ソーシャルメディア全盛の時代、インターネットで自身のオーソリティを築くことがかつてない程、重要になってきました。誰もが欲するこの「オーソリティ」ですが、SEOの上位表示やソーシャルキャンペーンの一発ネタで成功する以上に難しいチャレンジであることは間違いありません。今回は米国の超人気ブログCopyBloggerで執筆する自らも一定のオーソリティを確率した筆者が、改めてオーソリティの築き方について考えた記事を。内容の薄いリスト記事とは一味違う、考えさせられる内容です。 — SEO Japan
1983年ごろの深夜のトークショーのセットを想像しよう。
デブでひげ面のアレン・ギンスバーグがインタビュー席に座っている。ハゲた頭の側頭部からは手入れしていない長髪が伸び、眉毛は、眉からサンザシの花が咲いているかのようにボウボウだ。絞り染めで染めた穴の開いたTシャツを着ている。指にはニコチン樹脂が染みついている。
ギンスバーグは、ジェネレーションギャップについて話したかった。若者が直面しなければならない問題について彼が言っていたことは、実際にかなり理にかなっていた。
しかし、誰も彼の言うことを真面目に聞かなかった。単に彼は、信頼できる専門家であるようには見えなかったのだ。
元マーケティングリサーチャーのギンスバーグは、確かに伝説の詩人のように見えた(実際にそうだった)。でも、誰も聞いていなかった…
もう一人の専門家
時は2003年へと進む。ここに彼がいる:完全なハゲで、黒い長袖のシャツをブルージーンズに入れている。今回は、TED―地球上で最も名高い講演会―でスピーチをしているセス・ゴーディンだ。
8分間の流れるような完璧なプレゼンテーションの中で、Sethは自分のアイディアを広める方法について説明する。当然彼は自分が話していることについて分かっている。さもなければ彼はTEDで話すことに招待されていなかっただろう。
Business Weekは、彼は情報時代の究極の起業家であると言った。Forbesは、彼は“Web上で神格化された人、ベストセラー作家、超人気講演家、成功した起業家、尊敬されている博識者、注目のブロガー”であると言った。
彼は、現代広告のためのマニフェスト、Permission Marketingを書いた。[編集者注:まだ読んだことがないなら、読むこと] 彼はこのトピックに関する信頼のおける専門家であると言っても控えめなくらいだ。
ゴーディンは、ブログのいわゆる12のルールのうち7つを破るが、許されている。なぜなのか?彼は、何年もの間来る日も来る日も姿を現して素晴らしいもの―いわゆる自分のアイディアを上手く文字で表現したもの―を届けることによって、絶大なオーソリティを得たのだ。
あなたと私はまだそこには到達していないのかもしれない。もし私たちが、無名の時代から抜け出す方法を見つけたいのなら、自分自身のオーディエンスのために戦わなければならない。ゴーディンがしたように、オーソリティを獲得しなければならない。
私たちは、医者や会長や教授のような肩書をオーソリティと見なす。それは、警察官の青や病院の白や、司祭の黒のような服装や色にも表れる。
人々は、オーソリティのある人の話を聞く。そして、それはオンライン、特にウェブサイトにも同様に当てはまる。
他のライターを真似することではオーソリティは築けない。それがどんなに優れたものだったとしてもだ。しかし、いくつかの証明済みの実践に従うことによって自分の影響力を高めることはできる…
1. 自分自身の関心に反して行動する
あなたが明確なアジェンダを持っている時、人々はあなたが言うことを話半分に聞く。それは、母親が自分の息子は近所で一番賢いと言っているようなものなのだ。
しかし、時々自分の短期的な関心に反して行動をすることによって、あなたはこの懐疑的態度をいくらか分解することができる。一つ例を挙げよう…
数週間前、ラミット・セシが自分の購読者にこんなメールを送った(“1日がもう1時間長かったらあなたはどうしますか?”という件名で):
私はわざわざ積極的に、人々が私のプレミアムマテリアルに参加するのを阻止している。もし彼らがクレジットカードによる借金を負っていたら、私のフラッグシップコースに参加することを許可しない。もし彼らが私に背いて参加したことが分かったら、私から二度と何かを購入することを禁止する―命懸けで。
これには、年間何十万ドルものコストがかかるが、それは正しい行動だ。
時に彼らは、それを買う金銭的余裕がない。時に彼らは、心理的に準備が整っていない。時に彼らは、人生における大部分の違いを作る場所にいない。
なぜか?正気な人間なら、自分のマテリアルは全ての人に適していないとおおっぴらに言って、年間何十万ドルも拒絶するだろうか?
ここで、自己の利益は、ラミットは入って来る全てのお金を受け入れるべきだと言う。彼の見込み客は大人だ―彼らは自分で自分の決断をすることができる。自分のプログラムは借金から脱したり、財政的に成長するのを助けると言って合理的に説明することも可能だ。
しかし、彼はそうしない。彼は、これらの人々を気に掛ける。そして、コミュニケーターが何も得ない時―もしかすると何かを失う時、私たちは彼もしくは彼女を信用するのだ。
これは、60年代の広告エージェンシー、Doyle Dane + Bernachが世界で最も醜い車を販売する時の方針でもあった。彼らはその機能不全を堂々と見せた。あなたが長所の前に短所について述べる時には、議論への抵抗は低くなり、より多くの信用を生み出す。
2. “コンバート・エフェクト”を試す
あなたが信じやすいのはどっちの人か:
- オリンピック代表レベルの両親に育てられ、昔から痩せていて、自信があって、スター勢揃いの高校と大学に通っていたアスリートで、毎日フライドポテトを食べて7分間40フィートの階段をダッシュするというフィットネスプログラムを強く勧めている人
もしくは、
- バーベルよりもバーベキューに興味のある家族の中で育ち、人生を通して肥満に悩んできた気弱な人が、同じプログラムを強く勧めていたら?
あなたが二人目を選ぶことは絶対に間違いない。彼らにはより説得力がある。なぜなら、彼らは健康なアスリートとして人生を始めたのではないからだ―彼らは、カウチポテトとしての人生を始めたあとにその立場を転換したのだ。
最初から最後まで全ての道のりを歩んだ人には、より信ぴょう性がある。私たちは、自分と同じ苦労をしたことのある人に親近感を持つ。それが、自分も同じように変容することができると確信させるため、私たちはその転換に自分を重ね合わせる。
3. その気がないふりをする
大部分の顧客は、あなたが自分たちを楽しませることを言うのを期待する。それがあなたのアドバイスの大部分が無視される理由だ。彼らは、ほんの少しの必死さにも気付く。ほんの少しこびへつらっても。そして、あなたを追い払うのだ。
これは、交渉の際に“私はフレキシブルです”と言うことを私がお勧めしない理由の一つだ。それを言うと、相手はあなたがお金のためなら何でもするのではないかと思う。あなたがクオリティや完全性を大切にしないと。つまり、あなたは、安く買われることになる…。
ウィリアム・ジンサーは、著書のOn Writing Wellの中で、多くのエディターが自分と一緒に仕事をすることを好んだのは、自分が自らの仕事を守ったからだと記している。彼は妥協をしない。そして、雑誌に掲載する前に変更するように言われた時には、彼はそれを引き上げてお金を諦めるのだ。おかしなことに、これらの人達は彼を追いかけた。
あなたは、自分のハードワークを守って要求を拒絶し、自分の主体性と完全性を維持する時に、見込み客と顧客に大いに貢献する。人々は、あなたがごますりのために必死に頑張っているのではないため、あなたが実際に自分たちのためを思っていると分かるのだ。
4. 誰かに影響を与えることを避ける
あなたは、人々に影響を与えないことによって、彼らに影響を与えることができるということを知っていただろうか?
例えば、あなたは、隣のテーブルにいる身なりのきちんとした二人の人物の間でささやかれた会話で内部情報を立ち聞きした場合には、同じ情報を電話をかけてきたブローカーから聞くよりも、とある株を購入するというアドバイスを受け入れる可能性が高い。
何の見返りも求めずに大量のハイクオリティのコンテンツを与えれば、製品の宣伝をする時が来た時に、もっと温かい歓迎を目にするだろう。
5. 1つの目立ったクオリティで評判を築く
あなたの評判は、1つの優れたクオリティ―戦略的思考とか説得力とか―に基づいたシンプルなものであるべきだ。これがあなたの名刺になる。それは、あなたが誰であるかを知らせ、人々を黙らせて話を聞かせる。
セス・ゴーディンには、重要なアイディアを情熱的に広めるという評判がある。そうやって彼はTEDのオーディエンスの前に立って彼らを魅了する機会を得た。そうやって彼はNew York Timesのベストセラーを何回も出すことができる。
アレン・ギンスバーグは、彼の過激な個人主義によって注目を集めた。公民権を奪われた若者は、彼の話に群がった。(彼らの親はそうでもなかった。)
自分を定義する1つのクオリティを発見し、それに身を粉にして取り組むのだ。
6. 注目を求める
パブロ・ピカソは、人混みに紛れるということをひどく恐れた。そのため彼は、自分の名前が特定のスタイルに結びつき始めると、新しい絵画スタイルでその認知をわざと破壊する。
つまり、彼は自分の評判を壊して、自分自身を作り直したのだ。
自分自身を再構築することを恐れるな。自分を月並み以上に持ち上げるその1つの優れたクオリティに注意を向けることを恐れるな。
もちろん、あなたは攻撃されるかもしれないし、中傷されるかもしれない。心配はいらない。その運命は、無視されるよりはずっとましだ。全ての専門家(内向的な人さえ)は、ほんの少しのエンターテイナー性を持っていなければならない。
オーディエンスは、伝説的な人を求める。
7. 自信を持つ
2番目の項目に出てきた臆病な人を覚えているだろうか?ポテトダイエットで体重を落としたかつて太っていた最高のアスリートと1日12分の階段運動は?
もし彼女が不安なコミュニケーターだったなら、その仕事は決してうまくいかないだろう。
あなたが物怖じしない自身のあるコミュニケーターであればあるほど、人々があなたの言うことを受け入れる可能性は高くなる。例えば、自分のコンテンツ内にある保険的な言葉を取り除くのだ。ウィリアム・ジンサーが、保険の究極の例としてこんな文をシェアしている:
Any yet, on balance, affirmative action has, I think, been a qualified success.
13語の文の中に5つの保険的な言葉が入っている。
それはしてはいけない。
自分が考えていることを言うのだ。そして、バックボーンと共にそれを言うのだ。オーディエンスは、説得力のある人を求めている。それは、あなたにとって重要な人たちを満足させるだろう。そして、あなたにとって重要ではない人達を怒らせるかもしれない。
8. 船に乗り込む
ある日私が偶然見つけた面白い一連のツイートを紹介しよう:
Brian Clark@copyblogger控えめなことが理由で誰かのスキルを軽視することは決してない。オンラインで賢い人々は控えめだ。もちろん、私は例外だ。
その通りだ。でも、もっと明確な返答があった:
Jesse Semchuck@jessesem@copyblogger しばしば、控えめな人が最も革新的な仕事をしている。注目を浴びている人は、twiendsやconfsやshoutoutsに夢中になっている。
Chris King@chrispking@copyblogger まさに。控えめな人は、自分のエゴよりも顧客を大事にしている。さらに、彼らは、個人向け/micro bizであることが多い。
そして、関係のないツイートの中で、Ricardo Buenoがそれをまとめた:
Ricardo Bueno@RibeezieどんなTwitterの悪評も、すごい仕事をすることには取って代われない- bit.ly/Wwa0kD
そして、RicardoはTwitterについてこんなことを言ったRobert Delaneyというコメディアンに関する記事にリンクした:“あなたは覚えておかなければならない。Twitterは誰にも支払いをしない。それはチャンスをもたらすことができるが、それでもあなたは毎日起きて仕事をしなければならない。”
仕事。誰もがそれをする必要がある。特に、もしあなたが信頼性が欲しいのなら。そんな専門家になりたいのなら。
あなたはその本を確実なものにする必要がある。そのソフトウェアプログラムを作るのだ。その家を再建するのだ。その不良少年たちを殴るのだ。もしあなたが船に乗らなければ、あなたの言うことは何の影響力も持たない。
テレビのスクリーン上でただ話をするだけの人を尊敬する人は少ない。私たちは、朝早く起きて夜遅くまで働く人を尊敬する。めったに文句を言わない人を。そして、私たちの愛する製品を届ける人を。
9. プレミア料金を請求する
私たちはいつも、“安かろう悪かろう”と教えられてきた。実際に、見込み客があまりに安すぎることが理由で製品を考慮の対象外にすることは珍しくない。
しかし、価格を設定することとなると、私たちはあまりにも低いところに撃つことがしばしばある。これは間違いだ。
マーラ・タバカは、You Don’t Charge Enough ? Here’s How to Fix Thatの中で、価格設定の際に自分に問わなければならない5つの質問があると記している:
- 私のサクセスストーリーは何か?
- 人々が私のサービスに支払う余裕がないというのは本当か?
- 私は誰でもこれができると思うのか?
- もし私がお金を持っていなかったら、どうやって私は世界を救うことができるのか?
- 私の本当のビジョンは何か?
3つ目の質問を詳しく見ていこう。
高校時代、さらには大人になって間もない頃、私は、誰もが書くことができると思っていた。書くことは歩くことや側転をすることと違いがなかった。私は自分が特別にやっていたことを高く評価していなかった。
これが真実ではないということは指摘したのは妻だった(それが彼女と結婚した428番目の理由でもある)。私がしていたことは、まさに価値があることだったのだ。そして、訓練と経験を介して価値が上がった。
あるクライアントが、“これを自分でするには書き方を学ぶのにあと15年はかかるよ―だからあなたを雇うんだ。”と言った時に、私はこれを痛感した。
もはや私は、自分がしていることを誰もができるとは思っていない。そしてあなたもそう思うべきではない。
それに応じた金額を請求するのだ。
10. 欠乏の法則
いいかい、珍しいことは魅力的なのだ。
ガソリン不足の時の長い行列。
吹雪の前のパンとミルクの駆け込み需要。
ブラック・フライデイの売り上げ。
人々は、何かを失うという考えによって駆り立てられる―たとえそれを必要としていないとしても。そして、この訴求力は、同じ価値のものを得ることに基づく訴求力よりも強いのだ。
あなたにできる最も具体的な方法で偽りでない欠乏を示すのだ。反応しないことによって失われるものを指摘するのだ。ここにそれをするための3つの方法がある:
- 限定数 – 自分の作品をたった100部だけ生産する。自動車を手作りする。あなたのソフトウェアに1,000人のみ招待する。
- 期間限定 – 24時間で終了する販売、または、クライアントの空きを2つだけ許可した限定した営業週間。
- 大集団 – あなたが申し出をしている人々の数を明示することによって欠乏性を作り出すことができる:“すぐにあの不動産物件を予約することをお勧めします。理由?私たちは、44,540人のリストにたった2件を公開しているからです。(計算すると、それは22,270人の読者ごとに1件となります。)”
今度はあなたの番だ…
それでは、もしアレン・ギンスバーグが頭を剃って、指を綺麗に洗って、スーツにネクタイを着用していたなら、人々はジェネレーションギャップのトピックに関してもっと彼の話を真剣に受け止めていたのだろうか?
もしかすると。
もしも、身だしなみをきちんとしたアレン・ギンスバーグがだらしなく見えるセス・ゴーディンと同じ部屋でジェネレーションギャップについて議論したら、私たちはギンスバーグよりもゴーディンの言葉を真剣に受け止めるだろうか?
何とも言えない。
もしも、ゴーディンとギンスバーグが同じ部屋でウェブマーケティングについて議論したら、私たちはギンスバーグよりもゴーディンの言葉を真剣に受け止めるだろうか?
もちろん。
しかし、もしも彼らが芸術の自由や優れた詩の技巧について話すのなら、恐らく私たちはギンスバーグの言葉を真剣に受け止めるだろう。
仕組みが分かっただろうか?
私たちは、メッセージ密度の高い、決断の豊富な環境に暮らしている。それは、情報攻撃だ。そして、このコンテンツの全ての意味を理解するために、私たちは狭い範囲で定義されたオーソリティを求める。信頼のおける専門家を求める。
だから、評判が非常に重要なのだ。最近、ロバート・グリーンが言ったように:
私たちは社会の中で生き、他者の意見に頼らなければならないため、自分の評判を無視すれば得られるものは何もない。
自分がどう見られるかを他の人に決めさせないこと。自分自身の評判を上手にコントロールするのだ。オーソリティになるのだ。
あなたはそうするために、これからの数時間、数日、数週間、数か月、数年をどのように計画するだろうか?コメント欄で教えて欲しい…
この記事は、CopyBloggerに掲載された「10 Ways to Build Authority as an Online Writer
」を翻訳した内容です。
流石、コピーブロガー、色々考えさせられる深い内容の記事でした。さらっと一読した私がいつもの軽めのコメントをはさむのも失礼な気がするので皆さん自分なりに味わってくださいませ。 — SEO Japan [
G+]