もうすぐ‘マンダロリアンのシーズン2がDisney+にやってくる

「マンダロリアン」のシーズン2が10月30日からDisney+で配信開始となることが発表された

Disney+オリジナルの「スター・ウォーズ」スピンオフとしては昨年11月にスタートした「マンダロリアン」が最大のものだ。このシリーズは「アベンジャーズ」などで知られるジョン・ファヴローが企画、監督、製作総指揮を務めている。 惑星マンダロリアン出身の謎の賞金稼ぎ(ペドロ・パスカル)が主人公で、強力なフォースを持つ赤ん坊、ザ・チャイルドが活躍する。このキャラクターはベビー・ヨーダと呼ばれて人気を集め、ポップカルチャーのアイコンのひとつになった。シーズン1は最優秀ドラマシリーズを含む15部門でエミー賞にノミネートされている。

Disney+では作品のメイキングを描いたドキュメンタリー Disney Gallery: The Mandalorianも製作されている。これによれば特殊効果を実現するにあたって従来のようなグリーンスクリーンに頼るのではなくバーチャル・プロダクションを利用している( Epicによる紹介)。これは俳優の背後にバーチャル空間が投影され俳優の演技に従ってリアルタイムで動くというものだ。

マンダロリアンのリリースの後はDisney+ではオリジナルの制作にはあまり力を入れていなかった。しかしこのオンデマンドビデオサービスは急激な成長を遂げ、同社によれば今や登録会員は6050万人だという。ブロードウェイのミュージカル「ハミルトン」を撮影した作品(日本でも近く配信)や実写版「ムーラン」が強い追い風となったようだ(Disney+会員は追加で2980円を支払うことで視聴できる)。

またディズニーにとって幸いなことにパンデミックによって世界中で映画の製作が凍結される寸前にマンダロリアンのシーズン2は撮影が終了していた(ここ数ヶ月、映画制作のペースは徐々に正常に戻りつつある)。ディズニーとルーカスフィルムはまだ予告編その他の内容紹介を公開していない(日本のDisney+での公開時期は明らかされていない)。

画像:Disney

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滑川海彦@Facebook

劉慈欣のSF話題作「三体」のドラマ化をNetflixが発表

Netflix(ネットフリックス)は劉慈欣のSF「三体(Three-Body Problem)」3部作を英語版オリジナルドラマのシリーズとして制作することを発表した。

Netflix版ドラマの製作総指揮、脚本は「ゲーム・オブ・スローンズ」のショーランナーで脚本家でもある David Benioff(デイヴィッド・ベニオフ)、D.B.ワイスらだ。ワイスはNetflixと複数年契約を結んでいるが、契約金は2億ドル(約212億円)以上(未訳記事)と報じられている。製作総指揮には太平洋戦争中の日系人の強制収容所を舞台とした「ザ・テラー:不名誉」のAlexander Woo(アレクサンダー・ウー)、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の監督であるRian Johnson(ライアン・ジョンソン)とそのプロデューサーのRam Bergman(ラム・バーグマン)も名を連ねる。

ベニオフ氏とワイス氏は制作が中止されたスターウォーズ三部作(Deadline記事)の準備でしばらく共同作業をしたことがある。原作者の劉慈欣、英語版翻訳者のKen Liu(ケン・リュウ)はコンサルタントとして協力する。

劉慈欣は声明で「『三体』のテレビシリーズ化にあたる制作陣を大いに尊敬し、深い信頼を寄せている。私はこの作品を国や文化、人種を超えたところに設定し、全人類の運命を考えようとした。このSFのコンセプトが世界に受け入れられ大きなファン層を獲得できたことは、著者として大きな名誉だ。新しい読者も以前からの読者もNetflixのドラマを楽しむことできるのをうれしく思っている」と述べた。

中国で連載が開始されたのが2006年で、3部作「三体」、「黒暗森林」、「黒暗森林II」(全体は「地球往時」のタイトルでも知られる)は三体人と呼ばれる異星の侵略者をテーマとする。2014年に米国で英語版が出版されて大きな反響を呼んだ。SF界で最も権威があるヒューゴー賞をアジア発で最初に得た小説となった。当時のオバマ大統領を含む著名人多数も高く評価している(The New York Times記事)。3部作は世界で少なくとも800万部販売されたという(The New Yorker記事)。

3部作は独創的なプロット、詳細な科学的外挿、人類史全体を収める広い視野などによりユニークなものとなっている。私としては「黒暗森林」の宇宙戦闘はSF史上かつてない壮大な場面だと指摘したい。

ベニオフとワイスは声明で、「劉慈欣の3部作は、我々がこれまで読んだ中で最高に野心的なSFだ。読者は1960年代から時の果てまで、小さな青い惑星から宇宙の果ての極めて異質な世界まで連れて行かれる。この素晴らしい作品を、世界の視聴者に届けるために我々は向こう数年間を捧げるつもりだ」と述べている。

一方、同じ作者による小説をドラマ化した「流転の地球(The Wandering Earth)」は2019年に中国で封切られ、興行収入最大の作品の1つとなっている。

関連記事:Netflix signs multi-year deal with ‘Game of Thrones’ showrunners(未訳記事)

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Netflix

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

NASAはトム・クルーズの映画に協力、ISS宇宙ステーションで撮影する

噂は事実だった。TechCrunchはNASAはトム・クルーズの宇宙を舞台にした映画製作に協力していると報じたが、今朝、ジム・ブライデンスタインNASA長官がツイートでこれを確認した

NASAはクルーズに協力してISS(国際宇宙ステーション)で撮影を行う。このニュースはDeadlineが最初に報じ、SpaceXもパートナーとなる可能性があると書いていた。以前からNASAはISSの商業的利用への開放をさらに進めようと努力していた。大作映画のロケにISSを提供することはよい方法の一つだというのは間違いない。

ブライデンスタイン長官は、広く人気があるチャンネルを通じてISSのような科学的事業を紹介することは、「エンジニアや科学者の若い世代にインスピレーションを与え、NASAの意欲的な目標の達成に役立つ」と述べている。SpaceXのイーロン・マスクも「これは楽しそうだ」とツイートしている。

トム・クルーズがISSに乗り込むならSpaceXのCrew Dragonシステムを使うことになるはずだ(ハリウッドスターがISSに行くというのは突飛な仮定に聞こえるかもしれないが、クルーズが宇宙に飛び出せるチャンスを逃すとは私には想像しにくい)。SpaceXのCrew Dragonは、有人宇宙飛行能力を実証する最終的なデモの段階に来ており、NASA宇宙飛行士の2人を乗せてISSにむかうDemo-2ミッションが今月末に予定されている。

NASAとSpaceXでは、Crew Dragonの有人飛行能力を民間ビジネスが利用できるようにしようと計画している。Crew Dragonの定員は最大7人だが、NASAはこのうち4人分だけを自身のために予約している。つまり民間ビジネスによる予約によってNASAが負担する打上コストを節約しようという考えだ。

トム・クルーズ(プラス主演女優?)と撮影クルーにISSへの飛行のチケットを買ってもらえば、NASAの出費はだいぶ助かる。 もちろんこれは計画の初期段階であり、いつ、どのように実行されるのかについてはまだ何も発表されていない。SpaceXはCrew Dragonを一般ツーリストに開放する計画を発表しており、それによれば来年後半か2022年にはこの宇宙ツアーが開始される予定だ。

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滑川海彦@Facebook

ディズニーのボブ・アイガー氏がCEOを辞任、後任はボブ・チャペック氏

Walt Disney Companyの発表によれば、 長年にわたってディズニーグループの指揮を執ってきたBobt Iger(ボブ・アイガー)氏がCEOを辞任し、Bob Chapek(ボブ・チャペック)氏がその職を引き継いだという。

アイガー氏は、大型企業買収を含むアグレッシブなメディア戦略によってディズニーを業界屈指の高収益な企業に成長させた。ボブ・チャペック氏は長くディズニーグループの経営陣に加わっており、最近はDisney Parks, Experiences and Productsの会長だった。

アップデート: アイガー氏の社員向けメールを追加した(元記事参照

新しい CEO に任命されたチャペック氏はディズニーのテーマパーク事業の責任者だが、賛否両論ある人物だ。 チャペック氏はディズニー内で「価値のエンジニアリング」と呼ばれる一連の動きを主導したことで知られる。これは大勢のクールな人材をカットしたことを表す婉曲語法だ。現在まで長く人気が続くディズニーのアトラクションやプロダクトは「想像力豊かな人々に腕を振るわせよう」というアイガー氏の戦略によって生まれたものだが、チャペック氏はむしろ予算至上主義者として知られる。Twitterではディズニーの新CEO就任によって、テーマパーク事業部における予算がカットが起こるのではないかと早くも予想されている。

チャペック氏のCEO昇格に伴い、空席となったテーマパーク事業部の責任者にはWalt Disney Worldの元トップ、Josh D’Amaro(ジョッシュ・ダマロ)氏が適任だろう。ダマロ氏はディズニー内部、ことにテーマパーク事業部できわめて人望が高い。ただし支持者間でその理由が正反対だったりするため、この点がダマロ氏の責任者就任を妨げるかもしれない。

今回のCEO交代については、まだよくわからないことがいくつかある。アイガー氏は36カ月のCEO任期延長を受けていたが、そのうちまだ14カ月を残している。しかも辞任が発表されたタイミングも通常予測される四半期決算発表の電話会議中ではなかった。最近のディズニーの決算は好調を続けているが、新型コロナウイルス感染症の突発は中国におけるテーマパクの閉鎖をもたらし、ディズニーの経営にとって現在はきわめて重要な時期となっている。

それだけにこの時期のアイガー氏の辞任について憶測が飛び交っており、関係者はその理由が会社にとってあまり深刻なものでないことを願っている。今後何か新しい情報が入り次第記事をアップデートする予定だ。

2005年以降のアイガー氏のCEO任期中にディズニーは映画、テーマパーク、その他のエンターテインメント事業において大胆な戦略を取り、業績を大きく伸ばしてきた。2019年後半にスタートしたストリーミングサービスであるDisney+は、市場の予想を超える大成功を収めている。また713億ドル(約7兆8744億円)という空前の額で21st Century Fox(21世紀フォックス)の映画、テレビ事業を買収したことも記憶に新しい。

アイガー氏は10年前のMarvel Entertainment も主導している。「スター・ウォーズ」と「インディー・ジョーンズ」を持つLucasfilm(ルーカスフィルム)の買収もアイガー氏が指揮したものだ。一時冷え込んでいたAppleのSteve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏との関係を立て直し、ジョブズ氏が1986年に創立したアニメーションスタジオのPixarの買収を実現させたこともアイガー氏の功績だろう。

こうした大型買収を含むアグレッシブな拡大戦略がディズニーをメディア業界において現在のようなリーダーの地位につけた。

【略】

また我々も報じたように、Disney+は2650万人ものサブスクリプションを集めている。なおアイガー氏はCEOを退いた後も2021年いっぱい エグゼクティブ・チェアマンとして留まるとディズニーは発表している。

この稿の執筆にあたって、アイガー氏とチャペック氏のCEO交代の事情、評価についてMatthew Panzarino(マシュー・パンサリーノ)編集長に協力してもらった。

画像: Allen J. Schaben/Los Angeles Times (opens in a new window)/ Getty Images

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オリジナルキャストの新「ゴーストバスターズ:アフターライフ」予告編

短いティーザー予告編が公開されてからはや1年。ついにゴースト退治のステーションワゴンであるEcto-1が謎の納屋から姿を現わした。タイトルはこれまで「Ghostbusters 2020」という仮題だったが、「Ghostbusters: Afterlife」(ゴーストバスターズ:アフターライフ)』と正式に決定された。予告編をご覧いただこう。

監督はJason Reitman(ジェイソン・ライトマン)。オリジナルの「ゴーストバスターズ」の監督を務めたアイバン・ライトマンの子息だ。なお、アイバン本人もプロデューサーに名前を連ねている。

今回のAfterlifeは2016年の女性版のリメイクとはまったく別物。リメイクは批評家からは生ぬるい評価を受け、興行成績もぱっとしなかった。オンラインではオリジナルの熱狂的ファンからの怒りの投稿も目立った。

今回の作品はリメイクは無視しており、1984年、1989年に公開されたオリジナルの世界観による続編だ。しかも主要キャストもカムバックしている。ビル・マーレー(作品の終わりの声はマーレー)、ダン・エイクロイド、アーニー・ハドソン、シガニー・ウィーバー、アニー・ポッツも登場する。残念ながらハロルド・ライミスは2014年に亡くなっているが、新作の主役の一人はライミスが演じたイゴン・スパングラーの孫娘という設定だ。コメディアンのリック・モラニスは引退して20年近く経つ。

ポール・ラッドはゴーストトラップとともに頻繁に登場する。ラッドが演じる教師と生徒たちは、「ストレンジャー・シングス」的な奇妙なエネルギーを探る。実際、「ストレンジャー・シングス」でスターになったFinn Wolfhard(フィン・ウォルフハルト)が生徒の一人だ。全編を通してノスタルジックな空気が流れている。

オリジナルから30年、「アフターライフ」が製作されるまでには数々の苦難があったと聞くが、ついに登場だ。公開は来年7月10日の予定。

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ディズニーがマンダロリアンのベビー・ヨーダ・グッズが大人気

スター・ウォーズのグッズとはいえ、ギョロ目のエイリアンの赤ん坊のぬいぐるみが大人気のアイテムなると予想したものは少なかっただろう。ともかくディズニーは予想しなかったようだ。日本ではDisney Deluxeで12月26日に配信が始まる「マンダロリアン」に登場するナゾのベビーのグッズが米国時間11月26日から発売が開始された。

このドラマは、賞金稼ぎであるマンダロリアンを主人公とする「スター・ウォーズ」のスピンオフだが、「ベビー・ヨーダ」と呼ばれる謎のキャラクターが登場する。グッズは、Tシャツ、バッグ、コーヒーマグ、携帯ケース、その他で、あまりの人気にディズニーは増産に必死だという。

TechCrunchのスタッフの一人は「グッズの品ぞろえが少なすぎる」と不平を言っていた。実際「スター・ウォーズ」グッズが登場して40年たつ間に、ヨーダ関係はすでに10億アイテムくらい売れている。ところがベビー・ヨーダのベビー服、幼児・ペット向けの噛んでも安全な人形、オリジナル絵コンテの複製などは、まるで見当たらラない。ディズニーは、定額ストリーミングサービスのDisney+を立ち上げるのに忙しくて、グッズのことまで頭が回らなかったに違いない。ヨーダ・テーマのリュックサックは何十年も前からヒットを続けている。

もっとも「マンダロリアン」の登場キャラクターはいくら見た目がヨーダに似ていてもあのヨーダではないという。このシリーズは「ジェダイの帰還」でヨーダが死んだ後の世界が舞台だからだ。「ヨーダ」という単語を使えば検索でトップに出るだろうが、ディズニー自身はそう呼んでいない。このキモかわいいクリーチャーは、グッズ販売のページでも一貫してザ・チャイルド(The Child)と呼ばれている。

ディズニーがグッズの需要を予測し損なったのはこれが初めてではない。「アナと雪の女王」では世界中が「レット・イット・ゴー」と歌っていたのにグッズが売り切れでしばらく入手できなかった。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのグルート(下の写真)も売り切れが続いた。近く、グルート人形同様、クリップパッドが付属して肩乗りができるようになるかもしれない。そのスタイルで歩きまわればボバシッターに見えることだろう。

【Japan編集部追記】日本の公式ストアにはまだ見当たらないが、リンク先で注文すれば日本にも配送可能だ。「ボバシッター」は「ベビーシッター」のもじり。グッズのバリエーションが少ない理由は「1年前から準備する必要があるのでネタバレを防ぐために品揃えは最小限となったとディズニー自身が書いている」というコメントあり。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ゲーム・オブ・スローンズのプロデューサーが新スター・ウォーズ映画製作へ

好き嫌いはあっただろうが、大評判のストリーミングドラマのゲーム・オブ・スローンズが今週でとうとうとう完結する。フィナーレは日曜(5月19日)に放映される予定だ。ファイナル・シーズンは「短すぎ、端折りすぎ、画面が見づらい」などさまざまな批判を受けてきた。しかし口さがないインターネット批評家たちには目もくれず、ゲーム・オブ・スローンズのショーランナーはもうひとつの、これも話題が尽きないシリーズの製作に転身する。つまりスター・ウォーズだ。

GoTの製作総指揮、現場総責任者のD・B・ワイスとデビッド・ベニオフ氏が少なくとも1作のスター・ウォーズ映画の製作にあたるという情報は、しばらく前から流れていた。ただし詳細は不明だった。たとえば製作、公開のスケジュールもわかっていなかった。

ここに来てディズニーのCEOであるボブ・アイガー氏が、今日のMoffettNathanson Media & Communicationsのカンファレンスに登場し、もう少し具体的な情報を発表した。ワイス、ベニオフが製作するのは今年末に公開される予定のスター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカーの次のシリーズだ。

TheWrapによれば、アイガー氏はこう述べている

我々はゲーム・オブ・スローンズで有名なデビッド・ベニオフとダン・ワイスと契約を結んだ。2人は我々の次作を製作することになる。ここではこれ以上は話せない。念のために言っておくと「次の」というのは「すぐに」ということではない。

スター・ウォーズ映画を実際に製作してきたルーカスフォルムのプレジデントであるキャスリン・ケネディ氏は、ディズニーがスター・ウォーズ製作をしばらく休むという情報を確認している。今年エピソードIXを公開した後、次のシリーズの製作を始めるまでにはしばらく間を置いて情勢を検討するようだ。今月に入ってDisney/Foxが発表したスケジュールによれば、新シリーズの公開は最も早い場合でも2022年以降になる。

ただし、間を置くのは映画の製作であり、スター・ウォーズ・ビジネスは続く。今日、ボブ・アイガー氏が述べたところでは、ディズニーが近くスタートさせるストリーミングサービスDisney+の目玉としてスター・ウォーズをベースにしたドラマが放映されるという。またアイガーは次のスター・ウォーズ本編の公開前に少なくとも1つの新シリーズが製作されると述べた

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(翻訳:滑川海彦@Facebook