退職回避AI開発でカオナビと楽天技術研究所が連携

クラウド人材管理システムを提供するカオナビは2月8日、楽天技術研究所と連携して従業員のコンディションや退職リスクを予測するAIの開発を進めることを発表した。「HR Dataイノベーションプロジェクト」と名付け、3月29日まで参加企業を募集する。

カオナビ代表取締役社長の柳橋仁機(左)と、楽天技術研究所代表の森正弥氏(右)

楽天技術研究所は楽天グループの研究機関で、グループのインフラの整備、データ分析、新しいユーザー体験の創造を研究の柱とした企業だ。

同プロジェクトは、アンケート調査や人事担当者の経験を基にした従業員のコンディション把握に限界があることから、効率的かつ精度の高いコンディション・退職リスク予測を実現することを目指す。

参加企業が収集したアンケートや人事データ(勤怠、性格、顔画像、ストレス、退職状況など)を、楽天技術研究所のディープラーニング技術を用いて分析。参加企業には、データの分析結果や完成したAIの先行提供などを予定しているという。

参加企業の条件は、カオナビを導入している、もしくは導入を検討している企業。実際に参加するには、人事データ(勤怠、性格、顔画像、ストレス、退職状況など)の収集・提供が必要になる。

クラウド人材管理ツール「カオナビ」が人材紹介会社の求職者データベースと連携した新機能を発表

人材マネジメントプラットフォーム「カオナビ」を提供するカオナビは8月23日、同社いわく日本で初めて人材紹介会社の求職者データベースと社内人事システムを直接連携した新機能「TALENT FINDER(タレントファインダー)」のサービス提供を開始した。

第一弾として、リクルートキャリアの転職スカウトサービス「リクナビ HRTech 転職スカウト」との連携を本日より順次開始すると発表している。

「TALENT FINDER」を使うと何ができるのか。クラウド人材管理ツールのカオナビ上で社内人事データに紐づく“こんな人ほしい!”ボタンをクリックすることで選定された社員の実績や能力がそのまま募集要項に反映され、提携先の求人サービスにて直接求人募集ができる。“このポジションに入る人がほしい”ボタンからは、ロールモデルにしたい社員を4名まで選定することが可能だ。

同社によると「人材を必要とする現場担当者がカオナビ上で直接求人募集ができるほか、社内で実際に活躍している社員の人事データに基づいて募集要項を作成することができるため、効果的に即戦力となる候補者を見つけることができる」といったメリットがあるという。

また、リクナビ HRTech 転職スカウトとの連携により、リクルートキャリアの求職者データベースからAIが最適な候補者をレコメンドする。TALENT FINDERを使えば企業は自社が求める人材により簡単に・短時間で出会える可能性が高まるだろう。

カオナビは、社員の実績や評価、スキル、才能などを、顔写真を切り口にした独特のインターフェイスで一元管理できるクラウドサービスだ。2012年のローンチ以降、業種・業態を問わず1100社以上の経営者や現場のマネジメント層に選ばれているという。同社は2020年までに導入企業3000社を目指している。

クラウド人材管理サービス「カオナビ」運営会社にリクルートが資本参加

日本のHR Tech分野のスタートアップにまた、新たな動きがあった。顔写真が並んだインターフェイスが特徴のクラウド人材管理サービス「カオナビ」。3月27日、リクルートホールディングスが、サービスを運営するカオナビ社の発行済み株式の一部をRSIファンド1号を通じて取得し、持分法適用関連会社としたことが明らかとなった。取得価額等については公表されていない。

カオナビは、社員の実績や評価を、顔写真を切り口にした独特のインターフェイスで一元管理できるクラウドサービスだ。初期費用無料、月額3万9800円と低価格から利用でき、直感的な画面で経営陣や現場の管理職にも使いやすい点をウリにしている。

2012年にサービスを開始し、現在では日清食品HD、テルモ、トゥモローランド、サイバーエージェント、VOYAGE GROUPなど、大企業からスタートアップまで400社以上の企業へ導入。「顔と名前が一致しない」という単純だがありがちな課題の解決や、人事情報の一元化などの利便性が評価されているという。

今回の資本参加を通じて、リクルートとカオナビ社では、HR Tech領域での事業提携の検討・協議を開始するとしている。カオナビ社では「引き続きIPOを目指す方向性には変わりない。事業会社系のファンドに出資いただくことで、より成長を加速させることができると期待している」としている。

「顔と名前が一致しない」を解決、人材管理ツールのカオナビが3億円調達

「顔と名前が一致しない……」

急成長中のスタートアップにありがちな悩みを解決しているのが、顔写真を切り口にした人材管理ツールの「カオナビ」だ。

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最大の特徴は、社員の顔写真がずらりと並ぶインターフェイス。顔写真をクリックすると、その社員のプロフィールに加えて、異動履歴、取得資格、評価といった項目が見られる。これらの項目は導入企業の環境に応じて自由に追加できる。

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顔と名前が一致するメリットは?

いたってシンプルなプロダクトだが、利用シーンはこんな感じ。

人事異動の会議。社員の名前がうろ覚えでも、「彼はこっちだ、あ、いや彼女はこっち」と組織全体の評価バランスを見つつ、最適な組織配置をドラッグ&ドロップ検討できるわけだ。

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カオナビを最初に導入したサイバーエージェントでは、入社年度を横軸、社員のグレードを縦軸に並べた上で、新規事業の責任者やチームを決めるような使い方をしている。

アパレルメーカーのトゥモローランドは、全店舗1200人のスタッフ情報に「身長」という項目を追加。スタッフを店舗異動させる際、身長をばらけさせている。身長の異なるスタッフが自社の洋服を着ることで、来店者が自分に似合うかイメージしやすくするためだ。

日本全国に店舗を構えるトゥモローランドは、エリアマネージャーが1日に数店舗を周ることも少なくない。そんな時は移動中にスマホアプリでスタッフの情報を把握し、一人ひとりに名前で声がけしているそうだ。

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「顔と名前が一致する」メリットは一見わかりにくいかもしれないが、「名前で呼ばれると、自分が認識されているという気持ちになる。その結果、やる気が出るだけでなく、ミスや不正も減る」とカオナビの柳橋仁機社長は語る。

メルカリから日清まで、前年2倍の200社超が導入

カオナビは2012年4月にサービスを開始。2016年5月末時点の導入企業は、前年同月比2倍の224社。社員数が数十人規模のスタートアップから、1万人以上の大企業までが導入する。

TechCrunch Japan読者にお馴染みの企業ではメルカリやgumi、Sansan、ピクスタなど、大企業では学研や日清食品など、意外なところでは、20歳以下のラグビー日本代表が選手選考のために活用している。

初期費用は無料、月額料金は3万9800円〜。IT・ウェブだけでなく、外食業やアパレル・流通業、スポーツ業界など、企業規模や業種を問わずターゲットが広がっていて、今後の成長が予想されそうだ。

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カオナビの柳橋仁機社長

国内の人事システムとしては、中小ベンチャー向けには「人事奉行i10」、大企業向けには数百万円の「OBIC7」、大企業向けには「SAP」などがあり、クラウド上でタレントマネジメントサービスを提供するスタートアップには「CYDAS」もある。

これらの人事システムについて柳橋氏は、顔と名前を一致させることに特化したツールはカオナビ以外になく、競合にはならないと見ている。既存の人事システムとの連携機能も用意していて、「顔と名前並べるだけで事業を伸ばす」と意気込む。

6月8日には、大和企業投資と日本ベンチャーキャピタル(NVCC)の2社から、総額3億円の資金調達を実施。調達した資金は新機能開発やマーケティング活動に当て、2019年3月までに1000社導入を目指す。