ハッキングに強いサイトを作るヒント:サイバーセキュリティ月間によせて

2 月 1 日 ~ 3 月 18 日は「サイバーセキュリティ月間」です。
サイバーセキュリティ月間に合わせて、本日は、日本においても引き続き被害が多く見られる不正なハッキングから、サイトを守るための Tips を改めてご紹介したいと思います。

そもそも不正なハッキングはなぜ起きるのでしょうか。不正に金銭を取得することだったり、政治的または社会的なメッセージを伝えることだったりと、不正なハッキングの目的はさまざまです。悪質なハッカーはサイトの脆弱性を狙ってサイトに不正にアクセスし、あなたの管理権限を乗っ取ります。そして、サイトを改ざんし、別のサイトへの誘導などの踏み台に利用します。それによってあなたのサイトにアクセスしていると思っているユーザーは、知らない間にフィッシング サイトや偽のショッピングサイトに誘導され、その結果として個人情報や金銭を奪われるといった被害にあうかもしれません。みなさんのサイトがこうした犯罪に加担してしまわないよう、ぜひサイトのセキュリティを高め、ハッキングを防ぎましょう。

Google ではさまざまな形でウェブスパムなどへの対策を行っていますが、Advanced Hosting Meetup のようにインターネット サービスを提供する他の会社のみなさんと企業の枠を越えた対策も行っています。そこで、今回 Advanced Hosting Meetup のメンバーや、ホスティング会社としてさくらインターネット株式会社様と GMOペパボ株式会社様、そして WordPress コミュニティのみなさんにもサイトのハッキングを防ぐためのアイディアをお伺いしました。その中でみなさんからのアイディアに共通してみられたハッキングを防ぐためのコツを 3 つご紹介します。
  • パスワードを複雑なものにする


  • パスワードをデフォルトのままにしていたり、同じパスワードを複数のサービスで使いまわしていたり、一般的な推測されやすい単語にしていたりと、パスワードを適切に設定・管理されていない方が多く見られます。パスワードは覚えられないくらい複雑なものにして、パスワードマネージャなどを使うことをお勧めします。また、パスワードだけでなく、2 段階認証などが利用できる場合は 2 段階認証を必ず使うようにしましょう。
  • CMS やシステムを最新に保つ

  • CMS やプラグインは必ず最新に保つよう心がけましょう。CMS 側から提供されているアップデートは、多くの場合自動的に適用されるように設定できます。残念なことにデフォルトで自動アップデートになっているものを手動で停止してハッキングの被害にあうケースが数多く見られます。自動アップデートはオフにせず、必ず最新の CMS を使うようにしてください。
    ※ WordPress については、WordPress コミュニティで「あなたのWordPressを安全に保つ方法」という記事も公開されましたのであわせてご覧ください。
  • ファイアウォールをきちんと管理する


  • 多くのホスティング サービスではファイアウォール サービスを提供しています。しかし、デフォルトでオンになっているファイアウォールを停止したり、いくつかのポートを公開し、結果としてセキュリティを落としているサービスが数多く見られます。ファイアウォールはきちんと管理・設定しましょう。例えば、管理者権限があるサーバサービスではファイアウォールを適切に設定しないと脆弱なポートが開放されたままになってしまいます。きちんと設定して使用するポートだけを開放しましょう。また、多くのレンタルサーバ サービスではウェブ アプリケーション ファイアウォール(WAF)機能が提供されておりますので、これを ON にすることにより脆弱性を利用した攻撃などを防ぐことができるようになります。
最後に、昨年末にグローバルで行った #NoHacked キャンペーンの記事を改めてご紹介します。

ソーシャル
ブログ

インターネットの安全性を高めるためには、ウェブマスター(サイト運営者)のみなさんのご協力は不可欠です。
ぜひこの機会にみなさんのサイトが安全に管理されているか、確認してみてください。

インターネットがより安全に安心して使える場所となるように、Google は今後もさまざまな活動を実施していきます。

Takeaki Kanaya and Kiyotaka Tanaka, Online Safety Samurai, Google Japan

新機能「多面強調スニペット」がGoogle検索結果に登場

Googleが新しいタイプの強調スニペットを発表しました。よりユーザーの意図に寄り添った回答を返す、というGoogleの方針を加速させるような新機能です。
— SEO Japan

Google検索結果機能をアップデートし、より広く微妙なニュアンスのクエリをターゲットとした広域な強調スニペットをリリース

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※リンク先は原文(英語)です

Googleはここ数か月で、多くの画像や強調スニペット、ナレッジグラフに関する新しい検索結果の機能をリリースしてきた。Googleは今日「multifaceted featured snippets(以下、多面強調スニペット)」と呼ばれる新しい検索機能をリリースした。

多面強調スニペットは、複数の解釈ができてしまうほど広い意味を持つクエリに対して表示される。この場合、検索結果は一つ以上の強調スニペットを含んでおり、元のクエリをアルゴリズムがユーザーが意図した質問を推定し書き直し、その新しい質問に対しての結果を表示させる。

アナウンスでは、

より理解可能な結果が助けとなるような、微妙なニュアンスのクエリは複数ある。そして、我々は複数の意図や目的と関連づけられた「複数意図」のクエリから始める。例えば「歯の詰め物の後の歯の痛み」というクエリであれば、「歯のつめものをした後になぜ歯が痛むのか?」か、「歯の詰め物をした後にどれだけ痛みが続くのか?」などと解釈ができる。

とされている。

また以下のような例もある。
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※(SEOJapan補足)
検索ワード:「庭には十分な太陽光が必要か?」
多面強調スニペット1:どのような園芸植物がたくさんの太陽光を必要とするのか?
多面強調スニペット2:十分な太陽光とみなされるのはどれくらいか?

多面強調スニペット(Multifaceted Featured Snippets) vs 複数観点アンサー(Multi-Perspective Answers)

去年12月、BingはAIを用いた複数観点アンサーを「インテリジェントサーチ」新機能の一部としてリリースした(インテリジェントサーチには、インテリジェントアンサー、インテリジェントイメージサーチ、コンバセーショナルサーチが含まれている)。複数視点アンサーはリリース時からある「インテリジェントアンサー」の機能の一部分である。これらの結果は二つ(もしくはそれ以上)の信頼できるトピックのソース、そして違った観点や回答を含んでいる。

Bingは再帰型ニューラルネットワークモデルを使用し、複数の信頼できるソースの類似性や、意味を決定している。そして、トピックに関連した複数の観点を抽出し、最最も関連性の高い複数観点アンサーを提供する。(ここでさらに詳しく説明している。)
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※(SEOJapan補足)
検索ワード:「コーヒーは体に良いのか?」
複数視点アンサー1:コーヒーは脂質を燃やすことが出来る。
複数視点アンサー2:1日4杯以上のコーヒーは寿命を縮める。

Googleの多面強調スニペットは、Bingの複数観点アンサーとそこまで大きく異なるようには見えない。なぜなら、一つのクエリに対して複数のリッチな回答を返しているからだ。しかし、多面強調スニペットは推定されたクエリに潜む複数の意図に立脚しており(その結果、複数クエリとその結果になっている)
単一クエリに対しての複数観点に立脚している複数視点アンサーとは異なる。これらの広い意味を持つクエリがあることで、ユーザーが本当に聞いていることには多くの解釈が存在しうる。

多面強調スニペットは複数意図クエリのシナリオに対して、より理解しやすく行動を促すような結果を提供することを目的としている。複数視点インテリジェントアンサーとは他の一緒に聞かれる可能性のある質問を推定している点で異なる。また、以下のスクリーンショットが示しているように、アルゴリズムが「ユーザーが本当に意図したであろう」と推定した各クエリに対して回答している点でも違いがある。

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※(SEOJapan補足)
検索ワード「和の結合法則のルール」
多面強調スニペット1:和の交換法則と結合法則とはなにか?
多面強調スニペット2:和の結合法則とはどのように使えば良いのか?

多面強調スニペットはモバイルで最初にローンチされ、後にデスクトップにもやってくるだろう。2018年を通して、Googleは(複数の意図をもつクエリの他にも)他のニュアンスのクエリも見据えて、多面強調スニペットを拡大することも検討している。そしてガイダンスを求めているクエリなどを例として挙げた。

投稿によると、

例えば、「家の土台を修復するのって割に合うの?」のようなガイダンスを求めているようクエリは、「価格」「耐用期間」「方法」「費用」重要な要素をいくつか持っている。我々はカバーする領域を拡大するために、多面強調スニペットを通して実験を行っていく。

GoogleもBingもとてもよく適用されたディープラーニングの手法をもち、人工のニューラルネットワークを使用し検索の発展させているので、これからも絶え間ない検索結果の強化と情報探索の発展を見ることが出来るであろう。

いつものように、Googleはユーザーに対してこれらの新しい検索機能のフィードバックを求めている。ここ(英語)でGoogleのアナウンスの全文が確認できる。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Multifaceted featured snippets begin rolling out in Google search results」を翻訳した内容です。


音声検索もありますが、Googleが検索結果をリッチにしていくという方針を変えない限り、きっとこれからも強調スニペットが強化されていくのでしょうね。
こちらの記事(今さら聞けない強調スニペット。全種類のまとめから対策まで)では、強調スニペットの種類などについてまとめているので、併せてご確認ください!
— SEO Japan

ランド・フィッシュキン氏がMozを離れ、SparkToroを立ち上げる

SEO界の超有名人ランド・フィッシュキン氏が自ら立ち上げたMozを離れ、SparkToroという新会社を立ち上げるようです。SEOへの貢献があまりにも大きいランド氏が自ら立ち上げた会社を離れることは、業界に大きな衝撃を与えました。– SEO Japan

Rand Fishkin Has Now Left Moz, Starts SparkToro
※リンク先は原文(英語)です

この日が来ることは分かっていた。彼は、彼の母親と一緒に立ち上げた会社を去ることを過去に発表しており、ついにその日が来てしまったのだ。このことについて昨夜、SparkToroという新しく立ち上げた会社のブログに投稿している。上記の写真はそこにあったものである。

SparkToroは、マーケターやPR担当者、スタートアップがリーチしたいオーディエンスのことを知るための、ソフトウェア製品とデータサービスである。そしてランド氏がこれを立ち上げたのである。

彼は自分が17年前に立ち上げたMozを離れた日の事を、とても詳細に明確に書き記している。

0が「首になって、警備員につまみ出される」、10は「素晴らしい言葉とともに自分の意志で離れる」としたら、今回私がMozを離れるのは4といったところだ。それがより今日という日を意識的にも、感情的にもつらい日にしている。とてもとても悲しいし、多くの後悔、そしてわずかな憤りを感じている。それでも、20年間私とこのMozを支えてくれた人に深く、深く感謝している。このような会社を立ち上げ、業界の変化や成熟に貢献し、起業家精神とマーケティング、そして自分自身について学んだ経験はとても光栄で名誉あることだと思う。

ランド氏がいかに業界に貢献したかについては過去に少し書き記した。これは業界にとっては悲しい瞬間だが、きっと新しいエキサイティングなことへとつながるはずだ。

ランド — 何もかもありがとう。君が将来成すことを見るのを楽しみにしているよ。

ランド氏のブログ、もしくはツイートで応援のコメントすることが出来る。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Rand Fishkin Has Now Left Moz, Starts SparkToro」を翻訳した内容です。


ランド氏はMozを離れますが、毎週金曜日(日本だと土曜日)に分かりやすくSEOなどについて解説している「Whiteboard Friday」は、これからもランド氏が続けていくそうなので、安心しました(笑)
ご興味がある方は「Whiteboard Friday(英語)」をご覧ください。
— SEO Japan

リスク回避としてのSEO。「あえてSEOを意識する」べきタイミングとは

こんにちは、平塚です。約半年ぶりのブログ投稿となります。「SEOにおいてもユーザー視点に立ち、サイトの価値を高めていくことが大事」ということが改めてここ1~2年で当たり前のものとなってきていますね。

検索体験をより良くするための技術も大きく発展しています。Googleが推進しているモバイルページの高速化を行うための技術であるAMP(Accelerated Mobile Pages)、Webとアプリの両方の利点を兼ね備えたPWA(Progressive Web Apps)などが主にモバイルにおける検索体験やユーザー体験の向上のために用いられています。

あえてSEOをする必要性は年々少なくなってきている?

「よりユーザーに目を向けて向けてサイトの価値を高め、集客を伸ばす」ということは非常に本質的で良い潮流です。いわゆるSEOの事を考えて「あえて」実装するようなテクニカルな要件は相対的に優先度が下がりつつあり、Web担当者の方々はユーザー視点に立ってサイトを改善していけばいいわけです。

とはいえ、いくつかのポイントで「あえてSEOを意識」しないと、あって当たり前だと思っていた検索経由のトラフィックを失ってしまう可能性があります。「こんなはずじゃなかったのに…」ということにあとからならないように、リスク回避としてあえてSEOを意識するべきタイミングとその対処方法についてお話させていただきます。

どんなタイミングでSEO上のリスクを抱えがちか?

当たり前ですが一番多いのはリニューアルのタイミングです。場合によってはトラフィックが半減することもあるし、そうでなくてもリニューアル後トラフィックが伸び悩んだりしたりします。

一方で、リニューアルのときだけ気をつけていればいいというわけではありません。日々のサイト運用においても突然順位が下落したり、トラフィックが半減するということもあります。

どちらにせよ、もし集客チャネルのうち検索経由のトラフィックが重要なものとなっているのであれば、こういった減少が起きたときにすぐに対処できるように主要な集客間口となるページ群のトラフィックキーワードの順位は日々計測しておくことをおすすめします。

下図:リニューアルの際の実装ミスにより一時的に順位が大幅に下落した例

順位の一時的な下落(Refractより)

弊社SEOダッシュボードツールのRefractを使用(Refractスコアとは、各キーワードの順位に応じて割り振られた得点の合計数値)

※守秘義務の関係上数値と日付をぼかしています。

リニューアル前後におけるリスク回避

リニューアルの要件定義や技術的側面でのリスク

リニューアルで起こりうる技術的なリスクについては、実は一年ほど前に書いた記事がありますのでそちらをご覧ください。

① URL変更が伴うサイトリニューアルで、リダイレクトを誤ってしまったケース

②サイト公開後、検索エンジンからクロール・インデックスされなくなってしまうケース

③JavaScriptでの実装により、適切にクロール・インデックスされなくなるケース

引用:新規サイト公開時・リニューアル時のSEOで注意すべき”つまずき”と対策

主に体制面ではらんでいるよくあるリスク

ディスカッション

詳しい話は上記の記事をご参照いただくとして、私がクライアント様とリニューアルプロジェクトやリニューアル後にご相談いただいた際のよくある失敗事例をご紹介します。

失敗例①:関係者間のSEOの前提知識のズレを認識せぬままローンチされたケース

担当の方がある程度SEOに対して知見を持っていたり、情報収集をして要点を抑えられていたとしても、依頼(発注)を行った際に「当たり前のように基本的なSEO要件が含まれていて、実装されている」と認識していたが、うまく伝わっておらず出来上がったものが実は全くできていなかった(かつ、それがそのままチェックを通さずローンチしてしまった)というケースです。

具体例をあげると、SEOを少しでもわかっている方であればリニューアル前後の対応ページ間の301リダイレクトやページごとにtitleを設定するのは常識レベルの要件ですが、蓋を開けてみたら全くできていなかった…などあげられます。あとは、要件書で言及されている箇所は実装できているけど、言及されていない細かな部分がうまく実装できていないなど、担当者の方は分かっていても社内外の関係者までしっかり認識が行き渡っていないとこういったことが起こりがちです。

失敗例②:SEOに知見のある担当者が置いてけぼりのまま(もしくはいない状態で)プロジェクトが進んでしまっているケース

一番SEOを知っているWeb担当者に決裁権がなく、置いてけぼりにして話が進んでしまい、結果として元々SEOを踏まえて設計してあったサイトがSEOを完全に無視した仕様でローンチされトラフィックを大幅に失った事例もありました。

これを耳にしたら注意!危険ワード代表例

今回のリニューアルはSEOを目的としていません

⇒あとからSEOのための再設計を行うとパッチワーク的な実装になりいびつなサイト構造になる可能性があり、SEOのために再度リニューアルせざるを得ないといった事態になりかねません。

「検索流入は重要視していません」

⇒程度の差こそあれ、コンテンツを持っている以上SEOは関わってくるので、事前にSEOのチェックは不可欠です。

参考:SEO=「ユーザーにとって役に立つコンテンツを作る」に対する違和感

「上位の競合をいい感じに踏襲します」

⇒コンテンツ資産、リンク資産、ビジネスモデル、ドメインエイジ…諸々バックグラウンドが全く異なるため、うまくいっているサイトを真似しても自社サイトが評価されるわけではありません。

これらのワードが少しでも耳に入ってきたらアラートをかけましょう。

 

(どちらのケースにおいても、実装担当や制作会社が「SEOはわかっているから任せてくれ」というスタンスで、その言葉を根拠なく全面的に信じていたときに発生しがちです。)

体制面で注意すべきポイントまとめ

  • 外注/内製関わらず、リニューアルの際のSEOにおける最低限の実装要件は必ず抑えた形でコミュニケーションをとること
  • SEOを無視してサイトのリニューアルをすすめると、大幅な検索トラフィック減少につながりうる事の合意形成を行うこと
  • 「SEOはわかっている」という言葉を鵜呑みにせず、何がわかっているのか適切に聞き出すこと

当たり前なことかもしれないですが、必ずこれらのポイントを抑えてリニューアルプロジェクトを進めるようにして下さい。

その他:ページやコンテンツ要素の消滅や、もともと意図して設計してあった仕様の変更によるリスク

上記の体制面の話に付随して、リニューアルの際もともとあったページやコンテンツが「もう必要ないから」と削除する場合は注意が必要です。そのコンテンツやページがなくなることによって、ユーザーのニーズを満たせなくなることがないかまず確認しましょう。大幅な内容変更がある場合などは、検索エンジンの再評価が入ります。

もしそのうえで必要がないと判断するのであれば404ページにするか、対応するページがある場合そのページにリダイレクトで転送しましょう。

また当時のサイトの運営担当と変わっている時は特に注意なポイントとして、もともと設計されていたSEOに関連する要件は注意を払いましょう※

これらの要件をないがしろにすることなく、どうしてその要件になったのか直接元担当の方に聞くことをおすすめします。

意図して設計されていた可能性のある要件の例

それが難しい場合は極力触らない、もしくは修正をする場合は事前になぜそのようになったか調べてから修正を行いましょう。

普段のサイト運用で発生しうるリスク

低品質な外部リンクによる悪影響

人工リンクとは無縁のサイト運営をしていたにも関わらず、知らず知らずのうちに低品質なリンクが貼られ大きく検索順位を落としたり、過去に利用した人工リンクがそのままになっており、時間差でペナルティ判定をGoogleから受けることがあります。

特になにもしていないのに順位が下落したり、検索経由のトラフィックが急落した場合はまずサイトのバックリンクをチェックしてみましょう。

参考:【SEO事例】ミラーサイト(フィッシングサイト)リンクのSEOへの悪影響

サイトスピード含むモバイルユーザビリティ関連

これは特別SEOの文脈ではなく、ユーザー体験を高めるのであれば必須な要件ですが、SEOにとっても今後さらに重要になるでしょう。

MFI(モバイルファーストインデックス)の適用も徐々に進んでいると巷では噂になっていますが、特にモバイルにおけるユーザー体験をおざなりにしていると、今後検索順位に目に見えた形で悪影響を及ぼしかねません

たとえばファーストビューの表示が著しく表示されるのが遅い、サーバからのレスポンスが何秒もかかる。モバイルユーザーが多いのにモバイルページが存在しないなどしている場合は影響出ることが予想されます。

ちなみサイトスピード含むモバイルユーザビリティに関しては、サービスのパフォーマンスを向上させるために色々と工夫をするというのはどのサイトでも共通で何もかもに対してプラスになることなので頑張るべきですが、パフォーマンスを上げるために重要なコンテンツを削るなどの発想は根本的に間違っているので注意しましょう。

SEOの文脈であればユーザー体験を損ねなければ問題はおきないし、例えば「もともと早いサイトスピードをコンマ数秒改善すると順位も目に見えて良くなる」ということはないと(いまのところ)思っていただいて差し支えないです。

外部配信記事とのカニバリゼーション

特に記事メディア系のサイトでのあるあるになりますが、「せっかく出した記事が外部配信先のWebサイトに検索順位で負けていた」ということがよくあります。

外部配信先サイトにSEOで負けている例

検索からのトラフィックも期待している記事に関しては「カニバリゼーションが発生していないか配信後検索結果を見ておく」ということは当然やるとして、そういう現象が起きないよう事前に対策を打ちましょう。

対処方法

『自社記事を素早く検索エンジンに認識させる』『配信先サイトが上位に現れないように処理』の2つが対策として考えられます。

自社記事を素早く検索エンジンに認識させる

  • sitemap.xmlの定期的な送信

  • 公開直後のFetch as Google

  • PubSubHubbubの利用

外部配信先のほうが先に検索エンジンに認識され上位表示してしまう状況を極力なくしましょう。

配信先サイトが上位に現れないように処理

  • 配信先記事にcanonicalの記述
  • 配信先記事に配信元記事へのリンクを設置 ※効果:薄

可能であればcanonical設置を要請して実装してもらうのがベストですが、依頼が通ることは残念ながら少ないです。もしカニバリゼーションが深刻で、かつビジネス上の成果にあまりつながらない配信先であれば配信を止めることも検討の余地があるかと思います。

検索結果上の外部要因による影響リスク

MFI(モバイルファーストインデックス)の適用や日本語アップデートなど、Googleのアルゴリズムによる順位変動や競合サイトの台頭はもちろんのことですが、意外と見過ごしがちなのが順位変動以外での「検索結果」上の自社サイトへのクリック率の悪化です。

「順位は落ちてないはずなのに、検索経由のトラフィックが減っている」という場合疑わしいのはこのケースです。

クリック率が落ちる原因は主に2つあります。

検索連動型広告がファーストビューの大半を占めている

各社が該当のキーワードで広告出稿を行っている場合、順位は1位なのにファーストビューに入っていないということが起きたりします。

検索連動型広告がビューを占めている例

ナレッジグラフやアンサーボックス等Googleの検索アルゴリズムによる影響

Googleの検索エンジンのアルゴリズムはユーザーの検索体験をより良くするために日々機能を改善しています。その一環として検索結果に関連する情報やアンサーを直接表示させる仕組みを用意しています。

ナレッジグラフやアンサーボックスに記載されている内容でユーザーが充分な情報を得られれば、サイトにトラフィックする必要もなくなります。結果として検索順位は高いのにクリックされないということが発生しうるでしょう。

「SEO とは」で1位なのにwikiがアンサーボックスで表示されている例

…これらに明確に対策を行うことは難しいですが、まず現状把握として重要なキーワードでどのような検索結果になっているかは普段から実際に調べる癖をつけると良いでしょう。

当たり前にあったトラフィックが失われることって普通にあり得る

検索からのトラフィックはサイト全体の集客のベースとしてとても重要であると同時に、「あって当たり前のもの」であると認識しがちです。

実際にはちょっとしたきっかけや知識不足、コミュニケーション不足で検索順位やトラフィックが悪化するということも普通にあるのです。

今回お話したような「テクニカルなSEO」ばかりを気にせず、ユーザー視点で価値の高いサイトを構築していって欲しいところですが、「あとの祭り」とならないよう知識として今回ご紹介した情報を持っておき、その時が来たら絶対に気にかけるようにして下さい。

(宣伝)弊社のような知見を持った会社にセカンドオピニオン的にはいってもらうというのもおすすめです!

「色々脅しつけてきてるけど、結局自分たちでそこまで出来るかわからない」「リニューアルのときは念のためセカンドオピニオン的に入って欲しい」「検索トラフィックが明らかに伸び悩み始めているけど原因も対処方法もわからない」という方は、ぜひともナイルにお問い合わせ下さい。

SEO戦略設計・運用コンサルティングサービスのご紹介

リスク回避としてのSEO。「あえてSEOを意識する」べきタイミングとはナイル株式会社 - SEO HACKSで公開された投稿です。

Googleが「モバイルスコアカード」と「インパクトカリキュレータ」をリリース:モバイルページスピードの重要性を強調

GoogleはMWC(モバイル・ワールド・コングレス)で新しいページスピードツールのツールをリリースしました。日本語の表示や円換算は未対応ですが、記事内のGIF画像を参考にぜひご自分のサイトでも試してみてください。

一つ目のツールは競合とのモバイルでの比較を可能に。もう一つはモバイルスピードがビジネスに与えるインパクトを確認するためのツール。

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Googleは数年に渡って、マーケターとサイト所有者にモバイルサイト上での体験を改善するように促してきた。月曜日、バルセロナで開催されているMWCで、検索の最大手Googleが新しいモバイルベンチマークツールのリリースをアナウンスして、この流れを加速させた。新しい「モバイルスコアカード」と「インパクトカリキュレータ」の二つのツールである。

二つのツールとも、マーケターへモバイルスピードへの投資を促すようなヴィジュアルを提示する。

モバイルスコアカードはChrome User Experience Reportのデータを利用し、複数のサイトの間でのページスピードの比較を行う。1月にページスピードインサイトで使い始めた潜在データのデータベースと同じものである。Googleはモバイルスコアカードが12か国以上の数千のサイトをレポートできるとしている。

http://www.seojapan.com/blog/wp-content/uploads/google-mobile-site-speed-scorecard-2.gif

Googleはガイドラインで、サイトのロードが完了しユーザーが使えるようになるまでの時間を、ミドルレンジのモバイル端末で、3G回線であれば5秒以内に、4G回線であれば3秒以内にすることを推奨している。

モバイルスコアカードのデータを競合も交えた金銭的な観点から見るために、新しい「インパクトカリキュレータ」はデザインされた。このレポートでは遅いロード時間によってどれほどのコンバージョン利益が失われているのかを見ることが出来る。

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インパクトカリキュレータは、1秒のページ遅延ごとに小売サイトコンバージョンが最大20%の悪影響を受けるという、2017年4月の「The State of Online Retail Performance」のレポートに基づいている。
のデータに基づいている

このカリキュレータは平均月間訪問者数(Average Monthly Visitors)、平均注文単価(Average Order Value($))そしてコンバージョン率(Conversion Rate(%))を入力することで、ページロードの変化が収益にどれくらい影響を与えるのかを示してくれる。Googleはパブリッシャー向けに「DoubleClick Publisher Revenue Calculator」という類似したツールを過去に制作している。

モバイルスコアカードとインパクトカリキュレータはここからアクセスできる。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google releases Mobile Scorecard & Impact Calculator tools to illustrate importance of mobile page speed」を翻訳した内容です。


ページスピードがコンバージョンへの影響を測定するのにはもってこいのツールですね。現在対応しているのは「ドイツ語」、「英語(米、英、加)」、「フランス語」。早く日本語にも対応してほしいところです。
— SEO Japan

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保護されたウェブの普及を目指して

この記事は Chrome セキュリティ プロダクト マネージャー、Emily Schechter による Chromium Blog の記事 "Chromium Blog: A secure web is here to stay" を元に翻訳・加筆したものです。また、Google Developers Japan ブログに投稿された記事のクロスポストです。詳しくは元記事をご覧ください。

私たちはここ数年間、サイトで HTTPS による暗号化を採用するよう強く働きかけることによって、保護されたウェブを目指してきました。そして昨年は、「保護されていません」と表示される HTTP ページを徐々に増やすことによって、HTTP サイトが保護されていないことをユーザーに理解してもらうよう努めてきました。2018 年 7 月に Chrome 68 がリリースされると、すべての HTTP サイトに「保護されていません」と表示されるようになります。

Chrome 68 では、すべての HTTP ページのオムニボックスに「保護されていません」と表示されます。

デベロッパーはサイトを HTTPS に移行し、ウェブを誰でも安全に使えるようにしてきました。昨年の進展はめざましく、その動きはさらに続いています。

  • Android と Windows の Chrome トラフィックの 68% 以上が保護されています。
  • Chrome OS と Mac での Chrome トラフィックの 78% 以上が保護されています。
  • ウェブ上のトップ 100 サイトのうち、81 がデフォルトで HTTPS を使用しています。

Chrome は、HTTPS をできるだけ簡単に設定できるようにするために貢献しています。デベロッパーがサイトを HTTPS に移行する助けになるように、ウェブページを改善するための自動ツール、Lighthouse最新 Node CLI 版では、混合コンテンツの監査が可能になっています。この Lighthouse の新しい監査機能を使うと、HTTP を使ってサイトに読み込まれているリソースや、サブリソースの参照を HTTPS 版に変更するだけで HTTPS にアップグレードできるリソースを見つけることができます。

Lighthouse は、ウェブページを改善する自動デベロッパー ツールです。

Chrome の新しいインターフェースでは、すべての HTTP サイトが保護されているわけではないことがわかりやすくなるため、ウェブをデフォルトで保護された HTTPS に切り替えるよう促す効果があります。HTTPS は、今までになく簡単で安価なものになり、パフォーマンスの改善や、HTTP で扱うには危険だった、パワフルな新機能を利用可能にします。デベロッパーの皆さんは、まずセットアップ ガイドをご覧ください。

Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team

UXのプロはコンバージョン最適化をどう見ているのか?

CRO(コンバージョン最適化)の文脈においては、しばしばUX(ユーザーエクスペリエンス)についても議論しなければなりません。CROとUXが被る部分、そして対立する部分はどこにあるのでしょうか?そして、実際作業を行う際はどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?
UXの専門家たちの意見を聞いてみましょう。
— SEO Japan

How Do UX Professionals View Conversion Optimization?

自分が取り組んでいることに対して、他者の意見を聞くことは、いつも楽しいものだ。

コンバージョンの最適化に関して、私たちはUXがプロセスの重要な部分を担っており、UXがさらなるコンバージョンをもたらしてくれると信じている。しかしUXの専門家たちは、コンバージョンの最適化をどう考えているのか?それが一体どういうもので、UX最適化の文脈に当てはまると考えているのだろうか?

その答えを見つけるため、私はUXの専門家たちに話を伺った。そこで学んだのは、彼らのコンバージョン最適化に対する認識は私たちのものと近い一方、必ずしも一致してはいないということだ。

UXのプロはコンバージョン最適化をどのようなものだと考えているか

UXのプロたちは、コンバージョン最適化をどう定義しているのか?また、コンバージョン最適化の取り組みでは何が行われていると認識しているのか?

Lean UX」の著者ジェフ・ゴセフ氏によれば、コンバージョン最適化とは「製品やサービスにおいて、顧客をより深いレベルのエンゲージメントへと導くための、価値の構成、CTA、価格の正しい組み合わせを見つけること」である。

他の人々も同様の定義をしている。コンバージョン最適化とは、もちろんより広範囲のものである。しかし人々の理解を話で聞いてみるのは興味深いものだ。例えば、MDH Human Pactorsの代表であるスーザン・オルソン氏は、こう語る。

スーザン・オルソン氏

スーザン・オルソン氏
「コンバージョン最適化は科学的な手法を使って、訪問者を顧客へと変えることです。効果的な戦略により、既存サイトにおける受動的な閲覧トラフィックを双方向の個人的な体験へと変えることで、より高い売り上げや利益がもたらされます。」

ウェブサイト最適化に、科学的なアプローチを持ち込んだところが私のお気に入りだ。なぜなら、コンバージョン最適化がただの「思い付きをテストすること」もしくは短期的な利益である、といった考えを薄めてくれるからである。

Digital Jugglerのオーナーであるジェームズ・ガード氏は、小さな行動と大きな行動の両方において、ビジネスの指標を改善する構造的なアプローチだと語っている。

ジェームズ・ガード氏

ジェームズ・ガード氏
「コンバージョン最適化とは、目標が何であるかを問わず、ユーザージャーニーの進行や達成を改善する構造化されたアプローチだ。コンバージョンは財務ベース(注文の完了など)もしくはソフトターゲット(ニュースレターの登録など)の形がある。また、ブログを読んだ人のうちどれだけがシェアしてくれたか、というイベントベースの場合もありえる。

より広い文脈に関して、マクロコンバージョンはビジネス目標に沿ったものであるべきである。デジタルチャンネルはビジネスのビジョンの助けとなるべきで、もしビジネスの戦略にインフルエンサーを増加させることが含まれているならば、ネットプロモータースコアの調査、ソーシャルでの共有、友人へのおすすめなど、関連したコンバージョンを見るべきである。

マイクロコンバージョンは通常、マクロの文脈内でデジタルチームが運用するものになります。ここが戦術的最適化のプランが入る場所であり、マクロの目標を達成するために働く。例えば、マクロコンバージョンの目標が購入数の増加であれば、おそらくリストから製品ページヘのクリックの増加というマイクロコンバージョンが含まれることだろう。」

構造的なアプローチということには、全く同意である。私が発見したのは、大部分において、UXのプロはコンバージョン最適化をよく知っているわけではなく、それが何を伴うのかを非常に正確に理解しているということだ。ほとんどのプロたちは、構造的な最適化のプロセスを通して、ビジネスの指標を改善することだという風に考えている

コンバージョン最適化は組織にどう当てはまる?

次に私は、UXのプロたちがより広い最適化という文脈に、コンバージョン最適化がどう当てはまると考えているかを知りたくなった。CROチームは、SEO、ブランディング、IT、製品、そしてもちろんUXを含めて、どのように他者と働くことになるのだろうか?

UXとCRO(コンバージョン率最適化)の違いは?

最初に、コンバージョン最適化とUXの両方において、認識される目標を明確に描いておくと話がしやすいだろう。両者を実行するにあたり、どういった違いがあるのだろうか?

スーザン・オルソン氏によれば、効果的なコンバージョン最適化の戦略は非常に重要であり、コンバージョン最適化の法則の多くに、UXが当てはまると言う。実際、テストとリサーチを行ってチャンスのある領域を明らかにし、デザインを検証するという面においては共通だ。

スーザン・オルソン氏

スーザン・オルソン氏
「UXは学習、知覚、認識、振る舞い、動機に関連する多くの法則を、決定の判断に適用します。

コンバージョン最適化も、こうした心理学的法則を適用するのは同じですが、ユーザー体験を管理し、購入を行いたくなるような説得のマーケティングも合わせて組み込みます。

UXとコンバージョン最適化のどちらも、科学的な手法を活用し、繰り返しのテストを行うことが要求されます。しかしUXにおいて、テストはデザインの早い段階で行うのに対し、コンバージョン最適化では展開を開始した後に行うのです。」

次に、バーデン・ホップナー氏がQuoraで回答した、興味深い解説を見てみよう。

バーデン・ホップナー氏

バーデン・ホップナー氏

「UXデザイナーとは通常、UXプロジェクトでユーザーとの接点やクリエイティブを構築する人のことだ。ユーザーリサーチからのフィードバックを受け取り、ビジネスとユーザーに向けたソリューションを考える。UXデザイナーは非常に多様なバックグラウンドを持っており、しばしば、ワイヤフレーム、プロトタイプ、デザインソフトウェアのいずれかを使用して、アウトプットを制作します。

「コンバージョン最適化コンサルタント」は、特定のワークフローを評価する、短期的なビジネス契約を締結した人物です。ウェブ解析の経験を持っていることが多く、フローにおけるコンバージョン改善のため、一連のテストを提案する。こうしたテストを行うため、UXデザイナーと共に仕事をすることになるだろう。彼らが使いそうなツールは、ウェブアナリティクス、AB/MVTテストツール、デザインソフトウェアやパワーポイントだ。」

的を射た解説だ。しかしこれには、継続した最適化プロジェクトに取り組んでいる内部の人々が含まれていない。Axbom Innovation ABの創業者でUXデザイナーでもあるパー・アクスボム氏は、コンバージョン最適化を次のように語る。「これは開発プロセスと、デジタルソリューションの進行中に行うメンテナンスの一部である。実際の作業は他の誰かが行うとしても、責任を負うのは製品マネージャーなのだ。」

他にも、「コンバージョン最適化はUXの一部分である」といった反応もあった。また、次のようにも話している。

パー・アクスボム氏

パー・アクスボム氏
「私は、コンバージョン最適化は実行可能なUXの一部分であると認識している。
ユーザー体験のコンセプトは非常に広く、研究、戦略から、プロトタイプやコピーライティングにまで渡る。

あらゆるUXの作業に共通して当てはまるのは、ユーザー行動に関するデータと洞察をスタート地点としているということだ。コンバージョン最適化は、最初にKPIの設定におけるスキルとして起こり、次に開発を推し進めるデザインの決定において発生し、三番目には継続中のメンテナンス作業で起こる。私は、UXとコンバージョン最適化が相互に補完し合っているとはあまり思えない。なぜならコンバージョン最適化とは、プロダクトマネージャーがいつ、どこで最適化が必要であるかを理解するということだからだ。」

その定義の中では、うまく意味が通るように思う。しかし私は常に、UXはコンバージョン最適化の一部であると認識していた。なぜならコンバージョン最適化を行う多くの人々はUX(もしくは解析)の経験があり、それが最適化を行う上での基礎のスキルセットであると考えていたからだ。
おそらく、こういった形になるのではないだろうか。

UX+Analytics+Copywriting+Testing=Conversion optimization

しかし正直にいうと、あまりにも実験とデータが目立つがために、私はUXがより理論ベースのものであるとも考えていた。

もちろんユーザビリティ調査には厳密な定量的分野がある。しかし私が感じたのは、コンバージョン最適化はそうしたものの多くも含んでいるということだ(図中に、重なるエリアがあるだろう)。そしてコンバージョン最適化にももちろん、ある程度のヒューリスティックな側面も存在する。特にまだトラフィックが多くない段階であればなおさらである。

UXとCRO
※UX:理論と発見、CRO:テストと経験論

UXとCROはお互いどう補い合うのか?

この2つは別々な領域ではあるが、UXとコンバージョン最適化は多くの部分で重なり、また補い合っています。

スーザン・オルソン氏は、どちらも意思決定における不確実性を減少させることを狙いとしており、それによって収益と信頼性が高まると話しています。

スーザン・オルソン氏

スーザン・オルソン氏
「収益の高い組織では、大きな賭けを行うのにデータを使用し、不確実性、間違い、差異を減少させ、同時に確実性、信頼性、利益を増加させます。

コンバージョン最適化においては、しっかりとテストをコントロールしなければならない。収集できるあらゆる観測や分析が結果を改善させうるが、それは仮説を肯定するもしくは否定するテストを経た場合だけだ。

ユーザビリティテストは、さまざまなシナリオを素早く探求して即座にフィードバックを得たい場合や、予測できなかった仮説を立てる際に価値を持ちます。」

最後のポイントは、私が何度も聞いた事柄が含まれている。ユーザビリティ調査は、より優れた仮説を知らせるのに使われるということである。私たちの、ResearchXLモデルにおけるひとつのポイントになっているのには、理由があるのだ。

Digital Jugglerのジェームズ・ガード氏が、これをうまく説明してくれている。

ジェームズ・ガード氏

ジェームズ・ガード氏
「CROを行うには、テストに向けた仮説を立てるための洞察が必要となる。

証明、もしくは反証するための仮説がないテストには、集中すべきポイントがない。UXは、なぜそれが起こっているのかを理解する手助けとなってくれる。どうしてユーザーはモバイルで商品をカートに入れないのか、といったことである。

構造化されたUXのアプローチは、顧客中心的な考え方を用いて、ユーザーがどうウェブサイトと関わるか、何がうまく機能して、問題がどこにあるのかを探求する。これを優れた手法として、特定されたユーザーのニーズに基づいた改善に利用することができる。そのため、UXの考え方はCROプロジェクトの構造、焦点、関連性を改善できるのです。」

ついに、優れたUXはより高いコンバージョンをもたらすことが分かった。これはジェフ・ゴセフ氏も信じていることである。

ジェフ・ゴセフ氏

ジェフ・ゴセフ氏
「価値を明確に、簡潔に、力強くプレゼンテーションすること(コンテンツ、デザイン、美しさ、CTA)で、提供する製品やサービスでは大きなコンバージョンの改善が見られるだろう。これはUXにおいてもコンテンツ側に寄った話だが、しかしデザイン要素もブランドに見合うものであるべきである。」

しかしデザインは、計量的な考えとは対立するものではないのか?

分析はデザインの敵だ。もしくは、ある人々は(おそらく)そう考えている。実際は、全くそんなことはない。これはUIEのジャレッド・スプール氏が行った素晴らしい講演の議題であり、彼の結論は「デザインは計量的な考えとは対立するものではなく、デザイナーとして計量の世界を受け入れ、その大きな力で、今取り組んでいることを変えるのに使う必要がある」といったものだった。

彼はさらに、ユーザー体験と定量的な分析を隔てるべきではないと続けている。

ジャレッド・スプール氏

ジャレッド・スプール氏
「私たちは経験を使い、あちらの人々は定量的データを使う、といった考えは間違っている。私たちは定量的データを、少なくとも行動に関するデータ関しては、持っておかなくてはなりません。

態度に関するデータなどはどうでもよい。しかし行動に関するデータは、人々が実際に何を行っているのかを示しており、定量的データがUXチームの活動の一部となっているのである。」

つまり分析と経験が交差するどこかに、コンバージョン最適化、もしくはスプール氏が語った定量化可能なUXのようなものが、あるようだ。

どちらの領域も「推測」は信じない

最適化の初心者たちは、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる的なアプローチが正しい道だと思い込んでいます。「とにかくテストだ!」と彼らは言います。しかし人々は、トラフィックのA/Bテストに潜むトレードオフを忘れています。時に半分の片割れを失っているという事実を。

現在、それが探求のリスクとなっています。そもそも私たちがA/Bテストを行う見返りとして期待しているものは、一貫した戦略的なテストを通して、どのデザインが最もコンバージョンを得られるのか発見し、検証することだ。長期間行えば、それが利益をもたらしてくれるのだ。

しかし、どれをいつテストするのかを思い付きで推測するだけでは、テストを無駄にするリスクが発生し、無駄が増えれば、テストに対する不信感が芽生えるだろう。

Users Knowの代表で、UX for Kean Startupsの著者であるローラ・クライン氏も、これに同意してくれるだろう。彼女は単に思い付きのテストを行い、うまくいくものを見つけることよりも、定量的なユーザビリティの洞察を集めてテストに注ぎ込むことが正しいと信じている。

ローラ・クライン氏

ローラ・クライン氏
「もし本当にコンバージョンを最適化したければ、なぜ人々がコンバージョンしないかを知らなくてはなりません。私は実験が大好きですが、実験を行うためのアイデアを素早く得るには、会話が有効です。多くの人々は、より高いコンバージョンを目指して自己の手法をただA/Bテストするだけです。理想的なセグメントに属する顧客と話をして、コンバージョンファネルのユーザビリティテストを行い、直接フィードバックを受けましょう。これがうまくできれば、あなたのA/Bテストがもっと効率的になるでしょう。」

多くの人々がコンバージョン最適化に関して誤解しているのは、私たちが思い付きをテストしていて、意味ある洞察をもとにテストをしていないのではないかということだ。推測するに、前述の図を元にすると、これはUXにおいてもよくある誤解のようで、発見やアイデアから逸れてしまうのだ。

実際はどちらの分野においても、とにかく壁に物を投げてくっつく物を探すような手法は好まれない。どちらも、研究に多大な投資をするのである。

「なぜ」を見つける

UXとコンバージョン最適化が交差するもう一つの場所は、理由を見つけようと試みる場合だ。どちらも定量的データを分析してチャンスのある領域を見つけ、ソリューションを探求する。これについてUIEのジャレッド・スプール氏はこう語っている。

ジャレッド・スプール氏

ジャレッド・スプール氏
理由を理解することなく、優れたデザインの決断を下すことは難しい。私たちは深い解析を行う必要はないのである。必要なのは、ユーザー体験を改善する指標だ。すでに私たちは、そのツールを持っている。「ジャーニーマップ」と呼ばれるものである。」

制御不能な意見のリスクを緩和する

デザインvs指標について、スプール氏は素晴らしい話をしてくれている。

「私は何年も、ある実験を行っている。ある画面を見せるのだ。あなたのようなデザイナーが部屋いっぱいに集まり、そこで画面を見せるのである。

そして、私は一人ひとりになぜこんなことが起こっていると考えているのか書かせる。思い付いた推測を書いてもらうのである。

もちろん、これら4つの推測はどれも同じ大きさで、平等にグループ分けされて示される。興味深いことに、そこに集まった全ての人が、自分が正しいと感じたものこそが正解だと結論付けてしまうのである。」

この実験は、Malwarebytesで最適化のリーダーを務めるアンドリュー・アンデルソン氏のものと似ている。彼の記事「物語の誤診」で語られたことを見てみよう。

アンドリュー・アンデルソン氏

アンドリュー・アンデルソン氏
「私が新しいコンサルタントにしてもらった最初の事は、まだ結果を見たことがないどんなテストも行ってもらい、なぜテストにおける全てのバージョンが最高のものであり、明らかに優れているのかを説明してもらうことだった。

このゲームを始めるといつも、コンサルタントはそんなことは不可能で、どれだけ難しいのかを語る。しかし4つ目か5つ目のテストを行うまでには、説明することがどれだけ簡単なのかを理解し始めるのである。

  • 「このバージョンはバリュープロポジションを改善し、余分なものを取り除くため、人々は共感する。」
  • 「このバージョンは、ユーザーに行動を促す前に鍵となるセールスポイントを訴求することで、購入者がたどる道筋により多くのものを加えている。」
  • 「このバージョンの色使いは製品が知覚されるのを助け、ブランドに価値を加える。」

覚えておいてほしいのは、彼らはまだ結果は知らず、どれがうまく働き、どれが働かないかを判断する根拠を持っていないことです。これらの物語は、ただ物語を創造するために作り出しているに過ぎないのである。」

UXとCROのどちらでも、手がかりがない状態での推測、物語、根拠のない意見は尊重されない。

UXとCROに対立はあるか?

SEOとCROの関係性と同様で、UXとCROも相互補助的に働くと考えられる(マーケティングを始めたばかりの人々は、その頭字語から誤解を招きます)。しかし常にそうなのだろうか?私が話したUX専門家のうちの数人は、潜在的な対立について懸念を抱いていた。

直帰率と他の悪い指標

これはコンバージョン最適化に限ったことではないが、指標の中には政治的に影響されやすいものがある。つまり、あなたの計略を補強できるのである。ジャレッド・スプール氏が、スピーチでこのことを語っている

ジャレッド・スプール氏

ジャレッド・スプール氏
「私たちは好きなように、これらの数字を見る。それは直帰率だ。直帰率はコンテンツに関する検証を行う人々が、最も話題にする数値だ。「うちの直帰率は高いから、もっといいコンテンツを書かなければ」もしくは、「うちの直帰率が高いということは、訪問者は正確に求めるものを見つけられている、つまりうちのコンテンツは十分に質が高い」などと言う。どちらを選んでもらっても構わないし、自分が好む意見を支持するのに直帰率を使うことも可能だ。

これは分析ではない。これは計略を増強するものだ。部屋にあなたの計略を持ち込み、得られたデータでそれを支持する。これは問題で、私たちはこういった見方をしてしまった場合、どうやって他の見方をすれば良いのか、全く手がかりがないのである。そして私たちは会議に集まり、何をしたいのかをすでに理解した上で、決定を支持するためにデータを読んでしまうのだ。」

直帰率や類似した指標について、最適化に熟達した組織でこのような使われ方をしているとは言えない。しかし、オンラインには十分にひどい内容の記事があり、罪深い人がいることを知った。

コンバージョン率もまた、悪い指標である

文言によるコンバージョン率の最適化は大きな議論を呼んでいます。それは、収益やビジネスにおける実際の指標に一切言及しないまま、コンバージョン率に集中しているからです。

CXLのPeepは、「もし本当にコンバージョン率だけを上げたいのであれば、値段を半額にすればいいのだ。これで即座に上がる。」という例について述べている。またジャレッドスプール氏も、微妙に異なる形で、このことを語っている

ジャレッド・スプール氏

ジャレッド・スプール氏
「コンバージョン率には、他にも大きな問題がある。たとえば、私のサイトに一人の訪問者が来て、製品を見ているとしよう。一度戻って、また見に来てくれる。また戻って、またやって来た。それを繰り返し、ようやく購入してくれた。これは4回の訪問で1回購入が行われたとみるべきだろうか?それとも、一人の顧客がようやく購入をしてくれたとみるべきなのだろうか?

私たちは初回の購入のみに最適化するのか?それとも顧客が決断し、情報の印刷、上司や奥さんへの承認をもらうまでの時間を与えるべきだろうか?

我々は間違ったことに対して最適化しているようだ。あなたが望むように、コンバージョン率には意味を加えることができる。データを十分に長く曲解すれば、望んだ通りに働いてくれてしまうのだ。」

短期的ゴールを追求しすぎる?

私が聞いたうちでも最も大きな対立は、コンバージョン最適化は短期間の最適化になりがちな一方で、ユーザー体験の改善は長期間の満足度のために行われるというものだ。ここに少しでも真実が含まれているのか、それともただの誤解なのかはわからないが、これは長年信じられている。

パー・アクスボム氏は、これは長期間のユーザー満足度を考慮するよりも、短期間のビジネス目標を推し進めた結果であると説明している。

パー・アクスボム氏

パー・アクスボム氏
「もしコンバージョン率が飛躍的に上昇すれば、コンバージョンのプロジェクトとしては成功だ。しかし同時に、満足していないユーザーが増えれば、UXのプロジェクトとしては失敗です。短期的には売り上げは上昇するだろうが、ユーザーはすでに別のサービスへの乗り換えを検討しているかもしれないし、それによって後にユーザー数が突如として落ち込むことになるかもしれない。

私が最近書いた記事「おとぎ話に潜む落とし穴」で、UXを手がける人間として、コンバージョン最適化だけを行う人間にはならないことが私たちの仕事である、ということを論じた。私の恐れには2つの部分がある。

  1. 1. コンバージョン最適化を行う人々は、ユーザーを理解するのに十分な時間を使わず、間違ったデータ(時にはただの勘)で新しいデザインをこき下ろす。そのため、うまく動作するデザインソリューションに仕上げるのに時間がかかる。
  2. 2. そして高いコンバージョン率に集中することで、顧客が意図せず購入を行ってしまう場合、たとえば認知能力にハンデを持つ人が、うっかり同じ製品の定期購読をいくつも申し込んでしまうなど、を無視してしまう。時には、ただ余計な摩擦を取り除くだけで良いのだ。

しかし、UXとコンバージョン最適化の両スキルがうまく合わさればもちろん、魔法のような結果を生み出す可能性もあるだろう。」

ジェフ・ゴセフ氏は、最適化におけるダークパターンの使用についても懸念している。これは優れたユーザー体験とは真逆のものであり、訪問者を騙すような形でコンバージョン率を上昇させることができてしまう。

ジェフ・ゴセフ氏

ジェフ・ゴセフ氏
「コンバージョン最適化においては、本当に多くのダークパターンが存在する。これらは長期的なブランド、ロイヤリティ、リテンションを諦めるかわりに、短期的にコンバージョンを高める。一例として、過剰なメールマーケティングが挙げられる。これで早期にコンバージョンの上昇を達成できるが、この過程で、ブランドを大きく傷つけることになるだろう。」

ウェブデザインとコンサルティング業務を行うブラッド・フロスト氏も、これに言及している。コンバージョン最適化とUXは通常はお互いを補い合うものだが、ちょっとした手法を使うことで、人々を思い通りに操る力も秘めている。

ブラッド・フロスト氏

ブラッド・フロスト氏
「UXデザインのベストプラクティスに従えば、最小限の労力で人々を思い通りのユーザーフローへと招き入れることができるだろう。これはいいことだ。しかし!マーケティングのゴールとユーザーのゴールが異なる場合も多いため、ビジネス側はひどいUXテクニックを利用して、ユーザーの注目をビジネス側の意図するものへと誘導するような策略を企てたくなるのである。

私のアドバイスはシンプルだ。ユーザーと彼らの時間を尊重すること。継続的に良い体験を与えれば、ユーザーは喜んでニュースレターに登録したり、製品を購入したり、Facebookでいいねをくれたりなど、望む行動を取ってくれるだろう。」

Change Sciencesの創業者であるパメラ・パブリスカック氏も、短期目標と長期目標のバランスが常に理想的とは限らない点に触れている。

パメラ・パブリスカック氏

パメラ・パブリスカック氏
「CROとUXは、短期的な説得と長期的な付き合いのバランスが取れない場合に枝分かれをします。私たちの理不尽で感情的な内面をデザインするのではなく、最高の体験がそれらを支持するのである。結局、そうした体験こそがユーザーとの有意義な関係を最も育ててくれるのです。」

その他の組織的対立

私はCROとUXの潜在的な対立について、スーザン・オルソン氏の視点が気に入っている。彼女は、コンバージョン最適化は未だに誤解されていると言う。

スーザン・オルソン氏

スーザン・オルソン氏
「私はここには二種類の対立があると思います。まずは、コンバージョン最適化が過小評価され、誤解され続けていることです。まだ十分に発達しておらず、科学的な手法の知識が求められ専用のツールを使う必要があると思われています。もう一つは、最適化をUXとともに組織の戦略に組み込む方が合理的であるということです。特に組織内に熱心な推進派と、意見よりもデータを重視する文化の存在が求められます。」

ジェームズ・ガード氏も、対立は実践的なものと言うより、組織的な苦しみであると認識している

ジェームズ・ガード氏

ジェームズ・ガード氏
「科学的な観点から見て対立があるとは思わない。しかしビジネスにおいて、CROの責任者とUXの責任者の間に断絶が存在することはよくある。

たとえば、ウェブ解析の当事者はデータ分析を元にテストを計画するが、そこにテストの手法や優先度のアドバイスをくれるUXチームは含めない。

私も、顧客中心でないテストプログラムを見たことがある。それはデータを利用して問題を特定しデジタルチームがソリューションを導き出すものだが、テストの仮説を特定するのにUXドリブンのアプローチを使わず、ユーザーインサイトだけを元にしてソリューションを作り上げてしまうのである。

つまり対立は、広いビジネスの参加が必要とされるテストの実行の過程ではなく、一貫性に欠けるプロセスの中に潜んでいることが多い。」

おそらく、組織的な効率を向上させるには、UXと最適化(とSEO)のチームが手を組み、重要なビジネスの指標を増加させるよう働く必要がある。

結論

UXに関わる人々はほとんどの場合、コンバージョン最適化を正しいレンズで認識している。しかし、いくつか相違も見られる。

一つ目に、コンバージョン最適化の作業についての見方だ。バリュープロポジションとCTAが全てではない。

二つ目に、コンバージョン最適化を行う人々は、短期的な利益を追求するという考えだ。最適化の担当者が、ごくわずかに人を騙すような要素を入れ、200%の上昇が1日で得られたとしましょう。しかしそれでは振れ幅が大きくなり、またその上昇にもあまり価値はない。

こういった行動は、熟練のプロにはあまり見られない。

しかしまとめると、UXとコンバージョン最適化は、どちらもユーザー体験を最適化し、顧客とビジネスの成果の両方により高い価値を与えることなのである。認識は常に一致しなくとも、その目標は同じものなのだ。


この記事は、ConversionXLに掲載された「How Do UX Professionals View Conversion Optimization?」を翻訳した内容です。


目指すところは共通していても、内包している要素や期間の長さでの違いがあるというのは興味深いですね。また、CROは長期的にビジネスを発展させるためのプロセスであることは肝に銘じておく必要があります。

— SEO Japan

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Google:構造化データは今後も継続させていく予定である

音声検索に限らず、Googleがホームページの理解度を深める必要が増すにつれて、構造化データへの注目度は徐々に増してきています。Googleとしても今後取り組みを続けていくだろうという旨をゲイリー・イェーシュ氏が発言しました。
— SEO Japan


Google: Schema & Structured Data Is Here For The Long Run
SearchEngineRoundtableの読者の方ならば、Googleが構造化マークアップに投資を続けていることはご存知だろう。サポートを強化し、ウェブマスターや担当者に構造化データの導入を推奨し続けている。

とはいえ、Googleはウェブマスターへ推奨したものといえどサポートを取り消すこともあり、担当者やSEO専門家は過去にこれらに多くの時間を費やしてきた。直近でいうと、新メタキーワードタグや著者情報など、ここ数年でも多くの他の機能がこのような道をたどっている。

しかし、少なくともschemaと構造化データについてはこの限りではないとしている。
Googleのゲイリー・イェーシュ氏は、PubConのステージでschemaはしばらくここにあり続けるだろうとしている。マリー・ヘインズ氏はこのキーノートについて、Twitterで以下のように述べている。

ゲイリーは、「Googleが過去にウェブマスターに対してサイトへの導入を推奨したものを無くしていることは知っている。しかし、構造化データは変わることはない。Googleがページの内容を理解する上での助けとなってくれるからだ。」と発言していた。

永遠に続くものはない、というのが正しいだろう。しかし今後数年においては、schemaと構造化データは安全だろうと考えている。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google: Schema & Structured Data Is Here For The Long Run」を翻訳した内容です。


長くウェブマスターを続けている人からすると、Googleの推奨に対して疑心暗鬼になる人もいるかもしれません。しかし音声検索結果で返す、リッチスニペットを表示するなど、Googleがウェブページの内容を理解する必要性が増せば増すほど、構造化データが今後も続く確率は高まっていくのではないでしょうか。
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Google Dance Tokyo 2018 開催のお知らせ

Google Dance Tokyo を今年も開催します。本イベントは Google の検索チームと、ウェブマスターやサイト運営に関わる皆さんを結ぶことを目的にしたもので、今年で 3 回目の開催となります。

今年の Google Dance Tokyo では昨年に引き続き Gary Illyes、長山一石、小川安奈、そして金谷武明が参加し、Google 検索についてのセッションや Q&A の時間を設けるほか、Google 社員と参加者のみなさんの交流タイムなどを予定しています。開催概要は次のとおりです。

開催概要
日時:2018 年 4 月 3 日(火)
   13 時 00 分開場、14 時 00 分開始
   21 時 00 分頃終了予定
場所:Google 東京オフィス
費用:無料
定員:200 名(招待枠含む)

お申し込みはこちらから!
(締め切り:2018 年 3 月 5 日(月) 深夜 0 時まで)

今年も参加者のみなさんからの Lightning Talk タイムを設けたいと思います。
みなさまのご応募お待ちしております!

※ 参加者は抽選で決定し、3 月 8 日以降に当選者のみご連絡いたします。
※ 会場までの交通費等のサポートはありませんのでご了承ください。

Takeaki Kanaya, Senior Search Evangelist, Google

サーチコンソールでのクロールリクエスト上限が大幅に変更

Google Search Console(サーチコンソール)のFetch as Google機能で、送信出来るURLの上限数が変更されました。「月」単位での上限数設定が、「日」単位での上限設定に変更された模様です。
— SEO Japan

Google Drastically Changes Crawl Limits In Search Console

ここ10日ほどでGoogleサーチコンソールの「Fetch as Google」経由でGoogleに対して送れるURLの数が変更された。

Googleはこのトピックに関してヘルプドキュメントを更新し、クロールの上限は大きく変更された。「このURLのみをクロールする」を選んだ時の上限が500件/月から300件/月に、「このURLと直接リンクをクロールする」を選んだ時の上限が10件/日から2件/日に変更された。

変更前の選択肢毎の上限はこのようになっていた。

  • [この URL のみをクロールする] では、選択した URL のみが送信され、Google によって再クロールされます。この方法では、30 日間に500 件まで URL を送信できます。
  • [この URL と直接リンクをクロールする] では、選択した URL に加え、その URL から直接リンクしているすべてのページが送信され、Google によって再クロールされます。このタイプのリクエストは30 日間に 10 件まで送信できます。

現在、選択肢毎の上限はこのようになっている。

  • [この URL のみをクロールする] では、選択した URL のみが送信され、Google によって再クロールされます。1 日に 10 件まで URL を送信できます。
  • [この URL と直接リンクをクロールする] では、選択した URL に加え、その URL から直接リンクしているすべてのページが送信され、Google によって再クロールされます。このサイトの再クロール リクエストは 1 日に 2 件まで送信できます。

以下がスクリーンショットだ。(英語)
変更前
Ask Google to recrawl and reindex your URL(Before)

変更後
Ask Google to recrawl and reindex your URL(After)
※日本語版は、SEO Japanコメント欄の中にある公式ドキュメントへのリンクよりご確認ください。

もう一度言うが、多くのSEO専門家はそこまでこの機能は使わないであろう。もし使うとしても、限られた一部であるであろう。XMLサイトマップと通常のクロール手法が、大量のコンテンツをGoogleにインデックスさせる最善の手法であるのだ。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google Drastically Changes Crawl Limits In Search Console」を翻訳した内容です。


執筆者のバリー氏はあまり使われないと言っていますが、ページを更新してインデックスさせたい時や、スマホからの見え方を確認したい時は重宝する機能ですよね。日本語版のGoogleの公式のドキュメントはこちらから確認できます。
またサーチコンソールの使い方については「【保存版】Google Search Console(サーチコンソール)を使って、サイトを改善するためのガイドをご覧下さい。」
— SEO Japan

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レビューの星印が検索のCTRに与える影響とは?調査データを公開

どんな商品、サービスも他のユーザーの口コミや評価は気になるものです。そして、Google検索での表示ページについてもそれは当てはまります。他のユーザーの評価を表すレビューの星印があると、ユーザーの検索行動にはどのような影響があるのでしょうか。
— SEO Japan

review_stars

Googleで何かを検索した際、検索結果の横にレビューの星印を見たことがあるのではないだろうか?

こんな感じで。

serps_with_review_stars

果たしてこれはクリック数の向上に貢献しているのだろうか?

過去に「Which Types of Special Proof Work Best?」という調査を実施したこともあり、我々は検索結果のCTRを増やすための方法としてレビューの星印が有効であるかを検証した。

検索結果にレビューの星印が表示されていることで、クリック・スルー・レート(CTR)にはどのような良い影響があるのだろうか?あなたのビジネスにどのような影響を与えているのだろうか?私たちはCXL Instituteの研究によるたしかなデータを基に、これらの質問に答えたいと思う。

私たちの研究は、自動車ガラス交換・修理の会社であるBelron Internationalと共同で実施されることになった。

結果サマリー

この研究では検索結果にレビューの星印があることによって、CTRが約35%も改善したという結果が得られた。

我々はBelronの「the Western market(アメリカ西側のマーケット)」と「the European market(ヨーロッパのマーケット)」の2つのマーケットにおける様々な検索画面のCTRの違いを明らかにする調査を行った。

結果として、どちらのマーケットにおいても検索結果のレビューの星印は著しく高いCTRをもたらしていた。

検索結果におけるレビューの星印は西側のマーケットではトラフィックを35%向上させ、ヨーロッパのマーケットおいても、同様のテストで13%トラフィック数を上昇させた。

特記事項

  • 西側のマーケットのユーザーは、自然検索結果にレビューの星印が表示されていることでクリックするかしないか迷っている時間が減っているように見えた。
  • オーガニック検索検索内でユーザーの関心が最も高かった領域の中でも、レビューの星印が表示されている箇所はクリック率・クリック数どちらも高い傾向があった。
  • 西側、ヨーロッパのどちらの調査でも、オーガニック検索の一番上のページにレビューの星印がある場合、著しくCTRが高くなった。

結論

どちらの調査のレビューの星印も自然検索において高いCTRに繋がっていた。私たちのこの気づきから読み取れることは、レビューの星印が良い結果に貢献していることがわかるため、将来SEOはレビューの星印の利用にフォーカスするであろうということだ。

背景

この研究で、私たちは二つの異なったマーケット、アメリカ西部マーケットとヨーロッパのマーケットにおけるSERPの実験をし、比較することにした。他国や他言語で同様の実験を行うために二つのマーケットを対象とした。

ブランド用語がもつブランド力がテスト結果に悪影響を与えないようにするために、これらのマーケットでのテストで使用したGoogleの検索ワードは一般的な言葉を選んだ。
私たちは確実な結果を得るために、アイトラッキングとクリックの2つの面から調査を行った。クリック調査に関しても、タスクをこなし、評価を行い、SERPsに触れるという面においてはアイトラッキングと共通している。

  • アイトラッキングをすることで、レビューの星印を含むSERPsのコンテンツが訪問者に視覚的にどのようにうつるのかを知ることができる
  • その調査によってCTRを測ることができただけでなく、各実験ごとのCTRの統計的な違いを決定するために必要となる被験者の数を知ることができた。

CXL協会の研究所のアイトラッキングの実施手法と結果分析手法は西側のマーケットで用いられ、ヨーロッパのマーケットでは結果分析手法のみが使用された。

調査における検証内容:レビューの星印はSERPsのクリック率を上げるために効果的か。

データの収集方法と運用

範囲

私たちの研究者は、2つのマーケットにおける様々な検索画面のCTRの違いを明らかにする調査を行った。

  • 2つの対象マーケット×2種類の実験=4つの実験
  • 2つの対象マーケット:西側のマーケットとヨーロッパのマーケット
  • 実験の種類の違いとは、それぞれのマーケットのターゲットとなるSERPにおける「レビューの星印の有無」である
  • 各実験におけるCTRデータを集めるために、アイトラッキングとクリック調査が行われた

データ

私たちが西側のマーケットにおけるアイトラッキングの結果を分析した基準は、最初に視野が固定されるまでの時間、視野が固定されている平均時間、クリック率、クリック数、最初のクリックまでの平均時間、平均の訪問者数だ。

アイトラッキングの分析によるデータは、星の有無によるCTRの違いを評価し、調査結果分析のために必要な被験者数を決定するために使われた。

数値などの定量データを、表を用いて比較するのと同じように、実験の結果もヒートマップで表示し視覚的な比較を可能にした。

被験者数

アイトラッキングのヒートマップの研究においては、西側のマーケットブランドの検索結果の種類を比較するためにそれぞれ100名にお願いし、全体ではおおよそ200名にお願いをした。

どちらのマーケットにおいても、クリック調査における結果の妥当性を確保するために、およそ500名の参加者を集めた。なお、この被験者数はアイトラッキング調査の結果を分析する前に決定された。

有用性

アイトラッキングの被験者全体でみると、約59%の被験者が分析を行う上で十分なクオリティーを保てており、実験1では60名、実験2では58名のサンプルデータが入手できた。
インダストリー・スタンダード(ニールセン・ノーマン・グループとトビーなど)は30名の被験者をヒートマップの妥当性を担保するのに必要な数だとしている。

調査

こちらは西側のブランド調査の一例となる。ヨーロッパの調査ではBelronの翻訳されたバージョンが使われていた。

参加者に与えられたシチュエーション
北アメリカに住んでおり、フロントガラスの修理が必要になったため、Googleで電話する会社を探している

タスク
検索結果画面を見て、ページ内にある情報からどの業者に依頼するかを検討する。

タスク後の質問

  • なぜそのリンク(業者)を選んだのか?
  • 過去にフロントガラスの修理を依頼した業者は?
  • フロントガラスの修理のために検索をするとき、何を重要視したか?

それぞれの調査結果により実験毎のクリックに関するデータを得ることができた。

他重要情報(実験の種類など)

西部マーケットの検索結果では、メタディスクリプションにレビューの星印を含むページと含まないページをそれぞれ提示した。

これが西部マーケットの検索結果のバリエーションだ。(意図的に一部にぼかしを入れている)
serps_with_and_without_reviewstars
(左側はレビューの星印あり、右側はレビューの星印なし)

Berlonの西部マーケットでのアイトラッキングテストでは、ユーザーの目線が最も長時間向けられていた箇所を観察し、個別の検索結果毎に「関心領域(Area of Interest=AOI)」と関連づけた。

これがAOIの例だ(星がついているものはレビューの星印が検索結果内に含まれているものである)

Example_of_AOI

Belronのアイトラッキングヒートマップを見てみると、ユーザーの視界が検索結果の左上に引き付けられていることが分かる。レビューの星印が無いと、ページ下部に視界が固定されやすいという結果が得られた。

Western_Brand_Treatments_Eye-Tracking-Result-Heatmaps
(左側はターゲットのウェブサイトにレビューの星印がある調査、右側はターゲットのウェブサイトにレビューの星印がない調査)

被験者が検索結果のどこを見ているのかが明らかになった後、ユーザーがクリックを行うまでにどれくらいの時間がかかり、どのリンクを最終的にクリックするのかを分析した。

適用範囲

これらの発見が適用されるのは、西部のマーケットとヨーロッパのマーケットの調査に限定される。
他のマーケットにこれらの発見を適用することは容易ではあるが、どの会社も異なる会社であり異なる顧客基盤をもつため、自社のレビューの星印の影響については個別に実験をすべきである。

結論

レビューの星印は間違いなく注目を集める助けとなっている。この調査ではCTRは約35%ほど高まり、レビューの星印がある実験のうち97%がレビューの星印がない実験よりも高いCTRを誇ることが分かった。

Googleの検索結果が活況を呈するにつれて1位表示はどんどん難しくなっているが、レビューの星印はCTRを増加させる良い方法だ。

レビューの星印はソーシャル的な信頼の証明となり、注目とクリックを集めるため、ユーザーは長い時間真剣に検討を行うのである。


この記事は、ConversionXLに掲載された「Do Review Stars on Google Help Click-Through Rate? [Original Study]」を翻訳した内容です。


検索エンジンマーケターとしては、検索順位向上以外にもCTRを増やす方法は押さえておくべきポイントですね。レビューの星印に限らず、強調スニペットなどでより多くのクリックを獲得するためには、構造化データのマークアップは不可欠と言えそうです。
— SEO Japan

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ユーザーからのフィードバックが Search Console の改善に役立ちました

新しい Search Console のベータ版が、いよいよ本格稼働しました。Google ではこれまで、皆様からのさまざまなフィードバックに耳を傾け、ユーザーの声をデザインに反映するための新たな方法を模索してきました。今回の新しいリリースでは、当初はユーザーの主要な目標をサポートする機能の構築に注力してきましたが、今後数か月は機能の拡張を進めていく予定です。UI にマテリアル デザインを採用するなど長らく期待されてきた変更点もある一方で、多くの機能は、Search Console ユーザーである皆様に継続的にご協力いただいた結果、実現したものです。

ユーザーのご意見を伺うにあたっては、主に次の 3 種類のコミュニケーション チャネルを利用してきました。

  • ヘルプ フォーラムのトップレベル ユーザー - ウェブマスター ヘルプ フォーラムトップレベル ユーザーの方々には、フォーラムに投稿されたトピックを提起するという重要な役割を担っていただいています。トップレベル ユーザーは、Google の検索チームと定期的にコミュニケーションをとり、Search Console ユーザーという大規模なコミュニティを支える存在です。
  • オープン フィードバック - 従来の Search Console についてのフィードバック コメントを分析し、ご要望が特に多かったリクエストを特定しました。このフィードバックは、Search Console の [フィードバックを送信] ボタンをクリックして送信できます。このフィードバックにより、昨年多く寄せられた「検索アナリティクス(検索パフォーマンス)レポートで 90 日以上のデータを見たい」というリクエストについて、その詳しい理由を把握することができました。前年の同時期との比較が必要だということがわかったため、16 か月分のデータを利用できるようにしたその決断が正しかったことを確認できました。
  • Search Console パネル - 昨年新たに構成されたコミュニケーション チャネルです。あらゆる規模のウェブサイトから Search Console ユーザーを無作為に 400 人選び、1 つのグループとしてご協力いただいています。このパネルのメンバーは年間を通して、サーベイによる新しいコンセプトの検証からインタビューやユーザビリティ テストに至るまで、ほぼすべてのデザインの試行錯誤の過程に参加してきました。Search Console パネルメンバーの皆様には、仮説検証からデザインを改良するまでに役立つ有益なフィードバックを提供していただいています。

こうした取り組みの一環として行ったもののひとつが、検索パフォーマンス レポートについて新しく提案されたデザインのテストです。具体的な目的は、「比較」機能と「フィルタ」機能の使い方がわかりやすいかどうかを確認することでした。できるだけリアルに感じられるテストにするため、実際のデータに接続した本物に近いプロトタイプを使用しました。このプロトタイプでは、本番用コードが 1 行も記述されていない状態でも、テスト参加者が自由にユーザー インターフェースを操作できるようにしました。

このテストでは、「比較」機能が見落とされることが多いことがわかりました。そこで、[新規] チップをクリックすると開く統合されたダイアログ ボックスに「フィルタ」と「比較」が表示されるデザインに変更しました。このデザインに加えて他のデザインについても、ユーザビリティや利便性を最適化できるよう引き続きテストを行いました。

ユーザーからのフィードバックは、実際のデザインの細部だけでなく、構成に関する判断にも取り入れています。たとえば、ユーザーのフィードバックを基に、Search Console の中心となる情報アーキテクチャを大きく変更した結果、新しい Search Console 内のナビゲーションやプロダクトの構成も大きく変わりました。エラーに関するレポートとインデックス カバレッジレポートは当初は別々であったため、同じエラーが複数検出されてしまいました。これらのレポートを 1 つにまとめて包括的に把握できるようにしたのも、ユーザーのフィードバックを受けた結果です。

公開日が近づくにつれて、さらに大規模なテストをいくつか実施しました。30,000 人のユーザーを対象に、新しい Search Console の一部のレポートと既存のレポートを比較する A/B テストを行いました。問題の修正率を記録して、新しい Search Console の方が良好な結果をもたらすことを確認し、テストについて調べるためフォローアップのアンケートを送信しました。この最新のフィードバックから、エクスポート機能が、単にあると便利というよりむしろ多くのユーザーにとって欠かせない機能であることがわかりました。また、最初のリリースで詳細なヘルプページを用意するという点でも、フィードバックが役立ちました。

新しい Search Console は、現在すべてのサイトでご利用いただけるようになっています。Google では、Search Console のフィードバック ボタンやユーザーパネルなどの手段を通じてご協力いただきながらデザインを進めることを重視しています。最良のプロダクトを作ることができるのは、ユーザーの皆様のおかげです。

新しい Search Console を試してみる

新しい Search Console は、まだ完成したわけではありません。今後取り入れてほしいという機能がありましたら、ぜひ Search Console 上のフィードバックボタンからお知らせください。皆様からのフィードバック、お待ちしています!

Lighthouse Chrome 拡張機能に追加された SEO カテゴリのご紹介

Lighthouse Chrome 拡張機能に、新しく SEO カテゴリが追加されましたのでご紹介します。

Lighthouse は、ウェブページの品質向上に役立つよう開発された、オープンソースの自動化されたツールです。サイトのパフォーマンス、アクセシビリティ、プログレッシブ ウェブアプリ(PWA)対応状況などについての確認でき、サイトの品質を向上させるための具体的な対策を提示します。デベロッパーの皆様が「暗礁に乗り上げないようにする」ことを目的としているため、「Lighthouse(灯台)」と名付けられました。

Lighthouse 内の SEO カテゴリでは、ウェブページの基本的な「SEO ヘルスチェック」を実行できます。その結果、デベロッパーやウェブマスターの皆様にウェブページで改善可能な箇所を見つけていただけるようになっています。Lighthouse は Chrome ブラウザでローカルに実行されるため、ステージング環境でも、公開中のページでも、認証が必要なページでも、同じように SEO 監査を実行できます。

SEO のおすすめの方法を提示

現在の SEO 監査項目はすべてを網羅したものではなく、Google ウェブ検索やその他の検索エンジンでの SEO を保証するものでもありません。現在のリストは、どのサイトも知っておくべき基本事項を検証、反映できるよう設計されており、あらゆるスキルレベルの SEO 担当者やデベロッパー向けに詳細なガイドを提供します。将来的には、さらに詳しい監査やガイドをご提供したいと考えています。ご利用になりたい監査の種類についてご意見やご提案がございましたら、ぜひお知らせください。

使用方法

現在、SEO 監査は以下の 2 種類の方法で実行できます。

Lighthouse Chrome 拡張機能を使用する:
  1. Lighthouse Chrome 拡張機能をインストールします。
  2. 拡張機能バーの Lighthouse アイコンをクリックします。
  3. [Options] メニューを選択し、[SEO] チェックボックスをオンにして [OK] をクリックしてから [Generate report] をクリックします。
  4. Lighthouse 拡張機能で SEO 監査を実行する
Chrome Canary で Chrome デベロッパー ツールを使用する:
  1. Chrome デベロッパー ツールを開きます。
  2. [Audits] に移動します。
  3. [Perform an audit] をクリックします。
  4. [SEO] チェックボックスをオンにして、[Run Audit] をクリックします。
  5. Chrome Canary で SEO 監査を実行する

現在の Lighthouse Chrome 拡張機能に含まれる SEO 監査項目は、今後拡張、強化していく予定です。確実に機能することが確認でき次第、Chrome デベロッパー ツールでもデフォルトで SEO 監査をご利用いただけるようにいたします。

皆様が現在取り組んでいるプロジェクトや今後のプロジェクトで、この機能がお役に立てば幸いです。SEO に関するこうしたヒントをご存知でなかった方や、SEO に関心をお持ちの方は、検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドをご覧になることをおすすめします。ご意見やご提案がございましたら、GitHubウェブマスター ヘルプ フォーラムでお寄せください。

【1年でUU3倍!】事業成長を加速させるSEOコンサルタントの正しい活用法とは(Web担当者Forum掲載)

画像引用:1年で月間アクティブユーザーを3倍に! 事業成長を加速させるSEOコンサルタントの正しい活用法

はじめに

こんにちは、ナイルの渡邉です。先日、Web担当者Forumで、弊社クライアントであるスマートショッピング様の「SEOコンサルタントの正しい活用法」に関するインタビュー記事が公開されました。

下記のような課題感をお持ちの方に是非読んで頂きたいです。

  • SEOコンサルタントを活用できていないケース
  • SEOコンサルタントからの提案が事業方針とずれていた
  • SEOの改善提案が、技術的な問題で実装できなかった
  • PVは増えたが、売上に貢献するユーザーを獲得できなかった
  • 検索エンジンからの流入を獲得するためにコンテンツを制作したが、サイトの世界観と合っていなかった

Web担当者Forumの記事本文はこちら

SEOコンサルタントの活用法①:優先度付けの判断

スマートショッピング代表である林英俊氏は前職AmazonでのECサイト運営経験もあり、自社のSEO課題も解決策もある程度絞れていましたが、その中での優先度を判断できないという課題があったそうです。

林氏

Amazonのような大手がやるべき施策と、我々のような小規模のサイトがやるべきことが、Webでは同列に語られることも少なくありません。そのため、課題や解決策の目論見はついているものの、何をどういう優先度で手を付けるべきか、判断できない状況でした。

担当コンサルタントの糸田川は、これまで色々なサイトのSEOに関わってきた経験を踏まえて「カテゴリの再設計」を最優先事項として提案しました。1サイト専任ではなく、複数のサイトに関わって成功も失敗も体験してきたからこそ、どこに取り組めば得られる果実が大きいのかを判断しやすいというのはあると思います。

SEOコンサルタントの活用法②:自分の考えの壁打ち相手になってもらう

林氏

コンサルタントというと、願いをなんでも叶えてくれる魔法のランプみたいに考えている方もいますが、そんなことはありません。最後はクライアントが動かなければ、問題は解決しないからです。

「魔法のランプ」を期待してコンサルに任せきりにすると、理想論を詰め込んだピカピカの提案資料が上がってきます。そして、最後の実装段階で「提案された改善を実装するのは技術的にどうしても無理」と問題が発覚し、実現されることなくプロジェクトが頓挫したりするのです。

SEOは単純にキーワードやコンテンツ、技術要件を考えればいいものではなく、ビジネスやユーザーのことなどを深く理解した上で施策に落とし込んで行かなければ成果が出なくなってきました。そうなった時に判断をすべてコンサルタントに委ねるのではなく、自分たちが考えている方針や取り組みが正しいのかを確かめる壁打ち相手としてコンサルタントとコミュニケーションをとり、「一緒に解決策を探す」というスタンスでコミュニケーションをとって頂く方がうまくいくことが多いです。

これまでコンサルタントとして200を超えるプロジェクトに関わってきた身として感じることとしては、外部から関わっている以上、クライアント様のビジネスやユーザーについて詳しくなるのにはどうしても限界があり、いずれにせよ学習や理解に一定期間を要します。ですので、「SEOコンサルティング会社に求めること」や「Web/SEOの目標」だけではなく、「自社の強みや弱み」「Web以外のビジネスの取り組み」「社内の組織体制や望まれるコミュニケーションの取り方」などをコンサルタントに対して事前にインストールして頂けると、よりスムーズに、無駄な稼働をすることなく精度の高い提案できるなと感じます。

SEOコンサルタントの活用法③:こまめなコミュニケーションで前進させる

林氏

きれいな資料作成は時間の無駄。その時間を使って改善を進める

今はクライアント側の私にとって、コンサルタントが資料をまとめている時間は無駄でしかありません。彼らが発見したアイデアを手書きでも共有してもらって、改善を進める方がはるかに価値は高いのです。

こまめに途中経過を教えてもらう

毎週必ず電話やチャットツールでコミュニケーションを取るようにしていました。「どんな感じですか?」と10分連絡するだけで、あとから調整が必要になるリスクを回避できます。

「できないこと」は早めにコンサルに伝えておく

技術的な制約でどうしても対応できないとか、ビジネス上の理由でこういうことはできないとか、そういう「できないこと」は早めに伝えておかないと、小さなコミュニケーションの行き違いでやり直しになるのは、時間と労力がもったいないです。 システムやオペレーション、あと会社のカルチャーとして対応できないとか、そういうクリティカルなものは早めに伝えるようにすると違います

これは社内外に関わらずだと思いますが、「任せて進めていたら明後日の方向に進んでしまっていた(認識すり合わせの問題)」「任せていた間に方針が変わったので依頼していたものが無駄になってしまった(情報共有漏れの問題)」なんてことも少なくありません。林氏の述べているように、こまめにコミュニケーションをとることで、お互いの認識をすり合わせて、少しずつでも前進させていくためのコミュニケーションの時間を設けることが大切です。

弊社でもなるべく定例MTGはこれまでの振り返りと今後の展開をディスカッションする場にして、電話やチャットツールなどの日常的なコミュニケーションを重視しています。

おわりに

今回はスマートショッピングの林氏の考える「SEOコンサルタントの正しい活用法」のインタビュー記事について、実際にコンサルタントとしてプロジェクトに関わる立場からコメントさせて頂きました。ぜひ外部のコンサルティングサービスを利用されているインハウス担当者の方は今後のコミュニケーションの取り方の参考にして頂ければと思います。

【1年でUU3倍!】事業成長を加速させるSEOコンサルタントの正しい活用法とは(Web担当者Forum掲載)ナイル株式会社 - SEO HACKSで公開された投稿です。

【調査データ】検索者はGoogleとBingのSERPsをどのように見ているのか?

「普段あなたはどういう風に検索エンジンの画面見てますか?」と聞かれて、明確に答えるのは意外と難しいものです。普段から使っている検索エンジンだからこそ、何気なくするクリックなどの理由を一つ一つ自分で検証するのは、大変骨が折れる作業ですよね。
今回ご紹介する記事では、検索エンジンでのユーザーの行動をアイトラッキング等を用いて考察した内容をまとめています。検索エンジンマーケターとしては是非とも知っておきたいですね。– SEO Japan

Heatmap-Blog-Header-1
人々は検索結果をどのように見るのだろうか?この答えは、SEOやPPCなどの検索マーケティングで成功しようとしているものに対して重要なヒントを与えてくれる。我々はこれを解き明かすために新らたにアイトラッキング調査を行った。

これまで、検索行動のアイトラッキングとマウストラッキングの調査が行われた例はあまり多くはない。もちろん、ニールセンノルマンが数年前に明らかにしたFパターンに関してはご存じだろう。

しかしながら、SERPs(検索結果画面)は急速に発展しており、ユーザーの検索行動もそれに伴って変化している。

ConversionXL Instituteの新たな調査部門として、我々は独自のアイトラッキング調査を行った。過去の調査結果に妥当性があるのかを確認することが今回の目的である。

調査では71人のユーザーにBingを使ってもらい、61人のユーザーにGoogleを使ってもらった。業界の水準(ニールセンノルマンとTobii) では30人以上の被験者サンプル数が、ヒートマップサンプルの妥当性を担保するための必要条件とされている。
しかしながら、一定数の被験者ではイレギュラー(スクリーンから目を離すなど…)が発生しえることを想定して、十分なデータを得るために30人を上回る被験者を用意した。

進化を続ける検索結果(SERPs)

GoogleとBingはインターフェースの改善を続けている。目標はもちろん、検索結果の関連性などを加味した上で、最も優れたユーザー体験を提供することである。もしユーザーが検索結果に満足し、目標を早く達成出来たのなら、検索エンジンは広告収入という甘い蜜を得ることができるのである。

リッチスニペットの例を見てみよう。これは通常の検索結果とは別ものとして提供されるものでありレビュー、写真、電話番号などの情報がある。

リッチスニペットは良いユーザー体験をもたらすのに有効な手立てだと考えられてきたが、しかし最近ではGoogleもリッチスニペットの使いすぎによりSERPsを散らかしたくないと述べている。

Googleのジネブ氏はTwitterの投稿で「ついにSERPsをリッチスニペットで散らかさずに済むようになった」と言っている。

つまり物事は変わるのである。我々は過去の調査と我々の調査で得られた結果を比較した。これらが記事の中で触れていく内容である。

過去、ユーザーはどのようにGoogle検索結果を見ていたのか?

2014年、Mediativeは53人の被験者に対して43個のタスクのアイトラッキングの調査を行った
そして彼らはこの結果を2005年に行われた類似の調査と比較した。

How Did Users View Google Search Results in the Past?

画像出典元

この調査に関していうと、MarketingProf’sのNanji氏は「上位のオーガニック結果は2005年頃と変わらないクリック率(32.8%)だった。しかし、SERPsに新しい要素が追加されために、トップの結果はかつてほど長く多くの人に見られなくなっている。一方で、2位~4位の検索結果は2005年に比べてクリックのシェアを伸ばしている」と述べた。

過去の結果と今回の結果の比較

オーガニックの1位は未だに最大のクリックの割合を誇る(Googleのクリック全体の20.69%)。それに次ぐのは奇妙なことに6.897%のクリック率のオーガニック3位である。しかしながらリッチデータは39.655%のクリック率で最大である。

Google_data

ユーザーのクリック率(1位と3位と2位)には大きな違いがあるものの、それぞれのオーガニック検索結果を見ている時間はGoogleとBingでは大きな差が無かった。

Fパターンはまだ当てはまるのか?

SEO事業者やウェブリサーチャーの間では、ニールセンの2006年に提唱されたFパターンの法則は広まった。デザイン上の問題が全て大文字のFの形をベースに考えると解決するという考え方はとても良さそうだだし、少なくともかつてはうまくいっていたはずだ。
しかしFパターンはすでに通用しなくなっている。検索エンジンの進化はユーザー行動パターンにも変化をもたらしたのである。厳密なFパターンの形は端的にいうと時代遅れなのだ。かつてのFパターンはこのような形であった。

Does The F-pattern Still Hold True?

画像出典元

リッチテキストと広告によりユーザーはお目当の結果を探すためにページ全体を見なければならなくなった。Googleのプラットフォームを観察すると、多くのユーザーが実際の検索結果を見る前にリッチテキストを見ていることが分かった。残念ながらユーザーの目線の動きの新しいパターンは、アルファベットの形には当てはまらなかった。

new_pattern

2009年34名の被験者を対象にしたGoogleの調査でもFパターンを確認することができる。
another_fpattern

画像出典元

しかし同じ調査内容にも関わらず、我々の調査では同じような結果は確認できなかった。(71名の被験者を対象に調査を行なった)
spanish_water_dog

人々はどのように広告を見るのか

右側の広告の箇所があまり好かれていないというのは事実だ。それは広告が置かれている場所が原因であり、視認がされにくいのである。

How Do People View Ads
しかし、上のようにあたかも検索結果かのように表示されている広告のデザインであれば、ユーザーは一瞬であったとしても、見ずにはいられないのである。

しかしながら、それに気づくとユーザーはすぐにオーガニックの検索へと目をうつすのである。
広告を見ているのは事実であるが、それは一瞬の出来事である。

検索者が見ている時間という意味では、右側の広告も検索結果型の広告も大差はない。
データの中で明らかになったことの一つは、Bingの方が検索結果型広告をクリックする割合が高いということだ。Bingのクリックのうち検索型広告によるものは19.118%であり、一方のGoogleは6.897%であった。
こういった背景もあり、Googleの右側の広告の表示を取りやめるという決断がどのようにユーザーの行動を影響するのかは興味深い。

Google vs Bing 大きな違いはどこにあったのか?

BingとGoogleの違いということになると、我々の発見のうちのいくつかはPPCとSEOの取り組み方に影響するかもしれないし、単に興味深いというものもあるかもしれない。我々の発見のうちいくつかを紹介する。

GoogleとBingでリッチテキストをユーザーが見ている時間に大きな違いがあった

ユーザーはBingを使用している時よりも、Googleを使用している時の方がリッチテキストを視認する傾向があった。(ユーザーがGoogleを使っている時は約0.75%で、Bingを使っているときは1.3秒ほどリッチテキストを見ることが分かった)
動画は原文の「Google Vs Bing: Significant Differences?」下より再生ください。

GoogleよりもBingの方が、ユーザーが初期画面から下を見始めるまでの時間は長い

Googleのユーザーは7.1秒ほどでビロウ・ザ・フォールドを見始める傾向がある。Bingになると、ユーザーは10.5秒経過して初めてビロウ・ザ・フォールドを見始める。

Googleよりも、Bingを使っているユーザーの方がアボブ・ザ・フォールドを見ている時間が長い

Bingでは、ユーザーは約9.8秒間ほどアボブ・ザ・フォールドを見ている一方で、Googleでは7.8秒ほどにとどまっている。

[SEO Japan解説]
※1 アボブ・ザ・フォールドとは・・・ページを訪問した際、スクロールをせずに閲覧する事のできる最初の画面領域のことを指します。
※2 ビロウ・ザ・フォールドとは・・・ページを訪問した際、スクロールしなければ閲覧することができない画面領域のことを指します。「アボブ・ザ・フォールド」の対にあたります。

Bing
above the fold bing

Google
above the fold google

同様に、ユーザーが最初の5つの検索結果を見ている時間はGoogleよりもBingの方が長い

Bingのユーザーは最初の5つの検索結果で、平均4.5秒ほどを過ごしている。
かたやGoogleのユーザーは、平均3.4秒ほどで最初の5つの検索結果を見ている。

最初の検索結果を見るまでにはGoogleよりもBingの方が時間がかかる

Googleのユーザーは最初の検索結果を見るまでに約3.3秒ほどかかっている。Bingのユーザーは約8.8秒ほどで最初の検索結果の検討を始めている。

なぜか?
大半のBingユーザーが他の要素を見る前に検索結果を見ているということを考えると、広告などほかの要素を見るのに時間がかかっている可能性は低そうだ。Googleのユーザーは検索結果の前にリッチテキストを見る傾向があるが、それでもなおBingユーザーよりも5秒ほど検索結果に早くたどり着いている。
おそらくコンピューターを使うユーザーはBingにはあまり慣れておらず、どれが広告でどれがそうではないかを理解するのに時間がかかるのだろう。

Googleのユーザーの方が最初の検索結果を見ている時間は長く、最初の検索広告を見ている時間は短い

Googleのユーザーは最初の検索広告を吟味するのに、約0.764秒ほど費やしている。同じことをBingのユーザーで見てみると約2倍の時間(1.455秒)が費やされている。Bingのユーザーは最初の検索結果を吟味するのに約0.7秒かけており、Googleのユーザーは1.059秒かけている。

これは何を意味するのか?
これはBingを使うユーザーが(Googleに比べて)Bing自体にあまり慣れておらず、検索結果と広告を区別するのにやや時間がかかっているという可能性を示唆している。Googleのユーザーが検索行動の最終的な目的を、Bingのユーザーよりも2秒ほど早く達成しているという事もこれを示している。

what_does_this_means
さらにこれは仮説だが、Googleが使用している「広告」というアイコンが、オーガニック検索結果に早くたどりつくための助けをしている。もしかするとBingを使用している人は広告とオーガニック検索結果の違いに気づいていないのかもしれない。Bingのユーザーはアボブ・ザ・フォールドに滞在する時間が長く、ビロウ・ザ・フォールドにあまり行かないという事実もこれを示唆している。

avg_time_fixating

結論

Bingでは、特に最初の5つの検索結果(右側にあるリッチテキストや広告に相対するもの)を吟味する時間がユーザーの時間の中で大きな割合を占めている。

最も人気で親しまれている検索エンジンということもあって、Googleのユーザーは検索結果ページ全体をくまなく見ることを苦に思っていないようだ。リッチデータを見たり、すぐに画面をスクロールしてビロウ・ザ・フォールドの結果を検討するのにためらいがないのだ。

おそらく検索エンジンとしてBingを使い慣れていないために、ユーザーは検索結果を見て、消化するまでに時間を要しているのだろう。

検索結果ページの進化は間違いなくユーザーの行動を変容させている。厳密なFパターンは既に通用しなくなっている。(少なくとも我々が調査した範囲では)リッチテキストと広告の出現によって、ユーザーは欲しい情報を得るためにページ全体を見るようになっている。Googleを見てみると、多くのユーザーが実際の検索結果を検討し始める前に、リッチテキストを見ているのである。


この記事は、ConversionXLに掲載された「F-Patterns No More: How People View Google & Bing Search Results」を翻訳した内容です。


普段目にしている検索結果画面の見方を改めて客観的に眺めると興味深い点が多いですね。また、検索エンジンの進化に伴いユーザー行動が変容しているからこそ、時代に合わせた検索マーケティング戦略をしていく必要がありますね。
このような調査でさらに大きい母数で行っているものなどがあれば、今後も紹介していきたいと思います。
— SEO Japan

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Googleサーチコンソールベータ版の新機能の一部をご紹介

年明けより新サーチコンソールのベータ版テスターの範囲が拡大しているようですが、
12か月のレポートが見れるようになるという機能に加え様々な機能が追加されている模様です。
今回の記事ではその内のいくつかが紹介されているので、ご確認ください。
記事の最後にベータ版へのアクセスのURLもございますのでチェックしてください。– SEO Japan

ご存知のようにサーチコンソールのあたらしいベータ版がさらに多くの人へと公開され始めている。Google招待メールには「Introducing the new Search Console (beta)」と書かれている。

以下がemailのスクリーンショットだ。
サーチコンソールベータ版招待メール(英語)

Googleはさらにベータ版で新機能の追加も行っており、過去の記事はここから見ることができる。
さらに直近でいうとGoogleは以下を追加している。

1 インデックスカバレッジレポート(日本語版では「インデックス登録の対象範囲」)からのエクスポート機能が追加

2. 過去のサーチコンソールではAMPレポートのみで可能であった「修正を検証」する機能が、新しいベータ版では他のページでも行うことが可能に

新しいサーチコンソールのインデックスカバレッジレポートにエキサイティングな新機能が追加された。まずはエクスポート機能の追加だ。どのようなデータでもエクセルフォーマットやスプレッドシートの形式でダウンロードすることができる。次に(修正を行った後に)エラーの検証ができるようになった。修正が完了したら下部へと移動が行われる。

3.パフォーマンスレポートでは「新しい出来事」という便利な機能が追加された。

さらにインデックスカバレッジレポートでは「新しい出来事を発見」という素敵な機能も追加されている。点線の上にマウスを乗せると、その時期に起こった事象のレポーティングを見ることができる。また(新機能ではないが)「表示回数」をグラフに追加することもできる。

Googleは今後数週間、数か月の間にさらに多くの機能をサーチコンソールベータ版へと追加し続けるだろう。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Search Console Beta Sends Invites To More Webmasters & Adds Features」を翻訳した内容です。


テスターに選ばれているユーザーであればこちらからアクセスができます。サーチコンソールβ版リリースのニュースがあって以来、今か今かと招待のメールを待っていましたがSEO Japanには招待のメールは届いておりません。。
それでも上記のURLにはアクセスができたので、メールを受け取っていなくてもテスターに選ばれている可能性があるかもしれません。もしかすると日本では招待メールは送られてこないのでしょうか?– SEO Japan

ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します

検索ユーザーはできるだけ早く質問に対する回答を見つけたいと考えています。研究(英語)では、ユーザーはページの読み込み速度を非常に気にかけていることがわかっています。 読み込み速度はこれまでもランキング シグナルとして使用されていましたが、それはデスクトップ検索を対象としていました。 そこで 2018 年 7 月よりページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素として使用することを本日みなさんにお伝えしたいと思います。

この ”Speed Update” (と私たちは呼んでいます)は、ユーザーに本当に遅い体験を提供しているようなページについてのみ影響し、ごくわずかな割合のクエリにしか影響しません。 そのページがどのような技術を用いて制作されたかに関係なく、すべてのページに同じ基準を適用します。 検索意図は依然として非常に強いシグナルですので、魅力的で検索クエリと関連性の高いコンテンツは、ページの読み込み速度が遅くても高い順位に掲載される場合もあります。

サイト制作に関わるみなさまには、パフォーマンスがそのページのユーザー体験にどのように影響するかを広く考え、そしてさまざまなユーザー エクスペリエンスの指標を考慮することをおすすめします。 ページがこの新しいランキング要素の影響を受けるかどうかを直接示すツールはありませんが、ページのパフォーマンスを評価するために使用できるリソースは次のようなものがあります。
  • Chrome のユーザー エクスペリエンス レポートは、ウェブ上の人気のあるサイトを Chrome ユーザーが実際に閲覧した際の、ユーザー エクスペリエンスの主な指標に関する一般公開データセットです。
  • Lighthouse は、ウェブページの品質(パフォーマンスやアクセシビリティなど)を監査するための自動化されたツールで、Chrome Developer Tools の機能の一部として提供されています。
  • PageSpeed Insights は、Chrome のユーザー エクスペリエンス レポートのデータを利用してページがどのくらいのパフォーマンスを発揮しているかを示し、その最適化を提案するツールです。
ご質問やご意見がございましたら、お気軽にウェブマスター ヘルプ フォーラムでお知らせください。

PageSpeed Insights にリアルワールドデータを導入しました

PageSpeed Insights では、指定のページがどの程度 Web のベスト プラクティスを適用しているのかを確認できます。従来の PageSpeed Insights は、実際のページ速度については一切言及していなかったため、表示される最適化についての提案内容をそもそも適用する必要があるのかを判断するのが困難でした。そこで本日より PageSpeed Insights では Chrome ユーザー エクスペリエンス レポート(以降 CrUX と呼ぶ)のデータを利用して、よりデベロッパーにとって意味のある提案を提供いたします。これに伴い、最適化スコアについても実際のパフォーマンスに沿った数値になるよう改善されています。
新しい PageSpeed Insights レポートには次の項目が追加されています。
  • 速度スコアでは、ページを「Fast」、「Average」、「Slow」のいずれかに分類します。このスコアは、指定したページの CrUX 上に記録されている First Contentful Paint(FCP)と DOM Content Loaded(DCL)の値の中央値を利用して算出されています。たとえば、FCP・DCL いずれの指標も CrUX に記録されている全データと比較して上位 1/3 に入っている場合、ページは「Fast」(高速)であると判断されます。
  • また、最適化スコアでは、ページにあとどのくらい改善の余地があるかを判断し、「Good」、「Medium」、「Low」のいずれかに分類します。この計算は、ページの外観と機能の変更は行わない前提で評価されます。
  • [ページの読み込み分布] には、指定したページの FCP と DCL の値がどのように分布しているかが表示されます。指定したページの各 FCP・DCL の値が、CrUX に記録されている全データと比較して「Fast」(上位の 1/3)、「Average」(中間の 1/3)、「Slow」(下位の 1/3)のいずれかに分類されます。
  • [ページの統計情報] には、指定したページのレンダー ブロッキング リソースを読み込むために必要なラウンドトリップの回数、使用した合計バイト数が表示されます。また、比較対象としてその他ページのラウンドトリップ回数と合計バイト数の中央値も確認できます。これは、ページの外観や機能への変更も視野に入れラウンドトリップ回数や合計バイト数を減らす対応を行うことで、スピード改善する余地があるかどうかを判断するのに利用できます。
  • [最適化についての提案] には、このページに適用可能なベスト プラクティスの一覧が表示されます。指定したページが、すでに上位 1/3 に入っていると評価された高速のページの場合は、デフォルトではこの提案は表示されません。
上記の変更について、詳しくは PageSpeed Insights についてをご覧ください。ご質問やご意見がございましたら、お気軽に PageSpeed Insights のコミュニティまでお寄せください。その際は、評価対象の URL についてもお知らせください。

新しい Search Console をご紹介します

数か月前、一部の方を対象に新しい Search Console のベータ版のユーザテストを開始したことをアナウンスしました。そしてこの度、Search Console のすべてのユーザーのみなさまにこのベータ版をご利用いただけるようになりましたことをお知らせします。どなたでも Google 検索上のウェブサイトの掲載状況を最適化する、よりシンプルになったこのプロセスを試すことができるようになります。新しい機能には、検索パフォーマンスインデックス カバレッジAMP ステータス、および Job Posting のレポートが含まれます。新しい Search Console をご利用いただく準備ができましたら、メッセージをお送りし、お知らせします。

Google は、みなさんが日々利用されており、最も人気のある機能を中心に新しい Search Console に追加することからはじめました。この機能追加はまだ完了していないため、今後も引き続き新しい Search Console(ベータ版)では従来の Search Console の機能を追加していく予定です。新しい Search Console が完成するまで、両方のバージョンを並行して提供します。この両バージョンはナビゲーションバーのリンクを介して簡単に行き来できるため、みなさんは両方のバージョンを使用できます。

新しい Search Console は、ゼロからの再構築となりました。これは、可能な限り実用性のあるインサイトをユーザーに提供し、それらに沿ったガイドを行うことで、あらゆる未解決の問題をユーザー自身が解決できるような相互に作用する問題解決モデルを構築するためです。社内のコラボレーションをシンプルにするために、ご自身の組織内でレポートを共有する機能も追加しました。


検索パフォーマンス レポート: 16 か月分のデータをご利用いただけます!


もしあなたが検索アナリティクスを日頃からご利用いただいているなら、新しい検索パフォーマンス レポートもきっと気にいるでしょう。検索アナリティクスでより長い期間のデータが見たい、という機能を待ち望んでいた方も多いと思います。新しいレポートでは、長期的な傾向をより簡単に分析し、前年度の比較を可能にするために、16 か月分のデータをご利用いただけます。近い将来、このデータは Search Console API(英語) 経由でも利用可能になります。


インデックス カバレッジ : Google のインデックスの包括的なレポート


新しくなったインデックス カバレッジ レポートでは、あなたのウェブサイトの URL のインデックス状況を確認することができます。正しくインデックス登録されている URL、潜在的な問題に関する警告、Google がいくつかの URL のインデックスを作成していない理由などを表示します。このレポートは、新しい問題が検出されたときに警告を出したり、修正状況を管理しやすくするなど問題の解決状況をトラッキングする新機能に基づいて構築されています。

それらはどのように機能するのでしょうか。
  1. 問題の原因を調べていくと、URL のサンプルが表示されます。エラーが発生している URL をクリックすると、ページの詳細が表示され、問題の原因を把握するのに役立つ診断ツールへのリンクが表示されます。
  2. 検索の問題を解決するには、社内の複数のチームが関与することがよくあります。適切な人が現在のステータスやそこに発生している情報にアクセスできるようにすることは、サイトをすばやく改善する上で重要です。新しい Search Console のほとんどのレポートでは、レポートの上部にある [共有] ボタンを使用して、レポートに共有可能なリンクを作成できます。問題が解決されたら、共有を簡単に無効にすることができます。
  3. 新しい Search Console は、問題が解決したことをユーザー自身が確認するのに役立つだけでなく、それに従って Google がインデックスを更新するのにも役立ちます。これを行うには、報告されている問題を選択し、[修正を検証] をクリックします。Google は、影響を受けた URL を優先度を上げてクロール・再処理し、サイトの問題をこれまで以上に迅速に解決することに役立ちます。
  4. インデックス カバレッジ レポートは、サイトマップ ファイルを送信しているサイトに最適です。サイトマップ ファイルは、検索エンジンに新しい URL や更新された URL を知らせるのに適した方法です。サイトマップ ファイルを送信することで、インデックス カバレッジ データにサイトマップ フィルタを使用できるようになり、URL の正確なリストに絞ることができます。

検索機能の拡張 : AMP および Job Posting ページを改善する

新しい Search Console は、AMP や Job Postings などの検索機能の実装支援も目的としています。これらのレポートは、Google がこれらのトピックについて特定したエラーと警告の詳細を提供します。インデックス カバレッジ レポートでご紹介した機能に加えて、2 つの追加機能を備えたレポートを追加しました。
  • 最初の機能は、問題を修正するプロセスでより速いフィードバックを提供することを目的としています。これは、[修正を検証] ボタンをクリックすると、いくつかの瞬間的なテストを実行することによって実現されます。あなたのページがこのテストに合格しなかった場合は、すぐに通知します。それ以外の場合は、影響を受けたページを再処理します。
  • 2 番目の新機能は、検証処理中に肯定的なフィードバックを提供することを目的とし、(検証に失敗した URL または保留中の URL に加えて)修正済みと認識された URL のリストを提供するよう検証ログの項目を拡張します。

AMP レポートと同様に、新しい Search Console は Job Posting レポートを提供します。あなたのウェブサイトに求人情報を掲載している場合は、Google for Jobs (現時点では特定の地域でのみ利用可能)で求人情報を直接表示することができます。


フィードバックをお待ちしています

信頼できる熱心なベータテスターからのフィードバックがなければ、このような改善をすることはできませんでした(フィードバックがどのように Search Console の改善に役立ったのかについては今後またお伝えする予定です)。もちろん、みなさんからのフィードバックも同様に重要だと考えています。混乱を招くものや間違っているものを発見した場合、または本当に気に入った機能がある場合は、サイドバーのフィードバック機能を通じてお知らせください。また、新しい Search Console のモバイル対応については今後対応予定です。

最後に、新しい Search Console のテストユーザーから最近寄せられた励ましのコメントを共有してこのブログの締めくくりとしたいと思います。

「新しい Search Console はシンプルでよく練られており、これまでそうなって欲しいと期待していたような UX となりました。修正の検証を実行したり、結果を電子メールで受け取ることもできます。それらは弊社サイトのページに影響を与えた厄介な AMP のエラーと警告の修正に大いに役立ちました。何より、検索アナリティクス レポートのデータの参照範囲は現在 16 ヶ月分にまで及んでおり、これは弊社の業務において大きな変革をもたらしました」 -  Noah Szubski, Chief Product Officer, DailyMail.com

ご不明な点などございましたら、お気軽にウェブマスター ヘルプ フォーラムでお知らせください。

【必読】SEO20年間の歴史まとめ

みなさま、新年明けましておめでとうございます。
2018年もSEO JapanはSEOのみにとどまらず、広くWEBマーケティングに役立つ情報を発信してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、新しい一年の幕開けということで、何か新しいことを初めてみようと思われている方も多いかもしれません。
そんな時は、日本で古くから使われている「温故知新」という言葉を思い出してはいかがでしょうか。
Googleの強調スニペットでは、「昔の事をたずね求め(=温)て、そこから新しい知識・見解を導くこと。」とされています。変化の激しいSEO業界だからこそ、歴史を知ることで新しい発見があるかもしれません。

ということで、今回はSEOの歴史を振り返るのに最適な記事をご紹介します。2018年の幕開けに、SEOのルーツを訪ねる旅に出かけてみてはいかがでしょうか?– SEO Japan

※記事中のリンク先は英語の内容になります。

SEO_20years_of_history

今日、SEOはGoogleを中心として回っている。しかしながらSEOとして知られている手法は、世界で最も有名な検索エンジンがラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏によって発明される前から存在しているのだ。

1991年に世界で最初のウェブサイトが公開されたタイミングや、1997年頃最初の検索エンジンのローンチのタイミング(SEOという言葉はこの頃から「正式」使われるようになった)に、SEOなどの検索エンジンマーケティングは生まれたはずだという人もいるかもしれない。

「Digital Engagement」の著者であるボブ・ヘイマン氏は、他でもないロックバンドグループのJefferson Starshipのマネージャーこそが、SEOの誕生を助けてくれた人物であり、非常に感謝しているという。このマネージャーはJefferson Starshipの公式ウェブサイトが、当時いくつかの検索エンジンで1ページ目のトップではなく、4ページ目に位置していることに危機感を覚えていた。

この逸話が本当か否かかは分からないにしても、全ての証拠がSEOという言葉が1997年頃に生まれたということを明確に示している。
さらに調べを進めてみると、Multimedia Marketing Groupのジョン・オーデット氏が、少なくとも1997年2月15日よりも前にこの言葉を使用していたことが分かる。

検索エンジンで上位表示させることは、1997年の当時もまだ新しいコンセプトであった。また、ディレクトリドリブンでもあった。DMOZが初期のGoogleの仕分け方法をサポートするまで、LookSmartはZealによって提供され、Go.comは自身のディレクトリで、YahooのディレクトリはYahoo検索において主要なプレイヤーであった。

DMOZはあまり聞き慣れないかもしれないが、Mozillaのオープンディレクトリプロジェクトであり(Mozilllaは会社名で、旧SEOMoz、現在のMozはブランドの名前であるのは覚えておいた方が良い)、ウェブページのタウンワークのようなものであった。もともとYahooは、この中から編集者によって認められた最高のウェブサイトを探すために設立された。

見た目は良いが、トラフィックが少ないウェブサイトを製作したクライアントの要望により、私は1998年にSEOを始めた。詳しいわけではなかったが、徐々に慣れていった。繰り返すが、当時ワールドワイドウェブは、まだほとんどの人にとってとても新しいコンセプトであったのだ。今日においては、すべての人がSERPs(検索結果画面)を支配したいと思っているが。

SEO(検索エンジン最適化) vs SEM(検索エンジンマーケティング)

SEOが正式な名前になる前、他の用語が同じような意味合いで使われていた。

例えば
Search engine placement(placement:配置)
Search engine positioning(positioning:位置決め)
Search engine ranking
Search engine registration(registration:登録)
Search engine submission(submission:提出)
Website promotion
などがある。

しかし、「SEM(検索エンジンマーケティング)」という言葉抜きで議論をすることはできなかった。
2001年には一人の著名な業界のライターが、「検索エンジン最適化は、いずれ検索エンジンマーケティングに置き換わることになる」と提唱した。もちろんこの予想は外れたわけだが。

「SEOは死んだ」「新しいSEO」などの誤った主張や、「検索体験最適化(Search “Experience” Optimization)」のようなSEOの再ブランディングの試みを目にする機会はたくさんあるだろうから、心の準備をしておいた方が良い。

結局は検索エンジンそのものを最適化するのではなく、我々自身のウェブ上での存在感を最適化するものであることなどを考えると、SEOという用語は完璧ではない。しかしながら、この言葉は業界で20年以上好んで使われた言葉であり、今後も使われていくだろう。

「検索エンジンマーケティング」という言葉はまだ使われることはあるが、ペイドサーチと結びつけられることが多い。二つの言葉は今日においては共存している。

検索エンジンの歴史におけるタイムライン

検索エンジンは我々が情報を探し、調査を行い、製品やサービスを購入し、エンターテイメントを消費し、他人と繋がる方法を変えてきた。
ウェブサイト、ブログ、SNS、アプリなど、ほぼすべてのオンラインでの目的の背後には検索エンジンがある。検索エンジンは、日常生活において繋がりを生み出し、様々なものの道しるべとなっている。

しかし、これらすべてはどのようにして始まったのだろうか?
検索エンジンと検索エンジン最適化の歴史から、世界の重要な一部となっているこのテクノロジーのルーツを理解するために、重要なポイントをタイムラインに沿って以下にまとめた。

SEOの夜明け「開拓前」時代

1990年代、検索エンジン同士の争いは熾烈を極めていた。AltaVista、Ask Jeeves、Excite、Infoseek, Lycos、そしてYahooのような手動、自動の検索エンジンの中から、人々は好きなものを選んで使っていた。
当初SEO的な対策としては、オンページのものしかなかった。この対策は、コンテンツの質や関連性が高いか、十分なテキストがあるか、HTMLのタグは正確に設置されているか、他の要素に対しての内部と外部リンクがあるかといったものなどを含んでいた。
この時代に上位表示させるためには、ウェブページ内とメタタグ内で十分な回数キーワードを配置すれば良かった。キーワードを100回使用しているページを上回るためにはどうすれば良いか?キーワードを200回使えば良いのである。今日ではこの行為のことをスパミングと呼んでいる。

この時代には以下のような出来事があった。

1994年:当時スタンフォード大学生であったジェリー・ワング氏、デビッド・ファイロ氏らの手によって、キャンパストレーラーの中でYahooが生み出された。Yahooはもともとブックマークのリストであり、面白いサイトをまとめたタウンワークのようなものであった。ウェブマスターはYahooで検索が行われた際に自分のページが表示されるために、手動でYahooのディレクトリにインデックスの申請を出さなければならなかった。後にAltaVista、Excite、そしてLycosもこの機能を採用した。

1996年:スタンフォード生のペイジ氏とブリン氏は、サイトを被リンクの関連性や人気から評価する新しい検索エンジン「Backrub」を開発し、テストを行った。BackrubはのちのGoogleの前身となるものである。InktomiによってHotBotが生み出されたのもこの頃である。

1997年:ウェブマスターらが検索エンジンを活用するようになったのを受けて、ダニー・サリバン氏は検索に関する事例や検索順位を改善する方法など、検索エンジンの情報などを発信するウェブサイト、Search Engine Watchをローンチした。(10年後、Search Engine Watchを去った後、サリバン氏は有名な検索メディアであるSearch Engine Landを立ち上げる)この時期にはAsk Jeevesもローンチされ、Google.comが取得された。

1998年:Goto.comがローンチされ、スポンサード・リンク、有料検索の仕組みが用いられた。Goto.comはInktomiにより提供され、利用していた広告主は上位表示させるために入札を行なっていた。Goto.comは最終的にYahooに買収された。DMOZ(オープンディレクトリ)はSEO実践者がページをリスティングさせるために最も人気のあるとなった。この時代にMSNはMSN Search(元々Inktomiにより提供されていた)で検索業界に参入した。

1999年:最初の検索マーケティングのカンファレンス、Search Engine Strategies (SES)が開催された。当時のサリバン氏によるまとめはここで見れる。(SESは2016年に終了するまで、様々なスポンサー企業によって名前を変えながら開催されることになる)

Googleの革命

2000年YahooはGoogleとパートナーシップを結び、Inktomiの代わりにGoogleの検索アルゴリズムを採用するという、史上最悪の戦略的判断を下してのけることになる。先に言っておくとGoogleは当時あまり知られていない検索エンジンであった。いや、無名であった。結果としてYahooの全ての検索結果はGoogleによる提供となってしまい、最終的には彼らの最大のライバルを世界に紹介した挙句、Googleという名前を世に知らしめてしまうことになった。
これ以前の検索エンジンは、ページ内のコンテンツ、ドメイン名、前述のディレクトリへの追加、基本的なサイト構成(パンくずリストの設置)などを主に使ってサイトのランク付けを行なっていた。しかし、Googleのウェブクローラートページランクのアルゴリズムは情報の検索において革命的だった。Googleはオンページの要素と、ページに向けられている外部リンクの量と質というオフページの要素を考慮した。(アンカーテキストもだ)

考えてみれば、Googleのアルゴリズムは本質的には「もし誰かがあなたのことについて話しているのであれば、あなたは重要である」ということである。

リンクはGoogleの数あるランキングアルゴリズムのうちの一つに過ぎないとしても、SEOの実践者はリンクが最重要な要素であると信じきっており、リンクビルディングという業界が生み出された。
その後10年間、上位に表示させたいという願いとともにSEOはリンク集め合戦となってしまい、リンク戦略は乱用された挙句、Googleに対処されることになる。
2000年はGoogleツールバーがInternet Explorerで利用できるようになり、SEO実践者がページランクスコア(0-10の間の数字)を見れるようになった年でもあった。これによってリンク交換リクエストメールのブームが到来してしまった。

本質的に言うと、Googleはページランクによりリンクに金銭的な指標を持ち込んでしまったのである。今日ドメインオーソリティが誤用されているように。Googleのオーガニック検索結果でも、2000年頃にいくつかの企業でAdwords広告が開始された。これらの有料検索広告が自然検索結果の上や下や右に表示されるようになったのである。

一方で何人かのウェブマスターが、非公式にロンドンのパブでSEOに関する情報交換を行うようになった。この非公式の集会が結果的に今日も続く巨大なカンファレンスPubconと呼ばれるようになった。

その後数年間、SEO業界では毎月GoogleDanceが行われ、Googleは定期的にインデックスをアップデートするようになり、時にランキング変動の最重要の要素になることもあった。

Googleのブリン氏は、かつてGoogleはウェブスパムを信じないと公言していたが、2003年頃にはその考えも変わっていただろう。
キーワードをX回ページ内で繰り返す行為の重要性が下がったため、フロリダアップデートのようなアップデートでSEOに携わる人々は大変な経験をした。

Google AdSense:粗悪コンテンツのマネタイズ

2003年Blogger.comを買収後、Googleはパブリッシャーサイト上のAdWords広告をターゲットとしたAdSenseをローンチした。AdSenseとBlogger.comの組み合わせにより、インターネット出版の興隆とブログの革命がもたらされた。
Googleはおそらくこの時気づいていなかっただろうが、後に解決しなければならない問題を自分たちで生み出していたのだ。AdSenseはスパム的な手法と、クリックとお金を獲得することだけを目的としたAdSenseのために作られたサイトを生み出してしまったのだ。これらのサイトは内容が薄く、中身が無く、他のサイトから盗用した内容のコンテンツで満たされていた。
そして、2003年にはもう一つ重要な出来事があった。私が、今あなたがいるサイト(Search Engine Journal)を設立したのだ!このメディアがかつて無いほど強力になり、続いていることをとても嬉しく思っている!

ローカルSEOとパーソナライズ化

2004年ごろ、Googleと他の有力検索エンジンが、地域的なインテントを含むクエリの検索結果の改善を始めた(例:レストランや配管工他、あなたの街の他の種類のビジネスやサービス提供者)。2006年までにGoogleはMaps Plus Boxをリリースし、当時の私はとても強い感銘を受けた。

また2004年は、Googleエンドユーザーのデータを一層活用し始めた年でもある。例えば検索結果のパーソナライズ化のために、検索結果や興味のデータが使用されるようになった。これはコーヒーショップであなたの隣にいる人が同じクエリを調べていても、あなたが見ている検索結果とは違う結果を見ている可能性があるということを意味する。

さらに2005年にはnofollowタグがスパムに対抗するために制作された。SEOの専門家はページランク・スカルプティングのためにこのタグを使用した。

Googleはさらに注目に値するいくつかのアップデートを発表した。
ジャガーアップデート 当時横行していたリンクの交換を抑制し、アンカーテキストのランキング要素としての重要性が低下したことを布教する助けをした。

ビッグダディーアップデート(RealGeeksのジェフ・マンソン氏が名づけ親) サイト間のリンクの価値と関係性を理解させるGoogleの仕組みを改善した。

YouTube、Googleアナリティクスとウェブマスターツール

2006年10月、Googleはユーザー制作のビデオシェアネットワークであり、最終的に世界2番目に検索に使用されることになるYouTubeを16億ドルで買収した
今日、YouTubeは10億人以上のユーザーを抱えている。その人気の上昇により、ビデオSEOはブランド、ビジネス、そして個人の成功の足がかりとして必要となった。
Googleはさらに2つの非常に重要なプロダクトをローンチした。
Googleアナリティクス この無料のWEBベースのツールは人気のあまり、ローンチ時サービスがダウンしたり、メンテナンス警告などがあった。
Googleウェブマスターツール 現在はサーチコンソールとして知られている。ウェブマスターがクローリング時のエラーや、どのような検索の時にサイトが表示されているのかを見たり、再クロールをリクエストすることができるツールである。

さらに2006年XMLサイトマップが、様々な検索エンジンからサポートされることになった。XMLサイトマップは、ウェブマスターがクローリング可能なURLを、検索エンジンに対して知らせることを可能にした。XMLサイトマップは検索エンジンがよりスマートにクローリングできるように、URLのリストだけではなく、その情報の長さを含んでいる。

ユニバーサル検索

2007年以降、我々は検索がより新しくエキサイティングな手法として進化し始めていることを目の当たりにした。これらのすべてのアップデートは、ユーザー体験を向上させることを目的として行われた。
まずはGoogleユニバーサル検索がある。これが登場するまでは、検索結果には10個の青いリンクのみがあった。
その後Googleは、伝統的なオーガニックの検索結果と、ニュース、ビデオ、画像検索を融合させるようになった。これはフロリダアップデート以降、Google検索、そしてSEOにとって最大の変化であった。

汚水の浄化

2008年、Googleの元CEOであるエリック・シュミット氏は、「インターネットは現在汚水だまりになっており、ブランドがその解決策である。ブランドにより、この混乱を整理することができる」と言った。
彼のコメントから6か月もしないうちに、Googleのヴィンスアップデートが行われ、有名ブランドは軒並み検索結果内の順位が改善された。
しかしGoogle曰く、このアップデートはこれらのブランドを有利にすることが目的ではなかったという。Googleはアルゴリズムの信頼を得ることを重要視していた。(往々にして有名ブランドは、無名で確立されていないブランドよりも信頼が高いものである)

このアップデートの直後、Googleはインデキシングのスピードを改善するため、カフェインと呼ばれるアップデートをリリースした。Search Engine Journalが当時レポートしたところによると、「カフェインはより広い範囲のウェブをクローリングし、速く、正確に関連性の高い検索結果を返すべきであるGoogleにとって、次世代の検索アーキテクチャであった」とされている。
スピードと言えば、2010年にGoogleはサイトスピードがランキング要素であるとアナウンスした。

Bingと検索プレイヤー間のアライアンスについて

2009年、Microsoft Live SearchはBingと名称変更を行った。Googleの70%近い市場シェアに対抗するため、YahooとMicrosoftは10年間のパートナー提携を行った。(しかしながら、この提携は5年後に解消された)
MicrosoftのBingは、Yahooのオーガニックとペイドの検索結果を共に提供した。この提携により、Bingは検索エンジンとして明確なナンバー2になったが、米国内でもグローバルで見ても、Googleの牙城を崩すには至らなかった。

ソーシャルメディアの台頭

別の現象は2000年代後半に現れた。ソーシャルネットワークである。GoogleはYouTubeに対して大きな投資をした。(Google+で再度挑戦)
しかしその後、Facebook、Twitter、LinkedInのような他のネットワークが主要プレイヤーとして登場した。(その後数年で多くのサービスが現れては消えた)

これらのソーシャルメディアが興隆する中で、ソーシャルのシグナルが検索結果に影響があるという推測が生まれた。確かに、ソーシャルメディアはSEOの助けになる。しかしそれは、間接的に行われるのである。他のマーケティング手法がウェブサイトへのトラフィックを増やし、ブランド認知と親和性を向上させるのと同様だ。(これによって検索の満足度が向上する)

ソーシャルシェア(いいね!、ツイート、+1’sなど)が検索結果に与える影響が、Googleによって繰り返し否定される一方、ランキング要因の調査で度々強い相関性があるとしてリストアップされている。もしこのトピックについてもっと知りたければ「How Social Media Helps SEO [Final Answer]」を読むことを強くおすすめする。

Google動物園:パンダとペンギン

Googleは再度検索結果の浄化、高品質のサイトの評価を行うために、2011年と2012年に二つのメジャーなアップグレードでSEOへ大きな影響を与えた。

2011年にGoogleは検索結果が厳しい調査に直面しているということに気づいた。「コンテンツファーム」と呼ばれるボリュームが大きく、質の低いコンテンツが検索結果を支配していたためだ。Googleの検索結果画面は、複製コンテンツや自動生成コンテンツで満たされており、時にごみサイトがオリジナルのコンテンツを上回るということすらあった。

結果的に、これらのサイトはものすごい額の収益を上げることなったが(GoogleがAdSenseの問題を自ら生み出したと言ったのを覚えているだろうか?) Googleのオーガニック流入により生き死にが決まった。

しかしGoogleのパンダアップデートが2011年に発表されるや否や、多くのウェブサイトでは一夜にしてほとんどのトラフィックが消えうせたのだ。Googleは高品質サイトとしてみなされる基準を提供した。

低品質コンテンツの排除を目的として、パンダアップデートは定期的に行われ、最終的には2016年にGoogleのコアアルゴリズムへ統合された。

パンダアップデートの影響からウェブサイトがまだ回復している中で、Googleはアグレッシブスパムタクティクスを検索結果から排除することを目的として、大方の予想通り最適化したアルゴリズムを発表した。
これは結果的にペンギンアップデートと呼ばれることになり、リンク体系(異常なリンクパターン、ランクインさせたいキーワードと一致する大量のアンカーテキストを含むウェブサイト)とキーワードの詰め込みをターゲットとした。

ペンギンアップデートはパンダアップデートほど頻繁なアップデートではなかったが、1年以上かけていくつかのアップデートが行われた。そして2016年に、パンダアップデートのようにペンギンアップデートは、Googleのリアルタイムアルゴリズムの一部になった

「文字」ではなく「意味」

2012年にGoogleはナレッジグラフをリリースした。これは文字としてのキーワードの解釈から、意味やインテントまで理解をするというシフトの中で、大きな一歩であった。

Googleのエンジニアリング部門シニア・バイスプレジデントであったアミット・シングハル氏は以下のようにローンチ時に説明した

「ナレッジグラフはGoogleが知っている人や場所(名所、有名人、町、スポーツチーム、建物、地理的特徴、映画、太陽系の惑星、絵画作品)などの物事について検索することを可能にし、あなたの問いかけに関連する情報を簡単に得ることができるようになった。これは次世代の検索を築くのに非常に重要なステップで、Webの集合知、そして人間的な世界の理解の仕方に近づいた。」

Googleはこの情報を使って検索結果を改良した。ナレッジパネル、ナレッジボックス、そしてカルーセルは、ナレッジグラフ内の数多くの事実やデータのうちの一つを検索をすればいつでも現れる。

Googleの次世代の検索のための次の一手は、2013年にハミングバードという形で打たれた。このアルゴリズムでは自然言語クエリや、会話的な検索を適切に取り扱うようになった。
モバイル(と音声)の盛り上がりにより、Googleは検索者のニーズを満たすためにアルゴリズムの機能を完全に再構築する必要があった。
ハミングバードは2001年以来、Googleのコアアルゴリズムの変更の中で最大のものであったと言われている。特にモバイルユーザーに対してGoogleは明らかにスピードが速く、関連性の高い検索を提供しようとしていた。

モバイルファースト

2005年頃から、「今年がモバイル元年なのか?」という問いが業界内で聞かれ始めた。
2005年や2006年ではなかったようだ。2007年でも、2008年、2009年でもなかった。2010年でもないとしたら、一体Googleはいつからモバイルファーストカンパニーになったのだろうか?
そして、2011、2012、2013、さらに2014と時は経過した。モバイルは異常なほど成長を続けていたので、過熱気味に語られていた。より多くのユーザーによるスマホを受け入れが進むほど、ビジネスチャンスの模索は広がった。
ついに2015年、Google内でモバイル検索が初めてデスクトップの検索を上回った時に、モバイル元年が到来した。
このことが調査の数字上真実であった一方で、検索の意図は従来と全く異なりコンバージョン率はモバイルデバイスの方が非常に低かったというのもまた事実であった。

またこの年は、モバイルのみのインターネットユーザーが、デスクトップのみのユーザーの数を上回ったとcomScoreが発表した年でもあった。
そして、大方の予想どおりGoogleがモバイルフレンドリーなアルゴリズムのアップデートを発表したのも2015年であった。このアルゴリズムは、情報がモバイルフレンドリーのウェブページ内であろうがモバイルアプリ上であろうが、もっとも関連性がありタイムリーな結果を提供するものであった。
2016年には、Googleはページスピードを改善するために、AMPを導入した。AMPはコンテンツを即座に読み込むよう構成されており、主にニュースメデイアやパブリッシャーに採用された。
そしてモバイル化の流れはまだ続く。モバイルファーストインデックスが2018年のどこかに向けて準備中である。

機械学習、AI、スマート検索

先に、情報検索で成功したGoogleがモバイルファーストカンパニーになったと話した。ただ、2017年にそれは変わった。なぜならGoogleのCEOサンダー・ピチャイ氏がGoogleがAIファーストの会社であると宣言したためである。
今日Google検索は、リンクのリストを提供するのでなく、情報を提供したりアシストをするようになっている。それがGoogleがGoogle検索、Gmail、AdWords、GoogleAsistant、その他全てのプロダクトにAIを入れている理由である。
検索で言うと、我々はすでにGoogleRankBrainによりAIの衝撃を目の当たりにしている。2015年10月にアナウンスされ、当初は15%のGoogleがまだ見たことのない検索を、ユーザーが入力した言葉やフレーズに基づいて解釈するために使われていた。
それ以来、GoogleはRankBrainを使う範囲すべての検索へと拡大させた。RankBrainがランキングに影響をもたらす一方で、かつてのようにX、Y、そしてZをすれば良いランキングを得られるというものではなくなった。
そしてインテリジェント検索の世界はまだ拡大する。
音声検索は増加している。画像検索は異常なほど良くなっている。そしてユーザー(とブランド)はチャットボットとパーソナルアシスタント(例:AppleのSiri、AmazonのAlexa、MicrosoftのCortanaなど)をどんどん受け入れるようになっている。
今後のSEOも非常にエキサイティングになるであろう。

結論

検索エンジンとSEOは1990年以降長い道のりを辿ってきており、この記事で紹介したのはその中のほんの一部だ。
SEOの歴史は、新しい検索エンジンの誕生、古い検索エンジンの衰退、新しい検索画面の機能、新しいアルゴリズム、頻繁なアップデート、素晴らしいSEOのメディア、カンファレンス、ツール、そして専門家など、常にエキサイティングな出来事であふれている。
検索エンジンとSEOは数年で凄まじい発展を遂げてきたが、その中で一つ変わらないことがある。

それは、検索エンジンがある限りSEOは存在する、と言うことだ。
そう、全てはまだ始まったばかりなのだ!


この記事は、Search Engine Journalに掲載された「20 Years of SEO: A Brief History of Search Engine Optimization」を翻訳した内容です。
改めてSEOの変遷を振り返ってみると、やはり歴史は繰り返しているのかもしれないと感じます。
例えばブランドサイトの検索順位が結果的に改善されたヴィンスアップデートなどは、今日GoogleがE-A-Tを重視するようになり、信頼性の高いサイトがより評価されるようになったことに通じているところがあるかもしれません。
2018年も多くの変化が予想されるSEO業界ですが、今年も有益な記事をご紹介していきたいと思いますので、どうぞもよろしくお願いいたします。–SEO Japan