子どもにデジタルスキルを教えるKodlandが約10.4億円調達、オンラインのコーディングスクールを拡張

ロンドンに拠点を置くKodlandは、2018年に起業して子どもにコンピュータプログラミングなどのデジタルスキルを対面で教えるコースを提供し、2020年前半からはオンライン教育にシフトした。同社はシリーズAラウンドで900万ドル(約10億4000万円)を調達し、これから市場を拡大していく。

このラウンドはRedseed Venturesが主導し、他にBaring Vostok、Kismet、Flyer One Ventures、ニューヨークに拠点を置くI2BFのパートナーであるAlexander Nevinsky(アレクサンダー・ネビンスキー)氏が参加した。

Kodlandが提供する6〜17歳向けのリモートコースは現在、英国、アイルランド、米国、カナダ、独立国家共同体地域、マレーシア、インドネシア、アルゼンチンで利用できる。同社はそれぞれの地域に応じてローカライズしたコンテンツを提供している(同社のユーザーはおよそ40カ国に広がっている)。同社によれば、これまでにおよそ1万6000人が有料コースに申し込んだ。

Kodlandは新たに調達した資金でオンラインコースの対象地域をさらに広げていく。

同社のコースはグループ学習またはプロジェクト学習で、コーディングやウェブサイト構築、ゲーム制作、アニメーション、ビデオ編集といったデジタルスキルを、従来のクラスルーム形式のレッスンよりも楽しくインタラクティブに教える。同社プラットフォームが提供するオンライン教育は、自己学習ではなく講師が指導する。

Kodlandによれば、同社プラットフォームには約1000人の講師がいて、市場によって雇用している場合もあればギグワーカーの場合もある。通常は、生徒15人に対して講師が1人つく。ただし個人指導も提供している。

同社は、学校に対してツールやリソースを販売するのではなく、デジタルスキルの課外学習に集中しているという。その方が学校教育の複雑な導入要件に対応する必要がなく、グローバルに拡大しやすいからだ。

また、クリエイターエコノミーに関して「Out of the Box」という独自のアクセラレータを設けている。これは優秀な生徒の目を「現実の」プロダクトに向けさせ、デジタルの成果物を収益化できるように特別に支援するものだ。

今回のラウンドで、Kodlandのこれまでの調達金額合計は1100万ドル(約12億7000万円)となった。同社は今回調達した資金を使い、今後2年間でコースの対応言語をさらに8言語増やして市場を拡大する計画だ。プロダクト開発にも資金を投入するという。

同社はTechCrunchに対し「2022年中に現在の英国やアイルランド以外にも英語圏の国に拡大し、スペイン語圏や東南アジアの国々にも拡大します」と説明した。

資金の一部はアクセラレータプログラムに使われる。

Kodlandは生徒たちから「大きなトラクション」を得て「最大級の成長を確実に遂げている」ことを背景に、今回のシリーズAを実施した。同社は2021年第3四半期に前年同期比6.5倍の売上を達成した。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で、EdTechは全般に急成長した。外出や人に会うことが制限されたため、画面を見る時間が増えたからだ。保護者が在宅で仕事をしている間に手頃な価格で子どもに使わせることのできるツールを求める需要があることはいうまでもない。

しかしそれは、競争が激化しているということでもある。

ソフトバンクのような大手投資家が教育分野に多額の資金を投じEdTechのユニコーン各社も活発M&Aをしている。コホート方式の学習プラットフォームも同様にEdTechとクリエイターエコノミーをつなごうとすることで投資を集めてきた。

子どもに関連するところでは、この分野の大手には以前からRobloxがある。Robloxはソーシャルゲームを活用して、プログラミング学習と収益化の可能性に対して子どもたちに興味を持たせようとしている。

しかし、講師が指導するクラスで子どもたちにSTEMのスキルを教えるというKodlandの構造とやり方は、拡大を続けるEdTechの世界で認められるようになるかもしれない。

同社は「国際的な子ども向けオンラインデジタルスキルスクール」として質の高い教育コンテンツという概念を保護者に売り込んでいる。4つのクラス(「モジュール」と呼ばれる)のセットは110ユーロ(約1万4000円)、全32クラスのコースは660ユーロ(約8万6000円)だ。

シリーズAに関する発表の中でRedseedマネージングパートナーのEugene Belov(ユージン・ベロフ)氏は次のようにコメントした。「従来の教育機関にとって現在の急激なテクノロジーの進歩についていくのは難しいことです。そのため供給(若年層のスキルや能力)と人材に対する需要(現代の職場で求められる要件)とのギャップがしばしば発生しています。(共同創業者の)Alexander Nosulich(アレクサンダー・ノスリッチ)氏とOleg Kheyfets(オレグ・カイフェッツ)氏は、これまでの学校教育では手付かずになることが多いにもかかわらず現在のデジタルの世界では不可欠になりつつあるスキルを生徒たちに教えることで、このギャップを埋めようと熱心に取り組んでいます。成果重視のユニークなプログラムは現代の子どもたちに強くアピールしています。我々はKodlandのジャーニーを支援できることをたいへん喜んでいます」。

補足資料の中でFlyer One VenturesゼネラルパートナーのVital Laptenok(バイタル・ラプテノク)氏は次のように述べた。「教育分野には現在、独占的な存在がありません。そのため多くのプレイヤーが市場に参入し、増加する教育サービスの需要に応えようとしています。顧客のリアルなニーズを理解しているプレイヤーが成長し、市場の流れを決めるでしょう。Kodlandのチームは子どもたちにとって実用的な知識と機会にしっかりと的を絞り、インタラクティブな職業教育をしています」。

画像クレジット:Kodland

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Kaori Koyama)

学習プログラム紹介サービスCareer Karmaが企業向けに事業転換を画策、世界最大の人材紹介会社を目指す

Career Karma(キャリアカルマ)は、コーディング・ブートキャンプを検索したことがある人なら誰でも共感するような速さで、最初の数百万ドル(数億円)を調達した。それは、意欲を持った学生や社会人のためのナビゲーションツールだ。Career Karmaは独自のカリキュラムを作成するのではなく、学生が自分の予算とキャリア目標に最適なプログラムを見つけられるように支援する。

2018年にRuben Harris(ルーベン・ハリス)氏、Artur Meyster(アルトゥール・メイスター)氏、Timur Meyster(ティムール・メイスター)氏の3人によって設立されたこのスタートアップは、現在、行き詰まったブートキャンプの学生以外にもサービスを提供しようと意欲を高めているところだ。

この数カ月の間、Career Karmaは雇用者とのパートナーシップの種をまいてきた。これによって同社は、一般消費者に向けとして始めたEdtechスタートアップが、規模の拡大にともなって雇用者から利益を得るルートを開拓した最新の企業となった。ハリス氏は現在、Career Karmaが過去数年間に構築してきたマーケットプレイスで、従業員や契約社員に職業訓練プログラムにマッチングさせるというビジョンを掲げている。

この段階へ進むために、Career Karmaは米国時間1月10日、非公開の評価額で4000万ドル(約46億円)のシリーズB資金調達を実施したことを発表した。このラウンドは、Top Tier Capital Partnersが主導し、旧Google Ventures(グーグル・ベンチャーズ)であるGV、Bronze Venture Fund(ブロンズ・ベンチャーズ・ファンド)、Stardust(スターダスト)、Trousdale Ventures(トロウスデール・ベンチャーズ)、Alumni Ventures Group(アルムニ・ベンチャーズ・グループ)などが参加。既存投資家であるSoftBank(ソフトバンク)、Emerson Collective(エマーソン・コレクティブ)、Kapor Capital(ケイパー・キャピタル)、Backstage(バックステージ)、4S Bay Partners(4Sベイ・パートナーズ)、Y Combinator(Yコンビネーター)なども参加した。

ハリス氏はTechCrunchによるインタビューで「第1段階は、インターネット上でナンバーワンのキャリアアドバイスサービスになること、第2段階では、世界最大のキャリアトランジショナーのコミュニティになることでした。そして今回の第3段階は、世界最大の人材紹介会社になることです」と語っている。

数十億ドル(数千億円)規模のビジネスとして評価されているHandshake(ハンドシェイク)やGuild Education(ギルド・エデュケーション)と同様、Career Karmaは仲介役を担う。従業員の福利厚生として、Career Karmaは雇用者が費用を負担する従業員の受講者を得ることができ、彼らにより理想的な高度な仕事のスキルを身につけるための再教育や技能向上を提供することが可能になる。

雇用主は、Career Karmaが大規模に多くの被雇用者と結びつくためのゼロコストの獲得チャネルとなるわけだ。それは同社が起ち上げ当初から取り組んでいる事業である。

「ユーザー側に関しては、興味のある職業訓練プログラム、現在持っているスキル、希望する仕事を、我々の方で特定することができます」とハリスはいう。「最終的には、当社内に強力なデータベースを持つことになるでしょう」。

Career Karmaの戦略変更は、そのビジネスモデルも一新する必要があることを意味する。同社はこれまで、ブートキャンプが提供するプログラムに首尾よく学生を斡旋できた場合、そのブートキャンプに手数料を請求していた。料金は通常、入学した学生の授業料の10%で、ハリス氏によればその授業料は1万ドル(約115万円)から5万ドル(約577万円)の間になるという。この戦略はインセンティブを揃えているように見えるかもしれない(Career Karmaは学生をブートキャンプに参加させることに成功した場合にのみ利益を得る)が、それは学生斡旋のパーソナライゼーションよりも斡旋を成功させるペースを重視するように圧力がかかるということでもある。企業向けビジネスは、プログラムのマッチングだけでなく、就職紹介サービスを提供することを目的に構築されるため、必ずしも同じ種類の圧力をもたらすことはないだろう。

同社の企業向け事業では、新たに最適な価格戦略を検討するための人材を募集しているとハリス氏はいう。2021年、Codecademy(コーデカデミー)は、自社のサービスを企業向けに販売するために、シリーズDラウンドで同じく4000万ドルの資金を調達した。数週間前には、同じ会社が5億2500万ドル(約607億円)でSkillsoft(スキルソフト)に買収されている

画像クレジット:Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

コーディング学習プラットフォームCodecademyをSkillsoftが約600億円で買収、統合が進む教育テクノロジー分野

コーディング学習プラットフォームのCodecademy(コーデカデミー)は、Skillsoft(スキルソフト)に株式と現金を合わせて5億2500万ドル(約600億円)で買収され、教育テクノロジー分野における新たな統合の一例となった。

Codecademyの売却は、同社が4000万ドル(約45億7000万円)のシリーズD資金調達を実施し、一般消費者向けの製品展開をより企業顧客向けに提供するように方向転換してから約1年後に行われた。

当時のCEOで創業者のZach Sims(ザック・シムズ)氏は、この資金を企業買収やインドでの事業展開、そして軌道に乗り始めた企業顧客向け事業の拡大に使用すると述べていた。この日、シムズ氏は「何も変わっていない」と語っているが、しかし、Skillsoftと力を合わせることで「Codecademyを独立して運営するよりも、さらに急速に拡大させることができる」と気づいた。この会社は、数多くの他のオファーを断ったと、同氏は述べている。

「多くの教育企業の未来は、消費者と教育をミックスしたものであると、私は考えています。私たちは今回、消費者向けテクノロジー教育のリーダーと、企業向け教育のリーダーを一緒にすることで、新たなフルスタックのリーダーを誕生させることになります」と、シムズ氏は語る。「それは、他社が太刀打ちできないものです」。

シムズ氏は、Codecademyの最新の評価額については明かさなかった。現時点では、この買収による解雇は発生していない。

Skillsoftは数十年の歴史を持つテクノロジー企業で、企業や法人向けのソフトウェアと教育プログラムの構築でその名前が知られている。同社は2021年初めに、SPAC(特別買収目的会社)であるChurchill Capital(チャーチル・キャピタル)との合併を通じて株式を公開した。この上場は、教育関連企業としては異例だが、その前には波乱の時期があったのだ。Skillsoftは2020年6月に破産申請を行い、2カ月後には「迅速に」再編を行って破産から脱却した。

現在、SkillsoftはB2B教育分野の大企業だ。フォーチュン1000社の75%が同社製品の顧客であり、オンライン学習、トレーニング、人材管理など、幅広い分野で製品を提供している。一方、Codecademyは、この数年間ずっとキャッシュフローが黒字であると主張している。直近では、年間経常収益が5000万ドル(約57億2000万円)と報告されており、この数字は2018年から倍増している。

今回の売却は、強力なユーザーベースを成長させ、最終的にはその知名度を利用して企業との取引(およびより安定した顧客)に着地するという、消費者向けの教育テクノロジー企業によく見られる月並みな軌道をなぞるものだ。その先頭に立つのはUdemy(ユーデミー)とCoursera(コーセラ)で、最近ではMasterClass(マスタークラス)やOutschool(アウトスクール)などの会社もそれに加わっている。消費者向け教育ビジネスで最も人気の高いDuolingo(デュオリンゴ)も、パートナーシップや学校と連携して企業向け事業を展開している。

Codecademyの場合、学生や社員がよりインタラクティブな環境でコードの書き方を学ぶことを長年サポートしてきたが、企業向けへの移行はまったく議論の余地のないものだった。というのも、同社は同じサービスを、従業員のトレーニングや再教育に使いたいと考える企業に販売していたからだ。Codecademyは、サービス開始から1年間で600社の有料顧客を獲得したが、その半数は銀行やコンサルティング会社、中小企業などの非テクノロジー企業だった。

Skillsoftに合併されることで、Codecademyは親会社の持つB2B分野での存在感と能力を活用することができる。

「私たちは、個人で学習している人も、企業内で学習している人も、すべての人のキャリア全体をサポkillsoftートできる、真にエンド・ツー・エンドの技術学習プラットフォームを構築したいと考えています」と、シムズ氏はいう。両プラットフォームを合わせると、8500万人のユーザーが学んでいることになる。

Codecademyは、Skilsoftの買収攻勢の中で最も新しく、最も高価なものだ。同社は上場以来、エグゼクティブ・コーチング・プラットフォームのPluma(プルマ)と、ITおよびスキル開発プラットフォームのGlobal Knowledge(グローバル・ナレッジ)を買収している。

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルが新コーディングプログラム開始のためBoys & Girls Clubs of Americaと提携

Apple(アップル)は、全米の子どもたちやティーンエイジャーにコーディングの機会を提供することを目的とした新しいプログラムを開始するためにBoys & Girls Clubs of America(ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブ・オブ・アメリカ)と提携した。Appleの「Everyone Can Code」カリキュラムを使用して、Boys & Girls Clubの子どもたちやティーンエイジャーは、活動の中にコーディングを取り入れることになる。Appleによると、この新しいコラボレーションにより、生徒たちはアプリのデザインと開発の基本を学び、創作する機会を得ることができるようになる。このプログラムは、批判的思考と創造的な問題解決に焦点を当てる。

この新しいプログラムは、まずアトランタ、テキサス州オースティン、ワシントンD.C.、フロリダ州マイアミ・デイド郡、ノースカロライナ州ウェイク郡、シリコンバレーなど、10の地域で開始され、その後、コーディングの機会を全国のクラブに拡大していくことを目標としている。すでに、ニュージャージー州アトランティックシティ、シカゴ、デトロイト、テネシー州ナッシュビル、ニュージャージー州ニューアークでサービスを開始している。

画像クレジット:Apple

「Boys & Girls Clubs of Americaと協力して、何千人もの学生に革新的なテクノロジーの体験を提供してきました、そして、私たちは、Swiftによるコーディングを国内のさらに多くのコミュニティに提供するためこのパートナーシップを拡大することをうれしく思っています」とAppleの環境・政策・社会的イニシアチブ担当副社長であるLisa Jackson(リサ・ジャクソン)氏は、今回の発表に関するプレスリリースの中で述べた。

この最新の取り組みは、AppleのRacial Equity and Justice Initiative(人種的公平と正義のイニシアチブ)を支援するCommunity Education Initiative(コミュニティ・エデュケーション・イニシアチブ)を通じたBoys & Girls Clubs of Americaとの既存のパートナーシップに基づいている。

Appleの「Everyone Can Code」カリキュラムの最新の拡張は、新しい「Everyone Can Code Early Learners」アクティビティガイドを含む、小学生向けの新しいリソースを発表してから2カ月後に行われた。最近発表されたガイドは、Appleのカリキュラムリソースを幼稚園から大学まで拡大するものだ。「Everyone Can Code Early Learners」ガイドによって、幼稚園から小学校3年生までの生徒は、音楽、美術、科学、体育などの複数の科目を通じて、コーディングの中核となる概念の基礎を築くことができる。

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同社は、Everyone Can Codeプログラムを年々拡大し、より多くの年齢層で利用できるようにしてきた。2019年に、Appleは学生がコンセプトを試してみることを目的としているEveryone Can Code Puzzlesというプログラムを開始した。2020年、Appleは、より高度なコーディングアクティビティを行うプログラムEveryone Can Code Adventuresを開始した

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

アップルが小学生向けの新しいコーディングアクティビティガイドを発表

Apple(アップル)は、新しい「Everyone Can Code Early Learners」アクティビティガイドを含む、小学生向けのいくつかの新しいリソースを公開した。この新しいガイドは、Appleのコーディングカリキュラムリソースを幼稚園から大学まで拡張する。今回のロールアウトは、教育関係者や家庭が早い段階で生徒にコーディングを紹介できるようにすることを目的とした、テックジャイアントの「Everyone Can Code」イニシアティブの一環だ。

Appleの教育・エンタープライズマーケティング担当副社長であるSusan Prescott(スーザン・プレスコット)氏は、声明の中で次のように述べた。「コーディングとアプリデザインは、アプリ開発者になるかどうかにかかわらず、学生が批判的かつ創造的に考えるために必要なリテラシーです。Appleは現在、幼稚園から大学までの学習者向けにコーディングリソースを提供しており、みなさんにインクルーシブでユーザーが利用しやすい、すばらしいアプリの設計に挑戦してもらいたいと考えています」。

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「Everyone Can Code Early Learners」ガイドでは、幼稚園から小学校3年生までの生徒が、音楽、美術、科学、体育などの複数の科目を通じて、コーディングの中核となる概念の基礎を築くことができる。例えばAppleは、生徒たちがダンスの動きを通してコーディングコマンドについて学べるとしている。また、社会性と情動の学習のために、心を落ち着かせるためのテクニックを生徒たちに話してもらう課題もある。

またAppleは、教育関係者に、新しい1時間のインクルーシブ「アプリデザイン」アクティビティセッションを試してもらうよう勧めている。この新しいレッスンは、アプリをデザインする際に、インクルージョンとアクセシビリティの重要性を忘れないよう、教師が生徒に指導することを支援しようとするもの。セッションは基本的に、生徒がアプリの作成方法について批判的に考えることを促すようになっている。このレッスンでは、生徒たちが情熱を持って取り組める問題を特定し、その解決策を計画することを助ける。

Appleは、同社のSchoolworkアプリの中で「イグジットチケット」と呼ばれるアンケートツールのサポートも追加している。これは、教育者が授業中または授業後に生徒の反応やエンゲージメントを測るための質問を行い、生徒の様子を確認するための方法だ。また、教師は生徒のSchoolworkアカウントをより簡単に作成できるようになった。

「Everyone Can Code Early Learners」ガイドは、Swift Playgroundsアプリ内で利用できる。このガイドは、英語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ノルウェー語、スペイン語で提供を開始しており、今後さらに多くの言語に対応する予定だ。Appleは、Everyone Can Codeプログラムを長年にわたって拡大し、より多くの年齢層が利用できるようにしてきた。2019年、Appleは「Everyone Can Code Puzzles」という、生徒がコンセプトを試してみることを目的したプログラムを提供開始した。2020年、同社は「Everyone Can Code Adventures」という、より高度なアクティビティを行う新しいプログラムを公開した。

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画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

デザインをコードに変えるノーコードツールAnimaが約10億9900万円のシリーズAを調達

デザインをコードに変換するプラットフォームを提供しているAnima(アニマ)は、米国時間9月1日、1,000万ドル(約10億9900万円)のシリーズA資金調達を完了したことを発表した。このラウンドは、MizMaa Ventures(ミズマー・ベンチャーズ)がリードし、INcapital(インキャピタル)とHetz Ventures(ヘッツ・ベンチャーズ)が参加した。

私たちは、昨年までブートストラップで運営されていたAnimaをしばらくの間、追ってきた。

このスタートアップは、ボトムアップ式のアプローチや、ローコード/ノーコードの人気など、コーディングにおける現在のトレンドを指標にしている。

その仕組みはこうだ。

ほとんどの開発者は、デザイン要素をコードに変換するのに膨大な時間を費やしている。しかし、この作業は、アプリやウェブサイト、プラットフォームなどを実際に動かすコードを書くことほどワクワクする仕事ではない。

そこでAnimaを使うと、デザイナーがFigmaからアップロードした要素やデザインが、React、Vue.js、HTML、CSS、Sassをサポートした高品質なコードに自動的に変換される。また、デザイナーは自分の作品のプロトタイプをAnimaの中で作成することができ、静的な外観だけでなく、動きまでシステムで処理することができる。

共同設立者のAvishay Cohen(アビシャ・コーエン)氏とMichal Cohen(ミシェル・コーエン)氏、そしてOr Arbel(オア・アーベル:アプリYoを開発した輝かしい時代から聞き覚えのある名前かもしれない)は、資金をどのように使うか明確なビジョンを持っている。チームの規模を3倍にすると同時に、Figma、SketchなどのプラットフォームやGitHubとの統合を進め、Anima自体が効果的に機能し、デザイナーや開発者がこれらの要素をすでに存在しているプラットフォームから引き継ぐことができるようにすることを計画している。

サービス配信に関しては、Animaはそのボトムアップ型のアプローチを最大限に活用している。デザイナーは誰でも無料でAnimaに登録でき、現在60万人以上のユーザーが登録している。これは、2020年10月のユーザー数がおよそ30万人だったことと比較すると、大きな差だ。アビシャ・コーエン氏は、アクティブユーザーも増加しており、1年前には1万人だったプラットフォームの月間アクティブユーザー数が、現在は8万人であることを明かした。

さらにコーエン夫妻は、無料ユーザーの5%以上が有料ユーザーに転換し、有料アカウントの15%が、有料ユーザーになってから1~2カ月の間にチームに有機的に拡大していると説明した。共同創業者たちによると、今回の資金調達を機に、ビジネスの次の段階である企業用アカウントの依頼をすでに受けているという。

アーベル氏はTechCrunchに対し、いまの最大の課題は、リモートでの雇用であり、Animaにとってのその答えは、世界規模で人材を探すことであったと述べている。コーエン夫妻は、ハイパースケーリングを行い、1年間でチームを4人から30人に増やし、採用を続けるとし、企業文化を維持・育てるのが課題であると付け加えた。

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OpenAIが自然言語AIコーダーのCodexをアップグレード、プライベートベータを開始

OpenAI(オープンエーアイ)は、2021年7月に発表したAIを活用したコーディングアシスタントのCodex(コーデックス)に、すでにいくつかの大きな変更を加えている。現在システムは、平易な英語のコマンドを受け入れ、実際に動作するコードをリアルタイムで出力する。変数に名前をつける必要すらなくゲームやウェブアプリを作成できるようにするのだ。数少ない幸運なコーダーたちは(そしてご想像できるようにノンコーダーたちも)、無償のプライベートベータで提供される新しいCodex APIを使って、その使い心地を試すことができる。

Codexが、OpenAIの多用途言語エンジンであるGPT-3であることはよく知られているが、特に通常の文書ではなくコード生成に向けてのみ訓練されたものである。これにより、コードの行を完成させたり、セクションを完全に生み出したりすることができる。とはいえ、最初発表されたときには、ノンコーダーが実際に対話して利用できるようなものではなかった。

この状況が今回の新しいAPIでは変わった。たとえば「ボールを画面の端で跳ね返らせる」とか「パブリックAPIを使用してそのデータをダウンロードし、日付で並べ替える」といった日常的なリクエストを解釈し、複数のプログラミング言語の1つで実際に動くコードを生成するのだ。

私はOpenAIの共同創業者であるGreg Brockman(グレッグ・ブロックマン)CTOと、CodexのリーダーであるWojciech Zaremba(ボイチェフ・ザレンバ)氏が、簡単なゲームをゼロから作成しながら、舞台裏で何が起こっているのかを説明するライブデモに参加した。

「プログラミングとは、目標を考えて部分へと分割し、そして分割された部分のためのコードを実際に作成していくことです」とブロックマン氏は説明した。Codexの目的は、コーダーが後者よりも前者の部分により多くの時間を費やせるようにすることだ。結局のところ、膨大な量のコードが、他人が以前に行ったことを真似たり完全にコピーしたりしている。もちろんそれも創造的な行為ではあり得る。だが少しばかりのコードのテストのために行うウェブサーバーの展開のような基本的な作業に、想像力を駆使する人はいないだろう。ブロックマン氏はそのことを「次のことを表示するウェブページを作成せよ」といった感じのシンプルな一行で実現してみせた。

画像クレジット:OpenAI

1秒後には、その要求を完全に標準的な方法で実現する10行ほどのJavaScript(ジャバスクリプト)プログラムが生成された。

「これはプログラミングの中でも面倒な部分です」とブロックマン氏はいう。「私はこの種のコードをおそらく数十回以上書きましたが、どのようにやっていたかを正確には覚えていないのです。私はこうしたAPIを正確には知りませんし、覚える必要もないのです。少ないキーストロークや操作手順で、同じことを簡単に行うことができるようになるのです」。

Codexは、基本的にGitHub(ギットハブ)上のすべての公開コードを中心に用いてトレーニングされているので、標準的な作法を熟知している。そこでは、ウェブサーバー、キーボードコントロール、オブジェクト操作、アニメーションなどのコードが何百回も誰かによって書かれているのだ。また、自然言語側ではGPT-3が持つ通常の理解能力が備わっているので「それを小さくしてトリミングして」といってから「それの水平位置を左右の矢印キーで制御せよ」といった場合に「それ(it)」が同じものを指していることをシステムは理解することができる。

また、同システムは数キロバイトに相当する自分自身のコーディングコンテキストを知っているために、準拠する必要のある命名規則、ユーザーの入力が暗示する既存の境界と要求およびその他の情報を認識している。

また、コードコーパスに埋め込まれている一般的知識も認識している。例えばブロックマン氏がシステムに対して「丸石を空から落とせ」と命じたとき、システムは、ほとんどキャンバス上に何も定義されていない状況にも関わらず「空」が何であるかを尋ね返してこなかった。システムは画面の上部から丸石を落としただけでなく、通常の物体のように落下速度を加速させた。これは、他の用途や状況から「落下」と「空」が何を意味するかを最もうまく推測できたからだ。

画像クレジット:OpenAI

数年前に、博士論文のために今回のシステムの機能限定版を作成していたザレンバ氏は、マイクロソフトワード用のCodexプラグインのデモを行いながら「これは、既存のソフトウェアと対話するための新しい方法を提供すると思います」と語った。もちろん、ワードプロセッサの多くのタスクは自動されているが、たとえば奇妙なフォーマットの問題が発生して、100カ所以上の異なる場所を修正したくなった場合はどうだろうか?「すべてのテキストを同じサイズとフォントにして、ダブルスペースをシングルにせよ」と入力すると、迷子になったスタイルを削除し「通常」と見なされる可能性が最も高いサイズとフォントを選択するのだ。そして「すべての見出しを24ポイントで太字にせよ」と入力すると、猛然と処理をこなしてくれるというわけだ。

ここで注意しておきたいのは、この種のことは多くの人にとって便利なことには違いないが、身体障がいなどのためにこれらのことを行えない人にとっては非常に重要だということだ。音声コマンドまたはジョイスティックを使用してワードプロセッサを操作している場合には、上記のような複雑なタスクを実行できれば非常に役立つ。盲目のコーダーは、他の人と同じように、標準のパブリックテストサーバーにパッチを適用できるが、Stack Overflowを探すこと、最適なコード断片の取得、構文の確認、関連する変数の変更などのプロセスは、ほぼ確実に長くなる。

そして、上から指示された構文や慣習の範囲内で作業する人にとっては、ドキュメントをモデルに与えることで、簡単にCodexがそれらを反映するようにすることができる。Codexは、コードをある言語から別の言語に変換して移植することもできる。これは、翻訳エンジンがスペイン語をフランス語に変換するのとほぼ同じやりかただ。

ブロックマン氏は、GPT-3の場合と同様に、これらは可能なことのほんの一部に過ぎず、開発者が思いつくものに驚かされることを望んでいるという(実際、OpenAIはAI Dungeon[AIダンジョン]の登場は予測していなかった)。ベータ版はGPT-3のベータ版と同様に非公開のものとなるが、開発者は自分のプロジェクトを説明して利用を申請することができる。Codexチームがその申請をレビューして招待を決めることになる。最終的にこのAPIは有料の公開APIになる予定だが、そのタイミングと価格はまだ決定されていない。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:OpenAIベータ版GPT-3コーディングノーコード

画像クレジット:OpenAI

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(文: Devin Coldewey、翻訳:sako)

GitHubがコーディングの提案を行う新しいAIツールをプレビュー

GitHub(ギットハブ)が、人工知能を活用してコードをより効率的に書けるようにする新製品を発表した。「GitHub Copilot(ギットハブ・コパイロット)」と名付けられたこの新製品は、コードの一部や、ときには関数全体さえも提案することができる。

GitHubはOpenAI(オープンAI)と提携してこのツールを開発した。これは開発者に取って代わるようなものではなく、生産性を向上させ、コードの書き方を簡単に学べるようにするためのツールに過ぎない。GitHubはこの新しいツールを「AIペアプログラマー」と位置づけている。

GitHub Copilotのモデルは、何十億行ものコードを使って訓練を受けた。その多くはGitHub自身によってホストされ公開されているものだ。コードを書き進めていくと、その途中でGitHub Copilotがコードを提案してくる。プログラマーはそうした提案を眺めながら、受け入れたり、拒否したりすることができる。

GitHub Copilot は、プログラマーが現在何をコーディングしているのかを理解するために、コメントの意味や書いている関数の名前、そこまでの数行のコードの解析を試みる。そのウェブサイトでは、いくつかのデモが紹介されている。

画像クレジット:GitHub

特に、コメントに平易な英語で機能を記述することで、それを実際のコードに変換することができる。新しい言語を始めようとしている人や、これまでノーコードやローコードのツールを使っていた人には、この機能は便利だろう。

毎日コードを書いているなら、新しいフレームワークやライブラリに、GitHub Copilotを使って取り組むことができる。GitHub Copilot は、現在使用しているフレームワークの特定の関数や機能をすでに知っているので、プログラマーはドキュメントを最初から最後まで読む必要はない。また、Stack Overflowに対する質問の多くを置き換えることができるだろう。

GitHub Copilotは、Visual Studio Codeと直接統合される。拡張機能としてインストールすることも、GitHub Codespaces(GitHubコードスペース)を使ってクラウド内で利用することもできる。GitHub Copilotとの対話履歴に基づいて、徐々にサービスは改善されていくだろう。提案を受け入れたり拒否したりを繰り返すうちに、その提案は良くなっていくはずだ。

現在はテクニカルプレビューとして提供されているが、GitHubはGitHub Copilotをベースにした商用製品の発売を予定している。現在は、Python、JavaScript、TypeScript、Ruby、Goとの相性が抜群だ。

画像クレジット:GitHub

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:GitHubOpenAIコーディング

画像クレジット:James Harrison / Unsplash

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(文: Romain Dillet、翻訳:sako)

マリオ風ゲームで女の子にコーディングを教えるErase All Kittensが1.08億円のシード投資を調達

Erase All Kittens創設者ディー・サイガル氏とレオニー・バン・ダー・リンダ氏

Erase All Kittens(EAK、イレース・オール・キトゥンズ)は、8歳から12歳の子ども向けに「マリオ・スタイル」のウェブゲームを開発したEdTech系スタートアップだ。ただし、このゲームには特別な仕かけがある。女の子のコーディング学習の意欲を湧かせるゲームなのだと、同社は強調する(ほとんどのコードは男性が書いているのが現実だからだ)。100を超える国々でプレイヤーが16万人に達した現在、同社はTwinkl Educational Publishing(トウィンクル・エデュケーション・パブリッシング)主導のシードラウンド投資100万ドル(約1億800万円)を調達した。このラウンドには、A Black Square(エイ・ブラック・スクエア)ファミリーオフィスのChristian Reyntjens(クリスチャン・レンジェンス)氏が初めて参加し、その他以前からの支援者であるShazam(シャザム)の創設者の1人も加わっている。

これまでのEAKゲームは無料だったが、2021年7月に公開される新しいゲームは有料化される予定だ。これにより、製品のビジネスモデルを強化する狙いがある。

EAKによれば、プレイヤーの55%は女の子で、95%はゲームをプレイした後に、コーディングのことをもっと学びたいと思うようになったという。現在EAKは、3000の学校で利用されている。そのほとんどは英国と米国だが、パンデミックによるロックダウンの影響で、トラクションは500%まで伸びた。

コーディング教育用のツールは、大半が男性によって作られているため、自然と男の子にアピールするものになっているというのがEAKの主張だ。非常に硬直的で指導的な形で繰り返しコーディングを教え込むやり方は、女の子よりも男の子の心に訴えるものだとEAKは話す。

女性チームによって創設されたこの企業には、子どもたち、特に女の子がコーディングに対する考え方を改めさせるプラットフォームがある。2年間の研究開発の結果、高度にゲーム化された物語形式の遊びを通じて、HTML、CSS、Javascriptなどのスキルを、8歳からの子どもや女の子が学べるゲームが完成した。たとえば子どもたちは、ゲームの旅の間にキャラクターたちとチャットができる。その中には、熟練の起業家でユニコーンの人魚Tarquin Glitterquiff(ターキン・グリッタークイフ)というキャラクターもいる。

「プレイヤーは、夢のインターネット宇宙に暮らす仔猫たちを救うために、ゲームをプレイしながらレベルを作ったり修正したりして、コード編集によりゲーム環境を管理します」と共同創設者でCEOとクリエイティブディレクターを務めるDee Saigal(ディー・サイガル)氏は話す。サイガル氏のチームに加わったのは、共同創設者Leonie Van Der Linde(レオニー・バン・ダー・リンダ)氏、CTOのRex Van Der Spuy(レックス・バン・ダー・スプイ)氏、上級ゲーム開発者Jeremy Keen(ジェレミー・キーン)氏、2DゲームアーティストMikhail Malkin(ミクヘイル・マルキン)氏だ。

画像クレジット:Erase All Kittens game

現行のゲームはHTMLの技術とURLの作り方を教えるものだが、新しいゲーム(2021年7月に公開予定)では、HTML、CSS、Javascriptのスキルが学べる。コーディングの理論を学んでも、すぐに実際の開発者のようにウェブ上でゲームが作れるわけではなく、そこには大きなギャップがある。それを埋めようという狙いだ。

サイガル氏はこう話す。「私たちは、女の子が本当に好きになれるコーディングゲームを開発しています。そこでは、創造性が大きな柱になっています。コードを書けば、すぐにその結果が見られます。ゲームの進め方にはいくつもの道があり、物語の中にコーディング学習が溶け込んでいます」。

さらに同氏は続ける。「私は小さいころ、ゲームデザイナーに憧れていました。ゲームのアイデアを考えるのが大好きだったのですが、コーディングはまったく太刀打ちできない難関に感じていました。学校ではコーディングは教えてくれません。私と同じようにゲームを作りたいと思っている人も周囲にはいませんでした。なので、それは私には不可能なことなのだと思っていたのです」。

「ターゲットとなるオーディエンスの調査をしていたときにわかったのが、女の子の最大の障害は、幼少期から、未だにジェンダーのステレオタイプにはめられていることでした。学校に上がるまでに、それは雪だるま式に大きくなり、STEM(科学、技術、工学、数学)分野の自信はすでに失われています。教師たちも女の子には期待しません。結果としてそれが成績を下げ、年齢を重ねるごとに、ギャップは広がる一方となります」。

EAKと競合するツールに、Code Kingdoms(コード・キングダムズ)、Swift Playgrounds(スウィフト・プレイグラウンズ)、CodeCombat(コードコンバット)などがある。しかし、これらのゲームは女の子向けというより、はるかに男の子向けだとサイアル氏はいう。

新しいゲーム(下の動画)は、世界中の学校や両親に販売される。EAKではまた、ワン・フォー・ワン方式の支援も行っている。つまり、1つの学校がアカウントを購入するごとに、テック企業、教育団体、NGOなどの提携団体を通じて恵まれない学校に寄付が送られるというものだ。

Twinkl(トウィンクル)の共同創設者にしてCEO、またはTwinklHive(トウィンクルハイブ)のディレクターであるJonathan Seaton(ジョナサン・シートン)氏はこう話す。「Erase All Kittensのパートナーになれたことを本当にうれしく思っています。デジタル企業であるTwinklは、子どもたちにデジタル時代で成功する準備をさせることの重要性を認識しています。このパートナーシップによって大きな変化を起こせると、私たちは確信しています」。

「私たちのチームは、女の子たちを励まし、コード学習と独自のデジタル創作物の制作の機会を平等に与えるというErase All Kittensの使命を後押しできることに、特に胸躍らせています。すべての子どもたちが平等に学習機会を得ることは、Twinklのビジョンの中核でもあり、双方の企業の提携関係を深める決定的な動機でもあります」。

画像クレジット:Erase All Kittens

Erase All Kittensは、ジェンダー格差がますます広がる世界のスキルの格差に対処したいと話している。PWCによると、テック業界で働く女性の割合は24%に過ぎず、全エンジニアのうち女性はわずか12%だ。また、英国の女子学生で就職先の第一志望に技術職を選んだ割合はたったの3%だった。

Childwise(チャイルドワイズ)の調査では、女の子のうち90%は、最初の挑戦でコーディングを諦めている。11歳になるまでにSTEM分野への興味を失えば、二度と興味を持つことはないという。これはテック業界にとって、そして投資家にとって、実に深刻な問題なのだが、拡大は続いている。

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カテゴリー:EdTech
タグ:Erase All Kittens子どもコーディングジェンダーSTEM教育

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(文:Mike Butcher、翻訳:金井哲夫)

犯罪歴のある人にコーディングを教える社会復帰をサポートする無料プログラム「Justice Through Code」

刑務所や留置所にいたことのある人は、安定職や住居の取得や金融サービスの利用においてしばしば障壁にぶつかる。この種の障壁は、刑務所から釈放された年間60万人以上の人々を再犯へと誘導する主要因となっている。米国司法省司法統計局によると、2005年から2014年までの期間に、2005年に釈放された人の推定68%が3年以内に再び逮捕されている。同じく2005年釈放された83%の人々が9年以内に再び逮捕されている。

Justice Through Code(ジャスティス・スルー・コード)はコロンビア大学で開催される一学期間にわたるコーディングと対人能力の集中講義で、社会復帰しようとする人たちに新たな道を与えることを目的にしている。

プロクラムを通じて、学生はPython(パイソン)やその他のコンピュータサイエンスの基礎を学ぶ。他にも職業指導、人前で話す訓練、交渉スキル、履歴書の書き方などを学ぶ。修了した学生は、パートナー企業で有給インターンの機会を与えられる。Justice Through Codeは2020年最初の学期を終え、30名強の学生を送り出した。

2020年卒業して仕事またはインターンを希望した学生のうち、80%が6カ月以内に関連する職に就いた、とJustice Through CodeのファウンダーであるAedan Macdonald(エーダン・マクドナルド)氏がTechCrunchに話した。Antwan(アントワン)氏(上の写真)はプログラムの後にインターンシップの機会を得た1人だ。同氏はコロンビア大学のIT部門で2020年12月からフルタイムのインターンとして働いている。

「Facebookで(Justice Though Code)のフライヤーを見つけてから1年以内にコロンビア大学でインターンとして仕事をしていることが信じられません」とアントワン氏がTechCrunchに語った。「とにかくすばらしい。1日1日が勉強の連続です」、

それ以前、アントワン氏はEmergent Worksで過ごした。

「Emergent Worksは、プログラムで学んだ理論を仕事の場で使う最初のチャンスを与えてくれました」とアントワン氏はいう。

Justice Through Codeは、少数のテック企業パートナーからプログラムと学生のサポート協力を得ている。たとえばAmazon Web Service(AWS)は必要とする学生にノートパソコンを提供し、Google(グーグル)、Slack(スラック)、Coursera(コーセラ)の技術者は、テック企業での経験を学生に話している。

AWSは同プログラム出身者をまだ雇用していないが、卒業生に機会を与えるのを楽しみにしている、と広報担当者は話した。

「このプログラムの人たちを雇うことは間違いなく当社の目的です」と広報担当者はTechCrunchに語った。

現在、Justice Through Codeは3回目のクラスを募集中で、最大60名受け入れる予定だとマクドナルド氏は言っている。Justice Through Codeに応募するためにコーディング経験は必要ないが、コンピューターの使用が苦痛でないことは前提だ。選考過程では、応募者がコーディングを学ぶ上で体験するフラストレーションに対処する能力も試される。

「コーディングを学ぶ期間の大部分は、自分がすべてを知っているわけではないという状態にあります」とマクドナルド氏は言った。「そしてそれは非常に欲求不満を募らせます。このため私は、人々が問題に向き合う過程を見ることが有意義だと思っています。面接では2~3の論理的問題を出しますが、その人が正解するかどうかは実は重要ではありません。問題はペアーになっていて、もし誰かが最初の質問に苦労していたら、どうやって説くかを我々が詳しく説明し、同じ原理を使った次の質問に、受講者が原理を適用する過程を見ます。そうやって、学習環境への対応や業界に対する興味の種類、プログラムに参加したときに成功しようという意欲などを見極めます」。

刑事司法制度の対象となった人々を支援するプログラムはJustice Through Codeだけではない。The Last Mile(ザ・ラスト・マイル)は、収監中の人たちにビジネスとコーディングのスキルを教え、社会復帰した人たちが職を探すためにテック企業との提携も行っている。

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自身も収監された経験をもつマクドナルド氏は、Justice Through Codeが「犯罪歴者の将来には最低賃金の職しかない、という負の固定観念」を消してくれることを期待している。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Justice Through Codeコーディング

画像クレジット:Courtesy of Justice Through Code

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(文:Megan Rose Dickey、翻訳:Nob Takahashi / facebook