Googleはマップの改善を続けている。米国時間6月27日のアップデートでマップが通勤にさらに便利になった。新機能の一つはバスや地下鉄などの遅延を予測する。これはリアルタイムで遅延情報が得られない場合に役立つ。もうひとつは過去のデータに基づいてこれらの交通機関の混雑状態を予測するものだ。
多くの通勤者にとって興味あるのは後者、混雑状況の予測だろう。これにはGoogleが過去半年かけて完成させた新しいアルゴリズムが用いられている。去年の10月からGoogleは午前6時から8時という通勤ラッシュ時間帯にマップを利用したユーザーに対して空席の有無など混雑状況を評価するアンケートを取り始めた。
Googleは通勤者が適切な交通機関を選択することを助けるために、クラウドソーシングによって得られた情報をベースにバス、地下鉄、電車の路線の混雑状況を予測するモデルを作成した。
ちなみにGoogleは世界で最も混雑する通勤路線の一覧を公開している。
リストではブラジルのブエノスアイレスとサンパウロが突出している。トップ10路線のうち1位から4位までを独占しているだけでなく、さらに2路線を加えて合計6路線が両都市のものだ。東京では中央線と日暮里・舎人ライナーの2路線がランクインしてる。米国の路線でトップ10入りしたのはニューヨークのマンハッタンとブルックリンを結ぶ地下鉄L系統だけだった。
Googleが膨大な利用人口を混雑予測に役立てたのはこれが最初ではない。すでにGoogleマップではレストランや他の一般ユーザー向け施設の混雑を予測している。
またGoogleはバスの遅延にも警告が出せるようにした。
Googleは2017年12月に地域の公共交通機関の運営者からの運行情報をリアルタイムで提供するサービスを始めた。ただこの機能がカバーするのは一部の都市のみだった。アメリカでいえばジョージア州アトランタはカバーされていなかった。Googleではこの点を改善すべくクラウドソースによってリアルタイムで遅延情報を提供し始めた。
バスの遅延予測にはまず路線に関する詳細な情報が必要だ。Googleは個人が特定されないよう匿名化されるという条件で位置情報の提供に同意したユーザーから得られた情報を用いた。これレストランや店舗の混雑状況を予測するモデルと同様のメカニズムだ。Googleはマップを世界中で人々の移動状況を知るための非常に強力なツールに変えた。
もっとも、多くのマップユーザーはこのデータ収集がデフォルトでオンになっていることに気づいていないかもしれない。おそらく遅延情報や混雑状況のアラートは公共交通機関の運営者から得られているものと漠然と考えているユーザーも多いだろう。しかし実はデータは運営者からではなく、マップアプリをインストールしている無数のユーザー自身から来ている。
ともあれ、今やマップのユーザーはバスの運行状況を知ることができるようになる。どのくらいの遅れが出そうかリアルタイムで分かっていればそのぶん早めに家を出るなど対策できるわけだ。
Googleによればマップの新機能は世界の200都市をカバーし、Android版、iOS版の双方で本日から利用できるようになるという。
画像:TechCrunch
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