女性起業家の輩出目指す、世界最大の女子中高生向けアプリコンテストTechnovation Girlsが日本公式ピッチイベント

女性起業家の輩出目指す、世界最大の女子中高生向けアプリコンテストTechnovation Girlsが日本公式ピッチイベント

IT分野のジェンダーギャップの解消を目指すWaffle(ワッフル)は3月24日、世界最大の女子中高生向け社会課題解決型アプリコンテスト「Technovation Girls」(テクノベーション・ガールズ)の日本公式ピッチイベントのオンライン開催(Zoom)を発表した。開催日時は4月25日18時~20時。イベント内容は、日本出場チームによる成果物発表、授賞式、フォトセッションなどで、「Technovation Girls 2021 日本公式ピッチイベント観覧申し込みフォーム」で観覧希望者を広く募集している。

Technovation Girls日本公式ピッチイベント概要

Technovation Girlsは、米国の非営利団体「Technovation」が主催する、次世代の女性IT起業家の育成を目的としたコンテスト。2010年の開始から現在までに世界100か国以上5万人以上の女性が参加しているという。

同コンテストは、10〜18歳の女性を参加対象としており、1〜5人から編成されるチームが約3カ月間をかけて身近な課題を解決するアプリとビジネスプランの制作を行う。プログラミングなどの技術的なスキルだけでなく、社会課題の解決のためのアイディアや、ピッチ(プレゼンテーション)スキル、起業家精神などをチーム形式で競うという。また同イベントの公用語は英語で、公式の情報提供から提出物への記載に至るまで、すべて英語で実施される。

日本国内では、WaffleがTechnovation Girlsの日本公式アンバサダーとして、スポンサー企業とともに日本出場チームのサポートを行っている。各出場チームには、WaffleおよびTechnovation Girlsに賛同する2名の社会人メンターがつき、同コンテストで求められるデザイン思考やプログラミングスキルなどの習得を中心に、総合的なサポートを実施しているという。なお今回日本では、75名23チームが参加しているという。

Waffleは、IT分野のジェンダーギャップの解消を目指す非営利法人。国内の女子中高生向けにオンラインIT(コーディング)コース「Waffle Camp」(ワッフル・キャンプ)の提供、日本国内での「Technovaton Girls」(テクノベーション・ガールズ)のサポート、企業との協働による各種イベントを開催している。

Technovation Girls概要

  • 主催Technovation、Waffle(日本公式アンバサダー)
  • 日程:2020年11月〜2021年8月(予定)

実施内容

  • 2020年11月:参加登録開始
  • 12月:説明会登録および参加登録締締め切り
  • 2021年1月:チーム編成、デザイン思考ワークショップの実施
  • 2月:チームごとの社会課題と解決策の決定、プログラミング学習の実施
  • 3月:ビジネスプランの作成、アプリ開発、ピッチビデオの作成
  • 4月19日:米国本部への応募作品 提出締め切り
  • 4月25日:日本公式ピッチイベント(オンライン) 開催
  • 5月25日:ファーストラウンド審査結果発表(全体の5%)
  • 6月16日:セカンドラウンド審査結果 発表(8チーム)
  • 8月:ワールドサミット(オンライン)の開催

応募資格(日本国内)

  • 世界を変えるために成長する意欲がある
  • 2021年8月1日時点で中学2年生以上、18歳以下
  • 2021年1月から4月の3カ月間に合計30時間ほど、オンライン環境での活動時間を確保できる
  • 日本語が話せること(現時点での英語力は不問)
  • 女性アイデンティティをもつ、またはトランスジェンダー、ノンバイナリー、gender noncomformingの者

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:アントレプレナーシップ / 起業家精神(用語)インクルージョン(用語)エンジニア(用語)学生(用語)教育 / EdTech / エドテック(用語)ダイバーシティTechnovation Girls(用語)プログラミング(用語)Waffle(組織)日本(国・地域)

独立系VC「ANRI」が4号ファンド投資先において女性起業家比率を20%まで引き上げると発表

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独立系ベンチャーキャピタルANRI(代表:佐俣アンリ氏)は11月24日、4号ファンド投資先において起業家が女性である企業の比率を最低でも20%に引き上げるとの投資方針を発表した。

ANRIは、多様なバックグラウンドを持つ人々が関わり合う環境や、異質な他者の存在に想像を働かせ、そして受け入れる姿勢が、従前には不可能であった様々な課題を解決する糸口のひとつであると信じているという。

この信念のもと、スタートアップ業界におけるダイバーシティ(多様性)やインクルージョン(機会均等)を推進する取り組みのひとつとして、現在運用中の4号ファンド(ANRI4号投資事業有限責任組合員)では、全投資先のうち女性が代表を務める企業の比率を最低でも20%に引き上げるとの投資方針を明らかにした。

代表の佐俣アンリ氏によると、今後ANRIの社会に対する責任をより明確にし、20%という数字をきっかけに取り組みを進化させるという。

また同社はダイバーシティ&インクルージョンの取り組みとして、まずはジェンダーから取り組みを始めるものの、今後はLGBTQ+、障がい者など多様な生き方をスタートアップという手法を通じて支援するとしている。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:インクルージョン(用語)ダイバーシティVC / ベンチャーキャピタル(用語)日本(国・地域)

Instagramが公平性チームを設立、ダイバーシティ&インクルージョン担当取締役を募集

Facebook傘下のInstagramは、社内の公平性を推進する取り組みについて発表した。ジョージ・フロイド氏の死をきっかけとして同社は黒人の声を抑圧するのではなく高めていくと6月に発表したが、今回の変革はそれ以降に進展があったものだ。

Instagram責任者のAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は同社のブログで以下のように述べている。「自分が関心を持っている人種問題、市民権の問題、社会問題などへの意識を高めるために、これまで以上に多くの人々がInstagramのプラットフォームを利用するようになってきています。これが大きな動機付けとなり、弊社では、一部のグループに対してInstagramのサービスが十分でない分野を評価すると、6月にお約束しました(Instagramブログ)。弊社には、自分たちが何をどのように構築するかを見極める責任があります。そうすることで、弊社製品の利用体験に、コミュニティの行動や願望がよりよく反映されるようになります」。

まず、Instagramはエクイティ(公平性)チームを設立して「製品開発やInstagramの利用体験における偏りをより深く理解し、それに対処する」とモセリ氏はブログで述べている。エクイティチームは公正かつ公平な製品の開発やアルゴリズムの公平性の確保に取り組む。公平性とインクルージョン担当プロダクトマネージャーの求人情報によれば、このチームは公平性とインクルージョンを専門とし、「グローバルなコミュニティに向けて公平な体験を創出する」という。

Instagramはダイバーシティの責任者もこれから雇用する。求人情報によれば、ダイバーシティ&インクルージョン担当取締役は多様なバックグラウンドを持つ人材を増やし、定着させる職責を負う。Facebookには2013年からダイバーシティ担当責任者がいるが、Facebookの企業の規模を考えればInstagram専任のダイバーシティ責任者を置く価値はあるだろう。

Instagramは、黒塗りの顔を描いたコンテンツやユダヤ人に関するステレオタイプといった暗示的なヘイトスピーチに関するポリシーを改定したことも公表した。深刻なレイプの脅迫をするアカウントは、コンテンツだけを削除するのではなくアカウント自体を停止するとも述べている。

認証については、プレスソースのリストを拡大し、黒人、LGBTQ+、ラテンアメリカ系メディアを追加した。また、フォロワー数の多いアカウントを自動で優先する認証プロセスを取りやめた。

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

シリコンバレーは分散可能か?ビジネスは最前線でパーティは遠隔地で

長い間、シリコンバレーの魅力は、この地にやって来ることができるかどうかにかかっていた。そのエコシステムは遠隔地からは機能しなかったからだ。Google VenturesのJoe Kraus(ジョー・クラウス)氏は、私が初めて参加したDisruptイベントで、Y Combinatorを含むほぼすべてのVCを代表して、「私たちは何処に居るのかがとても大切であることを知っています。シリコンバレーに来るべきです」と語ったものだ。

米国人ならそれは簡単だ。だがもしここに来るためにビザが必要な場合は、はるかに大変なことになる。今だにシリコンバレーは遠隔地から機能させることはできないのだろうか?それとも最近は、遠く離れた国々のスタートアップたちに、別の道があるのだろうか?先週私はInitialized CapitalのパートナーであるAlexis Ohanian(アレクシス、オハニアン)氏と、彼の祖先の故郷であるアルメニアの地で、この件について話す機会を持った。

最近は、どんな国でも自国のインキュベーターとシード投資家がいるようだ。アルメニアも例外ではない。私がオハニアン氏と会ったのは「アルメニアとアルメニア人のための」VCファンドである、Aybuben Venturesのローンチイベントでの事だった。私が先週報告したように、アルメニア人のディアスポラ(世界的な民族離散)は多大な効果を発揮している。

さて、もし真剣にシリーズAに取り組む必要が出てきたのに、地元の市場があなたのスタートアップを支えられるだけの規模がない場合には、次はどうなるだろうか?

ほんの5年前でさえ、シリコンバレーと関係を築くためには大変な苦労を強いられていたはずだ。しかし、その後事情は変化した。ベイエリアの人材と(そして不動産)の高騰が、Andreessen HorowitzのAndrew Chen(アンドリュー・チェン)氏の命名による、いわゆる「マレット・スタートアップ」(Mullet Startup)の台頭を促したのだ。そうした会社たちは、シリコンバレーを活用するために、その本社をベイエリアに置いているが、彼らの技術チームはもっと安くスペースも広い場所に置くのだ。つまり「ビジネスは最前線で、パーティは遠隔地で」ということだ。

オハニアン氏が指摘した点は、このマレットモデルが逆方向に働かない理由はないということだった。すなわち、どこか遠隔地で強力な技術チームを持った会社を起業し、ある発展段階に達したらベイエリアオフィスを開設して経営チームを移動し、マレット・スタートアップへと転じるのだ(もし企業として米国にやってくるのなら、ビザのオプションとして例えばEB-5移民投資家ビザを選べるようになるといった事実にも助けられる)。このスタイルを「リバース・マレット」と呼ぼう。PicsArtは、その好例のひとつだ。

このモデルは、遠隔地の技術チームが継続的な競争上の優位となるので、エンジニアリングや技術の厚い才能を抱えている国にとってはとりわけ実現可能なやり方なのだ(これこそが、オハニアン氏がアルメニアの滞在中ずっと、故国の人たちに対してコードを書くことを学ぶことの重要性を説き続けていた理由の一部だ。これはすでにチェスを必修科目としている国にとっては比較的取り組みやすいことだろう)。これらはすべて、理屈の上では素晴らしいもののように聞こえる。

とはいえ、今はまだリバース・マレットのユニコーンたちの群れがいるようには見えない。しかし、もしそれが実現すれば、多大な影響を持つ新しい成長モデルとして、非常に興味深いものとなるだろう。実質的にシリコンバレーが世界中に転移する方法のひとつとなるからだ。だが皮肉なことに、多くの非中央集権化の声は挙がりながらも、そのモデルの成功はやがてシリコンバレーの世界のテック産業の中心としての優位な地位を(すべての惑星を周回軌道上に従える太陽のように)強化することになるだろう。これから3年以内に生まれるリバース・マレットのユニコーンを数えてみよう。ほんの数個以上あれば、答えがわかるだろう。

【編集部注】「Mullet」というのはもともとは魚の「ボラ」を指す単語だった。そこから派生してトップの写真にあるようなヘアスタイル(前が短く襟足が長い)を「Mullet Hairstyle」と呼ぶようになった。それが転じて「立派なトップページは用意されているものの、それ以外の部分はそれほど手間のかかっていないウェブサイト」のデザインを「Mullet Strategy」(マレット戦略)と呼ぶようになっている。上記の「マレット・スタートアップ」という名称はそれがさらに転じたものである。

トップ画像クレジット:Tony Alter/Flickr より CC BY 2.0 ライセンスによる

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(翻訳:sako)

10億ドルを調達できるユニコーン企業がなぜ多様性と包括性を持てないのか

2000年代の初めごろ、Hasbroは」「マイリトルポニー」というオモチャのシリーズを復活させた。ポニービルに暮らすカラフルな生き物たちの中でも、私の一番のお気に入りはユニコーンのポニーだった。ユニコーンのポニーは魔法の生き物で、気まぐれで、珍しい存在だ。私はその珍しい部分に自分を重ねていた。

そのとき私は13歳。数学と科学とコンピューター科学の特別強化プログラムに選抜されたばかりだった。このプログラムには100人の生徒が参加していたが、黒人の女の子は私ともう一人だけだった。しかし、私はラッキーだった。「現世」のポニーたちがユニコーンを受け入れたように、白人とアジア人のクラスメイトも、私に温かく接してくれた。

この先、ハイテク業界で働くようになっても、このままであってほしいと私は願った。

ハイテク業界に多様性がないのは、私が13歳のころから変わっていない。それでも、多様性と包括性をもっと強化すると約束するハイテク企業は増えている。

ではなぜ、その約束がポニービルにつながらないのだろう?

さようならポニービル、現実よこんにちは

6年間、数学と科学とコンピューター科学の特訓コースで徹底的に学んできた私は、MITに進学する準備をほとんど整えていた。多変数微積分は? 大丈夫。学校で自分が一等賞でなくても落ち込まない? 大丈夫。クラスメイトから差別を受ける心配は? それはわからない。

こんなことがあった。大学4年生のとき、新しい医療機器を開発するという活動で、私はその他21人の学生と一緒に行動した。そこではチームメイトの評価が自分の成績に影響を与えるため、ちょっと心配だった。黒人女性に対する偏見で評価が低くなってしまうことを、私は恐れていたのだ。私は、知的だが威圧的でない、自信に満ちているが攻撃的でない、親しみやすいが鬱陶しくない自分でいなければならないと、常にプレッシャーを感じていた。

大半は好意的な評価をもらったが、一人ならず二人のチームメイトから「もっと穏やかに」と言われてしまった。私は他の黒人のクラスメイトの話を聞くまで、孤立した気分になり、気落ちしていた。彼らはチームミーティングから外され、もっともつまらない作業を押しつけられていたそうだ。

こんなことがMITで起ころうとは。多様性と包括性を誇るイノベーションの中心地で。人は差別するものだ。学校は差別を容認している。人々は自分に対する差別を許容することを学ぶ。わかりやすい悪循環だ。学校も企業も、これに対抗するようには作られていない。MITを卒業してからの3年間、「少数派」として扱われることにう私はうんざりしていた。今こそユニコーンを探すときだ。

ユニコーン(名詞) uni·corn | ˈyü-nə-ˌkȯrn

体は白い馬に似て、優美な長いたてがみと尾を持ち、額の中心から螺旋模様の長い角が生えた姿で描かれることが多い空想上の動物。多様性と包括性のあるハイテク企業。

虹の道を辿って

ユニコーン探しは楽ではなかった。Googleで検索すると10億ドル以上の評価額のスタートアップ企業がたくさん出てくる。だが、多様性と包括性のある企業はほとんどない。

ニューヨークの業務用IoTスタートアップであるTembooに惹かれたのは、そのためだ。

  • 有色人種の女性がトップにいるハイテク企業である。
  • エンジニアリングチームには男性と女性が同数在籍している。
  • プログラミングの取っつきやすさと民主化に重点を置いた製品を作っている。
  • 従業員は、さまざまな文化的背景を持つ多様な人々である。
  • とりわけ感心したのは、最初の面接に訪れたとき、強くハグしてくれたこと。そこはニューヨークだ。やたらにハグをする習慣はない。

私が会ったすべての人には、それぞれ独特な背景や興味があった。私が面接を受けたすべての企業のなかで、前の会社で黒人従業員のリソースグループを率いる役職を選んだのはなぜかと聞いてくれたのは、Tembooだけだった。その会社の物理的環境も、他のハイテク企業とは違っていた。マンハッタンのトライベッカ地区の中心地に、独立したオフィスが置かれていたのだ。

この会社に入ろうと決めたとき、私は希望に満ちていた。ここなら、本来の私を尊重して正当に評価してくれるだろうと。

マイリトルポニー・ニューヨーク編

勤め始めてから数カ月間は過去の教訓を活かして、同僚に受け入れられるバージョンの自分で過ごさなければいけないと自分に言い聞かせていた。しかし時間が経つと、TambooではありのままのSarahで十分なんだと感じるようになった。

私の縮れ髪は三つ編みにもアフロにもできるけど、ヘアースタイルは自分の知性の評価には関係がない。業務用IoTのカンファレンスに参加したときなどは、多様性の欠如を大っぴらに批判し、同意の喝采を得た。

たしかに、何度か不当に非難されたと感じたことはある。マイナーなリアリティ番組カボチャ味の食品を溺愛する意味がわからないと。

私はユニコーンを見つけた。そしてそれに満足している。今は、ハイテク産業で働くすべての人に、自分のユニコーンを見つけて欲しいと思っている。そこで、他の人たちにバトンを渡す方法を探る準備を開始した。

男だけのニューヨークビルで立ち往生

ハイテク企業が、多様性と包括性を高めようと従っている方針は、どこもたいてい同じだ。

  1. 人材プールを多様化する。
  2. 従業員のリソースグループのコミュニティを作る。
  3. 業績評価を多様性と包括性の目標に結びつける。
  4. 多様性の欠如を注意する。

中規模のハイテク企業の例を紹介しよう。そこは従業員のリソースグループを改善するための準備をしていた。私はそこに講演者として招かれ、前の会社で黒人従業員のリソースグループを統括していたときの教訓を話した。

たとえば、私のチームは「マイクロアグレッション(自覚なき差別)認知週間」を設けた。これには手応えがあった。翌週の幹部会議で、一人のシニアマネージャーが同僚を呼び止め、彼の話に自覚のない差別的な発言がなかったかを尋ねていた。

しかし私たちは、業績に多様性と包括性を結びつけるという目標を、その会社の求人担当者たちに持たせることはできなかった。彼らは重い責任を負いたがらなかったのだ。それどころか私たちに、多様な才能を惹きつける、もっと別のアイデアはないかと聞いてきた。

もう一人の講演者は、彼女が50歳のときに職場でカミングアウトした経験を話していた。Fortune 500に選ばれた企業の上級管理職として18年間勤めた後、彼女は小さなハイテク企業に転職した。職場の雰囲気はまったく違っていた。そこでは人の性的指向をからかうのは無作法とされ、会社ぐるみでニューヨーク市のプライドパレードに特別な車を作って参加したりもしていた。30年間のキャリアで、彼女はようやく、ありのままの自分で安心して働けるようになったという。

講演会は励ましの言葉で幕を閉じたが、問題は残ったままだ。その会社のある従業員は、差別を避けるためにイギリス風のミドルネームで通していると私に話してくれた。彼は、多様性と包括性の推進責任者だ。

角を生やす方法

ステレオタイプ化、ハラスメント、自覚なき差別といった不当な行為が、ハイテク企業から人材が離れる第一の原因になっている。女性、社会的少数者、LGBTQの従業員が差別の攻撃に耐えてる(Kapor Centerの調査による)。

多様性と包括性のあるハイテク企業は、離職率も低く財務実績もいい。マッキンゼーは、企業の多様性を高めようとする姿勢と財務実績との関係を、20142017に調査しているが、性的多様性でトップ4分の1に入る企業は、下から4分の1の企業と比較して、平均を15〜21%上回る収益性を示す傾向があった。民族と文化の多様性のある企業は、収益性が平均よりも33〜35%高い傾向がある。

多様性と包括性のある企業を作るには、まず個人から手を付けることだ。管理職から新人社員に至るまで、全員が継続的に見直しを行い、先入観を捨てて新しい概念を学ぶ必要がある。

個人的な偏見を見直す。差別的な習慣を捨てる。自分とは異なる人を尊重する方法を学ぶ。

企業は、それを許さないという姿勢を示すことで、職場の差別を減らすことができる。Tembooの文化と行動は素晴らしいお手本だ。ユニコーンは魔法の生き物だが、多様性と包括性のあるハイテク企業は現実に存在する。そこでは、従業員たちに「普通」の考え方を再定義するよう求めている。

【編集部注】著者のSarah McMillian氏は、Tembooのセールス主査。母校のMIT、Complex誌、The Roots誌から多様と包括のリーダーとして認められている。またハイテク企業に多様性と包括性をもたせるためのアドバイスも行っている。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

Googleのダイバーシティ責任者が同社を去る

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Googleで何年にも渡り、同社のダイバーシティとインクルージョンチームを世界的に率いてきた、ダイバーシティ責任者のNancy Leeが、Googleを去ることをTechCrunchは知った。

2006年にGoogleの法務チームに元々加わったLeeは、最後の数年はGoogleのダイバーシティ(多様性)の課題に取り組んできた。彼女は2010年に人事部長としてダイバーシティへの取り組みを開始し、2013年には人事担当副社長に就任した。

人事の責任者としてLeeは、ダイバーシティトレーニングや、伝統的に黒人の多いカレッジやユニバーシティにGoogle社員を送り込むGoogler in Residenceプログラムなどの多くの取り組みを監督してきた。彼女はまた、同社の社員構成の多様性を高めるための活動にも従事していた。

Googleの最新のダイバーシティレポートによれば、女性社員の割合が2014年の30パーセントから2015年には31パーセントに変化したことがわかる。しかし、全体に占める黒人およびヒスパニック系の人々の割合はまったく増加せず、黒人は2パーセント、ヒスパニックは3パーセントのままだった。2015年は、Googleの採用者の4パーセントが黒人で、採用者の5パーセントがヒスパニックだった。

誰がダイバーシティ責任者を引き継ぐのか、Leeがいつまで勤務するのかは明らかではない。Googleはこの件に関するコメントを拒否した。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)