ドローン業界がTrumpと彼のFAAに望むこと、それは決定過程の完全な民主化

battle-drones

アメリカの商用ドローン業界は、彼らのビジネスとグローバルな競争力に影響を与える新しい政策や規制について、次期大統領からまだ何も聞いていない。

先週のAP通信の特ダネ記事は、Trumpが航空管制の民営化に関心を持っている、と報じた。連邦航空局(Federal Aviation Administration, FAA)の長年の仕事を取り上げ、議会が認めた非営利団体に渡す、というのだ。

でも、低空域を飛行するドローンはどうなるのか、それがまだ分からない。

言うまでもなくドローンは、Trump自身のビジネスである不動産業にとってもきわめて役に立つ。物件を上空から調べることができるし、またセキュリティのための監視もできる。だからTrumpも、国内の商用ドローン業界の主だった企業と変わらぬぐらい、ドローンの重要性を理解している、と思いたい。

8月にFAAは、重量55ポンド以下(≒25kg以下)の無人航空機の商業利用をめぐる国内的および一般的ルールを定めたPart 107 regulation(第107部規則)を発布した。

一方NASAは一部のテクノロジー企業(Precision Hawk, Verizon[本誌TechCrunchの親], Gryphon Sensors, Airware, Flirty, SkySpecs, ne3rd, Harris/Exelis, Unmanned Expertsなど)と共に、ドローンが他機や重要施設等に衝突することを防ぐための、drone traffic management systems(ドローン交通管理システム)を開発した。

知ってのとおりTrumpは、Elaine Chaoを運輸長官に選んだ。運輸省出身である彼女の任務には、FAAやNational Highway Traffic Safety Administration(交通安全管理局)などの関連諸機関を監督することも含まれる。

そこで航空業界やドローン業界は、Chaoの下で誰がFAAの長になるのか、その決定を待っている。

今週、ドローン業界の通商グループCommercial Drone Allianceは、Trumpの政権移行チームに書簡を送り、政策と人事に関する部分的推奨を提示した。その書簡はTrumpに、“新政権には商用ドローンのエキスパートを起用する”ことを、勧めている。

グループの事務局に属する二人の弁護士(法律事務所Hogan Lovellsに所属)Lisa EllmanとGretchen Westによると、この業界グループはTrumpのFAAが以下を優先することを望んでいる:

  • ドローンが商用目的で飛行することを許可する規則: 人が多く混雑している場所、操縦者や運用者の見通し線以遠、夜間などは、連邦政府の特別許可を要する。
  • 空域交通管理やプライバシー、特定スペクトルの使用、安全性など、さまざまなドローン関連問題に関する問題解決と規則設定において、複数の利害代表者が関与できる方式。
  • 政府と業界のコラボレーション、たとえばこの秋のDrone Advisory Committee会議にFAAが、業界の役員たちと政策決定者の両方を召集したことなど。

“政府は、規制を決めるプロセスに誰もが容易に参加できるようにすべきである”、とEllmanは言っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Intelがドローン船隊の夜間飛行の許可をFAAからもらったのは、花火をしたかったからだ

intel_drone_100

アメリカにおける小型ドローンの商業的利用を統轄する規則が今週発効したが、企業はただちに、これらの規則からの免除を、連邦航空局(U.S. Federal Aviation Administration, FAA)から獲得し始めている。

たとえばCNNは、ニュース取材目的で、繋留したドローンを人びとの上に飛ばす権利を取得した。PrecisionHawkは、農業用ドローンを視界の外(操縦者が裸眼で見えない場所)で飛ばす免除を獲得した。そしてBNSF Railroadは、列車の運行をモニタするために人びとの上や視界の外で飛ばす権利をもらった。FAAのMichael Huertaが、これらの例を記者発表で挙げている。

FAAのこのSmall UAS Rule(小型無人航空機規則)は、Part 107(連邦航空規定第107部)とも呼ばれるが、それの興味深い免除がIntelに下されている。同社のスポークスパーソンによると、この義務免除により同社は夜間の飛行が可能になり、また一人の操縦者が複数のドローンを担当できる。

Intelは、一人のオペレーターがドローンの大船隊をコントロールしてよいとする義務免除をもらったのは、今のところ同社が唯一だ、と主張している。今FAAが検討中の免除は、もっといろいろある、と思うけどね。

“これが認可されたのは、Intelがこれまで、ドローンの飛行に伴うリスクの削減に努め、事前に十分な飛行テストを行い、技術を蓄積し、十分な操縦履歴と飛行経験を積み重ねてきたからである”、と同社の代表は言っている。

IntelのPart 107免除のご利益(りやく)のひとつは、昔ながらの花火を、旱魃に苛まれ火事の危険もある地域で、カラフルなライトを搭載し編隊を組んだドローンの隊列に置き換えられることだ。

Intelはすでに今年のはじめに、パームスプリングスで行ったテストで、ドローンの船隊が互いに協調して飛ぶデモを行っている。下のビデオは、そのときのドローン船隊“Intel Drone 100”の、一部始終だ。

さようなら、放火魔〔花火師〕さんたち。あなたたちも、すてきだったわよ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FAA、操縦士から見えない場所でドローンを飛ばす許可をPrecisionHawkに与える

precisionhawkslatas

連邦航空局(FAA)はドローン技術スタートアップ、PrecisionHawkに、無人機による米国領空の有視界外飛行(BVLOS)を許諾した。

これは国で初めての適用除外例であり、企業が55ポンド(25 kg)以下の小型ドローンを事業に利用する方法を定めたパート107規約の発効と同日に決定した。

ノースカロライナ州拠点のPrecisionHawkは、農業に使用する固定翼ドローンの製造、およびドローンで集めた空中写真やデータの保存、分析を行うクラウドベースソフトウェア、DataMapperの開発を行っている。

TechCrunchの親会社、Verizon Communications Inc.の投資部門であるVerizon VenturesはPricisionHawkの出資者でもある。CrunchBaseによると、これまでにPrecisionHawkはベンチャー資金2900万ドルを集めている。

PrecisionHawkのドローン、Lancasterは、KespryParrotGIS UAV Ltd.等、いわゆるアグリドローン(農業用ドローン)がライバルになる。

同社のDataMapperは、DroneDeploy3DRのSite Scanを始め数多くある、ドローンユーザー向けマップ技術・データ分析プラットフォームと競合する。

PrecisionHawkのEVP、Thomas Haunは、「農業用に有視界外飛行の許可を得ることができた。これで一区画だけでなく農場全体を効率よく飛べるようになる」と語った。

適用除外といっても、PrecisionHawkがFAAの新しいパート107に定められた他のルールから外れて飛べるわけではない、とHuanは付け加えた。他の飛行機には航路を譲り、人の上空を避け、飛行できるのは日中のみ、等のルールに従う必要がある。

飛行中ビデオカメラでドローン操縦者に第一人称の視界を見せる代わりに、PrecisionHawkは同社が「低高度航空交通安全システム(LATAS)」と呼ぶしくみを使って、操縦者が他の飛行機や障害物を避けるのを助ける。このシステムはHarrisの航空交通データを利用している。

パート107.31のPrecisionHawkに対する適用除外は、FAAが与えた初めての “VLOS”(有視界)に関する免除だ。パート107が発効された日に、FAAは計76件の適用除外を発行したが、そのほとんどは夜間飛行を許可するものだった。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FAA、ホビースト団体と協力してRC機、ドローンの安全飛行ガイドラインづくりに乗り出す

今日(米国時間1/13)、FAAはAMA(Academy for Model Aeronautics、モデル航空アカデミー)と協力しながらRCモデル機やドローンの運用に関する安全ガイドラインづくりを始めたと発表した。AMAはアメリカにおけるモデル航空機愛好家の最大の団体だ。

モデル機愛好家の多くはAMAの会員であり、そうでなくてもその安全ガイドライン(400フィートを超えない、空港から3マイル以内を飛行しない等)を知っている。しかし最近、比較的安価なGPS内蔵クアドコプターが普及し始めた。

これらのどローンは操縦も簡単ないし、完全な自動操縦が可能で、簡単に1000フィートに達してしまう。またFAAは、一部のハイエンド・モデル機は幅が20フィート以上で複数のジェットエンジンを装備していると指摘する。

FAAは商用ドローンを既存の航空規則の体系に組み入れようと努力を始めたところだが、モデル機愛好家団体と協力して安全な運用に関するガイドラインを策定しようというのは理にかなっている。というのも多くの商用ドローンは愛好家がホビーで飛ばしているのと事実上同じ機体だからだ。

FAAとの合意にもとづいてAMAは会員向けにUAS(無人航空システム)など最新のテクノロジーを含めて飛行ガイドラインなど総合的な安全プログラムを提供していく。

FAAにはモデル機を取り締まる権限はないが、AMAと密接協力していくことは双方にとって利益となるのは明白だ。不注意なユーザーがドローンを飛行機に衝突させたり地上の人々の中に墜落させて負傷者を出すなどすれば、政府はモデル機の規制に乗り出さざるを得ないことをAMAは承知している。AMAの使命の一つは政府当局と協力しつつ会員の利益を守ることだ。AMAによればメンバーは15万人だという。

FAAにおけるUAS統合の責任者、Jim Williamsは「安全なUASの運用を確立することは、この産業の発展に資すると同時に、より多数の愛好家がモデル機の飛行を楽しめるようになることにつながる」と述べた。

ボーナスFAAとAMAはこういう動画を見ると身がすくむ思いをするかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+