ニューヨーク州司法長官がAmazonのCOVID-19対策を「不適切」「ぞっとする」労働方針と呼ぶ

報道によると、ニューヨーク州の司法長官事務所がアマゾン(Amazon)に送った厳しい内容の書簡で、同社がCOVID-19パンデミックに際して採った措置は「きわめて不適切で、労働安全衛生法(Occupational Safety and Health Act)のいくつかの規定に違反しているおそれがあり」、そしてまた、率直な発言をする労働者を解雇したことは「他の社員への脅しのメッセージ」を送っている、と述べている。

その、まだ公開されていないがNPRが入手した書簡は、本誌も今司法長官事務所に確認を求めているが、情報のみで法的行為は含まれていない。しかしその言葉は、次のステップが法的行為であるかのような、厳しさに満ちている。

今調査を継続しているが、これまでに得た情報からは、COVID-19パンデミックに対して採ったAmazonの健康と安全に関する措置がきわめて不適切で、労働安全衛生法の複数の条項に違反しているおそれがあるとの懸念を喚び起こすものである。

これらはまさしく、過去2か月にわたって多くの倉庫労働者が指摘した懸念だ。自分が働いている施設の労働条件について抗議したChris Smallsは、3月に解雇された。

—ツイート訳—
[ニューヨーク州司法長官事務所James: パンデミックのさなかにChris Smallsと彼の同僚たちは、社員保護の欠如に勇敢にも抗議し、そして解雇された。現在すべての法的オプションを検討中であり、労働関係局に調査を求めている。Amazonよ、恥を知れ。]
[フィナンシャル・タイムズDave Lee: Amazonはスタテンアイランドのフルフィルメントセンターで抗議活動を組織したChris Smallsを解雇したが、解雇理由は社会的距離への違反と他の社員を危険にさらしたこと、としている。]

Amazonは、Smallsは労働者を 扇動したから解雇されたのではない、と言っている。しかし報道によると、Jeff Bezosが同席する会議で同社の法務部長が、「いつも話題になる労働者の安全の問題」に彼を結びつける前に、彼を「組合結成と労働者組織化運動全体の顔に」してしまえ、と示唆した。

(Amazonはこれらのコメントが言われたことを確認も否定もしなかったが、言ったとされる当人のものか不明な謝罪文を送ってきた。)

2週間後にはさらに、発言の多い2人の社員が、「数度にわたる内規違反」で解雇された。当然ながら、その理由付けはいつもどおりだ。

ニューヨーク州司法長官事務所の書簡は、「不法な報復」の可能性を調査中と言い、その根拠を次のように述べている:

Smalls氏の解雇のあと、多くの労働者が、彼らの懸念について発言することを恐れるようになった、と伝え聞いている。これは、パンデミックの間に送るメッセージとしては特別に危険であり、健康と安全に関する社員の発言を抑えることは、文字通り生と死を分かつ問題である。

Amazonはいつものように、同社は労働に関しては模範生だ、と抗議している。つまり同社はいつものように、Smallsのような労働者の言うことに矛盾している。彼らはその労働の現実を同社の倉庫で実際に体験したのだ

AmazonはNPRに対しても、いつもの論点を繰り返している: 「Amazonの健康と安全について他と比較することを、全員に奨励している。危機に際しての対策の実装の速さも、他のリテイラーと比べていただきたい」。司法長官は、同社のこの誘いに乗る気のようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Kickstarterの正社員たちが労働組合を結成

Kickstarterが米国時間2月18日、同社のスタッフが労働組合を結成すると発表した。このところテクノロジー企業には、労働者の代表権を求める動きが広がっている。同社も、増え続けているそんな企業の仲間入りをするが、これらの企業ではスタッフや契約社員たちが、組合結成は公共の利益だと主張している。最近の例としてはSpinやInstacart、ピッツバーグのGoogleの技術系労働者、それにBuzzFeedやVoxのようなメディア企業が挙げられる。

組合の結成は46票対37票で決まったが、その前には経営者からの反対があった。Viceが2019年に報じていたように、CEOのAziz Hassan(アジズ・ハッサン)氏は書簡で社員たちの組合結成を。「本質的に敵対的」と呼び、こう続けた。

その動きは、企業としての我々と、我々の対話の仕方、意思決定の仕方、そして我々の方向性を反映していない。多くの点でそれは我々を退歩させるであろうし、また、我々対彼らという二分法がすでに退歩を生じさせている。

しかし2月18日の朝に本誌が受け取った声明によると、CEOは考えを変えたようだ。

「我々はこの決定を支持し尊重する。我々をここまで導いた公正で民主的な過程を誇りに思う。これまでの10年間におよぶ努力を通じて、我々は従来とは異なる種類の企業を作ってきた。それは、ミッションの達成度で成功が測られ、クリエイティブなプロジェクトの実現を助ける企業だ。我々のミッションは全員共通の基盤であり、それは今後も引き続き我々を、次の段階に導くだろう」

全米労働関係委員会の票決により、Kickstarter United(Kickstarter労働組合)は会社公認の労働組合になる。大手テクノロジー企業のホワイトカラーである正社員がこのような形で組合を結成するのは、これが初めてだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

イーロン・マスク曰く、Teslaの労働組合は「結成されない」と思う

FEBRUARY 4, 2015 FREMONT, CA Workers assemble cars on the line at Tesla's factory in Fremont. David Butow (Photo by David Butow/Corbis via Getty Images)

TeslaのCEO Elon Muskは水曜日(米国時間2/22)の決算会見で、フリーモント工場従業員の代表者によるとされる労動組合結成の動きについて触れた。Muskは、工場の状況および組合化に対する従業員の考えを独自に調査した結果をブログに掲載する予定だと言ったが、調査結果についての大まかな印象を述べた。

Muskによると、Teslaの工場は他の自動車産業と比較して事故の危険性が半分であることがわかった。また、Tesla従業員の収入は通常の給与と株式報酬を合わせると業界最高だとも言った。

Muskはさらに、「今ここで組合が欲しいと発言することは、不利にしかならない」と信じていると語り、Tesla工場の労働状況や従業員が組合化を望んでいるなどと書きつらねたMedium記事の投稿者は、事実上組合の社員だという彼の主張を繰り返した。Muskは、投稿者は「他のどこの会社でも成績が悪かった」と言い、少なくとも自分の推測では、Teslaの生産ライン労働者が組合を作る可能性は低いと語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook