ARでリフォーム後をシミュレーション、内装提案アプリ「ゲンチロイド」運営が7000万円を調達

ARを活用したスマホアプリを開発するKAKUCHOは4月17日、ニッセイ・キャピタルおよびベクトルを引受先とした第三者割当増資により約7000万円を調達したことを明らかにした。

KAKUCHOでは2017年10月にも家入一真氏、古川健介氏、須田仁之氏らから資金調達を実施。今回はそれに続くものとなる。同社では今回の資金調達をもとに、さらなる事業拡大に向けてサービス開発と組織体制の強化を図っていくという。

KAKUCHOが展開しているサービスのひとつが、AR技術を内装提案の現場に用いた「ゲンチロイド」だ。同サービスは実空間上にARで壁紙を貼ってシミュレーションすることで、消費者が施工後の部屋の様子をよりイメージしやすくなるというもの。リフォーム業者や壁紙職人、インテリアデザイナーなどが使うプレゼンツールのような位置付けだ。

ゲンチロイドには数千点の壁材・床材が登録されていて、サービス上で発注にも対応。営業担当者が紙のカタログを持ち運ぶ負担や、発注にかかる作業を削減する効果もある。

同社では引き続きゲンチロイドの開発に力を入れていくとともに、AR技術を使用した新しいコンテンツの制作・運用を行い「ユーザーに全く新しい体験を提供することで新しい社会の実現を目指す」としている。

リフォーム仲介のHouzzが巨額$400Mを調達、コマース部門はディープラーニングとARをフル活用

住宅リフォームのHouzzは成長を続けており、再び大きな資金調達に臨もうとしている。同社によるとその金額は4億ドル、複数の報道が告げる評価額は40億ドルだ。

2009年に創業したHouzzはリフォーム仲介サービスのほか、必要な家具や設備を見つけるためのツールも提供している。ユーザーは世界中におり、その市場はアメリカ、イギリス、オーストラリア、フランス、ドイツ、ロシア、日本、イタリア、スペイン、スウェーデン、デンマーク、インドと幅広い。

同社の主な収益源は、各地元のリフォーム店や工事店などの紹介料(リスト掲載料)だが、同社のWebサイトやモバイルアプリからの、ディープラーニングやARを利用した直販にも熱心だ。

昨年の秋に導入したディープラーニングツールは、サイトに載ったユーザーの家の写真を分析して、そこに写っているのと同じような製品を同社のページから買うよう勧める(リコメンドする)。またモバイル上のAR機能で、新しい家具などと今のユーザーの家との相性をチェックできる。

最新の投資ラウンドは、Recodeの報道によるとIconiqがリードし、これまでにHouzzがSequoia, New Enterprise Associates, GGV Capitalなどから調達した2億ドルあまりに上乗せされる。

〔訳注: 写真はHouzzの協同ファウンダーでCEOのAdi Tatarko。このほか、最優秀アプリ賞インパクトの大きい女性ファウンダーなど、記事多し。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

施工管理アプリで建設現場のIT化を加速するオクトが資金調達、元ミクシィ朝倉氏が顧問に

オクト代表取締役社長の稲田武夫氏

オクト代表取締役社長の稲田武夫氏

リフォーム・新築・建設業界は、政府の投資額48兆円の大きな市場だ。しかし、建設現場の実態はファックスや電話、コピーした要件書を紙で管理するアナログな業界。案件数が増えても、煩雑な管理に業者の担当は手が回らず、ミスが多発する原因にもなる。さらに労働者人口も減っており、課題は深刻になる一方だ。そんなアナログな市場の課題を、ITで解決するためにサービスを開発する会社がある。それが建設現場の施工管理アプリ「ANDPAD(アンドパッド)」を運営する「オクト」だ。

ローンチから1年が経ち、導入企業数が350社を突破したANDPADのさらなる加速を目指し、2016年11月28日、同社は元スポットライト代表取締役柴田陽氏をはじめとする個人投資家数名から資金調達(金額非公開だが関係者によると数千万円程度)を完了していたことを明らかにした。また、2016年9月以前より元ミクシィ代表取締役社長朝倉祐介氏が、戦略顧問として就任しているという。

リアルタイムで施工情報を共有

オクトは2012年9月の創業。代表取締役社長である稲田武夫氏が前職のリクルート在席時に立ち上げた。稲田氏は当時、新規事業室で多くのサービス立ち上げに携わっていた。しかしその一方で「IT化の促進されていない、大きな市場で勝負したい」(稲田氏)という思いがあったという。

「リフォーム会社を選ぶときにどこがいいのかわからない。もっと業界を透明化する必要を感じていた」——最初はそんな課題を解決するために、リフォーム会社の業者検索サイト「みんなのリフォーム」を立ち上げた。現在は600社を超えるリフォーム会社が掲載されている。

同サービスを運営している中で、ユーザー企業から「現場の工程管理をすることができるサービスがほしい」という声が多く寄せられたことから開発したのが施工管理アプリのANDPADだった。

ANDPADは、スマートフォンアプリ上で利用することができる施工管理アプリ。施工工事情報、図面資料管理、工程表、現場の写真情報などをクラウド上で一括管理することができる。「建設現場の就労者は高齢化が進んでいます。その中でも無理なく利用することができるように、アプリベースでの展開をしています」(稲田氏)

プロジェクトごとに施工現場のスタッフでグループを開設することができ、チャットや日報報告など、リアルタイムのやり取りができる。

建設市場の労働生産性課題をITで解決する

稲田氏はオクトの今後の方針、目標についてこのように語る。

「僕らの事業は、労働問題の解決だと思っています。建設産業は労働者がすごく減っている。さらに他業種と比較すると50歳以上の人口が30%を超えていて、逆に30歳以下は12%しかいない。就職人気の無さや高齢化が問題ですが、建設業界は市場規模、GDP率を見てもインパクトの大きな産業なので、労働人口の減少に伴う生産性の低下は大きな課題だと思っています」

「労働人口の減少は抑えられないので、国交省も言っているように“ITを活用して生産性を上げる”ことをしたい。我々はここに寄与できると考えています。なので、ANDPADは建設現場の課題を解決し、インフラになることを目指します。当たり前に現場の方や職人さんが使っていただけるっていうことを愚直に目指したい。まずはそこが当面の目標です」(稲田氏)

市場の課題を解決するために、愚直な事業展開を行っているオクト。2015年11月にはリノべるとのOEM提携を、2016年11月にはTOTOとのサービス提携なども行っている。

住宅ローン借換で浮いたお金を原資にリフォーム提案、日本のWhatzMoneyが新サービス開始

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住宅ローンの比較・検索サービス「WhatzMoney住宅ローン」を展開する日本のWhatzMoneyは本日、リフォーム会社比較サイトの「リショップナビ」を運営する株式会社アイアンドシー・クルーズ(以下、IACC)と業務提携をすると発表した。これにより同社は、住宅ローンの借り換え支援サービスの「ゼロカラリフォーム」をローンチする。

WhatzMoneyが展開中のWhatzMoney住宅ローンは、763社の金融機関が取り扱う1万7000件以上の住宅ローンを網羅するサービスだ。一方で、IACCが運営するリショップナビには1200社以上のリフォーム工務店が加盟しており、同サービスはこれまでに累計で3万人を超えるユーザーを獲得している。この2社が手を組んで新しくローンチするサービスが「ゼロカラリフォーム」だ。

WhatzMoneyは同サービスを通して、リショップナビに加盟するリフォーム工務店に、住宅ローンの借り換えシュミレーションやフォローアップサービスを提供する。工務店はゼロカラリフォームを利用してリフォーム希望者に住宅ローンの借り換えを促し、借り換えによって浮いた金利支払額の差を元に、リフォーム希望者の実質的な負担を抑えたリフォーム提案をすることが可能になる。

矢野経済研究所の調べによれば、2015年の日本の住宅リフォーム市場規模は約6.5兆円だった。既存の住宅を有効活用したいというニーズの増加を背景に、今後10年間でこのマーケットの市場規模は約7.4兆円まで拡大すると言われている。しかし、実際の現場におけるリフォームの受注には大きな壁がある。それは、高額なリフォーム費用だ。

平均的なキッチンまわりのリフォームでは100万円から150万円程の費用がかかり、より規模が大きなリフォームの住宅の増改築では、200万円から300万円程の高額な費用がかかることもある。実際のリフォーム受注の現場では、たとえ消費者にリフォームの希望があっても高額な費用を前に断念してしまうケースもあるようだ。

そこでゼロカラリフォームでは、消費者にローン借り換えによって得られるメリットを具体的に提示することで、実質的な負担を抑えたリフォーム提案を実現しているのだ。

ゼロカラリフォームではまず、IACCが運営するリショップナビによってリフォーム希望者とリフォーム工務店をマッチングする。消費者の住宅ローン情報を元に、工務店はWhatzMoneyに住宅ローン試算の申し込みをする。申し込みを受けたWhatzMoneyは、工務店に借り換えシュミレーションと住宅ローンプランについてのサポートを提供する。工務店はそのシュミレーション結果を利用して、借り換えによって得をする具体的な金額を消費者に提示し、それを原資にしたリフォーム提案を可能にするという仕組みだ。WhatzMoneyは借り換えを決断した消費者に対してフォローアップサポートも提供している。

WhatzMoney代表取締役社長の前田一人氏は、「不動産営業の方は、不動産の専門家であって、住宅ローンの専門家ではありません。そのため、多くの不動産営業の方が”どの住宅ローンがお客様に最適なのかわからない”などという課題を持っています。本サービスにより、不動産営業の方は住宅購入者に最適な住宅ローンの提案ができるようになります」と説明する。

同サービスにとって追い風となるのが、日本の金利水準だ。長期金利が継続的に低下を続ける日本では、住宅ローンの借り換えによるメリットが大きい。

10年以上の住宅ローンは、10年もの国債金利(長期金利)と連動する。過去10年間の長期金利を見てみると、2016年では1.5%を超す水準にあった長期金利はその後下落を続け、マイナス金利政策の導入が始まった今年は0%を切る水準で推移していた(11月中旬からは再び0%を上回る金利水準となっている)。

例として、借入残高が2000万円で、残りの借入期間が20年、金利1.5%の住宅ローンを組んでいる消費者を考えてみよう。工務店がゼロカラリフォームを利用して、その消費者に金利が0.5%の住宅ローンへの借り換えを提案できた場合、その消費者が手にする「借り換えによるメリット」は200万円となる。先ほども述べたように、平均的なキッチンのリフォームにかかる費用が100万円から150万円だということを考えれば、非常に魅力的な提案だと言えるだろう。

しかし、ここまでメリットの大きい住宅ローンの借り換えを検討していない消費者も多い。「住宅金融支援機構の調査によれば、およそ50%の住宅ローン利用者が自身の住宅ローンの内容を理解しておらず、日々の生活の中で、住宅ローンの見直しなどを行う機会がありません」とWhatzMoneyの前田氏は話す。そもそも借り換えによるメリットを消費者が理解していなかったり、知っていても面倒くさくて手がつけられない、というのが現状なのだ。

日本のスタートアップの中にも、MFS株式会社の「モゲチェック」など住宅ローンの借り換えを促すアプリやサービスなどはある。しかし、MFSが2つ目の有人店舗を11月にオープンしたことからも分かるように、消費者に借り換えのメリットを理解してもらうという点が各社にとって最大の課題となっているのだ。

その点、WhatzMoneyは今回の業務提携により、「この資金を利用すれば、このリフォームが可能になる」という具体的なメリットを消費者に提示することで、潜在的な借り換えのニーズを引き出す仕組みを構築したと言えるだろう。