次世代VRのSurviosがFacebookに買われたOculusに負けじとさらに$4Mを調達

次世代仮想現実(virtual reality, VR)技術の先駆企業、サンフランシスコのSurviosが、シリーズAで400万ドルを調達した。今朝(米国時間5/19)VentureBeatが報じたこの投資ラウンドは、Shasta Venturesが率い、同社ファウンダのRob ConeybeerがSurviosの取締役会に加わる。このラウンドには、Mavent PartnersのMichael Chang、World Innovation LabのGen Isayama、そしてFelicis VenturesのRenata Quintiniが参加した。

Surviosの資金獲得は、言うまでもなく、Oculus Riftヘッドセットを作っているVRスタートアップOculusをFacebookが20億ドルで買収したことへの対抗だ。OculusとSurviosはどちらも南カリフォルニア大学の混成現実研究所(Mixed Reality Lab)から生まれたプロジェクトで、OculusのファウンダPalmer Luckeyも同研究所の出身だ。しかしSurviosを‘次世代VR’と呼びたくなるのは、その”Kinect + Oculus-Rift”のような性質のためで、人間の物理的な動きに反応できるからだ。そのため3Dの仮想世界の中に人間が実際にいるような感覚を、その没入型のヘッドセットを介して人間ユーザに与える。

先月、本誌TechCrunchのライターKim-Mai CutlerがSurviosの本社を訪れ、同社のVR技術を実際に体験した。今それは、ゲームへの応用を試行している。Survios体験は今すでに、かなりすばらしいもののようだが、自由に使える400万ドルを手にした今後は、応用系のさらなるスケールアップが期待される。とりあえず、下のビデオをご覧いただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


PCやプレステのゲームもVRヘッドセットで楽しめるクロスプラットホームなゲームキットANTVRがKickstarterで資金募集中

Oculus RiftProject Morpheusなどが、仮想現実(virtual reality, VR)のヘッドセットを大衆化したことによって、ゲームの世界が変わってきた。でもそれらの大きな欠点は、それぞれ固有の規格のプラットホームであるため、それぞれのゲームの数が限られていることだ

この問題に対処するためにハードウェアスタートアップのANTVR Technologyは、オープンソースでクロスプラットホームな仮想現実ゲーム用のセット、 ANTVR Kitを作った。
“今のVRプロダクトには、これまでの主要なゲームプラットホームとの互換性がない。うちは、この問題を解決したいと思った”、とファウンダのQin Zhengが北京の同社で語った。

今はKickstarterで資金を募集中だが、目標額20万ドルに対して二日で86000ドル近くが集まった。セットのお値段は300ドルだが、Kickstarter上の説明によると、中国のハードウェアメーカーたちが近くにいるだけでなく、ANTVR Kitを広く普及させることが先決なので、原価で売ってるから安いのだ、という。Kickstarter上の資金募集キャンペーンは、2014年の6月23日が締め切りだ。

ANTVR Kitは、Oculus Riftのほか、PCやゲーム専用機のゲームと互換性がある。デスクトップコンピュータやXBox、PlayStation、iPhones、iPads、Androidデバイス、Blu-rayプレーヤーなど、HDMI端子のあるデバイスなら何でも接続でき、HDMI出力のないデバイスにはアダプタを使える。

ヘッドセットには1920×1080のHDディスプレイと、非球面レンズがある(ここがOculus Riftとの大きな違い)。Zhengによると、標準画面比率の画像を投射したとき、非球面レンズの方が歪みが少ないそうだ。メガネをかけたままでも装着でき、ワンステップの位置追跡により、プレーヤーがプレイ中にめまいを感じるのを防ぐ。

コントローラは変形可能で(右図)、開けばゲームパッド、閉じれば銃やライトセーバーやステアリングホイール(車のハンドル)などをシミュレートできる。


ANTVRはモバイルのゲームにも対応しているから、Candy Crushなんかをもっと没入的に楽しめるだろう。ただしZhengによると、いちばん合っているのはFPSとRPGだそうだ。

ANTVR Technologyはハードウェアをオープンソースにしているだけでなく、近くSDKも出すので、デベロッパがこのキット用のゲームを作れるようになる。

Zhengは曰く、“普遍的なゲームシステムを作りたいんだけど、でもあらゆる種類のゲームプラットホームとの互換性を持たせるのはとても難しい。 XboxとPCとPlayStationは大丈夫だけど、世の中にはまだまだいろんなゲームシステムがあるからね”。

“しかし、ほかのゲームシステムのデベロッパや、デバイスだけのデベロッパでも、うちのハードウェアのファームウェアを書き換えて独自の開発ができる”、と彼は付言した。

クロスプラットホームなVRヘッドセットは、True Player Gearなどほかの企業も挑戦しているが、まだ発売までは遠いようだ。

Zhengによると、ANTVRの場合は実動プロトタイプがすでにあり、来月は金型試験を開始する。そしてある程度量産できたプロトタイプを、初期の支援者たちに7月に送る予定だ。そのフィードバックに基づいて本番の量産向けの設計を完成させ、そのほかの支援者には最終製品を9月に出荷する。

以下の表は、ANTVR KitをOculus RiftやProject Morpheusと比較している。


ANTVRについてもっと知りたい人は、同社のKickstarterのページへ行ってみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


現実空間をホロデッキにしてしまう仮想現実ゲームプラットホーム, SulonのCortexがデベロッパキットを予約受付

仮想現実(virtual reality, VR)は必ず未来のゲームの一部になるだろう。そこでトロントのSulon Technologiesはサンフランシスコで行われたGDC(Game Developer’s Conference)で、彼ら独自のVR技術を披露した。彼らがCortexと名づけたゲームプラットホームは完全にイマーシブな(immersive, 没入型の)ゲーム体験を提供し、そのためにどんな物理空間でもホロデッキ変えてしまう。使うものは、空間スキャナと処理ユニットと専用バイザーで、バイザーをスマートフォンにつなぐと眼前に立体像が映し出される。

同社は今朝(米国時間3/19)から、開発キットの予約受付を開始しており、デベロッパ向けのハードウェアの発売は今年の最終四半期を予定している。Oculus Riftなどとの最大の違いは、AR/VRの像だけでなく、プレーヤーのまわりの実際の物理環境をゲームに利用することだ。そしてそのために、プレーヤーのスマートフォンをCortexの処理ユニットにBluetoothでつなぎ、画像をバイザーに表示する。

バイザー(を着けたプレーヤー)との通信はワイヤレスなので、自由に歩き回れる。Sulon Cortexの初期のバージョン(当時はGVXと呼ばれた)のアクションを下のビデオで視られる。デベロッパはまわりの現実空間を大々的に利用できるし、あるいは最小限だけ利用してもよい。また、Oculusなどのように、完全な仮想現実にしてもよい。バイザーを着けたプレーヤーの視界は、本人の動きで変わる。場所や方角だけでなく、姿勢(屈み込むなど)も視界に反映される。

仕掛けが大げさなわりには、スマートフォンなど既存のデバイスを使うので、そんなに高価にはならないし、デベロッパもとっつきやすいはずだ、とSulon Techは言っている。今はAndroidだけだが、近いうちにiOSにも対応する予定だ。

リアルとバーチャルのハイブリッド、そしてホロデッキが提供する充実した対話性が、何か大きな可能性を感じさせる。今後の最大の課題は、これらの仕掛けを、シンプルですっきりとした(そしてトラブルや故障などのない)消費者製品に仕上げることだ。またもちろん、発売初期のタイトルの充実も重要。今のベータテストの現状から、そこまでの道のりは、相当長いと思われる。じっくりと、見守りたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Lumusのウェアラブル向けVRディスプレイは「レイア姫の瞬間」を実現する

Lumusはまだ消費者向け市場では有名ではない。しかし近い将来、繰り返し耳にする名前になるはずだ。

私は2年前にLumusのセールス担当のAri Grobmanからこの驚くべきテクノロジーを紹介された。これは基本的には拡張現実ディスプレイだが、通常のフレームと通常のレンズの普通の眼鏡に装着できるところが画期的だった。720pモデルはHDに近い高画質の画像を目の前の空中に浮かんだように表示した。ユーザーは近くこのテクノロジーを利用して映画を見たりゲームをプレイしたりモバイル・デバイスを操作したりできるようになると説明された。

今回Lumusは次世代のプロダクトを発表した。

システムにはフル機能のAndroidコンピュータとカメラが追加され、機能はGoogle Glassを上回るものになっている。

ジェスチャーをサポートしているので、スワイプで通知を次々に消すことができる。また目の前の地面に重ねて地図を表示することもできる。私は実際に試してみたが、作動は完璧だった。ジェスチャーで自由に操れるディスプレイが目の前に浮かんでいるところ想像してほしい。残念ながらまだビデオは無理だが、ともかくクールなシステムだ。

といってもLumusブランドの新製品がすぐに市場に出るわけではない。同社では複数の大手メーカーと提携してプロダクトを開発中だ。ウェアラブル・メーカーのMetaはLumusのテクノロジーを利用した製品を近くリリースする予定だという。

Lumusは軍用ヘッドアップディスプレイで50%のシェアを占めており、次にはウェアラブル・ディスプレイの世界のIntelになろうと努力中だ。Grobmanは「われわれは双眼視によって空中に3D動画を目の前に表示する、つまりスター・ウォーズのレイア姫を実現させることができると期待している」と」語った。

Grobmanによれば、ユーザーがテーブルに向かっている場合、テレプレゼンスの対話相手の姿を自動的にテーブルでマスクして、その向こう側に座っているように見せるデモも行われたという。“「われわれの提携先はすごいことをやっている。ただし市場に出るのはまだ少し先になる」そうだ。

ゲームのメーカーも3Dで完全没入型のゲーム開発を試みているそうだ。しかしLumus Insideのログ付きデバイスが発売される時期はまだわからない。

Grobmanは「Glassは顔に装着するウェアラブル・デバイスに人々を慣らすためのGoogle’なりの入門デバイスだろう。次のステップは双眼視が可能で、装着しても不自然でないファッショナブルなデバイスだ。そこまでの道のりは長いが、近くわれわれはそこに行き着く」と語った。

Lumusの写真ギャラリーは原文参照。下は関連動画:MetaのVRヘッドセット

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


バーチャル・リアリティー・ヘッドセットいよいよ普及か―OculusがAndreesen Horowitzなどから7500万ドルを調達

没入的ヴァーチャル・リアリティーは長い曲がりくねった道をたどってきた。ハードウェアの限界はまだまだ厳しく、楽観的な未来学者やエンジニアが説くようには簡単に実現しないことが痛感された。

しかしどうやら事情は変わりつつあるようだ。さきほど、カリフォルニア州アーバインのスタートアップ、Oculus VR がAndreessen Horowitzがリードし、Spark Capital、Matrix Partners、 Formation|8が参加したシリーズBのラウンドで7500万ドルの大型資金調達に成功したことを発表した。この資金は一般消費者向けのバーチャル・リアリティー・ヘッドセット、OculusRiftの開発と販売に充てられる。残念ながらOculusは今回のラウンドでの会社評価額を明らかにしなかったが、Andreessen HorowitzのMarcAndreessenとChris Dixonが取締役に就任すると発表した。

Oculusの資金調達の経緯をざっと振り返ると、まず今年初めにKickstarterのキャンペーンで9500人の支援者から240万ドルを集めた。6月にはシリーズAのラウンドで1600万ドルを調達した。私の得た情報ではこのシリーズAの資金の大半は手付かずで残っているという。「今回の資金調達は消費者向け販売を当初からできるかぎり大規模にすることに加え、デベロッパー、プラットフォームのサポート、コンテンツの充実などが目的だ」とCEOのBrendan Iribeは述べた。

有力ベンチャーキャピタルからの大型資金調達の成功はOculusのバーチャル・リアリティー戦略への有力な信任投票といえる。Iribeは「OculusRiftヘッドセットはタイミング、機能、コンテンツ、サポートすべた最高に時宜に適したプロダクトだ」と自信を見せた。

“Oculusの初期にデベロッパー向けバージョンでさえまったく違う世界を覗きこむような体験だった。「近くOculusが出荷を開始する消費者向けプロダクトは初期バージョンの没入感を損なっていた表示の遅延問題も解決されている。その結果はアーサー C. クラーク的な『もはや魔法と見分けがつかない』レベルに達している」とIribeは述べた。

もちろんIribeの自画自賛は多少割引が必要だが、Riftがバーチャル・リアリティー・ヘッドセットの中ではコンシューマー化にもっとも近い位置にいるのは間違いない。いかに優れた3Dゴーグル・ディスプレイでもそこに表示するコンテンツがなければ無意味だ。その点、OculusRiftはデベロッパーの間に着実に地歩を築いており、すでに4万2000のプロダクトが公開されている。またOculusはゲーム・デベロッパーのValveとその新しいCTOのJohnCarmackと親密な関係を保ってきた。そのためもあってRiftはゲーム・デバイスとして見られることが多いが、IribeはRiftのように高度に没入的な3Dヘッドセットには一人称ゲーム以外にもありとあらゆる応用があると強調する。

「Riftは目新しいゲーム専用機ではない。エンタテインメント全般はもちろん医療、建築、コミュニケーションに幅広く利用されるだろう」とIribeは述べた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


一般ユーザーもガレージをVR空間に変えて飛んだり走ったりできる―Atlas Rift 3Dゴーグル用のiPhoneアプリ、Kickstarterで予約受け付け中

以前われわれは没入型VRゲーム用ゴーグル、Oculus Rift〔日本でも発売へ〕のデベロッパー向けバージョンを紹介した。

開発元のProtagonistの消費者向け低価格VRゲーム・システムの概要はこうだ。まずある程度広い場所が必要だ。楽にピンポンができるくらい居間が広ければそれでもよいが、まあガレージのほうがいいだろう。バスケット・コートや空き倉庫ならもっとよい。次に専用の位置マーカーを配置する。ファイルをダウンロードすればプリントアウトできるが、Protagonistではビニール製で床に吸い付くマーカーを提供する予定だ。ユーザーはOculus Rift VRゴーグルを頭に付け、 iPhoneを取り付けたAtlasチェスト・マウントを胸に装着する。Razer Hydra照準器を装着した銃や剣を携えてゲーム開始だ。

OculusゴーグルとAtlasのiPhoneアプリを起動すると、そこはもう未来の世界だ。特許出願中のAtlasの位置認識システムが床のマーカーを読み取り、iPhoneの加速度計とジャイロスコープの情報と照合し、ゴーグルに拡張現実を3Dでレンダリングする。ユーザーが一歩前に出るとゲーム中のアバターも一歩前に出る。後ろを向けば後ろを向き、ジャンプすれば飛び上がる。ジムでダンベルを振り回す代わりにエイリアンやドラゴンと戦うのが未来の有酸素運動になるかもしれない。

Atlas ProtagonistのファウンダーAaron Rasmussenは小さいときからスタートレックのホロデッキに憧れていたのだという。RasmussenがSFのガジェットを実際に作ってしまった経験はこれが始めてではない。大学時代にBBガンとビデオカメラを組み合わせ、映像認識ソフトウェアを開発してサバイバルゲームの陣地を自動で防衛するシステムを作り上げたことがある。「すると軍の関係者が寮の部屋にやって来た。そんなことは映画の中だけの話だと思っていたから驚いた」とRasmussenは言う。それ以後、さまざまなロボット・システムの開発を続けてUSMechatronics社を創立して売却した。最近はゴースト探知機を開発している(残念ながらまだ1回も探知に成功していない)。

現実没入型のVRシステムはかなり以前から実用化されているが、これまでは軍隊や航空会社などにおける巨額の費用がかかるシステムだった。ユーザーの動作に遅れなしに作動するヘッドマウント・ディスプレイは最低でも5万ドルした。Rasmussenまずこの問題に取り組み、消費者向け価格帯のOculus Riftの開発に成功した。AtlasはVirtuix Omni VRのようにトレッドミル歩行器の上を歩くだけではない。 走ったり飛んだり振り向いたり伏せたり自由にできる。

現在RasmussenはAtlasのただ1人の常勤社員だが、キックスターターで12万5000ドルの資金が首尾よく調達できれば常勤社員を増やしてソフトの改良に当たらせるという。

Atlasのシステムは将来、現在のゲーム・コンソールに並ぶような独自のゲーム・ジャンルになるはず」とRasmussenは自信を見せる。

Kickstarterのプロジェクトはこちら。今回募集しているのはiPhoneアプリとiPhoneを胸に固定するチェストマウントおよび付属品だ。

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