自宅のシステムをアップグレードしてくれる、最強のWi-Fi 6ホームネットワーク

Wi-Fi 6が登場した。昨年の主力製品iPhone 11シリーズで採用されたことで注目されたこのWi-Fi 6は、ますます多くのデバイスに搭載されるようになっている。この次世代Wi-Fiテクノロジーによりデバイス間のデータ転送がより迅速に行えるようになる。しかしより重要なのは、システムが、減速や中断なく、接続された複数のWi-Fiデバイスの処理を一度にしやすくなる点だ。モバイルデバイスのバッテリーの消耗を低減することさえできる。

iPhone 11の発売以降、Wi-Fi 6ルーターやメッシュシステムの数は劇的に増え、今や様々な価格帯のあらゆるオプションが揃っている。しかし、Wi-Fi 6を最大限に活用したいと思っている読者には、2つのシステムがお薦めである。異なるアプローチで異なるニーズに応え、ユーザーに必要なあらゆる性能を提供するこれらのシステムをご紹介したい。

Orbi AX6000 Mesh Wi-Fi システム(699.99ドル / 約7万5千円より)

Image Credits: Netgear

Netgear(ネットギア)社製のOrbiラインナップは人気のメッシュオプションである。最新のAX6000シリーズは2または3パック構成でWi-Fi 6ネットワークを提供する。Netgearによると、2パックでも5000スクエアフィート(約460平米)をカバーし、さらにイーサネット接続のモデムから最大2.5Gのインターネット接続をサポートすることが可能だ。

Orbi AX6000には、最高のパフォーマンスを得るためストリーミングやメディア接続を最適化することが可能なNetgearのXテクノロジーが搭載されている。ベースユニットとサテライトの両方に直結用の4ギガビットイーサネットLANポートが備えられているため、すべてのギアを接続するのにイーサネットスイッチが必要になる可能性が低くなる。

実際のテストにおいて、AX6000は極めて信頼のおける、カバー範囲の広いメッシュシステムであることが証明された。著者はベースユニット1台とサテラライト1台を用いた2デバイス構成でテストを行ったが、実際にカバー範囲が広いことを確認できた。AX6000を用いたこのテストでは、屋外で500フィート(約150メートル)もしくはそれ以上の範囲で安定した強力なWi-Fi接続を利用することが可能であった。私の場合、これを湖畔の別荘で設置し、湖に突き出た桟橋までWi-Fiが届くようにしたかったのだが、そういった状況では便利なオプションである。

Orbiのシステムはモバイルアプリで管理することができ、接続された各デバイスの概況が詳細な情報とともに提供される。アプリから接続された各デバイスへのアクセスを一時停止および再開することや、専用ゲストネットワークなどの機能を有効にすることが可能だ。

またNetgearは、ネットワーク上のリアルタイムの脅威を検出し保護するArmorと呼ばれるサービスを提供している。これは別途契約が必要なサブスクリプションサービスだが、Orbiシステムを最初に設置する際に期間限定の無料体験を利用できる。実際に試してみたところ、フィッシングやマルウェアの接続を効果的に検出してブロックするようである。これは継続的な有料アドオンのオプションである。

私が感じたOrbiシステムの真の強みは、比較的リモートな設定で携帯電話ベースのネットワーク接続でシステムを利用した際、パフォーマンスが劇的に改善した点であった。これは、1.5Gbpsネットワークであるホームファイバー接続で使用した場合も同様であったが、信頼性がはるかに低い50Mbpsのモバイル接続が大幅に改善されたため、やや低かった信頼性が、完全に信頼できるものとなった。

またNetgearの製品はアプリやネットワーク管理の点でシンプルである。これにはメリットもデメリットもあるが、ライトユーザーや非技術系ユーザーにとっては利点と言えるのではないだろうか。私が欲しかった高度なオプションの1つとして、例えば2.4Ghzネットワークと5Ghzネットワークを別々のネットワークSSIDで分離して、いくつかのスマートホームデバイスをより簡単に接続できるようにする機能などが欠けていることが分かったが、おそらくほとんどのユーザーはそうした機能を必要としていないだろう。

AmpliFi Alien Wi-Fi 6ルーター(379ドル / 約4万円より)

Image Credits: AmpliFi

一方、AmpliFi(アンプリファイ)社製のAmpliFi Alienルーターは、コマーシャルネットワーク大手Ubiquiti(ユビキティ)による一般消費者向け製品であり、上級ユーザーが望むすべてのカスタマイゼーション機能を提供する。デバイスは379ドル(約4万円)で、スタンドアロンのトライバンドルーターとして機能するが、他のAlienベースステーションと組み合わせてより広い範囲をカバーするメッシュネットワークを形成することもできる。2パックの場合は699ドル(約7万5千円)となる。Orbiとは異なり、AmpliFiのハードウェアには専用のベースステーションやサテライトユニットが存在しない。つまりメッシュ機能が必要なければ、必要に応じて交換し別のネットワークを設定することができるのだ。

AmpliFiのAlienをテストしたところ、これもカバー範囲が大変広く1.5Gbpsの光ファイバー接続機能に最大限アクセスすることができ、極めてよく動作した。長期に渡るテストでは、ネットワークのアップタイムの点で信頼性が申し分がなく、またAmpliFiは性能を向上させるため、継続的にアップデートを行っている。

Ubiquitiを通じ最高の高度ネットワークを提供するという評価を築いているAmpliFiだが、 Alienにも素晴らしいハードウェアスペックを搭載している。これにはカスタムアンテナアレーや、各ベースステーションに装備された2.2GHz 64-bitの専用クアッドコアCPUが含まれる。これは、一部のミッドレンジAndroidスマートフォンよりも優れた処理能力であり、こうしたハードウェアのすべてが、最大のパフォーマンスを実現するため、常にネットワークとデバイスの接続を最適化する作業を行っている。

しかし、こうした機能が搭載されているからといって操作が複雑だということはない 。AmpliFiはUbiquitiによるより身近な一般消費者向けブランドであり、そのことは、シンプルなアプリベースの設定や制御からも見て取れる。AmpliFiアプリは極めて使い勝手がよく、設計も優れており、個々のデバイスビューや制御、ルールの作成、完全な統計レポートなどユーザーがメッシュネットワークシステムに求める全ての機能を備えている。また、ゲストネットワークを設定したり、さまざまな周波数ネットワーク用の個別のSSIDなどより高度な機能を構成したりすることもできる。

またAmplifFi Alienはカラフルな高解像度ディスプレイを備えており、現在のネットワークパフォーマンス、信号の強度、接続されたデバイスの一覧などの情報を一目で確認できる。これらのメニュー、そしてアプリ内メニューは共にOrbiなどの他のオプションに比べ情報密度がやや高いため、テクノロジー全般、特にネットワークテクノロジーに慣れているユーザーには大変適したオプションだと思われる。

1つにつきわずか379ドル(約4万円)という価格で、Alienシステムスは優れた拡張性と柔軟性、および素晴らしいカスタム制御機能を備えている。高度な家庭用Wi-Fi 6ネットワークという観点から見ると、間違いなく他のソリューションより優れたオプションと言える。

まとめ

Wi-Fi 6テクノロジーが一般消費者向けのデバイスに搭載されるようになるにつれ、より多くのWi-Fi 6オプションが市場に登場している。前述のように、価格も次第に手頃になってきている。しかしWi-Fi 6はこの先何年にもわたってネットワーク上のアドバンテージをユーザーにもたらしてくれる投資対象であり、時間とともにベネフィットが増すため、将来を見据えた性能を提供するトップレベルのシステムに投資する価値があるだろう。

Netgear OrbiシステムやAmpliFi Alienは、共に素晴らしい性能と多くの優れた機能を備えており、設定も簡単だ。OrbiのAX6000は一度設定したらそれ以降は手を加えないというユーザーや、継続的な脅威検出を設定するオプションを望むユーザーに向いているだろう。Alienはテクノロジーに精通したパワーユーザーや、複数の場所で使用するためネットワークハードウェアを分割するなど構成を変える機能を必要とするユーザーに向いていると考えられる。

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(翻訳:Dragonfly)

Nanoleafの新製品「Hexagon」はまるで生きているように光り、インテリアとの相性も抜群

Nanoleaf(ナノリーフ)は、コネクティッド照明パネルによってスマート照明の分野に新しいカテゴリを確立した。その後、スクエア型のCanvas(キャンバス)シリーズを発表し、今回はそれに続き、新しい形状のHexagons(ヘキサゴン)シリーズを追加した。ヘキサゴンはすでに人気製品となっており、現在、次回出荷まで順番待ちになっているが、筆者はヘキサゴンをしばらく使ってみる機会を得た。実際に使ってみると、ユニークで、面白く、大変楽しめるインテリア製品だと感じた。

製品の概要

ヘキサゴンの基本構成は他のナノリーフ製品と変わらない。複数の照明パネルをハードウェアコントローラーとなるコントロールユニットと電源ケーブルが付いたパネルに接続して使う。各パネルに取り付けられた電子コネクターを両面接続モジュールにはめ込んで別のパネルと接続することにより、思い通りのレイアウトに組み上げることができる。パネルは付属の3M製粘着テープで壁に取り付ける。テープはプラスチック製のパッドにあらかじめ付着しているのでパネルから比較的容易に剥がすことができ、壁に傷を付けずに済む。模様替えなどで取り付けをやり直す場合は、新しい3Mのテープを使って貼り直すことができる。よりしっかりと設置したい場合は、ネジを使って取り付けることも可能だ。

パネルにはいくつかの構成がある。7枚のパネルで構成されるスターターキット(約199.99ドル)、3枚の追加パネルが入ったアドオンパック、より大きなパック(13枚と19枚のバンドル)などだ。基本的にパネルは自由に組み合わせることができるが、自由にと言われても困るという人向けに、おすすめの構成が多数用意されている。また、アプリにはAR(拡張現実)機能が搭載されていて、実際に設置する前に実物大のさまざまなモデルを組み上げて壁にプレビュー表示できる。筆者は、開始パネルから終了パネルまでの幅と高さを大まかに決め、あとは自由に組み上げた。出来栄えには大変満足している。

Image Credits: Darrell Etherington

仕様は、各パネルがわずか0.24インチと大変薄く、大きさは9x7.75インチ(約22.8x19.6センチメートル)、パネル1枚当たりの照度は100ルーメン程度なので天井の照明の代わりに使えるほどの明るさはないが、ベッドサイドのランプやその他の部屋のムード照明を置き換えるにはまったく問題ない。

ヘキサゴンは、ベースキットに同梱されているハードウェアコントローラー、モバイルまたはデスクトップアプリ、Amazon Alexa(アマゾン・アレクサ)、Google Assistant(グーグル・アシスタント)、Apple HomeKi(アップル・ホームキット)などのスマートアシスタント等、さまざまな方法で制御できる。どの方法も、パネルを操作するのに便利で使いやすいと感じた。また、個々のパネルにタッチして点灯させることもできる。

ヘキサゴンには、照明が音に反応する音声反応モードも用意されている。アプリに含まれているデフォルトのプログラムを使用してもよいし、ユーザーが作成したプログラムをダウンロードして使うことも、自分でプログラムを作ることもできる。プログラムには、音声反応モードで使用するタイプと、あらかじめ設定されたパターンで点滅するタイプとがある。音声反応モードは、家庭のオーディオ機器で再生された音楽と驚くほどうまく連係動作する。本当にいきいきと動くので、まるで照明パネルが生きているような感じさえしてくるほどだ。

デザイン

Image Credits: Darrell Etherington

ヘキサゴンの個々のパネルは非常に軽量で薄いが、丈夫で耐久性も高い。パネルの表面は、六角形の各頂点を丸めた部分を除いてほぼすべて照明領域になっているため、電源を入れるとより有機的な感じがする。六角形パネルの各辺には背面のコネクタークリップをはめ込むレセプタクルがあり、ここに別のパネルを接続することで、全パネルに電力を供給し、コントロールすることが可能になる。1台のコントローラーで500個のパネルを制御できるため、コントローラーが2台以上必要になることはまずない。また、電源装置1台でパネル21枚に電力を供給できる。電源装置はどのパネルにも接続できるので柔軟な位置決めが可能だ。

ナノリーフの最初の照明パネルは三角形で、その後、四角形の「Canvas(キャンバス)」シリーズが出た。ヘキサゴンは蜂の巣の形状なので、筆者の目には最も有機的に感じられ、工業的ではない柔らかい感じのインテリアにも広くマッチする性質を備えている。

各パネルが発する光は均等で明るく、RGBスペクトル全域にわたって調整できる。同じ白色でも暖色系から寒色系まで広範囲な発色が可能なので、より日常的な用途にも使える。ハードウェアコントローラーを使用すると、標準の白のプリセット(暖色系白色(2700K)、読書灯(4000K)、および白昼白色(5000K)を循環発色させることができる。さらには、アプリを使って、好みの温度と色に制御することも可能だ。

取り付け方法はいたってシンプルなので、一人でも簡単に作業できる。筆者は、壁に大体のレイアウトを作成してからおよそ15分で取り付けと設定を完了した。最初のパネルを地面に対して正確に垂直にするために水準器を使ったが、この作業は必須というわけではない。というのは、各パネルが部屋と周囲の家具等に対して水平になっていなくても、それはそれで何の違和感もないからだ。

パネルはモジュラー形式になっているため、将来、パネルの枚数を増やす場合でも、追加の拡張パックを入手して既存のレイアウトに簡単に追加できる。取り付け部には十分な遊びがあるため、コネクターの1つを取り付け済みのパネルの背後からはめ込んで新しいパネルを接続できるようになっている。

機能

ナノリーフは最初の製品を発表して以来、さまざまな組み込み機能を追加して製品を進化させてきた。代表的な組み込み機能として、オーディオを使ってパネルの照明をダイナミックに変化させる環境音楽モードがある。これはヘキサゴンで筆者が気に入っているモードで、頻繁に使っている。筆者のようにほぼ毎日、Sonos(ソノス)のスピーカーを家中に持ち歩いて音楽を聴いている人間にはうってつけの機能だ。

Image Credits: Darrell Etherington

ハードウェアコントローラーもなかなかよい。アプリ機能をまったく使わず、ヘキサゴンを従来の照明機器と同じように使う場合に用意されたオプションだが、柔軟性も強化されている。明るさの調整、電源のオン/オフ、保存されているさまざまなパターンとシーケンスの循環再生などの操作が可能だ。

アプリベースのコントロールでは、さらに広範な機能が用意されている。標準のダイナミックモードと(サウンドに反応する)Rhythm(リズム)モードなど、事前にインストールされたさまざまなシーンを利用できる上、例えば、シーンの変更などのイベントをスケジュール設定したり、選択したスケジュールについて、イベントの1回実行と反復実行を切り替えたりできる。

組み込みのシーンクリエーターを使用すると、照明ショーをパネル単位でフルカスタマイズし、カスタマイズした内容を保存してコミュニティで共有することもできる。これは自分のイメージ通りにセットアップするには最高の方法だ。シーンクリエーターとスケジューラーを組み合わせれば、色、明るさ、各種効果など、まさに自分のイメージ通りにカスタマイズされたセットアップを思い通りの時間に作動させることができる。

Image Credits: Darrell Etherington

まとめ

ナノリーフのヘキサゴンは、ナノリーフの製品ラインナップを大幅に強化する素晴らしい製品だ。ヘキサゴンは、同社の既存モデルと比べても、より広範な顧客層にアピールする可能性が非常に高い。筆者自身、これほどナノリーフの大ファンになるとは思っていなかった。これまでもナノリーフ製品には少し興味を持ってはいたが、せいぜいその程度だった。だが、ヘキサゴンの電源を入れた瞬間、部屋の空間の美的センスが格段に向上したように感じたのには驚いた。

リズム機能は、まるで電気装飾品が生きて踊っているようで、一般的なパターンはもとより、環境照明モードもすべて、どのような部屋にもよく馴染む。ハイテクおたく的なお仕着せ感もなく、部屋や家具などの雰囲気を壊すこともない。価格は従来の照明に比べれば高めだが、こうしたクールな機能を備えていることを考慮すれば、自分の部屋で自分だけのパーソナルでユニークな感覚を楽しめるという点で、価格に見合うだけの価値は十分にあると思う。

現在、初期先行予約分はすでに売り切れ状態で、再度購入可能になるまで順番待ちとなっている。次回出荷は8月になる見通しだ。

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(翻訳:Dragonfly)

Espresso DisplayはMac・PCで使える素晴らしいポータブルディスプレイ

豪州に本拠を置くハードウェアスタートアップのEspresso Displays(エスプレッソディスプレイ)は、比較的目立たないが機能的な参入品が多く、デザインと品質の向上だけでなく追加機能もあり競合とは一線を画す。Espresso Displayはポータブルで使えるよう、簡易な収納性、マグネットマウンティング、最新のMacとも互換性のあるUSB-Cケーブルによる接続、内蔵スピーカー、2.5mmオーディオ出力を備え、さらにオプションでタッチ機能をつけられる。

基本機能

画像クレジット:Darrell Etherington

Espressoのディスプレイには、13.3インチモデルと15.6インチモデルの2つのサイズがある。ディスプレイ自体は非常に薄く軽量で、厚さは0.2インチ(約5ミリメートル)弱、重さは2ポンド(約0.9キログラム)未満だ。ディスプレイパネルはタッチセンシティビティーを備えており、Macにタッチ機能を有効にするドライバーをインストールすると連携して動く。

ディスプレイはガラスとアルミニウムでできており、非常に高品質に感じられ、MacBookとも合う。側面には2つのUSB-CポートとミニHDMIポートがあり、オーディオ出力用の2.5mmミニステレオジャックがある。USB-Cポートの1つは電源専用、もう1つはディスプレイ接続用で、最近のMacでは可能なケーブル接続のみによる電力供給もサポートしている。

Espressoは4K解像度で、オプションの折りたたみ式ディスプレイスタンドに固定する磁石を利用した独自の組み立てシステムを備える。従来のスタンドやマウンティングアームに取り付けるためのVESAマウントアダプターもある。運ぶときにディスプレイを保護するソフトケースも含まれている。

画像クレジット:Darrell Etherington

同社は現在、Indiegogo(インディーゴーゴー、クラウドファンドングサイト)でディスプレイ生産に必要な資金を調達しているが、大量生産に近づいており、テスト用に筆者に送られたユニットは間違いなく完成品のように感じられた。13インチバージョンは現在249ドル(約2万7000円)だが、一般販売時の小売価格は320ドル(約3万4000円)になる予定。ディスプレイ15の小売価格は350ドル(約3万7000円)となる予定だ。

デザインとパフォーマンス

Espresso Displayは、実際のパネルの画質と色だけでなく、筐体の品質と材料の両方に関しても競合他社より優れている。筆者は最近Amazon(アマゾン)で購入した15.6インチのポータブルディスプレイを使っている。場所を変えて作業したいときにデスクトップを拡張する満足度の高いソリューションではあるが、演色性とプラスチック製の筐体は明らかに平均以下だ。

Espressoのガラスと金属の組み合わせは、筆者のMacBook Proと相性が非常に良いと感じる。Apple(アップル)の出力に合わせて色を調整することはできないが、組み込みのプロファイルは概ね快適で、かなり正確な色が出せる。明るさも十分で、文字や画像を4K解像度と優れたコントラストで鮮明に映し出す。

画像クレジット:Darrell Etherington

また、筆者がAmazonで購入した一般的なディスプレイとは異なり、Espresso Displayの場合、MacBook Proを使うときコードは1本で足りる。一般的なディスプレイではUSB-C接続だけでは十分な電力が得られないため、アダプターを接続する必要がある。Espressoはこの点でも問題なく動作し、付属のUSB-Cケーブルを使用すれば、外出先でも本当にコード1本ですぐにつなげられる。

Espressoはタッチ機能も備えており、グラフィックス作業などに便利。小さなスタイラスが付いているが、単なるWacomの代替品だと考えないでほしい。ペン入力用ではなくマルチタッチ操作用のため筆圧感度は足りない。タッチ機能はマグネットスタンドの(物理的な)柔軟性によってさらに使いやすくなっている。マグネットスタンドは裏返しにして低角度のモードにすると、ディスプレイを使った作業が楽になる。スタンドを上げてiMacのような向きにしたり、文書やコーディングの際に縦向きにするのも簡単だ。

画像クレジット:Darrell Etherington

スタンドはEspresso Displayの魅力の大きな部分だ。どこでも柔軟に作業できる。携帯性のある優れたスタンドソリューションを備えたポータブルディスプレイは他にはまだない。折りたたむと、間違いなく薄いトーストよりも小さい。

4K、60Hzで、ディスプレイパネル自体のパフォーマンスは優れている。備え付けのスクリーンのみでは実現できない、はるかに広い画面を獲得する優れた方法を提供する。

結論

ポータブルディスプレイ市場はますます競合品が増えているが、Espresso Displayは高品質の素材と独自のマグネットマウンティングソリューションにより際立っている。既存の多くの製品は、影響度は異なるがそれなりに妥協やトレードオフを必要とする。Espresso Displayは薄く、軽く、耐久性があり、簡単で柔軟なマウンティングオプションと真のシングルケーブル接続により、優れた画像を提供する。

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画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:Mizoguchi

RODECaster Proはポッドキャスターに必要なすべてを備える、機能の更新と新たなアクセサリーで

今年は新しい趣味、それも自宅でできるものを検討したりして、すでに始めている人が多いだろう。ポッドキャストが人気を集めており、RODE(ロード)は他のオーディオ会社を引き離して、ポッドキャスト専用のサービスを豊富に投入している。同社が2018年にリリースしたオールインワンのポッドキャスト用プロダクションスタジオ、RODECaster Pro(599ドル、約6万4582円)は、ポッドキャストの可能性を最大限に活用したいユーザーに理想的なツールである。今年、新たなアクセサリーが多数追加されたのみならず、ファームウェアが大幅に強化されて更新され、さらに先を進んでいる。

概要

ロードキャスタープロは強力なプロダクションスタジオでありつつも、オーディオ技術に詳しくない人でも扱えるようになっている。デッキは物理的な操作機能を豊富に提供しつつも比較的シンプルに扱えるようバランスを配慮しており、ボリュームスライダーや大型のパッド型ボタンを使用して大まかな調整を行えるようになっている。より細やかな操作が必要なユーザーは、大型の高解像度タッチスクリーンで様々なメニューを使用し、高度な調整を行える。

ロードキャスタープロは4台のXLR入力を搭載しており、それぞれがコンデンサーマイク用のファンタム電源を個別にオンオフして提供できるようになっている。それぞれのモニタリング出力用に、4台の1/4インチヘッドホン出力が備わっている。ポッドキャストを高音質で録音することに慣れたゲストを迎える場合でも、ゲストが自身の音声のみを聞き取ったり、プロデューサーにすべての録音を管理させることを選択できるため、これは便利である。また、スタジオのモニタースピーカーやその他の出力用に1/4インチのオーディオ出力が左右チャンネル用に設けられている。コンピューターへの接続用にUSB-Cコネクターが用意され、スマートフォンやその他の外部音源用に3.5mm接続が使用できる。スマートフォンはBluetooth(ブルートゥース)経由で接続することもできるため、ワイヤレスでゲストを呼び出す際に非常に便利に使える。

ロードキャスタープロのインターフェースは各入力のボリュームスライダーとプリセットされたサウンド効果、各ヘッドフォンやスピーカー出力用のボリュームノブ、入力のオンオフ切替ボタン、プリセットされたオーディオファイルの再生に使用する大型ボタンと録音用の大型ボタンなどの要素で構成されている。メニューや設定を扱い、録音中にオーディオレベルを視覚的に表示するタッチスクリーンも備えられている。

ロードキャスタープロは、コンピューターやスマートフォンとの接続に頼らず完全に独立して使用できるよう設計されている。録音用にmicroSDスロットを備え、ファイルのアップロードはデッキへのUSB接続またはmicroSDカードリーダー経由で行えるようになっている。また、ロードキャスタープロでマルチトラックのUSBモードまたはステレオUSB出力モードを選択すれば、スタジオハードウェアをMacやPC用のUSBオーディオインターフェースとして使用でき、ストリーミングソフトなど好みのデジタルオーディオ制作ソフトウェアを用いて録音できる。

デザイン

ロードキャスタープロはスタジオグレードのハードウェア操作機能とシンプルさを完璧に融合させており、アマチュアとプロの両方が安心して使用できるデバイスに仕上がっている。デッキをパッケージから取り出してからわずか数分で、サウンドのプロフィールや設定を一切調整せずとも、使い始めることができる。ロードキャスタープロですぐに使えるようロードが最適化した99ドル(約1万666円)のマイク、RODE PodMic(ロードポッドマイク)を使用して、満足のいく録音効果が得られている。

機能はすべて直感的に操作して簡単に扱え、マニュアルやユーザーガイドを使用せずとも使い始められる。ハードウェアインターフェースで最も複雑な箇所は8ボタンのサウンド効果グリッドであろうが、ロードが設定したデフォルトのサウンドでも十分使い勝手がある。MacまたはPCのロードキャスター専用アプリを使用し、自分専用のサウンドを簡単に設定できる。パッケージにはボタンにラベル付けするための判別用ガイドが同梱されている。

スライダーは滑らかに動作して使いやすく、イントロや終了時に手動で均等にフェードインまたはフェードアウトしたりして、録音済みの効果音を簡単に適用できる。有効または無効な入力、ミュート状態、大型の録音ボタンにはバックライト方式のキーが使用されており、どのキーがトラックで有効になっているかを一目で確認できる。

ロードは賢明にもボックスにロック可能な電源アダプターを内蔵したため、録音中にコードが突然引き抜かれる心配はない。XLR入力のそれぞれにクイックリリース式のラッチが取り付けられ、接続をしっかりと固定できる。ロードキャスタープロは13インチMacBook Pro(マックブックプロ)とほぼ同じスペースが必要なことは間違いないが、バックパックに収納して各地で録音できるだけの軽量性を備えている。

タッチスクリーン画面もまたデザインの大きな特徴である。高解像度であり、艶消し用のカバーが取り付けられて様々な照明環境でも視認性を保ち、タッチ入力は非常に応答性が高い。ソフトウェアを使用してデッキの機能を拡張でき、そのうえでナビゲートしやすく、例えばZoom(ズーム)レコーダーのハードウェアジョグコントローラーのような面倒な操作を省いている。

機能

ロードキャスタープロがこれほど使いやすい理由の一つは、シンプルさと強力な機能を両立させている点にある。初心者であっても、パッケージから取り出した状態で何も調整せずに、すぐに使用できるよう設定済みである。ロード製のマイクを使えば、さらに便利になる。マイクのすべてに、サウンド設定を瞬時に最適化するプロフィールが内蔵されている。

ロードポッドマイクはロードキャスタープロで使用できるよう最適化されていることは既に述べた。その結果、最高の使いやすさが得られている。ロードキャスタープロの価格に足踏みしてしまう場合でも、ポッドマイクは非常に安価なポッドキャスト用ダイナミックマイクであり、デッキと組み合わせれば一段上のレベルのサウンドが得られることを述べておこう。こうした組み合わせを使用すれば、ロードの最終的なポッドキャスト環境は、他のソリューションよりも比較的安価に済む。

サウンドをカスタマイズする場合は、内蔵のコンプレッサー、ディエッサー、その他の内蔵されているオーディオ効果を使いこなせる。こうした効果は手動で微調整することもできる。今月初頭にリリースされたバージョン2.1のファームウェアでは、ロードキャスタープロ専用アプリを使用して内蔵のサウンド効果をすべて調整できるようになったため、カスタマイズされた真にユニークなサウンド効果を得られる。

サウンド効果やその他のオーディオトラックを保存し、必要に応じて呼び出せることもロードキャスタープロの大きな特徴である。録音後の編集段階でそうしたオーディオ調整を行うことも可能であるが、録音の最中にその場で使用したほうがずっと扱いやすく、ゲストと真に迫ったやりとりを行うにはこの方法が最適であろう。バージョン2.1のファームウェアではオーディオクリップを無限にループさせる機能も追加されている。録音中にBGMを流し続ける場合に非常に便利となる。

最後に紹介するのは、スマートフォンとの接続機能である。ゲストをスタジオ内へ常に招待できるとは限らないこの状況で、特に効果を発揮する素晴らしい機能だ。ケーブルを使用してスマートフォンを接続するか、遅延を抑えたブルートゥースを通じて接続し、スマートフォンでお気に入りのソフトウェアを使用し、通話を通じて素晴らしいインタラクティブ性が得られる。

アクセサリー

ロードキャスタープロの機能を拡張し、ユーザー体験を改善するため、ロードはアクセサリーの豊かなエコシステムを形成している。最新リリースには、前述のロードポッドマイクも含まれる。また、各入力のバックライト色に対応してハードウェアを簡単に判別するためのカラーケーブルクリップ、標準のヘッドフォンをモニターとして使用するための1.4インチ-3.5mmステレオジャックアダプタースマートフォン接続用のTRRS-TRRS 3.5mmオーディオ外部ケーブル外出時に電源アダプターの代わりに簡単に接続可能なUSB電源ケーブルなどもある

XLRケーブル用の小さなプラスチック製クリップを使用して、簡単かつスマートにデバイスを判別できる。特に、全員が同じマイクを使用している場合(サウンドを一定に保つため、この方法が推奨される)に有効であり、機器のセットアップの見栄えもよくなる。また、ロードキャスタープロキットを録音スタジオや自宅以外の場所で使用する場合は、USB電源ケーブルが特に威力を発揮する。手持ちのUSB充電器が5V/2.5A出力に対応していれば、そのまま使用できる。

しかし、ロードキャスタープロで真に必須となるアクセサリーは、ロードポッドマイクである。無駄を排ししっかりした耐久性の高いマイクであり、持ち運びやすく、様々な取り付け方法に対応しており、屋外やスタジオ内など、各種の環境で使用できる。もちろん、より高価なマイクであればより高い音質を得られるだろうが、ポッドマイクを使用する利点は、ハイエンドなマイクを1台購入する費用でロードキャスタープロ用のマイクを4台購入できることにある。ほとんどの人は、ポッドキャスト用であれば、音質の差に気づくことはない。

まとめ

ロードキャスタープロは自宅でのポッドキャストを一段上に引き上げる素晴らしいアップグレードであり、外出できるのであれば、屋外でポッドキャストする際に完璧なデバイスである。高品質なハードウェア調整に加え、ユーザーからのフィードバックを継続的に反映させ改善されるロードのファームウェアを通じて洗練されたスマートなソフトウェアが付属し、アマチュアやプロを問わず、あらゆる人々にとって完璧なツールと言える。

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(翻訳:Dragonfly)

このサイズでこの機能、史上最強の編集コントローラ「Loupedeck CT」

最近ロケで撮影する時間が大幅に減り、そのぶんデスクでの作業時間が増えているカメラマンやビデオグラファーにとって有効な時間の使い方の1つは、アーカイブや未整理の素材の山に埋もれていた宝を掘り出し、それを使って編集技術を磨くことだろう。少し前にリリースされたLoupedeck CTというデバイスは、その編集作業をさらに楽しくしてくれる。コントローラもプロファイルもカスタマイズでき、よく使われている編集アプリのほぼすべてで動作するため、コンピュータで行う作業自体が全体的により簡単で便利になる優れものだ。

製品の概要

Loupedeckはクリエイター向けの専用ハードウェアコントロールサーフェスを専門に開発しており、その新製品にして最上位の編集パネルがこのLoupedeck CTである。Loupedeck CTはほぼ正方形で、装備されているハードウェアコントロールオプションの数を考えれば、驚くほど薄くて軽い。サーフェス本体には、感触が良く回すとクリック感があるノブが6個、カラーバックライト付きの正方形ボタン12個と円形ボタン8個が配置されている。さらに、タッチパネルディスプレイを備えた大型の中央コントロールダイヤルと、その上部に4個×3個のタッチスクリーン式ボタンが並んでおり、それぞれのボタンを押した時の振動フィードバックもオプションで用意されている。

Loupedeck CTは、付属のUSB-Cケーブル(最新のMacBookを使用している場合は、アダプターかUSB-C to USB-Cケーブルが必要)を使って接続し、動作に必要な電源もここから供給される。背面には小さなゴム製のパッドが付いているため、机やテーブルの表面で滑ることはない。

Loupedeck CTを初めてセットアップする時は、ルーペデックのウェブサイトからソフトウェアをダウンロードする必要がある。ソフトウェアをインストールすると、セットアップウィザードが開き、接続されたLoupedeck CTハードウェアが認識されて、デバイスに表示される構成のオプションが表示される。Loupedeck CTには、よく使われている編集ソフトウェアのプロファイルがいくつかデフォルトでプリインストールされていてすぐに使える状態になっており、使いたいソフトウェアを開くと自動的にそのプロファイルに変更される。

さまざまな編集ソフトウェアに対応していて本当に素晴らしいのだが、1つ特記すべき、そしてやや残念な点は、Lightroom CCが使えないということだ。これはLoupdeckの落ち度ではない。AdobeがLighroom CCのアーキテクチャを変更したため、Loupedeck CTと高度に統合させることを可能にするプラグインがLightroom CCでは使えなくなってしまったのだ。しかしLoupdeck CTでは、Lightroom Classicのプロファイルが今でも利用できる。Lightroom Classicでは前述のプラグインが十分にサポートされているためだ。そのためユーザーは、引き続きLoupedeck CTから自分のライブラリにアクセスして、編集することができる。また、Loupedeck CTを使用してLightroom CCをコントロールすることも可能だ。ただし、基本的にはキーストロークとキーボードショートカットが再現されたプロファイルをダウンロードするか、独自のプロファイルを作成する必要がある。しかし、Photoshop、Photoshop Camera Raw、Lightroom Classicのプロファイル使用時のような柔軟な操作性は得られない。

その点を別にすれば、Loupedeck CTにはプロのクリエイターが使いたいと思うクリエイティブソフトウェアほぼすべてのプロファイルが用意されている。また、デフォルトのシステムソフトウェア設定は、コンピュータで画像、動画、音声の編集を行っていない場合でも非常に便利である。例えば、筆者は仕事で頻繁にスクリーンショットをキャプチャするのだが、そのための簡単なワークフローや、文字起こし中に音声再生をコントロールするワークフローを設定するのにも、Loupedeck CTは非常に便利だ。

デザイン

上記で簡単に触れたが、Loupedeck CTのデザインには一目で引きつけられる。なぜなら、Loupedeckが公表していたマーケティング用の情報や画像を基に予想していたものより、はるかに小さく感じるからだ。平均的なキーボードよりわずかに高く、縦横の長さは同じくらいで、机の上では小さなマウスパッドや大きなトースト1枚分ほどのスペースしか取らない。そのコンパクトなスペースの中に、多くの物理的なコントロールが配置されているのだが、ソフトウェアを使用することで、それぞれのコントロールの機能をさらに拡張させることも可能だ。

わずかにラバー加工を施したマットブラックの仕上げは、見た目も触り心地も良い。また、どのコントロールにも、使用時の触覚フィードバック体験に多くの配慮がなされているようだ。ノブを回した時のカチッという音から、何かを一段階増やしたことがわかり、大きなダイヤルの滑らかなアクションはアナログ感があり楽しめる。ボタンはすべて深いクリック感があって、押している感覚がしっかり伝わってくる。また、タッチスクリーンボタンを押すと、かすかに「ブン」と鳴る振動フィードバックが指先に非常に心地よく伝わり、タッチスクリーンボタンを分離する隆起部分もあるおかげで、慣れてしまえば手元を見なくても指先の感覚だけでLoupedeck CTを使用できるくらいだ。各ノブはクリック可能なボタンとしても機能する。また、中央にある大きなダイヤル上面のタッチスクリーン円形ディスプレイでは、さまざまなソフトウェアボタンやスクロールリストを使用してカスタム設定できる。

Loupedeck CTはそのコンパクトさにもかかわらず、壊れやすい感じはまったくせず、品質への安心感を与えてくれる適度な重量感がある。レイアウトについて言えば、キーボードに似た長方形型のLoupedeck+と比較すると、正方形のデザインに合わせなければいけない分だけ若干の妥協が感じられる。これは短所かもしれないが、同時に、キーボードの横に置いて使いやすいという長所でもある。

結論として、Loupedeck CTのデザインはさまざまな配慮が随所に感じられる考え抜かれたデザインだと思う。クリエイティブソフトウェア用の非常に優れた物理コントロールを提供しつつも、デスク上で占めるスペースはPalette(パレット)のモジュール式コントローラでLoupedeck CTと同じ機能を組み立てる場合よりもはるかに少なくて済む。

機能

Loupedeck CTの最大の強みはそのプロファイルにある。このプロファイルがあるおかげで、箱から出して接続するだけですぐにお気に入りのソフトウェアを使って素早く効率的な編集作業を開始できる。各プロファイルはそれぞれのソフトウェアで最適だとされるデフォルト設定になっている。しかし、その標準的な設定が自分には合わないと感じる場合は、いつでも納得いくまでカスタマイズして微調整できる。

Loupedeck CTのソフトウェアでは、カスタマイズや独自のツールセットの追加をドラッグアンドドロップで行えるため、いろいろな設定を試しながら使い方を素早く習得することが可能だ。何がどこにあるのか、どのようにネストされているかのロジックを理解するのに少し時間がかかったが、試しにいろいろいじって少し遊んでみるとその仕組みがよく理解できる。

同様に、Loupedeck CTではインターフェイスに色分け階層システムを使用しているため慣れるまで少し時間が必要だが、最終的にはLoupedeck CTの操作に便利な視覚的ショートカットとして使えるようになる。ワークスペース全体を制御するボタンとライトは緑色、ワークスペース内のアクションは紫色で色分けされている。1つのアプリに複数のワークスペースを設定できるため、特定のタスクを実行するための仮想ツールボックス全体を保存しておくことができる。

Loupedeck CTはこのように、圧倒感を与えないシンプルな設計でありながら、上級プロも満足のコントロールオプションを実現する豊富で複雑な機能を備えている。前述したように、すべてはカスタマイズ可能であり(ナビゲーション上の理由から再マップできない「o」ボタンのようないくつかのボタンを除く)、プロファイルをエクスポートして複数のマシンで共有または使用することもできる。またプロファイル(他のユーザーが作成したものを含む)をインポートして、新しいワークフローやソフトウェアを素早くセットアップすることも可能だ。

Loupedeck CTには8GBの内蔵ストレージが搭載されており、コンピュータ上でリムーバブルディスクとして表示されるため、プロファイルや作業中のファイルをまとめて簡単に持ち運ぶことができる。

まとめ

549ドル(約6万円)という価格ゆえ、Loupedeck CTは万人向けとは言えないが、Loupedeck CTにはクリエイターに限らず作業効率を改善したい人に役立つ機能がたくさんある。Loupedeck CTを使えば、いわば編集コンソール全体を大抵のバックパックやブリーフケースのタブレットポケットに入れて持ち運べることになる。しかも、ソフトウェアを使って柔軟かつ容易に設定が変更できるため、実際には多数のコンソールをまとめて持っているのと同じだ。加えて、Blackmagic Design DaVinci Resolve Editor keyboardのような同等のツールは、2倍以上のコストがかかる可能性がある。

仕事や趣味で、グラデーション、カーブ、角度、スライダーの調整にかなりの時間を費やす機会があるのなら、Loupedeck CTをおすすめする。同様に、音声の文字起こしやクリーンアップに多くの時間を費やしている場合にも、表計算アプリのようなもので作業する際に多数のショートカットを使いこなして「キーボード戦士」のようになっている場合にも、Loupedeck CTは大いに役立つだろう。

筆者はカメラマンやビデオ編集者のワークフローを改善する目的で開発された数多くのハードウェアをテストしてきたが、これまでに定着したものはなく、特に自宅でも移動先でも使えて定着したものには出会ったことがない。筆者は実際にLoupedeck CTを使ってみて、これは今後定着していくデバイスだと感じた。

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タグ:Loupedeck ガジェット レビュー

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(翻訳:Dragonfly)

Wyzeが約5300円のワイヤレス屋外カメラを発売

シアトルに拠点を置くWyzeは近年、数多くのスマートホームガジェットを手頃な価格で発表したことにより、その名を馳せるようになった。同社は今やスマートプラグやロック、体重計やフィットネスバンドなどあらゆる製品を販売しているが、すべての始まりは20ドル(約2100円)のWyze屋内防犯カメラであった。それに続き同社は最新カメラであるWyze Cam Outdoorを発表し、今日から早期リリースで購入できるようになった。

スターターキットとベースステーションの価格は50ドル(約5300円)となっており、早期リリース期間後は追加カメラが1つ40ドル(約4260円)で購入できるようになる。これまでと同様、基本的な屋外防犯カメラ分野における競合他社の多くが打ち出している価格と比べ、Wyzeは同製品の価格の引き下げに成功している。

名前がほぼ全てを語っている。Wyze Cam Outdoorはライブストリーミングと録画用の20 fps 1080pカメラにIP65の防水性を備えており、オリジナルのWyzeカメラで見られたキューブ状のデザインを維持している。さらに、Wyzeアプリを介した暗視モードと双方向オーディオを搭載。オンデバイスストレージに加え、14日間分の無料クラウドストレージも提供している。そしてもちろん、標準のPIRセンサーを使用してモーション検出を行うための能力を備えている。

同類の製品と同様に本製品はバッテリーで動作するため、庭にケーブルを敷設する必要はない。同社によるとバッテリーは3〜6か月持続すると言う。

カメラは磁石で土台に取り付けることできる。しかしまずその土台を壁や天井、または庭のフェンスにネジで留めなくてはならないため、多少のDIYを行う必要がある。

ベースステーション自体は当然ケーブル接続されている(これにはWi-Fiサポートに加えて、イーサネットケーブルを接続するオプションが含まれる)。特筆すべき優れた機能として、ベースステーションにもSDカードスロットがあるため、そこにもビデオを保存するこができる。

2.3×2.3×2.8インチというかなり小さめのサイズであることから、同社はオフラインのトラベルモードという小粋な機能をソフトウェアに組み込んだ。同社によると、これにより旅行先でもホテルの部屋やキャンプ場などの滞在先を監視することができる。

サンプルを見る限り、同製品はかなり有能な屋外カメラと言えるが、ハードウェアに関しては大きな疑問が残る。アプリとカメラ上のモーション検出がどれだけうまく機能するかにも大きく依存している。今後2週間ほどでレビューサンプルを入手したら、また詳しく掘り下げてみようと思う。

それまで待てないという場合は、Wyzeのショップとアプリからスターターキットをご購入いただける。

関連記事:たった5分で普通のカメラを高画質のウェブカメラとして設定する方法

カテゴリー:ハードウェア

タグ:ガジェット カメラ

Image Credits: Wyze

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(翻訳:Dragonfly)

たった5分で普通のカメラを高画質のウェブカメラとして設定する方法

ビジネス会議にしてもソーシャルディスタンス中の社交的なビデオ通話にしても、最近では誰もがウェブカメラを必要としている。ほとんどの読者はノートパソコンの内蔵カメラや年代物の取り付け式カメラを使用していることだろう。そんな中、もしもあなたが大手ブランドによる優良カメラを持っている場合、ソフトウェアの力を少し借りるだけで、スタンドアロンのウェブカメラとして設定し、友達や同僚も羨む画像を手に入れることができる可能性がある。

照明、オーディオ、その他さまざまな設備を使用して作る、プロ並みの家庭用ウェブカメラソリューションガイドをこちらの記事で紹介しているが、デジタル一眼レフやミラーレスカメラをコンピューターに接続する作業は、想像するほど簡単ではない。

実際は100ドルほど投資すれば、カメラの信号をHDMIに変換するキャプチャカードやドングルを手に入れ、それですべてを解決することができる。しかしその行程を経ず、数分でこれを実現させたい場合の、ソフトウェアのみを使用したカメラとOSソリューションをご紹介しよう。

驚いたことに、ここ数年間にリリースされたカメラをコンピュータに接続して作動させようと思ってもだめなのである。今のところ、キヤノン、富士フイルム、パナソニックのみが少なくとも1つのデスクトップOSに無料のウェブカメラ機能を提供している。ニコン、ソニー、オリンパスの場合は、支払いが生じるか透かしが付くかのどちらかになる。

ここでは各ブランドのカメラを機能させるための最も簡単な方法を紹介する(スポイラー警告:Macの場合はほぼ全てのケースでCascableを使用することになる。読者は皆自分のカメラのブランドについて書かれている箇所までスクロールして、ここを飛ばして読んでいるだろうから、これについてはもう数回言及しようと思う)。

キヤノン:EOS Webcam Utility

キヤノンはほんの数週間前にこのソフトウェアをリリース。まだベータ版であるため問題はいくつかあるかもしれないが、同製品はWindowsとAppleの両方のマシンとさまざまなカメラ本体をサポートしている。マイクロサイトにはアプリの追加ドキュメンテーションやチュートリアルさえ用意されている。

互換性はかなり良好で、過去3〜4年間にリリースされたどのカメラ本体でも使用可能だ(Rebel T6-T7i、T100、SL2、SL3、5D MkIV、5DS、5DS R、6D Mk II、7D Mk II、77D、80D、90D、1D X Mark IIとMark III、M6 Mk II、M50、M200、R、RP、PowerShotG5X Mk II、G7X Mk III、SX70 HS)。ソフトウェアはここからダウンロードできる

問題が発生した場合は、以下に記載されている他のブランドのサードパーティ製アプリをチェックしてみて欲しい。それで上手くいく場合もある。

富士フイルム:X Webcam

富士フイルムのソリューションは簡単ではあるが、限定的である。人気のX100シリーズがサポートされていない上に、Macにも対応していない。しかし、同社の最近のレンズ交換式ボディとWindows10をお持ちの場合は幸運である。インストールして通常のUSBケーブルでカメラを接続するだけで完了だ。

X-T2、X-T3、X-T4、X-Pro2、X-Pro3、X-H1、GFX100、GFX 50R、GFX 50Sと互換性がある。ミディアムフォーマットの設定を正しく行わなければ、目元は焦点が合っても耳元はズレることになる。ソフトウェアはここからダウンロードできる

Macにおいては、さまざまな目的でカメラへの架け橋として機能するCascableがMacのソフトウェアとして便利である。同ソフトウェアの制作者はウェブカメラ機能を最近追加したところで、有線接続とワイヤレス接続の両方で幅広い互換性があり富士フイルム独自のソフトウェアよりも幅広い機能を提供しているが、これは無料ではない。しかし現在の30ドル(約3200円)という価格は、優れたウェブカメラを購入する場合と比べたら安上がりと言えるだろう。

コマンドラインを扱う自信がある場合、このチュートリアルが少しの作業とサードパーティ製ソフトウェアを用いて同社のカメラをMacで作動させる方法を紹介している。

パナソニック:Lumix Tether

パナソニックはLumix Tether Windowsアプリのウェブカメラ対応バージョンをリリースしたところだ。ドキュメンテーションの少なさから、これがかなり必要最低限なソリューションであることが見て取れる。ただし価格は適切だ。GH5、G9、GH5S、S1、S1R、S1Hに対応。同社はまた、OBSのようなストリーミングソフトウェアを使い始める方法を説明した、順を追った有益なチュートリアルを公開している。

Cascableは多くのパナソニックカメラで機能し、その上公式アプリよりも断然優れている。スーパーズーム機能で遊ぶのも楽しい。

ソニー

ソニーのカメラをウェブカメラに変えるための公式ソフトウェアは存在しないため、ワンストップソリューションが必要な場合はサードパーティ製を使用するしか他ない。Windowsに関しては、Sony Remoteを使用して画像をテザリングし、ストリーミングソフトウェアに無理やり転送するというような代替策がある。詳しくはこのビデオで説明されている。理想的とは言えないが、ひとつの手段ではある。

ここでもMacにおいてはCascableが最善策である。NEXシリーズやRX100 IIIなどのカメラ数世代分に対応している。Ecamm Liveもソニーと互換性が限定的にあるが、最新モデルしかサポートしていない。月額12ドル(約1300円)だが、試してから購入したい場合は無料トライアルもある。

オリンパス

Windowsに関してはここでも同じく、公式ソフトウェアが存在しない。しかしテザリングソフトウェアを使用してライブビュー画像を収集し、それをストリーミングソフトウェアに転送できる場合がある。

MacではCascableがStylusカメラやレトロなPEN Fなどを含む多くのモデルを有線でサポートしている。カメラもこのようなモダンな方法で使用されるとは思いもしなかっただろう。Ecamm Liveは最新モデル(E-M1 II、III、X、E-M5オリジナル、Mk II)と互換性がある。残念ながらPENシリーズはだめなようだ。

ニコン

最近ニコンは同社のカメラを使用したストリーミング方法に関するお役立ちページを公開したのだが、驚いたことにソフトウェア自体を開発することはなく、さまざまなサードパーティ製ソフトウェアを紹介している。

前述と同様に、CascableがニコンをMacで作動させるための最も簡単な方法のようだ。一方でWindowsにはSparkoCamが頻繁に推奨されている。

これからウェブカメラを設置する読者への注意点

上記で紹介した方法は簡単ではあるものの、問題点がないかと言ったらそうではない。

可能性としてはオーバーヒートがそのひとつだ。これらのカメラは主に静止画や短い動画クリップを撮影するために設計されている。長時間フル稼働することでカメラが熱くなりすぎて機能しなくなり、シャットダウンする場合がある。カメラ自体に深刻なダメージを与えることはないが、注意すべき点ではある。これを回避する最善の方法は、電源アダプターでダミーバッテリーを使用するということだ。簡単に手に入れることができ、過熱の緩和にも有効だ。

オーディオ機能は画像ほど優良でないかもしれない。本格的なビデオワークには通常外部マイクが使用されるが、これは誰にでもおすすめすることである。まともなマイクは50ドル未満で簡単に手に入れることができ、デバイスの内蔵マイクを大幅にアップグレードできることを考えると購入しない理由はない。

また、カメラの使用に際する最適な設定についてのフォーラムを確認することもおすすめしたい。数分後にカメラがオフにならないようにすることや、露出の選択などが確認するべきことの例として挙げられる。例えばここでは静止画を撮るわけではないため、解像度を心配する必要がなくワイドオープンで撮影できる。一方で、オートフォーカスが迅速かつ正確に機能していることを確認しておかないと、ピンボケ映像に終わってしまう可能性がある。いくつか異なる方法で設定してみて、最良な方法が見つかるまで試してみると良いだろう。

ここまでの準備が全て整ったら、次は背景を設置する方法を詳しく説明したガイドを読んでいただきたい。

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(翻訳:Dragonfly)

「Sonos Arc」は単体でも組み合わせても素晴らしいサウンドバー

Sonos(ソノス)は過去2年間、驚くほどのペースで常に新しいハードウェアをリリースし続けてきた。さらに称賛すべき点は、同社がリリースするすべての製品が素晴らしいパフォーマンスを発揮しているということだ。今回新たに発表されたSonos Arcサウンドバーも例外ではない。筋金入りの5.1chサラウンド信者でさえ転向させてしまうほどの、同社史上最高のホームシアターサウンドデバイスを生み出してくれた。

概要

Sonos Arcは、すでにあるSonosのホームオーディオシステムにワイヤレスで組み込めるように設計されたサウンドバーで、HDMIオーディオリターンチャネル(ARC)を介してテレビやA/Vレシーバーからのオーディオも受け入れる。最近のほとんどすべてのテレビにはHDMI ARCポートが少なくとも1つは搭載されているため、Arcはビデオソースの標準HDMI入力として機能するだけでなく、接続されているスピーカーやステレオシステムにもオーディオを出力できる。

ARCをサポートしていない場合に備えて(テレビにこれがない場合は、ほぼ確実にTOSLINKデジタルオーディオ出力ポートがあるはずだ)、Arcには光デジタルオーディオHDMIアダプターも付属する。また、Sonos独自のメッシュネットワーキングテクノロジーを介してSonosの他のスピーカーに接続するワイヤレススピーカーとしても機能するため、自宅全体のワイヤレスオーディオセットアップに、マルチルームスピーカーがもう1つ加わるということになる。

Arcは、Sonos Sub、Sonos One、One SL、Play:1などSonosの他のスピーカーと組み合わせることで、サブウーファーと2台のリアスピーカーを備えたより完全なワイヤレス5.1chシステムを作り上げることも可能だ。ただし、これはオプションの拡張機能であり、Sonos Arcの優れたバーチャルサラウンドレンダリングを堪能するために必ずしも必要ではない。この新しいハードウェアには、Sonosのサウンドバーでは初めてのDolby Atmosのサラウンドサウンドエンコーディングも含まれている。

デザイン

Sonos Arcは、Sonos Oneのデビュー以来同社が守り続けているモダンなデザインを受け継いでいる。黒か白のモノブロックのボディに滑らかなライン、円形のホールグリルデザインが施され、Play:1で見られたコントラストカラーのグリルデザインよりも現代的な雰囲気に仕上げられている。

ArcはSonos Beamのデザインの真髄を継承しているようにも見える。Sonos Beamは内蔵マイクとGoogleアシスタントやAmazonのAlexaなどの仮想音声アシスタントをサポートしたSonosの最初のサウンドバーだ。しかし実際はSonos Beamよりもかなり大きく、45インチという長さはむしろ、同社がこのカテゴリーに初めて参入した際に発表したSonos PlaybarやPlaybaseに近い。

この長さをお伝えするために書くと、これは著者が所有する65型のLG C7 OLED TVの全長とほぼ変わらない。またSonos Beamよりも少し高さがあり、3.4インチとなっている。私の環境の場合はそれでもまだ十分に余裕があり、テレビ台のテレビの前に置いても、観ていて画面が隠れることはないが、もし読者がBeamと同様のセットアップでArcを設置しようとお考えなら、機器周辺を少し片付ける必要があるかもしれない。

この大きなサイズは見掛け倒しではない。これによってArcよりも低価格のBeamと比べてはるかに優れたサウンドを実現している。Arcの内側には音を上向きに響かせるドライバー2つと、長い円柱状のサウンドバーの両端に面したドライバー2つを含む11基のドライバーが搭載されている。これらのドライバーによる効果と、その長いプロファイルによって可能となった距離間隔が、左右背後から響く臨場感を実現している。

背面には音質をさらに向上させ、Arcを専用のウォールマウントに取り付けられるようにする土台を備えたベントバーが付いている。壁に取り付けるにしてもテレビ台の上に置くにしても、Arcは非常に魅力的なハードウェアだ。電源とテレビに接続するのにたった2つのケーブルしか必要なく、ホームシアターにありがちなケーブルの散乱を解決してくれる上、ほとんどのインテリアと難なく調和する。

性能

上述したように、単一のスピーカーだけでこれほどまでに音の分離感と没入感のあるバーチャルサラウンドを実現したSonos Arcの達成は実に素晴らしい。同製品は私が体験したSonosのサウンドバーの中で最高のサウンドレンダリングであり、おそらく既存のサウンドバー史上最高のオーディオ品質と言っても過言ではないだろう。

ステレオサウンドフィールドのテストでは、オーディオトラックが左右で良い結果を示しており、Dolby Atmosサポートはそれを提供するコンテンツがある場合にこのメリットを発揮している。音声明瞭度に関してもArcは単体使用で非常に優れている。Beamの場合はシステムにSonos Subを追加してローエンドの周波数を処理し、ハイエンドの明瞭度を高めるようにしない限り、場合によっては聞きにくいこともあったと感じる。

ArcはSonos Subやリアとして機能するSonosの他のスピーカーと組み合わせることで間違いなくメリットを発揮するが、同サウンドバーはこれまでに同社が発表したどの製品よりも単体としての性能が高く、出費を節約したい場合や、テレビの内蔵スピーカーに最小限のシステムをプラスして何とかしたい場合におすすめだ。

Sonos Arcにはマイクも含まれているため、AlexaやGoogleアシスタントに話しかけて音楽を再生したり、テレビをオンにしたりとさまざまなことができる。アシスタントを接続しないでマイクをオフのままにしておく場合は別だが、私にとっては素晴らしい機能で、リビングルームエクスペリエンスの中心的存在となっている。大きな部屋で同デバイスから離れた場所にいても、このマイクはコマンドを十分に認識できるようだ。リビング、ダイニング、キッチンを仕切る壁がないオープンコンセプトの広いエリアであっても、音声対応スマートスピーカーは1台で済むだろう。

Arcはさらに、そのままでAppleのAirPlay 2のスピーカーとしても機能する。ミニマリストにとってこれはもう1つのセールスポイントだ。例えばテレビの背面にApple TVを取り付けてワイヤレスで使用できるため、ワイヤーをまたひとつ減らすことができる。また、Sonosアプリを開かなくてもスマートフォンからArcに音楽やオーディオを簡単にストリーミングできる。

アップデートされたSonosのアプリ

アプリと言えば、Sonos Arcは6月8日にリリース予定の同社の新モバイルアプリと互換性がある。既存のアプリも新アプリと並行して残る予定だ。既存のアプリは新しいバージョンを使用できないSonosの古いハードウェアをサポートするために引き続き利用される。

著者はSonos Arcのテスト期間中にこの新アプリをベータとして使用したが、期待していたほど劇的な変化は見られなかった。新アプリは確かによりクリーンでモダンな印象で、より優れたインターフェイスとなっているが、既存バージョンのユーザーにとっては予想通りの位置にすべてが収まっている。ほとんどの変更はおそらく見えない場所に存在するのだろう。同アプリは、最近リリースされたSonosのスピーカーやアクセサリーの最新チップセット、高メモリー、および更新されたワイヤレステクノロジーで動作するように設計されているはずだ。

一言で言えば、この新しいアプリでは使い慣れた制御システムがより快適で新鮮なものにアップデートされており、Arcのような最新のスピーカーには美的観点からも性能面からしてもぴったりだと言える。ベータ版でさえも、2週間のArcのテスト中に問題が発生することはなく、すべてのサービスと音声アシスタントにおいて問題なく動作した。

総合評価

Sonos Arcは間違いなく最高レベルのサウンドバーである。799ドル(108,800円/税抜)という価格とそれに見合う優れたオーディオ品質を備えている。PlaybarとPlaybaseの素晴らしい後継機種であり、あらゆる点においてこれらを上回る結果となっている。またBeamとの比較対象にもなり得るため、Sonosのホームシアターラインナップには、あらゆる予算に応える卓越したオプションが揃うようになった。

汎用性とデザイン性に優れたトップクラスのワイヤレスサウンドバーをお探しなら、Sonos Arcスピーカーをぜひ試してみてはいかがだろうか。

関連記事:IKEAがSonosと共同開発したWi-Fiスピーカーを発表、2台でステレオ化も

Category:ハードウェア

Tag:Sonos オーディオ     ガジェット

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(翻訳:Dragonfly)

ポッドキャストのすすめ:Avery TrufelmanによるArticles of Interestの場合

ポッドキャスティングの最大の利点は、誰にでもできるという点だ。オーディエンスになるのと同じくらい簡単に制作者になることのできる珍しいメディアなのだ。そのため同じポッドキャスティングは2つとして存在しない。ポッドキャスターのためのソリューションはハードウェア、ソフトウェア共に豊富にあるため、NPR studiosからUSB Skype装置まで、セットアップは多種多様である(現在のパンデミックにおいて後者はある種デフォルトとなったのではないだろうか)。

我々が好きなポッドキャストのホストやプロデューサーに、彼らが制作時に使用する機器やソフトウェアなどのワークフローを尋ねてきた。これまでのリストは下記の通りだ。

「家に閉じこもる今、ポッドキャストを始めるためのヒント」
Anita Flores(アニータ・フローレス)氏による「I’mListening」(英文)
Justin Richmond(ジャスティン・リッチモンド)氏による「Broken Record」(英文)
Lauren Spohrer(ローレン・スパレール)氏による「Criminal/This Is Love」(英文)
Jeffrey Cranor(ジェフリー・クラナー)氏による「Welcome to Night Vale」(英文)
Jesse Thorn(ジェシー・トーン)氏による「Bullseye」(英文)
Ben Lindbergh(ベン・リンドバーグ)氏による「Effectively Wild」(英文)
著者自身によるポッドキャスト(英文)

大人気のラジオ番組「99% Invisible」のミニシリーズ「Articles of Interest」は、アパレル産業における幅広いトピックを取り上げている。第二シーズンに入った今、パンクファッションから子供服に至るまで、複雑で絡み合ったストーリーを織り成すクリエイター、Avery Trufelman(エイブリー・トラッフルマン)氏の能力が高く評価されている。

—–

原則として、私はガジェットマニアではない。多くの人はどのような機器に投資したら良いのか分からず(一種威圧的でさえある)、その時点であきらめてしまうことが多いのではないかと思う。私は長い間Zoom H1nを使用したラジオの作り方を独学で学んでいた。内蔵マイクを使用してインタビューをし、GarageBandとAudacityで編集するというプロセスだ。これですべてまかなえてしまうのだ。全オーディオ編集プログラムは同じ言語の方言にすぎず、コマンドキーとマイクの配置の技術を理解する前に、ストーリーの組み立て方を理解することがより重要である。技術要素を理解するのはそれほど難しくないが、私にとってはストーリーを作り出す方法については学ぶことがまだまだある。

私はかなりの時間をかけて機材のアップグレードをしていったが、今ではRode NTG-2ショットガンマイクとZoom H5を使用している。できる限りゲストの自宅やオフィスで実際に会って直接インタビューをするようにしている。そうする事でゲストがリラックスできる上、スタジオの予約に伴う時間的な制約もない。私はまた、実際の部屋が放つ生の音や質感がとても好きである。それに比べてスタジオはあまりにも無機質である。「現場」に出かける際には予備のZoom H2nをバックアップとして持参する。これらのレコーダーは非常に頑丈で信頼性が高く、これまでに何度も落としたが問題ない。私はバックアップの録音が必要な場合にこれを使用する他、1つの個別の音声ではなく雰囲気やシーンを目立たないように録音する場合にも愛用している。

ナレーションを録音するために通常私は、カリフォルニア州オークランドにある99% Invisibleのオフィスを訪れ、防音室にあるNeumann社製のコンデンスマイクを使用していた。しかし現在の隔離状況においては自分のRode/H5nキットをナレーション用に活用し、自宅のクローゼットの中で録音している。私は衣類についての番組を制作しているため、これは実に理にかなっている。7年前に99% Invisibleでインターンとして働き始めた際、これと同じような方法でナレーションを録音していたので、私はこれはこれで大いに楽しんでいる。当時もクローゼットの中でショットガンマイクを使用していたのだ。かなりパンクよね。

本当はこれで結構十分なのだが、贅沢なことにSharif Youssef(シャリ・ユーセフ)氏のような最高のエンジニアと働いてきてしまったがために私は甘やかされている。非常にミスマッチな録音が詰まった私のPro Toolsセッションを彼に渡すと、どういうわけか彼はそれを非常にきれいに聞こえるものに変身させてしまうのだ。彼がどんなことをしているのか全く分からないけれど、彼の仕事には本当に感謝している。

Articles of Interestの宣伝関連の準備をし始めた途端にCOVID-19問題が勃発したため、そのための写真撮影の予定が総崩れになってしまった。しかし、私の自宅のホールの向かい側に住む隣人が写真家であることを思い出した。我々はソーシャルディスタンスをとっての写真撮影をフィルムで行い、隣人の写真家Austin Hobart(オースティン・ホバート)氏は彼の風呂場で写真を現像したのである。結果とても美しい写真が出来上がったと思う。中でも私のお気に入りは、偽物ブランドについてのエピソードのために撮った写真で、紙バッグ一面にLouis Vuittonのロゴを私が描いたのを撮影したものだ。

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Catefory:ハードウェア

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(翻訳:Dragonfly)

モトローラは2020年も低価格スマホ中心の戦略をとる

新型コロナウイルス(COVID-19)がやってくるかなり前から、スマートフォンの売れ行きは落ちていた。そして世界がパンデミックに支配された現在、落ち込みも激しく、最近の数字では前年比12%減の予想となっている。消費者は1000ドル(約11万円)のデバイスに背を向けているが、低価格のデバイスは一部の市場でしっかり売れている。

他のメーカーがフラグシップの廉価版のような機種を出してきた中で、Motorolaは100ドル(約1万1000円)のMotorola Edge+や折りたたみ式のRazrのリブートを試験的に投入した。どちらも、結果はぱっとしない。とりわけRazrは、その価格と仕上がりが不評だった。しかし今やLenovo傘下となった同社は、低価格スマホが同社の中心的な価値命題であることを知っている。

米国時間6月5日、同社は2つの低価格スマホに新製品が加わった。気どった名前のMoto G Fastと、それよりずっとシンプルな名前のMoto Eだ。Gシリーズの最新モデルは「AIの処理能力によりパフォーマンスを次のレベルへ上げた」という主張が名前にある「Fast」の由来になっているらしい。しかし実際に見るまで、ひとまずその言葉を信じるしかないだろう。確かに搭載するSnapdragon 665だけではそれを正当化するには十分ではないし、3GBのRAMも同様に十分ではない。低価格のスマホであればそれも悪くないが、「Fast」の由来にはならない。

Moto G Fastは専用のマクロカメラと16mpのカメラを搭載し、後者は暗い場所でもまあまあな写真が撮れそうだ。4000mAhの大きなバッテリーも注目に値する。Motorolaは一般的に、そのあたりはケチらない。米国では6月12日に200ドル(約2万2000円)で発売され、米国時間6月5日から予約を受け付けている。

159ドル(約1万7000円)のMoto Eも、同時期に発売される。当然ながらこのたいへんお買い得なデバイスには、それほど特筆すべきことはない。カメラが2つ、6.2インチのHD+ディスプレイ、3500mAhのバッテリーそしてSnapdragon 632を搭載している。この価格にしては立派なデバイスで、Lenovoはこういった低価格モデルを得意としている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

糖尿病患者の足の切断を防ぐスマートソックス開発のSirenが約12.7億円を調達

靴下を履くだけで、糖尿病の人が足を切断せずに済むだろうか?

Sirenは、そう考えている。布製で洗える文字どおりのスマートウェアラブル製品を開発している同社は、最初の製品として靴下をリリースした。これは糖尿病患者の足の健康をモニタして危険な状態を早期に発見する。なお製品開発のために同社は、シリーズBで1180万ドル(約12億7000万円)を調達した。

このラウンドはAnathem Venturesがリードし、KhoslaとDCMおよびFounders Fundが参加した。DCMのJason Krikorian(ジェイソン・クリコリアン)氏が、Sirenの取締役会に入る。彼はSlingboxを作っているSling Mediaの共同創業者だ。

Sirenの共同創業者Ran Ma(ラン・マー)氏によると、糖尿病患者が足などを切断する原因のほとんどは、傷があってそれに長期間気づかなかったことによって起きる。長期の糖尿病は神経を傷め、神経の損傷が足に影響して患者自分が気づかないうちに傷や潰瘍をできる。治療しないと傷は悪化し、細菌に侵され、最悪の場合は切断が必要になる。そのような切断は米国だけ(AJMCのニュースリリース)でも1年に数万件ある。

Sirenのソックスは足の6カ所で体温を測り、気づかなかった傷を見つける。周りよりも相当温度の高い場所が見つかったら、そこは傷による炎症があるかもしれない。ソックスはBluetoothでスマートフォンと接続可能で、専用アプリで患者自身が足の状態をチェックできる。そして最も重要なのは、その情報が医師にも届いて患者の状態をモニターできる点だ。

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの中、感染を恐れて医者や病院へ行かない人が多い。また病院側は、緊急性の低い外来を制限している。足の定期検査も緊急性は低いだろう。しかしSirenのソックスなら、患者の医師が遠くからでも足の健康をモニタできる。

初めてSirenを見かけたのは、2017年にCESで行われたTechCrunch Hardware Battlefieldで同社が優勝したときだ。その後同社は約2200万ドル(約23億7000万円)を調達した。今回の1180万ドル(約12億7000万円)のシリーズBと、その前の非公開だったシリーズAの650万ドル(約7億円)、そして340万ドル(約3億6600万円)のシードラウンド(未訳記事)だ。

マー氏によると、現在Siren Socksは米国の10州で買えるが年内には全米展開になるとのこと。

関連記事:糖尿病患者の健康状態を常時チェックして警報をスマホに送るSiren Careのスマートソックス

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Wi-Fi内蔵型スマートロック「August Wi-Fi Smart Lock」の新モデルレビュー、価格は2万7000円

ここ数年、新製品を発表していないAugust(オーガスト)だが、そんな中、2020年のCESで発表されたAugust Wi-Fi Smart Lockの販売が始まった。前世代のAugust Smart Lock Proに代わってオーガストの新たなフラッグシップ商品となるAugust Wi-Fi Smart Lockは、同社が展開するコネクテッドロックの最新世代で、機能満載のモデルである。デザインが改良され、Wi-Fiも搭載されている。オーガストはこれまで、既設のサムターンとデッドボルトを簡単に取り換えるタイプのロックでスマートロック市場を牽引してきたが、今回のAugust Wi-Fi Smart Lockにはあらゆる点でこれまでの評価をさらに押し上げる改良が施されている。

デザイン

共同創業者の1人にYves Béhar(イヴ・べアール)氏が名を連ねるオーガストのデザインはもともと評価が高い。今回のAugust Wi-Fi Smart Lockもベアール氏がデザインを監修したため、非常にオーガストらしいデザインに仕上がっているが、見た目も触れたときの質感も以前と比べてさらに上質になっている。筆者がレビューしたサテン調ニッケル仕上げタイプもおしゃれで高級感があり(色はブラックも選べる)、手動で施錠・解錠するときに握る外縁部分の独特な手触りも心地いい。また、施錠中かどうかがひと目でわかる新機能として、少し隆起した「ポインタ」という部分が新たに追加されている。

スマートロックのデザイン

しかし、前世代モデルAugust Smart Lock Proのデザインから最も大きく変化した点は、かなり小型化されたということだ。オーガストによると、実際に体積比が45%減、奥行きは20%減とのことだが、その差は歴然と見て取れる。Smart Lock Proは比較的大きかったため、一部のドアには取り付けることができなかった。そのため、小型化によって実用性も機能性も向上したわけだが、それだけでなく見た目もかなり改善され、住宅のインテリアやエクステリアにもなじみやすくなった。

Wi-Fiを内蔵してもこれだけの小型化が実現できた理由の1つは、CR2電池を採用したことにある。Smart Lock Proで使用していた単三電池と比べたら取り扱う店はかなり少ないが、それでもドラッグストアやAmazonなどで簡単に手に入る。

サイズ以外でも設計がすばらしく、手で回せば物理的にドアを施錠・解錠することも簡単にできる。取り付けも前世代と同じく非常に簡単で、手先が特に器用でなくても設置できる。サムプレートを取り外すときに錠前の反対側を仮止めしておくマスキングテープまで同梱されており、専用アプリを見れば、既設のデッドボルトのメーカーに応じてどのサイズの同梱アダプタを使えばよいかが簡単にわかる。筆者が自宅のサムターンをこの製品に交換してみたところ、すべて完了するまでに5分しかかからなかった。

機能

オーガストの技術の核心は、スマホからドアの施錠・解錠ができることである。August Wi-Fi Smart LockではWi-Fiが内蔵されたため、今までよりはるかに簡単にこの技術が使えるようになった。オーガストの従来製品はBluetoothにしか対応していなかったため、Wi-Fiに接続するにはブリッジとなるConnectドングルを別途購入し、家の中のコンセントに差し込んでBluetoothでロックと接続する必要があった。

Connectが不要になったため、セットアップ時にWi-Fi Smart Lockをインターネットに接続すれば、オーガストのスマホ用アプリでどこからでもロックを操作できるようになった。オンラインであればいつでもスマホの画面からドアの施錠と解錠ができるし、他の人に操作の権限を付与するなど、他にも多くの機能を利用できる。

オーガストの製品では、友人にEメールで仮想キーを提供することができる(仮想キーを使用する友人もアカウント登録が必要)。ロックの操作が不要になった人からは権限を取り消すこともできるため、この機能はAirbnbホストに重宝されている。また(いずれまた旅行ができる状況になったときの話だが)自宅にいるペットのエサやりを隣人に頼みたい場合や、自分がいないときに家族に自宅に入っていてもらいたい場合などにも便利だ。さらに、この機能は同居人と共有できるため、同居人が無制限の操作権限や管理権限を持つオーナーになるように設定することもできる。

August Wi-Fi Smart Lockには自動施錠機能もついている。ドアを閉めてからすぐ、あるいは一定時間の経過後に自動的に施錠されるように設定できる。この機能を使うには、セットアップ時に同梱のDoorSenseという磁気センサーをドア枠に取り付ける。

自動解錠については、筆者が試したところ大抵はスムーズだったが、玄関前に来てスマホのAugustアプリで「Welcome home」通知が表示されたのにドアが自動で解錠されず、スマホ画面でアプリを開いてボタンを押さなければならないということが何回かあった。しかし、全体的にはきちんと機能している感じがするし、買い物袋で両手がふさがっているときなどには非常に便利な機能である。

性能

スマートロックの動作

August Wi-Fi Smart Lockでは、デザインが刷新されてWi-Fiが内蔵されたが、中核機能は従来のオーガスト製品からあまり変わっていない。性能については、少なくとも前世代モデルと同程度の信頼性が備わっていると思う。筆者が専用アプリを使って家の内外から何度も施錠と解錠を試してみたところ、一貫してスムーズに機能した。

オーガスト製品はまた、Alexa、Google Home、HomeKitなどの音声アシスタントにも対応している。筆者はHomeKitを試してみたが、解錠がうまくいかなかったことが少なくとも1回あり、動作が少し不安定な感じがした。しかし全体的には、Augustアプリから直接操作する場合より少し反応が遅いものの、スムーズに動作する場合の方が多かった。音声コマンドで解錠することも可能だが、その場合は専用アプリで認証コードを登録しなければならない設計になっている。誰かがドアの外から大声でAlexaに話しかけて解錠するといった不正操作を防止するためだ。

施錠や解錠が行われるとプッシュ通知を受け取れるようにするオプションのほか、ドアの開閉ステータス、手動・自動・リモートでの施錠・解錠の履歴など、ロックの使用履歴をすべて保存するオプションも利用できる。誰がいつどのように自宅に入ったのかを確認できるため安心できる。

総合評価

コネクテッドロックを長年作り続けて高い評価を受けてきたオーガストは、その実績が買われ、2017年にYaleなど数々のブランドを抱える世界有数の錠前メーカーAssa Abloyに買収された。買収後初の新製品となるAugust Wi-Fi Smart Lockは、オーガストならではの製品開発力が依然として健在であることを感じさせる製品である。簡単に手ばやく取り付けられて人間工学的にも優れており、美しいデザインと高い互換性を誇るAugust Wi-Fi Smart Lockは、スマートロックとして非常に優秀な製品である。特に自動施錠・解錠機能によって、使い走りから犬の散歩まで、毎日の外出が大きく変わる。ちょっとした便利機能が使えるだけで、何気ない日常の動作がこんなにも楽しくなるなんて驚きだ。

August Wi-Fi Smart LockはAugust.comとBest Buyで販売されており、価格は249.99ドル(約2万7000円)。5月17日からは他の小売店でも販売が開始される。

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Tag:スマートロック August ガジェット

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(翻訳:Dragonfly)

軍資金を全投入して自宅で最高のビデオチャット環境をつくる方法、予算別で紹介

数週間前に比べてビデオ会議を使う機会が増えた、という人は多いだろう。以前から頻繁に使っていた人でも、ここ数週間でさらに頻度が高くなったのではないだろうか。この状況がすぐに変わることはなさそうだ。であれば、ビデオ会議を徹底的に活用してみるのはどうだろう。MacBookに搭載されている標準的なウェブカメラでもビデオ会議の目的は果たせるが、素晴らしい出来にはほど遠い。ビデオ会議の質を上げるには予算に応じてさまざまな方法がある。毎日のバーチャル立ちミーティングをもう少しまともにするとか、バーチャル会議でのプレゼンの質を上げるとか、新しいビデオポッドキャストを立ち上げるとか、さまざまな目的を達成するために手持ちの機器でできる対策や、最高レベルのビデオと音声を手に入れるために必要な機材について、いくつかアドバイスしてみたい。

レベル0

照明を点けて正しい場所に置く

ビデオ会議でカメラ映りを向上させる最も簡単な方法は、手持ちの照明を点けてカメラの背後に置き、顔を照らすようにすることだ。つまり、照明を移動するか、今ある照明がすべて固定されている場合はコンピュータを移動するだけでよい。これだけで劇的に見栄えがよくなる。以下に挙げる例を見てほしい。これは筆者のMicrosoft Surface Book 2の画面だ(Surface Book 2内蔵のカメラは、内蔵ビデオカメラとしては最高の部類に入る)。

証明設定なし

上の画像は部屋の天井の照明しか点いていない状態だ。下の画像は、手持ちの照明を点けてSurface Bookの後ろ斜め上に固定したものだ。ビデオがオンになっているのに気づかずに不意打ちを食らったような感じがなくなって、実際に会議に出席していてもおかしくないくらいの画質になっている。

証明設定あり

背景に映り込むものに注意する

ビデオ会議に出席するたびに周りを完璧に片付けるのは無理だとしても、少し時間を割いてカメラに何が映るのかをチェックしておく価値はある。整然と並んだ装飾品などの他はほとんど何も映らないポイントを見つけるのが理想的だ。背景に入るドアは閉め、開いた窓の前ではビデオを撮らない。パンデミックのせいで部屋が散らかっている場合は、横にまとめてカメラに映らないようにしよう。

システムサウンドの設定を確認する

デバイスとオペレーティングシステムの入力ボリュームの設定がどこにあるのかを確認する。大半のアプリやシステムは妥当なデフォルト設定になっていて、そのまま使っても問題ない。しかし、たとえば自分以外にもう1人画面に収めるためにノートパソコンから離れて座るなど、普通とは違うことをするときは、スライダーを動かして音声入力のレベルを上げ、ビデオ会議出席者にこちらの音声が確実に聞こえるようにするとよい。

おそらくどんなアプリでも音声入力レベルは直接調整できると思うが、Macでは、「システム環境設定」>「サウンド」>「入力」に移動して、お使いのデバイスで入力レベルを直接調整できるかどうか、調整してみて望みどおりの結果が得られるかどうかを確認してみるとよい。

レベル1

外付けのウェブカメラを入手する

大半のノートブックやオールインワンパソコンの内蔵ウェブカメラでは、満足できる結果は得られない。しかし、専用のウェブカメラを購入すれば、まず間違いなく質を上げることができる。今はビデオ会議の質を上げようとして誰もがこぞってウェブカメラを買っている状態なので、在庫切れになっているかもしれない。予算が許すなら、私が下記の動画を撮影するのに使ったLogitech C922 Pro Stream 1080pなどを入手すれば、鮮明さ、微光での性能、発色などを改善できるだろう。

標準的なUSBマイクを入手する

もう1つ、比較的低コストで簡単に大きな効果が得られる方法として、専用の外部マイクがある。上記の動画では、人気のSamson Meteor USBマイクを使った。このマイクは、脚部が折りたたみ可能で専用のボリューム/ミュートコントローラが付いている。必要な機能をすべて備えており、USB端子に差し込むだけですぐに使えて、人の声に最適化された高品質のサウンドが得られる。

ヘッドフォンを入手する

種類は問わないがヘッドフォンがあればビデオ通話やビデオ会議の質が向上する。マイクがスピーカーの反響音を拾ってしまう可能性が最小限に抑えられるからだ。耳を完全に覆うモデルは音質はよいが、いかにも頭に何か着けているという感じで映りたくない場合はイヤホンタイプのほうがよい。

レベル2

専用のカメラとHDMI-to-USB変換インターフェイスを使う

スタンドアロンのカメラ(HDMI出力機能を備えた一般的な小型デジタルカメラで構わない)が手元にある場合は、HDMI-to-USBビデオキャプチャインターフェイスを入手して、より高品質のウェブカメラに変身させてみよう。以下のクリップでは、Sony RX100 VIIを使用している。RX100 VIIは間違いなくハイエンドの消費者向けデジタルカメラだが、他にも選択肢はいろいろとある。Sony RX100シリーズの古いモデルなどを使ってもこれと同じレベルの品質が得られるはずだ。

HDMIインターフェイスを探すときは、Zoom、Hangouts、Skypeなどのビデオ会議用アプリがMacおよびWindows上で、専用のソフトウェアなしで動作することを謳っているものを使うようにする。このようなタイプはUVC機能を備えている可能性が高い。つまり、ドライバをダウンロードしたり特殊なソフトウェアをインストールしたりしなくても、OSがこうしたタイプのインターフェイスをそのままウェブカメラとして認識するということだ。このようなインターフェイスは新型コロナウイルス感染症のため需要が増えており、筆者がこの記事で使ったElgato Cam Link 4Kはおそらくどこでも在庫切れになっているだろう。代わりに、IOGear Video Capture AdapterMagewell USB 3.0 Captureなどが使える。あるいは、Blackmagic ATEM Miniなどのライブ放送専用デッキにアップグレードすることを検討してもよい。これについては後述する。

有線小型マイクを入手する

シンプルな有線小型マイクは音声の質を上げる素晴らしい方法だ。価格も比較的安い。それなりの性能を備えた有線小型マイクでもAmazon(アマゾン)で20ドル(約2,100円)で入手できる。3.5ミリメートルの入力端子がない場合でも、USBバージョンを使えばコンピュータに直接接続できる。RodeのLavalier GOは中価格帯では素晴らしい製品で、Wireless GOトランスミッター/レシーバーキットとも相性がよい。このキットについては次のセクションで説明する。このマイクの短所は、コードの長さによっては、マイク着用時に動ける範囲がかなり制限される可能性があることだ。

マイク

複数の照明を入手して効果的に配置する

照明は凝りだすとキリがないが、手始めにいくつかの照明を購入して最も必要な場所に配置するのは、安価でよい方法だ。アマゾンで、予算に合わせてさまざまな照明キットが販売されている。グースネック型の照明にPhilips Hueのライトをいくつか取り付けて正しく配置し、色温度と明るさを調整するだけで、かなりの効果が得られる。

レベル3

レンズ交換可能なカメラで高速レンズを使う

一般レベルの小型デジタルカメラの次の段階は、レンズが交換可能なカメラだ。レンズ交換可能なカメラを使用すると、最大絞り値の高い(つまりf値が低い)高級な高速レンズを使って焦点のぼけた背景を得ることができる。これにより、被写体と背景を自然な形で切り分けることができ、映画のような映り具合で、全員参加の月次会議で同僚たちをあっといわせることができる。

ワイヤレス小型マイクを入手する

小型マイクは素晴らしいが、ワイヤレス小型マイクはもっとよい。ケーブルの長さが足りなくなるのではとか、作業スペースにある他のケーブルと絡まるのでは、といった心配をしなくて済む。サウンドをコンピュータに取り込むのに使える音声インターフェイスの選択肢も幅広い。おすすめはRODE Wireless GOだ。RODE Wireless GOは単独でも使えるし、RODE Lavalier GOなどのマイクと組み合わせて柔軟な素晴らしいサウンドを作ることもできる。

インナーイヤモニターを使う

この段階ではまだヘッドフォンを使いたいと思うだろうが、是非使ってほしいのは、できるだけ外から見えないように設計されたインナーイヤモニターだ。Shure製のような放送品質の専用モニターもあれば、低遅延でBluetooth最新バージョンに対応したBluetoothヘッドフォンもある。Apple(アップル)のAirPods Proは素晴らしい選択肢だ。また、Bang & Olfusen E8完全ワイヤレス型イアホンも優秀なアイテムだ。私はこのイヤホンをかなり使い込んでいるが遅延が気になったことは一度もない。

3点照明を使う

3点証明

この辺りでそろそろ照明について本格的に考えてみてもよいだろう。ストリーミング、ビデオ会議、その他デスクから行うすべての作業を最もバランスよく最適化するには、ElgatoのKey LightまたはKey Light Airを最低2台用意するとよい。

このような、拡散板が組み込まれたLEDパネルライトは使い方も簡単だ。頑丈な作りの連接型チューブマウントをクランプでデスクにしっかり固定できる。また、Wi-Fiに接続してスマートフォンやデスクトップアプリケーションでコントロール可能だ。色温度も調整できる。つまり、状況に応じて照明の色をブルー寄りまたはオレンジ寄りにできる。明るさも調整可能だ。

Elgatoの照明を3台設置すれば、標準的な3点照明セットアップが完成する。このセットアップはインタビューや、カメラに直接話しかける場合に理想的だ。つまり、バーチャルの会議/イベント/ウェビナーなど、想定されるあらゆる用途に使える。

レベル4

HDMI放送品質スイッチャーデッキを入手する

HDMI-USBキャプチャデバイスを接続すれば大半のカメラをウェブカメラとして使うことができるが、さまざまなオプションを試したいなら、Blackmagic ATEM Miniなどの放送品質スイッチングインターフェイスにアップグレードするとよい。昨年発売されたATEM Miniには、これまで基本的に映像のプロしか使えなかった多くの機能が詰め込まれている。サイズもコンパクトで使いやすく、これだけの機能を備えていることを考えれば信じられない低価格だ。

Balackmagic ATEM mini

高性能カメラとATEM Miniを組み合わせるだけで、実に多彩なビデオ機能が使えるようになる。静止画を準備したり、コンピュータ入力に切り替えてビデオを表示したりできる。グラフィックアプリをライブで操作することも、コードのデモやプレゼンテーションも可能だ。ピクチャー・イン・ピクチャー表示や画面下部の3分割表示、専用のハードウェアボタンでフェードアウトして真っ暗な画面にすることもできる。

ATEM Miniを最大限に活用したいなら、2台目、さらには3台目、4台目のカメラを追加することだ。ほとんどの用途では、それほど多くのカメラは必要ない。1人の人間が話しているときに撮影できるアングルなど所詮限られているからだ。だが、カメラの配置と被写体にちょっとした工夫を凝らせば、ストリーム中に別の映像に切り替えるのも楽しいし面白い。スピーチや長いプレゼンテーションなどの場合は特にそうだ。発売されたばかりの新しいATEM Mini Proには、録画機能とストリーミング機能が内蔵されている。

放送品質ガンマイクを使う

ATEM Miniには1つの音声入力専用端子があるため、非常に幅広い使い方ができる。たとえば、1つの入力端子をiPod touchの出力に接続すれば、iPod touchを手軽なサウンドボードとして使用して、導入部やタイトルに音楽や効果音を付けることができる。正しいインターフェイスを備えていれば、高品質のマイクから音声を取り込むことも可能だ。

ビデオの画質低下を最小限に抑えながらトップレベルのストリーミング品質を実現するには、優れた放送品質のガンマイクがおすすめだ。エントリレベルのガンマイクRode VideoMic NTGは、カメラの上に取り付け可能という柔軟性を備えている。ただし、最大限の結果を得るには、Rode NTG3mをブーム式アームに取り付け、映像に映り込まないようにして、マイク側を自分の口に向けるよう角度を調整するのがおすすめだ。

ガンマイク

アクセント照明を追加する

3点照明についてはすでに説明したとおりだが、前述したように、照明は凝りだすとキリがない。アクセント照明は、映像を一段とプロっぽく見せてくれるし、簡単に手に入る機器で手軽にセットアップできる。Philips(フィリップス)のHueはどんなシーンにも活気を与えてくれる筆者のお気に入りだ。すでにHueシリーズの照明を使っている場合は着色電球で間に合わせることもできる。最近フィリップスから発売されたHue Play Smart LED Light Barなどは基本的にアクセント照明用途に特化して開発された製品で、1台の電源アダプターに3つまで接続できる。壁用のアクセント照明として素晴らしい効果が得られる。

もちろん、この記事で紹介した製品がすべて、基本的なビデオ会議、バーチャルハングアウトやミーティングに必須というわけではまったくない。ただ今後、新型コロナウイルス感染症をめぐる事態が収束して、ある程度通常の生活に戻ったとしても、生活の中でリモートビデオが果たす役割が大きくなると考えているなら、予算と必要に応じてアップグレードする要素を検討してみる価値はある。この記事が何かのお役に立てば幸いだ。

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Tag:ビデオチャット ガジェット

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(翻訳:Dragonfly)