ネイティブ広告の実例集12選

ネイティブ広告関連の記事を連投しているSEO Japanですが、なんとなくネイティブ広告の意味は分かっていても具体的にどういうものかといわれると、すぐにイメージできない人も多いのではないでしょうか?ということで、今回はネイティブ広告の実例を12集めた、ネイティブ広告を理解するにはもしかすると一番簡単かもしれない記事を。 — SEO Japan

Guinness Guide to Cheese advertorial

大きな注目を集めているものの、ネイティブ広告(日本語)は、大半のマーケッターにとって、今も尚、曖昧なコンセプトである。

2014年の現状調査(日本語)によると:

  • 調査参加者の49%はネイティブ広告が何だか全く理解していない。
  • 24%はほとんど理解していない。
  • 24%は少し理解している。
  • 十分に理解しているのはたった3%である。

今回の投稿では、この認知度の低さ(そして、スポンサーシップ等と勘違いする人達が多いこと)を踏まえ、ネイティブ広告の例を幾つか紹介し、うまくいく理由を検証していくことにした。

それでは、早速例を見ていこう。

1. 印刷媒体のPR記事…一番手は古典的な作品

基礎、つまりPR記事から紹介していく。

デビッド・オグルヴィの「Guinness Guide to Oysters」は、上の「Guinness Guide to Cheese」と同じく、典型的なPR記事である。PR記事が話題に上がる際は、大抵、このPR記事が言及される。ブライアン・クラークもその一人だ。

一見すると、記事のように見える:

David Ogilvy Guinness Guide to Oysters advertorial native advertising example

先週(日本語)、このコンテンツがPR記事である理由を説明した(来週は、コンバージョンをもたらすオンラインPR記事の書き方を詳しく説明する予定だ)。ここでは、このコンテンツを活かすためには、通常の記事のように見え、また、背景の様式とマッチしていなければならない、とだけ言っておこう。

つまり、ブランドの名前を削除した際に、メディアのスタイルにフィットする必要がある。

Guinness Guideは、印刷媒体の広告であり、「PR記事はウェブ上でも効果があるのか?」と言う疑問が湧く。一緒に考えていこう。

2. オンラインのPR記事

これはAtlanticに掲載されたIBMのPR記事である:

Example of IBM's branded content on The Atlantic

ご覧のように、「Sponsor Content」(スポンサーのコンテンツ)と明記されている。また、ヘッダーとナビゲーションバーを除くと、その他のIBMのコンテンツに組み込まれている。

さらに、この記事を作成したのは、IBMのマーケティング、ビッグデータ、および、分析部門のバイスプレジデントを務めるデビッド・ラバティー氏である。それでも、Atlanticの編集スタイルとデザインにマッチしている。

これはPR記事なのだろうか?実はPR記事ではない。明確なコールトゥアクションが掲載されていない。そのため、スポンサードコンテンツ、または、ブランデッドコンテンツと言うことになる。

Gawkerに掲載された以下のコンテンツはもっと分かりやすい。

この記事はGawkerのルートドメインを用いており、また、Gawkerの編集スタイルとデザインのスタイルとマッチしている。

example of an advertorial on Gawker

そして、「Sponsored」(スポンサー)と明記されている。

また、2段落目に進むと、スポンサーの意図が明確に記されている — 番組を見て下さい!

example of Gawker advertorial call to action

これは明確なコールトゥアクションである。リンクをクリックすると、King of Nerdsを放映するTV局のウェブサイトに導かれる。これは正真正銘のPR記事である。

3. オンライン動画のPR記事広告

オンライン広告が話題に上がる際は、必ず動画も話題に上がる。

PR記事広告は動画にもなり得るのだ。Onion Labs クリエイティブエージェンシーを介して、The Onionは、まさにこの取り組みを行っている。

先週投稿した記事で、Southwest Airlineの動画を紹介した。今回は、知る人ぞ知る企業、Microsoftの動画を紹介しよう。

Microsoftは、この愉快なパロディーを介して、Onionの洗礼を受けているが、メッセージを伝えることに成功している。

コールトゥアクションは明確だ — Explorer 9を試してみよう。

4. PR記事…失敗

AtlanticによるScientologyの実験(失敗に終わる)により、「ネイティブ広告」と言うワードが広告業界に浸透するようになったと言える。

この実験の前では、「native advertising」(ネイティブ広告)の検索結果は、2011年の2月まで遡らなければ見つからず、しかも、2012年の11月になるまで1桁に達していなかった。

以下に、配信した直後に削除した当該のPR記事を掲載する:

Image of controversial Church of Scientology  sponsored post on The Atlantic

PDF形式でならPonyterで全体を見ることが可能だ。

なぜAtlanticはこの記事を引っ込めたのだろうか?専門家は、Atlanticが失敗したポイントを挙げている:

  • 「Sponsor Content」(スポンサーコンテンツ)と言う曖昧な表現を使った。これは、Guardianのライター、ダン・ギルマー氏曰く、広告を広告のように見せたくない際に使う表現のようだ。
  • デザインのレイアウトが、Atlanticのデザインと似すぎている。
  • 記事がAtlanticの記事と似すぎている。

コールトゥアクションも見当たらない。

しかし、このジョークは、Atlanticではなく、Scientologyに向けられたものである。この宗教団体は、広告が下手クソだ。個人的には、Atlanticがプレッシャーに屈したことが意外であった。広告が目立たないと言うなら、なぜ大量のクレームが出たのだろうか?

それでは、スポンサードコンテンツを見ていこう。

5. スポンサードコンテンツ

スポンサードコンテンツとは、パブリッシャーが作成し、その後、企業が製作費を支払うコンテンツを指す。The OnionによるH&R Blockのスポンサードコンテンツを紹介しよう。

example of sponsored content on The Onion for H and R Block

明確なコールトゥアクションはなく、このコンテンツは、ブランドアウェアネスに該当する。

しかし、この記事はH&R Blockのバナー広告で囲まれたページに掲載されている。

Screen shot showing banner ads surrounding H and R block sponsored post on The Onion

このバナー広告には、コールトゥアクションが含まれているが、クリックしてもらえる可能性は、あまり高いとは思えない。

オフラインの世界では、Mutual of OmahaによるWild Kingdom(テレビ番組)がスポンサードコンテンツに該当する。 保険会社のMutual of Omahaが、この番組の製作費を支払っていた。コールトゥアクションはなく、単なるブランドアウェアネスである。

6. シングルスポンサー号

印刷メディアの世界では、単一の広告主が、雑誌全体のスポンサーを務める状況を、シングルスポンサー号と呼ぶ。

Targetが、2005年にThe New Yorkerの8月22日号の広告欄全体(表紙を含め、約18ページ)を買ったケースが、最も有名である。

Image of two Target ads in the New Yorker

スチュアート・エリオット氏は、このキャンペーンを報道しようとした際、「シングルスポンサー号の目的は、広告スポンサーが、テレビ番組シリーズのCMの時間を買い占める際の目的 — つまり、広告の環境を整理することで、注目を集めるのと同じ」点に気づいた、と指摘している。

このケースでもコールトゥアクションは存在せず、ブランドアウェアネスのみである。

オンラインでも仕組みは似ている — シングルスポンサーは、ウェブサイト(または関連するウェブサイトのネットワーク)の広告インベントリの大半を期間限定(1日、半日、あるいは、1時間)で購入する。例えば、Subwayは、通常、特定の注目に値するイベントに合わせて、スポーツ関連のウェブサイトでこの取り組みを実施している。

本サイトのコンテンツディレクター、ジェロッド・モリスがスポーツブログ「Midwest Sports Fans」を運営していた頃、スポーツブログネットワークのYardBarkerとの関係のおかげで、1ヶ月に1度の頻度でこのような機会に恵まれたようだ。

既に配置されたYardBarkerの広告をコントロールする特別なコードをヘッダーに加えると、ネットワーク内の参加するサイトは、同じスポンサーの同じ広告のみを表示する。

7. ブランデッドコンテンツ

スポンサードコンテンツとブランデッドコンテンツの唯一の違いは、ブランドがパブリッシャーに対してコンテンツを作成している点である。

NYTimes.comのDellの記事を以下に掲載する。有償のコンテンツである点を示すシグナルに注目してもらいたい。

dell-ny-times-branded-content

このように、有償のコンテンツの名称に関しては、広告の基準が存在しないため、用語を正確に利用すると、混乱を招く可能性がある。

今まで紹介してきた例、そして、これから紹介する例では、ネイティブ広告に対して様々な名称が用いられている。デビッド・ロドニツキ氏は、連邦取引委員会が定めた虚偽的広告の規定に違反する可能性があると指摘している。しかし、この件については、また別の機会で検証していく。

Spotifyのブランデッドプレイリストをこのカテゴリーに含めることも出来る。

必ずしもブランド側が楽曲を作るわけではないものの(セサミストリートは作った)、テーマに沿って楽曲を集めている。

Jaguar USAAbercrombie + Fitch、そして、ニュージャージー州のクリス・クリスティ知事(クリスティ知事もブランドである)は、良い例だ。

8.プロダクトプレイスメント

1993年に公開された映画「The Firm」で使用されたRed Stripeのビンが典型的なプロダクトプレイスメントである。

American Idolの審査員の前に置かれたCokeのカップもこの手法に該当する。

映画E.Tには、Reese’s Pieces(チョコレートキャンディー)が登場していた。

それでは、インターネット上では、どのような取り組みが行われているのだろうか?

必ずしもViceを読んで欲しいとは思わないが(間もなくその理由が分かる)、リサーチを実施している際に、同サイトがネイティブ広告の分野で何を行っているのか気になった。

その時、この逸品に遭遇した(仕事中には見ないこと): 「Talking to Girls About the Good Ol’ Number Two Taboo」。このスライドショーは、American Apparelを中心としたアパレルメーカーのファッションショーと化している。

1ページ目のコメントに手掛かりが掲載されている(さもなければ、このスライドショーを取り上げることはなかった):

example of product placement on vice

なるほど、Ericha Kemmは、良い嗅覚を持っている。そこで、私はこの記事の作者に問い合わせてみた。

この記事を作成したのは、Caisa Ederydであり、スウェーデン人のとても謙虚なライターである。私はネイティブ広告を取り上げており、「記事」ないの写真のほぼ全てに、American Apparelの服を身にまとったモデルが写っている点を指摘した。さらに、American Apparelがスライドショーの製作費を支払っているのか尋ねてみた。

Ederydさん曰く、American Apparelは料金を支払っていないようだ。

「これはスウェーデンの記事であり、このプロジェクトには予算がなかったため、無料で服を貸してくれる会社を探さなければいけませんでした。偶然、Beyond RetroとAmerican Apparelが、私達のスタイリストが求める服の大半を持っていたのです」とEderydさんは説明してくれた。

しかし、私がさらに「このプロジェクトには予算がなかった」の意味を追求してみたところ、この記事を投稿する時点では、回答はない。

これは明らかにプロダクトプレイスメントである。

金銭の享受が行われなかったとしても、利益の享受は行われていた。たとえ少額であっても、無料で服を提供する行為は、American Apparelにとってはコストとなる。その代りに、同社は、大勢の人に見てもらうと言うメリットを得た(少なくとも24時間にわたって、この記事は「人気の高い記事」に指定されていた)。

Onionの記事でも、プロダクトプレイスメントを見たことがある。例えば、このCanon PowerShot S1100 IS デジタルカメラの言及だ:

Canon product placement in Onion article

Canonはこの広告に料金を支払っているのだろうか?広告部門によると、支払いは行われていないようだ。しかし、それなら、なぜここまで具体的なのだろうか?

宣伝の意図がないなら、「Cannon」または、単純に「カメラ」と言っても良かったはずだ。この疑問に対する回答も、まだ受けていない。

プロダクトプレイスメントもまた、ブランドアウェアネスを意識した取り組みである。明確なコールトゥアクションは存在しない。またH&R Blockの例とは異なり、コンテンツはCannonのバナー広告で囲まれているわけではない。

ハーフタイム

ネイティブ広告の現状を把握する意識調査(日本語)の中で、これから取り上げるFacebookのスポンサードポストやプロモツイート等のプロモーテッドコンテンツは、ネイティブ広告ではないと私は指摘した。フィード内広告とGoogle Adwordsも同じくネイティブ広告とは一線を画している。

その理由は、私のネイティブ広告の定義を読めば分かる:

ネイティブ広告とは、配信媒体の編集基準にマッチし、尚且つ、オーディエンスの期待に沿う有償のコンテンツである。

FacebookとTwitterは、どちらも配信媒体ではないため、この定義を満たしていない。Google Adwordsにも同じことがいえる。所謂、従来の編集部が存在しないのだ。

TwitterおよびFacebookに関しては、ブランドが再シェアのために料金を払うユーザー生成コンテンツが該当するが、これは、パブリッシャーが作成した編集コンテンツを装うわけではない。一方、Googleの場合、広告スポンサーが、オーディエンスに見てもらうために、料金を支払っているだけである。

これは通常の広告だ。

この点に関して、Sharethroughのダン・グリーンバーグCEOは、 異論を唱えるだろう。さらにリサーチを行った結果、グリーンバーグCEOの主張にも一理あることを認めざるを得なくなった。

ソーシャルストリームや検索リスティングに表示されるため、この類の広告「スポンサードポストやプロモツイート」が、ネイティブ広告に該当する、と言う原理である。つまり、広告の分類では、プロモーテッドコンテンツはPR記事に関連することになる。しかし、私は編集を経ていないため、やはりネイティブ広告とは異なると考えている。

要するに、誤りを認めている、ようなものである。:D

それでは、この告白を最後にハーフタイムに区切りをつけ、4つのネイティブ広告のアプローチを再び紹介していく。

9. フィード内広告

「ウェブ上」のコンテンツを推薦するウィジェットを目にしたことがあるのではないだろうか?

Slateのウィジェットを以下に掲載する:

Examples of in-feed ads on Slate

このリンクは、多少の宣伝と共にユーザーを別のサイトに導く。

SharethroughOutbrain、そして、Respond等のサービスは、このような広告を運営するネットワークを提供し、広告スポンサーはクリックに対して料金を支払う。

しかし、次に紹介するフィード内広告は一味違う。明らかに宣伝する目的を持っている。

Example of commercial in-feed ad on Slate

ヘッドラインは、Slateの編集スタイルとマッチしているものの、「Sponsored」と記されている。リンクをクリックすると、業界最高の会社として、航空会社が進化した経緯を説明する動画が掲載された、British Airwaysのブランドページに導かれる。

次に、別のサイトに導くフィード内広告を紹介する。どんなアイテムだか想像がつくのではないだろうか?

  • お腹の贅肉を燃やすたった1つの単純な運動。
  • 地域の逮捕に関する情報。

ボールド体の「ウェブで話題を集めているコンテンツ」の下に、目立たない薄いグレーで「広告」と記されている類の広告である。

この手の広告は、コンテンツに関して、そして、導くウェブサイトに関して、パブリッシャーによる編集を感じさせるものの、商業的な意図を持っている。このタイプの広告は嫌われているものの、広告スポンサーにとっては有効に働く気がする。なぜなら、今でも利用されているためだ。

10. スポンサードポスト(Facebook)

Facebookのスポンサードポストの良い例を見つけることが出来なかった。私が避けているからだろうか?と言っても、スポンサードポストが何なのかは、よくご存知のはずだ。

以下に比較的良い例を掲載する:

example of a sponsored post on Facebook

スポンサードポストの投稿はここで確認しよう。

11. プロモツイート

プロモツイートは割とベーシックな部類に分類される。Twitter自身のプロモツイートを以下に掲載する。

example of a promoted tweet

プロモツイートの詳細はこのページで確認してもらいたい。

12. Googleのテキスト広告(検索リスティング)

広告がどれだけ分かるだろうか?

google-text-ads

Bingでも状況は同じだ。

example of text ads on bing

Googleのテキスト広告の詳細はここで学ぼう。

コンテンツマーケティングがネイティブ広告と同類扱いされる理由

コンテンツマーケティングは、同じ家で生まれ、そして、同じ目標を掲げている。コンテンツマーケティングでは、ブランドがパブリッシャーになる点が主な違いだ。

コンテンツマーケッターの模範を紹介しよう:

  • Red Bull
  • GE
  • Mint
  • Magnolia

本サイト、Copyblogger Mediaでも同じようにコンテンツマーケティングを巧みに実施していると思いたいものだ。ちなみに、常に収益の成果は、期待を満たす、あるいは、超えている。

上記したブランドは、情報を与える、教育する、あるいは、楽しませるコンテンツを作成している。これはビジネスを構築するオーディエンスを構築する方法そのものである。

そのため、ネイティブ広告は、コンテンツマーケティングのコンテンツにトラフィックをもたらす有償のコンテンツと言うことも出来るだろう。

最後に、もう1つ比較をしておこう — ゲスト投稿は、ウェブサイトのコンテンツにトラフィックをもたらす償のコンテンツである。

次回の予告

このシリーズの次回の作品を紹介する。

まず、コンバートをもたらすPR記事の作り方を説明する。

その後、ネイティブ広告は、利益をもたらすかどうかを結論づけるリサーチを提供する。 パブリッシャーにとって利益があることは分かっているが、広告スポンサーにとっても利益はあるのだろうか?それをこれから調べていく。

最後に、ブライアン・クラークの言葉でこの記事を締めさせてもらう:

良質なネイティブ広告は、読む人、見る人、そして、聞く人を重視したコンテンツである。しかし、New Rainmakerから無料のレポートを承諾するように、広告スポンサーにとって実用的な目的が存在するはずである(今後、この件を取り上げる予定)。

この記事に関して意見をお持ちなら、あるいは、ネイティブ広告の他の例を紹介したいなら、Google+でのディスカッションに参加すると良いだろう。


この記事は、Copybloggerに掲載された「12 Examples of Native Ads (And Why They Work)」を翻訳した内容です。

整理された分類と丁寧な解説で、私自身、ネイティブ広告の理解が深まった記事でした。SEO Japanの読者にはお馴染みのリスティング広告でさえ、ネイティブ広告の一種と捉える考え方もあるのですね。見た目もユーザー体験上もコンテンツのように見える、という意味ではそうかもです。細かな定義はともかく、ソーシャルウェブ時代の広告の新しい流れとして今後さらに普及が進んでいくことは間違いないでしょう。この記事の実例を参考にあなたならどんなネイティブ広告にチャレンジしてみたいか考えてみては? — SEO Japan [G+]

ハッシュタグでショッピング、ネイティブ広告は下品なだけ – 米国発ウェブマーケティング業界ニュース5月上旬号

今週の米国ウェブ界隈のニュースは小粒な話題が幅広く、といった内容です。とはいえ、1つ1つを見てみると、小粒とはいえない話も多いのですが。 — SEO Japan

Omnicom and Publicis couldn't keep things together - promises broken

今週の3分で読めるウェブマーケニュースでは、・合併が未遂に終わる、・Facebookがユーザーに見てもらいたくない広告とは、・動画の重要性とポッドキャストの台頭、・ハッシュタグから直接買い物する機能、・デート?コネ作り?、・スポンサーの支持を必要とするTumblr、・連邦取引委員会がSnapchatを取り締まる、・全米労働関係委員会がソーシャルメディアポリシーに物申す、・ケビン・スペイシーがストーリーテリングを語る等の話題を伝える。

それでは、デジタルマーケティング業界に影響を与える関連するリンクをまとめて紹介していく。

毎週、経営者の方々が、最新の変化、報道する価値のあるアイテム、そして、仕事で役に立つ可能性があるコンテンツを把握することが出来るように、テクノロジー、ソーシャルメディア、モバイル、デジタルコミュニケーション、そして、マーケティング業界の現在のイベントとトレンドに関するリンクを集めて、ニュースレターを提供している。

他にも、役に立ちそうなリンク、ソース、または、アイデアを持っているなら、コメント欄で加えてもらいたい。また、Flipboardを利用しているなら、「This Week in Digital Magazine」を購読すると、リンクを入手することが出来るようになる。

インダストリー


プラットフォーム

  • Twitter
  • 先週、Twitterは瀕死の状態だと思われていたが、今週は正反対の情報が出回っている。昨年のMoPubの買収によって、モバイル広告の利益が大幅に増加し、同社は巨大なオーディエンスを活用する新たな手段を見つけ出すと見られている(Slate)。
  • 大局的な視点で考えるため、もう一つスタッツを紹介する — Twitterを利用するアメリカ人は15%から16%に増加している。これは悪くない数字である(Convince and Convert)。
  • Google
  • LinkedIn
    • LinkedInは中国で大きな難題に直面している: それは検閲ではなく、文化である。中国では、西洋の企業と比べると、シェア、そして、透明性を重視する姿勢が欠けているためだ(Tech in Asia)。
    • コネを作ることだけがLinkedInではない。Tinderのような役目を持つLinkedUp!アプリを使えば、LinkedInに同期させて、恋人の仕事上の信頼性をチェックすることが可能だ(WSJ At Work)。
  • WeiboのCEOは、Twitterのようなビジョンを思い描いている。中国政府の検閲を受けずに済むと良いのだが(The Next Web)。
  • Tumblrは、広告スポンサーに同プラットフォームのメリットを理解してもらうことに苦戦している(Digiday)。
  • Deliciousが再び売却された。今回の売却先は、Science, Inc.であり、同社はモバイルコンテンツサービスに対する軸としてDeliciousを用いる計画を立てている。
  • 下着メーカー、MeUndiesの広告がFacebookの厳しい監視下に置かれている — コンテンツがかなり際どいためだ。最後に笑うのは、クリエイティブディレクターだ(All Facebook)。
  • MeUndies and the Facebook censorship

    計測/基準/ビッグデータ

    法律/人事

    コンテンツ

    ブックマークする、後で読む、視聴するアイテム

    • 今週、ハーバード大学の講義の中で、作家/ブロガーのアンドリュー・サリバン氏は、アーンドメディア世界を全否定する賛否両論の発言を行った: 「How Advertising Defeated Journalism」(広告がジャーナリズムを打ち負かした経緯)の中で、同氏は、ジャーナリスト達は、購読者をコンテンツに導く方法を理解していなかったため、広告に依存するサイトの方が成功した、と述べていた。サリバン氏は、また、ネイティブ広告、スポンサードコンテンツやブランデッドコンテンツ等の用語を「下品」として一刀両断していた(Digiday)。
    • デビッド・アルマノ氏は、別の見解を持っており、一般のネットユーザーは、有償メディアとアーンド(無償)メディアの区別が出来ないと主張している。ユーザーにとっては、どちらものコンテンツであり、評判を上げるのも下げるのもジャーナリスト(および企業)次第だと指摘している(Logic + Emotion)。
    • 20年前に「テクノロジーは広告業界にマイナスの影響を与える」と警告したP&Gの元CEOの見解を基に、現在に至った経緯を振り返ろう(AdAge)。

      画像: Thomas Hawk(Flickr)


      この記事は、Scott Montyに掲載された「This Week in Digital 5/9 2014」を翻訳した内容です。

      後半のネイティブ広告周りの議論はSEO Japanでもネイティブ広告関連の記事を集中配信しているだけに気になる内容でした。 — SEO Japan [G+]

      マンション購入にかかる諸費用の正体を可視化したインフォグラフィック

      住まいに関するインフォグラフィックを配信しているLivinGraphics(リビングラフィックス)にて新作インフォグラフィックが公開されました。第4弾のテーマは“マンション購入にかかる「諸費用」の正体”。言葉で表すとたった3文字の「諸費用」の中に、一体いくつの項目が含まれているのか、各費用の説明も交えて紹介しています。– SEO Japan

      ※画像をクリックするとアート・クラフト・サイエンス株式会社、リカサ株式会社が運営する「LivinGraphics(リビングラフィックス)」のサイトに飛び、全体をご覧いただけます。マンション購入にかかる諸費用の正体を可視化したインフォグラフィック

      新築と中古マンションの平均的なスペックを比較すると、購入価格に対する諸費用の割合は、中古の方が新築の2倍以上あるようです。

      マンション購入にかかる諸費用の正体を可視化したインフォグラフィック諸費用の内訳を円グラフで見ると、個々の金額は低いですが、手数料や保証料、保険料など、多くの項目で構成されている事が分かります。チリも積もればなんとやら。合計すると新築は151万8000円、中古は173万3000円にもなります。

      中古物件で目立つ「仲介手数料」とは、”売買価格×3%+6万円+消費税”で計算するなど、それぞれの項目のより詳しい解説もありますので、是非全体を表示してご覧ください。

      150万円以上!? マンション購入にかかる諸費用の正体 (LivinGraphics)

      ※本インフォグラフィックは、弊社がデザインをお手伝いさせて頂きました。

      割合的にも、金額的にも決して安くはない「諸費用」。今回はその正体をグラフィック化しました。マンションを購入する際は、物件価格以外の細かい費用も面倒がらずに調べたり、じっくり比較してみてはいかがでしょうか。 — SEO Japan [G+]

      Googleが検索キーワードよりも関連トピックを優先する可能性

      Googleのハミングバードアップデートの機能として、検索キーワードをこれまでのように重視せず、それを意味するトピックを考慮するようになった点があります。とはいえ、実際にそれがどのように検索結果に反映されいるかということをピンポイントで指摘することは色々な要素が絡んでいる今日の検索結果において難しい部分もあるのですが、SEO by the Seaが具体例や最新の特許を元にトピックの重要性について考えた記事を。 — SEO Japan

      本日、私が作成していた記事の例が、シンプソンズにハイジャックされてしまったようだ。シンプソンズは、Judas Priestをデスメタルバンドと呼んだことを謝罪している。以下の画像は謝罪に関するGuardianの記事に掲載されていたものだ。「Judas」で検索をかけると、この記事は上位に表示される。検索結果のスクリーンショットも掲載しておく:

      Bart Simpson writing on a bulletin board that Judas Priest is not a death metal band.

      私は、Googleがキーワードよりも記事のトピックのマッチングを土台にしていると思われる検索結果を探していた — 2013年の大晦日にGoogleに付与された特許によると、トピックのマッチングは、動画やメディアが豊富な検索結果の関連性を改善する可能性があるようだ。そして、この特許が、Judasの検索結果を例として用いていたのだ。

      Search results on a search at Google for Judas.

      トピックベースの検索結果

      特許に掲載されていた例を紹介する。この例を参考にすると、SEO関係者の大半がマークしていない行動をGoogleが取っていることが分かる — その関係者の中には、Googleが具体的なキーワードよりも、コンセプトを重視するようになることを指摘する者もいれば、また、ハミングバードアップデートにおいて、クエリ内の全てのキーワードにマッチしていない検索結果が返されていることを把握している者もいる。

      例えとして、ワード「Judas」を含む検索クエリについて検証していく。このワード「Judas」は、「Born This Way」や「Lady Gaga」等の特定の領域のトピックに関連付けられる可能性がある。「Born This Way」とは、楽曲「Judas」が盛り込まれた人気の高いアルバムのタイトルであり、「Lady Gaga」は、このアルバムを作り、「Judas」のパフォーマンスを行った人物である。

      従来のキーワードベースの検索エンジンでは、ワード「Judas」を含む結果のみを返していたはずだが、今回公開されたトピックベースの結果には、ワード「Judas」を含まなくても、関連する結果が組み込まれる。

      例えば「Lady Gaga」や「Born This Way」等のワードが、この関連する結果に含まれることもあり得る。

      従って、トピックベースの検索結果は、この関連する楽曲のタイトルをユーザーが意識していなくても、同じアルバムや同じアーティストの結果を盛り込むと考えられる。

      Googleがトピックベースの検索を実施したため、「Judas」の動画は検索結果に表示されているのだろうか?それとも、ページランクや関連性等に応じてもともと返していたのだろうか?

      確実に特定することは出来ないものの、この特許は、詳しく検証し、考察する価値があると言えるだろう。

      複数のソースでトピックを特定

      ランキングのアップデートに関する特許を読み、特許で描かれているメソッドが実際に利用されているかどうかを特定するのは、とても難しい。

      今朝、Freebase Google Plus ページに投稿された論文に記されているようなアルゴリズムに対して、Googleがトピックを完全に導入することを阻む技術的な制約が存在しても不思議ではない。

      当該の論文「信頼しても、検証は欠かさず: ナレッジベースの創出と取集に対する作品の質を推測」(pdf)(是非目を通してもらいたい)のリンクを提供しようとした際、ある一節を読んでいると、トピックをウェブページのランク付けに利用する取り組みに対して、Googleがどの程度準備が出来ているのか気になった:

      このような結果は論文では報告されていないものの、開発段階で、どのコンセプトスペースや専門の描写が最も有益なのか精査を行った。分析の結果は、タクソノミーと述語のコンセプトスペースは、大きなトピックのコンセプトスペースよりも有益だと示唆していた。

      トピックのコンセプトスペースは、あまりにも多くのカテゴリーが存在するため、トリプル(主語、述語、目的語)を提供しないユーザーに対しては、専門性を広めると薄くなりすぎてしまうためだ。

      この論文は、Googleがユーザーの寄与をFreebaseに統合する仕組みを分かりやすく説明しており、トピックベースの寄与は、その他の寄与ほどは有効ではないと見られている。Freebaseは、Googleのナレッジベースで用いられる情報を供給しているものの、Googleは、Open Information Extraction(公開情報抽出)等、その他のソースを参考にしている可能性もある。

      それでは当該の特許を紹介していく:

      トピックベースの検索クエリの結果
      考案: Jianming He、Kevin D. Chang
      付与先: Google Inc.
      米国特許番号: 8,620,951
      付与日: 2013年12月31日
      申請日: 2012年6月1日

      概要

      開示されるトピックに応じて、クエリに対する結果を返すシステムとメソッド。動画、あるいは、関連するテキストの情報が、通常、その他のタイプのコンテンツと比べて薄い他のメディアのコンテンツを検索する際、特にこのシステムは有効である。

      クエリに関連するテキストは、クエリ内の1つ、または、複数のワードを、クエリを前提として領域のトピックの条件付き確率を基に、1つ、または、複数の領域のトピックに振り分けることで、各種の領域のトピックに意味的に関連付けられる。一連の結果は、領域のトピックを前提として結果の条件付き確率を基に特定される。

      当然だが、ナレッジベース経由のトピックベースの情報は、この時点でも必要とされているかどうか問う必要がある。

      Googleはこの情報を別の場所で得ることが出来るのだろうか?

      Open Information Extractionのアプローチは、この手の情報を見つけるメソッドの一つである。Googleは、自動化した情報を得る方法、そして、Freebase等の場所にユーザーが寄与するようなクラウドソース化した手法を利用していると思われる。双方のタイプのソースがお互いを足掛かりにしている確率は極めて高い。

      クエリに対するトピックと確率ベースの結果に対するトピック

      この特許は、トピックの特定を重視する方法は、トピックに関連する確率の計算に左右され、また、複数のステップやタスクに分類される可能性があると指摘している:

      まず、領域のトピックは、クエリベースで特定されることがある。次に、この領域のトピックを代表する結果が、示される。このタスクは、過去のクエリに関連する適切なスタッツを分析する、そして、各種の条件付き確率を計算する等の作業によって、達成される。

      本特許は、詳細を提供しており、追加の情報が用いられる仕組みにも触れている。

      クエリと前提とした領域のトピックの条件付き確率 P(T|Q)は、領域のトピックをクエリに関連付けるために用いられると推測される。領域のトピックを前提とした結果の条件付き確率、P((R|T)は、トピックベースの結果を特定するために用いられると考えられる。この2つの確率、P(T|Q)とP(R|T)は、ここで詳しく説明する様々な手段によって決められる。一部の例では、P(T|Q)とP(R|T)の片方もしくは双方の特定の条件付き確率を決定するための特定の確率が、外部の要素によって決められ、可能な場合、この外部で生成された確率が用いられることもあり得る。

      先日、私は、Googleが関連する投稿を特定するために用いているかもしれない方法を「ウェブサイトとのエンティティの関係と関連するエンティティ」の中で説明した。

      この特許は、Googleが、同用の方法でトピックをより正しく理解する試みを行っている可能性がある点を指摘している — つまり、「astronomy」(天文学)に対するクエリが、「Hubble images」(ハッブル 画像)を含むトピック(画像を見せびらかす動画を含む)の範囲内として認識される — たとえワード「astromy」がHubbleの画像を掲載するページに表示されていなくても(これも特許で用いられていた例)。

      ビューや(YouTube)のグッド等の人気

      ランク付けに影響を与えるアイテムとして「いいね!/グッド」に触れるGoogleの特許を今まで一度たりとも見たことがない。しかし、トピックベースの特許はこの話題に触れている。ここで言及される「いいね!」が、Facebookのいいね!ではなく、YouTubeの「いいね!(グッド)」である確率が高いが、明確に記されているわけではない(この特許は両者を特に区別しているわけではない)。

      「トピックベースの~」特許は、astronomyに直接触れることなく、Hubbleの動画が、検索結果に反映される可能性がある理由を挙げている:

      (1) 「astronomy」と「Hubble images」が関連しているコンセンプトとして定着しているため。
      (2) 特定の兆候を示すスタッツにより、人気の高さが証明されているため(ビュー数、いいね!の数等)。

      「ビュー」は、動画の結果においては確かに有効かもしれないが、この特許の請求範囲のセクションでは、アプローチを動画に制限していない — しかし、特許の記述には、動画等のアイテムに関連するテキストは、限定されている傾向があるため、動画はこのアプローチの対象として適切だと考えられると明記している。

      教訓

      この特許で描かれているプロセスは、今のところまだ実施されていないものの、今後、採用される確率は高い — 実施するかどうかと言うよりも、いつ実施するかと言うレベルである。

      今後、実際のクエリにはキーワードは含まれていないものの、トピックにおいて関連性が見られる結果を、私は注意して探していくつもりだ。


      この記事は、SEO by the Seaに掲載された「Will Keywords be Replaced by Topics for Some Searches?」を翻訳した内容です。

      後半の特許は中々レベルが高かったですね。いずれにしても単なる検索キーワードだけでなくそれが該当するトピックを考慮して検索結果を返す傾向は、今後検索のモバイル化やそもそも検索する以前に結果を返すレコメンデーションシステムの進化と共に増えていくと思われます。SEO的にはこれまでのようにテクニカルにキーワードを意識しすぎなくてよくなりラクといえばラクなのかもしれませんが、SEOで他サイトを密かに出し抜くことは難しくなるかもしれませんね。今の間にテクニカルなSEOも活用しつつサイトのオーソリティを築いていくことが重要そうです。 — SEO Japan [G+]

      ヨーロッパのスタートアップがシリコンバレーで資金を調達するべきではない理由

      米国はもちろん日本でもヨーロッパでもスタートアップ起業と投資が盛んになってきていますが、日々話題になる新たな投資ディールを見ていると、10億は当たり前、100億以上の投資も定期的に行われるシリコンバレーは規模が一桁違うな、と思ってしまうことも多いですよね。だからといって米国外のスタートアップがシリコンバレーで投資を募ろうと考えることは正しいのでしょうか?ヨーロッパでVCを運営する筆者が語るヨーロッパのスタートアップがシリコンバレーで資金を調達するべきではない理由。ヨーロッパを日本として読んでみても納得できる部分があるかもしれません。 — SEO Japan

      seed funding

      アンドレイ・キスカは、 プラハのCredo Venturesの共同経営者である。


      ヨーロッパのスタートアップは、米国のスタートアップと比べて、調達可能な資金は少ない。それでも、投資家から、多くのメリットを得ることが出来る。それでは、シリコンバレー外部で、資金調達を行う方が良いと私が思う理由を説明していこう。

      最近投稿した、ヨーロッパの投資の規模と評価を分析した記事には、予想通り、多くの反応があった。スタッツを見る限り、ヨーロッパのスタートアップが、シリコンバレーで資金調達を行う決断は、…一見すると、とても論理的に見える。

      しかし、私はこの決断には同意できない。シード、もしくは、シリーズ Aの段階にある大半のヨーロッパのスタートアップにとっては、米国での資金調達は、理に叶っているとは言えない。最悪の場合、スタートアップを滅ぼしてしまう可能性もある。

      セルフプロモーション

      米国のスタートアップの現状を表すスタッツを幾つか紹介する — Clinkleは、2500万ドルのシード資金を獲得した(このアプリは、まだリリースされていない)。GitHubは、Andreesen Horowitzから1億ドルのシリーズ A資金を調達した。

      このスタッツをヨーロッパのシードおよびシリーズ Aの金額と比べてみよう — Trustevは、ヨーロッパで最大規模のシードのラウンドで、300万ドルを獲得した。GitHubの投資は、シリーズ Aのヨーロッパ全体の投資額を上回る規模である。このようなデータを見ると、ヨーロッパのスタートアップが、シリコンバレーでの資金調達を望みたくなるのは、致し方ないのかもしれない。

      シリコンバレーが得意とする取り組みの一つに、セルフプロモーションが挙げられる。ヨーロッパの人達は、毎日、米国のテックブログを閲覧し、1000万ドル越えのシリーズ Aが、シリコンバレーであたかも毎日行われているかのような錯覚を覚える。

      米国内のシリーズ Aを分析したニキル・バス氏の記事は面白い。この分析データを見れば、現実とイメージがいかにかけ離れているかが分かるはずだ。シリーズ Aの投資の平均は、600万ドルであり、中央値は300万ドルである。これは、私が分析の中で取り上げた「貧しい」中央および東ヨーロッパのラウンドの投資額とほぼ同じである。

      また、トム・トゥンガス氏が提供しているスタッツにも注目してもらいたい: 米国のシリーズ Aで資金を調達することが出来るのは、シード段階のスタートアップの20%に過ぎない。実に幻滅させられるデータである。

      シリコンバレーに移れば、800万ドル以上のシリーズ Aの資金を調達することが出来るのではないかと望んでいるヨーロッパの起業家に対して、このデータが伝えようとするメッセージは、明白である — 夢のまた夢と言えるだろう。

      投資額の規模が大きい理由

      100 – 200万ドルの違いであっても、資金調達を求めて米国に向かう価値はあると主張する人達がいる。確かに、米国の投資の平均、そして、中央値は、ヨーロッパよりも多い可能性が高い。しかし、米国のスタートアップが、ヨーロッパのスタートアップよりも高額の資金を得る合理的な理由がある — それはコストが高いためだ。

      シリコンバレーで、技術者のヘッドハンティング会社として名高いJobspring Partners社のスコット・パーセル氏は、2013年にシリーズ A以上のスタートアップのシニアエンジニアの年収が16万5000ドルだと明かしていた

      月に4000ドル貰っていれば高給取りの部類に入るチェコのスタートアップと比べると、笑わずにはいられなくなる。

      多くのヨーロッパのスタートアップが、米国に移住することを望み、シリコンバレーに対して、ヨーロッパが持つ大きな強みを諦めてしまうことは残念で仕方ない — それは、シリコンバレーの技術者の給与のほんの一部の額で、世界レベルの製品を作り上げる技術者を雇うことが可能な点である。

      平均的な投資の規模(米国の300-600万ドル vs 東部よぶ中央ヨーロッパの100-300万ドル)と技術者の人件費の平均(米国の16万ドル vs チェコの3万 – 5万ドル)の違いを比較すると、ヨーロッパの投資家は、米国の投資家よりも実は気前が良いと言うことも出来る。

      なぜなら、平均の投資の規模は、米国の方が2倍ほど大きいものの(中央値はさらに低い)、技術者の人件費の平均は(初期段階のスタートアップのバーンレートの大半を占める傾向がある)、ヨーロッパと比べて、3-5倍高いためだ。

      米国の優良大手機関からシード/シリーズ Aを調達するな

      データが自分達に圧倒的に不利であることを理解しながら、それでもシリコンバレーで資金調達を行うことを決めた起業家を、私は大勢知っている。なぜ、そこまでしてシリコンバレーでの資金調達を望むのだろうか?シリコンバレーの有名なベンチャーキャピタルは、ヨーロッパの投資機関では太刀打ちできない経験とコネクションを持っていると、シリコンバレー進出を望む起業家は口を揃えたように言う。

      ある程度までは、この指摘を否定するつもりはない。しかし、米国の資金調達の旅から帰って来た起業家達をこの目で見た経験から言わせてもらうと、大半のヨーロッパのスタートアップにとって、シード資金、さらには、大半の場合、シリーズ A資金と言えども、アメリカの大手投資機関から受ける方針は、理に叶っているとは思えない。根拠は3つある:

      まず、資金調達のプロセスは、スタートアップのファウンダー達が望むよりも長く、高額の資金が必要になり、しかも、このプロセスが実際に投資につながるケースは少ない。多くのヨーロッパの起業家は、シリコンバレーに足を運び、1ヶ月後、または、2ヶ月後には、SequoiaやAndreesen Horowitzから小切手を貰って帰国することが出来ると考えている。ネットワーキングイベントで出会った幹部候補と10分間会話を交わして、ポジティブなフィードバックをもらうと、起業家達は、すぐに資金を調達することが出来ると考えてしまうのだ。

      3-6ヶ月後になっても、契約を締結することは出来ない。なぜなら、ベンチャーキャピタルは、米国内でコンセプトが受けることを証明するよう何度も求めるためだ(これは、投資する心構えが出来ていないことを、丁寧に伝えている)。

      そもそも、シード/シリーズ Aの段階のスタートアップが、CEO/共同設立者が3-6ヶ月間も地球の裏側にいる状態で、生き残ることは出来るのだろうか?このような資金調達のプロセスが、スタートアップを完全に崩壊させなくても、一番重要なポイントを大きくぼやかすはずだ — それは最高の製品と会社を作る取り組みである。

      次に、優良な大手ベンチャーキャピタルは、大抵、チーム(または、少なくとも一部)を米国に移すことを求める。役員会議、または、チームの会議に参加するために、何度もヨーロッパに足を運ぶ時間がないためだ。

      その結果、チームを分断しなければいけないため(チームの一部はヨーロッパに残り、一部は米国に移る)、スタートアップに大きなストレスがもたらされる。さらに、移住のプロセス(査証、オフィス、管理等)は、数ヶ月間におよび、さらなる悩みをスタートアップに引き起こす。

      3つ目の根拠は、最も悲しい。分の悪さをどうかにして克服し、米国の有数のベンチャーキャピタルから資金を調達することに成功し、さらに、チームの移動を完了したとしよう。そして、有名な投資機関に大勢の顧客を紹介してもらい、製品に対する定期的なフィードバックを受け、会社作りに関するアドバイスを受ける準備が整ったと仮定する。

      しかし、その後、何の音沙汰もなくなった。そこで、ベンチャーキャピタルに電話をかけると、あまりにも忙しくて、次に会えるのは、1週間後、もしくは、2週間後になると言われる — 実際に電話を繋いでもらえたらの話だが。すると、再び悪夢の計算が忍び寄ってくる — 当該の投資機関は、10億ドル以上を動かし、100社以上の会社に対応している。投資機関を運営する10名そこそこのパートナーは、この100社以上の会社に時間を割り当て、さらに、1日に幾つか投資の機会を確認しなければならない。

      それでは、300万ドル(会社が投資した資金の0.3%)を投資した会社に対して、どれほどの時間を割くことが出来るのだろうか?GitHubやClinkle等のポートフォーリオのセクションに含まれている場合は、なかなか時間を割いてもらえないはずである。

      シリコンバレーに進出するべき時

      誤解しないでもらいたい — ヨーロッパにも、シードの段階、そして、シリーズ Aのレベルでアメリカの投資機関から資金を調達し、満足している会社は存在する。しかし、巧みなかじ取りを求められることは多い。

      私は何を隠そうシリコンバレーの投資機関を人一倍愛しており、ヨーロッパの会社に莫大な価値をもたらすことが出来ると確信している。米国で資金調達を行う上で重要なポイントは、タイミングである。

      個人的には、ヨーロッパのスタートアップには、まずはヨーロッパで製品を改善し、ビジネスモデルを証明してから、米国に進出してもらいたいと思っている。シリーズ Aの資金の一部を米国でのオフィスの設立に使い、現地で顧客と契約を結び、そして、徐々に米国の投資機関との交渉に乗り出すと良いだろう。

      その後、潮時が来たら、シリコンバレーの優れたベンチャーキャピタルからシリーズ B、そして、Cの資金を獲得し、世界制覇に貢献してもらうのだ。

      ここまで来れば、スタートアップを支援する機運が米国の投資機関の間でも高まり(役員会議のためにヨーロッパに足を運ぶほど)、ヨーロッパのシードおよびシリーズ Aの投資家は、投資への見返りに満足するはずだ。そして、起業家は、西洋諸国を、一歩づつ、征服することに胸を躍らせるだろう。


      この記事は、The Next Webに掲載された「Why European startups shouldn’t fundraise in the Silicon Valley」を翻訳した内容です。

      中途半端にシリコンバレー進出するリスクは確かにありますよね。記事にもあるようにある程度自国で経験と実績を積んでからの進出であれば可能性もあると思いますし、日本のスタートアップ、ベンチャー企業でも同種のやり方で頑張っている所もあると思いますが、「大成功」といえるケースはまだまだなないのですかね。世界各地でインターネット&起業ブームが巻き起こっていますが、まだまだシリコンバレー&米国市場はインターネットの世界において強力な位置にありますし、今後5年10年でシリコンバレーで大成功する日本企業がでてくることを期待したいです。 — SEO Japan [G+]

      コンテンツマーケティングと芸人のネタ作りの深い関係

      コンテンツマーケティングを導入したものの、なかなか効果が出ず頭を悩ませている方も多いと思いますが、芸人のネタ作りにコンテンツマーケティングの神髄を学んでみようという記事自体がネタかと思いきや読んで納得の内容をコピーブロガーから。 — SEO Japan

      Image of Hemingway Editing a Draft

      以下の質問は他のどの質問よりも受ける回数が多く、また、会社を宣伝する上で、その答えがとりわけ重要な意味を持つ質問でもある:

      実際に効果のあるコンテンツマーケティング戦略を策定するにはどうすればいいのか?

      この質問の答えを綴っていくと、随分と長くなってしまうだろう。また、答えを聞いたところで、独自の戦略を練らなければならない。そう、結局自分次第なのである。

      まずは、正しく考える姿勢が必要になる。

      つまり、第一に、適切な見解を持ち、マーケティングツールとしてインターネット上のコンテンツを成功に導く必要がある。

      通常、早い段階で、終わり(望む成果)を考慮しがちである。ここでコンテンツマーケティングは失敗する — 実行可能な戦略が存在しないためだ。

      この問題を解決するのが、アジャイルコンテンツマーケティングである。なぜなら、最初にどれだけ誤っていても、この哲学に従っていれば、いつでも方向を修正することが出来るためだ。

      ここでも、他の会社によって成果が証明されているメソッドを借りることが可能である。一部のソフトウェア会社は、アジャイルのメソッドを随分昔から取り入れている。

      この背景で用いられるアジャイルは、ソフトウェア開発の専門用語であり、反復、漸増に基づいている。要するに、リーン生産方式と同じように、シンプルなアイテムから着手し、改善の必要性を理解し、そして、フィードバックを基に素早く改善を行う。

      アジャイルコンテンツマーケティングでは、最低限の実行可能な製品から着手するのではなく、リーン生産方式の反復と漸増の原則を用いて、最低限の実現可能なオーディエンスの構築から始める。オーディエンスを増やす方法を理解し、オーディエンスが求めている製品を的確に把握するためだ。

      コメディアンは、このようにして抱腹絶倒のコンテンツを作り上げていく。アジャイルコンテンツマーケティングも同じ手順を踏む。

      コメディアンがコンテンツを作る方法

      コメディアンが、ネタを書き、テストし、そして、改良する手法を通して考えると、アジャイル開発を正しく理解することが出来る。

      一般的な考えとは対照的に、創造力豊かな天才の下に、笑いの神様が降臨するようなものではない。反復、漸増的にジョークを発展させていくのだ。

      まず、コメディアンは、ネタを書く。このネタは、コメディアン自身が、経験を頼りにオーディエンスにとって面白いと思うストーリーをベースにする。

      コメディアンは、ネタを試し、改善する必要がある点を心得ている。そのため、小さなお笑いショーに出向き、実際のオーディエンスの前で、初期段階のネタを披露する。

      オーディエンスの反応に応じて(笑いが起きる、または、滑る)、コメディアンは、一部を切り捨て、別の一部を調整し、新たなジョークを書き、ステージに戻り、再び、パフォーマンスを行う。 ある時点で、ネタは仕上がり、このネタを大きな会場のショー、HBOのコメディー特番等、より洗練されたネタが欠かせないステージに持ち込む。

      単純だが、簡単ではない。発表する勇気が求められ、そして、客観的、漸新的に適応させていく必要がある。

      ジョークではないコンテンツを作る方法

      アジャイルコンテンツマーケティングもまた同じ3ステップのプロセスを用いる:

      1. コンテンツのアプローチを経験を頼りに考える。
      2. 欠点があることを理解しながらコンテンツをリリースする。
      3. フィードバックを基に常に改善を行う。

      これは、規律のある取り組み持続的なイノベーションの双方を促す珍しいアプローチである。この準備して、撃って、狙うメソッドは、4つの明白なステップにまとめることが出来る:

      1. リサーチ

      経験に基づく推測を行う段階である。この推測は、接触を試みるオーディエンス、オーディエンスが現在購入している製品、問題を解決し、欲求を満たすために学ぶべきこと、この答えと購入を求める製品との関連性に対するマーケットリサーチを基盤とする。

      2. リリース

      リサーチは重要だが、いずれウェブサイトの全体的な位置づけを決め、コンテンツを公開していく必要がある。映画館やスタジアムを満員にするほどのオーディエンスが必要なのではなく、小さなお笑い劇場と同程度の規模で構わない。それでも、有意義なフィードバックを得るために、コンテンツを見てもらい、シェアしてもらえるように、作業を行わなければならない

      3. 改善する

      3段階目までは、雑誌の編集上の焦点、テレビシリーズの生産サイクル、もしくは、スタンドアップコメディアンのキャリアのように、プロジェクトを続ける限り、何度も反復される。ミスをして、方針を転換する。しかし、ウェブサイトに欠かせないコンテンツが、コンテンツマーケティングの取り組みの働き手として、整理され、改善されていくことに気づくだろう。

      4. つながり

      この背景では、つながりとは、徐々にコンテンツを広め、オーディエンスを拡大するために構築する関係、提携、あるいは、ネットワークを指す。関連するサイトでのゲスト投稿から、ソーシャルネットワークの拡大に至るまで、コンテンツを出来るだけ大勢の人達に見てもらえるよに、常に努力しなければならない。

      詳しく知りたい?

      その気持ちはよく分かる — しかし、冒頭でも申し上げた通り、まずは、アジャイルコンテンツマーケティングの考え方を理解する必要がある。この哲学を徹底しなければ、その取り組みは、反復から、愚行に成り下がってしまうだろう。


      この記事は、Copybloggerに掲載された「Agile Content Marketing: How to Attract an Audience That Builds Your Business」を翻訳した内容です。

      コンテンツマーケティングに限らず今日のウェブマーケティング、成功させるには全てがアジャイルである必要がありますよね。代理店やコンサルに頼りすぎず、自ら主体者となって日単位でとはいわずとも週単位で取り組み少しずつ改善させていくことが大切なのかな、と思います。 — SEO Japan [G+]

      ネイティブ広告の現状を把握する意識調査

      ネイティブ広告関連の特集記事第二弾は、ネイティブ広告に関しての意識調査を米国の有名コンテンツマーケティングブログ「コピーブロガー」の読者を対象に行った紹介した記事を。そもそもコピーブロガーの読者なので、何らかの形でウェブマーケティングに関わる人が中心とは思いますが、2000人以上が参加したというこの調査、一見の価値ありです。原文ではインフォグラフィックで結果が公表されていたので、グラフィックの下に翻訳した調査結果も記載しました。 — SEO Japan

      blog post title image for Copyblogger's 2014 State of Native Advertising Report

      ネイティブ広告とは、配信媒体の編集基準にマッチし、尚且つ、オーディエンスの期待に沿う有償のコンテンツである。

      BuzzFeedでのCaptain Morgan(酒造メーカー)のキャンペーン、とりわけ、「キャプテン、コマンダー、征服者について知らなかった15の事実」を思い浮かべてもらうと良いだろう。

      まず、記事のテーマは、ブランドの価値 — Captain Morganは、実際に存在した海賊であり、冒険と荒々しい征服を生き甲斐にしていた — とマッチしている。そして、このテーマは、BuzzFeedの読者にとって、それほど異質ではない。

      その上、この記事は、BuzzFeedの編集基準も満たしている — 大きな画像と短く、奇抜なコピー。これはBuzzFeedのオーディエンスが期待する形式である。

      ここで重要なポイントを3つ挙げておく:

      • コンテンツには明確に「BuzzFeedのパートナー」と記載されている。
      • 何も販売されていない。コールトゥアクションは、「Captain MorganのYouTubeのページへのアクセス」であった。
      • Captain MorganのBuzzFeedの作者ページは、同ブランドによって運営されている。

      これは典型的なスポンサード、または、ブランデッドコンテンツである。ネイティブ広告の例をもう一つ見ていこう。次に紹介する広告は、随分昔の作品である。

      今のうちて言っておくが、お腹が空いてしまうかもしれない。

      ネイティブ広告としてのPR記事

      デビッド・オグルヴィによる「The Guinness Guide to Oysters」は、古典的なPR記事だ。ちなみに、ブライアン・クラークが、数週間前にこの広告記事を検証していた。以下に大事なポイントを挙げていく:

      • 関連する背景: 生活や食べ物に関する雑誌の中で、もしくは、パブやクラブでポスターとしてこの広告が掲載されていたはずだ(オグルヴィ& メイザーに連絡を取ったものの、誰も分からなかった)。
      • 明確なコールトゥアクション: カキを食べるときは、Guinessを飲もう。カキを食べなくても、Guinessを飲もう。とにかくパブに行って、Guinessを飲もう。

      このガイドは典型的なPR記事であり、Betty Crocker(ケーキミックスのメーカー)等の企業が、料理本の中で、製品を楽しむための便利な方法を紹介する取り組みと同じ働きをする。

      要するに、消費者の想像力に火を付ければ、売り上げは増加するのだ。

      もっと最近では、AtlanticでのIBMの取り組みや、サウスウェスト航空のThe Onion Labの動画等が例として挙げられる(下の動画を再生するか、ここで視聴してみよう)。

      すべてのケースにおいて、コンテンツにブランドの宣伝が色濃く反映されている。

      スポンサード/ブランデッドコンテンツ、そして、PR記事の後に続くのは、フィード内広告、コンテンツウィジェット、プロダクトプレースメント、そして、プロモーテッドポストとリスティングである。

      また、ポール・キアーズも言っているように:

      当然だが、料金を支払うブランドにとって適切であり、個性を維持する必要があるパブリッシャーにとって適切であり、そして、コンテンツに価値を見出さなければ没頭することはないオーディエンスにとって適切なコンテンツを作る能力に成功は左右される。

      少し先走りしてしまったようだ。

      Copybloggerが実施した「ネイティブ広告の現状調査 2014」

      イントロの段階で、くどくどと説明したのは、ネイティブ広告の調査結果を公開する前に、実用的な定義を確立したかったためだ(この件に関しては以前約束した通りだ)。

      その場しのぎでも構わないなら、Copybloggerのローレン・マンケがデザインしたシェア可能なポスターにざっと目を通すだけでも良い。

      ポスターの下には、見解、そして、2088名の参加者の意見の一部を掲載していく。

      blog post title image for Copyblogger's 2014 State of Native Advertising Report

      サイトにポスターを埋め込む

      次のコードをコピーし、ブログの記事やウェブページに貼り付けよう:

      調査結果と参加者の言葉

      まずは基本から。この調査では:

      • 2080名を超える方々が参加した。
      • 640点以上のコメントが寄せられた。

      言うまでもないが、一番気に入ったコメントは、「ネイティブ広告って何なの?」であった。今なら、何だか説明することが出来るのではないだろうか — 348番さん。

      1. ネイティブ広告が何だか分かりますか?

      • いいえ、全く分かりません – 49%
      • あまり分かりません – 24%
      • 少し分かります – 24%
      • 良く理解しています – 3%

      参加者の半分近くが、ネイティブ広告について全く知識を持たず、また、48%は少ししか理解していないことが判明した。曖昧な広告モデルなのではないか、と言う疑いが、この問いの答えで証明されたことになる。

      2. 次のうちネイティブ広告と考えられるのはどれですか?

      • プロモツイート – 9%
      • PR記事 – 16%
      • ブランデッドコンテンツ – 14%
      • 上の3つすべて – 23%
      • 分かりません – 38%

      正解は「上の3つすべて」である。

      私自身は「プロモツイート」と「Facebookのスポンサードポスト」がネイティブ広告だとは考えていなかったものの(後ほどその理由を説明する)、リサーチによって複数のソースがこのモデルもネイティブ広告として扱っていたため、この問いを設けた。

      3. ネイティブ広告に関して、どんな感情を持っていますか?

      • 全く気にしていません – 25%
      • 反対です。邪悪な取り組みだと思います。 – 3%
      • 大好きです。 – 21%
      • 疑っています。 – 51%

      「全く気にしていません」と答えた25%の回答者は、ネイティブ広告が何だか分からなかった可能性が高い(Gravity Formsの条件機能を利用するべきであった)。

      4. あなた(または、あなたの会社)はネイティブ広告に予算を用意していますか?

      • はい – 9%
      • いいえ – 91%

      思った通りの結果であった。

      5. 広告予算のうち幾らをネイティブ広告に当てていますか(毎月)?

      • 0ドル – 100ドル – 91%
      • 101ドル – 500ドル – 5%
      • 501ドル – 2000ドル – 2%
      • 2001ドル – 5000ドル – 1%未満
      • 5000ドル以上 – 1%未満

      意外にも、ネイティブ広告に毎月5000ドル以上を費やす参加者が16名もいた。この人達のことをもっと知りたくなった。

      6. フリーランスとエージェンシーの方へ: 仕事のうち、ネイティブ広告は何%を占めていますか?

      • 0% – 81%
      • 少なくとも25% – 13%
      • 少なくとも50% – 3.5%
      • 少なくとも75% – 1.5%
      • 100% – 1%

      この問いの答えも予想通りであった。

      7. ネイティブ広告を広告、または、サービスの選択肢として今後提供する可能性はありますか?

      • 絶対に提供しません – 37%
      • 恐らく提供しません – 22%
      • もしかしたら提供するかもしれません – 30%
      • 提供する可能性が高いです – 11%

      ネイティブ広告を利用する人達よりも、しない人達の方が明らかに多い。しかし、11%の差は大きな差ではない — ネイティブ広告を深く理解していくと、このギャップは埋まるだろう。

      8. ネイティブ広告を効果的に利用しているブランドを一つ挙げて下さい。よく名前が挙げられた10社のブランドを以下に掲載する。

      • Amazon
      • Apple
      • Buzzfeed
      • Coke
      • Copyblogger
      • Nike
      • Red Bull
      • Starbucks
      • Target
      • Virgin Mobile

      特に意外な名前は出てこなかったが、コンテンツマーケティング全体をネイティブ広告と認識している人達が多少いるのではないかと、私は気になった。AmazonやStarbucksがネイティブ広告を利用しているとは、少なくとも私は認識していない。もちろん、私にも知らないことはある。

      9. ネイティブ広告は読者を欺くと思いますか?

      • はい – 39%
      • いいえ – 61%

      この問いに対して、「時々」や「たぶん」を答えに用意して欲しいとコメントした人達がいた。その通りであった。このような選択肢を用意していたら、どのような答えになっていたのだろうか?

      10. New York Times等のメディアで、ブランドがコンテンツを作成したら、どの程度懸念しますか?

      • まったく懸念しない – 33%
      • ほとんど懸念しない – 18%
      • 少し懸念する – 31%
      • 大いに懸念する – 18%

      参加者の一部もコメントしていたように、The New York Timesは既にネイティブ広告を利用している。ご指摘に感謝する。

      結果がほぼ二分したため、興味を惹かれた。懸念しない派を合わせると51%になり、懸念する派は49%に達する。

      BuzzFeedとは大きく異なる結果であった…

      11. ブランドがBuzzFeed等のメディアでコンテンツを作成したら、どの程度懸念しますか?

      • まったく懸念しない – 45%
      • ほとんど懸念しない – 27%
      • 少し懸念する – 22%
      • 大いに懸念する – 6%

      ある参加者は「既にBuzzFeedはブランドのコンテンツを提供しているのではありませんか?」と指摘していた。その通りだ。

      否定的な意見(下の2つ)はたった28%だったが、肯定的な意見は72%に達していた。The New York Timesは真面目なジャーナリズムの媒体と見られ、一方、BuzzFeedは、全く毛色の違う媒体と見られているような気がした。

      12. 企業や広告スポンサーがニュースを報道したら、どの程度懸念しますか?

      • まったく懸念しない – 19%
      • ほとんど懸念しない – 12%
      • 少し懸念する – 25%
      • 大いに懸念する – 44%

      信じられない結果が出た — 参加者の半分近くが、大いに懸念すると答えていた。信じられない、と言ったのは、企業は既にニュースで報道を行っているからだ。あらゆるメディアが収益を得ている。メディアも企業である。

      この調査に寄せられたコメントを幾つか紹介していく:

      「最後の方の問いは、個人的には、特に重要だと思った。有償の広告をニュースのコンテンツや作成を混合することに、当初は懸念を持つべきだと考えていた。つまり、編集者と企業お抱えのライターを一つ屋根の下で生活させる方針(宗教と政治)には、反対であった。しかし、もともとニュースを信頼していない市民は多く、だからこそ、ネイティブ広告に懸念を持たない人が多いのではないだろうか。結局、コンテンツが面白く、役に立つなら、作成費を誰が支払ったかなど、わざわざ気にしない。」 No. 631

      「新しいトレンドだとは思えない。良くてもPR記事、卑劣なものもある。宣伝戦略だと思う。」No. 15

      「消費者が目にするコンテンツが、企業/ブランドによって作られたことが明確なら、ネイティブ広告がメディアに掲載されることに、特に問題があるとは思わない。うまく実施すれば、とても簡単に消費者とのつながりを築くことが出来るような気がする。緻密さが要求されそうだ。」No. 1417

      「支持するスタンスに左右される。PR記事は、企業を宣伝する素晴らしい手段ではあるものの、経験上、私のようなライターは、トピックに関して何も知らない企業が、まるで権威のように思えるような記事を作ることが出来る。誤解を招く恐れがあるが、企業が成功するためには、欠かせないマーケティングツールである。しかし、結局、あまり前には進めない。成功は、宣伝ではなく、結果に現れるのだ。」 No. 1822

      「編集済みのコンテンツとしてコンテンツを提示するものの、実はブランドによって作られているなら、その点が判明した際に、欺かれた気になる。」 No. 971

      次の記事では、ネイティブ広告の定義を深く追求し、起源を探り、さらに、ネイティブ広告に対する土壌を整えた、3点の新しいディスラプション(破壊)について検証していく。

      お楽しみに。

      この調査結果に関して言いたいことがあるなら

      皆さんの意見を是非聞かせてもらいたい。

      「ネイティブ広告の現状調査 2014」に関する記事をブログで投稿し(目玉としてポスターを利用する手もある)、@copybloggerにリンクをツイートして、私達が目を通せるようにしてもらいたい。

      また、Google+で議論に加わることも可能だ。


      この記事は、Copybloggerに掲載された「Copyblogger’s 2014 State of Native Advertising Report」を翻訳した内容です。

      まず、半分の人がネイティブ広告を知らない、と答えたのは少し驚きました。ネイティブ広告に予算配分している人も9%止まり。月額予算50万円以上の人(2000人以上が参加した調査)が16人。ネイティブ広告がそもそも何なのか余り分かっていない人がまだまだ大半のようですが(コンテンツマーケティングをネイティブ広告と勘違いしている人が一定数いそうなのはナルホドという感じでした)、ニューヨークタイムズなど既存の有名メディアが利用することには何となく躊躇を覚える人は半数いるようです(Buzzfeedなど新興ウェブメディアは2/3が許容)。

      米国で注目を集め出しているネイティブ広告ですが、まだまだ知らない人も業界内でも多数いる状況なようですね。ネイティブ広告の1種であるPR記事やタイアップ広告はジャーナリズムとメディアの境目が良くも悪くも緩い日本では米国以上に長年行われてきたことですが、その境界線が日本よりははるかに厳格な米国ではある種の気持ち悪さを感じる人も多いようですね。とはいえ、広告の新しい形として注目されていることには疑いがありませんし、普及も相当進んでいくと思われるだけに、今後の発展に注目していきたいです。 — SEO Japan [G+]

      ネイティブ広告が古いジャーナリストを黙らせる5つのポイント – ネイティブ広告徹底解剖シリーズ パート1

      単なるバズワードなのか検索・ソーシャルに続く本命なのか、ネイティブ広告という言葉がインターネット業界、特にメディア界隈で話題になっています。あるリサーチによれば2017年には4500億円を超える市場になるといわれるこの分野、その内幕に迫った記事をネイティブ広告と切っても切れない関係のコンテンツマーケティングを長年提唱してきたCopybloggerが語る。 — SEO Japan

      image of young journalist diligently writing while older journalist stands beside her looking dumbfounded

      この記事はネイティブ広告に関する連載の第一段である。序論のようなものと位置づけてもらって構わない。

      今のうちに、賛否両論があることを、伝えておこう。

      そもそも、なぜネイティブ広告に関する連載を始める必要があるのだろうか?

      答えは単純だ: なぜなら、ネイティブ広告は、ビジネスの世界で、知名度は圧倒的に低いものの、熱過ぎるほど熱いトピックだからだ。

      事実、ネイティブ広告を定義することが出来る人は少ない。この業界の外部の人達においては、存在することすら気づいていないはずだ(この指摘の正しさを証明するデータを持っているので、後程紹介する)。

      それでも、メディアリサーチグループのBIA/Kelsey社は、2017年までに、企業は、ソーシャルネイティブ広告に45億7000万ドルを投資すると見込んでいる。

      45億7000万ドル…間違いなく、これは大金に入る額である。

      それでは、この曖昧な広告に対して、熱気憎しみが同居するのはなぜだろうか?

      それは –

      効果が高いからだ。

      広告 vs 編集

      ネイティブ広告は、効果が高い。その高さ故、ジャーナリストを筆頭に、懸念を持つ人達がいる。

      ネイティブ広告に対する意見が分かれるのは、広告を記事に挿入するためだ。ただし、必ずしも相対する必要はない。

      ネイティブ広告、そして、優れたジャーナリズムは、両立しないわけではない。事実、どちらも広告モデルであり、どちらも利益を上げるポテンシャルを持つ。

      それでは、(過去を振り返る、もしくは、紛れもない現在のトレンドを指摘して)保守的なジャーナリストを苛立たせる5つのポイントを指摘して、主張を展開していく。

      1. ジャーナリズムは広告と手を組んでいるはずだと言ってみる(実際に手を組んできた)

      これは、ある職業(広告)は汚れており、もう一方の職業(ジャーナリスト)は神聖であるため、分けるべきだ、と言う考えに基づいている。

      しかし、この考え方は、ニュースの歴史では、割と新しい部類に入る。

      シカゴのイリノイ大学でコミュニケーション学部の学部長を務めるケヴィン・バーンハースト教授は、18世紀の新聞においては、「広告と記事の違いは明確ではなかった」と指摘している。

      新聞は、全てニュースで埋め尽くされており、当時の読者は「これは広告で、これは記事ですね」と区別していなかった。

      事実、この時代、ニュースと広告の融合は問題視されていなかった。営業を続けるためには、新聞と言えでも、利益を上げなければならなかったためだ。

      ボストン大学でジャーナリズムを指導するクリストファー・ダリー教授は、著書「Covering America: A Narrative of a Nation’s Journalism」の中で、ニュースビジネスを理解するためには、ニュースをビジネスとして理解することが重要である。これが、この本のテーマである」と述べている。

      要するに、新聞社も収益を上げなければ成立しなかったのだ。

      これは現在にも当てはまる — だからこそ、(デジタルメディアも印刷メディアも)パブリッシャーは、倫理的に、合法的に、そして、確実に収益を得る方法を見つけ出さなければならないのだ。

      ネイティブ広告は、その方法の一つであり、ジャーナリズムと広告の間にある壁を溶かしている。

      そして、それは、望ましいことである。

      2. 報道における絶対的な客観性の考え方に異議を唱える

      作家のジョーン・ディディオン氏は、「ライターは常に他の誰かを裏切っている」と指摘している。

      その通りだ。

      ストーリー、つまりスクープを私達は狙っている。そして、私達は、偏見、そして、好みがあり、意図を持っている。そのため、報道における絶対的な客観性など、所詮フィクションに過ぎない。

      この考え方は、一部のジャーナリストを苛立たせる。

      それでも、ジャーナリストのジョン B. ジュディス氏が指摘しているように、「より客観的な判断は、偏見、希望、恐れ、そして、願いの影響をほとんど受けず、客観性に欠ける判断は、反対に影響を受けている」と言える。

      ソースが、意図、贔屓する派閥、あるいは、広めたい見解を持っている可能性がある。しかし、報道に影響を与えることは許されないため、ジャーナリストは、このような(そして、自分自身の)スタンスから距離を置く必要がある。

      さらに、ジュディス氏は、この主観性に打ち勝つ方法に関して、素晴らしいアドバイスを提供している:

      思い込みを疑問視すること、草稿を二回目、三回目と作成していくこと、再び録音したインタビューを聞くこと、編集者は質問をすること、そして、事実確認の担当者も質問すること。そうすれば、– たとえ自分の希望や願いとは相反していても、正確で、客観的な記事を書くことが出来る時もある。

      コンテンツマーケッターの私でさえ、このような習慣を認識している。そして、これはネイティブ広告にも当てはまるのだ。

      良質なネイティブ広告は、客観性と正しさを両立させることが出来る。しかし、客観性よりも重要なことは、ネイティブ広告には、透明性をもたらすことが出来る点である。

      3. ジャーナリズムの計算を見直す

      ベンジャミン・フランクリンは、「プリンター達(1700年代半ばのジャーナリスト)は、スキャンダルと問題を明らかにすることで、公共の役に立っている。彼らを苦しめたり、処刑したり、殺したりするのではなく、感謝するべきだ。」と述べている。

      そんな中、イエロージャーナリズム(註:深い考察や調査もせず、派手な見出しの数多くのニュースを流し、より多くの新聞を売ろうとするスタイル)が台頭することになる。

      1920年代、ジャーナリストは、専門的な指針を基に、洗練された職業にする欲求を持つようになる。

      カリフォルニア大学サンディエゴ校でコミュニケーションを教えるマイケル・シャドソン教授は、米国新聞編集者協会が「もともとの営利目的から距離を置く」と規則に記しているように、次第に高尚化する倫理上の目標 — 客観的な真実、そして、「公共の関心への忠誠を除く、あらゆる義務からの解放」– をジャーナリストは、体系化しようと試みた、と示唆している。

      そして、デジタルの時代が幕を開けた瞬間から、この見解は攻撃の対象になった。

      この難題は、ルイス・ドゥヴォーキン氏(Forbes Mediaの製品担当役員)によるジャーナリズムの公式に要約されている: 質 + 量 + 種類 = オーディエンス

      ある意味、これは効果的なビジネスモデルである。事実、Forbesは、3000万のユニークビジター/月を集めている。

      しかし、デビッド・カー氏も指摘しているように、この公式は、Forbesの焦点を薄めてしまう弊害を持つ。

      かつては、富裕層にアドバイスを与える雑誌として知られていたものの、現在は、世界のビリオネアのリストに加え、履歴書の書き方、気候変動、癌、そして、全米大学競技協会に関する記事も掲載されている。なんと、Forbesでは、1日に400本近い記事が配信されているのだ。

      驚くべき事実である。

      希釈と取る人もいるが、Forbesの会長兼CEOのマイク・パーリス氏は、ディスラプション、つまり、破壊と表現している。そして、これは生き残りをかけた戦いでもある。

      創業97年の老舗と言えども、環境に対応しなければ、生き残ることは出来ないのだ。

      ネイティブ広告は、生き残るためのメカニズムの一つである(テクノロジー企業になる手もその一つ)。

      4. 記者や編集者の職を守るための解決策として、コンテンツマーケティングを提案する

      20年以上前、新聞と雑誌は、莫大な利益を得ていた。購読率、そして、広告料金は、非常に高かった(毎日のようにロブスターが昼食で提供されるぐらい儲かっていた)。

      その後、インターネットが登場する。

      しかし、インターネットは、従来のビジネスモデルを一夜のうちに崩壊させたわけではない。インターネットは、従来のモデルを支持していた会社を一社ずつ葬っていったのだ。その結果、ジャーナリスト達は、自分達の職が、消えていくことに気づき始めるのであった。

      生き残るため、大勢のジャーナリストは、広告代理店や広告会社と手を組む決断を下した。そして、このニーズにより、ジャーナリストを雇用する会社が登場する。例えば、Contentlyだ。

      以下に、Adweekの一部を抜粋する:

      Contently等の企業では、大勢のフリーランスのジャーナリストが、IBM等の企業のために、調査および報道をベースとしたネイティブ広告のコピーを作成して、収入を得ている。しかも、この手の企業は、大半の報道機関よりも、多くの報酬を支払っている。

      一部の保守的なジャーナリストは、企業のためにジャーナリストが記事を書くようになると、真実と意見広告の間の境界線がぼやけてしまうと懸念している。

      そこで、私はContentlyのコンテンツ部門上級役員のサム・スローター氏に接触し、この懸念に関する見解を聞いてみた。以下に、スローター氏の意見を掲載する:

      広告と記事の間の境界線がぼやけてしまう危険は確実に存在する。しかし、新聞で企業が広告を始めた時から、その危険は存在していたはずだ。だからこそ、スポンサー付きのコンテンツを書く側、そして、買う側にとって、完全に、むしろ積極的に誰が報酬を支払っているのか明らかにする必要がある — そうすることで、コピーが、企業の代わりに宣伝しているのかどうかを読者自身が判断することが可能になる。無視したければ、無視すれば良い。

      因みに、太字にしたのは私ではない。

      5. 「ネイティブ広告」だと打ち明ける

      例えば、昨年、アンドリュー・サリバン氏は、BuzzFeedのスポンサー付きコンテンツの利用を批判していた。不満の対象として名指しされたのは、BuzzFeedであったが、ネイティブ広告全般にサリバン氏は、懸念を持っている。

      アンドリュー・サリバン氏は、典型的なジャーナリストとは異なる。しかし、BuzzFeedも典型的なニュースメディアではない。いずれかを少しでも知っているなら、すぐに両者のジェネレーションギャップに気がつくはずだ。

      サリバン氏は、ベビーブーム世代(X世代と言っても許されるかもしれない)である。一方のBuzzFeedは、30歳以下の若年層のためのメディアであり、この違いは、サリバン氏が公開した読者のeメールにも如実に表れている:

      スポンサー付きコンテンツモデルに対して、あなたが嫌悪する要因は2つあると思う: 1) 職業、そして、2) 世代だ。私のような世代(27歳)にとっては、広告とコンテンツの差はあまりない。どちらのカテゴリーにも、読む価値があるものもあれば、ないものもある。YouTubeでミュージックビデオを検索するのは、好きなコマーシャルを探すようなものだ。PS4の記事を広告だと知らずに私は読んだものの、(あなたのサイトを通して)広告だと知った時、特に怒りを感じたわけでもなければ、騙されたとも思わなかった。

      それでは、ネイティブ広告への反応の違いは、やはり、世代の違いが影響しているのだろうか?ニュースは、商業を優先するルーツへと原点回帰しているのだろうか?

      これからその答えを探っていく。

      今後のネイティブ広告の調査

      このトピックを今後数週間/数ヶ月間にわたって取り上げていくなかで、ネイティブ広告が、実に曖昧なトピックである点に気づくことになる。

      双方(ジャーナリズムと広告)に紛らわしい点が多数存在し、実に複雑な構造を持つ — しかし、パブリッシャーも企業もこの構造からメリットを得られる。

      この連載では、次の点を学ぶことが出来る:

      • PR記事、スポンサー付きコンテンツ、ブランドコンテンツ、そして、宣伝用コンテンツの違い(重要)。
      • 消費者の混乱等の懸念を解消する方法。
      • 人手が少ないブランドやパブリッシャー向けのネイティブ広告戦略。
      • Googleが嫌うネイティブ広告のタイプ。
      • ネイティブ広告のケーススタディ(真似して、最高の成果を得ることが可能だ)。
      • バイラルコンテンツに関して知っておきたい点。

      等々。

      因みに — この問題の紛らわしさを分かってもらうため、次回の投稿では、ネイティブ広告の現状をひも解く調査の結果を紹介する。全体像が見えてくるのではないだろうか。

      会話に加わりたい方へ

      ネイティブ広告に関する経験をお持ちなら、Google+に参加し、考えを発表してもらいたい。

      画像: Flickr(クリエイティブコモンズ指定の作品) Chris Beckett


      この記事は、Copybloggerに掲載された「5 Ways to Rankle an Old-School Journalist」を翻訳した内容です。

      話題のネイティブ広告に関しては、まずはその批判がそもそもどういう視点から出てきたのか、という所までさかのぼって考えた中々に面白い記事でした。ジャーナリズムの歴史の中で、広告と分離した公正な記事が求められそれを実践してきた時代に育ち活躍しているジャーナリストにしてみればバズフィードの人が語る「広告とコンテンツの差はない」という意見は言語道断、歴史を知らない恐ろしい意見に聞こえると思いますが、さて今後も記事が続くということでその内容が楽しみです。SEO Japanでも随時紹介していきたいと思います。 — SEO Japan [G+]

      ネイティブ広告が古いジャーナリストを黙らせる5つのポイント – ネイティブ広告徹底解剖シリーズ パート1

      単なるバズワードなのか検索・ソーシャルに続く本命なのか、ネイティブ広告という言葉がインターネット業界、特にメディア界隈で話題になっています。あるリサーチによれば2017年には4500億円を超える市場になるといわれるこの分野、その内幕に迫った記事をネイティブ広告と切っても切れない関係のコンテンツマーケティングを長年提唱してきたCopybloggerが語る。 — SEO Japan

      image of young journalist diligently writing while older journalist stands beside her looking dumbfounded

      この記事はネイティブ広告に関する連載の第一段である。序論のようなものと位置づけてもらって構わない。

      今のうちに、賛否両論があることを、伝えておこう。

      そもそも、なぜネイティブ広告に関する連載を始める必要があるのだろうか?

      答えは単純だ: なぜなら、ネイティブ広告は、ビジネスの世界で、知名度は圧倒的に低いものの、熱過ぎるほど熱いトピックだからだ。

      事実、ネイティブ広告を定義することが出来る人は少ない。この業界の外部の人達においては、存在することすら気づいていないはずだ(この指摘の正しさを証明するデータを持っているので、後程紹介する)。

      それでも、メディアリサーチグループのBIA/Kelsey社は、2017年までに、企業は、ソーシャルネイティブ広告に45億7000万ドルを投資すると見込んでいる。

      45億7000万ドル…間違いなく、これは大金に入る額である。

      それでは、この曖昧な広告に対して、熱気憎しみが同居するのはなぜだろうか?

      それは –

      効果が高いからだ。

      広告 vs 編集

      ネイティブ広告は、効果が高い。その高さ故、ジャーナリストを筆頭に、懸念を持つ人達がいる。

      ネイティブ広告に対する意見が分かれるのは、広告を記事に挿入するためだ。ただし、必ずしも相対する必要はない。

      ネイティブ広告、そして、優れたジャーナリズムは、両立しないわけではない。事実、どちらも広告モデルであり、どちらも利益を上げるポテンシャルを持つ。

      それでは、(過去を振り返る、もしくは、紛れもない現在のトレンドを指摘して)保守的なジャーナリストを苛立たせる5つのポイントを指摘して、主張を展開していく。

      1. ジャーナリズムは広告と手を組んでいるはずだと言ってみる(実際に手を組んできた)

      これは、ある職業(広告)は汚れており、もう一方の職業(ジャーナリスト)は神聖であるため、分けるべきだ、と言う考えに基づいている。

      しかし、この考え方は、ニュースの歴史では、割と新しい部類に入る。

      シカゴのイリノイ大学でコミュニケーション学部の学部長を務めるケヴィン・バーンハースト教授は、18世紀の新聞においては、「広告と記事の違いは明確ではなかった」と指摘している。

      新聞は、全てニュースで埋め尽くされており、当時の読者は「これは広告で、これは記事ですね」と区別していなかった。

      事実、この時代、ニュースと広告の融合は問題視されていなかった。営業を続けるためには、新聞と言えでも、利益を上げなければならなかったためだ。

      ボストン大学でジャーナリズムを指導するクリストファー・ダリー教授は、著書「Covering America: A Narrative of a Nation’s Journalism」の中で、ニュースビジネスを理解するためには、ニュースをビジネスとして理解することが重要である。これが、この本のテーマである」と述べている。

      要するに、新聞社も収益を上げなければ成立しなかったのだ。

      これは現在にも当てはまる — だからこそ、(デジタルメディアも印刷メディアも)パブリッシャーは、倫理的に、合法的に、そして、確実に収益を得る方法を見つけ出さなければならないのだ。

      ネイティブ広告は、その方法の一つであり、ジャーナリズムと広告の間にある壁を溶かしている。

      そして、それは、望ましいことである。

      2. 報道における絶対的な客観性の考え方に異議を唱える

      作家のジョーン・ディディオン氏は、「ライターは常に他の誰かを裏切っている」と指摘している。

      その通りだ。

      ストーリー、つまりスクープを私達は狙っている。そして、私達は、偏見、そして、好みがあり、意図を持っている。そのため、報道における絶対的な客観性など、所詮フィクションに過ぎない。

      この考え方は、一部のジャーナリストを苛立たせる。

      それでも、ジャーナリストのジョン B. ジュディス氏が指摘しているように、「より客観的な判断は、偏見、希望、恐れ、そして、願いの影響をほとんど受けず、客観性に欠ける判断は、反対に影響を受けている」と言える。

      ソースが、意図、贔屓する派閥、あるいは、広めたい見解を持っている可能性がある。しかし、報道に影響を与えることは許されないため、ジャーナリストは、このような(そして、自分自身の)スタンスから距離を置く必要がある。

      さらに、ジュディス氏は、この主観性に打ち勝つ方法に関して、素晴らしいアドバイスを提供している:

      思い込みを疑問視すること、草稿を二回目、三回目と作成していくこと、再び録音したインタビューを聞くこと、編集者は質問をすること、そして、事実確認の担当者も質問すること。そうすれば、– たとえ自分の希望や願いとは相反していても、正確で、客観的な記事を書くことが出来る時もある。

      コンテンツマーケッターの私でさえ、このような習慣を認識している。そして、これはネイティブ広告にも当てはまるのだ。

      良質なネイティブ広告は、客観性と正しさを両立させることが出来る。しかし、客観性よりも重要なことは、ネイティブ広告には、透明性をもたらすことが出来る点である。

      3. ジャーナリズムの計算を見直す

      ベンジャミン・フランクリンは、「プリンター達(1700年代半ばのジャーナリスト)は、スキャンダルと問題を明らかにすることで、公共の役に立っている。彼らを苦しめたり、処刑したり、殺したりするのではなく、感謝するべきだ。」と述べている。

      そんな中、イエロージャーナリズム(註:深い考察や調査もせず、派手な見出しの数多くのニュースを流し、より多くの新聞を売ろうとするスタイル)が台頭することになる。

      1920年代、ジャーナリストは、専門的な指針を基に、洗練された職業にする欲求を持つようになる。

      カリフォルニア大学サンディエゴ校でコミュニケーションを教えるマイケル・シャドソン教授は、米国新聞編集者協会が「もともとの営利目的から距離を置く」と規則に記しているように、次第に高尚化する倫理上の目標 — 客観的な真実、そして、「公共の関心への忠誠を除く、あらゆる義務からの解放」– をジャーナリストは、体系化しようと試みた、と示唆している。

      そして、デジタルの時代が幕を開けた瞬間から、この見解は攻撃の対象になった。

      この難題は、ルイス・ドゥヴォーキン氏(Forbes Mediaの製品担当役員)によるジャーナリズムの公式に要約されている: 質 + 量 + 種類 = オーディエンス

      ある意味、これは効果的なビジネスモデルである。事実、Forbesは、3000万のユニークビジター/月を集めている。

      しかし、デビッド・カー氏も指摘しているように、この公式は、Forbesの焦点を薄めてしまう弊害を持つ。

      かつては、富裕層にアドバイスを与える雑誌として知られていたものの、現在は、世界のビリオネアのリストに加え、履歴書の書き方、気候変動、癌、そして、全米大学競技協会に関する記事も掲載されている。なんと、Forbesでは、1日に400本近い記事が配信されているのだ。

      驚くべき事実である。

      希釈と取る人もいるが、Forbesの会長兼CEOのマイク・パーリス氏は、ディスラプション、つまり、破壊と表現している。そして、これは生き残りをかけた戦いでもある。

      創業97年の老舗と言えども、環境に対応しなければ、生き残ることは出来ないのだ。

      ネイティブ広告は、生き残るためのメカニズムの一つである(テクノロジー企業になる手もその一つ)。

      4. 記者や編集者の職を守るための解決策として、コンテンツマーケティングを提案する

      20年以上前、新聞と雑誌は、莫大な利益を得ていた。購読率、そして、広告料金は、非常に高かった(毎日のようにロブスターが昼食で提供されるぐらい儲かっていた)。

      その後、インターネットが登場する。

      しかし、インターネットは、従来のビジネスモデルを一夜のうちに崩壊させたわけではない。インターネットは、従来のモデルを支持していた会社を一社ずつ葬っていったのだ。その結果、ジャーナリスト達は、自分達の職が、消えていくことに気づき始めるのであった。

      生き残るため、大勢のジャーナリストは、広告代理店や広告会社と手を組む決断を下した。そして、このニーズにより、ジャーナリストを雇用する会社が登場する。例えば、Contentlyだ。

      以下に、Adweekの一部を抜粋する:

      Contently等の企業では、大勢のフリーランスのジャーナリストが、IBM等の企業のために、調査および報道をベースとしたネイティブ広告のコピーを作成して、収入を得ている。しかも、この手の企業は、大半の報道機関よりも、多くの報酬を支払っている。

      一部の保守的なジャーナリストは、企業のためにジャーナリストが記事を書くようになると、真実と意見広告の間の境界線がぼやけてしまうと懸念している。

      そこで、私はContentlyのコンテンツ部門上級役員のサム・スローター氏に接触し、この懸念に関する見解を聞いてみた。以下に、スローター氏の意見を掲載する:

      広告と記事の間の境界線がぼやけてしまう危険は確実に存在する。しかし、新聞で企業が広告を始めた時から、その危険は存在していたはずだ。だからこそ、スポンサー付きのコンテンツを書く側、そして、買う側にとって、完全に、むしろ積極的に誰が報酬を支払っているのか明らかにする必要がある — そうすることで、コピーが、企業の代わりに宣伝しているのかどうかを読者自身が判断することが可能になる。無視したければ、無視すれば良い。

      因みに、太字にしたのは私ではない。

      5. 「ネイティブ広告」だと打ち明ける

      例えば、昨年、アンドリュー・サリバン氏は、BuzzFeedのスポンサー付きコンテンツの利用を批判していた。不満の対象として名指しされたのは、BuzzFeedであったが、ネイティブ広告全般にサリバン氏は、懸念を持っている。

      アンドリュー・サリバン氏は、典型的なジャーナリストとは異なる。しかし、BuzzFeedも典型的なニュースメディアではない。いずれかを少しでも知っているなら、すぐに両者のジェネレーションギャップに気がつくはずだ。

      サリバン氏は、ベビーブーム世代(X世代と言っても許されるかもしれない)である。一方のBuzzFeedは、30歳以下の若年層のためのメディアであり、この違いは、サリバン氏が公開した読者のeメールにも如実に表れている:

      スポンサー付きコンテンツモデルに対して、あなたが嫌悪する要因は2つあると思う: 1) 職業、そして、2) 世代だ。私のような世代(27歳)にとっては、広告とコンテンツの差はあまりない。どちらのカテゴリーにも、読む価値があるものもあれば、ないものもある。YouTubeでミュージックビデオを検索するのは、好きなコマーシャルを探すようなものだ。PS4の記事を広告だと知らずに私は読んだものの、(あなたのサイトを通して)広告だと知った時、特に怒りを感じたわけでもなければ、騙されたとも思わなかった。

      それでは、ネイティブ広告への反応の違いは、やはり、世代の違いが影響しているのだろうか?ニュースは、商業を優先するルーツへと原点回帰しているのだろうか?

      これからその答えを探っていく。

      今後のネイティブ広告の調査

      このトピックを今後数週間/数ヶ月間にわたって取り上げていくなかで、ネイティブ広告が、実に曖昧なトピックである点に気づくことになる。

      双方(ジャーナリズムと広告)に紛らわしい点が多数存在し、実に複雑な構造を持つ — しかし、パブリッシャーも企業もこの構造からメリットを得られる。

      この連載では、次の点を学ぶことが出来る:

      • PR記事、スポンサー付きコンテンツ、ブランドコンテンツ、そして、宣伝用コンテンツの違い(重要)。
      • 消費者の混乱等の懸念を解消する方法。
      • 人手が少ないブランドやパブリッシャー向けのネイティブ広告戦略。
      • Googleが嫌うネイティブ広告のタイプ。
      • ネイティブ広告のケーススタディ(真似して、最高の成果を得ることが可能だ)。
      • バイラルコンテンツに関して知っておきたい点。

      等々。

      因みに — この問題の紛らわしさを分かってもらうため、次回の投稿では、ネイティブ広告の現状をひも解く調査の結果を紹介する。全体像が見えてくるのではないだろうか。

      会話に加わりたい方へ

      ネイティブ広告に関する経験をお持ちなら、Google+に参加し、考えを発表してもらいたい。

      画像: Flickr(クリエイティブコモンズ指定の作品) Chris Beckett


      この記事は、Copybloggerに掲載された「5 Ways to Rankle an Old-School Journalist」を翻訳した内容です。

      話題のネイティブ広告に関しては、まずはその批判がそもそもどういう視点から出てきたのか、という所までさかのぼって考えた中々に面白い記事でした。ジャーナリズムの歴史の中で、広告と分離した公正な記事が求められそれを実践してきた時代に育ち活躍しているジャーナリストにしてみればバズフィードの人が語る「広告とコンテンツの差はない」という意見は言語道断、歴史を知らない恐ろしい意見に聞こえると思いますが、さて今後も記事が続くということでその内容が楽しみです。SEO Japanでも随時紹介していきたいと思います。 — SEO Japan [G+]

      SEOビジネスを製品化するレバレッジ手法

      日本のSEO業界といえば、大半のリンク中心のサービスベンダーか少数のコンサルベンダーにわかれていましたが、GoogleのSEO取締り強化やコンテンツマーケティングの普及に伴い、その図式も大分崩れてきました。今後のSEOビジネスのあり方に関して悩んでいる方も多いのではと思いますが、今回はSEO Bookによるサービス中心のSEOビジネスを製品化してレバレッジを図ろうというSEO業者向けの記事を。 — SEO Japan

      クライアントにサービスを提供しているなら、「サービス」から「製品」を作ろうと試みた際に、私が直面した問題と同じ課題に悩まされているのではないだろうか。製品がデジタル形式で提供されるこの業界では、「製品」と「サービス」と言うワードは、どちらも同じように扱われることが多い。

      SEO、あるいは、その他のデジタルマーケティングサービスに対する価格設定は、人気の高いトピックの一つではあるが、最適な価格を明確に答えることが出来る人は少ない。

      価格設定に関して、明確、もしくは、半明確な答えがあるとは私は思っていないが、ビジネスの多くの領域を自動化し、容易に管理するための明確な進路を決めることは出来る、と私は確信している。私はこの取り組みをビジネスの「製品化」と呼んでいる。

      始めにすること

      製品によっては、価格設定を簡単に行うことが出来るものもある。時間(コンサルティング)を売っているなら、当然ながら、時給制を採用することが可能だ。実は、SEOコンサルタントの「未来」は、既に到着していると私は思っている。多くのSEO業者は、次のようなデジタルの領域に進化している:

      • テクニカルSEO
      • CRO(コンバージョン率の最適化)
      • 競合者分析
      • 分析
      • 広義のオンラインマーケティング戦略および実施

      有料検索、eメールマーケティング等、その他の領域も存在するが、上述した領域は、SEO業者がそれぞれのサイト、そして、クライアントのサイトで行ってきた取り組みのほとんどを網羅している。クライアントにサービスを提供し、そして、エージェンシーを始める人が増えるにつれ、一から出直すことが重要になる。.

      大きなエージェンシーを運営しているなら、分析の面で大きな違いはあるが、ここでは、一般的なフリーランサーと小さなエージェンシーに焦点を絞って、話を進めさせてもらう。それでは、私が推薦する手順を紹介していく(マーケットやブランドのメッセージ等を既に特定していると仮定し、ここでは価格設定/製品のみを取り上げている):

      • 維持可能な純利益を特定する。基本となる収益を幾ら入手したいだろうか?
      • 求めるスタッフの人数、および、予想される下請けのコストを基に、受け入られる利鞘を特定する。
      • 純利益を達成するために必要な粗利益を特定する。

      この方針を採用する理由

      純利益は、個人的にとても重要であるため、私は上述した取り組みを行う。量が増える度に、利鞘が薄くなるような、デジタルマーケティング業界のウォルマートにはなりたくない。

      例を用いて、この考え方を説明していく。まずは、次のシナリオを想像してもらいたい:

      ロードアイランドでの酪農業を引退し、新たに会社を作って、年に150万ドル稼ぎたい。

      この場合、会社に所属する唯一のメンバーとして、自営業者税の支払いが求められるため、従来のW-2「従業員」のカテゴリーよりも、多くの税金を支払わなければならない(ここでも出来るだけ状況をシンプルにするよう心掛けている)。公認会計士は、会社の状態に応じて、様々な選択肢を調査するものの、基準となる収益を特定する点に関しては、基本の計算は同じである。

      「収益」のみにこだわると、全体像を見ることが出来ない。短期、中期、そして、長期においてビジネスを運営する上で欠かせないのは、健全な利鞘である。それでは、再び例を挙げて、説明する:

      ジャックが運営するSEOエージェンシーは、2011年に100万ドルの純利益を得た。総売上は500万ドルであった。2012年、この会社は150万ドルの純利益を上げ、総売上高は、1000万ドルであった。

      一方、ジルが経営するSEOエージェンシーは、2011年、50万ドルの純利益を得た。総売上は200万ドルであった。2012年、ジルの会社は、150万ドルの純利益を上げ、総売上は、400万ドルであった。

      この場合、利鞘を基本的な計算((純利益/総売上)で割り出すと、次のような結果になる:

      • ジャックの2011年の利鞘は20%であった。
      • ジャックの2012年の利鞘は15%であった。
      • ジルの2011年の利鞘は25%であった。
      • ジルの2012年の利鞘は38%であった(純利益はジャックと同額)。

      1000万ドルの15%は、必ずしも恥ずかしい数字ではないが、現在のウェブマーケティングの状況下では、私ならジルのケースを望む。利鞘38%は、競合者への対応、アルゴリズムの変更、そして、値上がりする質の高い人材を確保するために必要なコスト等を考慮すると、全体的なビジネスの存続性を確保する上で有効に働く。

      この例では、年間150万ドルを「稼ぐ」点だけに執着すると、考えを誤る可能性が高い。すべてのスタッツを計算して初めて、望む利鞘を割り出し、価格モデルにある程度フィットする「製品/サービス」を「考案」する作業に取り掛かることが出来る。

      製品を作る

      SEO業者の関係者の多くは、様々な領域に身を置き、直接関与している。少なくとも、ほとんどのSEO業者は、具体的に参入して、「ボタンを押す」方法を知らなくても、特定のタイプのサービスを実行する「方法」を心得ている。

      SEO業者は、すべてのタイプのサービスを網羅しようとする傾向が見られるものの、まずは、コアの強みを調べ、製品として提供する上で、何が最も理に叶っているのか特定すると良いだろう。これからビジネスを始めるなら、白紙の状態から、この取り組みをスタートさせることが出来るが、特に大きな違いはない。

      やがて、直接的、間接的なものを含め、幾つかのタイプのコストに遭遇することになる。ここでは、分かりやすさを優先し、フリーランサー、または、一人で事業を行うと仮定する。その場合、サービスを売る際に、2つの主なコストが存在する:

      • 直接的なコスト(タスクを完成させるために、外部の業者を利用することで発生するタスク)
      • 間接的なコスト(自分自身の人件費、オフィスの利用料、保険、ツール、マーケティングのコスト等)

      正確に利鞘を特定する上で、マーケティングをプロジェクトの一環としてコストに含めるべきか否かに関しては、賛否両論がある。私は賛成派だ。コストとして計上することで、具体的な数字をより正確に出す効果が見込めるためだ。

      製品を以下の領域に絞ったと仮定しよう:

      • テクニカルなSEOの評価
      • SEOの競合者分析の評価
      • コンバージョンの最適化
      • コンテンツマーケティング

      その場合、次のツールを用意していると考えられる:

      • Screaming Frog SEO Spider(米国では、約158ドル/年の利用料を支払う)
      • Majestic SEOの購読料金(シルバープランの年間購読料金は588ドル)
      • Ahrefsの購読料金(プロの年間購読料金は約948ドル)
      • Visual Website Optimizerの購読料金(スモールビジネスプランの年間購読料金は約588ドル)
      • 競合者分析、コンテンツマーケティング戦略の計画および実行、SEOの評価を実施するために利用するRaven SEO Tools(年間1188ドル)
      • 接触、および、その他のリンク候補調査作業に用いるBuzzstream(年間1188ドル)

      他にも加えることが可能なツールはあるが、上述したツールを使えば、品質の高い製品を作り上げることが出来る。ツールに費やす年間のコストは4,658ドル、そして、月間のコストは389ドルになる(四捨五入)。

      必要と見なしたその他のコストにも、同じ公式を当てはめることが出来るが(年間および月間のコストの金額)、ここでは、分かりやすく「その他のコスト」に389ドル支払うと仮定する。

      知識 + ツール = 勝利

      ツールは、2部構成の数式の1部分である。知識を持っていない状態では、ツールは役に立たない。知識の取得にも、様々なコストが必要になってくる:

      • テストサイトを作る
      • カンファレンスに参加する
      • メンバーシップサイトに登録する

      知識を獲得するためのコストは、個人個人で大きく異なる。 上の全てのコストが合理的だと考える人もいれば、1つ、または、2つのみだと考える人もいるだろう。迷ったら、自分が持っているスキルに関連する選択肢を検討し、自分のビジネスにとって合理的なコスト(年間)を特定すると良いだろう。特定したら、この金額を先程推薦したツールのコストに足す。

      製品リストを分類する

      次に、提供している、そして、製品化している各種のタイプのサービスを詳しく見ていく。自分の人件費と外部の業者に費やすコストではなく、自分の人件費だけで済む可能性が高い。しかし、コンバージョンの最適化とコンテンツマーケティングには、恐らく、自分自身の人件費に加え、次のようなコストが加算されていくだろう:

      • ユーザーテスト
      • コンテンツの作成
      • コンテンツのデザイン
      • プロモーション支援
      • インタラクティブなコンテンツのプログラミング

      製品を作る際、私は以下の表を利用する:

      • GIは総収益
      • 税金はGI x (税率)
      • NIは純利益
      • GMは粗利益(E2/B2)
      • NMは売上純利益率(G2/B2)

      この例では、150ドルを時給に設定し、評価を40時間に推定している。直接的なコストと価格を調節し、求める利鞘を導き出すことが出来る。

      間接的なコストに関しては、現在のプロジェクトに分散することが出来る点を覚えておいてもらいたい。

      つまり、時折、価格表を見直し、現在のクライアントのリストを基に間接的なコストを修正することが出来る。この例では、現在、クライアントは抱えておらず、私のサイトは収益は上げていないため、この評価は、利鞘に対して、すべての間接的なコストを使い果たすことになる。

      しかし、それぞれのビジネスに都合が良いように製品を作ることが可能である。通常、私は自分のビジネスに有効な基準を見つけるようにしている。先程仮定した領域では、私なら各セクションからサブ製品を作る試みを行うだろう:

      • サイトのサイズと範囲に応じた評価(合計のページ数、eコマースサイト、動的かどうか等)
      • 現行の作業の合計時間に応じたコンバージョンの最適化、および、初回の評価およびフィードバックに対する複数の異なる価格
      • 各種のアセットに分類する必要があるスケールに応じたコンテンツマーケティング(動画、インタラクティブなコンテンツ、インフォグラフィック、レポート等)
      • 現行の作業に必要な時間数に応じたSEOの競合者分析、および、初回のリサーチ(または単発の概説)の範囲に応じた各種の価格

      各サービスにそれぞれ多くの変数があり、ここで全てをリストアップすることは出来ないが、概念は同じである。マーケットから始め、ターゲットのマーケットの「大半」を網羅する「取り組み」に分類すると良い。

      より効率良く仕事を管理する

      自分自身の時給を間接的なコストとして挙げたのは、稼ぎ出したい金額を手に入れる上で、月に働く基準となる時間数を設定するためである。獲得したい金額と働きたい時間数を組み合わせると、最低の時給額を導き出し、求める収益に応じて、調節して、最適な価格を打ち出す際に役に立つ。

      特定の製品を作る際に時給を用いると、特定の製品に必要な時間数を簡単に割り当てることが可能になる。各製品に時間数を割り当てる際は、次のように、仕事量を管理する上で効果的な複数の取り組みを実施することが出来る:

      • 新しいプロジェクトの見積もりを行う際に、現行のプロジェクトを基に、新しいプロジェクトに対する余裕があるかどうかすぐに判断することが出来る。
      • 事前に多忙が予想され、外部の支援を必要としていることが分かっているなら、提案の中に追加のコストを含め、事前に外部の支援を得る準備を進めることが出来る。
      • プロジェクトを引き受け、合計の時間数が必要な時間に足りている、または、超過していることが分かれば、後のプロジェクトで調整を行うことが出来る。

      各製品に必要とされる時間数を割り当てることで、仕事量を管理し、ピークの時間を円滑に過ごすことが出来るようになる。サービスに対する需要のピーク、そして、谷間の期間は確実に生じるため、ストレスを抑え、より多くの利益を得られるようにピークを過ごすことが出来れば、金銭面において、深い谷間を作らずに済むかもしれない。

      製品化が有効に働くその他の領域

      すべてのプロジェクトを個別に見積もる作業は、この上なく面倒だと私は感じる。

      見積もりを終えた後、署名する必要のある契約書、手配する必要のある請求書、そして、達成する必要のあるタスクのプロセス等が現れる。

      販売中の製品があるなら、遥かに自動化を行いやすくなる:

      • 送信する提案書のテンプレート
      • 契約書類
      • 請求書の手配
      • CPM/PMシステムへの新たなクライアントの案内
      • 完了し、割り当てる必要があるタスク
      • 会計ソフトで記録するクライアントごと、もしくは、仕事ごとの分野と仕事の設定

      時間のかかるプロセスではあるが、サービスを製品化すると、様々な領域でビジネスの役に立つ。


      この記事は、SEO Bookに掲載された「Productizing Your SEO Business」を翻訳した内容です。

      SEOに関わらずウェブマーケティング関連のサービスベンダーには事業をスケールさせる上で参考になる点が多い記事だったと思います。製品化というか、サービスを上手くシステム化できると様々な面で効率化が可能ですし、結果事業を成長させるきっかけになりますよね。私自身もSEOではコンテンツマーケティングやインフォグラフィック、CROではLPOに励んでいますが、日々勉強することばかりです。。 — SEO Japan [G+]

      Twitterの成長に陰り、Foursquareが分断、ロシアでブロガー規制、コカコーラのコンテンツマーケティング – 米国発ウェブマーケティング業界ニュース5月初旬号

      GW中に米国で起こったデジタル関連ニュースをまとめてお届け。ツイッターの成長が止まりつつある?という気になるニュースからGoogle+、久々に聞くFoursquare、そしてデータドリブン&コンテンツマーケティングの話題まで様々。 — SEO Japan


      The looming clouds over San Francisco represent the looming negativity around social networks

      今週の3分で読めるウェブマーケニュースでは、・Burger Kingの懐かしのキャンペーン、・Twitterの残念な第一四半期の収支報告、・Google+に関する推測に次ぐ推測、・Foursquareが2つに分かれる、・データ主導のマーケティング、・進化を続けるコンテンツマーケティング、・コミュニティ管理の現状、Googleの最新の特許の隠されたメッセージ、・ソーシャルネットワークの暗い未来等の話題を伝える。

      それでは、デジタルマーケティング業界に影響を与える関連するリンクをまとめて紹介していく。

      毎週、経営者の方々が、最新の変化、報道する価値のあるアイテム、そして、仕事で役に立つ可能性があるコンテンツを把握することが出来るように、テクノロジー、ソーシャルメディア、モバイル、デジタルコミュニケーション、そして、マーケティング業界の現在のイベントとトレンドに関するリンクを集めて、ニュースレターを提供している。

      他にも、役に立ちそうなリンク、ソース、または、アイデアを持っているなら、コメント欄で加えてもらいたい。また、Flipboardを利用しているなら、「This Week in Digital Magazine」を購読すると、リンクを入手することが出来るようになる。

      インダストリー

      プラットフォーム

      • Facebook
      • Facebookは、今週、f8 カンファレンスを開催し、Anonymous Login(匿名ログイン)機能 — 個人情報をシェアすることなく、アプリを試す機能 — の告知を行った(Facebook)。
      • その他にもSend to MobileやApp Links等の地味な機能の発表があり、 よりUXが簡素化されることが予測される(Fast Co Design)。
      • インタビューの中で、マーク・ザッカーバーグ氏は、開発者とFacebookの関係の進化、ビジネスと融合の成熟を力説している(Wired)。
    • Twitter
    • Google
      • 先週のニュースの後、Google+の未来を推測するメディアが続出した。しかし、Googleにインタビューを行っているメディアは一つもなく、曖昧な意見に過ぎないとして、全ての報道を批判する声もあった(Ars Technica、Amanda Blain)。
      • 先週、ヴィック・ガンドトラ氏が退社した後、Googleは、ここまで大きく報道されるとは思っていなかったのだろう。強力な広報戦略を優先して、策定する必要がありそうだ(SHIFT Communications)。
    • LinkedInは、16ヶ国で1万4000名以上の幹部を対象に調査を行い、2014年 LinkedIn Economic Confidence Outlookを作成した。内容に若干矛盾が見られるが、楽観的な結論が導き出されている(LinkedIn)。
    • Snapchatは視覚要素を通り越し、チャット機能、ライブ動画、そして、メッセージを時系列で並べることが可能なStories機能を加えている(Snapchat)。
    • Pinterestはビジュアル検索機能を立ち上げた。これは、Googleと直接競合する機能である(Read Write)。
    • Foursquareはアプリを2つに分割する決定を下した。既存のFoursquareアプリは、チェックイン機能を削除し、検索と発見に焦点を絞っている。一方、Swarmと呼ばれる新しいアプリは、ソーシャルヒートマップとして、近場の友達を探したり、チェックインして、ロケーションをシェアする機能を提供する(The Verge)。
      • ちなみにfour(4)のsquare(二乗)を2で割ると8になる。
    • マーケッターはInstagramから良い感触を得ているようだ。しかし、あらゆるプラットフォームで度を越した取り組みを行う傾向があるため、長続きするかどうかは疑問である(WSJ – CMO Today)。
    • 計測/基準/ビッグデータ

      • パフォーマンス主導のマーケティングは、データを使い、ブランド構築、そして、個別の顧客に対してUXを調整する(Google Think)。
      • ソーシャルメディアのデータを参考にして、事業を成功に導く5つの方法がこの記事にリストアップされている。この記事には、消費者の声に耳を傾けずに、自分のことばかり話す人物と言う、誰もが経験したことがある例え話も盛り込まれている(Econsultancy)。

      法律/人事

      • デジタル & コンテンツマーケティングの現状調査 2014によると、法律のプロは、情報に圧倒されているものの、顧問弁護士は、法律家が運営するブログを重要視しているようだ。企業ジャーナリズムの原則に従う弁護士が、綿密なコンテンツ戦略を策定する価値はあると見られている(Greentarget)。

      コンテンツ

      ブックマークする、後で読む、視聴するアイテム

      • 5回目のコミュニティ管理の現状レポートが公開された。標準化が実現するのは、まだまだ先のことだが、以前と比べると成熟が進んでいるようだ(Community Roundtable)。
      • 若干難易度が高いような気もするが、この記事は絶対に読んでもらいたい。Googleが申請した特許により、データ探偵の異名を持つクリストファー・ペン氏が筆を走らせた: 同氏曰く、GoogleのSEOに対するアルゴリズムの一部にブランドへの暗示的なリンクが含まれている – つまり、メディアのストーリーの中で、ブランドに言及する取り組みのことだ(SHIFT Communications)。
      • 随分と大袈裟だが、Google+が終焉の時を迎え、Twitterは精彩を欠き、そして、Facebookが切り離し戦略を画策している点を考慮すれば、ソーシャルネットワークが崩壊する理由を検証する記事が出て来ても不思議ではない。しかし、本当に崩壊しつつあるのだろうか(Computerworld)?
      • コメディアンのジミー・ファロンは、毎回ゲストと口パクバトルを繰り広げている。歌手のエマ・ストーンと対戦した今週のバトルは、僅か2日間で500万ビューを記録し、この記事を投稿する時点で、1100万ビューに到達しそうな勢いである。





      画像: 「Spirit」– Thomas Hawk(Flickr


      この記事は、Scott Montyに掲載された「This Week in Digital 5/1」を翻訳した内容です。

      ロシアの「ブロガーを厳しく規制する法律」って怖いですね。。。Foursquareがアプリを2つに分割、最近余り話題にならないと思っていましたが、これまでのモデルに限界を感じてのピボットでしょうか。コカコーラの編集室の話も記事を読んでみましたが、大企業が本格的にコンテンツマーケティングに取り組んでいることが実感できる内容でした。日本発のグローバル企業もこういった取り組みを今後進めていくのでしょうか?。。。盛りだくさんの内容でした。 — SEO Japan [G+]

      あなたのサイトのトラフィックを激増させる15種類のコンテンツ

      釣り気味のタイトルで恐縮ですが筆者が米国を代表するウェブマーケッター(流行言葉でいえばグロースハッカー?)のニール・パテルとなればその内容は見逃せません。集客に効果があると思われるコンテンツを分類してその方法と注意点まで紹介してくれた、グロースハックを実践してきた彼ならではの経験に裏打ちされた納得感ある記事です。 — SEO Japan

      content types

      コンテンツマーケティングは、ブログで記事を投稿するだけではない。 その取り組みは遥かに広範に及ぶ

      コンテンツマーケティングを始めたばかりなら、まずは、ブログを立ち上げ、記事を作成していこう。

      続いて、ブログがある程度認知され、成果を上げるようになったら、新たなタイプのコンテンツを投入していく。すぐに違いが現れるはずだ — 新たなトラフィックがもたらされ、ターゲットのビジターが訪れ、コンバージョン率は上がり、SEOは改善されていく。

      トラフィックを増やす15タイプのコンテンツを紹介する前に、幾つか知っておいてもらいたい点を挙げていく:

      • すべてのタイプを試す必要はない – フィットするコンテンツのタイプは、ブランドのタイプによって、そして、方法によって異なる。あるタイプが合わないと思ったなら、それで構わない。このリストは、絶対に必要な取り組みを並べたものではなく、可能性のあるアイテムを紹介することを意図している。
      • 恐れずに新たなチャレンジを行う – 時間がかかり過ぎる、難し過ぎる、あるいは、絶対にうまくいかないと思い、新しいコンテンツのタイプの利用を控える人達がいる。心配する気持ちは分からないではないが、とにかく試してもらいたい。 例えば、動画から着手したいなら、グリーンスクリーン、編集ソフトウェア、あるいは、プロ級のカメラを買う必要はない。iPhoneとYouTubeのアカウントを利用しよう。小さなことから始め、徐々にスケールアップしていけば良い。
      • 1つ選んで、スケジュールに組み込む – コンテンツマーケティングのスケジュールを組むなら、次回の編集カレンダーに以下のリストから1つか2つ組み入れておこう。計画しないなら、実行もしないだろう。 1つ選んで、今後4週間以内に試してもらいたい。
      • これは完全なリストではない – コンテンツのタイプではなく、アイデアとして検討することを薦める。 コンテンツが採用する形式よりも、アイデアが重要である。まずはアイデアを練り、続いて、採用する形式を検討しよう。コンテンツの種類は無限にある。独自のコンテンツのタイプを編み出すことだって可能だ。

      それでは、コンテンツのタイプを15点紹介していく… 続きを読む あなたのサイトのトラフィックを激増させる15種類のコンテンツ

      ニューヨーク警察がソーシャルメディア戦略を見誤る – 米国発ウェブマーケティング業界ニュース5月上旬号

      GW最初の記事は4月後半~5月前半起こった海外で話題のデジタル系ニュースをまとめて。 — SEO Japan


      Lotus Carroll's "Quiet Conversations" is a reminder of everything wrong wtih #myNYPD

      今週の3分で読めるウェブマーケニュースでは、・提案されたネットの中立性に関するルール、・ニューヨーク警察が不名誉なバイラル化を体験、・Facebookがモバイルの大幅な成長を発表/ジャーナリスト向けのツールを公開、・Twitterが新しいプロフィールを全ユーザーに公開、・Google+が最重要人物を失う、・読者の感情をグラフで表すツール、・訴訟といいね!のルールを元に戻したGeneral Mills、・優れたコンテンツマーケティングの秘訣等の話題を伝える。

      それでは、デジタルマーケティング業界に影響を与える関連するリンクをまとめて紹介していく。

      毎週、経営者の方々が、最新の変化、報道する価値のあるアイテム、そして、仕事で役に立つ可能性があるコンテンツを把握することが出来るように、テクノロジー、ソーシャルメディア、モバイル、デジタルコミュニケーション、そして、マーケティング業界の現在のイベントとトレンドに関するリンクを集めて、ニュースレターを提供している。

      他にも、役に立ちそうなリンク、ソース、または、アイデアを持っているなら、コメント欄で加えてもらいたい。また、Flipboardを利用しているなら、「This Week in Digital Magazine」を購読すると、リンクを入手することが出来るようになる。

      インダストリー

      • 米連邦通信委員会(FCC)はネットワークの中立性に対する新たなルールを提案している。このルールでは、ネットワークの管理に対する「営利的に見て妥当」な基準等、主観的なワードが用いられている(Electronic Frontier Foundation)。
      • New Voice Mediaが実施した調査によって、米国の消費者は、英国の消費者と比べて、劣悪なカスタマーサービスに関する苦情を広める確率が2倍高いものの、英国の消費者の方が、サービスに失望した際に、取引を止める確率が高いことが判明した(Beyond Philosophy)。
      • ニューヨーク警察は、#myNYPDハッシュタグでミームを始めたものの、住民の反対に遭い、しっぺ返しを食らった。不名誉な見聞が全米に広がっている(CNN)。



      プラットフォーム

      • Facebook 
      Facebook's mobile MAUs for Q1 2014 top 1 billion
      • Twitter 
    • Google 
      • Googleは、Chromeのユーザーが、好きなウェブコンテンツを保存し、共有し、整理するための機能をテストしている(The Next Web)。
      • Google+の生みの親とされるヴィック・ガンドトラ氏が、Googleを退社する。同氏の退社により、Google+は、製品化ではなく、プラットフォーム化が進むのではないか、と推測する声もある。元からその予定であったのではないだろうか(re/code、TechCrunch)。
    • Instagramが「Explore」タブのパーソナライズを進めており、動画に対するVineとの差別化を強化している(TechCrunch)。
    • LinkedInは認定マーケティングパートナープログラムの開発に着手し、マーケッターを集めようとしている(re/code)。
    • 計測/基準/ビッグデータ

      • 動画広告の計測が改善されるようだ。しかし、広告スポンサーは、Nielsen、もしくは、comScoreのいずれかの選択を迫られる。それぞれ独自の提携会社と方法を用意している(WSJ CMO Today)。
      • Facebookでの投稿に最も適した曜日は、金曜日であることが判明した(TIME)。
      • 読者の感情をグラフに表示することが可能なツール「FourScore」が誕生した((Nieman Journalism Lab)。

      法律/人事

      • General Millsは、消費者からの訴訟を阻止するため、ソーシャルチャンネルで法律関係の規約の内容を改訂した結果、強烈な反感を買った。現在、同社は、この批判に対応し、規約を元通りにしている。この出来事により、広報部門と法務部門の関係の重要さ浮き彫りになった(CNN Money and Holtz Communication + Technology)。

      コンテンツ



      ブックマークする、後で読む、視聴するアイテム

      • Googleの取り組みは、検索、eメール、YouTube、そして、Driveだけではない。「意外な14点のGoogleのトレンド」に目を通し、データを分析する方法、斬新なアイデアを生み出す方法、そして、業界にとって重要なトレンドを発見しよう(Mashable)。
      • ミッチ・ジョエル氏とスティーブン・ラパポート氏が、重要なデジタルの計測基準について、Six Pixels of Separation #406で語っている(Twist Image)。
      • 確立されたマーケットを破壊した存在としてAirbnbを分析することで、起業、および、守るのではなく、協力する必要性について考慮してみると良いかもしれない(OliverBlanchard.net)。
      • MBAを取得したばかりの人達が、Goldman Sachsで働きたい理由は、給与ではない(Harvard Business Review)。
      • 最高のタイミングとは、いつを指すのだろうか?その答えは、いつでもだ(Seth’s Blog)。

      解説

      今週は#myNYPDの失態に関する話題で持ち切りであった。会話にキャンペーンを無理やり押し込むと、失敗する点を身をもって学んだブランドは、過去にもあった。結局、耳を傾け、定期的に交流する –そして、敬意を持って接し、オーディエンスのニーズを満たすことを目指す — 企業は成功する。

      お馴染みのカクテルパーティーの例えで説明してみよう。勝手に会話に割り込み、自分のことだけを話すような人物は、嫌われる。もともと評判が芳しくないなら、尚更だ。

      画像: Lotus Carroll (Flickr)


      この記事は、Scott Montyに掲載された「This Week in Digital – 4/24 2014」を翻訳した内容です。

      ニューヨーク警察の件は、#myNYPDというハッシュタグをつけてニューヨーク警察の写真を投稿しようというキャンペーンを行った際に、男の人に複数の警官が乗りかかったふざけた写真に「無料マッサージはいかがですか?」というツイートをニューヨーク警察自ら配信した所、不謹慎だ、と問題になったそうです。アメリカの割に厳しいな、とも思いましたが、ニューヨーク問わず警察はたまに不祥事を起こしますし、人種問題も微妙に絡むことが多かったりするので、センシティブな話題なのでしょうかね。他は細かな話題が多かったですが、Facebookは相変わらず進化を続けているようです。 — SEO Japan [G+]

      ABテストの統計的な信頼性を簡単に計算するExcelツール

      LPOを中心に様々なウェブサイトの改善テストを行っているデータアーティスト社の社内資料「営業向け ABテストの統計学 データアーティスト」のプレゼン資料を一般公開しましたのでここにご紹介。ダウンロードして使えるABテストの統計的な信頼性を簡単に計算するExcelファイルもあります! — SEO Japan

      データアーティスト社では、ABテスト、多変量テストなどを駆使したウェブサイトのクリエイティブテストを行っていますが、スタッフ教育の一環で様々な教育用資料を作成しています。今回はそんな中から、基本的ながらも初心者には役に立つであろう、ABテストの信頼性に関する資料を紹介します。

      スライド資料:ABテストの統計学

      ・ABテストを1000回行った時のクリック率が3%、その信頼性は?

      ・ABテストを2つのクリエイティブで行った際、1000回表示でコンバージョン率が5%と3%だった、その信頼性は?

      ・コンバージョン率が3%だったページを 測定し直したら2.8%に下がってしまった、何故そうなった?

      ・・・などなど、ありそうで自信を持って答えるのが意外と難しい基本的なABテストの信頼性の考え方を学べる資料です。また自分で計算するのが面倒!という方のために、ダウンロードして使えるABテストの信頼性を簡単に計算できるExcelツールも用意しました。是非ダウンロードしてご利用ください!

      ダウンロード用:ABテストの信頼性を計算するExcelファイル

      SEOに関する情報はネット上に多数存在しますが、LPOやABテストに関してはティップス集はあっても、基本かつ実用的な情報は余り公開されていないと思いますので、今後も時々紹介していきたいと思います。社内資料で説明が足りなかったり、専門用語がそのままになっている点もあるかと思いますが、ご活用いただければ幸いです m(_ _)m — SEO Japan [G+]

      オーガニック検索におけるクリックスルー率の方程式

      検索結果ページのクリック率が表示されるタイトルや説明文で大きく変わる想像はつきながら、順位だけが圧倒的に注目されてきてしまったSEOの歴史。今回はっ検索結果ページでのクリック率を上げるための様々な要素について考えてみた記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

      中学生の頃、カール・セーガン博士のコスモスを本で読むのも、テレビで見るのも大好きだった。10回以上は確実に本を読んだはずだ。そして、テレビシリーズが地元のPBS局で放映される度にテレビにかじりついていた記憶がある。

      コスモスで一番記憶に残っているパートは、ドレイクの方程式だ:

      The drake equation

      ドレイクの方程式は、銀河系の地球外生命体の数を推測する方法であり、(惑星を持つ星の割合f(p)や生命体を維持することが可能な惑星の割合f(l)等)パラメータに分類し、その後、まとめて掛けることで算出する。

      セーガン博士がドレイクの方程式を説明する動画をユーチューブで視聴することが出来る。セーガン博士は悲観的にNを10と決めるものの(80年代前半はあまりよい時代ではなかった)、1分後には“数百万”にアップグレードしていた(短期記憶もまたいまいちであった)。

      数週間前にSMX イーストで誰かと話していたとき、オーガニック検索のコンバージョンの計測が、次のようにドレイクの方程式と同じように表現することが出来ることに気づいた:

      SEO Drake equation

      この方程式では、Cはコンバージョンの数であり、N(k)はキーワードを検索している人の数(またはキーワードのグループ)、f(I)は自分のサイトのリンクが表示されている検索が表示される割合(インプレッションとも呼ばれる)、f(CTR)は検索エンジンの結果のクリックスルー率、そして、f(conv)はクリックした後にコンバートする人の割合を示す*。

      そして、注目の多くは次の3つの要素に振り分けられると思った: N(k)はキーワードのリサーチに、f(I)はSEOの主要な目標、そして、f(conv)はユーザビリティとグラフィックデザインの領域だ。

      クリックスルー率の改善はその他の要因の効果を倍増させるにも関わらず、その他の三つの用語と比べ、クリックスルー率に寄せられる注目、または最適化は軽視されがちである。CTRに影響を与える要因の大半は、直接コントロールすることが可能である点、そして、ウェブサイトのユーザビリティに全く影響を与えない点を考慮すると、奇妙と言わざるを得ない。

      そのため、オーガニックの検索からユーザーをコンバートする要因として十分に活用されているものの、過小評価されていおり、しかも直接管理することが出来るアイテムと考えるなら、CTRに影響与えることが可能な様々な方法を詳しく調べ、コラムを1つや2つ綴る価値はあるはずである。

      この記事の残りは、検索結果のタイトルとスニペット、そして、この2つがクリックスルー率に影響を与える仕組みの説明に割く。来月のコラムでは、もっと多くのポイントを説明する予定だ。

      検索結果の基本的な構成要素は、バネッサ・フォックス氏が綴った記事で網羅されているので、気分を切り替えたいなら、もしくは用語の幾つかがよく分からないなら、目を通してもらいたい。

      タイトル & メタデスクリプション

       

      典型的な検索エンジンの結果の最も分かりやすく、そして、最も大きい構成要素は、タイトルとスニペットである。タイトルは、通常、ページのHTMLタイトルタグが採用される。スニペットは、複数のソースから採用されるが、巧みに綴られたメタデスクリプションタグから採用されるのが理想である。

      タイトルタグとメタデスクリプションは、通常、ブラウザで閲覧する際は見えない点に注意してもらいたい(開くタブの数が多い場合は尚更)。この2つの要素は、検索エンジンの結果に大きな影響を与えるが、注意していないと思わぬしっぺ返しに遭うので気をつけよう。

      タイトル & メタデスクリプションを無効にする検索エンジン

      上の例のスニペットは質が高い。よく説明されており、その結果、私はクリックして、ドレイクの方程式の記憶を手繰り寄せたのだ。

      しかし、私がソースコードをチェックして、スニペットがメタデスクリプションから採用されたかどうかを確認しようとすると、次のコードが出てきた:

       

      Non-ideal meta description

       

      つまり、タイトルはページから直接抜粋されているものの、メタデスクリプションは明らかに異なる。これはページのテンプレートの残されたボイラープレートテキストである。このテキストはサイトの様々な場所で掲載されているため、ページのコンテンツとは明らかに関係ないため、そして、あまりにも短く過ぎるため、グーグルはページ上のスニペットをこの結果のために生成した。

      通常、これは良い結果とは言えない。だからこそ各ページのメタデスクリプションに注意する必要があるのだ。以下に同じクエリのその他の結果を幾つか掲載する。ページの内容が伝わってくるメタデスクリプションは一つもない:

      Bad snippets generated by Google

       

      コンピュータにアドワーズの広告を書いてもらっても、コンピュータにサイトのスニペットを作らせるのは避けるべきである。

      クライアントのために評価するサイトの中で、タイトルとメタデスクリプションが重複していたためにグーグルやビングに無視されるサイトは多い。そのため、それぞれのページにこの2つのアイテムを作成することが肝要だ。

      リッチスニペットに関するSMX イーストのセッションで、グーグルのジャック・メンゼル氏は、グーグルが検索結果でタイトルを無効にするその他の理由を挙げていた:

      • タイトルが“クエリを基準として不明瞭”である(タイトルに重要なキーワードが欠けていると私は理解した)。
      • タイトルに企業名やサイト名が欠けていると、グーグルは後回しにする可能性がある。
      • タイトルがキーワードで“必要以上に最適化”されていると、グーグルはそのうちの幾つかを削除する可能性がある。

      メンゼル氏は、グーグルはユーザーの役に立つ場合のみタイトルを修正すると慎重に指摘していたが、ページが検索結果に表示される仕組みを出来るだけ自分で管理しておきたいところだ。

      タイトルと生成されるスニペットが同じケースも重複の問題点の一つである。このケースが発生すると、グーグルは1つの結果のみを表示し、残りを抑制する。そして、以下のメッセージを検索結果の下に掲載する:

      Google deduplication message

      これは、クエリに対してランクインしているページがあるにも関わらず、グーグルがその他のランクインしているページと区別することが出来ないために表示してもらえない点を指摘する憂鬱なメッセージだ(このメッセージは、サイトのページネーションに問題がある点を示唆する可能性があり、その場合はしかるべき対応が必要である)。

      タイトル内にキーワードを掲載

      ユーザーが検索結果に目を通し、クリックするサイトを決める際、じっくりと腰を落ち着けて、ワインを片手にユリシーズを読み、古典について深く考えを巡らすと言うよりも、猿が果物を探して木を見渡すような行動を取る。

      つまり、検索者は記憶の中に存在するキーワードをスキャンしているのか、もしくは“一部の人達のセオリーによると”キーワードの全体の形をスキャンしているのだ。

      この見解と、この指摘この指摘この指摘のように、典型的な検索エンジンの結果ページ上に残される視線追跡調査を組み合わせると、重要なキーワードはモンキースキャナー達に見てもらえる可能性の高いタイトルの冒頭に配置するべきだと言う結論に達する。

      (キーワードを左側に配置するアイデアを否定する議論を耳にしたことがあるが、私よりも心理学にのめり込んでいる人達にこの議論は任せておこうと思う)

      大きなサイトに対するスケールについて

      無数のページを持つサイトにおいては、一つ一つ固有で、意義深いタイトルを作成する戦略は現実的ではない。

      ページに関するアイテムに対するメタデータを使って、クリックスルーを強く促すような方法で自動生成しても問題はない。

      以下に先日私が見かけたタイトルの例を掲載する:

      私がウィロウグレンで家を探していたなら、この結果をクリックしたくなっていたはずだ。アプリケーションデータベースで自動的に生成された点は明白だが、固有であり、クリックスルーを促すことが考慮されている。

      今後のコラムでは、URL、ブレッドクラム、構造化されたメタデータ、アンカー、ソーシャルシグナル、文字コード、月の相等、クリックスルー率に影響を与えるその他の要因を取り上げていく予定だ。

      *このエントリを書き終えた後、バネッサ・フォックス氏が綴った書籍「マーケティング・イン・ジ・エイジ・オブ・グーグル」で紹介されているサーチャーペルソナのワークフローに似ていることに気づいた。さらにこの概念を詳しく知りたいなら、この書籍を読んでもらいたい。

      この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


      この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Clickthrough Rate Equation In Organic Search」を翻訳した内容です。

      最後の説明文の自動生成はECサイト等で導入しようと思えばすぐにできることですが、日本では意外と何もされていないままのサイトが多いようです。タイトルが矯正書き換えされてしまう最近の進化しすぎたGoogleではありますが、意図的な上位表示・順位争いに限界が来ている今日のSEO、改めて検索結果上のクリック率に着目してみる良い時期かもしれません。 — SEO Japan

      SEOとデザインシンキング

      シリコンバレーで最近話題らしいデザインシンキングのプロセスをSEOに適用して考えてみたSEO Bookの一歩上を進んだ記事を。企業やサービスに新たなイノベーションを興す手法として注目されるデザインシンキングを学べる記事でもあります。 — SEO Japan

      分析データばかりを参考にすると、未来を想像する際に、過去に囚われてしまうことがある。過去のパフォーマンスは、とりわけグーグルの気まぐれな変更に関しては、今後の成功を示唆するわけではない。

      問題を特定し、解決策を策定するべきである。しかし、過去を計測し、最高のソリューションを考案して、未来を予測しようとすると、明白なチャンスを失ってしまう可能性がある。

      デザインシンキング

      1972年、心理学者であり、建築家であり、そして、デザインの研究者の肩書きも持つブライアン・ローソンは、問題をベースに問題を解決する人と解決策をベースに問題を解決する人の違いを理解するため、科学的な調査を実施した。ブライアン・ローソンは、建築学部の4年生、そして、理学部の大学院生の2つのグループの学生を調査の対象に選び、色のついたブロックで1階建ての構造物を作るよう求めた。建物の周りには、出来るだけ赤か青のブロックを利用する必要があったが、配置やブロックの関係に関する具体的なルールは示されなかった。
      この調査の結果、次のことが分かった:

      科学者タイプは、一連のデザインの手法を試していた。このグループは、出来るだけ早く、出来るだけ多くの異なるブロック、そして、ブロックの組み合わせを用いていた。そのため、許される組み合わせに関して、提示された情報を出来るだけ活かそうと試みていた。許容されるブロックの組み合わせを左右するルールを見つけることが出来れば、デザインに関して、必要とされる色を出来るだけ活用する配置を求めることが可能になる。反対に、建築学部の学生は、適切に色が並ぶようにブロックを選んでいた。組み合わせとして受け入れられない場合、次に理想的な色のブロックの組み合わせが考案されていき、受け入れられる解決策が見つかるまで、この作業が繰り返し行われる。

      ローソンの調査に関して、ナイジェル・クロスは、「科学的な問題の解決は、分析によって行われ、一方、デザイナーは演繹的な推理を用いて問題を解決しようとする」と結んでいる。

      デザイナーの考え方は、問題ではなく、解決策を先に検討する傾向が見られる。問題ベースの考え方をする人達は、問題に対する一つの解決策を見つけることに力を入れるものの、デザインを意識する考え方を持つ人達は、共通するテーマに関する各種の解決策を提供する傾向がある。このように、2つのグループには、考え方の違いが見られる。

      グーグルでデザインを統括していたダグラス・バウマンは、グーグルは、決定を下す際にあまりにもデータを気にし過ぎると批判していた:

      エンジニアばかりが会社に集まると、問題の解決にエンジニアリングが用いられるようになる。各決定を単一の論理的な問題に例えるようになる。主観性をすべて排除して、データだけを見る…そして、このデータは、すべての決定に対する支えになり、会社を麻痺させ、デザインに関して勇気ある決定を下すことが出来なくなる…

      もちろん、データに基づいたアプローチに問題があるわけではない。しかし、このような考えに偏ると、機会を見逃してしまう可能性がある。「どうだった」よりも、「どのようになるのか」を想像すると、機会が自ずと姿を現す。もちろん、グーグルもこの点を理解している。だからこそ、同社は、未来を想像することに専念する部門、その名もグーグル Xを抱えているのだ。

      キーワード取集ツールには、必ずしも表示されていないものの、ユーザーが利用している可能性がある検索のワードは何だろうか?当該の分野で、半年後にウェブユーザーは、どんな検索ワードを利用するのだろうか?ああするよりも、こうする方が、消費者は、頻繁に連絡を取るようになるだろうか?コピーは顧客の共感を得ているだろうか?それとも、検索エンジンにしか認めてもらえないだろうか?グーグルが、検索リファラーのデータを伏せていることを考えると、キーワードを狙いに絞る取り組みは難しくなる。そのため、デザインシンキングが心強い味方になる。

      デザインシンキングのツール

      Designing For Growth」の著者、ジーン・リエドツカとティム・オーグルビは、作品の中で、データベースの方法以外で、機会、そして、ビジネスについて考えるためのツールを紹介している。直感に基づく、デザイン主導のアプローチの有名な支持者と言えば、まず名前が挙がるのは、スティーブ・ジョブズである。

      フォーカスグループを使って製品をデザインするのは難しい。実際に見せるまでは、何を求めているのか消費者自身が分かっていないためだ。

      iPhoneやiPadは、過去だけを考慮して作られたわけではない。この製品は、ジョブズが、消費者が何を求めているのか理解する才能を持っていたため、生まれた。ジョブズの判断が正しかったことは、売り上げを見れば分かる。

      デザインは、共感を得ることから始まる。そのためには、消費者の立場になって考えなければならない。つまり、実際に問題を抱える実際の人達を特定する必要がある。

      そのため、過去のデータをひとまず忘れ、消費者を観察し、消費者の声に耳を傾け、そして、消費者に語りかける必要がある。この取り組み簡素化させたいだろうか?それなら、消費者は、思いがけない方法で問題を表現することがあるため、キーワード、そして、事業に関するアイデアを豊富に用意すると良い。

      例えば、禁煙を、医学的な問題ではなく、健康問題のように、目標の設定の課題に挙げる人は多い。そのため、医学用語やキーワードをベースとした広告のコピーは、目標の設定や健康をベースとしたコピーほどの効果は期待できない可能性がある。このワードの違いによって、全く異なる広告コピーの世界、さらには、キーワードの世界が生まれる。分析データ、そして、キーワードのトレンドのみに頼っていたら、この異なる枠組みを利用しようとは思わないかもしれない。しかし、顧客候補に話しかけるだけで、割と容易にこの枠組みを見つけることが出来る。

      4つの問い

      問題に対処し、新たな機会を見出す斬新な手法を探しているものの、データ優先の考え方に行き詰っているなら、「Designing For Growth」を読むと良いだろう。特に目新しいコンセプトが提示しているわけではなく、また、時折、「最新の業界用語」として、ありきたりの考え方が紹介されているものの、基本的なアイデアは説得力がある。事実、幾つかのアイデアをSEOの問題に直接適応する価値はある、と私は思う。

      Designing For Growthは以下の問いを投げ掛けることを薦めている。

      何?

      何が現状を形成しているのか?ターゲットの消費者が解決を試みる問題は何か?Xeroxは、ファックスを発明した際、顧客自身が分かっていない問題を解決することに成功した。ポラロイドカメラにも同じことがいえる。電子レンジも同じカテゴリーに属する。消費者は、実際のこのような製品を見て、理解するまでは、問題を説明することは出来なかったかもしれない。しかし、消費者が直面している問題を観察していれば、問題があることは明白であったはずだ。例えば、消費者は、一般的なタスクを早く、そして、簡単に完了する手段を求めていた。

      現状について、業界について、消費者が、最も嫌悪感を抱いている点は何だろうか?消費者は、どのぐらいの頻度で質問を投げ掛けているだろうか?

      この情報をフローチャートを使って、描写することが出来る。ユーザー体験の現状を、問題に直面する時期、キーワードの想像、検索、結果の確認、結果のクリック、サイトの発見、サイトの利用、理想的な行動に至るまで、描いていこう。結果やステップを改善することは可能だろうか?

      ユーザビリティテストは、同じ方法を用いている。可能ならば、実際の消費者の行動を観察すると良いだろう。数名にインタビューを行い、質問を投げ掛け、消費者が用いる言葉に耳を傾けてもらいたい。データを収集することで、この情報の一部を拾うことが出来るものの、とりわけ、消費者がクリックしない場合、つまり、行動が起こされないケースは、分析データには、有益な形で表れない。そのため、直接観察した方が、遥かに多くの情報を得ることが出来る。

      もしも…?

      「もっと見た目が良い」デザインを考えてみよう。

      実用的なデザイン、そして、ある行動を妨げる制約について考えるのではなく、実用性と制約を度外視した場合の、理想的なソリューションのデザインを想像してもらいたい。

      例えば、絵を描く模型を作る、ストーリーを伝える手が考えられる。想像力を掻き立てることが出来るなら何でも構わない。感情、空想、そして、感覚を利用しよう。このようなプロセスを経ることで、スプレッドシートを睨むだけでは作ることが出来ないつながりを作ることが可能になる。

      大勢のユーザビリティテストのテスターが、ペルソナを作り出す。ペルソナとは、実際の顧客、もしくは、顧客候補をベースとした架空のキャラクターであり、顧客が探しているもの、解決しようと試みている問題、そして、サイトに期待するアイテムを理解するために用いられる。このキャラクターは多忙を極めているのか?教養を身につけているだろうか?インターネットを多用しているだろうか?自分のために買い物をしているだろうか?あるいは、代行しているのだろうか?感情的に反応する傾向があるだろうか?それとも、論理的に行動するタイプだろうか?このキャラクターはどんなインセンティブに反応するだろうか?

      実際の消費者に基づいている場合、ペルソナは特に有効である。じっくり見て、観察しよう。関連するケーススタディを調べてもらいたい。顧客から送られてきたeメールを遡って確認する手もある。絵コンテンツを使って、消費者が取る可能性のある行動や考え方を記録すると良いだろう。ストーリーは、モチベーションと思考を理解する上で、大いに役に立つ。

      競合者はどんな取り組みを行っているのか、どの点において、自分の会社よりも優れているのか?制約のない、最高の世界では、どのように表現されるのだろうか?

      何が感動を導くのか?

      「何が感動を導くのか」は、今後のソーシャルメディアとSEOにおいて特に重要である。

      質の低いサイトに関するマット・カッツの発言について考えてもらいたい:

      このようなサイトは、価値を加えていない。コピーしているわけではないが、新しい情報をもたらしているわけではない。このタイプのサイトが行ってきた取り組みに問題があるわけではないが、上位にランク付けされるなどと期待するべきではない。
      このような結果には、大きな違いがないため、グーグルは、そのうちの一つだけ表示する。そうすることで、検索結果に別のタイプのサイトを提供することが出来るためだ。

      グーグルのスパム対策を統括する立場にあるマット・カッツは、新たな価値の創造を強調している。サイト Aが、サイト Bとほぼ同じ情報を提供している名合、重複とは見なされなくても、大きな価値を加えているわけではない。その結果、新しいサイトが、「ほぼ同じ内容」として、格下げされる可能性がある。

      これは、Zygnaが歩んだ道のりとは正反対である:

      SF Weeklyに次のような一節が記されていた。「イノベーションなんか求めていない。競合者よりも賢いわけではないんだから、競合者の真似をして、同じ成果を得られるまで、真似を繰り返していればいいんだ」とZyngaの元従業員は、ピンカスCEOに話したそうだ。

      一般的に、有望なサイトは、深さ、そして、新たな見解を加えることで、オーディエンスを熱狂させることに焦点を絞るべきである。つまり、発言に値するアイテムを持つ必要がある。このアイテムこそが、ソーシャルメディア全体で言及され、リンクを増やしていくためだ。

      確実にこのような成果を得られるのだろうか?グーグルに関して言えば、確実なことなど存在しない。グーグルは、自由にサイトを下位に沈める権限を持つ。しかし、老舗のサイトと同様のコンテンツとリンクの構造を用いて、真似するだけよりも、オーディエンスを感動させる方が見込みはある。このような老舗のプレイヤーもまた、現在得ている注目、そして、ランキングを得るために、オーディエンスを感動させなければならなかったのだ。型破りな行動を取っていたはずである。要するに、同じ穴を深く掘るのではなく、新しい穴を掘り始めるべきである。

      SEOの世界では、変化は実験に基づいている。SEOは、繰り返し行う取り組みである。私達は、今後、どのような手法が有効なのか理解しているわけではなく、過去のデータがどんなに多くても、知りたい情報が得られるわけではない。それでも、テストを行い、効果のある手法を特定しようと試みる。サイトが上位にランクインしていないなら、上位にランクインするまで、別の手法を試すことになる。

      その結果…

      何がうまくいくのか?

      検索エンジンのユーザーは、積極的に行動を起こしているだろうか?広告のクリック、登録、または、購入等、取って欲しい行動を取っているだろうか?

      SEOは、この段階で、ほぼ目標を達成していると言える。数値化が困難な分野での実験 – アルゴリズム – は、SEOと切っても切れない関係にある。

      難しいのは、場所によって効果が異なる点であり、また、現代病と同じように — グーグルは、アルゴリズムで巧みに遅延を行っている:

      肥満、薬物乱用、喫煙等、多くの現代の病気は、共通する特徴を持っている: 病気を患う人達は、結果と原因が、大きな時間とスペースによって隔てられている点を理解することに失敗している。タバコを吸う度に腫瘍ができるなら、喫煙を始めにくくなり、反対に、タバコを簡単に止められるようになるはずだ。

      あるサイトのランキングが、他のサイトよりも安定しているのは、秘密を特定するのが難しく、同じリンクを手に入れるとペナルティーを与えられるためだ。同じ戦略とリンクが、別のサイトでは、うまくいくこともある。

      ユーザーの行動の変化は、SEOよりも、より直接的、そして、より早急に計測することが出来る。

      変化の実験を、顧客候補のユーザーと会話を始めるための機会と考えてもらいたい。つまり、「今回の変更を気に入りましたか?気に入った点を教えて下さい」と問いかければ良いのだ。プロンプトを使って、チャットを開始する、あるいは、調査に参加して欲しいと要請することも可能である。エンゲージメント(参加を介した交流)は多くのメリットを持つ。 すると、すぐに「戻る」をクリックされずに済み、ターゲットのオーディエンスが用いるワード、そして、問題点表現する形式が判明し、顧客について深く学ぶことが出来るようになる。その結果、顧客のニーズに敏感に反応し、共感を持つことが可能になる。

      デザインシンキングの向こう側にあるもの

      デザインシンキングには、他にもいろいろな要素があるものの、基本的には、常識に基づいている。顔のないデータに囲まれて身動きが取れなくなっているなら、新たな構想を加えると良い。

      デザインシンキングは万能薬ではない。シックスシグマがプロセスであるように、デザインシンキングもプロセスである。どちらも現代の企業において、それぞれ居場所がある。効率を求める取り組みは、今も行われている。事実、不況下においては、厳格に節約する機会を探す方針は、賢明である。

      このタイプの考え方の一番のメリットは、戦略の問題とデータの問題を分類し、顔を与える上で役に立つ点である。

      この世界では、デザイナーは今後も並外れた価値を創り出すことが出来る。デザイナーは、問題を解決するために必要な右脳と左脳、世界が何を求めているのか耳を傾けるために必要な嗅覚、そして、長期間に渡り、大きな軌道を描くために必要なデータベースを持っている(あるいは、持つことが出来る)。デザイナーは、方向性を明確に示し、分かりやすく、住みやすい世界を生み出す能力を持っている。


      この記事は、SEO Bookに掲載された「Design Thinking」を翻訳した内容です。

      過去のデータも重要ですが、それだけに囚われないアプローチも時に必要ですよね。SEO限らず全ての企業活動の参考になる内容でした。 — SEO Japan [G+]

      エンゲージメント・マーケティングの基礎知識

      数年前からたまに使われるようになりましたが、小難しすぎるのかバズワードになりそうでならなかった「エンゲージメント」という言葉。SEO Bookがエンゲージメントに焦点を当てたマーケティング活用をしようという記事を書いており内容も納得できるものだったのでここに紹介します。SEOはもちろんウェブマーケティング全般に通用する内容だと思います。 — SEO Japan

      エンゲージメントマーケティングは、トラフィックをサイトにもたらす行為とは別物である。ビジターがサイトにやって来たら、どうすればサイトにエンゲージ(没頭)してもらえるのだろうか?

      ペンギン/パンダアップデートが行われて以来、エンゲージメントのメトリクスは重要性を増しつつある。サイトを上位にランクインさせるためには、直帰 – すぐに“戻る”をクリック – は避けたい。ランキングが落ちてしまうためだ。ビジターをサイトの奥深くに導く必要がある。本当の意味でのエンゲージメントが求められているのだ。

      エンゲージメントのメトリクスは直接ランキングに影響を与えないとしても、エンゲージメントに対する最適化は必ずプラスに働く。オーディエンスにより没頭してもらえると、影響力を高めることが出来るようになり、その結果、メリットを得ることが出来るようになる。

      ビジターのエンゲージメント、そして、そのための最適化に関するアイデアを今回は幾つか提供したいと思う。

      対話

      ビジターは多くの選択肢を持っているため、長時間没頭させることは至難の業である。あらゆるニーズを1つのサイトに収めることは出来ない。1回、または2回のクリックですべてのニーズに対応することは確実に不可能である。そのため、すべてのチャンスを最大限に活かすために、エンゲージメントの要因を最適化するべきである。

      コンテンツベースのアプローチには問題がある。それは、トップダウンになる傾向が見られることである。ビジターは、配信されている情報を受動的に受けると推測されがちなのだ。しかし、エンゲージメントの中心は、双方向の会話である。エンゲージメントを促すためには、コンテンツを単純に提供するのではなく、参加を呼び掛けなければならない。

      ウェブは、情報時代から関係時代に移行しつつある。ソーシャルメディアによって、情報が新たな方法で交差していることが証明されている。情報は薄切りにされ、角切りにされ、再利用され、リミックスされ、そして、再提供されており、事実上、受信者を作成者に変えている。情報を消化する行為が情報を変え、そして、新たな情報を作り出しているのだ。クルートレイン宣言でも取り上げられているように、対話はこの新たな経済において欠かせない要素である。

      作者は、「歴史的に見て、市場は人々が集まり会話を持つ場所であった: 人々は手に入れることが可能な製品、価格、評価について話し合っていた。そうすることでつながりを持ったのだ」(2-5)と指摘していた。さらに、作者はインターネットに接続している人に対して、インターネットはこのようなバーチャルな市場に再び入り、同様のレベルのコミュニケーションを達成する手段を与えていると主張している。この環境は、インターネットが登場する以前のマスメディアの時代では、提供されていなかった(6)

      そして、この対話は大部分においてビジターによって決定される。確実にマーケティングを変えるだろう。オフラインの例を挙げよう。テレビやラジオのマーケティングの問題点は何だろうか?私達はコンテンツを見たり聞いたりしているが、マーケティングが常に割り込んでくる。これは煩わしく、混乱をもたらすだけである。

      エンゲージメントマーケティングは全く反対の試みを行う。マーケッターは、一歩身を引き、ビジターに求められた際にビジターと対話を行う。そのため、ビジターがエンゲージメントを始め、導くことが出来る方法を探す必要がある。

      ベンチマーク/成功を判断するメトリクス

      エンゲージメントを効果的に計測するにはどうすればいいのだろうか?

      まずは、エンゲージメントの現在のレベルを示すベンチマークから決める。グーグルアナリティクスのエンゲージメントリンクを確認する手もある。サイトに滞在する時間、1度の訪問で見たページの数、被リンク、ツイッターでのメンション、再訪問した人の人数、期間の新たなユーザーの人数、関心のあるカテゴリー、ページの深さ等が用いられることが多い。

      すべて役に立つ。このようなメトリクスを得られると、ビジターを魅了している気分になるはずだ。例えば、サイトを介して、ビジターの流れを精査することが出来る。障害 – エンゲージメントが決裂する場所 – を特定することが出来れば、この場所でのアプローチを調整して、障害を克服することが可能になる。

      しかし、このエンゲージメントが実際に効果があることを確認しなければならない。こういったメトリクスは事業の目標と一致しているだろうか?ビジターはサイトで長時間に渡って滞在しているかもしえないが、迷子になっていることが原因かもしれない。フェイスブックやツイッターでよく言及されているかもしれないが、実際に何かを買ってもらえているだろうか?ツイッター & フェイスブック上のメンションはブランド戦略としては素晴らしいメトリクスになるかもしれないが、コンバージョン戦略においては、少なくとも短期間では、また、単独では、あまり効果は見込めないだろう。

      エンゲージメントは、説明することが出来なければ意味がなく、また、事業の目標と一致している必要がある。計測するエンゲージメントのメトリクスを選ぶ際は、当該のエンゲージメントが目標を達成する上で役に立つのかどうか考えてみてもらいたい。また、目標を支援する上で、促進することが出来るその他のエンゲージメントのタイプがあるかどうかも自問してもらいたい。

      エンゲージメントにおける実用的な教訓

      この動画は、若干宣伝色が濃いものの、エンゲージメントの最適化における興味深い教訓が幾つか含まれている。

      この動画では、オバマ大統領の選挙事務局に加わる前にはグーグルに務めていたオプティマイザーのダン・シロカー氏は、エンジーメントを高めるためにメトリクスを用いた方法を明かしている。オバマ大統領の2度の選挙戦で、デジタルエンゲージメントおよび計測を効果的に利用したことが、良い結果につながった同氏は明かしている。選挙では基準値を確立する取り組みが用いられていた – 例えば、既に実施している行動を見て、調整や調節を加えてパフォーマンスを高め、結果を計測する。

      シロカー氏は、通常、エンゲージメントを最適化する上で次のようなルールが適用されることを学んだ:

      成功を定義することから始める – エンゲージメントの最適化の効果をどのように把握するのだろうか?望む行動をビジターが取ったかに関して、幾つかの定量化可能な計測を基に決定する必要がある。そして、こういった行動を事業の見返りに関連付ける。

      少ないと、多くなる – 選択肢を減らすと、ビジターはより没頭するようになる。この例では、欲しい情報を全て要求するのではなく、記入する必要があるフィールドを実際に必要なものだけに減らしている。 エンゲージメントを簡素化し、それによってエンゲージメントを強化する方法を考えてもらいたい。

      言葉は重要 – コール・トゥ・アクションに力を入れること。コール・トゥ・アクションは、ビジターにするべきことをそのまま伝えると最も効果が高い。明確に表現する必要がある。この例では、「無料のトライアル」と「無料で試そう」を比較した。すると、後者は14.6%改善したことが判明したようだ。明確なコール・トゥ・アクションであったことが改善された理由と思われる。しかし、“理由”はあまり重要ではない。重要なのは、あるコール・トゥ・アクションに対して別のコール・トゥ・アクションを比較し、良い方を確認することである。

      さっさと失敗するそして、安く失敗する。反復することが非常に重要である。柔軟に対応しよう。積極的に試すのだ。これは、多くの取り組みは、どれだけ利に適っていても、そして、考案したときはどれだけ合理的に思えても失敗すると言う推測に基づいている。

      そのため、失敗する可能性があるため、変更を加えることを躊躇するのではなく、チャンスを掴んで変更を行い、失敗するならさっさと失敗してしまおう。うまくいかないなら、早い段階で見切りをつけ、うまくいくまで別の何かを試すべきである。失敗したら、すぐに諦め、次に進もう。

      今すぐ始める – エンゲージメントについて語ることは簡単だが、さらに没頭してもらえるように行動を起こす方がよっぽど重要である。サイトを今以上に魅力的にするために今日できることがあるとしたら、それは何だろうか?その取り組みをすぐに実施しよう。テストしよう。そして、明日は別の何かを実施しよう :)

      この動画では、ダン・シロカー氏は、プロセスの変更点を中心に話を進めている。その他のトピックとして取り上げられていたのは、やはりウェブデザインであった。
      この記事は、あるデザインよりも好まれるデザインに関する意見を基に、デザインのエンゲージメントへの影響を説明している。

      エンゲージメントの原則に話を戻すと、テストが重要な取り組みに当たる。デザインを別のデザインに対して試し、望まれるビジターのアクションをベースにどちらのデザインがビジターを没頭させているのか確認してもらいたい。その際は、例えば、「ウェブサイトを介して、注文を50%増やしたい」等、事業の目的に沿ったエンゲージメントの計測を行う必要がある。

      ソーシャルメディアのエンゲージメントとは?

      ブログ、ツイッター、フェイスブックはエンゲージメントの目標を達成する上で貢献するのだろうか?

      投稿した記事を読んでいる人はいるのだろうか?いるなら、読者は記事を読んだ後何をしているだろうか?何もしていないだろうか?この分野で忙しなく行動を起こしている人達は多いが、大抵の場合、投資に対する利益はほとんどゼロなのが現状である。エンゲージメントにおいては、アクティビを計測するのと、そのアクティビティが何か意味があるのかを計測するのは異なる。

      問題の原因の一部は、ROIに焦点を絞っていないことだ。事業の目標を決め、次に目標を達成するためのソーシャルメディアのアプローチを考案する必要がある。例えば、「ツイッターのトラフィックが、慈善事業への寄付金になる」ことを目標として掲げ、ツイッターのトラフィックを計測し、良好な寄付に結びつける手が考えられる。

      これはメトリクスが紛らわしくなる良い例である。ツイッターのトラフィック、サイト上で過ごした時間、そして、アクティビティの深さを計測し、その結果がエンゲージメントの面では良くみえても、事業の目的に合っていないなら、実施する価値はあるのだろうか?サイトで過ごす時間が長いのは、良い兆候なのだろうか?ビジターに登録して欲しいものの、していないなら評価することは出来ない。

      エンゲージメントメディア & 戦略

      レリバンス(関連/適切)の代わりは存在しない。まずはレリバンスを実現しなければならない。ビジターを集め、貢献してもららい、戻ってきてもらうのはその次だ。

      MIT(マサチューセッツ工科大学)でコンペラティブ・メディア・スタディーズプログラムのディレクターを務めるアラン・ムーア氏は、この点を分かりやすく説明している:

      エンゲージメントマーケティングは、透明性 – 双方向性 – 即時性 – 円滑化 – エンゲージメント – 共同作成 – コラボレーション – 経験 – 信頼の上に成り立つ。こういったキーワードは、マスメディアからソーシャルメディアへの移行を決定づける要素である。マイスペース、ユーチューブ、セカンドライフ、その他のネットゲーム、市民ジャーナリズム、ウィキペディア、ポップアイドルやジャイミー・オリバーのスクールディナー等のテレビ番組の形式、ブログ、ソーシャル検索、ダブリンのギネスビジターセンターやコーンウォールのエデンプロジェクト(UK)、スーパーステイブルやツインズ等の携帯ゲーム、Spreashirt.com等の新たなビジネスプラットフォームは、すべてエンゲージメントを中心に据えた新しい社会経済モデルを実証している。

      効果的なメディアの例および戦略に従う上で、- 透明性 – 双方向性 – 即時性 – 円滑化 – エンゲージメント – 共同作成 – コラボレーション – 経験 – 信頼 – のうち、出来るだけ多くの要素を持っている必要がある。誰もが大手メディアの記事に対して投稿するコメントが極度に管理され、反映されまでに時間がかかり、イライラした経験があるはずだ。このような行為は、対話の即時性および信頼を損なってしまう。そのため、比較的オープンで迅速な市民メディアおよび報道に大手マスコミのビジネスモデルが苦戦を強いられるのは当然である。

      質の高いコンテンツ戦略を実施すると、ビジターはコンテンツを読み続け、ブックマークを行い、そして、戻ってくる可能性が高い。質とはもちろんのレリバンスのことだ。ライバルのコンテンツと自分のコンテンツと比較してみよう。当然ながら、ライバルのコンテンツよりも優れたコンテンツを提供する必要がある。ビジターが自分のサイトを去ったとしても、ライバルのサイトを訪れ、質が欠けていることに気づけば戻って来てもらえるだろう。

      動画とオーディオは同じ線上に存在するため、ビジターは一度サイトに没頭すれば、メディアが続く限り、没頭するだろう。同様に、ウェブ配信イベントは、ビジターが望むなら参加することが出来ると言うボーナスが加わるため、やはり没頭してもらえる可能性が高い。サイトで過ごす時間を伸ばすことが事業の目標に合っているなら、動画とオーディオは試してみる価値があるかもしれない。

      意見を述べる行為が好きな人達が大勢いる。そのため、意見を述べる機会を与えてあげよう。ブログのコメント、フォーラムがすぐに思いつく。ツイート、そして、それぞれのお気に入りのソーシャルメディアチャンネルでの共有を呼び掛ける手もある。チャットアプリを用意して、必要に応じて、直接フィードバックを求めることも可能だ。アマゾンの価値は、- 顧客に声を上げる機会を与えている(ネガティブであれ、ポジティブであれ)レビューシステムが支えていると言っても過言ではない。

      メーリングリストを活用しよう。メーリングリストは、購入後のアップセルおよびクロスセルに効果的である。アップセルとは、顧客にさらに高価な製品を買ってもらうことであり、クロスセルとは、既存の顧客にさらに別の製品を買ってもらうことである。例えば、私のもとには過去の購入履歴に基づき定期的に服の小売店から特別なディスカウントを知らせるメールが届く。こうすることで、私がサイトを去った後でもエンゲージメントは続く。なぜなら、この取り組みは私にとって適切であり、メリットがあり、押しつけがましくもない。既に獲得している顧客に気を配るよりも、新たな顧客を獲得するには遥かに大きな投資が必要とされる。従って、この価値を既存の顧客にもたらす方法を探し出してもらいたい。既存の顧客は受け入れる気持ちが強く、また、既に一度説得して関心を持ってらえているため、自ら関心を持とうとするだろう。

      ブランド。とてつもなく大きなトピックだが、エンゲージメントに関して、ブランドに少し注目してみよう。ブランドにとって最も重要なのは経験である。消費者は感情と考えをブランドに関連付けようとする。アップルのブランドは、テクノロジーであるだけでなく、ファッションであり、品質、そして、個性でもある。アップルは様々なレベルでエンゲージメントを作り出しているが、最も効果的なのは、アップルの製品を購入すると“仲間”になれた気持ちになる点ではないだろうか。賢明に作り出された「アップル vs その他のメーカー」の構造の中で、アップルに所属する感覚、そして、製品の購入を擁護する感覚および正しさを主張する感覚は、奥深いエンゲージメントを生む。

      仲間意識を育てる試みを行ってもらいたい。人間は心の奥深くでコミュニティを求めている。かつては地域でコミュニティの感覚を得ていたが、現在は、主に自分が所属するグループによって仲間意識が育まれている。


      この記事は、SEO Bookに掲載された「Engagement Marketing 101」を翻訳した内容です。

      SEO Bookだけに基礎知識という割には若干必要以上に長めの内容になっている気もしますが、日々トラフィック獲得に苦慮しているサーチマーケッターにとっては、そのトラフィックの価値を最大化するアプローチとして学ぶ・参考にすべきところが多い考え方だったのではないでしょうか。コンテンツマーケティングが注目されている最近ですが、記事にもあるようにコンテンツの提供のみに終わらず、コンテンツ経由でさらなるエンゲージメント、対話につなげていくことが重要ですよね。

      エンゲージメントレベルが高いサイトはGoogleのアルゴリズム的にも今後はSEOにも有利になりそうですし(って話を小さくしてはいけないのですが)、エンゲージメント・マーケティングと新たなバズワードを目指さずとも、エンゲージメントを意識したSEOやコンテンツマーケティングに取り組んでいきたいものです。 — SEO Japan [G+]

      病みつきになるアプリの18の要素

      隠れたIT&ベンチャー大国イスラエルで開催されたモバイルのマネタイゼーションに関するイベントで発表されたアプリが成功するための18の要素をここに紹介。シンプルながら人気アプリを産み出すヒントが盛り沢山? — SEO Japan

      Mattel's Angry Birds board game is on di

      モバイルを収入増加につなげるのは、難しい。アプリに広告を掲載する手もあるが、完璧なモバイル広告戦略を編み出した企業は、ゼロに近い。また、アプリに広告を追加する手法は、ユーザーにとっては、迷惑であり、不快そのものである。

      アプリに広告を掲載しても、利益にならないとまでは言わないが、それよりも、優れた、病みつきになるアプリを提供する必要がある。なぜなら、アプリをダウンロードし、利用する行為は、ユーザーに手間をかけるものの、消去するのは簡単だからだ。アプリを利用する価値をすぐに分かってもらえなければ、二度と使ってもらえないはずだ。

      さて、数週間前にイスラエル・モバイル・マネタイゼーション・サミットが開催され、モバイルのビジネスモデルを学ぶために、私は出席した。第三世界は、高額なコストのかかるラップトップをスキップして、3Gスマートフォンに飛び付いているため、モバイルは、世界を均一化する原動力となりつつある — 従って、この領域で収入を上げる取り組みは、最新の課題と認識されている。

      利益をもたらすモバイルアプリを作成していることを、どうすれば把握することが出来るのだろうか?残念ながら、それは不可能である。期待し、計画を立て、世界最高のビジネスモデルでサポートすることも出来る — しかし、単純な運任せよりも確率が高いかどうかを、体系的に確認し、判断することが可能な要素は存在するのだろうか?

      エリック・ライス氏(Lean Startupで有名なエリック・ライズ氏とは別人)が、この要素を分かりやすく説明してくれている。ライス氏は、The FatDUX GroupでCEO兼コンテンツストラテジストを務めている。そして、同氏は、UXに特に注目しており、アプリは、その中核において、真の価値を持っていなければならない、と考えている。

      それでは、ライス氏が掲げる、アプリの成功を示唆する「モバイルアプリの18点の要素」を挙げていく。

      基盤

      コンセプト

      • 手頃な価格 – 無料で提供しているなら、それ以上の良心的な価格はない。無料ではないなら、価格に見合う価値を持っているだろうか?
      • 利便性 – Evernote、もしくは、写真をファックスに変えるアプリ等をイメージしてもらいたい。頻繁に利用するわけではないものの、持っている必要がある。ここではゲームは当てはまらないが、Lumosityは例外だ。
      • 使いやすさ – そのアプリは、簡単に、そして、楽に理解し、使うことが出来るか?Instagram並に簡単に使えるだろうか?

      コンディション

      • ビジネスに不可欠(仕事に必要) – 会計ソフトが当てはまる。ゲームは該当しない。
      • 依存性 – ゲームは、ビジネスには不可欠ではないものの、病みつきになる。Facebookも病みつきになるアプリであり、個人的にはPinterestにものめり込んでいる。
      • 本質的な価値 – そのアプリは、極めたいと思わせるだろうか?eメールが良い例である — 例えばInbox Zero。これは、あらゆるアプリにとって、究極の目標だと言えるだろう(私自身はまだ到達していない)。

      コミュニケーション

      プラットフォーム

      • 紹介 – ブログ、Pinterest、Tumblr、LinkedIn、Dribbble – 作品・好み等を見せびらかすものは全て含まれる。
      • ルート – 何かを起こす力を持つ – Bufferは、オーディエンスにとって最高のタイミングで、様々なソーシャルプラットフォームに投稿を配信する。これはルートであり、目的地ではない。
      • ソーシャルシステム – Facebook、Twitter、Snapchat…社交的になる場所。他の人達とのつながりを持つ。

      環境

      • マーケットが明白 – そのままだが、例えば、子供用のゲームが該当する。
      • マルチチャンネル機能 – Evernoteは、オンラインおよびオフラインにおいて、ユビキタス化しており、この要素においては、模範的な存在だと言えるだろう。
      • チャンネル間のコンバージョン(ゲームを想像すると良い) – Disneyは巧みにこの取り組みを行っている。Where’s My Waterでは、購入することが可能なキャラクターやバージョン、そして、解除可能なレベルが用意されている。

      収益化

      手っ取り早い収益化

      • インセンティブ – Dropboxが良い例だ。 友達を参加させると、無料で容量を増やすことが出来る。
      • 見返り – アプリが求める行動を取ったユーザーには、ポイント、クーポン、バーチャルグッズ等で見返りを与える。
      • クロスセル – ここでもゲームが当てはまる。バーチャルグッズやプレミアムゲームをアプリ内で買ってもらおう。

      支払いの自動更新

      • 購読 – NYTimes等のメディアは、現在、購読モデルを提供している。
      • アップグレード – Dropboxのプレミアムサービス(例)。フリーミアムモデルでは、アップグレードを自動課金することが出来る。
      • 拡張性 – 例えば、Esty等のマーケットプレイスは、取引に対して少額の手数料を徴収するものの、金額に応じて、収益が変動する。

      ライス氏曰く、「問題を解決していないなら、問題を作っている」ことになる。

      私が絶対に遊びたくないゲーム、Candy Crush Sagaは、上の18点のうち13点を満たしている。このゲームを開発したKingは、依存性を見事に活用している。スタッツを調べなくても、この点は明らかである。なぜなら毎日のように、Facebookでこのゲームへの招待を受けているからだ(ちなみに、通知を既に無効にしているが、それでも右側のスペースで招待される)。

      さらに例を挙げていこう。西欧ではあまり知られていない日本のゲーム「Toshi」は6点の要素を、そして、Angry Birdsは7点の要素を持っている。Angry Birdsにあって、Toshiに欠けているのは、タイミングの良さであった。

      ライス氏によると、Rovioは(Angry Birdsのメーカー)、誰よりも早くモバイルを適切に利用し、Appleの寵愛を受けるようになった。これは、Rovioが、他社を圧倒するヒットを達成した理由そのものなのかもしれない。もちろん、これだけヒットすれば、フランチャイズ化が可能になる。

      皆さんのアプリと比較してみよう。最後に、コメント欄で考えを聞かせてもらいたい。

      画像: ROBYN BECK/AFP/Getty Images


      この記事は、The Next Webに掲載された「How to check if your app is addictive enough to make money」を翻訳した内容です。

      どれも納得はできるのですが、ここに書いてある多くの要素に該当せずとも成功したアプリもあるでしょうし、これらの要素があるからヒットするというよりは、ヒットするアプリに該当する要素の例、にも聞こえますけどね。とはいえ、リリース前のチェック項目リストとしては参考にしてもヒントがあるかもです。 — SEO Japan [G+]

      今と昔で変化した「小学生が好きな食べ物」(インフォグラフィック)

      食に関するインフォグラフィックでおなじみの「ぐるなび」が、昭和と平成の小学生の好きな食べ物を比較したインフォグラフィックを公開しています。第1位はもちろんカレー!第2位からはランキングに変化がみられます。– SEO Japan

      最近の小学生はちょっと贅沢?
      詳しくはインフォグラフィックを全体で見てもらった方が早いですが、今の小学生が好きな食べ物は、1位カレーライス、2位寿司、3位鶏のから揚げ、4位ハンバーグ、5位ラーメン。2位に寿司がランクインしているとは、昔と比べて贅沢な物を食べているなと思う人もいるかもしれません。では、昔の小学生(昭和20-30年代生まれ)はどうでしょうか?
      今と昔でどう違う?こどもの好きなもの、嫌いなもの

      ※画像をクリックするとぐるなびのサイトに飛び、全体をご覧いただけます。

      昔の小学生は、1位カレーライス、2位オムライス・ハンバーグ、4位卵焼き、5位ラーメンでした。どちらも5位以内にラーメンが入っているのも興味深いですね。

      今と昔でどう違う?こどもの好きなもの、嫌いなもの
      嫌いな食べ物を食べない時の指導方法も、今と昔で変わってきているようです。今の小学生は、約65%が「少しだけでも食べなさい」と指導されているのに対し、昔の小学生は36%が「残さず全て食べなさい」と指導されていました。今はアレルギーが増えているので、親の考え方も変わっているようですね。

      今と昔でどう違う?こどもの好きなもの、嫌いなもの
      ※本インフォグラフィックは、弊社がデザインをお手伝いさせて頂きました。

      このインフォグラフィックは、5月5日「こどもの日」に合わせて作成されました。こどもの成長を祝う日に、美味しい料理を食べながら、食について家族で話してみるのも良いかもしれませんね。 — SEO Japan [G+]

      人気ニュースメディア運営者が教える注目を集めるプレスリリースの極意

      最近新サービスのリリースに関わっていたこともあり、プレスリリースの確認の機会が何度かあったのですが、タイムリーにプレスリリースのティップスをニュースメディアの運営者自ら伝授してくれた記事を見つけたのでここに紹介します。PR作業の基本中の基本であるプレスリリースですが、効果的に活用できている企業は意外と少ないのではないでしょうか。メディア視点のアドバイスから学べることは新人からベテランまで多いかも。 — SEO Japan


      [コンラッド・エグサによる寄稿]

      まずは、この記事を寄稿する機会を与えて頂いた、スコット・モンティに感謝の意を伝えたい。

      現在、企業のPRは、今まで以上に重要度を増している。この記事では、皆さんの企業のPRをさらに改善してもらうことを願って、PRのプロセスを分解して説明していく。

      今回の投稿は、VentureBeatのライターとしての経験、 南米で2番目に大きな英語のニュースメディア「Colombia Reports」の共同オーナーとしての経験、そして、マーケティング代理店のBrownstein & Egusaの創設者としての経験を基に綴っている。 質問がある方は、コメント欄で尋ねてもらいたい。喜んで答えさせてもらう。

      PRのプロセスの概要

      企業は、待望の発表を行う際、プレスリリースを介して、メディアに伝える取り組みを行う。ジャーナリストのeメールアドレスにプレスリリースを送る企業もあれば、techcrunch.comのように一般的なメディアに接触する企業もある。

      企業にとって難しいのは、ジャーナリストには、同じように大勢の消費者に知ってもらいたい企業から、多くの依頼が舞い込んでいる点である。

      そのため、ターゲットのオーディエンスに接触する前に、狙いがはっきりしない、あるいは、適切ではないeメールを読むことに飽きた、疲れ気味のレポーターに注目してもらわなければならない。

      この記事では、メディアで会社の特集を組んでもらう方法を説明していく。PRのプロセスでは、以下の構造が適用されることになる:

      1. ジャーナリストに接触するべきストーリーを認識する。
      2. 説得力のあるプレスリリースを作成する(冒頭から)。
      3. 知名度の高いメディアでの独占記事を確保する。
      4. さらに取り上げてもらうために多くのメディアにeメールを送信する。
      5. 3-4ヶ月おきに、このプロセスを新たな告知で繰り返す。

      全てのニュースが取り上げる価値を持つわけではない

      PRに初めてアプローチする際は、ジャーナリストに接触するべきストーリーを特定する必要がある。

      残念ながら、ジャーナリストは、会社のニュースに興味を持っていない。例外はあるものの、例えば、ホームページのデザインを変更したニュースは、TechChrunchで取り上げてもらえないはずだ。

      メディアに、常に登場することは重要だが、取り上げもらえる可能性が低いストーリーをジャーナリストに宣伝していると、信用を失ってしまう。

      取り上げてもらえることが多い告知のタイプを以下に挙げていく。実際に該当する告知を用意しているなら、PRを行うために活用してもらいたい:

      • 会社の創設
      • 資金調達
      • 製品の立ち上げ
      • 買収
      • 販売の目標達成(モバイルデバイスによる250,000回のダウンロード等)

      冒頭から全力を出す

      ストーリーを特定したら、次に、プレスリリース、つまり、ストーリーをジャーナリストに説明するためのメディアの作成に取り掛かる。

      取り上げてもらいたいなら、ジャーナリストがオーディエンスに向けて記事を書くことが出来るように、ストーリーを受け入れてもらえるeメールとプレスリリースを作成することを肝に銘じておくべきである。

      現実の世界では、どれだけ第一印象が重要であっても、後で挽回する機会が与えられる。しかし、プレスリリースには、このルールは適用されない。

      1行目で、後続の文章を要約する必要がある。なぜなら、1行目で要約に失敗し、説得することが出来ない場合、残りの文章を読んでもらえる可能性は事実上ゼロになるためだ。

      プレスリリースの1行目では — なぜ注目する必要があるのか?と言う疑問に答えなければならない。これが「ストーリーライン」と呼ばれるものだ — 業界にとって、そして、読者にとって、会社、または、製品の何が、そして、なぜ重要なのかを説明することになる。

      ストーリーラインの例を紹介しよう:

      スタンフォード大学の博士号取得者 & パートナーは、言語のオンライン学習に革命を起こすことを目指し、2年の開発期間を経て、Lingua.lyに対して500,000万ドルの資金を調達することに成功した

      大胆に、そして、興味を引くことが重要である — 曖昧になり過ぎるのは良くないが、かと言って、過度に具体的な情報を提供するのも良くない。説得力のあるストーリーを求めて、大量のeメールに目を通すことに疲れて切っている人物に注目してもらう必要がある点を忘れないでもらいたい。

      1行で、書き手/読み手は、書く価値のあるものが存在するかどうか、そして、読む価値のある良質なストーリーがあるかどうかを判断する必要がある。

      社会的証明

      プレスリリースで社会的証明を提供するスキルが、成功を左右する。ジャーナリストは、自分、もしくは、会社のことを何も知らないと仮定しなければならない。

      有名な大学を卒業したなら(スタンフォードやハーバード)、知名度の高い会社に勤務したことがあるなら(Facebook、Twitter)、何らかの賞をもらったことがあるなら、あるいは、経歴で何かしら特筆すべきことがあるなら、早い段階で紹介しておこう。

      上のストーリーラインでは、この会社の創設者がスタンフォードの博士号を持っていることが分かる。ジャーナリストの注目を出来るだけ早く掴むことが肝要である。

      最終的に多くの情報を伝える

      質の高いストーリーを作るために必要な情報を全て手に入れた(そして、その他のデータを得るために、調査する必要がない)と自信を持って言える状態が理想的だ。

      強調するべきポイントの概要を提供したら、次に情報を与える必要がある。出来るだけ多くの情報を与えよう。公平な視点で、この作業を行えば、ジャーナリストに、情報をより信頼してもらえるようになる。ここに具体的なプレスリリースの例を用意しているので、興味があるなら、是非チェックしてもらいたい。

      独占記事を使ってPRにアプローチする

      現代のニュースは、熾烈な競争を繰り広げる、多忙な業界であり、最新のストーリーを伝えるためにあらゆるメディアがしのぎを削っている。

      プレスリリースを配信したいなら、特に人気の高いメディアに告知への独占的なアクセス権を与えることを薦める。

      疲れ切った、過労気味のライターは、その他の大勢の疲労困憊のライターに売り込まれていることを感じると、そのストーリーに飛び付かなくなる。一方、オリジナルのコンテンツを伝える唯一のチャンスを与えると、注目してもらえる確率は高くなる。

      大半の企業は、独占によって、注目度を高め、適切なソースに取り上げてもらえるようになる。

      PRをドミノのようなイメージでとらえてもらいたい。 間違った駒を倒しても、何も起こらない。しかし、正しいメディアでストーリーを配信すると、規模の小さなメディアが後を追うようになる。運が良ければ、大手メディアが、探りとして利用している業界固有のソースからストーリーを取り上げる可能性がある。

      さらにメディアへの露出を要請する

      独占記事を確保して、記事がオンラインで配信されたら、その他の多くのメディアにeメールを送信し、掲載を要請すると良いだろう。 無料のテクノロジー分野のライターのリスト(eメールアドレスとTwitterのハンドル名付き)を時間をかけて集めたので、活用してもらいたい。

      3-4ヶ月おきに報道する価値のある重要なストーリーを用意することが、PRの目標である。これを実現することが出来れば、トップ 10%どころから、1%に食い込むことが可能になるはずだ。

      最後になるが、今一度、この投稿の機会を与えて頂いたスコット・モンティに感謝の意を伝えたい。私が答えることが出来る質問をお持ちなら、コメント欄で問い掛けるか、あるいは、conrad (at) brownsteinegusa.comにeメールを送り、尋ねてもらいたい。


      この記事は、Scott Montyに掲載された「PR Advice from Former VentureBeat Writer」を翻訳した内容です。

      プレスリリース、何となくフォーマットに合わせて無難にまとめ、一括配信サービスを使って大量にばら撒いて終わり、という流れ作業になってしまっている人も多いのではと思いますが、メディア視点で「ニュースに取り上げられるリリース」を作るためのアドバイス、私自身も色々反省と改めて気づきのあった内容でした。 — SEO Japan [G+]