Y Combinator、元Groupon CEOのAndrew Masonら一挙に5人のパートタイム・パートナーを追加

Y Combinatorのポール・グレアムがブログで多数の新しいパートナーが参加したことを発表した。

まずフルタイムのパートナーが1人増えた。WufooのKevin Haleだ。それからパートタイムのパートナーとして、SocialcamのMichel Seibel、HipmunkのSteve Huffman、imeemとApp.netのDalton Caldwell、 元GrouponのAndrew Mason、TalkBinのQasar Younisが新たにY Combinatorに加わった。

Harj Taggarは新しいスタートアップを起業するためにフルタイム・パートナーを辞める(短期的には世界を見て歩くのだそうだ)。ただしグレアムによればTaggarはパートタイムのパートナーとしては留まるという。

YCは2年前にパートタイム・パートナーを採用し始めた。これでフルタイム・パートナーが10人、パートタイム・パートナーが9人となった。これまでのパートタイム・パートナー同様、今回選ばれたパートタイム・パートナーも大部分がYCの卒業生だ。例外はMasonとCaldwellだが、CaldwellはこれまでにYCで何度も講演している。 Masonは最近GrouponのCEOをクビになったばかりだ。

これでYCはパートタイム・パートナーの数を一挙にに2倍に増やした。グレアムは「Haleの参加でパートナー中のデザイナーが2人になった。これはスタートアップにおけるデザインの重要性が増しているからでもあるが、参加してもらった理由を率直に言えば、やはり彼らが非常に優秀だからだ」と書いている。

アップデート: Masonも自分のブログに記事を書き、YCに参加したことに加えて、サンフランシスコに引っ越して新しい会社を起業しようとしていることを明らかにした。

私はGrouponのようなシンプルなアイディアを思いつき、それが何百万もの人々の生活に影響を与えるところまで見届けることができたのを大変に幸運だったと思っている。残念ながらGrouponを去ることになったが、一方ではまた新しいことを始めるチャンスを与えられたともいえる。この数年温めていたアイディアがたくさんある。この秋には新会社を作ってその中でもお気に入りのアイディアを実地に移そうと思っている。

〔日本版:ベテラン・ジャーナリストがY Combinatorに長期滞在して内幕を最大漏らさず記録したノンフィクションYコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール(ランダル・ストロス著、滑川海彦・高橋信夫共訳、日経BP)に上記のSeibel、Taggarも登場する。Taggarはイギリス生まれのインド系でオックスフォードの法学部を卒業した後YCに参加して起業家となった異色の経歴。Taggarのイギリスとシリコンバレーの文化の比較は日本人にも非常に興味深い。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ソーシャルネットワークにスケジュール投稿を行うBuffer、月刊売り上げが10万ドルとなり、利用者数60万を達成

ソーシャルネットワークへの投稿をスケジューリングするBufferの成長が止まらない。毎月10万ドルを売り上げ、年間で100万ドルに達する勢いとなっている。今月段階での利用者数は60万人で、有料利用者数は1万人超を数える。2012年12月時点での利用者数は40万で、Bufferを利用した当時の投稿数は現在の3分の1という規模だった。

スケジュールに従った投稿が簡単に行える点が人気の秘密となっている。TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアが、ブランドにとって非常に重要なツールとなっているので尚更のことだ。ソーシャルメディアを利用する人の層はどんどん広がっており、利用者とコミュニケートするためのツールとして、なくてはならないものとなっているのだ。Bufferの共同ファウンダーのLeo Widrichと話をする機会を得た。ちなみにBufferのチームは昨年、ビザ関連のトラブルがあって一時的にオーストリアに戻らざるを得なくなっていたが、今はまたサンフランシスコで活動を続けている。尋ねてみたのはBufferの利用者層の変化についてだ。

Widrich曰く利用者数は増加の一途を辿っており、またソーシャルメディア上で活動をしたいと考える企業も増え続けているとのことだ。そうした中、Bufferのスケジュール投稿機能は大いに人気を集めているのだ。また最近はFeedlyとの連携機能も提供している。集めたRSSフィードの標準共有ツールのひとつとしてFeedlyで利用されるようになっているのだ。FeedlyがGoogle Readerの代替サービスとして評判を集める中、もちろんBufferにも多くの注目が集まることとなった。これにより新たな利用者もどんどん増えている様子。

ところで最近、ボストン・マラソンの事件の際に、TwitterやFacebookにブランド発の宣伝系メッセージが流れて、悪い意味で注目を集めてしまうというようなことがあった。そうした発言は予め定められたスケジュールに則って投稿されたものだった。もちろん大事件のおりに投稿されるスケジュール投稿は的外れで無神経なものとなってしまうことが多い。Buffer側もそうした状況に対して何らかの対策を練るべきだと考えているようだ。

「全予定実行停止スイッチのようなものを実装すべきかもしれないと考えているのです」とWidrichは述べている。「システム的な対応はともかく、まずは利用者の方々にスケジュールの実行を停止する方法について連絡をしています。おかげで不適切な投稿をせずに済んだとおっしゃる方も多いようです。しかしより包括的な対策をとるべきだろうと考えてはいます」とのこと。

そのようなわけで、簡単にスケジュール投稿を停止する機能は実現に向けて作業中だ。但しWidrich曰く、周囲の状況に適さない投稿を行なってしまった際に効果的なのは、ともかく自らの作業範囲の中で発生した不適切な事象に付き謝罪することだとのこと。何かおかしなことをしてしまった場合、責任者が適切な説明を行うことで、利用者からの理解が得られることが多いのだそうだ。

直近の状況としてはそういう新機能の実現に向けて忙しく動いているところだ。もう少し長いスパンで見ると、Bufferの状況は「非常にうまくいっている」ということになるらしい。2011年におけるシードラウンドでの調達額は40万ドルと比較的少額であったが、Widrichによれば、ほとんどが銀行に残っているのだとのこと。十分な売り上げを得て、現在のところはさらなる資金調達も必要でなく、なかなか理想的な環境で業務を進めているところなのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H)


手軽にオンラインストアを開設できるStores.jpが3週連続で販促サービスを開始

stores.jp

誰でも手軽にオンラインストアを開設できるECサービス、Stores.jpはオンライン上だけでなく、店舗の運営に欠かせないオフラインでも利用できるサービスも強化しはじめている。無料でストアカードやロゴを作成するサービスに続いて、今日は配送用の段ボールを無料提供すると発表している。これはこの3週間の間に行われている。今年1月末にはストアに掲載する商品の写真をプロのカメラマンが無料で撮影をしてくれるサービスも開始している。

Stores.jpを運営するブラケット代表取締役の光本勇介氏は、オンラインサービスを展開しているが、こうしたオフラインのサポートも充実させることでストアの売上も伸びるという。すでに商品の写真をプロが撮影したものに置き換えたストアの商品は1カ月後には売上平均が約2倍になったそうだ。

今回、名刺(ストアカード)、ロゴを無料で作成するサービスを提供するに至った経緯だが、Stores.jpのビジョンである「すべての人へ、オンラインストアを。」に基づいたものだ。というのも、ストアを開設してもトラフィックを集められなければ意味がない。そこですでに実店舗を持っている方は店にカードを置いたり、人と会う時に名刺と一緒にオンラインストアのカードを渡せば集客に繋がる。

また、ストア開設者がロゴを作成するスキルを持っているとも限らない。ロゴ作成を発注すれば数万円は費用としてかかってしまう。初期コストを抑えたい運営者も気軽に作れるようにとStores.jpはロゴ作成をするそうだ。

日本の小売店鋪は120万ほどあるそうだが、このほとんどは数名で経営しているような商店街の店舗だという。この大部分を占める店舗が日本の小売市場を支えており、彼らがオンラインにも進出できるようになって欲しいと光本氏は語る。そのため、予算がなくITリテラシーがそれほど高くない人達でも充実したオンラインストアを運営できるように、今回オフラインサポートの充実に力を入れた。

さて、手軽にオンラインストアを開設できるサービスといえば、最近はStores.jpとBASEがよく比較されているので、ここでも少し見てみよう。

Stores.jpの店舗数は現在約3万、月間50万UU、250万PVにまで成長している。こちらはフリーミアムモデルでプレミアムユーザーは月額980円で商品数が無制限になったり、アクセス解析といった機能が使えるようになる。すでにプレミアムユーザーは一定数おり、サービス開始4カ月で黒字化しており、1日に100万円ほど売り上げる店舗もあるそうだ。

一方、BASEは昨年11月20日リリースされ、今年1月に1万店舗を突破していた。直近の店舗数は公開されていないが、順調に成長していれば2万数千店舗ほどあると予想される。BASEに関してはマネタイズはまだしていないが、これから動きがありそうだ。今年1月にはEast Venturesやpartyfactoryなどから2,300万円の資金を調達している。