ペット動画のマーケットプレイスCamlistが約1.4億円のプレシード資金を調達、英国での成長を目指す

ペットのための動画マーケットプレイスのCamlist(カムリスト)は、プレシードラウンドで130万ドル(約1億4900万円)を調達した。この資金は、プラットフォームの開発と従業員の増員に充てられる予定で、2021年初めに参入したアラブ首長国連邦に次ぐ2番目の市場である英国での事業拡大を目指している。

他のマーケットプレイスとは異なり、Camlist(カメラリスティングからきている)では、売りたいペットの動画を掲載することができ、コンタクトが取れれば、買い手と売り手はアプリ内で動画とテキストチャットの両方を使ってやり取りすることができる。

マーケットプレイスでは、今のところペットだけ出品できるが、近い将来、他の商品にも拡大していく予定だ。

「クラシファイド、あるいはP2Pコマースは、eBayが登場して以来、古いやり方に固執しています。それ以来、大きな革新はありませんでした。ただ、画像と電話番号が掲載されているだけです」と、Camlistの共同設立者で最高経営責任者のMoustafa Mahmoud(ムスタファ・マフムード)氏は述べている。

「しかし、Camlistではそれを変えようとしています。マーケットプレイスをビデオ体験に変えようとしています。すべての所有物にストーリーがあるからです」。

マフムード氏は、誰もが安全にペットを探すことができるように、検証済みの健康診断や、一括払いができない人のためにサードパーティと提携した無利子融資も保証していると述べている。Camlistは、これまでに6000匹以上のペットを新たな飼い主に繋げている。

「当社のアプリ内GMV(流通取引総額)は、2四半期ごとに100%成長しています。そのため、四半期ごとに倍増しており、総GMVは月に約200万ドル(約2億3000万円)になります」とマフムード氏は語っている。

このY Combinator(Yコンビネータ)企業は、2020年、新型コロナウイルスのパンデミックが発生する直前に、アラブ首長国連邦のドバイで設立され、事業を開始した。その結果、家に閉じこもることを余儀なくされた人々が、一部退屈しのぎだが、世話をする時間も増えたため、ペットを購入するようになりサイトは人気を博した。

「私たちはマーケットプレイスをカテゴリーごとに構築していますが、ペットのリスティングは非常に大きく、また十分なサービスが提供されていないと感じています。今後、成長に合わせてさまざまなアイテムに拡大していく予定です」と、コンピューターサイエンティストでもあるマフムード氏は語る。

他の共同設立者には、最高製品責任者のMaha Refai(マハ・リファイ)氏がいる。彼女は、デジタル製品の構築と拡張での16年の経験を持っている。彼女は、MBC(中東最大の無料放送局)のプレミア・ビデオ・プラットフォームや、その他の複数のビデオ・ストリーミング製品のクリエイターでもある。

Camlistの最高技術責任者であるAlsayed Gamal(アルサイード・ガマール)氏は、15年のソフトウェアエンジニアリングの経験を持っている。モバイルプラットフォーム、データエンジニアリング、DevOps、API設計、マイクロサービス、サーバーレスアーキテクチャに関する知識と経験を持っている。

マフムード氏は、アラブ首長国連邦のドバイでクラシファイドサイトを利用して購入した際に、商品が誤って紹介されていたり、詐欺が多かったりした嫌な経験に対抗する必要があったことが、Camlistを始めるきっかけになったと述べている。

Camlistの最高経営責任者であるムスタファ・マフムード氏は、同社の最高製品責任者であるマハ・リファイ氏、最高技術責任者であるアルサイード・ガマール氏と共同で動画マーケットプレイスを設立した

駐在員の街でもあるドバイでは、クラシファイドサイトは荷物の処分のために利用されるため人気があるが、一方で詐欺師が無防備な人々を狙う機会にもなっている。このような状況に対処するため、Camlistはアプリ内での支払いを可能にしている。購入者がペットを受け取ったことを確認した時点で資金が支払われる仕組みだ。この機能により、業者を装った詐欺師を防ぐことができ、購入者が詐欺に遭うことがなくなる。

マフムード氏と彼の他の共同設立者は、購入者が購入する前に、興味のあるアイテムをビデオで体験できるマーケットプレイスを提供している。これは、購入者が詐欺の手口から守られ、高品質のサービスを保証することに加えてのことだ。

また、同社はプラットフォーム上の販売者が、ペットを健康的な環境で飼育・繁殖しているかどうか、ワクチン接種や駆虫、マイクロチップの装着などを行っているかどうかしっかりフォローアップしている。

「また、私たちはワクチン接種、マイクロチップ、駆虫、保険、ペットフードを無料で提供することで、購入者と販売者をサポートしています。買い手と売り手に最高の体験を提供することを心がけています」と同氏は述べている。

同スタートアップは、Y-Combinator、テクノロジー・スタートアップ・アクセラレーターであるAct One Ventures(アクトワン・ベンチャーズ)、アーリーステージのベンチャーファンド、そしてHouseparty(ハウスパーティー)、Mux(マックス)、Facebook(フェイスブック)などのエンジェル投資家から新たな資金を調達した。

「私たちは、未来のマーケットプレイスを構築するというビジョンを信じてくれる投資家を心待ちにしていました。そして、このビジョンを信じ、実際にビデオ業界で働き、アプリケーションを構築している人たちを得られたことは、本当に幸運でした」とマフムード氏は述べている。

英国での成功を収めた後、Camlistは米国市場への参入を計画している。これは彼らにとって巨大で重要な市場になると確信している。

「英国はかなり大きな市場なので、現在の私たちの状況は英国内での拡大です。ここで、私たちが行っていることの反響を確認することもできます。しかし、市場の過半数を占めるような一定の段階に達した時点で、米国への進出を開始する予定です」と、エジプトで生まれ、6歳のときに家族でドバイに移住してきたマフムード氏は語る。

画像クレジット:Camlist

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(文:Annie Njanja、翻訳:Akihito Mizukoshi)

ゲーマー向け動画クリッピングサービスMedal.tvがRawa.tvを買収、ライブストリーミングに参入

ゲーマー向けに短い動画のクリッピングサービスとソーシャルネットワークを提供しているMedal.tvは、Rawa.tvを買収してライブストリーミング市場に参入しようとしている。ドバイに拠点を置くRawa.tvはTwitch(ツイッチ)の競合として、これまでに約100万ドル(約1億1000万円)の資金を調達していた。7桁の金額(数億円)をすべて現金で支払うという今回の買収により、Rawa.tvの創業者であるRaya Dadah(ラーヤ・ダダ)氏とPhil Jammal(フィル・ジャマル)氏の2人はMedal.tvに加わり、今後は2つのプラットフォームの統合を進めていく。

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Medal.tvのCEOであるPim de Witte(ピム・デ・ウィッテ)氏は、同社がRawa.tvに関心を持った理由について「中東・北アフリカ地域(MENA)は、ゲーム業界で最も急速に成長している市場の1つですが、いまだにほとんど相手にされていません」と説明する。

「この市場をターゲットにしている企業の多くは、微妙な違いをよく理解しておらず、欧米や極東の既存モデルを再現しようとしますが、それでは失敗します」と、デ・ウィッテ氏はいう。「現地のチームを吸収することで、Medalがこの地域で成功する可能性が高まります。全体的に見て、MENAはライブストリーミングの分野で明確なリーダーがおらず、十分なサービスが提供されていない市場だと我々は考えています。Rawaは、この好機を生かすのに必要な現地市場の専門知識をMedalにもたらしてくれます」と、デ・ウィッテ氏は付け加えた。

Medal.tvのコミュニティは、以前からライブストリーミングの機能を求めており、経営陣もそれを認めていたものの、既製のサービスを使ってこの技術を構築するには、同社にとってコストが高額すぎたと、デ・ウィッテ氏は述べている。

「人々はライブやリアルタイムの体験でつながるようになってきていますが、これまでの我々のプラットフォームにはそれが欠けていました」と、同氏は指摘した。

しかしRawaは、アラブのゲームに特化した初のライブストリーミングプラットフォームとして、独自のライブネットワークストリーミング技術を構築し、現在ではすべての製品に採用している。その技術がMedal.tvにも導入されることになる。

画像クレジット:Medal.tvmedal

両社は買収以前にもすでに提携しており、RawaのユーザーがMedal.tvにゲームクリップをアップロードしたり、RawaのパートナーがMedalの熟練プレイヤーのプログラムに参加したりということが行われていた。今後もRawaは独立したプラットフォームとして運営されていく予定だが、Medalとの統合はより強固なものになるとのこと。現在、Rawaのサービスには約10万人のアクティブユーザーがいる。

今回の買収完了後も、Rawaの従業員たちは共同創業者であるジャマル氏のリーダーシップのもと、同社のライブストリーミングプラットフォームの運営を継続し、Rawaの本社も引き続きドバイに置かれる。とはいえ、新型コロナウイルスの流行拡大が始まって以来、Rawaの従業員はリモートで仕事を続けている。ウイルスの拡散が不透明であるため、今後それが変更になるかどうかは、まだわからない。

Medal.tvは、Rawaに関するさらなる計画について、自社サイトで詳しく説明している。同社は、視聴者の大半が無料で利用する「汎用」ライブストリーミングプラットフォームの構築は目指していないと説明しているが、これは明らかにTwitchに向けて呼びかけたものだろう。その代わりに同社では、クリエイターの作品を定額を支払って視聴したいと思う視聴者とコンテンツとのマッチングに注力していくという。このことは、Twitchのような大規模なプラットフォームがこれまで直面してきた問題の1つである、小規模なストリーマーにとって軌道に乗るのが難しいという問題を解決するものだ。

また、他社が行っているようなゲーム以外のコンテンツへの進出ではなく、ゲームコミュニティへの貢献に焦点を絞っていくとしている。この点でも、この数年間でブログや古いテレビ番組のストリーミングにまで進出してきたTwitchとは異なる。また、ゲームが広範なビデオネットワークのサブカテゴリーに過ぎないYouTube(ユーチューブ)やFacebook Watch(フェイスブック・ウォッチ)とも大きく異なる。

今回の買収前、Medal.tvは2019年にHorizons Ventures(ホライズンズ・ベンチャーズ)が主導したシリーズA投資ラウンドで900万ドル(約9億9000万円)を調達しており、当時はすでに500万人の登録ユーザーと「数十万人」のデイリーアクティブユーザーを抱えるまでに成長していた。現在では毎日20万人以上がMedal.tvでコンテンツを作成し、毎月300万人のユーザーがそのコンテンツをアクティブに視聴しているという。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Medal.tvRawa.tvライブストリーミング買収中東ゲームゲーム配信ドバイ

画像クレジット:Medal.tv

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

巨大ロボットで有名な三笠製作所が、移動式交番2号機をドバイ警察に納車決定

画像は1号機のコンセプトモデル

 

ロボットやモビリティを手がける三笠製作所が、遠隔自動運転で動く移動式交番「SPS-AMV」2号機をドバイ警察に納車すると、8月5日に発表した

三笠製作所といえば、巨大ロボットプロジェクト「MegaBots(メガボッツ)」の立ち上げや、動くガンダム「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」への技術参加で脚光を浴びた企業。ロボットだけでなく制御盤技術も高いという。「SPS-AMV」は2017年からドバイ警察と共同プロジェクトとして開発をはじめ、2018年に1号機のコンセプトモデルを発表した。

人が乗れる巨大ロボットMegaBots

 

「SPS-AMV」は、ワイヤレス充電や太陽光発電で駆動する電動ビークルに、警察や行政のサービス端末を搭載したもの。速度違反や駐車違反の自動検出・通報や、周囲の360度映像を警察本部でVR視聴できる機能などを備え、パトロール業務の負担軽減を狙う。

さらに、スマートホンで希望の場所まで呼び出し可能で、乗車後は移動しながら各種支払いや遺失物や盗難の届け出など約30の行政サービスを提供できる。2号機の新機能としてHakobot社の小型自動運転車両が予定されており、さらなる利便性アップが期待される。

現状の2号機デザインは三笠製作所オリジナルのもので、ドバイ警察のデザインとは異なる。

 

今年10月から開催されるドバイ国際展覧会などで公開される予定だが、日本では一足先の8月9日、10日に東京・渋谷にてお披露目される。SPS-AMVへの試乗体験ができるという。

【SPS-AMV展示】
期間 2021年8月9日~8月10日(2日間)
場所 代官山TSUTAYA  〒150-0033東京都渋谷区猿楽町17-5
※新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴い、予告なく中止される可能性があります。

 

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Dubai, Police, Robot

中東・アフリカ地域のアラビア語話者向け動画学習プラットフォーム「Almentor」が7.1億円調達

世界には4億人以上のアラビア語話者がいて、その数が減ることはない。アラビア語は、ほとんどの人にとって難しい言語であり、話者にとってさえもそうだ。Duolingo(デュオリンゴ)によると、アラビア語エジプト方言が堪能な人でも、アラビア語イエメン方言話者のいうことを完全には理解できないという。方言の違いが著しいためだ。

個人が複数の方言を操ることは難しくないが、完全カスタマイズされたアラビア語による日常生活に不可欠なコンテンツを見つけるのは容易ではない。

Dr Ihab Fikry (イハブ・フィクリー博士)とIbrahim Kamel(イブラハム・カメル)氏は、アラビア語話者向けオンライン学習コンテンツの不足を補うためのオンラインビデオ学習プラットフォームAlmentor.net(アルメンター・ドット・ネット)を2016年に設立した。数百人の指導者、教育者、専門家らの協力を得て、同プラットフォームは、健康、人文科学、テクノロジー、起業家精神、ビジネスマネージメント、ライフスタイル、ドラマ、スポーツ、コーポレート・コミュニケーション、デジタルメディアなどさまざまな分野のコースと講演を提供している。

Almentorは2016年に350万ドル(約3億8000万円)のシードラウンドを完了し、3年前にはエジプトのSawari VenturesのリードによるシリーズAで450万ドル(約4億9000万円)調達した。このドバイ拠点のEdTech企業は、今回のシリーズBで総調達額を1450万ドル(約15億9000万円)とした。サンフランシスコとパリに拠点を持つベンチャーキャピタル、Partechがラウンドをリードし、他にSawari Ventures、シリーズAでも出資したEgypt Ventures、およびSango capitalが参加した。

Almentorはアラブ圏学習者に、職業経験と個人生活を高めるために不可欠なスキルを提供する。同プラットフォームは、地域で最大の持続学習ライブラリーを持っていて、世界でも最大規模だと言っている。ドバイ、カイロ、およびサウジアラビアで提供している同社の動画コンテンツは、社内で開発されアラビア語と英語が使われている。

「Almentorを立ち上げた構想と理由は、1億人以上がいるこの地域で、90%の人々はアラビア語以外の言語を満足に学習できないことを、私が理解していたからです」とフィクリー氏がTechCrunchに語った。「だから私たちは、人々の思想を変え、彼らが客観的になって集中して学ぶことのできるテーマに焦点を当てられるような最先端技術を駆使したプラットフォームを作りたいと思いました」。

Almentorのような新規製品では、投資家と顧客の両方を集めるのが大変だ。CEOのフィクリー氏によると、最初の課題はMENA(中東・北アフリカ)諸国に対して、Almentorがビデオ学習の新しい産業を作ろうとしていて「地域のサービスを強化する数多くの可能性がある」と説得することだった。

Almentorのビジネスは、教育とメディアとテクノロジーの交点にある。提供するサービスは3つに分けられる。主力のB2Cプロダクト、優良企業向けのホワイトレーベルB2Bモデル、そしてフィクリー氏が政府向け「スペシャルプロジェクト」と呼ぶものだ。

B2CプロダクトとしてAlmentorは、20~30ドル(約2190〜3280円)でコースを販売し、ユーザーは永久に使い続けることができる。フィクリー氏は2021年6月に、同社の1万2000種類の動画コンテンツを、100万人以上の登録ユーザーが定額で無制限に利用できるサブスクリプション型モデルの導入を計画しているという。

B2Bモデルでは、Almentorが同社のライブラリーを企業に開放し、利用する企業は社員向けにコンテンツをカスタマイズできる。動画の内容は主として、職場で成功するために必要なチュートリアルまたは教育で、2016年以来Almentorは提携企業と78件の契約を結んだ。

そして、スペシャルプロジェクトは、Almentorが政府と仕事をするためのモデルだ。かつて同社はエジプト政府と提携して、国の映画産業のスキル向上を実施した。同社は5年前の創業以来同じようなスペシャルプロジェクトをあと11件実行している。

3つのモデルを通じて、Almentorは200万人以上に学習体験を届けることに成功した。今回の投資は、コンテンツの制作と品質を強化し、MENA諸国の人々に何故このプロダクトが必要かを知ってもらうために使うと同社は言っている。

「現在当社はアラブ地域の持続学習業界をリードしていますが、私たちにはAlmentorの野心以上のことを行う責任があります。現在の責務はアラブ地域全体として業界を向上することであり、そのための唯一の方法は、プラットフォームが提供するコンテンツの価値と専門技術と公平性に対するアラブ学習者の信頼を勝ち取り、世界の学習トレンドに沿って事業を進めていくことです」。

PartechのゼネラルパートナーであるCyril Collon(シリル・コロン)氏は投資について次のように語った。「初めて出会った時から、イーハブとイブラハム氏に大いに魅せられています。使命感の強いすばらしい起業家である2人は2016年以来大胆な構想を実行し、中東・アフリカをリードするアラビア語自己学習コンテンツプロバイダーを作りました。私たちはこの会社が4億3000万のアラビア語人口に役立ち、最先端のオンデマンド個人学習・啓発の利用を拡大するための次期成長フェーズを支援できることを楽しみにしています」

カテゴリー:EdTech
タグ:Almentorオンライン学習アラビア語資金調達ドバイ

画像クレジット:Almentor

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Nob Takahashi / facebook

GMの自動運転子会社Cruiseがドバイでのロボタクシーサービス事業を契約、2029年まで独占

Cruise(クルーズ)が、そのロボタクシーの可能性をサンフランシスコ以外にも広げた。GM(ゼネラル・モーターズ)の自律走行車子会社で、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)、Microsoft(マイクロソフト)、Honda(ホンダ)の支援も受けている同社は、2023年にドバイでロボタクシーサービスを開始する契約を結んだ。

ドバイでのロボタクシーサービスには、ハンドルやペダルのない、高速道路での走行を前提としたシャトル型自動運転EV「Cruise Origin(クルーズ・オリジン)」が使用される。2020年1月に発表されたOriginは、GMが製造する。

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Cruiseはドバイを拠点とする現地法人を新たに設立し、その新会社が車両の導入、運用、メンテナンスを担当していく。

RTA(Roads and Transport Authority、ドバイ道路交通局)の長官兼理事会長であるMattar Mohammed Al Tayer(マタール・モハメド・アル・ターイル)氏によると、ドバイの自動運転交通戦略の一環として、まず限られた台数の車両でサービスを開始し、2030年までに4千台の車両に拡大する計画だという。これらのロボタクシー、そして最終的にはサービスは、限定地域で徐々に導入され、その後、他の地域に拡大される予定だ。

ドバイのSheikh Hamdan bin Mohammed(シェイク・ハムダン・ビン・モハメド)皇太子は、Cruiseとの契約について「2030年までにドバイにおける交通手段の25%を自動運転による移動に変えることを目指す、自動運転交通戦略(Dubai Autonomous Transportation Strategy)の実現に向けた大きな一歩」と述べている。

重要なのは、Cruiseが少なくとも向こう数年間はドバイを手中におさめるという点だ。今回の契約に基づき、Cruiseは2029年まで、ドバイにおける自動運転タクシーおよびライドヘイリングサービスの「エクスクルーシブ・プロバイダー」となる。アル・ターイル長官は、Cruiseの選定は軽々しく行われたものではなく、複数年にわたる包括的なプロセスを経て行われたと述べている。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:CruiseドバイロボタクシーGM

画像クレジット:Cruise-Origin-Dubai

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)