホーム企業)が「部分的に … 開発している」いかなるコンテンツにも免責を禁じているにも関わらず、企業がコンテンツを編集し警告することに免責を認めているようである。このような解釈もまた、見直しに値する。したがって我々は、ソーシャルメディア企業などのテクノロジー企業が230条の下で保護を受ける場合の枠組みを、FCCが明確に定義することを求めるものである。

この書簡では、フォロワーが8200万名いるDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領と違い「平凡な米国人たちがこれらの企業によって蚊帳の外に置かれ、沈黙させられ、ときには検閲されている」と述べている。トランプ大統領自身もかなり前からこのルールを問題視し、仲間の共和党員らとともに、Twitterなどのプラットホームに保守的な発言の自由の検閲ができることを、非難してきた。彼は前からこの法を廃棄することに関心があると噂されていたが、トランプ大統領のツイートに警告ラベルを付けるというTwitterの決定で、ついに引き金を引いたようだ(プロバイダー / プラットホームの免責が否定される場合に関する日本政府資料)。

以前、FCC委員長のパイ氏はこのような方法でソーシャルメディアサイトを規制することには関心がない、と発言していた。ロイターの取材に対して委員長は、コメントを拒否しつつ「まだその書簡を見ていないのでなんとも言えない」と話している(The New York Times記事)。

米国時間6月9日の朝には、法令の起草者であるRon Wyden(ロン・ワイデン)上院議員が、230条を擁護する論評を寄せている(CNN記事)。

Black Lives Matterや警察の暴力に対する先週の抗議活動に目を向けてみよう。George Floyd(ジョージ・フロイド)の首を膝で押さえつけている警官を撮った携帯電話のビデオが、ソーシャルメディアのプラットフォームで広がった。そしてそれによって初めて米国人は、その不法な殺人について知った。そしてそこからさらに米国の黒人に対する権力の非道な行使がたくさんあることが、ソーシャルメディアにポストされたビデオの結果として明るみに出た。

画像クレジット:Scott R. Galvin/AP

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ジョージ・フロイド事件と新型コロナでTwitterのインストール記録が更新

Apptopia(アップトピア)とSensor Tower(センサータワー)の2つのアプリストア情報会社のデータによると、全国に広がったGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏の事件への抗議運動による不穏な情勢により、Twitter(ツイッター)の新規インストール数は米国時間6月1日の週、記録を塗り替えた。両社の調査による新規ダウンロード数や記録更新時期は正確には異なるが、Twitterアプリにとって世界全体で過去最高の週になった点では一致した。

Twitterの利用増加は、そのプラットフォームが提供するニュースの即時性によるものだ。抗議者がデモ、火災、略奪、警察の残虐行為などをライブとビデオで共有する際にTwitterを利用したため、需要が伸びた。一方、抗議に参加しない人々もTwitterアプリをダウンロードして、事件の展開を直接見届け、フィルターがかけられていない最新のニュースを確認しようとした。

Sensor Towerのデータによると、Twitterの米国時間6月1日月曜日のインストール数は100万強、翌火曜日も100万近くだった。同社がアプリストアのデータを取り始めた2014年1月1日以降、1日のインストール数としては6月1日が過去最多となった。米国における今週のインストール数はピークを迎え、4年ぶりの記録となった。Sensor Towerによると、6月3日水曜日にTwitterのインストール数はわずかに減少し、アプリストアのグローバルチャートにおけるランクもわずかに下落したようだ。

一方、Apptopiaによると、Twitterは6月3日水曜日のインストール数で世界のダウンロード数が67万7000を記録し、これまでの記録を上回ったという。この記録には米国での14万インストールという過去最高記録に近いダウンロード数が含まれるほか、英国、インド、ブラジル、メキシコなどの海外市場のインストールも多数含まれている。ただしApptopiaのデータによる米国のダウンロード数は、Twitter史上過去2番目に多いインストール数だという。

画像クレジット:Apptopia

真実は、おそらく2社が発表した異なる数値間のどこかにある。Sensor Towerの数値は、いつもApptopiaより大きい。だが大きく見れば、2社のデータは全体的に同じ傾向を示す。今週の場合、どちらもTwitterのモバイルアプリのダウンロード数急増により記録的な週になったことを示した。

Twitterが米国以外の市場で多くのインストールを記録したのは奇妙に思えるかもしれないが、これは世界中が事件の展開を注視していることの現われだ。だが、これはおそらくTwitterの需要にとって完璧な嵐のようなものだ。ジョージ・フロイド氏の事件に関する不穏な情勢だけが世界中でインストールが増えている要因ではないからだ。

多くの国が新型コロナウイルス(COVID-19)に対処しており、特にブラジルは現在大打撃を受けている。それがTwitterアプリへの関心を高めている可能性もある。Twitterはニュースが推進力となる特徴があるからだ。

Apptopiaによると、ダウンロード数の記録更新に加え、6月3日には米国におけるデイリーアクティブユーザー(DAU)の記録も塗り替えた。米国では約4000万人がアプリにログインしたという。

Twitterの発表によると、2019年第4四半期の米国の「収益化可能な(monetizable)」デイリーアクティブユーザー(mDAU)は3100万人に上り、2020年第1四半期には3300万人に増えた。mDAUはデイリーアクティブユーザーと同じ指標ではない。広告が表示されるプラットフォームにログインしたユーザーを数えるためにTwitterが開発した測定基準だ。mDAUはTwitterがユーザーデータとして発表する唯一の指標であるため、比較可能なデータとしては最も性質が近い。

インストール数と利用量の急増がどの程度続くかは不明だ。Twitterが次の四半期決算で最新の指標を発表するまで詳細はわからない。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

ソーシャルメディアを攻撃するトランプの大統領令が最初の法的問題に直面

大統領のツイートに手を加えたTwitter(未訳記事)を狙ったホワイトハウスの大統領令が、人権団体からの訴訟(PDF)に直面している。先週Twitterが、郵便投票に関する嘘の主張をしている大統領のツイート(未訳記事)に事実確認のラベルを付けたあと、大統領はその命令に署名した。

司法長官のWilliam Barr(ウィリアム・バー)氏が味方についたその大統領令は、特に通信品位法230条に狙いを定めている(未訳記事)。この条項は、インターネット企業がポストするコンテンツに関して当企業を法的責任から護っている。

先週、オンラインの市民の自由を守ることを掲げる非営利団体であるCenter for Democracy and Technology(CDT)が提起したその訴訟は、そのほかの市民団体と並んで大統領の命令を問題視した。またACLU(米自由人権協会)は、大統領令の発令行為そのものを表現の自由を押さえつけようとする露骨で薄っぺらな行為と呼んで退けた(ACLUプレスリリース)。

関連記事:Trump signs an executive order taking direct aim at social media companies(トランプがソーシャルメディア企業を狙った大統領令に署名、未訳)

文末にある訴状でCDTは、大統領令はTwitterに対する攻撃において「『明白に反動的』であり、大統領のツイートに注釈を付ける権利は米国憲法修正第一条で認められている」と主張している。その訴訟は大統領の意図を批判して、批判に対して政府が権力を行使することは「オンラインのプラットホームと個人の発言に対する憲法の保護を奪い無視するものだ」と述べている。

Twitterは米国時間6月2にCDTの訴訟の支持を共有し、「大統領令は自由なインターネットを侵食する『反動的で政治的意図に基づいた』アクションだ」と評した。

Twitter Public Policy:この大統領令は歴史的な法律に対する反動的で政治的動機に基づいたアプローチだ。法の230条は米国のイノベーションと表現の自由を保護し、民主的な価値によって裏打ちされている。それを一方的に侵食しようとする試みは、オンラインの発言とインターネットの自由を脅かすものである。

Twitterは先週後半の大統領のツイートを暴力を賛美しているとして警告し、同社とトランプ大統領との間の緊張はさらにエスカレートした。そのツイートの不吉な声明、「略奪が始まれば銃撃が始まる」に、アメリカの反政府活動家たちは恐怖を感じた。この言葉には、黒人アメリカ人に対する政府公認の暴力の忌まわしい歴史的ルーツ(ワシントン・ポスト記事)がある。

CDTの理事長でCEOのAlexandra Givens(アレクサンドラ・ギブンズ)氏は「この大統領令はソーシャルメディアサービスが誤報や有権者の抑圧、そして彼らのプラットホーム上における暴力の扇動と戦うことを、阻止しようとしている」と述べる。そして「大統領は脅しと報復と今後の規制を利用して、メディアが行うコンテンツのモデレーションのやり方を変え、有権者の抑圧や誤報が選挙の年に野放しで確実に増えることを意図している」と続けた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterが共和党議員の反ファシズムツイートを「暴力賛美」として制限表示に

6月1日、Twitterは政治的に大統領と近い議員のツイートを警告表示で隠し、暴力を助長するコンテンツを禁止する同社のポリシーを掲げた。

共和党フロリダ州選出のMatt Gaetz(マット・ゲイツ)下院議員はツイートで、米国政府は国内の反ファシズム主義者を、国際テロリストを追うのと同じように「狩り出す」ことを示唆した。

「当社はこの @mattgaetz のツイートに公共の利益に関する警告を表示した」と、Twitter広報がTechCrunchに話し、同社のポリシーページへのリンクを貼った。Twitterユーザーはコメントをつけてこのツイートをシェアできるが、通常のリツイート、いいね、あるいは返信は無効化されている。

以前発表した公人による同社規則に違反したツイートに関わるポリシーと矛盾することなく、Twitterはツイートを残したが警告の陰に隠した。「世界のリーダーたちのアカウントがわれわれのポリシーの上位にはないことを,ここに改めて明らかにしたい」とTwitterは昨年発表したリリースに書いていた。「明確な公共の利益がある場合は、過ちを犯すにしてもコンテンツを残すことを尊重する」

画像クレジット: Yuri Gripas/Abaca Press/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ジョージ・フロイド氏殺害事件への拡大する抗議活動と組織的差別に対するハイテク業界の対応

5月25日、ミネアポリス警察によってGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏が殺害されたのを機に米国全土で抗議行動が始まってから5月31日で4日目を迎えた。この運動は、同様の運命にさらされている信じられないほどの数の米国の黒人が直面してきた広範におよぶ、また組織的な不平等への反応だ。「息ができない」という必死のあえぎ声は、6年前のEric Garner(エリック・ガーナー)氏の死を思い起こさせる。

この週末は暴力が吹き荒れ、写真や動画には、血まみれの抗議者、傍観者、この状況を伝えようと使命感に駆られたジャナーリストの姿が映し出された。ひとつの事件が人々の最大の関心事になるのは、新型コロナウイルス(COVID-19)による死者数が世界最大という遙かに深刻な状況に置かれた今の米国では難しいことだが、ミネアポリス、ニューヨーク、ワシントンD.C.、ロサンゼルス、シカゴ、さらにその他に地域に大きく広がったこの抗議活動は、すでに深い溝で分断されたこの国の最大の関心事として扱われる運命にある。

こうした社会問題に対する態度に波風を立てることに慣れていないハイテク企業とそのCEOは、腫れ物に触るようなこの話題を、どこまで重大に捉えるかを秤にかけ始めている。社会問題への取り組みを公にした経験を持つApple(アップル)のCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、彼の会社は多様性から力を得ていると話していた。彼はまた従業員に対して、今こそ耳を傾けるときだと伝えている。

今は多くの人が、何よりも平常に戻ることを、つまり不公正から目を背けていさえすれば快適な現状維持への回帰を願っています。認めたくはないでしょうが、その願望自体が特権意識の表れです。ジョージ・フロイド氏の死は、「平常」な未来よりもさらにずっと上を目指さなければならないことを、そして、平等と公正の最上級の理想に従って生きてゆく未来を構築しなければならないことを、衝撃的で悲惨な形で私たちに示しています。

クック氏は、Equal Justice Initiative(イコール・ジャスティス・イニシアティブ)を始めとする非営利団体への不特定の寄付を行う予定だと話している。さらに6月には、従業員からの寄付金は、すべて倍額にして収めるという。

一方、Twitter(ツイッター)は、企業のロゴを黒と白のバージョンに切り替え、「Black lives Matter」(黒人の命も大切)というハッシュタグをプロフィールに追加した。多様性を訴えるTwitterアカウント「Twitter Together」は、以下の声明を発表した(もちろんTwitterで)。

差別は社会的距離とは違う。パンデミックで恐れと不安が増大している最中ですが、今週は、おそらくそれよりも大きな話題が、またしても注目を集めました。非白人が日常的に直面している根深い人種差別と不平等の問題です。

Amazon(アマゾン)もまたTwitterを通じて次の声明を出した。

私たちの国の、黒人に対する不平等と野蛮な扱いは止めなければなりません。私たちは黒人コミュニティー(私たちの従業員、顧客、パートナー)と連携して、組織的な人種差別と不平等に立ち向かいます。

Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)のCEOであるAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏は自身のアカウントでこうツイートした。

こうした黒人の不当な殺害の容認を止めるには、「何が」必要なのでしょう。どれだけの人が死ねば、どれだけの世代が耐えれば、どれだけの目撃動画があれば事足りるのか? 裁判所や政治家の対応よりも優れたものが私たちには必要です。

アマゾンには、偽善だとする多くの非難がすぐさま寄せられた。数々の問題の中には、長年にわたる従業員の扱いに対する苦情や、警察で使用されているAWSの顔認証などの技術がある。

ACLU(アメリカ自由人権協会)の反応は露骨だ。

結構なツイートだ。警察の横暴を強力に後押ししている顔認証監視技術の販売を止めるか?

アマゾンは、同協会からのこの最新の質問は取り合わない構えのようだ。

マーク・ザッカーバーグ:先週の悲劇は、この国が、尊厳ある生活を送る自由をすべての人に与えられるようになるのは、まだ遠い先のことだと私たちに再認識させた。

Facebook(フェイスブック)の反応も複雑なものだった。従業員は、「略奪が始まれば銃撃が始まる」というトランプ大統領のツイートを残しTwitterと袂を分かつ決断をしたCEOのマーク・ザッカーバーグ氏の判断に怒りの声を露わにしている(CNBC記事)。しかし最近になってザッカーバーグCEOは、1000万ドル(約10億7000万円)を関連非営利団体に寄付し、投稿で次のように述べた。

この戦いを支援するために、Facebookはそのプラットフォームを通じて黒人コミュニティーの平等と安全をもたらすために、さらに努力すべきだと考えています。見るに忍びないものでしたが、ジョージ・フロイドさん殺害の動画Facebookに投稿してくれたDarnella Frazier(ダーネラ・フレイザー)さんに感謝します。これは、すべての人が見るべきものだからです。ジョージ・フロイドの名前を私たちは記憶しなければなりません。同時に、人々の安全を保ち、私たちのシステムが偏見を助長しないよう努力を重ねることもFacebookの勤めであることを明確にしておきます。

Microsoft(マイクロソフト)のCEO、Satya Nadella(サティア・ナデラ)氏は、LinkedIn(リンクトイン)への投稿で、ミネアポリスの事件と、バードウォッチャーのChristian Cooper(クリスチャン・クーパー)氏と警察がセントラルパークで揉めた先日の事件について簡単に触れている。

私たちのアイデンティティーが、私たちの存在そのものが、この星のすべての人の力の源になっています。そのため私たちには、私たちのプラットフォーム、私たちのリソースを使って組織的な変化を推進させる義務があると思いませんか? これは本当に難しい課題です。ひとつの事件に留まる話ではありません。絶対的に変えなければならない問題に通じる、あらゆる物事が対象です。

また、Snap(スナップ)のCEOであるEvan Spiegel(エバン・スピーゲル)氏は5月31日、従業員に向けた長い書簡(The Information記事)を発表した。そこにはこう書かれている。

もちろん、あらゆる人の自由、平等、公正を支持した建国の父たちは、ほとんどが奴隷を使っていました。その強化版として、人民により人民のために作られた国は、偏見と不公正と人種差別に立脚しています。この腐った基礎を立て直そうとせず、またすべての人に機会を与えられずにいる問題への対処も怠っている私たちは、人類が進歩する本当の可能性を封じ込めています。そしていつも、すべての人の自由と平等と公正をもたらすという大胆な展望に追いつけずにいるのです。

スピーゲル氏の書簡は、「実に大変に恵まれた若い白人の教育のある男性」である自身との葛藤と、不平等への金銭的な対処法の提案に焦点を当てている。特に彼は、超党派の「Commission on Truth, Reconciliation and Reparations」(真実、和解、償い委員会)の設立と、住居、医療、教育への投資を呼び掛けている。

画像クレジット:Jason Whitman/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

トランプ大統領の投稿にFacebookが行動を起こさない理由をザッカーバーグ氏が説明

5月29日午後遅くのFacebook(フェイスブック)の投稿でMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、ドナルド・トランプ大統領と繋がりのあるアカウントの米国市民に対する暴力を賛美するかのような投稿を、Facebookが説明も削除もしなかった理由を説明した。

「われわれはミネソタで起きた抗議運動を論じたその投稿を極めて慎重に観察し、当社のポリシーに違反しているかどうかを検討した」とZuckerberg氏は書いた。「暴力の扇動に関わるわれわれのポリシーは、国の実力行使に関する議論を認めているが、現在の状況は、その議論の潜在的限界を巡る重要な問題を提起するものだと私は考えている。

Facebookの立場は、Twitter(ツイッター)が最近下した決断とは著しい対照をなすものだ。Twitterは CEOJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏の承認によって、28日夜にトランプ大統領のツイートを、同社の規則に反する暴力を賛美するツイートであることを示す「公的関心の通知」を利用して非表示にした。「公的関心の通知」は、トランプ氏の書いたテキストに代わって表示され、ユーザーが問題のツイートあ見るためには積極的にクリックする必要がある。

Facebookと同社CEOが、大統領とホワイトハウスに関わるアカウントが発信した誤情報かつ暴力を賛美する恐れのある発言の拡散に対して無干渉の立場をとったことは、批評家の激しい非難を浴びた。批判の中には 同社従業員が発信したものさえあった

「私は恐ろしく耐え難い状況に直面していると言わざるを得ない」とある従業員がFacebookの社内掲示板に書いたものがThe Vergeに引用された。「これは暴力の激化と選挙に向けて市民の不安を呼ぶきわめて高いリスクにつながるものであり、この試練に失敗すれば、歴史はわれわれに好意的な判断をくださないだろう」

Zuckerberg氏はFacebookの立場を擁護し、大統領の投稿に対して行動を起こすつもりはない、なぜなら「国民は政府が暴力を行使するつもりなのかを知る必要があるとわれわれは考えるからだ」と語った。

Facebook CEOの発言は、賛否分かれる議論に対する同社とTwitterの対応の著しい違いをいっそう際立たせた。Twitterは大統領の一連のツイートに「要事実確認」の警告を表示し、暴力ポリシーに違反したとして28日のツイートを警告ラベルで隠した。

「Twitterと異なり、われわれは暴力を賛美する投稿に警告を表示するポリシーを持たない、なぜならもし投稿が暴力を賛美しているなら、ニュース価値があろうが、政治家が発信したものであろうが削除されるべきだからだ」とZuckerberg氏は書いた。

Twitterは同社の決定について、「このツイートは、最終行の歴史的背景、暴力との結びつき、および同様の行動を引き起こすリスクに照らして、暴力の賛美に関するわれわれのポリシーに違反している」と声明で語った。

「われわれは触発された者が暴力行為を犯すのを防ぐために行動を起こしたが、ツイートをTwitter上に残したのは、公共的に重要な現在進行中の出来事との関係を踏まえ、市民がツイートを見られるようにすることは大切だからだ」とTwitterが声明で語った。

おそらくZuckerberg氏が指摘するように、国家による暴力を称賛する発言を認める上でどんな限界があるべきかについて、いずれFacebookは何らかの答えを出す機会があるだう。しかし現時点では、この対応は新たな疑問を生むばかりだ。

Zuckerberg氏の投稿の全文はこちら

画像クレジット:Alex Wong / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterが「暴力を称える内容」とトランプ大統領のミネアポリスに関するツイートに再び警告

米国時間5月26日に郵送投票に関する誤解を招くようなDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領のツイートに要事実確認の警告を付けた後もTwitter(ツイッター)は好調だ。さらにトランプ大統領の別のツイートにも警告を付けた。今回は、大統領のツイートが自動表示されないようにした。暴力を称える内容がルール違反だと表示し、ただし公益性があるとしてツイートを閲覧できるようにもしている。

トランプ大統領のツイートがどのように表示されるかは、以下のスクリーンショットにある通りだ。


トランプ大統領が書き込んだものに「公益性があるかもしれない」の表示が取って変わっている。つまり大統領の攻撃的なツイートを閲覧するには、ユーザーはクリックするというアクションしなければならない。

この措置により、大統領のツイートへの反応も限定される。つまり、ユーザーができるのはコメント付きでのリツイートだけだ。「いいね」の意思表示やリプライ、称賛するようなリツイートは不可となっている。

Twitterの警告ではさらに、なぜ大統領のツイートを完全に削除しなかったのかも説明している。これは、ポリシーの中にある「公益性がある」の要素が関わるところだ。同社はこう記している。「ツイートを閲覧できるようにしておくことが公益性があると判断した」

インターネット企業がユーザーのコンテンツに法的責任を負わないという法律の運用見直しを目的とした大統領令に署名した5月28日の大統領の対応を、Twitterは意に介していないようだ。結果的に、保守派の意見を意図的に抑制しているとソーシャルメディアプラットフォームを批判してきたトランプ大統領を不愉快にさせた。ただ実際のところ、広告プラットフォームのアルゴリズムは憤りに満ちたコンテンツや意見を拡散させていて、保守的な意見を広めているという多くの証拠がある。

問題となった最新の投稿で、トランプ大統領は黒人男性のGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏が白人の警官に殺された事件を発端にミネアポリスで起こっている抗議暴動についてツイートした。その中で大統領は、「軍」を派遣すると脅す前に「暴徒たちはジョージ・フロイドの名誉を傷つけている」と主張した。

「いかなる困難があろうとも、我々はコントロールする。略奪が始まれば、銃撃が始まる。以上!」と大統領は付け加えた。市民に対して軍事力を行使するという露骨な脅しだ。

Twitterはここ数年、コンテンツに関する規則を破る世界のリーダーたちにいかに対処するかという問題と格闘してきた。メインとなるのがトランプ大統領だ。彼はライバルの政治家から嫌っているジャーナリスト、従順でない企業のリーダー、彼を立腹させる俳優に至るまで、あらゆる種のターゲットをいじめるために、また時に乱暴的に脅すために日頃からTwitterを頻繁に使っている。

大統領に選ばれてからは、北朝鮮やイランに対し、ツイートいう形で軍事的な脅しをかけるなど、Twitterのグローバルプラットフォームを外交政策の武器としても使ってきた。

例えば2018年にトランプ大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に核のボタンが用意されていることをチラつかせた(以下のツイート参照)。北朝鮮の独裁者に直接会って「恋に落ちる」前のことだ。

Twitterは過去においては攻撃的なトランプ大統領のツイートを精査しないという防衛策をとってきた。だが米国の大統領として、狂気じみた、悪質で、危険なツイートの内容は本質的には報道価値がある。

最近になって同社は干渉できるよう規則を設け、2019年夏には「Twitter上での公益性あるコンテンツ」を定義した。

その後(ほぼ1年前の2019年6月)Twitterは規則違反になるようなツイートに「公益性あるコンテンツ」の案内を表示することもあると注意を促した。攻撃的なツイートを削除するのではなく、「追加の説明と透明性を提供するため」だ。

そして今、Twitterはトランプ大統領のツイートに警告表示を適用し始めた。26日に大統領選に関するツイートに「要事実確認」の警告を付けたのが最初で、その後にトランプ大統領が暴力を称えるツイートに「公益性あるコンテンツ」の警告を付けた。

ついにTwitterはリアルタイムで大統領の周りに停止線を引く方向に向かっているようだ。

ミネアポリスでの略奪に対し軍に銃撃を命じるという大統領の脅しに警告を付けた理由について、Twitterは次のように説明した。「歴史的背景や暴力とのつながりから、このツイートは暴力の美化に関する我々のポリシーに反している。また今日のような暴動を連鎖で引き起こす可能性もある」。

「我々は人々が暴力行為へと焚き付けられることがないよう、このような措置をとったた。しかし、現在進行形の社会にとって重大な事案に関するツイートを閲覧できるようにしておくことは重要であり、削除せずにTwitter上でこのツイートを閲覧できるようにしている」。

Twitterはまた、暴力を称えるツイートに関するポリシーのリンクも貼っている。そこにははっきりと太文字で「個人や集団に対し暴力で脅してはならない」書かれている

2019年6月、Twitterは「暴力的な行い」の警告について発表した際に、ツイートが「公益性がある」かどうかの判断はアルゴリズム促進の影響は受けないとし、次のように説明した。「言論の自由、責任、そうしたツイートによって引き起こされ得る悪影響の抑制、それらのバランスを保てるよう、ツイートがアルゴリズムで評価されることがないよう取り組みを進める」。

しかし、ようやくトランプ大統領にルールを適用するという報道価値のあるTwitterの判断は、アルゴリズムを適用しない余地が十分にあることを保証するものだ。

筆者はトランプ大統領の最新のツイートに対して公益性があるかチェックをかけるという判断についてTwitterに質問しているが、この記事執筆時点で返事はない。

27日夜にTwitterのCEOで共同創業者のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、トランプ大統領の郵送投票に関して誤解を与えるツイートに「要事実確認」の警告を表示した理由を一連のツイートで説明した。

「これは我々を『真偽の決定者』にするものではない」とドーシー氏は書いている。「相対する考えを点と点でつなげ、人々が自分で判断できるように議論されている情報を示すことが我々の意図するところだ。我々が取った措置の理由を人々が確認できるようにするには透明性が不可欠だ」。

ドーシー氏の発言は、Facebook(フェイスブック)のCEO、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏のFox Newsへのコメントに言及してのものだ。ドーシー氏は、プラットフォーム監視におけるFacebookがいうところの「中立性」と、政治広告のような問題と距離を置いているTwitterのポリシーを比較することを意図した(Twitterは政治広告を不可としている)。

「Facebookは、オンラインでの人々の全発言の真偽を決定する存在であるべきでないと固く信じている」とザッカーバーグ氏は保守的なメディアであるFox Newsに語った。「民間企業、特にプラットフォーム企業はそうしたことを行う立場にあるべきではない」。

ドーシー氏が、論点すり替えの議論だとしてTwitterのポリシーに対するフェイスブックの攻撃をはね返すのに、ザッカーバーグ氏が用いたフレーズ「真偽の決定者」をそのまま使っているのは注目に値する。

アップデート1 トランプ大統領の反応:Twitterの措置に対し、トランプ政権はホワイトハウスの公式Twitterアカウントから、トランプ大統領の攻撃的なツイートの文言を引用する形でリツイートしている。大統領の暴力的な脅しの再拡散だ。

トランプ大統領はまた、5月29日朝に発した一連のツイートの中で、通信品位法230条を無効にすることでソーシャルメディアを規制するという脅しを繰り返した。その中で大統領は、Twitterが「中国や過激な左翼民主党が発する嘘やプロパガンダ」を無視していると非難した。

アップデート2 もぐらたたき:Twitterは、ホワイトハウスの公式Twitterアカウントが投稿した、トランプ大統領のツイートの文言を引用する形のツイートに警告を付けている。

画像クレジット:Chip Somodevilla

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(翻訳:Mizoguchi

TwitterのCEOがトランプ大統領のツイートに警告を付けた理由を説明

Twitter(ツイッター)が5月26日にトランプ大統領の2つのツイートに「要事実確認」の警告を表示した後、ドナルド・トランプ大統領と彼のお気に入りのソーシャルメディアプラットフォームの間で緊張が高まっている。

27日夜、TwitterのCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は自社プラットフォームで同社の対応を説明した。彼は滅多に政治的闘争をしない。

声明の中でドーシー氏は、Facebook(フェイスブック)のプラットフォーム取締りに関する取り憑かれたような中立的アプローチとTwitterの現在の状況を比較する、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏がFox News向けに出したコメントに言及した。ザッカーバーグ氏は「Facebookはオンラインでの人々の全発言の真偽を決定する存在であるべきではないと固く信じている」と述べた。「民間企業、特にプラットフォーム企業はそうしたことを行う立場にあるべきではない」

ドーシー氏はまた、Twitterの幹部を責めるトランプ氏のオンラインサポーターや代理人たちを非難した。トランプ氏のTwitterに対する憤りに感化されて活発になった批判者たちに「Twitter従業員をどうか巻き込まないでほしい」と求めた。

ドーシー氏の個人アカウントと同社のセーフティーアカウントで「トランプ氏の2つのツイートに要事実確認のリンクを貼るという措置は、それらが『投票用紙を受け取って選挙に参加するために何をすべきか、有権者を混乱させる』可能性があったからだ」とはっきり説明した。

同社が警告を表示したツイートの中で(見えないようにしたり削除したりはしていない)、トランプ大統領はカリフォルニア州知事が「誰であろうが、どうしてそこにいるのかに関係なく州に住んでいる何百万というあらゆる人に投票用紙を送ろうとしている」と誤った内容を記述している。実際にはカリフォルニア州は登録された有権者だけに投票用紙を送る。大統領はまた、郵送投票の信用性について恐ろしいほど偽りの主張を展開した。郵送投票のシステムはすでに不在票という形で米国中で活用されている。

説明とともに、ドーシー氏はTwitterが「civic integrity policy」と呼ぶ、プラットフォーム上での特定の種の「操るような言動」を禁止するルールへのリンクも案内した。ルールによると、投票方法や投票するために必要な書類、選挙の日時に関してミスリードするような情報は禁止されている。ポリシーに照らすと、「『選挙は仕組まれている』という根拠のない主張のような」選挙に関する漠然とした主張は禁止されていない。

Twitterの介入アクションとしては、ユーザーにツイート削除を強制する、経歴に誤情報を表示した場合のアカウント凍結、「深刻なポリシー違反、または度重なるポリシー違反」で永久追放というものがある。

26日のTwitterの対応は、トランプ大統領が根拠のない陰謀説を推進する一連のツイートに続くものとなったというタイミングは偶然の一致だろう。大統領はMSNBCのホストで「政治ライバルのJoe Scarborough(ジョー・スカーボロ)氏が24年ほど前の議会インターンの死に関わっている」との陰謀説を主張していた。

27日夜、ホワイトハウス報道官のKayleigh McEnany(ケイリー・マッケナニー)氏は「大統領が『ソーシャルメディアに関する』大統領令に間もなく署名するだろう」と記者団に述べた。ショッキングではあるが非現実的なTwitterへの報復だと広く受け止められている。大統領令は、現代のインターネットを支えるのに必須の規定である通信品位法230条を脅かし、FTC(連邦取引委員会)とFCC(連邦通信委員会)を通じてソーシャルメディア企業の力を削ごうとする、ホワイトハウスが以前展開した取り組みの焼き直しとなりそうだ。

トランプ大統領は8000万人超のフォロワーに対して「Stay Tuned!!!」(乞うご期待)とツイートし、今後の報復をほのめかした。

画像クレジット: Cole Burston/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

関連記事:Twitterのファクトチェック警告に怒り心頭のトランプ大統領、SNSを規制または閉鎖すると息巻く

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(翻訳:Mizoguchi

Twitterのファクトチェック警告に怒り心頭のトランプ大統領、SNSを規制または閉鎖すると息巻く

ドナルド・トランプ米大統領は、またもや強硬手段に出る。郵送による投票についての自身のツイートに、ファクトチェックを要するという警告ラベルを付けられると、TwitterはTwitter(ツイッター)を再び強く非難した。

画像クレジット:Alex Wong/Getty Images

これまで大統領に好きなようにさせてきたサービスも含め、今までにないほどの強硬な方策を打ち出した。トランプ大統領は、各社ソーシャルメディアサービスは規制を受けるか、閉鎖しなければならないというのだ。共和党は、これまでずっとソーシャルメディアサイトには反保守的なバイアスがかかっていると考えてきた。

「共和党員は、ソーシャルメディアプラットフォームが保守派の声を完全に黙殺している、と感じている」と大統領はツイートした。「我々は、これが実現できるまで、それらを厳しく規制するか、閉鎖するつもりだ。彼らが2016年に何をしようとし、そして失敗したか、みんな知っている」。

関連記事:Twitterがトランプ大統領のツイートに「要事実確認」の警告を表示

この最後の部分は、2016年の大統領選挙で、TwitterやFacebook(フェイスブック)のようなプラットフォームが果たした役割について述べているのだろう。大統領は続いて、先に述べていた郵送による投票についての主張を繰り返し、パンデミックの中で簡単に投票できるようにすれば「不正、捏造、窃盗の温床になる」と非難した。

最初にTwitterが、要ファクトチェックのラベルを付けたのは、まさにこうした主張だった。ただし、この原稿を書いている米国東部標準時午前7時過ぎの時点では、新しいツイートにはまだそのようなラベルは付けられていない。祝日を加えた長い週末に続くここ数日、トランプ氏はお気に入りのメディアプラットフォームであるTwitterに頻繁に投稿していた。昨晩は、Twitterが「自由な発言を抑圧している」と非難していた。むしろTwitterは、利用規約に違反している疑いがあるにも関わらず、大統領の発言を削除したり、アカウントを停止したりすることを避けてきた経緯がある。

今朝も大統領は、ケーブルニュースのモーニングショーのホストを、その亡くなった妻に関する昔から言われている陰謀論に絡めてツイートし、ウォーターゲートよりも「オバマゲート」のほうが悪いと宣言していた。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Twitterは偽情報ラベルの適用拡大を検討、トランプ大統領の発言にも適用されるのか

トランプ大統領は、著名ユーザーたちから流れ出た偽情報でまたしてもTwitterに喧嘩を売ってきた。

このところトランプ大統領は、Lori Klausutis(ロリ・クラウスティス)氏の死にまつわる陰謀説をツイートしまくっている。クラウスティス氏は、2001年に元下院議員のJoe Scarborough(ジョー・スカーボロ)氏がフロリダのオフィスで死んでいるのが発見された。検察医の報告によると、このおぞましい死亡事件は、本人も知らなかった心臓疾患が原因であると結論付けられた。スカーボロ氏は政治評論家であり、MSNBCの「Morning Joe(モーニング・ジョー)」というテレビ番組の司会者を務めているが、トランプ批判で知られ頻繁に大統領の怒りを買っている。

医学的な評価も、彼女の死に何らかの凶悪な行為が関わっていたことを示唆する証拠がひとつもないことも、最近になってこの事件を蒸し返すツイートを続けるトランプ大統領の歯止めにはなっていない。

「フロリダで起きた異常者ジョー・スカーボロのコールドケースは、いつ開かれるのか?」と、トランプ大統領は5月の中旬にツイートした。その1週間後、トランプは「法医学の天才を起用して追求し続けろ!」と昔の迷宮入り事件に関して支持者を焚きつけた。

ドナルド・J・トランプ「頭部の打痕? 彼の机の下に遺体が? 直後に議員辞職? フロリダでは大論争の的だ。あいつは変人だ(信用もない)。法医学の天才を起用して追求し続けろ!」

TechCrunchに提供された声明で、Twitterは「これらの発言によりご家族にもたらされる苦痛、世間の注目を浴びることに対して、深く憂慮します」と表明している。

「私たちはこのような問題の発展を防ぐべく、より効果的な対処ができるように、現製品の機能とポリシーの拡張にあたっています。また、そのような変更が迅速に実施できるよう願っています」とTwitterの広報担当者は話している。

製品とポリシーの変更とは何を指しているのか、私たちはTwitterに具体的な返答を求めたところ、同社は「合成または操作されたメディアに関するポリシー」と新型コロナウイルス(COVID-19)関連の偽情報に関するブログ記事を案内してくれた。同社は、偽情報のラベル添付の範囲を、現在のカテゴリーから拡大すると言及している。

木曜日の午後、Twitterはファクトチェックのためのリンクを、郵便投票に関する偽りの主張を含むトランプ大統領の2つのツイートに、密かに追加した。

関連記事:Twitterはトランプ大統領の投票に関する偽りの主張にファクトチェックの警告ラベルを添付(未訳)

Twitterはトランプ大統領による最近のスカーボロ氏疑惑のツイートに対しては、ラベルも警告も添付しない予定だが、ブログでは将来的にこうした事態による被害を軽減するためにラベルを使う可能性が示唆されている。それが、人を犯罪者呼ばわりする根も葉もない言いがかりへのラベル付けを意味するのか、または合衆国大統領のこうした主張へのラベル付けを意味するのかは、直に判明する。

2020年3月にTwitterは、ホワイトハウスのソーシャルメディア担当官であるDan Scavino(ダン・スカビーノ)氏の動画とトランプ大統領のリツイートに、「操作されたメディア」のラベルを添付した。大統領のアカウントに対する処置としては異例だ。民主党大統領候補と目されるJoe Biden(ジョー・バイデン)氏が、トランプの再選を呼びかけているかのような誤解を招く編集が加えられた動画だ。

Twitterが私たちに示したこのブログ記事によれば、同社はすでに「さまざまな種類の根拠のない主張や噂に関連する内容を含むものには必要に応じて」新しいラベルを添付する旨を発表している。

既存のカテゴリー、つまり新型コロナウイルス関連の偽情報や操作されたメディアの範囲に含まれる場合でも、Twitterはこれまで大統領(インターネットで偽情報を連発しているにも関わらず)などの著名人のアカウントへのラベル添付をためらってきた。

Twitterは先日、ツイートを隠し読みたい人がクリックしたときにだけ表示するという警告システムも導入した。そうしたツイートは「人を傷つける恐れ、誤解を招く情報」が含まれるという警告文で隠される。

トランプ大統領が根拠のない陰謀説を蒸し返したことから、若きロリ・クラウスティス氏の残された元夫であるT.J. Klausutis(T・J・クラウスティス)氏は、TwitterのCEOであるJack Doesey(ジャック・ドーシー)氏宛に、大統領のツイートの削除を求める手紙を書いた

その手紙の中でクラウスティス氏はドーシー氏に、夫の務めとして、死後も妻の思い出を大切にしていると語っている。「私のお願いは簡単です。これらのツイートを削除してください」とクラウスティス氏は書いていた。

「私みたいな平凡なユーザーが、そのようなツイートをしたらプラットフォームから罰せられるでしょう。私はただそのツイートを削除して欲しいだけなのです」

関連記事:TwitterとFacebookの新しい新型コロナウイルスポリシーに喧嘩を売る州の封鎖を解除するというトランプの虚偽宣言(未訳)

画像クレジット:Chip Somodevilla

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(翻訳:金井哲夫)