ブロックチェーン技術活用で業務プロセスのDX化を目指すLayerXが30億円を調達

LayerXは5月28日​、総​額約30億円を調達したことを明らかにした。第三者割当増資による調達で、引受先はジャフコ、 ANRI、YJキャピタル。同社はGunosyとAnyPayによる合弁会社で、非改竄性の高いブロックチェーンを利用し、各種業務プロセスのデジタル化を推進する2018年8月設立のスタートアップ。

同社のミッションは「すべての経済活動を、デジタル化する」。2019年10月にEthereum Foundation Grants Programの対象企業に選定されたほか。同年11月には三菱UFJフィナンシャル・グループとの協業、2020年4月には三井物産と三井物産デジタル・アセットマネジメントを設立するなど、サービスの商用化を進めている。今回調達した資金は、商用化のための事業会社設立や、付随する事業・プロダ クト開発、人材採用に投下される。

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蚕を利用した医薬品製造を目指すKAICOが2.6億円調達、新型コロナ抗体検査キットやワクチンを開発へ

KAICO525日、5月22日に2億6000万円を調達したことを明らかにした。シリーズAラウンドの第三者割当増資による調達で、引受先はFFGベンチャービジネスパートナーズ、九州広域復興支援投資事業有限責任組合、東京センチュリーなど。シードラウンドを合わせた累計調達総額は3億円となる。同社は、2019年にTechCrunch Japanに開催したイベント「TechCrunch Tokyo 2019」のピッチコンテスト「スタートアップバトル」で、100社超の企業から勝ち残ったファイナリストの1社。

同社は九州大学が半世紀以上にわたって系統整備と体系的な選抜育種を進めてきた独自のカイコを利用したカイコ・バキュロウイルス発現法により、再生医療用研究試薬やワクチン、診断薬などを大量生産できる生産プラットフォームの構築技術を擁するスタートアップ。

カイコ・バキュロウイルス発現法とは、目的のタンパク質DNAをバキュロウイルスに挿入してカイコ体内に注入することにより、ウイルスの増殖に従って目的タンパク質が発現させる方法。発現された目的タンパク質を体内から回収・精製してワクチン製造などに利用する。

同社の説明によると、カイコは個々がバイオリアクター(生体触媒を用いて生化学反応を行う装置)の機能を果たすため、開発したタンパク質は頭数を増やすだけで、医薬品の量産が可能なるとのこと。少量多品種の生産に対応できるのが特徴で、複数薬を同時並行開発できるほか、大量生産も容易だとしている。

今回の新型コロナウイルスに関しては、技術導出元である九州大学農学研究院日下部研究室が主導し、組み換えウイルス抗原と組み換え抗ウイルス抗体の共同開発。抗原に関しては、新型コロナウイルスのSプロテイン三量体の開発に成功し、 複数の抗体との結合を確認したという。

この結果を受け、新型コロナウイルスの抗原・抗体を合わせて供給できることにより、パートナー企業と抗体検査キットの開発を開始した。また、抗原Sプロテインはワクチン候補として今後量産体制を確立し、製薬企業へ共同開発を呼びかけていくという。

今回調達した資金は、医療品製造に求められるGMPルールに則った生産設備の施工と機器の設置、研究開発・生産を担う人材増員のために使われる。さらに、同社が擁するカイコ・バキュロウイルス発現によるタンパク質開発の世界展開に向けた動きも加速させる計画だ。

Magic Leapが新たに約377億円を調達、4月下旬に通知した大量解雇を中止か

Magic Leap(マジック・リープ)は1カ月前に従業員1000名を解雇して、消費者事業から撤退したが、報道によると最近また3億5000万ドル(約377億円)の救援資金を調達したようだ。Business Insiderが報じ、The Informationが確認したところによると、CEOのRony Abovitz(ロニー・アボビッツ)氏はスタッフに送ったメモでその投資を発表し「現在および新規の匿名の投資家たちのおかげである」と述べている。

一体誰が、そしてなぜ、そんな投資をしたのだろうか。某ヘルスケア企業かもしれない。いずれにしても同社は、4月下旬にスタッフに送付したWARN通知(大規模な人員削減のための60日間の通知)を取り下げようとしている。この動きは、同社が以前に発表した大規模な解雇を明らかに覆すものだ。

解雇がなくなったとしても、これまで大金を投資されたこの拡張現実企業が、前にも発表したように、フォーカスを全面的にエンタープライズに向ける計画であることは変わらない。そしてその結果、Microsoft(マイクロソフト)のHoloLensなどと直接競合することになる。

関連記事:Magic Leap reportedly slashes 1,000 jobs and steps away from consumer plan(Magic Leapが1000人解雇して消費者ビジネスから撤退、未訳)

アボビッツ氏は 「ヘルスケアとエンタープライズと国防関連の契約が順調に進んでいる。契約が完了したら発表できるだろう」と説明する。

Magic Leapは、COVID-19を4月のニュースの主因として挙げている。でもその閉鎖の前の同社は、消費者向けハードウェアで成功している企業とはとても言えない姿だった。9回のラウンドで26億ドル(約2800億円)という巨額を調達した同社は、開発が順調に進んでいるというよりも、ど派手な詐欺という言葉のほうが似合った。デモビデオは数年間発表し続けたが、その最初のデバイスはかなり期待外れだった。

TechCrunchではMagic Leapにコメントを求めている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

セレブによる特別講座を提供するMasterClassが107億円調達、コンテンツ拡充へ

著名人が教える講座(クラス)を販売するスタートアップであるMasterClass(マスタークラス)がシリーズEラウンドで1億ドル(約107億円)を調達した。本ラウンドは、Fidelity Management & Research Companyがリードし、新規投資家としてOwl Ventures01 Advisorsが、既存投資家からはNEA IVP Atomico NextEquity Partnersが参加した。

同社が間もなく資金調達するとのニュースを今月初めにスクープしたBloomberg(ブルームバーグ)によると、本ラウンドでのバリュエーションは8億ドル(約860億円)となる。同社は新たなバリュエーションの公開を却下したが、8億ドルを上回るとは述べた。

MasterClassは、コンテンツライブラリーへのアクセス料金として年間サブスクリプションとして180ドル(約1万9000円)を課している。同社の売上高にサブスクリプションが占める割合は2018年に80%だったが、いまは100%だ。

同社は、エンターテイメントと教育が交差するところに自社は位置するとの認識だ。同社はこれまでにセレブや専門分野の「名人」が教える85講座を制作した。同社のプラットフォームは著名人を引きつけてきた。いかに事業を成長させるかについて語ったAnna Wintour(アナ・ウィンター)氏、料理法について話したGordon Ramsey(ゴードン・ラムゼイ)氏、ユーモアであることについてがテーマだったDavid Sedaris(デイビッド・セダリス)氏など、そうそうたる名前が並ぶ。講座の予告は「トレイラー」と呼ばれている。

著名人がどのように考えて取り組んでいるのか、人々が生まれながらに持っている好奇心をくすぐる。そうした好奇心に少し応えつつ、根本的に「デジタル化」はあり得なかった講座を提供している。かなり接触するスポーツ、例えば、Serena Williams(セリーナ・ウィリアムズ)氏のテニスのレッスン、Steph Curry(ステフィン・カリー)氏のバスケットボールのレッスンを考えてみてほしい。あるいは、RuPaul(ルポール)氏の自己表現についての考えや、Neil deGrasse Tyson(ニール・ドグラース・タイソン)氏の科学的な考えとコミュニケーションといった一般教養など。

燦然としたスターぞろいにもかかわらず、MasterClassはセレブへのアクセスではなく、セレブたちの取り組みの一部を販売する。セレブたちは日常的に生徒と交流しないし、まったく交流しないセレブもいる。

コンテンツがプラットフォームにアップされた後はセレブは特に大きな責任は負わない。もちろんコンテンツ制作はMasterClassが声をかけた人が対象となる。サイトには数多くのレッスンが用意されており、20〜30分のビデオとダウンロード可能なワークブックに分けられる。各講座の生徒はコミュニティハブに集ってバーチャルのクラスメートと話すことができる。セレブたちが生徒と交流する機会はあるが、それは契約には含まれていない。

同社では「セレブが自分の講座でお気に入りを選ぶという例外がある」とも宣伝している。電子音楽プロデューサーであるDeadMau5(デッドマウス)氏は一緒に曲を録音するためにMasterClassの生徒の1人を招待したとされている。セリーナ・ウィリアムズ氏も生徒の1人と試合をしたようだ。

セレブにどのように払っているかについては同社は明らかにしなかった。売上高はというと昨年倍増した。同社はコンテンツがかなり魅力的なために、カリー氏のバスケットボールのワークショップ目的で登録した人が、その後ラムゼイ氏の料理セッションものぞくというふうになっていると話す。

何百万という人がやることなく家で過ごしている最中に同社は資金を調達した。CEOで共同創業者のDavid Rogier (デイビッド・ロジャー)氏は「講座の中で最も視聴されているものは、前FBI交渉官Chris Voss(クリストファー・ボス)氏による戦術的な共感について考えを語るものだ」と話した。

この逸話を紹介した後、ロジャー氏はMasterClassの使用が新型コロナウイルス(COVID-19)が始まってからどのように変化したかを示すデータを共有することは繰り返し却下した。エドテック業界の競合他社が最近騒がしいため、MasterClassの沈黙は目立つ。リモート教育への移行は、エドテック企業の資金調達をあと押ししていて、新たなユニコーン(未訳記事)の誕生につながったものもあればシードステージでの調達(未訳記事)だったものもある。

沈黙はまた、MasterClassが純粋に教育にフォーカスしているというより、エンターテイメントの要素が大きいコンテンツと位置付けているからかもしれない。同社はクオリティーの高いドキュメンタリースタイルのコンテンツを制作している。そのため、新型コロナウイルスによる活動停止でエンターテイメント業界(外部英文記事)が現在直面しているように、制作面で困難を抱えているのかもしれない。

ただ、他のエドテック企業と同様、MasterClassは新たな資金調達は必要に迫られてというより機会に恵まれてのものだったとしている。

資金は生徒向けの新しい講座の制作、そして1週間に1つの講座という制作ペースにアップするのに使う、とロジャー氏は話した。同社はまた音声のみのモード、短いバージョン、拡張現実(AR)も試している。「想像してみてほしい。ステフィン・カリーの講座があるが、もしスマホにARがあったら、実際にどこに足を置くべきかがわかる」とロジャー氏は述べた。

MasterClassのマーケティング戦略は、現在アグレッシブに展開されていることから、このところ話題となっている。YouTubeビデオを観るたびに、コマーシャル時間にMasterClassの広告が入るという感じだ。

ロジャー氏はマーケティング予算を明らかにしなかったが、戦略は手応えのあるもののようだ。MasterClassはYouTubeと競合せず、YouTubeプラットフォーム上に広告を出している。人々はクオリティの高いセレブによる講座を望んでいて、そのために喜んで払うのは確かだ。「もし広告をより頻繁に目にしていたら、それは広告が機能しているからだ」と同氏は話した。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

「泥臭いことも全部やる」新型コロナ影響下でHRテックのROXXが9億円調達

人材採用関連サービスを提供するROXX(ロックス)は5月18日、グローバル・ブレインと日本郵政キャピタルを引受先とした、総額9億円の第三者割当増資を発表した。今回の資金調達は今年2月発表の総額5億円の調達に続くもので、シリーズBラウンドに当たる。同社の累計調達金額は約20億円となった。

求人DBとしての価値向上、中長期で人材紹介を支援

ROXXは現在、人材紹介会社向けのクラウド求人データベースサービス「agent bank(エージェントバンク)」および月額定額制のリファレンスチェックサービス「back check(バックチェック)」を提供している。

2018年5月に正式リリースされたagent bankは、人材紹介会社が月額利用料のみで利用できる、求人データベースと業務管理ツールのクラウドサービスだ。成功報酬に対する手数料不要で、自社で抱える転職者をデータベース掲載企業に紹介することができる。

新型コロナウイルス感染拡大を受け、4月に緊急事態宣言が出てから人材紹介会社を取り巻く状況は「売り手市場から真逆の環境に一気に変わった」とROXX代表取締役の中嶋汰朗氏は話す。「人材がいればすぐに紹介先が決まるという状況から、今は採用を続けている企業を探し回る、売り先がない状況。掲載求人情報は一時、2400件から1600件まで落ち込んだ」(中嶋氏)

ただ、そうした厳しい状況ゆえに、人材紹介会社から見ると求人データベースとしてのagent bankの価値は上がっていると中嶋氏は続ける。

「新型コロナ対策支援として、利用料を3カ月無料でサービスを提供するキャンペーンを実施したこともあって、5月だけで200社から問い合わせがあった。これは今までの年間契約社数と同じ数字だ。サービスローンチから2年経ち、昨年比で見ればほぼ全ての数字が2倍に伸びた。4月には人材会社から求人企業への紹介件数が、初めて単月で1万件を超えており、プラットフォームとしてはどんどん大きくなっている」(中嶋氏)

採用を絞る企業が増える中で、紹介先企業、求人件数を増やすことは、同社にも課題となっている。5月の大型連休明けからは若干回復傾向も見えるものの、「『オリンピック後に景気が悪化しても採用を続ける』と言っていた企業でもコロナ禍で採用をストップしたところもあり、予断は許さない」と中嶋氏はいう。

ただし、同社が対象としているのは人手を必要とする労働集約的な業界・職種が中心だ。「中長期的に見れば、まだまだ採用は続く。非正規や中卒・高卒といった領域の求人紹介はほかのプレイヤーも少ない。今は先行きが分からず採用を止めている企業も多いが、この時期にも採用を続けている企業もそれなりにある。5〜6月は厳しい状況が続くかもしれないが、連休明けに動きが出ていることもあるので、乗り切りたい」(中嶋氏)

リファレンスチェックサービスは非対面の面接と相性よい

かたやリファレンスチェックサービスのback checkのほうについては、「対面で面接ができない環境との相性はいい」と中嶋氏は述べている。

back checkは、面接や書類からだけでは見えにくい採用候補者の経歴や実績に関する情報を、候補者の上司や同僚といった一緒に働いた経験のある第三者から取得できるサービスだ(チェックは採用候補者本人の同意を得て行う仕組み)。採用予定の職種・ポジションに合わせて数十問の質問を自動生成し、オンライン上でリファレンスチェックを実施できる。

「新型コロナ感染症の影響が落ち着いても、リモート面接を取り入れる動きは元には戻らないだろう。採用候補者の見極め材料の不足を補うツールの必要性は、今まで以上に増してくる。ここはチャンスと捉えて、マーケットを作っていけるかどうかの正念場だ。『働く場所はどこでもいいから優秀な人材を探そう』という動きや副業、時短勤務も進むはず。そういう人材採用で使えるリファレンスチェックのツールとして、back checkの活用頻度はより増えていくのではないかと考える」(中嶋氏)

今回の資金調達は、新型コロナ感染拡大による影響が広がるさなかの2月〜4月にかけて交渉が進んだという。中嶋氏は「2社とも、約2カ月と短い時間で検討を進めてもらい、調達実施を決めることができた。前回と今回の調達資金については、アグレッシブに使うというよりは、体力が続く間で改めてやれること、投資対効果が合うものに絞って事業を伸ばすつもり」と語る。

「短期的な売上を作るより、提供金額などの敷居を下げて、体験してもらう数を最大化する。広告に投下するのではなく、例えばback checkについては1候補者あたり1000円で試用できるプランを期間限定で提供するなど、試してもらって、その後契約してもらえる流れをまずは作る。今後もいろいろなキャンペーンやプランを、タイミングを見ながら変更しつつ打ち出していく」(中嶋氏)

「スタートアップは本来、大企業より身軽でスピード感を持ってやれるはず」という中嶋氏。「この時代に即したやり方にすぐに変えていけるのが強みのはずなので、改めてスタートアップとして、この機会を成功に変えなければと思っている。資金調達によって、またチャンスをもらえたことに最大限感謝しつつ、泥臭いことも全部やっていくつもりだ」と話している。

「今までのモデル通りで伸び続けるというわけには行かないと思うので、再度足元を整える。ついつい勢いの中で進んできてできていなかったこと、自分たちが本来向き合わなければならないところに対して、今なら精いっぱい時間を使えると思うので、向き合っていこうと思う。今後の時代に合わせた事業モデル、顧客ターゲットに変えていくために、今も手を打っているところ。多少の痛みは伴うが、モデルの変換や組織体制変更など、対応していく」(中嶋氏)

ROXX代表取締役 中嶋汰朗氏

AIがプレゼントを提案するギフト特化型モール「Giftmall」が15億円を調達

ギフト特化型ECモール「Giftmall(ギフトモール)」を運営するギフトモールは5月18日、15億円の資金調達を発表した。第三者割当増資の引受先はジャフコが運営するファンドで、ギフトモールにとってはシリーズAラウンドの調達にあたる。

ギフト通販サイトとしては、ベルメゾンやディノス、シャディといったカタログ通販発の企業が運営するものが既にいくつかあるが、Giftmallの特徴は「モール型であること」「ギフト・プレゼントに特化していること」だとギフトモール代表取締役の藤田真裕氏は説明する。

「アパレルの世界で、ZOZOTOWNがモールとして各社の商品を扱っているのと同様に、ギフト・プレゼント領域のモールとして、自社商品を持つ企業にも声をかけ、商品を扱わせてもらっている」(藤田氏)

父の日・母の日、誕生日などのイベントや贈る相手、商品カテゴリからギフトを選べるほか、閲覧履歴を使ってAIによる商品提案も行う

ギフトモールは2014年8月の設立。藤田氏はリクルートホールディングスの出身で、在席中の2009年からサイドプロジェクトとしてメディアづくりを行ってきた。2013年にシンガポールへの移住とグローバルでの事業展開を決意し、2014年6月に退職、起業した。

ギフト領域に踏み出したきっかけは、両親へのプレゼントで何をあげればよいか分からず迷った体験にあると藤田氏は言う。「Amazonや楽天などの一般的なECや、カタログ通販でECへ進出した企業などもあるが、プレゼントで利用しようとするといろいろと課題もあって、改善点が多い領域だと感じた」(藤田氏)

Giftmallでは、利用シーンをギフトに特化したことで、ギフトならではのUXの磨き込みを行っているという。また、藤田氏は「テクノロジー企業としてデータを重視し、ギフトECのプラットフォームを提供している」と話している。これまでにステルスで展開してきた複数のメディアのインプレッション、コンバージョンデータを機械学習で分析。100万人を超える購買データをベースに、AIが27万点のアイテムの中から、ユーザーの閲覧履歴や購買情報に即したギフトを提案するという。

今回の調達資金は「グループ経営体制の構築に投資する」と藤田氏は述べている。今までにも複数メディアを展開してきたが、この3月にはトレンダーズの子会社でギフトEC事業を手がけるBLTの全株式を取得。同社が運営する「Anny」をグループ傘下に入れた。「今後もグループとして、中長期的にプラットフォームを増やしていく」と藤田氏はいう。

また直近ではロジスティックスの強化、人材採用強化も図っていくとのことだ。「商品や倉庫・物流の拡充は先行して実施しているが、より件数をさばけるようにしたい。また、人材については少数精鋭をモットーに、リファラル採用を中心に行っているが、将来を見据えて投資していきたい」(藤田氏)

新型コロナウイルス感染症の影響で、直接店頭に出向いてギフトを選びにくい環境になっていることから、「ここ数カ月の事業はかなり伸びている」という藤田氏は、「ギフトが増えることはコミュニケーションが増え、スマイルが増えること」と語る。現在ギフトプラットフォームを展開する日本、インドネシア、インドに続き、近々ベトナムでもサービスをローンチ予定だと話していた。

ギフトモールのメンバー。写真右上が代表取締役の藤田真裕氏