Twitter、IPOの好調によりユーザー当たり評価額でFacebookのデビュー時を上回る

きのうTwitter株を買った人、おめでとう。これで高級住宅地にベッドルームの1つ多い家を買えるだろう。それとも、赤ちゃんかもしれない。しかし両方ではない。ともあれ、TwitterのIPOベームは世界に狂乱をもたらしたが、ここで現在市場がどうTwitterを評価しているかを、いくつかの類似例と比べてみよう。

問題は単純だ。Twitterの今の評価額は理にかなっているか?

当初Twitterは、株式を1株当たり17ドルで売ると言っていた。売出し数7000万株に対する需要があまりに高かったため、最終的にTwitterは1株26ドルの値を付けた。市場のつけた初値は45ドルだった。Twitterはテーブルに金を残してきた[もっと調達できた]と見る向きもあるが、同社株は上場と同時に高値で取引され、驚くべき成功と共に初日を終えた。

本稿では、Twitterの初期取引価格を45.10ドルとし、この株価における時価総額は ― 完全希釈化株数を使用して ― 318億ドルとする。比較対象であるFacebookは、IPO価格が38ドルで、取引は42.05から始まり、時価総額は1150億ドルだった ― ここでも希釈化株数を使用。

  • 最初の市場評価額に基づくと、Twitterの月間アクティブユーザー1人当たりの価値は137ドルになる(ユーザー数は2.32億人)。この数字は、Twitterの評価額が下がるか、月間アクティブユーザー数が増えると減少する。前者は起きる可能性があり、後者はまず間違いなく起きる。
  • IPO時点で、Facebookの月間アクティブユーザー数は9.01億人だった。この初期取引評価額を使用すると、Facebookの月間アクティブユーザー1人当たりの価値は127ドルである。

つまりTwitterは、初期取引価格で見るとFacebookよりもわずかに高い評価を得ている。これはTwitterの投資家がおかしいのか? たぶん違うだろうが、Facebook株はデビュー後数ヵ月間大暴落に遭ったことは銘記しておくべきだ。

つまり、投資家はTwitterに対して、Facebookが上場した時よりも早く成長することを期待して値を付けているようだ。このソーシャル企業にとって失敗は非常に高くつくかもしれない。

参考までに、希釈化1株当たり売上を計算してみた。FacebookではクラスA株、クラスB株合わせて32.3億株を使用する(Google Financeなどは、一般株数24.3億ドルを使用している)。現在の市場価格は47.87ドルなので、同社の時価総額は1540億ドルになる。直近の四半期報告によると、Facebookの月間アクティブユーザー数は11.9億人だ。したがってFacebookは、希釈化評価額ベースで、月間アクティブユーザー1人当たり129.41ドルの価値を持っている。

ここで改めて自問しなければならない。市場はTwitter、Facebook、またはその両方を過大評価しているのだろうか。

私はあえて両方と予想する。Facebookは、モバイル広告の実績が取りに足らないことが明確になった時、成熟するにつれ売上成長が鈍化する可能性を率直に認めた。株価は最低18ドルまで下がった。その後Facebookは、モバイルを事業の柱へと変え、市場もこれに答え株価はIPO当時の月間アクティブユーザー数ベースに戻った。

おそらくFacebookが市場の評価を取り戻したのは、モバイル史上最高のドル箱であることを自ら証明し、同社ビジネスを取り巻いていた重要課題を取除いた時だった。

しかし、こうして比較する上で一つ留意しておく重要なことがある。Facebookの評価額には、同社がユーザーから利益を生み出す能力を持っているという暗黙の了解がある。さらには、上場時点でより成熟した企業であったためこの比較には無理な部分もあるが、市場がTwitterに対して、利用を生むようになればユーザー1人当たりの価値はTwitterの方が〈高い〉という期待を持っていることを示唆している ― Twitterが損を出している時にユーザー当たり価値を高く評価しているなら、利益を生むようになった時その数値が上昇すると考えるのは理にかなっている。利益を上げている企業は損を出している企業よりも価値が高い。

Facebookの5年後予想PEGレシオがほぼ2であることを私は心配している。Twitterがはるかに未熟なビジネスモデルしか持たないのに、Facebookよりある意味で高く評価されていることには苛立ちさえ感じる。

現在投資家たちはTwitterの売上が目覚ましい割合で成長し続けることに賭けている。私が最近報じたように

新たに修正申請されたS-1資料によると、Twitterは2013年に入って1.338億ドルの損失を出している。これは、2012年の0.707億ドルより悪い。いずれの数字も歴年1~9月が対象。・・・

別の面から見ると、Twitterの売上は急速に増加している。同社の第3四半期売上1.686億ドルは、2013年1~2四半期累計売上2.536億ドルのペースを上回っている。

要するに、今Twitterは高成長、コスト高の瞬間にある。その報償は、上場した今や単純だ。売上成長をトップギアで続け、損失を削減し始めることだ。もしTwitterが、損失と売上を両方増やす続けるなら、将来の高い利益率には疑念が投げかけられるだろう。

そして投資家は、Facebookが意のままにしている利益率を、Twitterが手に〈しない〉ことなど期待していない。

すべては単純な一点に集約される:投資家はTwitterが今後数四半期に超人的レベルの実績を上げることに賭けている。可能なのか?

トップ画像提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitter上場のベルを鳴らしたのは意外にもスタートレックのピカード船長とNPOリーダーの9歳の少女

ニューヨーク証券取引所でTwitterが取引開始されるときに慣例のベルを鳴らすのはファウンダーかCEOだろうと誰もが考えていた。事実、取引フロアにCEOとDickCostoloとBiz Stoneの姿があった。

ところが実際にベルを鳴らす人々が登場したとき、われわれは一瞬誰だかわからなかった。とうとう誰かがパトリック・スチュワートじゃないか?”と叫んだ。

その通り、スタートレック・シリーズのエンタープライズ号のピカード艦長だ。いっしょにベルを鳴らしたのはボストン市警の広報担当者、Cheryl FiandacaとVivienne Harrだ。この9歳の少女は、児童の奴隷労働を根絶するための運動、Make A Standの顔だ。Twitterはこの機会に重要な活動に携わっているユーザーにスポットライトを当てようとしたのだろう。

ベルが鳴った後、最初の値付けと最初の取引が行われるまでしばらく時間がかかった。私はHarrに感想を聞いてみた。

「今日は自由と希望のためにベルを鳴らしました。何かをするためには有名だったり権力があったりする必要はないんだとみんなに知ってもらいたいです。私だってできるのだもの」とHarrは語った〔ビデオでは1:55あたり〕。”

後では私はNYSEのエグゼクティブ・バイスプレジデントのScott Cutlerにインタビューした。Cutlerは最初の値付けまでかなりの時間がかかったことを認めた。

「これほど時間がかかったの10時17分になって取引が開始された2007年のVisaの上場以来だ。しかしわれわれは急いで取引を開始させる必要はない。需要と供給の自然なプロセスによってひとつの価格が決まる。大量の買い手が大量の株を買おうとするときにはある程度時間がかかる。その価格は時間外取引でも維持される」とCuttlerは語った。”

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


株式上場を控えてビズ・ストーン、半生を語る―「ひどい失敗の連続が結局Twitterを生んだ」

サンフランシスコで開催されたNew Contextカンファレンスに登壇したビズ・ストーンは「最初の会社、そして二番目の会社、三番目の会社も私はしくじってしまった。スタートアップの生活というのはミスの連続だ」といささか居心地悪そうに告白した。ストーンは「今日は特に何も話す内容を用意してこなかった。それで私の最大の失敗のいくつかをお話しよう」と言った。実はその最大の失敗の一つがTwitterを生み、上場後はストーンに巨額の財産をもたらすことになっただったのだという。

「趣味と実益のためにミスを繰り返している」とこのTwitterの共同ファウンダーは言う。最近ストーンは動物愛護のためのNPOの運営とJellyという名前だけが知られているなぞめいたスタートアップの立ち上げに専念している。

ストーンのキャリヤと最初の大失敗はXangaというスタートアップから始まった。以下はビズ・ストーンの回想だ。〔カンファレンスでの講演とJosh Constine記者の独自インタビュー〕

企業文化

1999年ごろ、私はデザイナーとして働いていた。すると、大学の友だちの何人かが「おい、ウェブの会社をやろうぜ」と声をかけてきた。当時はインターネット・サービスの創生期で、その程度で十分詳しい話だった。そして作られたのがXangaというブログ・プラットフォームのパイオニアの1社だった。さいわいティーンエージャーの人気を獲得した。「ユーザーがどう感じているか」というフィードバックを直接知ることができるのが楽しかった。私はユーザーが他のユーザーの投稿を気に入ったことを表明できる(現在の「いいね!」に相当するような)ePropsという機能を実装した。

Xangaは急速に成長した。すると私の仲間はその仲間のコンサルタントを雇い入れ始めた。私はMITの近所にオフィスを構えてその優秀な卒業生をどんどん採用してすごいイノベーションをしようと考えていた。ところが新しく入ってきたコンサルタントたちはニューヨークに移らなきゃいけないと言い出した。

それならそれでユニオン・スクエアとイーストビレッジのあたりがいいと思った。そのかいわいは静かでいいレストランもある。ところがコンサルタント連中はノー、家賃が最低のポートオーソリティー・バスターミナル界隈でなければダメだという。

会社の文化は「ユーザーの感情」を考える方向からあっという間に外れていった。私はこの会社で働く意欲を失った。ある朝、「会社に行きたくないな」と妻に言った。

そこで私はXangaを辞めてしまった。これが最初の大失敗だ。私は若くてあまりにも未熟だった。私は会社の文化を変えるために全力を挙げなければいけなかったのだ。ここでの教訓は、創立時の企業文化はこの上なく重要だ、という点だった。プロダクトに注ぐのと同じくらいの注意を会社の文化を正しく育てることに注がねばならない。

企業の使命

私は結局母親の家の地下室に戻ってブログをやり始めた。作る側から書く側に回ってとても楽しかった。しかし何も作っていないのというのははやはり大きな間違いだと思うようになった。私のブログの名前は「ビズ・ストーン―天才」だった。この大ぼらが役にたったかもしれない。

ママの家の地下室でブログを書いているだけだったが、いかにも天才的なアイディアをいくつも持っているふうに装っていた。すると少し有名になって、本を書いてくれという話が来た。それから別のブログプラットフォームから誘いが来た。それがGoogleに買収されたばかりのBloggerだった。ファウンダーのエヴァン・ウィリアムズが連絡をしてきて、私はGoogleで働くことになった。

もちろんGoogleで働くことができたのは間違いではなかった。といってもたいしたことをしていたわけではない。あちこち歩き回ってみんなが何をしているのがのぞいていた。

ある男はそこら中にDVDレコーダーを積み上げた中で仕事をしていた。何をしているんだと尋ねると、世界中のテレビで放送されている番組を全部録画しているんだという。私はびっくりして、そりゃすごいね、とか何とか言って逃げ出した。別のところでは大勢でフットペダルで操作するスキャナーで本をスキャンしていた。これまでに出版されたすべての本をスキャンするプロジェクトだと聞いて、やはり仰天した。

Googleで学んだのはテクノロジーはたいていの難問を解決してしまうということだった。それはそれですごい。しかし、テクノロジーと人間は別物だということに後で気づいた。Googleの優先順位はテクノロジー第一、人間第二だ。しかし私は人間第一、テクノロジー第二というのが正しい優先順位だと思う。まず現実の人間について考え、それからテクノロジーの活かし方を考えるべきだ。

ここにいる聴衆の皆さんのほとんどテクノロジストだろう。多分他の人が気にいるだろうという理由では本当に一生懸命にはなれると思うのは大きな間違いだ。私がOdeoで学んだのは自分が好きになれない、情熱を燃やせないできないプロジェクトは必ず失敗するということだ。<

〔中略〕

Odeo

エヴァン・ウィリアズと一緒に車で家に帰る途中で私に天才的な(と思えた)アイディアが閃いた。

「エヴァン! Flashを使えばブラウザでユーザーの声を録音できるな? iPodが大人気だろう? ブラウザで録音した音声をMP3にコンバートしてRSSの添付ファイルにして配信したらどうだ?」と私は言った。

私はこれでラジオの民主化ができるじゃないかと夢想した。実はこのアイディアはpodcastとしてもう誰かが実行していた。しかし10分くらいはわれわれは自分たちは本当の天才だと思って興奮していた。

結局われわれはビデオ・ポッドキャストのプラットームをつくろうということになり、Googleを辞めてOdeoを作った。これは辛い時期だった。Googleはまさに勢いに乗っている時期だった。株価が高値を更新するのを見るたびに自分がどれほど損をしたのか思い知らされた。妻は「Googleを辞めるべきじゃなかった」と言った。

Odeoは大失敗だった。しかしそこから次の大成功が生まれた。

Odeoで最大の問題は自分たちのプロダクトを好きになれないことだった。セールトークはすばらしく聞こえた。しかしわれわれは自分で使いたいと思わなかった。これは実に貴重な教訓になった。

Twitterの始まり

いや、ニック・ビルトンの本(Hatching Twitter: A True Story of Money, Power, Friendship, and Betrayal(Twitterの誕生―金、権力、友情、裏切りの物語)はまだ読んでいない。だから私のことをどう書いてあるかは知らない。しかし本に書いてもらうなんて光栄だ。リンカーン大統領になったみたいだ。もっとも私について書いてある部分は少ないと思う。いずれにしても派手な役回りではなかった。

ビルトンの本にどう書いてあるかは分からないが、Twitterの始まりはこうだった。

エヴァンはOdeoの取締役会に「ストーンと私はもうビデオポッドキャストには興味がない」と告げた。取締役会が新しいCEOを任命してくれればいいと思ったのだが、取締役会が投資した理由はエヴァンと私を見込んでのことだったから話がこじれた。そこでわれわれはObvious Corpという新会社を設立してOdeoを買収した。

われわれはTwitterという新しいコミュニケーション・ツールのごく初期のプロトタイプがやっとできた時期に、私はTwitterにとことん情熱を傾けていることに気づく経験をした。これはものすごく重要な教訓だった。

私はそのとき家を改装しようとしていた。カーペットを剥がして美しい木の床を出そうとしていたのだが、剥がしてみるとその下は美しい木の床なんかじゃなかった。すごい熱波が襲っていた。私が汗だくになっているときに携帯が鳴った。テキストメッセージでエヴァンからのツイートが来ていた。「ナパバレーでマッサージを受けた後ピノ・ノワールのワインを飲んでるところ」というのだ。エヴァンと私の状況があまりに対照的なので私は笑ってしまった。そしてこれだ、と思った。れこそ私が求めていたコミュニケーション・ツールだと悟ったのだ。

ベンジャミン・フランクリンは「人生においては間違いの方が成功よりずっと興味深い」と言っている。これは私の場合、間違いなくそのとおりだ。Xanga、Odeoはまったくの失敗だった。しかしそこからTwitterという大成功が生まれた。これからウォール・ストリートで取引開始のベルを鳴らすセレモニーに出るのだが、とても楽しみだ。

[画像:Kim Kulish/Corbis, PJ Media]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Twitterの株式公開初日。株価は74%上昇して45.10ドル。時価総額は318億ドル

思ったように成長しないPodcastサービスから転身して、ひっそりと始まったサービスだった。それが現在は全世界2億3000万人に利用されるサービスへと成長した。このTwitterが、いよいよ本日上場企業としてのスタートをきった。NYSEにて、ティッカーシンボルTWTRで取り引きが開始されたが、いきなり昨日の設定価格である26ドルを73.5%も上回る45.10ドルの値がついた。完全希釈化後の705,098,594株をベースに考えれば時価総額が318億ドルとなる計算になる。

CNBCなどから、ひと株あたり35ドル程度になるのではないかとか、他にもいろいろな憶測が出ていたが、しばらくの買い気配の中で初値は40ドルから47ドルの間になりそうだという話が出ていた。

この後も値は上がり気味で、瞬間的には50ドルを上回ることにもなった。現在は45ドルあたりを推移している様子。

TWTRの取り引きの様子はTwitter上でもとレンディングトピックとなっていて、初値について盛り上がっていたTwitterは、サービス自身の話題で盛り上がり続けている。

(Twitterにはクジラ―sad whale―が住んでいると思われていたけれど、実はネッシーが住んでいたんだね)。

あえて言うまでもないが、今のところ取り引きは非常に順調に進んでいる。今年度における新株の価格上昇率は、Dealogic(via WSJ)によると平均して17%に過ぎないのだ。

Twitterは昨日、IPO価格を1株あたり26ドルと決定していた。当初は$17-$20の範囲を想定していたのだったが、それを$23-$25として、そして26ドルで最終決定にいたったのだった。

Twitterのトップエグゼクティブおよびディレクターたちは、1株あたり26ドルでの計算で32億4000万ドルの資産を獲得することになる。

この1年、企業向けサービスや広告関連でメジャーなテック系企業がIPOを果たしてきた。しかしTwitterこそが、2012年のFacebook上場以来、上場を心待ちにされていたソーシャルサービス企業であった。Facebookの上場にあたっては期待失望の入り交じるものとはなった。その影響もあって、今回のTwitterの上場が、やや控えめな値付けで行われることになったのだと言う人もいた。そうした人々は、Twitterの株価はもっと高くて当然だったのだと主張している(後知恵はいつも正解を知っているものではある)。

そもそも市場全体が、ソーシャルネットワークに好意的な時期だとも言うことができる。たとえばLinkedInは1株220ドル以上で取引されており、評価額は248億2000万ドルとなる。またFacebookは1210億ドルの評価で、株価は50ドルを少し下回るところで取引されている。この両者および、パートナー企業などの株価や業績への期待などが、Twitter株価の急上昇を支えているとも言えそうだ。

もちろん、Twitterも依然として利益をあげているわけではないにせよ、順調な成長を続けている。2013年9月30日までの9ヵ月間では、売上は昨年比106%増となり4億2220万ドルとなっている。但し純損失も89%増えて1億3390万ドルとなっている。

Twitterがサービスを開始するまで、このような仕組みが必要だとは誰も考えていなかった。しかし上場を迎えた本日、皆がTwitter株に群がっているという状況になっている。

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(翻訳:Maeda, H


Twitter、IPO価格を正式発表。1株当たり26ドルで18.2億ドルを調達へ。時価総額は180億ドル

TwitterのIPO売出価格は26ドルになることが、同社のTwitterでの発表でわかった。これは予想範囲の中では低い方だが、それでも昨日Twitterが発表した新たな公式価格範囲を上回っている。

1株26ドルで、一般株7000万を売れば18.2億ドルを手にすることになる。これは同社の時価総額が非希釈化株5.45億株ベースで141.6億ドル、完全希釈化株7.05億株ベースならば最大約181億ドルになることを意味している。

この価格に基づくと、Twitterの共同ファウンダー、Evan Williamsはオプションを除き10.4%の株式を保有しているため価値は14.8億ドルになる。Jack Dorseyの持ち分は6.09億ドル、投資家のPeter Fentonは8.20億ドル。Twitter CEO、Dick Costoloの持ち株は1.99億ドル相当だ。圧倒的最大株主であるRizvi Traverseは株式の16%を保有し、価値は22.1億ドル。Union Square Venturesは7.238億ドルを手に入れる。

TwitterのIPO価格に関する噂はこの数週間大きな話題で、今週同社が修正S-1書類に書いた新たな23~25ドルの範囲を大きく越えるだろうという予想もあった。当初の設定価格は17~23ドルで、これが非常に安いと見られたことによって需要が高まった。昨日本誌は、TwitterがIPO価格を25~28ドルまで上げることは容易であると報じた。
MicroVenturesのCEO Tim Sullivanは本誌に、個人取引における価格は昨年来急上昇していると話した。Sullivanによると、昨年夏には15ドル前後だったものが、12月には17ドル、3月には20ドル、9月には30ドルになった。最近35ドル前後で買いが入ったが、需要が高すぎたため成立しなかった。

Twitterの積極的な値付けは、申し込み超過の噂を呼んでいた。

TwitterのIPO価格高騰に関する話題の大半は、Facebookの比較的低調だった売出しと比較される。Facebookは、高すぎる価格や失望させたスタート、舞台裏のドラマなど多くの問題を抱えていたが、遂にはIPO価格の38ドルを大きく越えた。

Twitterは最新四半期の売上を1.69億ドルと発表したが、同時に6400万ドルの損失も記録した。Twitterは、NYSE[ニューヨーク証券取引所」に ‘TWTR’ の銘柄シンボルで登録される。

画像提供:Garrett Heath/Flickr CC

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitter、IPO価格は1株27ドル、時価総額は147億ドルに(CNBC報道)

Twitterは静かなIPOを願っていたかもしれないが、比較的限られた売出し数に対する膨大な需要が公募価格を釣り上げている。CNBCによると、Twitterは1株当たり27ドルで上場すると見られ、これは当初予想されていた17~23ドルという範囲を大幅に上回る。ざっと見積ってその価格によるTwitterの時価総額は147億ドルになる。

Twitterは、売り出し数を増やさない限り、1株当たり27ドルで約19億ドルを調達する予定だ。例えばFacebookもIPO前に公募価格を上げ、売出株数も増やした。

しかし、現在Twitterが乗っている上昇気流は、売出規模の小ささによるところもあるため、私は増加はないと見ている。なお、Twitterの引受人には、一定条件が満たされれば、さらに1050万株を追加購入できるオプションがある。

事業に関して、Twitterの損失は同社の海外広告拡大に伴い加速している。IPOの規模が大きくなれば、調達額が増え、キャッシュフローが柔軟になることによって売上の成長を加速する可能性がある。とはいえ、金額の大きいIPOは、同時に大きい失敗の可能性もある。

ともあれ、投資家らは声を大にして叫んでいる:Twitter株、お願いっ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitterユーザー数の成長が減速:Q1の+10%から、Q3は+6%で2.3億人に

Twitterユーザーの伸び率が減少している。同社のIPOに向けた最新修正S-1資料によると、2013年Q3末時点の月間ユーザー数は2.317億人で、Q2末の2.183億人から6.13%増だった。過去を振り返ると、Twitterの成長率はQ2には6.86%、Q1は10.27%、そして2013年Q4は10.77%だった。この軌跡は、新規ユーザー獲得あるいは既存ユーザーの維持に問題があることを示唆している。

Q3の成長率は、Q2ほどには低下していないことから、テレビによる主流層への浸入やウェブサイトへの埋め込み等の努力がある程度奏功しているのかもしれない。Twitter自身のウェブ以外で表示されたツイートは、2013年Q3に480億インプレッションを記録した。Q2の300億回と比べて目ざましい数字だ。米国内のTwitterユーザー数も、4920万人から5270万人へとQ3中に7.11%増加した。これはQ2の4800万から4920万への伸びを大きく上回る。

それでも対前比で見ると伸びは減速している。月間アクティブユーザーの成長率は、2012年Q3から2013年Q3が44.37%、同じくQ1からQ1は47.82%だった。

先日私が書いたように、ユーザー数増加の減速は、Twitterの無濾過フィードに責任の一端があるかもしれない。ユーザーはフォローする人数が増えるにしたがって、お気に入りユーザーのツイートを見逃がす恐れが高まる。これを解決するためのリスト機能もあまり使われていない。これがつながりを弱め、フォローする人を増やす気持ちを削ぐ恐れがある。その結果新規ユーザーは、視聴者を獲得しにくくなり、読まれている気持ちになることもTwitterにハマることも困難になる。

IPOを前に有望な兆候の一つは、Twitterの広告売上におけるモバイルの割合がQ2の65%から70%へと上昇したことだ。広く信じられているように、ソーシャルネットワークの利用はデスクトップからモバイルへと移行しており、小さな画面から収益を上げられることの証明は、NYSEでのIPOを控えるTwitterのビジネスが、投資家の長期的信頼を勝ち取るために不可欠である。。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitter、Q3売上倍増も、2013年累積損失は1.3億ドルに膨張

新たに修正申請されたS-1資料によると、Twitterは2013年に入って1.338億ドルの損失を出している。これは、2012年の0.707億ドルより悪い。いずれの数字も歴年1~9月が対象。

Twitterの最初のS-1は、前半2四半期しか取上げていなかった。同資料でTwitterは今年前半0.692億ドルの損失だった。したがって最新資料は、Twitterが第3四半期だけで0.646億ドル失ったことを示している。あるいは2013年第3四半期だけで、2012年第1~3四半期分の損を出したと言うこともできる。

Twitterはいったい何に資金を費したのか? 同社のバランスシートによると、大きい金額が研究開発費に使われている。Twitterの2013年累積研究開発費は、1~2四半期の1.118億ドルから、1~3四半期は1.991億ドルへと膨れ上がっている ― 第3四半期だけで0.873億ドル。この第3四半期の研究開発費のうち、0.3億ドル弱が株式型報酬に宛てられたことは注目に値する。

Twitterの損失加速は株式公開に悪影響を及ぼすおそれがある ― もし投資家たちが同社の利益性を懸念しているならば。2013年最初の9ヵ月間の損失は、2012年同時期の2倍に相当することから、長期的実行能力を証明するためには問題が山積みだ。

別の面から見ると、Twitterの売上は急速に増加している。同社の第3四半期売上1.686億ドルは、2013年1~2四半期累計売上2.536億ドルのペースを上回っている。

Twitterは、IPO申請をNYSE[ニューヨーク証券取引所]に提出し、テク系伝統のNASDAQを避けた。同社は新株発行により10億ドルの調達を見込んでいる。そうそう、Twitterのメンバー数の伸びは急激に減速している。

トップ画像提供:Emmanuel Huybrechts

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitterは、大勢をフォローしてもフィードを見やすく保つための方法を提供すべき

Twitterは基本的に、投稿されたすべてのことを伝達しようとする仕組みになっている。あらゆることを伝えることにより、世界の動きをリアルタイムで伝えるものとして機能しているわけだ。

ただ、その性質が、むしろTwitterの利用拡大を阻害する要因ともなってしまっている。すなわち、多くの人をフォローすると、本当に気にしている人の情報が入りにくくなり、結局新しく誰かをフォローすることを躊躇うようになってしまう。

まず、Twitterを使い始めた時期のことを考えてみる。メジャーなメディアアカウントや、気になるセレブなどをフォローし始めるのが一般的だろう。もちろん友人、知人などもフォローすることになるだろう。そして相手の全てのアップデートが手元に届くようになる。完全にリアルタイムで情報は届き、気になる人々の「今」を共有することができるようになる。この段階では全ツイート数もそれほど多いわけではない。大事なツイートを見逃すということもない。

面白さを感じて、フォローする人を増やしたとしよう。世界が広がるように感じて、さらにもう少し増やしてみたとする。そうこうするうちに、ちょっとした知り合いや、職場の仲間を見つけて、こちらもやはりフォローすることになるに違いない。面白そうな人を探すのにも馴れてきて、興味ある分野のエキスパートなどもフォローするようになるだろう。リツイートなどがタイムラインに表示される機会も増えて、そのリツイート元などをフォローするようにもなる。@リプライを受けたり、あるいは自分をフォローしてくれる人も出てくる。とくに最初のうちは、そういう機会がある毎に相手をフォローバックしたりすることだろう。

この頃から徐々にタイムラインが混雑してくることになる。フォローした相手の中には、1日に何十回もツイートする人もいて、他の情報を埋もれさせてしまうことになる(TechCrunchアカウントもツイート数が多いことでは、なかなか他に負けていないだろうと思う)。Twitterは「ストリーム」であり、読む記事を順番に貯めこんでおくための「キュー」ではない。しかしそれでも全部を読みたいと考える人もいる。とくに読み返してみたときに、面白いジョークやリンク、あるいはたまにしかツイートしない親しい友人からの話が埋もれてしまっていることに気づいたときなど、全てを読んでおかねばならないという気持ちにさせられたりする。しかし、そういう圧力にさらされながらTwitterを使い続けるが、徐々にTwitterに疲れてしまったりすることがある。

ここがTwitterにとっての大問題なのだ。

利用者のキャパシティ問題

多くの情報が流れ去っていくことには徐々に慣れてくる。ただ、そういう状況が「楽しいもの」とは感じられなくもなってしまうのだ。詳しい人ならば、見逃したくない情報のみをまとめたリストを作成することで対応することになる。しかしたいていの人にとって、そうした操作はハードルの高いものだ。増やし過ぎたフォローリストをなんとかしたいと考え始めるのだが、何をどうすれば良いかわからないというのが一般的なケースだ。

Twitterからは「もっとフォローする人を増やしてみましょう」というレコメンドがやってくる。興味分野から繋がりがありそうだということでレコメンドしてくれることもあるし、あるいは広告関連のレコメンドもある。しかしアンフォローについてのレコメンドはしてくれないのが不親切に思うこともある。誰かをアンフォローしようとすると、何度かのクリック操作が必要になる。10アカウントをアンフォローしようと思えば、それはかなりの手間になってしまうのだ。そしてふと気づいたときにアンフォローしたくなっている数は10や20ではなくなっていることの方が多い。Follow Fridayなんてものも盛り上がらなくなっている。当然のことだ。フォロワーを増やせば、むしろTwitterがつまらなくなるという人も多いからだ。

楽しさがわからず、全く活用できずにやめてしまう人が多いのもTwitterの特徴だ

処理能力がいっぱいいっぱいになって、そしてTwitterにとって致命的となる行動が生まれる。すなわち、Twitterを見なくなったり、あるいはTwitterで新しい人をフォローしなくなったりするわけだ。

Twitterを見なくなるとはすなわち、Twitterの収益源たる広告を見なくなるということだ。Twitterの広告はクリックされてこそ売上げに繋がるのに、人々がTwitterを訪問しなくなれば全く売上げがあがらなくなってしまう。また、Twitterフィードを見なくなれば、誰かのツイートにリプライしたり、お気に入りに登録したり、リツイートすることもなくなってしまう。これはすなわちさらなるTwitterサイト上での不活性化に繋がってしまう。広告クリック数は減り、活発な交流は失われ、アクティブ利用者数も停滞することになってしまう。

また、各利用者がフォローする人を増やさなくなってしまうと、Twitterの魅力であるはずの、話題の拡散が発生しなくなってしまう。拡散しない話題をTwitterに投げたいと思う人は少なくなるだろう。煉瓦塀やブラックホールに向けて話し続けたいと思う人は少ないはずだ。Twitterは楽しいものだと思って使い始めた人も、だんだんと孤独に耐え切れなくなって使うのをやめてしまうこともある。

何がいったい楽しいのだろう。そう思いながらやめていった人のアカウントが大量に放置されているのも、Twitterのひとつの特徴となってしまっている。

やめていってしまった人々

Mike Isaacなどのレポートによると、Twitterには10億以上のアカウントが登録されているそうだが、実のところアクティブな利用者は(Twitterも認めているように)2億1800万程度しかいないのだ。これはすなわち、Twitterがマネタイズするための規模を確立できずに喘いでいることを示す数値であると言う人もいる。

さらに、FacebookからTwitterに流れた人も、結局Twitterの利用を止めたり、あるいは止めないまでもFacebookに主要な活動場所を戻しつつあるケースもみられる。Facebookの方が、人との繋がりを感じやすいというのも一因だろう。何かを投稿すると、実生活での親友たちがすぐに「いいね」をクリックしてくれる。あるいはTwitterのメンションよりもはるかに多くのコメントがやってくる。他の人と競いつつウケそうな話題を見つけてくる必要もない。実生活で友だちなので友だち登録をするという、シンプルなルールが心地よかったりもする。

Facebookはフィードの表示に手を加えていて、これはすなわち、利用者に多くの友だちやページをフォローしてもらおうという発想に基づいたものだ。投稿されたものを全て表示するのではなく、より多くの「いいね」やコメントを得たもののみを表示する仕組みを採用しているのだ。

リアルタイムのニュースを、可能な限り多く取得するという意味では、Twitterの方が優れていると言うこともできよう。ただ、どちらのフィードが面白いかと言えば、それはFacebookの方だと言う人の方が多いかもしれない。Facebookの狙いが常にうまく言っているというわけでもないが、面白い話題のみを表示しようとする試みは面白いものだ。もちろん、特定の利用者に関しては、全てのフィードを表示するというような設定も可能だ。また話題によって表示しないようにしたりする設定も利用者側で行うことができるようになっている。自分好みに設定するには、たくさんのクリックを行う必要があり、そういう意味ではまだまだ進化の余地はある。しかし利用者にとって便利な仕組みを用意しているのは良いことだと受け入れられているようだ。

フィードのフィルタリングを行わないということで、利用者の興味を失ってしまうというような事象を経験しているのはTwitterのみではない。たとえばInstagramも同様な問題を抱えているようだ。但しInstagramの場合は、まだまだサービスが始まってからの年月も浅く、利用者数も相対的に少ないと言える。また「いらない」ものであるとは言っても表示されるのはいずれも(それなりに)可愛い写真ばかりで、Twitterほどの問題は抱えていないと言えるのかもしれない。

いずれにせよ、利用者にストリームの表示設定権を渡すかどうかというのは、アプリケーションデザイン上での非常に重要な問題だ。但し、Twitterはフィードをそのまま利用者に提示するという方式で成長してきた。そういうスタイルを求めている利用者も多いわけだ。それであれば、フィード表示についてはそのままに、別の解決策を探すべきなのかもしれない。

フィード表示の「調整」について

「すべて流す」という方針を保ったまま、使いやすさを実現するにはどのようにすれば良いのだろうか。

Twitterは、本来の目的として「共通の趣味をもつ人すべてに繋がってもらいたい」ということがある。フォロー関係が広がっていけば広告表示機会も増えていくわけだ。しかし、だからこそ、逆にアンフォローしたいという人の目的にも柔軟に対応できる仕組みを用意しておくべきだと思うのだ。

現状では、とくにモバイル版からアンフォローするのが大変な作業になってしまう。

たとえばツイートの拡張表示画面には、発言者を簡単にアンフォローできるボタンを用意するくらいのことはしても良いだろう。さらに言うならば、Twitterは@リプライ、リツイート、お気に入り登録、ないしはツイートをクリックしたりプロフィールを見たりしたかどうかを管理しているはずだ。そうした情報を用いてサイドバーないしツイート表示の中で、むしろアンフォローをレコメンドするようなことをしても良いと思う。

アンフォローの仕組みを提供することで、Twitterは利用者に対して「見やすい」フィードを提供できるようになる。エンゲージメントの程度に基いて、フォローしている人のランク付けなどは簡単に行えるはずだ。その情報に使って、たくさんツイートしているけれどもランキングの低い人をアンフォローするような仕組みを導入しても良いのではなかろうか。もちろん、ランキングの高い人を簡単にリスト登録するようなツールを提供するという方法もある。Twitter利用者の75%が携帯端末からアクセスしていることを考えれば、こうしたツールはモバイル環境向けに提供されることが必要であることは言うまでもない。

Twitterがこうした問題解決のための手法を提供しないのであれば、不満を感じる利用者はTwitterから離れてしまう。そうなれば、新しく使い始める人も面白さを感じなくなってしまう。何かについてツイートし、その反応がすぐに戻ってくるというのは非常におもしろいことだ。世界と繋がっている感じを持たせてくれる。Twitterの今後は、そうした「親しい関係」をより広い世界の中で提供し続けることができるのかによっていると思われる。「公開企業」として成功するためには、広く世の中に対して魅力を訴えていくことが大切なことだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Twitter vs. Facebook; 両社のIPOを図表で比較する

そのうち、誰もがインターネットからシリコンバレーのホットなテクノロジ企業に気軽に投資できるようになるだろう。でも、大物FacebookのIPOの大失態を見たアメリカの個人投資家たちは果たして、同じシリコンバレーの、Facebookの弟のような企業に、夢と希望を託すことができるだろうか? ここではこの二社を、簡単なチャートで比べてみよう。

違いの中でいちばん目立つのは、Twitterの純利益が負であることだ。つまりTwitterは赤字だ。一方Facebookは、IPO時に利益をあげていた。

Facebookのユーザベースがとても大きいだけでなく、両社はほかの点でも相当違っている。Facebookが公開企業になったときの評価額はおよそ1000億ドルだったが、Twitterの予想株価では評価額は200億ドルに満たない。

端的に言うと、FacebookはIPOの時点ですでに企業規模が相当大きい。それに対し、Twitterの申請文書を見ると、なぜ今公開企業になるのか不思議なぐらいだ。キャッシュの備蓄は豊富だが損失は加速しており、研究開発への投資と営業の強化で、その傾向は当分続くだろう。

考えられる理由は、初期の投資家たちからの圧力で、大きな流動性が必要になったことだ。この規模の企業が、古くからの投資家たちの要求に応える方法は、売却かIPOかどちらかしかない。つまり、Twitterの場合は、一つしかないということだ。もちろん、Twitterが公開に値しない無価値なつまらない企業だと言うつもりはない。価値もあれば将来性もある。しかし申請内容を見るかぎり、そこに並んでいるのは、今日明日に迫ったIPOに向けて、見事に完熟した企業の数字ではない。

チャートに関する注記: Twitterの全年データは2012年、Facebookは2011年だ。Facebookの二四半期売上はS-1に記載されていないので、2012の売上額から概算した。Facebookの月間アクティブユーザ数は、最初のS-1よりも値が大きい改訂S-1を採用した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


2億1800万のTwitter利用者中、Twitterフィードを見ない人(Blind-Tweeters)の割合は?

ウェブを介して行われるコミュニケーションの「バックボーン」となることには、プラスの面とマイナスの面がある。Twitterはいろいろなサイトから情報を取り出してきて多くの人と共有するために使われている。しかし他サービスからの情報を「流す」(共有する)用途で利用している人は、Twitterのサイトを訪れる必要もない。すなわちTwitterサイトに掲載する広告を目にすることもないのだ。

既におわかりのように、広告の提示機会を失っていることがTwitterにとっての問題となる。2億1800万の利用者のうち、こうしたTwitterサイトを経由しない利用者(blindtweeter)がかなりの割合にのぼるものと思われる。

TwitterはS-1書類の61ページにて「アクティブユーザー」にはサイト訪問者およびモバイルアプリケーションの利用者のみでなく、ログインして外部のアプリケーションないしサイト経由で利用している人も含むと記している。そうした人々もTwitterにコンテンツを送り込み、そしてそのコンテンツのフィード中には広告も表示される。すなわち、そうした人々もTwitterの売上げに貢献しているのだと言うことはできる。但し、そうした人々自身は、Twitterの提供する広告を目にしてはいないことも事実だ。

言うまでもなく、サイトを訪問せずにTwitterを利用する方法は無数にある。多くの人がブログに投稿したり、Tumblrを更新したら、自動的にツイートが流れるようにしている。Facebookへの投稿を自動的にTwitterに流している人もいる。IFTTTなどのツールもあり、さまざまな方法で外部サービスと連携させることができるようになっている。上場云々が無関係な時期であれば、ともかくコンテンツを増やすというのが大事なことではあった。もちろん現時点でも大事なことだろう。ただ、「無意識」のうちにTwitterを使う人が多い中、Twitterの「商業的価値」を実際以上に大きく見せてしまうということはある。

「Twitterは全く利用していないけれど、Instagramのフォードは流すように設定している」という人もいる。実のところInstagramのフィードを流す人というのが、Twitterにとっては痛し痒しの存在になってもいる。InstagramはTwitter Cardsのサポートをやめてしまっていて、Twitter上にInstagram関連の投稿が流れても、写真を見ることはできないのだ。写真を見ようとする人は、Twitterから離れてInstagramのサイトに飛ぶことになってしまうのだ。つまり、ここでも広告の表示機会を失うこととなってしまう。

Twitter自身も「他アプリケーションからTwitterを利用していて、Twitterからの広告を目にもしない利用者」を「リスク要因」としている。但し、こうしたタイプの利用者割合については明らかにしていない。もし、Twitterのマネタイズに寄与しない(寄与する率の低い)利用者が非常に多いようだということになれば、上場を行う前にきちんとした数値を明らかにせよという圧力が強まることになるかもしれない。

[Image Credit]

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(翻訳:Maeda, H


TwitterのIPOを数字で見る

TwitterのIPO申請で明らかになった数字をまとめてみた。全体的に見て、ユーザー数の伸びは悪くないが減速し、モバイルの売上は好調だがまだ利益は出ていない。

Twitterは間違いなくモバイルに強い会社であり、月間アクティブユーザー数の75%が携帯デバイスからだ。広告売上の約65%がモバイルから来ている。FacebookがIPO時にモバイル売上がなかったのとは対照的だ。

 

 

日間アクティブユーザー数 1億人+
月間アクティブユーザー数 2.183億人
2010年売上 2830万ドル
2012年売上 3.16億ドル
2013上半期売上 2.53億ドル
2012年損失 7940万ドル
2013上半期損失 6930万ドル
発行株数 4億7261万3753株
累積損失 4.185億ドル
モバイル月間アクティブ 1.64億人、75%
モバイル広告売上比率 65%
ツイート・インプレッション 300億回
総ツイート数 3000億件
スパム(偽)アカウント率 5%
2012年研究開発費対売上比 37.5%
2013年上半期研究開発費 1.118億ドル
Twitterを統合しているウェブサイト 300万サイト
認定Twitterアプリ 600万本
特許 6件
負債 2.559億ドル
2012年海外売上 5300万ドル
2013年上半期海外売上 6280万ドル
従業員数 2000名
著名株主 Evan Williams 12%, Benchmark/Peter Fenton 6.7%, Jack Dorsey 4.9%, Dick Costolo 1.6%, Rizvi Traverse, Spark Capital, USV and DST

画像提供:Bruce McKay

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(翻訳:Nob Takahashi)


TwitterのIPO申請書類に書かれた「株主へのレター」は、まさにTwitterらしい簡潔さ

TwitterがIPOに向けてS-1書類を提出したことにみんな大騒ぎだ。S-1の標準的構成要素の一つに、CEOから株主へ宛てたレターがある。そこには会社のビジョンが示されている。

しかし、Twitterの場合は「@Twitter」からのレターだ。そして、GrouponのAndrew Masonや、ZyngaのMark Pincusや、FacebookのMark Zuckerbergが、いずれも1000~2000語をしたためていたのに対して、Twitterのレターはわずか135語と埋め込まれたツイートが1つだけだ。

おそらくこれは、ユーザーに140文字の制限を課したことで当初知られたプラットフォームにとって、適切な行動なのだろう。さらにはTwitterが、例えばfacebookのような一人のファウンダーや幹部によって識別されている会社ではないことも反映されている ― Twitterの共同ファウンダーは、現在誰一人として同社でフルタイムの役職に就いていない(ただし、3人の共同ファウンダー、Jack Dorsey、Biz StoneおよびEv Williamsは、今日オフィスを訪れているようだ)。そして、書類の他の部分には、同社が直面するリスクや機会に関する展望がきちんと要約されている。

レターの全文は以下の通り。

LETTER FROM @TWITTER

Twitterは2006年3月21日、わずか24文字と共に生まれた。

われわれはシンプルなアイデアでスタートした。今やっていることを、1回140文字で共有する。人々はこのアイデアを活用、強化し、@名前 を使って公開の場で会話をし、#ハッシュタグで行動を組織化し、リツイートで世界中にニュースを広めた。Twitterは人々が形作った人々のためのサービスを体現している。

われわれのTwitter, Inc. としての使命は、アイデアと情報を障壁なく直ちに作って共有する力を、全員に与えることだ。われわれのビジネスと売上は、自由とグローバルな会話を改善する(かつそこから目をそらすことのない)やり方によって、常にその使命を追究している。

みなさんのツイートやビジネス、そして今後は株を所有していただくことによって、共にこのサービスを構築していけることに感謝している。

Yours,
@twitter

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitterの海外売上は急上昇中。しかし、Sina WeiboとLINEを警戒している

Twitterの海外売上は年々大きく伸びており、同社の2013年上半期の海外売上は、2012年通年よりも多かった。Twitterの2012年海外売上は5300万ドルだったが、2013年第1、第2四半期の海外売上は計6280万ドルだった。

同社のS-1資料によると、Twitterは「プロモーション製品」を20ヵ国以上で販売している。これは、Twitterにとって自国市場を上回るサービス収益化が可能であることを示唆している。今や世界中のユーザーは同社にとって価値を持っている。利用統計のためだけではない。

海外売上が総売上に占める割合も伸びており、2012年には総売上の17%だったが、2013年上半期は25%が海外だった。これは会社にとって健全であり、大手企業の仲間入りをしながらも成長可能性を維持していることを明示している。

Twitterは、Facebookと同じく、売上の大きな部分をソーシャル製品のモバイル利用から得ている。しかし同社は、現在モバイルが同社の強味である一方、やはりモバイルに強いライバルたちが、自社の利用や売上の成長を鈍化させる可能性をはっきり言っている。

以下がTwitterのS-1に書かれた、同社の成長を損う可能性のあるサービスだ。

リアルタイムなコミュニケーションを提供する現地のウェブサイト、モバイルアプリケーション、およびサービスによる競争の激化。例えば、中国のSina Weibo、日本のLINE、および韓国のKakaoは、すでに成長を果たし、地理的拡大を続けていく可能性がある。

もしこれらのサービスが、Twitter同様多くの市場に拡大すれば、Twitterの利用、即ち広告販売力を低下させる可能性がある。Twitterは今後さらに多くの国で広告を販売する計画であると宣言しているが、もしLineやその同類によって進出が遅れれば、Twitterの成長は停滞する恐れがある。

Twitterは、すでにモバイルの会社であり、急速に国際企業になりつつある。これはアジアにおけるスマートフォンの普及を踏まえれば当然ともいえる。しかしTwitterは、最大のポテンシャルが期待される市場で、最大の逆風に曝されることになりそうだ。

トップ画像提供:Shawn Campbell

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitter、10億ドルを目標にIPOを申請。銘柄シンボルはTWTRに

先ほどTwitterは、かねてから予想されていたIPOを申請した。公開時には10億ドルの調達を目指しており、その結果、Ev Williams、Jack Dorsey、Biz Stoneをはじめとする同社の株主やファウンダーらの中から数多くのミリオネアが生まれるだろう。現時点で申請書類に評価額は書かれておらず、情報筋によると同社がまだ決定していないためだという。

Twitterの売上も初めて公表された。2012年の売上は3.169億ドルで0.794億ドルの損失。2013年は前半だけで既に2.536億ドルを売上げ、損失は0.693億ドル。これは昨年時点での予測をわずかに上回っているが、年間6億ドルのペースは大きく下回っている。全体で、Twitterは創業以来4.186億ドルの損失を出している。

Twitterはこの初回売出しで4億7261万3753株を売出す予定だ。同社によると現在月間アクティブユーザー数(MAU)は2.183億人で、彼らが3000億件のツイートを生みだした。このMAUは、大方の予想より著しく少ない。昨年12月に同社はMAUを2億人と発表している。Twitterは、現在1日当たり2億件のツイートを配信していると言っている。

Twitterによると、MAUの75%(1.6125億人)が、モバイルデバイスからのアクセスであり、総広告売上の65%がモバイルから来ている。これは、IPO申請時にモバイル売上が全くなかったFacebookとは非常に対照的だ。

Twitterは、2013年第2四半期に同社サイトから発信されたツイートから、300億回の「オンライン・インプレッション」が発生したと言う。現在同社はスパムアカウントの比率を、MAUの5%以下と推測しているが、この数字は必ずしも正確ではないかもしれないと言っている。

雇用面では、2012年6月以降に従業員を900名増やしたとTwitterは言っている。これは90%増に当たる。現在の従業員総数は2000名を越える。

TwitterのIPOはここ数ヵ月間大いに期待されたホットな話題であり、先月のツイートで明らかになったTwitterによる「秘密の」申請がニュースになった。極秘の申請が可能になったのは、JOBS法案のおかげであり、売上10億ドル以下の企業は、直ちに詳細を明らかにすることなくIPO申請ができるようになった。

Twitterはいくつものリスク・ファクターを申請書類に列挙しており、同社ビジネスが損われる可能性として、「影響力のあるユーザー、例えば世界的リーダー、政府高官、有名人、アスリート、ジャーナリスト、スポーツチーム、報道機関、ブランド、特定年齢層など」が、ライバル製品の方が重要であると結論を下した場合、潜在ユーザーに同社の製品やサービスの価値と有用性を納得させられない場合、 およびスパムその他の敵対行為や、同プラットフォームの不適切な利用に対処できなかった場合を挙げている。

画像提供:Lisa Cee

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitter、10億ドルを目標にIPOを申請。銘柄シンボルはTWTRに

先ほどTwitterは、かねてから予想されていたIPOを申請した。公開時には10億ドルの調達を目指しており、その結果、Ev Williams、Jack Dorsey、Biz Stoneをはじめとする同社の株主やファウンダーらの中から数多くのミリオネアが生まれるだろう。現時点で申請書類に評価額は書かれておらず、情報筋によると同社がまだ決定していないためだという。

Twitterの売上も初めて公表された。2012年の売上は3.169億ドルで0.794億ドルの損失。2013年は前半だけで既に2.536億ドルを売上げ、損失は0.693億ドル。これは昨年時点での予測をわずかに上回っているが、年間6億ドルのペースは大きく下回っている。全体で、Twitterは創業以来4.186億ドルの損失を出している。

Twitterはこの初回売出しで4億7261万3753株を売出す予定だ。同社によると現在月間アクティブユーザー数(MAU)は2.183億人で、彼らが3000億件のツイートを生みだした。このMAUは、大方の予想より著しく少ない。昨年12月に同社はMAUを2億人と発表している。Twitterは、現在1日当たり2億件のツイートを配信していると言っている。

Twitterによると、MAUの75%(1.6125億人)が、モバイルデバイスからのアクセスであり、総広告売上の65%がモバイルから来ている。これは、IPO申請時にモバイル売上が全くなかったFacebookとは非常に対照的だ。

Twitterは、2013年第2四半期に同社サイトから発信されたツイートから、300億回の「オンライン・インプレッション」が発生したと言う。現在同社はスパムアカウントの比率を、MAUの5%以下と推測しているが、この数字は必ずしも正確ではないかもしれないと言っている。

雇用面では、2012年6月以降に従業員を900名増やしたとTwitterは言っている。これは90%増に当たる。現在の従業員総数は2000名を越える。

TwitterのIPOはここ数ヵ月間大いに期待されたホットな話題であり、先月のツイートで明らかになったTwitterによる「秘密の」申請がニュースになった。極秘の申請が可能になったのは、JOBS法案のおかげであり、売上10億ドル以下の企業は、直ちに詳細を明らかにすることなくIPO申請ができるようになった。

Twitterはいくつものリスク・ファクターを申請書類に列挙しており、同社ビジネスが損われる可能性として、「影響力のあるユーザー、例えば世界的リーダー、政府高官、有名人、アスリート、ジャーナリスト、スポーツチーム、報道機関、ブランド、特定年齢層など」が、ライバル製品の方が重要であると結論を下した場合、潜在ユーザーに同社の製品やサービスの価値と有用性を納得させられない場合、 およびスパムその他の敵対行為や、同プラットフォームの不適切な利用に対処できなかった場合を挙げている。

画像提供:Lisa Cee

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(翻訳:Nob Takahashi)


速報:Twitter、上場手続き開始―証券取引委員会にS-1申請書を提出

今日(米国時間9/12)、Twitterは証券取引委員会(SEC)にS-1書式(上場申請書)を提出したことを確認した。つまり公式に上場手続きが開始されたわけだ。Twitterにとってのみならずテクノロジー業界全体にとって重要な瞬間だ。今後Twitterに続いて上場するテクノロジー企業が数多く出そうだ。

以下がTwitterのツイートだ。

これには「上場準備のためSECにS-1申請書を非公表で提出ずみ。このツイートは株式の販売を申し出るものではない」とある。今のところわれわれにもこれ以外に情報はない。Twitterの上場規模は150億ドルから200億ドルぐらいになると予想されている。最後の資金調達の際の会社評価額は100億ドルだった。

Facebookの上場は1000億ドルだった。Facebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグがTechCrunch Disruptで昨日、「株式上場を恐れるべきではない」とステージ上で発言したばかりなのが興味深い。Twitterはマークのアドバイスに従ったようだ。

Facebookの上場は上場初日にNASDAQのエラーもあって波乱に満ちたものとなった。株価の下落で時価総額からあっという間に数百億ドルが消えた。しかし現在Facebookは上場時の株価を取り戻したばかりか新高値をつけており、Twitterの上場に道を開いたといえる。Twitterは非公開で巨額の資金を調達しており、投資家からの上場圧力は日毎に強まっていた。株主待望の日がいよいよ近づいてきた。

S-1申請書がSECから公開されればTwitterの売上、利益など詳しい財務状態が判明する。興奮が拡大中だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+